JP2007085828A - 水質監視方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】水生生物の行動をごく初期の段階から詳細に監視することにより、急性毒性に対してはもとより、そのような毒性に発展するおそれがある初期段階や極めて低濃度の毒性が生じている初期段階に対しても、適切に水質を判断できるようにした水質監視方法および装置を提供する。
【解決手段】水槽内に検水を導入して、該水槽内に浮遊させた複数の水生生物の行動パターンにより検水の水質を判断することを特徴とする水質監視方法および装置。
【選択図】図1
【解決手段】水槽内に検水を導入して、該水槽内に浮遊させた複数の水生生物の行動パターンにより検水の水質を判断することを特徴とする水質監視方法および装置。
【選択図】図1
Description
本発明は、水生生物を用いて水質を連続的に監視することが可能な水質監視方法および装置に関し、上水道取水源の安全管理、河川水や湖沼水等の汚染状態モニタリング、工場用水の安全性モニタリング、工場排水モニタリング等の用途に好適に使用できる水質監視方法および装置に関する。
従来から、生物を使った水質連続監視計器は上記のような分野で利用されてきており、その検出手段としての生物には、魚類やミジンコ等の水生生物、藻類、硝化菌等の微生物を含め、各種のものが用いられてきた。このような水質監視計器の原理は、具体的には検水を連続的に水槽に導入しながら水槽中に飼育している生物を監視し、生物の行動や反応に異常が生じた時に警報を発生するように検出手段を設定したものである。
異常検出手段としては、例えば魚類の映像をCCDカメラで画像として認識し、魚類の行動を数値化し、その数値または数値の推移に通常行動と異常行動の違いを認識させるプログラムを介して異常警報を発するという方法が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2)。
従来の水質連続監視計器は、上記したように検出手段としての生物は魚類、ミジンコ、藻類や硝化菌等の微生物を含め各種用いられ、毒性のある検水が流入した時に警報を発生させるように検出手段を設定した装置である。すなわち、これらは一般的にはバイオアッセイによる連続検知と称される方式である。
このような方式においては、その原理より、生物が反応する濃度の毒性物質を含む毒性レベルは検出可能であるものの、それ以下の濃度においては長期間の反応時間を要するか、または反応しないのが通例である。したがって、このような方式における毒性物質反応レベルは、検水の毒性濃度が事故やテロ等で特異的に上昇した場合の検知には十分適応可能なものであり、当座の飲用に供するために安全か否かをチェックするには使用可能なものである。すなわち、水道原水や地下水等の事故やテロ等に対するモニター、あるいは排水の特異的な事故等のモニターとして、安全管理のために使用可能なものである。
特公平6−68489号公報
特開平9−229924号公報
ところが、上記のような用途においてもなお、検出手法の最適化によって、少しでも迅速に検知することが求められるのは当然のことである。また、異常の早期発見(早期検知)に加え、低濃度の毒性であっても、将来的あるいは長期的な影響が考えられるので、当座の使用には問題のない水質レベルであっても、その低濃度の毒性を検出できるようにすることが望まれる場合も多いと考えられる。
そして、毒性の検出の迅速化や早期検出には、水生生物の異常行動をごく初期段階で見極め、毒性反応が疑われる行動が始まったことを警報として発信することが有効であると考えられる。この初期行動は、狂乱行動や逃避行動に見られるが、生物群の動きを注意深く観察することによって始めて察知できるものと考えられる。
しかしながら、このような考え方に基づいて、水生生物の異常行動をごく初期段階で見極めるようにした、つまり、即座に急性毒性と関連付けることができるような異常行動ではなく、そのような毒性に発展するおそれがある段階にて、あるいは極めて低濃度の毒性が生じている初期段階にて、その検知を水生生物の行動と関連付けたものは見当たらない。
そこで本発明の課題は、上記のような観点から水生生物を用いた水質監視方式を総合的に見直し、水生生物の行動をごく初期の段階から詳細に監視することにより、急性毒性に対してはもとより、そのような毒性に発展するおそれがある初期段階や極めて低濃度の毒性が生じている初期段階に対しても、適切に水質を判断できるようにした水質監視方法および装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る水質監視方法は、水槽内に検水を導入して、該水槽内に浮遊させた複数の水生生物の行動パターンにより検水の水質を判断することを特徴とする方法からなる。ここで、浮遊とは、水中に浮遊している状態、あるいは水中で自由に泳ぐことができる状態を指し、検水の毒性や水生生物の寿命により、水生生物が水槽底部に沈んでしまったり、逆に死んだ状態あるいはそれに近い状態にて水面に浮かんでしまっている状態を排除する概念である。また、行動パターンとは、ある時点での行動パターンとともに行動パターンの推移を含む概念である。
上記水質監視方法においては、水生生物として魚類を用いることが好ましい。魚類としては、メダカ(例えば、ヒメダカ)等を用いることができる。また、水生生物の数としては、10匹以上とすることが好ましく、それによって後述のような水生生物の群の監視をより適切に行うことが可能になる。
また、水槽内での実質的に一定の流路に沿って検水を水槽内に導入することが好ましい。水槽内に一定の導入検水流路が形成されれば、その一定の流路を前提として、その流路に対し水生生物がどのような行動パターンをとるかを、より定量的にかつより精度良く判断できるようになる。
また、検水は一定の流量にて水槽内に導入することが好ましい。すなわち、少量ずつ一定の流量にて水槽内に導入することにより、徐々に水槽内の水が検水に入れ替わっていくので、その過程(例えば、濃度増加過程)における水生生物の行動パターンの推移をより定量的にかつより精度良く判断できるようになる。
また、水槽内を複数の監視領域に分けて水生生物の行動パターンを監視することもできる。例えば、上記導入検水の流路に沿って複数の監視領域に分けて監視することができる。このようにすれば、水生生物がどの監視領域に集まる傾向を見せているか、あるいは、監視領域間をどのように移動する(例えば、逃避による移動)傾向を見せているか等を把握することが可能になり、より数多くの行動パターンの分析が可能になる。複数の監視領域を順次監視することもできるし、複数の監視領域を実質的に同時に監視することもできる。監視形態に応じて、監視カメラを移動させたり、監視カメラの視野の大小を設定したりすることが可能である。
また、複数の監視領域に対し監視データの重み付けをすることもできる。例えば、水槽の検水入口から遠い側の監視領域に水生生物が集まる場合は水質的に要注意であるとすると、この監視領域における監視データをより重視するようにすることができる。
また、本発明に係る水質監視方法においては、上記のように複数の監視領域に分けるか否かに関わらず、実質的に水槽内の全域を監視するようにすることができる。このようにすれば、水槽内全域における水生生物の行動パターンやその推移、あるいは水槽内全域に対しての水生生物の分布、形成されている群の形態等を、全体的に把握することが可能になる。水槽内の全域を監視するには、複数台のカメラを使用する方法、実質的に一台のカメラでその視野を広く設定する方法のいずれも可能である。
本発明に係る水質監視方法における水質の判断は、常時監視している、あるいはある時点で捉えた、水生生物の行動パターンに基づいて行われる。実際には、得られた監視データと、事前の試験等により予め把握され、水質と関連付けられた行動パターンの記録あるいはプログラムとを比較照合することにより、現在の行動パターンが認識されるとともに、それに対応する水質や水質のレベルが判定されることになる。
水質の判断に使用する水生生物の行動パターンとしては、各種の行動パターンを設定できる。例えば、水槽内における水生生物の分布の遷移を監視する、あるいは、水槽内における水生生物の群の分布の監視する、あついは、水槽内における水生生物の少なくとも一群の包括形状の監視する、あるいは、水槽内における水生生物の活動量の遷移を監視する、等が挙げられ、これらを組み合わせて水質を判断することも可能である。
本発明に係る水質監視装置は、検水を導入される水槽と、該水槽内に浮遊された複数の水生生物と、該水生生物の行動パターンにより検水の水質を判断する手段とを有することを特徴とする装置からなる。
この水質監視装置においても、水生生物として魚類(例えば、メダカ)が用いられていることが好ましい。
また、水槽内に実質的に一定の流路が形成され、該流路に沿って検水が水槽内に導入されることが好ましい。
また、検水は一定の流量にて水槽内に導入されることが好ましい。
また、水槽内が複数の監視領域に分けられ、前記検水の水質判断手段は、複数の監視領域に対応して水生生物の行動パターンを監視するようにすることもできる。検水の水質判断手段は、複数の監視領域を順次監視することもでき、複数の監視領域を実質的に同時に監視することもできる。また、複数の監視領域に監視データの重み付けがなされている構成を採用することもできる。
また、検水の水質判断手段は、実質的に水槽内の全域を監視する構成とすることもできる。
水生生物の行動パターンとしては、水槽内における水生生物の分布の遷移が監視される、あるいは、水槽内における水生生物の群の分布が監視される、あるいは、水槽内における水生生物の少なくとも一群の包括形状が監視される、あるいは、水槽内における水生生物の活動量の遷移が監視される構成等が挙げられ、これらを組み合わせて水質を判断することも可能である。
上記のような本発明に係る水質監視方法および装置においては、水生生物が異常行動を起こし始めてからその行動停止に至るまでの挙動をパターン分析して、例えば、予め試験等により把握され記憶されている行動パターンと比較照合することにより、または/および、予めプログラム設定されている全体活動量の測定ルーチンと照らし合わせることにより、生物群の行動を、ごく初期の段階にて、簡易的にかつ精度良く解析することが可能となる。行動量の増減や監視領域を特定するルーチンを繰り返し実行すれば、このデータ変化に基づき、早期に異変を検出することが可能になる。もちろん、寿命・病気による自然死、薬物反応のなど死亡原因の類推にも有用な手法になり得る。
このように、本発明に係る水質監視方法および装置によれば、水生生物の各種行動パターンにより水質を判断することにより、水質の変化、とくに毒性について、事故等の発生のごく初期の段階にて、あるいはごく低濃度の段階にて、精度良く的確に検出できるようになり、水質監視の信頼度を大幅に高めることができ、極めて迅速な毒物流入検知等が実現できるようになる。
以下に、本発明の望ましい実施の形態について、詳細に説明する。
本発明の一実施態様に係る水質監視装置の基本構成例を図1に示す。この水質監視装置は、複数の水生生物を浮遊させた水槽と、水生生物の分布や挙動を監視するための撮像手段(例えば、CCDカメラ)を備えた生物連続監視設備1を有しており、生物連続監視設備1の水槽内に検水2が導入される。水槽内では、導入された検水は、例えば後述の一定の流路を経て、水槽の排出部から排水3として排出される。CCDカメラ等の撮像手段で撮像された水生生物の分布や挙動は、水質判断手段4内に映像信号5として取り込まれ、水質判断手段4内に予め設定あるいは記憶されているプログラムや試験データと比較照合され、その結果に基づいて必要に応じて警報信号6が発せられる。警報信号6としては、比較照合結果に応じて、ランク付けされたものとすることができる。
本発明の一実施態様に係る水質監視装置の基本構成例を図1に示す。この水質監視装置は、複数の水生生物を浮遊させた水槽と、水生生物の分布や挙動を監視するための撮像手段(例えば、CCDカメラ)を備えた生物連続監視設備1を有しており、生物連続監視設備1の水槽内に検水2が導入される。水槽内では、導入された検水は、例えば後述の一定の流路を経て、水槽の排出部から排水3として排出される。CCDカメラ等の撮像手段で撮像された水生生物の分布や挙動は、水質判断手段4内に映像信号5として取り込まれ、水質判断手段4内に予め設定あるいは記憶されているプログラムや試験データと比較照合され、その結果に基づいて必要に応じて警報信号6が発せられる。警報信号6としては、比較照合結果に応じて、ランク付けされたものとすることができる。
図2に示すように、例えば、水槽11内を複数の監視領域に分けて水生生物の行動パターンを監視することができる。図2に示した例では、検水2は水槽11の入口部12から導入され、上方から見て中央部に設けられた排水部13から排出されるが、この入口部12から排水部13へと形成される一定の流路14に沿って、セクタ1、セクタ2、セクタ3、セクタ4の4つの小監視領域15に分割されている。なお、本実施態様では、検水2は、一定の少量流量にて水槽11内に導入されるので、流路14も一定の経路に保たれており、小監視領域15が変動することはないようになっている。
このように複数の小監視領域15に分割しておくと、例えば図3に示すように、水生生物16(例えば、メダカ)が、水流に沿って列状に分布したり(図示例のパターン1)、図2におけるセクタ2部分に集中したり(図示例のパターン2)、図2におけるセクタ1部分には存在しないことを確認したり(図示例のパターン3)、図2におけるセクタ1とセクタ3に分かれた群を形成するように分布したり(図示例のパターン4)する、各種の行動パターン例を、より定量的なデータとして把握することが可能になる。またこのとき、水生生物16の少なくとも一群の包括形状を監視し、例えばそのときの毒性のレベルを判断することも可能である、例えば、図示例のパターン2では、水生生物16が水流方向に沿って列状に並んだ群形状を示しており、例えば未だ比較的低いレベルにある毒性に対して警戒し始めた段階であると判断することが可能である。図示例のパターン4では、2群に分かれるとともに各群が不定形の包括形状を示しており、水生生物16の遊泳形態がおかしくなって、例えば比較的高いレベルに毒性が到達していると判断することが可能である。
上記のような本発明に係る水質監視装置を用いて、実際に行った試験について説明する。本試験におけるバイオアッセイによる水質連続監視設備では、約10匹のメダカ(ヒメダ)の映像をCCDカメラで画像として認識して、この魚類の活動度を数値化し、その数値または数値の推移によって通常行動と異常行動の違いを認識させるプログラムを介して異常警報を発するという方法を採用した。
行った画像解析の手法は、以下の通りである。メダカの動きをCCDカメラで捕え、メダカの分布とともに活動量を測定し、この推移を連続モニターする。活動量は、各メダカの画像の微小単位時間に対する移動量の合計として数値化できる。この活動量が急激に低下したときおよび変化が見られたとき、水質異常の警報を発信する。コンピュータソフトウェアで活動量を統計処理し、異常を検知すると警報発信し、履歴を保存する。異常の原因究明にこの履歴データが活用される。
本発明では、上記のようなメダカ群全体の活動の有無や程度を判断する指標として活動量を定量する他、計測する区域(監視領域)を時間毎に変化させることによって、概略の群行動を把握し、狂奔行動、水質急変ならびに物音や光の点滅などに対する警戒行動、および活動量減衰期における死亡等の検出を行い、異常発生時の早期検知や原因推定に有効なデータ取得を可能とする。
図4に実際に薬物として陰イオン界面活性剤LASを200ppmになるように調製した検水2を、貯水量7Lの水槽11に、1L/minの一定流量にて導入した際の、連続撮影した監視水槽画面を、検水2の導入開始からの時間によって5分毎にフェーズ1からフェーズ6まで水生生物16としてのヒメダカの分布並びに挙動の例を示す。なお、本試験では、各監視領域(セクタ1〜セクタ4)を、図2に示したものとは若干異なる分割形態とした。連続監視装置で実施したこのような急性毒性物質の投与時にメダカの個体の分布を目測で記録した際、メダカが異変を感じた場合、水流に逆らいつつ遊泳の姿勢をとったまま、群れを形成することを確認している。CCDカメラで水槽全体の映像を撮影すると、本試験では先ずフェーズ1にて、セクタ2にメダカが集まって群を形成した。各セクタ内に示した数値はそのセクタ内のメダカの活動量を示しており、各フェーズの数値は、各フェーズにおける水槽11内メダカ全数のトータル活動量を示している。次いでフェーズ2にて、水流に逆らいつつ遊泳の姿勢をとったセクタ1からセクタ2にかけての一群と、セクタ3に集まった群とに分かれた。次いで、フェーズ3にて、全てのメダカが逃避した。このときには、メダカは毒性を強力に感じており、その活動量は未だ比較的大きい。そして、フェーズ4では、毒性がメダカに作用し始め、体力を消耗すると流れに抗しきれない個体が、下流側に押し流されたり、遊泳姿勢を保持できなくなって動きがおかしくなるメダカが生じ、次第に群から離脱しはじめ、分布が乱れるとともに全体の活動量が低下する。フェーズ5では、さらに全体の活動量が低下し、ほとんど泳げなくなる。ついにフェーズ6では、全体の活動量が零となり、生存しているメダカが存在しなくなるか、生存していても底に沈んだりして動かない状態となる。
このように、個別の位置を座標情報として取得するのではなく、流れ方向に沿って、監視セクタを複数箇所設定し、時間ごとの各セクタにおける活動量を水流方向に従って順次取得し、データ処理を行うことで、主要な群れの中心位置(セクタ)、密度、偏差、群の崩壊による分散を検知して群行動を概略把握できることを見出した。
上記のような取得画像に対して、重み付けを行って(画像解析の優先度をつけて)、メダカの行動異常の判定条件を適宜設定することができる。例えば表1に行動異常判定条件設定例を示すように、メダカが水の流れに対して逆らって泳いでいるか、あるいは流される傾向が認められるかを判断するルーチンとして条件a〜dをループして、セクタ別の活動量変化を計測したり、全体の活動は低下していない前提のもとで、ある特定のセクタにメダカがとどまり続けるような警戒(物音などへの怯え)行動を検知したり(条件m〜o)することができる。さらに、活動量をセクタごとに把握したり、全体のトータル活動量を把握したりするルーチンを実行することもできる(条件y、z)。また、これらを組み合わせて繰り返し実行することもできる。表1は、条件a〜dのルーチンをONとし、それ以外の条件のルーチンをOFFとしてプログラムを実行している場合を示している。このように幅広い判断基準で、全体の動きを見渡せるとともに群ごとにも挙動を把握できるアルゴリズムを構築できることが本発明の最大の特徴である。
これにより、メダカの行動パターンを、分布はもとより、分布や行動パターンの時間的推移まで監視することが可能になり、従来にない、極めて高精度でかつ詳細な分析を行うことが可能になる。しかも、検水を導入しはじめたごく初期の段階から連続的に監視できるから、わずかなメダカの異常行動についても確実に認識でき、問題となる毒性に至るまえのごく初期の段階、あるいは、ごく低濃度の毒性であっても、それを検出したり、後の段階における毒性の発展を予測したりすることが可能になり、極めて有用な水質監視が可能となる。
したがって、監視しようとする水質の目標レベルに応じて、監視レベルや警報発信レベルを自由に設定することが可能になる。表1においては、フェーズ4とフェーズ5の間で事前警報を発生させて注意を促し、フェーズ5とフェーズ6の間で警報を発生させて異常発生を報知するようにしているが、より早い段階(フェーズ)での警報信号の発信も可能である。そのような早い段階で警報信号を発信すれば、極めて早期に水質異常、あるいは水質異常発生の可能性を予測したり、報知したりすることが可能になり、より安全を求められる用途にとっては、従来にない有用な情報が得られることになる。このような有用な情報が得られれば、毒性発生の原因となった発生源に対しても、早期に処置を講じることが可能になる。
なお、上記試験例では水生生物としてメダカを使用したが、これ以外の魚類、さらには他の水生生物が使用可能であることは言うまでもない。
1 生物連続監視設備
2 検水
3 排水
4 水質判断手段
5 映像信号
6 警報信号
11 水槽
12 入口部
13 排水部
14 一定の流路
15 小監視領域
16 水生生物(メダカ)
2 検水
3 排水
4 水質判断手段
5 映像信号
6 警報信号
11 水槽
12 入口部
13 排水部
14 一定の流路
15 小監視領域
16 水生生物(メダカ)
Claims (24)
- 水槽内に検水を導入して、該水槽内に浮遊させた複数の水生生物の行動パターンにより検水の水質を判断することを特徴とする水質監視方法。
- 水生生物として魚類を用いる、請求項1に記載の水質監視方法。
- 水槽内での実質的に一定の流路に沿って検水を水槽内に導入する、請求項1または2に記載の水質監視方法。
- 検水を一定の流量にて水槽内に導入する、請求項1〜3のいずれかに記載の水質監視方法。
- 水槽内を複数の監視領域に分けて水生生物の行動パターンを監視する、請求項1〜4のいずれかに記載の水質監視方法。
- 複数の監視領域を順次監視する、請求項5に記載の水質監視方法。
- 複数の監視領域に監視データの重み付けをする、請求項5または6に記載の水質監視方法。
- 実質的に水槽内の全域を監視する、請求項1〜7のいずれかに記載の水質監視方法。
- 水生生物の行動パターンとして、水槽内における水生生物の分布の遷移を監視する、請求項1〜8のいずれかに記載の水質監視方法。
- 水生生物の行動パターンとして、水槽内における水生生物の群の分布の監視する、請求項1〜9のいずれかに記載の水質監視方法。
- 水生生物の行動パターンとして、水槽内における水生生物の少なくとも一群の包括形状の監視する、請求項1〜10のいずれかに記載の水質監視方法。
- 水生生物の行動パターンとして、水槽内における水生生物の活動量の遷移を監視する、請求項1〜11のいずれかに記載の水質監視方法。
- 検水を導入される水槽と、該水槽内に浮遊された複数の水生生物と、該水生生物の行動パターンにより検水の水質を判断する手段とを有することを特徴とする水質監視装置。
- 水生生物として魚類が用いられている、請求項13に記載の水質監視装置。
- 水槽内に実質的に一定の流路が形成され、該流路に沿って検水が水槽内に導入される、請求項13または14に記載の水質監視装置。
- 検水が一定の流量にて水槽内に導入される、請求項13〜15のいずれかに記載の水質監視装置。
- 水槽内が複数の監視領域に分けられ、前記検水の水質判断手段は、複数の監視領域に対応して水生生物の行動パターンを監視する、請求項13〜16のいずれかに記載の水質監視装置。
- 前記検水の水質判断手段は、複数の監視領域を順次監視する、請求項17に記載の水質監視装置。
- 複数の監視領域に監視データの重み付けがなされている、請求項17または18に記載の水質監視装置。
- 前記検水の水質判断手段は、実質的に水槽内の全域を監視する、請求項13〜19のいずれかに記載の水質監視装置。
- 水生生物の行動パターンとして、水槽内における水生生物の分布の遷移が監視される、請求項13〜20のいずれかに記載の水質監視装置。
- 水生生物の行動パターンとして、水槽内における水生生物の群の分布が監視される、請求項13〜21のいずれかに記載の水質監視装置。
- 水生生物の行動パターンとして、水槽内における水生生物の少なくとも一群の包括形状が監視される、請求項13〜22のいずれかに記載の水質監視装置。
- 水生生物の行動パターンとして、水槽内における水生生物の活動量の遷移が監視される、請求項13〜23のいずれかに記載の水質監視装置。
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