JP2863061B2 - 水質モニタ装置および水質モニタ方法 - Google Patents

水質モニタ装置および水質モニタ方法

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JP2863061B2
JP2863061B2 JP15034893A JP15034893A JP2863061B2 JP 2863061 B2 JP2863061 B2 JP 2863061B2 JP 15034893 A JP15034893 A JP 15034893A JP 15034893 A JP15034893 A JP 15034893A JP 2863061 B2 JP2863061 B2 JP 2863061B2
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和幸 山嵜
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、たとえば、半導体工
場や液晶工場からの排水処理後の排水の水質を監視する
水質モニタ装置および水質モニタ方法に関し、特に、工
場等からの放流水の水質や環境汚染の程度を生物学的に
総合的にモニタリングする水質モニタ装置および水質モ
ニタ方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、排水処理設備からの処理水の水質
を、生物を用いてモニタリングする方法および装置とし
ては、例えば一例をあげると、単に小規模の水槽を設け
て、この水槽の中に鯉、金魚などを飼育して処理水の水
質をモニタリングする程度のものがあった。
【0003】また、浄水場では、原水中に鮒、鯉、ウグ
イ、タナゴ、等の水棲動物を飼育し、毒物等が混入した
場合、上記水棲動物が異常に行動したり、死んだりする
状態を利用して原水の水質をモニタリングしている。そ
して最近では、それら魚類の画像情報を電気信号に変換
し、画像処理して監視装置にて魚類を介して水質異常を
監視している。
【0004】ところで、既存の半導体工場や液晶工場か
ら排出される高濃度毒性排水、例えば、一例としての現
像液含有排水は、生物毒性を示すテトラメチルアンモニ
ウムハイドロオキサイド(以下TMAHと略す)を200
0〜10000ppm含有している。したがって、上記現
像液含有排水は、確実に高度に排水処理しないと魚類な
どの生物に悪影響を与える。したがって、半導体工場や
液晶工場内で発生する現像液含有排水を自社処理する場
合、上記排水の水質に応じて、従来処理技術を幾つか組
み合わせ、排水を化学処理および物理処理および生物処
理した上で、上記排水を他の系統の排水と合流させ、工
場外へ放流している。上記排水の処理の方法としては、
中和,反応,凝集等の化学処理法や、生物膜,接触酸化,活
性汚泥,特殊微生物を使用する生物処理法や、沈澱,濾
過,吸着などの物理処理法などを用いている。
【0005】一方、各種の産業施設や半導体工場や液晶
工場等から排出される高濃度毒性排水は、物理処理およ
び化学処理および生物処理された後に、放流されてい
る。この処理後の排水の水質をモニタする場合に、特に
半導体工場や液晶工場については、使用している化学物
質が多種類に渡っているから、各化学物質それぞれにつ
いて処理水の水質を測定していると、水質判定に長時間
を要し円滑な水質管理ができないという問題がある。
【0006】したがって、半導体工場や液晶工場におけ
るケミカルハザード対策の観点から言えば、放流水につ
いて生物学的に影響するすべての項目について確実に、
総合的に、迅速に、かつ経済的に放流水の水質が異常か
否かをモニタリングできる水質モニタ方法が求められて
いる。
【0007】今日、半導体工場や液晶工場で使用する化
学物質は多種多様になっており、それら化学物質が微量
たりとも放流水に混入しているか否かを、より迅速に生
物学的に総合的に確認することが上記工場の安全性の確
保する上で、重要になっている。つまり、工場排水の安
全性を確保することは、排水を地域に放流する企業の社
会的責任なのである。特に、工場の下流に水道の水源
(浄水場)がある場合には、排水の安全性確保は最重要
事項である。
【0008】このように、上記工場等における環境対策
は時代とともに重要度を増して来ており、特にケミカル
ハザードの観点から、工場全体と排水処理設備を含め
て、総合的に再検討する時代に至っている。
【0009】しかしながら、現在のところ、排水中の特
殊な化学物質の監視は、人の目視、もしくは複雑で時間
と費用がかかる手分析に依存している。もっとも、P
H,フッ素,COD,TOC(トータル・オーガニック・カ
ーボン),UV(ウルトラバイオレット)などを連続的に測
定する連続式の自動測定装置はある。
【0010】しかし、上記項目以外の、例えば現像液の
主成分であるTMAH,各種の界面活性剤,有機塩素系
化合物,高級アルコールなどの生物に影響を及ぼす化学
物質を自動的に測定する自動測定装置は現在は存在して
いない。安全性から言えば、一つの項目(化学物質)が水
質的に満足しているだけでは不十分であり、すべての項
目(特殊な化学物質を含むすべての項目)が、水質的に満
足されないと上記工場からの排水の生物学的な安全性は
確保されない。したがって、従来の上記水質の自動測定
装置では、安全性確保のための水質測定という点で満足
できるものではなかった。
【0011】このような背景により、多種多様の化学物
質を含む排水が安全か否かを監視する方法として、被検
水中の魚の行動を画像情報として電気信号に変換し、画
像監視装置により、水質異常を監視する方法がある(特
開昭63−142259および特開昭63−30735
8号参照)。この方法は、水棲動物の中でも特定の魚種
を選定して画像処理し警報を出すシステムである。この
方法は、魚類の動きを画像処理して水質の異常を検出
し、警報を発するようにしている。
【0012】また、多種多様の化学物質を含む排水の安
全性を監視する今一つの装置としては、照明装置を使用
し、照明装置によって照らされた魚像を利用する生物の
画像監視装置がある(特開平2−242154号参照)。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
水質モニタ方法や水質モニタ装置では、以下に述べるよ
うな問題がある。
【0014】まず、単に魚類のみを肉眼で監視するとい
う水質モニタ方法では、生き物である魚類の独特の行動
を監視することによって、排水への化学物質の混入の有
無を判断するために、監視人が相当魚類の行動について
熟知している必要がある。つまり、この方法は、監視人
の技量によって水質判断の正確さが左右されるから、誰
でもが判断できるものではなく、客観性と確実性に欠け
るという問題がある。したがって、極端な場合には、魚
類が死亡して初めて水質異常を知るから、水質異常に対
する対応が遅れるという問題点もある。
【0015】また、魚の飼育環境を一定にして、魚類の
動きを画像処理して水質の異常を検知する水質モニタ方
法では、第一に、モニタリング設備における画像処理シ
ステムに熟知する必要があるという熟練度の問題があ
る。また、第二に、上記画像処理機能を有するモニタリ
ング設備が高価であるという問題がある。また、第三
に、画像処理操作にも熟練と時間を要するという問題が
ある。
【0016】また、被観察生物として魚類のみを使用す
る場合には、低濃度環境汚染すなわち低濃度の水質異常
を検出できないという問題がある。具体的には、たとえ
ば、上記半導体工場や液晶工場における現像液含有排水
の処理水において、処理が悪いとカワニナの例のごとく
水質に敏感な水棲動物が生息できない状態となるが、そ
の水質では魚類は生息できる。したがって、魚類に影響
がでるまえに、ある程度の水質異常を検知して排水処理
設備の改善を行うことができるモニタ装置及び方法が求
められている。
【0017】特に、排水の放流先の河川に多数の魚類が
生息し、かつ河川の水量が少ない場合においては、従来
のモニタリング設備に異常が発生すると同時に河川の魚
類にも異常が発生して問題である。魚類に影響がでる前
に、水質異常を検知したいわけで、魚類よりも水質に関
して敏感な水棲動物による検知のシステムが求められて
いる。
【0018】今後、半導体工場や液晶工場の排水処理設
備に対して、地域の環境に影響しない排水処理方法が採
用されていく状況の中で、工場排水が地域の環境に悪い
影響を与えることを未然に防止できるように、排水の水
質の劣化を精度良く検知可能である生物学的に高度な水
質モニタ方法と水質モニタ装置が必要になっている。ま
た、今日、地域の環境を保全維持することは、企業の社
会的責任になっているから、精度が良いだけでなく、低
コストであることも求められていることはいうまでもな
い。
【0019】そこで、本発明の目的は、水質をシビアか
つ高精度にモニタして安全を確認でき、かつ経済的で操
作の簡単なシンプルな水質モニタ装置および水質モニタ
方法を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明の水質モニタ装置は、排水が
導入され、光透過性底面と、上記底面の外側に上記底面
に対向して配置された光量判別センサとを有し、開口部
から底部に向かって狭くなっており、カワニナと魚類を
飼育している試験水槽と、上記光量判別センサからの光
量信号を受けて、上記光量信号に基づいて上記排水の水
質を判定する水質判定手段とを備えたことを特徴として
いる。
【0021】また、請求項2に記載の発明の水質モニタ
装置は、請求項1に記載の水質モニタ装置において、カ
ワニナが健康に生息可能な飼育用水が導入され、光透過
性底面と、上記底面の外側に上記底面に対向して配置さ
れた光量判別センサとを有し、開口部から底部に向かっ
て狭くなっており、カワニナと魚類を飼育している対照
水槽を有し、上記水質判定手段は、上記試験水槽が有す
る光量判別センサからの光量信号と、上記対照水槽が有
する光量判別センサからの光量信号との信号差に基づい
て、上記試験水槽に導入された排水の水質を判定するよ
うになっていることを特徴としている。
【0022】また、請求項3に記載の発明は、請求項1
または2に記載の水質モニタ装置において、上記カワニ
ナと魚類とを健康に飼育する飼育水槽を有していること
を特徴としている。
【0023】また、請求項4に記載の発明の水質モニタ
方法は、光透過性底面と、上記底面の外側に上記底面に
対向して配置された光量判別センサとを有し、開口部か
ら底部に向かって狭くなっている試験水槽に、排水を導
入し、この水槽内でカワニナと魚類を飼育し、上記光量
判別センサが出力する光量信号に基づいて上記排水の水
質を判定することを特徴としている。
【0024】また、請求項5に記載の発明の水質モニタ
方法は、請求項4に記載の水質モニタ方法において、光
透過性底面と、上記底面の外側に上記底面に対向して配
置された光量判別センサとを有し、開口部から底部に向
かって狭くなっている対照水槽に、カワニナが健康に生
息できる飼育用水を導入して、この対照水槽内にカワニ
ナと魚類を飼育し、上記試験水槽が有する光量判別セン
サからの光量信号と、上記対照水槽が有する光量判別セ
ンサからの光量信号との信号差に基づいて、上記試験水
槽に導入された排水の水質を判定することを特徴として
いる。
【0025】
【作用】請求項1に記載の発明の水質モニタ装置は、試
験水槽に導入される被検水としての排水の水質が良好で
あるときには、上記試験水槽内に飼育されているカワニ
ナは、上記試験水槽の側面に登っている。また、上記試
験水槽内に飼育されている魚類は、上記試験水槽内を自
由に泳いでいる(図1参照)。
【0026】つぎに、上記試験水槽に導入される排水の
水質が悪くなると、まず最初に、魚類よりも水質の環境
汚染に対して敏感な貝類のカワニナが、水質異常を敏感
に察知し、カタツムリ(蝸牛)の様に殻の中に体を引っ込
める。すると、上記カワニナは、上記狭くなっている底
部の光透過性底面上に落ちる。すると、上記カワニナ
が、上記開口部から入射して上記光透過性の底面に対向
する光量判別センサに達していた光を遮る光量が増大す
る。すると、上記光量判別センサからの光量信号を受け
た水質判定手段は、上記排水の水質が悪化したと判定す
る。
【0027】次に、上記排水の水質がさらに、悪化する
と、上記試験水槽内に飼育されている魚類は、動きが鈍
くなる。すると、上記魚類は、上記試験水槽の狭い底部
の近くまで沈みがちになり、上記光量判別センサに達す
る光量がさらに減少する。又一方水質が悪化すると魚類
は死滅して浮く場合もあるが、魚類が水面に死滅して横
たわる姿となるので、光量を減少させる。すると、上記
水質判定手段は、上記光量判別センサからの光量信号を
受けて、上記排水の水質が更に悪化したと判定する。
【0028】このように、上記請求項1の発明によれ
ば、工場排水としての被検水を、水質的に生息適応水質
の異なる2種以上のモニタリング生物(カワニナと魚類)
を活用して、水質の評価をする。つまり、上記発明は、
一定の面積の光透過性底面上に落下してくる主として黒
色のカワニナや魚が、開口部から照射してくる光線の通
過量を遮り、その結果として照度が変化することを、上
記光量判別センサが感知して警報を発することができる
様に構成されている。上記発明は、このような生息適応
水質の異なる2種類以上の水棲動物を備える独特の機能
を有する水質モニタ装置を実現するから、処理水の化学
物質の有無及び処理状況を精度よく、2段階に検出し、
かつ、排水の水質を簡単かつ経済的に検出できる。
【0029】この発明は、従来例と異なり、コストのか
かる画像処理が不必要であるから、経済的である。した
がって、この発明の水質モニタ装置は、経済的かつシン
プルで、装置の操作性も簡単で装置のトラブルもほとん
どない。
【0030】この発明は、水質異常時にカワニナがカタ
ツムリの様に殻の中に体を引っ込めるという特に直接的
な動作に着目して、水質異常を検出するシステムである
から、基本的に従来技術と異なる。
【0031】尚、カワニナ以外の水質に敏感な水棲動物
としては、昆虫に属するホタルの幼虫、トンボの幼虫な
どがあげられるが、これらは、カワニナほど水質に対し
て敏感でないし、カワニナとは習性が異なるから、本発
明の設備には利用しにくい。蛍の餌となるカワニナは環
境汚染に対しては、魚類よりも比較的弱くかつ汚染に対
しての動きが魚類よりも明確であることが実験で判明し
ている。したがって、カワニナは水質モニタリング対象
動物としては魚類よりも非常に優れている。事実、今日
カワニナが生息している河川はほとんど環境汚染が進ん
でいない。カワニナは、人と川がいわば一体化できる水
域であってアユやホタルが生息する水域であるやや汚濁
した水域(ベータ中腐水性)に生息する。従って、カワニ
ナを環境汚染の指標生物として半導体工場や液晶工場の
生物モニタリングシステムの中に取り入れることは、ケ
ミカルハザード対策の観点から重要な価値がある。
【0032】請求項2に記載の発明は、カワニナが健康
に生息可能な飼育用水が導入される対照水槽の光量判別
センサからの光量信号と、上記試験水槽が有する光量判
別センサからの光量信号との信号差に基づいて、上記試
験水槽に導入された排水の水質を判定する。したがっ
て、請求項2の発明によれば、上記排水の水質の変化と
は異なる要因によるカワニナや魚類の行動の変化が、排
水の水質の判定に影響を与えることを防止でき、水質判
定精度が向上させられる。つまり、請求項2の発明は、
例えば、季節的に発生する主として魚類の白点病などの
病気によって試験水槽の光量判別センサに達する光量が
変化した場合には、上記対照水槽内の魚類も同様に白点
病などの病気になり、対照水槽の光量判別センサに達す
る光量が、試験水槽の光量判別センサに達する光量と同
様に変化する。
【0033】また、請求項3に記載の発明は、上記カワ
ニナと魚類とを健康に飼育する飼育水槽を有しているか
ら、常に健康で元気のよい、かつ試験水槽の小スペース
に慣れた水棲動物(カワニナと魚類)を利用できる。
【0034】また、請求項4に記載の発明の水質モニタ
方法によれば、請求項1に記載の発明の水質モニタ装置
と同様に、排水水質の変化に応じて変化するカワニナと
魚類の動作の変化が、底部に向かって狭くなり底面が透
明な試験水槽において、上記底面に達する光量の変化に
変換される。したがって、この発明によれば、排水水質
の変化が、上記光量の変化に変換され、上記光量判別セ
ンサが出力する光量信号に基づいて上記排水の水質を判
定できる。
【0035】また、請求項5に記載の発明の水質モニタ
方法は、カワニナが健康に生息可能な飼育用水が導入さ
れる上記対照水槽内にカワニナと魚類とを飼育し、試験
水槽が有する光量判別センサからの光量信号と、上記対
照水槽が有する光量判別センサからの光量信号との信号
差に基づいて、上記試験水槽に導入された排水の水質を
判定する。したがって、この発明によれば、カワニナや
魚類の行動が排水の水質とは別の季節要因等によって変
化した場合に、上記信号差は変化しないから、排水の水
質の判定精度が向上される。
【0036】
【実施例】以下、本発明を図示の実施例に基づいて詳細
に説明する。
【0037】図1を参照しながら、本発明の水質モニタ
装置の実施例を説明する。この実施例は、試験水槽1
と、対照水槽10と、カワニナと魚類の蓄養水槽11と
を備えている。
【0038】試験水槽1と対照水槽10の形状は全く同
様である。上記試験水槽1には、排水である試験水が導
入され、上記対照水槽10には残留塩素を活性炭処理し
た水道水が導入される。
【0039】即ち、図1に示すように、上記試験水槽1
には、工程排水の流入配管23,工程排水の排水処理設
備24,配管25,総合配管17を介して、処理後の工程
排水が導入される。さらに、上記試験水槽1には、現像
液含有排水の流入配管19,現像液含有排水の排水処理
設備18,配管26,総合配管17を介して、処理後の現
像液含有排水が導入される。
【0040】また、対照水槽10には、市水流入配管2
0から流入する市水(水道水)を活性炭吸着塔21の活性
炭によって残留塩素を処理した市水処理水が導入され
る。上記対照水槽10は、水質的に安全な水の中で飼育
するカワニナと魚類の水棲生物特有の動きを、上記試験
水槽1中のカワニナと魚類の動きと比較するための設備
である。
【0041】この対照水槽10を設置することによっ
て、上記試験水槽1に導入される排水の水質以外の要因
に起因するカワニナおよび魚類の行動の変化を知ること
ができる。従って、上記対照水槽10内のカワニナと魚
類の行動と、上記試験水槽1内のカワニナと魚類の行動
との差が、上記対照水槽10に導入される安全な水質の
水と上記試験水槽1に導入された排水との水質の差を表
していることになる。
【0042】したがって、この対照水槽10を設けたこ
とによって、ちょっとした環境の変化でも容易に行動が
変化するカワニナや魚類の行動(一例として特定の時期
に決まりきって発生する魚類の白点病)の内、上記排水
の水質変化に対する行動変化を明確に把握することがで
きるようになるのである。
【0043】試験水槽1及び対照水槽10は、ホッパー
形状になっており、底部が円筒形であり、上部は上記底
部に向かって狭まっている。なお、上記底部は断面が直
方体の筒形であってもよい。また、上記上部の断面形状
は、円形であってもよく四角であってもよい。また、上
記底部に向かって狭まっている上部の側面と水平面とが
なす角度は、60度以上であることが好ましい。
【0044】上記試験水槽1の上部と底部との境目に
は、カワニナ落下防止網2が取り付けられている。そし
て、上記底部の底面は光を透過するアクリル製またはガ
ラス製の透明部3になっている。そして、この透明部3
の外側に設けた光量判別センサ室38内に、上記透明部
3に対向する光量判別センサ8が配置されている。この
光量判別センサ8は配線37を介してセンサコントロー
ラ39に接続されている。また、このセンサコントロー
ラ39は、モニターテレビ盤15に接続されている。こ
のモニターテレビ盤15には、2つのモニタカメラ16
が接続されており、このモニタカメラ16は、上記試験
水槽1の開口部と、上記対照水槽10の開口部に対向す
るように配置されている。モニターカメラ16を設けた
ので、試験水槽1でのカワニナ28や魚類27の状態を
現場に行かなくても、モニターテレビ盤15の設置して
ある中央で監視することができる。
【0045】また、上記試験水槽1及び対照水槽10の
開口部に向かって光を照射するライト7が設けられてい
る。ライト7からの光は透明部3を通過して光量判別セ
ンサ8に達し、この光量判別センサ8は受光光量に応じ
て光量信号を出力する。光量判別センサ8が出力した光
量信号は、センサコントローラ39に入力される。
【0046】センサコントローラ39は、上記光量信号
が表す光量が、設定された範囲以下の光量の場合には、
警報信号を出力する。センサコントローラ39から発せ
られた警報信号はモニターテレビ盤15に入力され、こ
のモニターテレビ盤15に付属した第1警報ランプ40
や第2警報ランプ41を点滅させる。
【0047】また、上記試験水槽1の開口部及び上記対
照水槽10の開口部の内側には、カワニナ28のための
餌場6が設けられている。そして、上記試験水槽1およ
び対照水槽10の上部の中程には、散気管5が設けられ
ている。この散気管5には、空気発生源であるブロワー
9から空気が供給され、散気管5から水槽1,10内に
空気が供給される。上記水槽1,10内に空気を供給す
ることによって、上記水槽1,10内の溶存酸素濃度を
適正に維持している。
【0048】また、上記上記試験水槽1および対照水槽
10の上部の中程には、サーモスタット30に接続され
たヒーター29が取り付けられている。このヒーター2
9とサーモスタット30とが水温調整装置を構成し、こ
の水温調整装置によって、水温を上昇させカワニナ28
と魚類27の動きを、活発かつ適正にする。
【0049】カワニナ28は特に水質がよく、かつ溶存
酸素が充分であると、試験水槽1の底部に近い落下防止
網2付近に居るよりも、むしろ、試験水槽1の側面を登
る習性がある。また、水槽上部のカワニナ28のための
餌場6に、レタス,はくさい,キャベツ,シンギクなどの
野菜を置いておくと、カワニナ28は試験水槽1の側面
を昇り、それら餌に向かう。
【0050】次に、カワニナと魚類の蓄養水槽11につ
いて説明する。水棲動物は、カワニナ28にしろ魚類2
7にしろ、水中のアンモニア性窒素濃度と亜硝酸性窒素
濃度によって、活動が影響される。上記蓄養水槽11
は、水中のアンモニア性窒素濃度と亜硝酸性窒素濃度を
低下させて、カワニナや魚類を極力健康で活発に行動で
きる状態に維持する水槽である。
【0051】上記蓄養水槽11は、カワニナ28を飼育
するカワニナ槽35と、魚類27を飼育する魚類槽34
と、濾過槽13とを有している。上記濾過槽13には、
濾過材として、上から順に繊維状部材である塩化ビニリ
デン31と、多孔質ガラス32と、炭酸カルシウム鉱物
33とが充填されている。上記塩化ビニリデン31と多
孔質ガラス32と炭酸カルシウム鉱物33とに、上記ア
ンモニア性窒素と亜硝酸性窒素とを確実に処理するため
の微生物(ニトロソモナスとニトロバクター)を効率よく
繁殖させるようになっている。
【0052】上記カワニナと魚類の蓄養水槽11に導入
される水は、市水流入配管20から活性炭吸着塔21に
流入して、この活性炭吸着塔21に充填されている活性
炭によって残留塩素が処理された後の水である。この水
は、まず、カワニナ槽35に供給され、カワニナ槽35
のオーバーフロー管14を経て、魚類槽34に落下す
る。魚類槽34では、魚類として、メダカ、コイ、フ
ナ、金魚、タナゴ、カワムツ、オイカワ、ムギツク、カ
マツカ、モロコ等の中から適当な魚種が選定することが
できる。一般的には前記魚類の中でも、コイ、フナ、金
魚などは比較的汚染に強いが、カワムツ、オイカワなど
は汚染に弱い。工場の放流先の河川より得られる魚類の
種類により、それら試験対象魚種を決定すれば良い。
【0053】魚類槽34の飼育水は魚類槽34のオーバ
ーフロー管14を経て、濾過槽13に落下する。塩化ビ
ニリデン31や多孔質ガラス32及び炭酸カルシウム鉱
物33に繁殖するニトロソモナスやニトロバクターによ
って処理された飼育水は循環ポンプ36によってカワニ
ナ槽35に戻る。一方、飼育水を新しい市水と入れ替え
交換したい場合は、市水をどんどん流入させて、飼育水
を濾過槽13のオーバーフロー管14より、放出させれ
ば良い。
【0054】また、カワニナや魚類を飼育始めて、約1
カ月以上すると、濾過槽13のビニリデン31と多孔質
ガラス32には主として好気性のニトロソモナスやニト
ロバクターが繁殖生息してくる。そして魚類が排泄する
有害なアンモニア性窒素や亜硝酸性の窒素を処理する。
炭酸カルシウム鉱物33の役目は主として、硝酸性窒素
増加による飼育水のPH低下に対するPH調整である。
【0055】塩化ビニリデン31は、魚類からの糞を付
着する能力が多孔質ガラス32よりも高いから、多孔質
ガラス32の前段に設置している。そして、この塩化ビ
ニリデン31に、魚類の糞などの浮遊物質を付着させ
て、アンモニア性窒素などの処理だけでなく、有機物と
しての浮遊物質の処理も同時に好気的に行うようにして
いる。多孔質ガラス32は、前段で有機物としての浮遊
物質が処理されているので、多孔自体が詰まることな
く、効率的にアンモニア性窒素や亜硝酸性窒素を処理で
きる。このように、この蓄養水槽11では、飼育水が充
分処理されているので、カワニナ28と魚類27を元気
で健康な状態に常に確保できる。従って、この蓄養水槽
11内の元気で健康なカワニナ28および魚類27を、
試験水槽1や対照水槽10に供給すれば、確実に精度良
く、試験水としての排水を、評価することができる。
【0056】次に、上記構成の水質モニタ装置の動作を
説明するとともに、この発明の水質モニタ方法の実施例
を説明する。
【0057】半導体工場や液晶工場においては、現像液
が生産工程で使用され、図1に示す現像液含有排水の流
入配管19を経て、上記排水処理設備18に流入する。
この排水処理設備18で排水処理された現像液含有排水
は、現像液含有排水処理水の配管26を経て総合配管1
7に導入される。また一方で、工程排水は、工程排水の
排水処理設備24によって処理された後、工程排水処理
水の配管25を経て総合配管17に導入され、上記現像
液含有排水の処理水と工程排水の処理水とが処理水の総
合配管17で合流している。
【0058】総合配管17における工場からの総合排水
は、その排水の一部分が、カワニナと魚類による生物モ
ニタリング設備としての水質モニタ装置である上記実施
例に導入される。
【0059】この実施例に導入される排水の水質が悪化
した場合、まず、最初に第1段階として、カワニナ28
が試験水槽1の側面から落下して、カワニナ落下防止網
2の上部に集まる。カワニナを例えば、10匹以上、試
験水槽1で飼育していると、水質悪化により、ほとんど
の黒褐色のカワニナ28がカワニナ落下防止網2の上部
に集まる。すると、上記ライト7からの光は、上記カワ
ニナ落下防止網2上のカワニナ28によって、遮られる
から、上記光量判別センサ8に達する光量が減少する。
すると、上記センサコントローラ39は、上記試験水槽
1のセンサ8からの光量信号と上記対照水槽8のセンサ
8からの光量信号との差が増大したことを検出して、警
報信号をモニタテレビ盤15に出力する。すると、第1
警報ランプ40が点滅し、第1段階の警報を発生する。
【0060】そして、排水処理設備18や24を改善す
ることにより、排水の水質が改善されると、カワニナ2
8は元気になり、再びカワニナの餌場6に向かって、試
験水槽1の壁面を登りはじめ、試験水槽1の光量判別セ
ンサ8に達する光量が確保され、警報が解除されて、第
1警報ランプ40の点滅が停止して警報復帰する。ここ
で重要なことは、生物指標としてカワニナ28を用いて
いることである。つまり、少々の水質悪化(低濃度水質
汚染)では、カワニナ28は、カタツムリのように殻の
中に体を戻してしまって試験水槽1の壁面から落下する
ものの、死滅には至らない。そして、水質が改善される
と、カワニナ28は、また元のように活発に行動する習
性を有している。この実施例は、カワニナ28の上記習
性を巧みに活用して、水質を高精度に監視するようにし
ている。従来例のように、モニタ生物として魚類のみを
使用する場合には、この実施例に比べて、水質モニタ精
度が低い。
【0061】つぎに、水質がさらに悪化すると、今度は
魚類27の行動に変化が現れ、その後、水質がさらに悪
化し続けるならば、魚類27は死滅する。場合にもよる
が、死滅した魚類27は、カワニナ落下防止網2の上に
落ちたり、また水面に浮きあがる。この第2段階の水質
悪化があると、カワニナ28と魚類27の両方がカワニ
ナ落下防止網2の上に落ちたり、又水面に魚類が浮く場
合も、魚類はライトの近い位置で横たわる姿となるので
光量は減少する。すなわち、試験水槽1においては、ラ
イト7からの光は、光量判別センサ8に殆ど届かなくな
る。すると、上記試験水槽1のセンサ8からの信号と対
照水槽10のセンサ8からの信号との差が最大になっ
て、センサコントローラ39は、モニタテレビ盤15に
警報信号を出力し、第1警報ランプ40と第2警報ラン
プ41の両方が点滅し、2種類の警報が同時発生する。
【0062】この2種類の警報が、同時に発せられた時
は、工場の排水処理設備24,18から排水を放流する
ことを中止し、排水の安全が再び確保されるまで別途設
けられた緊急槽(図示せず)に排水を貯留する。
【0063】このように、上記カワニナ28や魚類27
などの生物による水質モニタリング方法は、現像液含有
排水におけるTMAHを化学分析によって測定したり、
排水水質を魚類の行動を画像処理してモニタする方法に
比べて、時間と人手と費用の点において、格段に有利で
ある。すなわち、この実施例によれば、誰もが簡単かつ
迅速に水質の良否を確認できる。
【0064】また、上記実施例によれば、試験水槽1及
び対照水槽10のカワニナ28と魚類27とを一定期間
毎に上記蓄養水槽11で飼育している元気で健康なカワ
ニナと魚類と取り替えることができる。したがって、水
質モニタリング生物であるカワニナと魚類の健康状態を
常にベストにすることができ、水質異常の生物学的検知
を高精度に維持することができる。
【0065】次に、上記実施例による実験結果を以下に
示す。
【0066】上記実施例に対応する実験装置では、試験
水槽1と対照水槽10は、それぞれ約20リットルと
し、カワニナと魚類の蓄養水槽11の総合容量は約50
リットルとした。そして、試験水槽1と対照水槽10と
に、それぞれタイリクバラタナゴ10匹とカワニナ30
匹を投入した。
【0067】一方その他の条件として、ライト7は10
0ワットの一般の電灯を用いた。この装置で実験を行っ
たところ、すべての排水の処理が、確実になされて水質
に異常がない時は、試験水槽1の光量判別センサ8の部
分での照度は370ルックスであった。一方、タイリク
バラタナゴが死滅しない程度に、現像液含有排水を一部
未処理のままで試験水槽1に導入すると約半数のカワニ
ナは試験水槽1の壁面から落下した。この時に、試験水
槽1の光量判別センサ8の所での照度を測定したところ
146ルックスであった。また、この時、対照水槽10
では、5匹のカワニナ28がカワニナ落下防止網2のと
ころに居座ったため、対照水槽10の光量判別センサ8
の所の照度は280ルックスであったが、試験水槽1の
光量判別センサ8の所の上記照度146ルックスとは、
明らかな差を生じた。センサコントローラ39は、試験
水槽1の光量判別センサ8の所の照度が150ルックス
以下になると警報信号を発生するようにあらかじめ設定
していたので、この時、第1警報ランプ40が点滅し
た。もちろん、このとき試験水槽1中のタイリクバラタ
ナゴ10匹はすべて生きていた。
【0068】次に、2段階目として、さらに未処理の現
像液含有排水の試験水層1への流入量を増加させると、
カワニナ28のすべては、試験水槽1の壁面から落下
し、かつ、タイリクバラタナゴの動きにも変化があらわ
れた。そのタイリクバラタナゴの動きの変化とは、ま
ず、動きが鈍くなること、および手で触っても素早く逃
げないこと、さらには餌の食いつきが悪くなることなど
がある。そして、タイリクバラタナゴの体色があざやか
な色から、白ずんだ色になってきた。
【0069】この時の試験水槽1の光量判別センサ8の
所の照度を測定したところ、47ルックスであった。試
験水槽1の光量判別センサ8の所の照度が50ルックス
以下になったときに、上記センサコントローラ39が第
2警報ランプ41を点滅させる警報信号を出力するよう
にあらかじめ設定していたので、このとき第2警報ラン
プ41も点滅した。
【0070】このように、上記実施例は、水質の変化を
敏感に感じ取って行動が変化する2種類の生物(カワニ
ナとタイリクバラタナゴ)を使用し、かつ、上記2種類
の生物を飼う試験水槽の形状に工夫を凝らして、導入排
水の水質が劣化することによって、試験水槽1のセンサ
に達する光量が減少するようしたものである。したがっ
て、この実施例によれば、従来例のような画像処理装置
を用いなくても生物の行動を、水質を表現する信号に変
換できる。したがって、この実施例によれば、時間とコ
ストを節約して簡単迅速に水質を監視することができ
る。
【0071】
【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1の発
明の水質モニタ装置は、排水が導入され、光透過性底面
と、上記底面の外側に上記底面に対向して配置された光
量判別センサとを有し、カワニナと魚類を飼育している
試験水槽と、上記光量判別センサからの光量信号を受け
て、上記光量信号に基づいて上記排水の水質を判定する
水質判定手段とを備えたものである。したがって、請求
項1の発明によれば、上記排水の水質が劣化すると、カ
ワニナが試験水槽の側壁から落下し、光透過性底面に落
ちるから、光量判別センサが受ける光量が減少する。す
なわち、請求項1の発明によれば、水質劣化すると、セ
ンサの受光光量が減少し、水質判定手段が上記センサか
らの光量信号に基づいて水質を判定できる。したがっ
て、請求項1の発明によれば、排水の成分を化学的に分
析するのに比べて水質判定の時間を短縮することがで
き、水質の劣化に対して迅速な対応ができる。また、請
求項1の発明によれば、排水中の生物の行動変化を画像
処理解析する従来例に比べて、低コストであり、かつ特
殊な解析技術を持たなくても誰でもが水質判定すること
ができる。
【0072】また、請求項2の発明は、請求項1に記載
の水質モニタ装置において、カワニナが健康に生息可能
な飼育用水が導入され、光透過性底面と、上記底面の外
側に上記底面に対向して配置された光量判別センサとを
有し、開口部から底部に向かって狭くなっており、カワ
ニナと魚類を飼育している対照水槽を有し、上記水質判
定手段は、上記試験水槽が有する光量判別センサからの
光量信号と、上記対照水槽が有する光量判別センサから
の光量信号との信号差に基づいて、上記試験水槽に導入
された排水の水質を判定するようになっているものであ
る。従って、請求項2の発明によれば、排水の水質以外
の要因によってカワニナや魚類の行動が変化したこと
が、上記水質判定手段の水質判定に影響を与えることを
防止することができ、信頼性の高い水質判定ができる。
【0073】また、請求項3の発明は、請求項1または
2に記載の水質モニタ装置において、カワニナと魚類と
を健康に飼育する飼育水槽を有しているから、試験水槽
や対照水槽に常に健康なカワニナと魚類を提供すること
ができ、水質判定の精度を向上させることができる。
【0074】また、請求項4の発明の水質モニタ方法に
よれば、上記試験水槽に配置した光量判別センサが出力
する光量信号に基づいて上記排水の水質を判定するか
ら、従来よりも簡単に経済的に迅速で正確な水質モニタ
ができる。
【0075】また、請求項5の発明の水質モニタ方法
は、上記試験水槽が有する光量判別センサからの光量信
号と、上記対照水槽が有する光量判別センサからの光量
信号との信号差に基づいて、上記試験水槽に導入された
排水の水質を判定する。したがって、請求項5の発明に
よれば、排水の水質以外の要因によってカワニナや魚類
の行動が変化したことが、水質判定に影響を与えること
を防止することができ、水質判定の精度を向上できる。
【0076】また、上記請求項1〜5の発明は、2種類
の水質適応範囲の異なる水棲動物を水質モニタリングに
用いているから、水質異常を2段階の警報で表現するこ
とができる。さらに、上記請求項1〜5の発明は、排水
処理設備や浄水設備への毒物混入を含む異常水質に対す
る対応を迅速にできる効果もある。また、システムがシ
ンプルであるため、設備のイニシアルコストが低く、か
つ、異常に対する判定を誰でもが簡単に認識できる効果
もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の水質モニタ装置と水質モニタ方法の
実施例を説明する詳細図である。
【符号の説明】
1…試験水槽、2…カワニナ落下防止網、3…透明部、
4…試験水出口配管 5…散気管、6…カワニナの餌場、7…ライト、8…光
量判別センサ、9…ブロワー、10…対照水槽、11…
カワニナと魚類の蓄養水槽、12…循環ポンプ、13…
濾過槽、14…オーバーフロー管、15…モニターテレ
ビ盤、16…モニターカメラ、17…処理水の総合配
管、18…現像液含有排水の排水処理設備、19…現像
液含有排水の流入配管、20…市水流入配管、21…活
性炭吸着塔、22…対照水配管、23…工程排水の流入
配管、24…工程排水の排水処理設備、25…工程排水
処理水の配管、26…現像液含有排水処理水の配管、2
7…魚類、28…カワニナ、29…ヒーター、30…サ
ーモスタット、31…塩化ビニリデン、32…多孔質ガ
ラス、33…炭酸カルシウム鉱物、34…魚類槽、35
…カワニナ槽、36…循環ポンプ、37…配線、38…
光量判別センサー室、39…センサコントローラ、40
…第1警報ランプ、41…第2警報ランプ。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排水が導入され、光透過性底面と、上記
    底面の外側に上記底面に対向して配置された光量判別セ
    ンサとを有し、開口部から底部に向かって狭くなってお
    り、カワニナと魚類を飼育している試験水槽と、 上記光量判別センサからの光量信号を受けて、上記光量
    信号に基づいて上記排水の水質を判定する水質判定手段
    とを備えたことを特徴とする水質モニタ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の水質モニタ装置におい
    て、 カワニナが健康に生息可能な飼育用水が導入され、光透
    過性底面と、上記底面の外側に上記底面に対向して配置
    された光量判別センサとを有し、開口部から底部に向か
    って狭くなっており、カワニナと魚類を飼育している対
    照水槽を有し、 上記水質判定手段は、上記試験水槽が有する光量判別セ
    ンサからの光量信号と、上記対照水槽が有する光量判別
    センサからの光量信号との信号差に基づいて、上記試験
    水槽に導入された排水の水質を判定するようになってい
    ることを特徴とする水質モニタ装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の水質モニタ装
    置において、 上記カワニナと魚類とを健康に飼育する飼育水槽を有し
    ていることを特徴とする水質モニタ装置。
  4. 【請求項4】 光透過性底面と、上記底面の外側に上記
    底面に対向して配置された光量判別センサとを有し、開
    口部から底部に向かって狭くなっている試験水槽に、排
    水を導入し、この水槽内でカワニナと魚類を飼育し、 上記光量判別センサが出力する光量信号に基づいて上記
    排水の水質を判定することを特徴とする水質モニタ方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の水質モニタ方法におい
    て、 光透過性底面と、上記底面の外側に上記底面に対向して
    配置された光量判別センサとを有し、開口部から底部に
    向かって狭くなっている対照水槽に、カワニナが健康に
    生息できる飼育用水を導入して、この対照水槽内にカワ
    ニナと魚類を飼育し、 上記試験水槽が有する光量判別センサからの光量信号
    と、上記対照水槽が有する光量判別センサからの光量信
    号との信号差に基づいて、上記試験水槽に導入された排
    水の水質を判定することを特徴とする水質モニタ方法。
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