JPH06296958A - 貯留水中の浄化設備運転支援装置 - Google Patents

貯留水中の浄化設備運転支援装置

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JPH06296958A
JPH06296958A JP9262193A JP9262193A JPH06296958A JP H06296958 A JPH06296958 A JP H06296958A JP 9262193 A JP9262193 A JP 9262193A JP 9262193 A JP9262193 A JP 9262193A JP H06296958 A JPH06296958 A JP H06296958A
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JP
Japan
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water
plankton
purification
purification equipment
stored water
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Application number
JP9262193A
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English (en)
Inventor
Misako Oobuchi
美砂子 大淵
Shoji Watanabe
昭二 渡辺
Mikio Yoda
幹雄 依田
Naoki Hara
直樹 原
Katsu Iijima
克 飯島
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Hitachi Ltd
Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Hitachi Metals Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

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  • Aeration Devices For Treatment Of Activated Polluted Sludge (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】水域の水質情報に基づいて効率的な浄化設備の
運転支援を可能にする。 【構成】プランクトンの種類と量の判定を自動化し、得
られた情報を浄化設備の管理者にガイダンスする。本発
明は、プランクトンの種類と量を自動計測する計測装置
と、該計測装置から得られる情報に基づいて浄化設備運
転方法を決定し、管理者にガイダンスする計算機装置か
ら構成される。計算機装置は、支援情報を詳細かつ視覚
的なものとするため、水質汚濁物質判定装置,ルールベ
ース,表示装置などを持つ。 【効果】水域中のプランクトン情報をオンラインで入手
し、リアルタイムで反映することにより効率的な浄化設
備の運転が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は湖沼や貯水池,内湾など
の水域における水質浄化装置の運転支援装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、生活レベルの向上や余暇時間の拡
大により、快適な水環境、つまり「おいしい水道水」や
美しい水辺へのニーズが大きくなっている。しかし、わ
が国における水域の環境基準達成率は、公害問題が拡大
し始めた環境基準値制定時からほぼ横ばいの状態であ
る。中でも、海域や河川のように貯留水が比較的頻繁に
入れ替わる水域に比べ、閉鎖性水域である湖沼の環境基
準達成率は格段に低い。
【0003】一方で、ダムや湖沼などの閉鎖性水域は観
光資源,リゾート地として果たす役割が大きく、アオコ
や赤潮による被害が深刻な問題となっている。アオコや
赤潮は、植物プランクトンが異常増殖し集積する現象で
あるが、景観の悪化だけでなく、腐敗臭発生,毒性物質
生成の原因ともなるため、付近の住民に及ぼす被害は甚
大である。また、水域が水道水源として利用される場
合、プランクトンの異常発生は浄水場の濾過閉塞,凝集
阻害,濁度上昇などの浄水障害を引き起こす。なかでも
カビ臭に代表される水道水の異臭味は最も深刻な問題で
ある。
【0004】琵琶湖などの湖沼では、水質保全のための
大規模な底泥浚渫や導水事業が実施されている。しか
し、水質汚濁は化学,生物学,物理学などが複雑に関連
した問題であり、アオコや赤潮の発生メカニズムも未解
明である上、水質汚濁の主要原因とされている流入負荷
の抑制には現実的には限界があるため、根本的な対策は
とられていない。
【0005】一方、プランクトンは生物であるため、種
類によって最適生育条件が異なる。すなわち、水域の窒
素濃度が上がれば、高い窒素濃度を好むプランクトンが
増える。水域の富栄養化レベルを、生息するプランクト
ンの種類によって決定する方法も知られており、プラン
クトンは重要な水質指標である。全国各地の湖沼や池で
は、水質を監視し、強制水流発生設備や揚水筒などの浄
化設備を設置し水質保全に努めているが、浄化設備の運
転制御方法は確立されておらず、水質管理者の経験と勘
に頼っている。また、現在、pH,水温,濁度,COD
などの計測は自動化されているが、プランクトンについ
ては完全に人間に依存しており、船を出して採水したサ
ンプルを持ち帰り、顕微鏡観察によって種類と量が計測
される。従って、プランクトンの発生数が判明するまで
に長時間を要するため、プランクトンの情報は浄化設備
の運転制御に活用することができない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、水域
の詳細な水質情報に基づいて的確な浄化設備の運転支援
を可能にした浄化設備運転支援装置を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は、プランクト
ンの種類と量の判定を自動化し、得られた情報を浄化設
備の管理者にガイダンスすることにより達成される。す
なわち本発明は、プランクトンの種類と量を自動計測す
る計測装置と、該計測装置から得られた情報に基づいて
浄化設備運転方法を決定し、管理者にガイダンスする計
算機装置から構成される。具体的には、該計算機装置
は、支援情報を詳細かつ視覚的なものとするため、水質
汚濁物質判定装置,ルールベース,表示装置などを持
つ。
【0008】
【作用】上記手段を設けたことにより、従来技術では得
られなかった水域中のプランクトン情報をオンラインで
入手することができる。さらに、得られたプランクトン
情報をリアルタイムで反映することができるため、経済
的かつ効率的な浄化設備の運転管理が可能となる。
【0009】
【実施例】以下、本発明を図1に示す実施例に基づいて
説明する。
【0010】図1において、1は湖沼やダムなどの水域
の貯留水、10はプランクトン計測装置、20は計算機
装置、30はオペレーター、40は浄化設備運転管理
所、400は浄化設備制御装置、401は濾過設備や導
水設備などの浄化設備である。また、計算機装置20に
おいて、200は情報処理回路、201はデータベー
ス、202は知識ベース、203は表示設備を表す。す
なわち図1は、浄化設備401が設置されている水域に
おいて、プランクトンの異常増殖による被害の回避を目
的として、プランクトン計測装置10によって貯留水1
中に生息するプランクトンを計測し、得られたプランク
トン情報に基づいて計算機装置20が最適な浄化設備運
転方法を決定し、ガイダンス表示する浄化設備運転支援
システムを表している。
【0011】各装置の構成と動作内容を説明する。プラ
ンクトン計測装置10は、貯留水1中のプランクトンの
種類ごとの発生数を計測し、計測結果を計算機装置20
中の情報処理回路200に送信する。情報処理回路20
0は、知識ベース202中の関連ルールに基づいて、プ
ランクトン計測装置10より受信したプランクトン情報
から水域の水質汚濁レベルを診断する。さらに、情報処
理回路200は、水質汚濁レベルから最適な浄化設備運
転方法を決定し、決定内容を表示設備203に送信し、
表示設備203は受信した内容をガイダンス表示する。
オペレーター30は、表示設備203のガイダンス表示
に基づいて浄化設備制御装置400を操作し、浄化設備
401を運転管理する。
【0012】ここで、プランクトン計測装置10の一例
として、画像処理によってプランクトンの種類と量をオ
ンライン計測する装置の詳細構成を図2に示し、説明す
る。図2において、100は制御部、101は撮像部、
102は画像処理部である。制御部100は一定時間ご
とに撮像部101を起動する。撮像部101は、制御部
100からの起動信号を受信し、撮像装置101aによ
って貯留水1の拡大濃淡画像を撮像する。ここで撮像装
置101aには、例えば、特開平4−40340号の液中微小
物質撮像装置などが利用できる。撮像装置101aで得
られた画像は、A/D変換装置101bによってディジ
タル信号に変換され、画像処理部102の画像処理回路
102aに送信される。
【0013】画像処理回路102aは受信した画像を処
理し、認識された物体一つ一つについて面積や形状係数
などの特徴量を算出する。ここで、物体とは貯留水1中
に生息するプランクトンや、ゴミのことである。また、
画像処理とは、二値化処理やノイズ除去処理,ラベリン
グ処理などの画像処理方法を組み合わせてプランクトン
計測のためのアルゴリズムを構築し、実行するものとす
る。具体的には、本発明者らの特願平4−64171号で開示
されている処理方法などが利用できる。画像処理回路1
02aによって処理された画像は、処理される前の拡大
濃淡画像と共に、画像メモリ102bに入力され格納さ
れる。
【0014】画像処理回路102aで得られた各物体の
特徴量は情報処理回路102cに入力される。情報処理
回路102cはルールベース102dに予め入力された
判定ルールに基づいて物体の種類を判定し、種類ごとに
計数する。すなわち、ルールベース102dには、例え
ば「面積が一定値a1 以下かつ穴の面積割合が一定値a
2 以上であるならば、その物体はプランクトンAであ
る。」というプランクトンの種類判定ルールを予め入力
しておく。情報処理回路102cの計数結果は計算機装
置20に送信されると共にデータベース102eに入力
され、格納される。
【0015】なお、プランクトン計測装置10は、水質
事故や異常気象時にも対応できるように、一定時間ごと
の起動だけでなく、オペレーター30の判断によって任
意に起動することもできるようにする。また、図2では
プランクトン計測装置10を一まとまりにしているが、
画像処理部102を計算機装置20と共に浄化設備運転
管理所40内に設置、或いは計算機装置20に内蔵して
もよい。また、以上の説明では画像処理技術を応用した
プランクトン計測装置10を一例として挙げたが、クロ
ロフィル計や光ファイバーを利用したプランクトン計測
方法を適用してもよい。
【0016】次に、計算機装置20の構成及び浄化設備
401の運転支援内容について、図1,図3,図4、及
び図5を用いて説明する。
【0017】浄化設備401の運転はエネルギーを要す
るものであるから、浄化力は0に近ければ近いほど運転
経費を節約することができる。ここで、浄化力とは、例
えば、浄化設備401が濾過設備である場合、その単位
時間当りの処理水量を表わし、また、浄化設備401が
導水設備である場合には、単位時間当りの導水量を表わ
す。或いは、複数の浄化装置が設置されている場合、浄
化装置の稼動台数とすることもできる。計算機装置20
は、無駄なく浄化設備401を運転するために、プラン
クトン計測装置10の計測情報に基づいて水質汚濁レベ
ルを診断し、その診断結果から適切な浄化力を決定す
る。以下に浄化装置運転支援内容の一例を説明する。
【0018】図1において、計算機装置20の情報処理
回路200は、貯留水1中のプランクトン発生情報をプ
ランクトン計測装置10から受信し、データベース20
1に保存する。さらに、情報処理回路200は、プラン
クトン計測装置10からのプランクトン情報と、知識ベ
ース202中のルールに基づいて、貯留水1の水質汚濁
レベルを診断し、浄化設備401の浄化力を決定する。
【0019】プランクトン情報から水質汚濁レベルを診
断する方法を説明する。図3は、貯留水1中のプランク
トン,種類B,C及びDの濃度(cells/ml)と水質汚濁
レベルの関係を表すグラフである。プランクトンの種類
ごとの発生数を計測している湖沼やダムでは、おおよそ
図3中のB,C及びDに該当する、すなわち水質汚濁レ
ベルの指標となるプランクトンの種類が経験的に知られ
ている。例えばプランクトンDはアオコの原因となるプ
ランクトンであるとすると、アオコが発生する前に前兆
的に増殖するプランクトン(C)が知られている場合が
多い。しかし、その関係は気象条件や地理条件によって
変化するので、図3のグラフは水域の特性に応じて水域
ごとに作成する。図3のグラフによれば、例えば、プラ
ンクトンBとプランクトンCがおおよそ同濃度であれば
水質汚濁レベルは(3)、あるいはまた、プランクトンB
濃度がプランクトンD濃度より小さければ水質汚濁レベ
ルは(4)以上、その中でさらに、プランクトンC濃度が
プランクトンD濃度より大きければ水質汚濁レベルは
(4)であると推論することができる。この図3のような
プランクトンの種類及び量と、水質汚濁レベルの関係を
計算機装置20の知識ベース202に入力しておく。情
報処理回路200は、これらのルールとプランクトン計
測装置10からのプランクトン情報とに基づいて、貯留
水1の水質汚濁レベルを診断し、浄化設備401の浄化
力を決定する。ここで、水質汚濁レベルが高ければ高い
ほど強い浄化力を要すので、水質汚濁レベルと浄化力と
は比例関係と考えて良い。すなわち、 水質汚濁レベル=(1) ならば 浄化力=0 水質汚濁レベル=(2) ならば 浄化力=P1 水質汚濁レベル=(3) ならば 浄化力=2P1 … 水質汚濁レベル=(n) ならば 浄化力=(n−1)P1 ただし、 P1:浄化力の基準値(0<P1) n:3以上の整数 とすることができる。
【0020】また、プランクトンが臭気物質を生成する
場合には、次のような方法で水質汚濁レベルを推論する
ことができる。例えば、プランクトンEはかび臭の原因
となるジオスミンを生成するプランクトンであるとする
と、プランクトン計測装置10によって計測された貯留
水1中のプランクトンEの濃度(cells/ml)から、貯留
水1中のジオスミン濃度G0 は例えば次式のように表す
ことができる。
【0021】 G0=αE (1) ただし、 α:プランクトンEのジオスミン生成係数 E:貯留水1中のプランクトンEの濃度(cells/ml) ここで、貯留水1中のジオスミン濃度許容値をGとすれ
ば、実際のジオスミン濃度との差が正の値(G0−G>
0)であれば浄化装置401の稼動を要し、さらに、そ
の差が大きければ大きいほど、浄化力を大きくする必要
があると判断できる。図4のグラフに、次の4式で表さ
れる判断基準の一例を示す。
【0022】 G0−G>0 ならば P>0 G0−G>g1 ならば P>P1 0−G>g2 ならば P>P2 0−G>g3 ならば P>P3 (2) ただし、 g1〜g3:ジオスミン濃度の基準値(0<g
1<g2<g3) P :浄化力 P1〜P3:浄化力の基準値(0<P1<P2<P3) 式(1)〜(2)のようなプランクトンの種類と発生物質
の関係式を、知識ベース202に予め入力しておく。例
えば他に、同じくカビ臭の原因である臭気物質ジメチル
イソボルネオール(2−MIB)と、フォルミディウム
やオシラトリアなどの藍藻類との関係式などを入力して
おく。
【0023】また、毒物を生成するプランクトンが発生
した場合にも、臭気物質と同様の方法で浄化力を算出す
ることができるが、被害の重要性を考慮すると、プラン
クトン濃度が同じでも、他のプランクトンの場合よりも
強い浄化力を必要とする。例えば、プランクトンFを毒
物を生成するプランクトンとした場合、必要とする浄化
力を臭気物質を生成するプランクトンEと比較した一例
を図5に示す。同じプランクトン濃度Vでも、必要とす
る浄化力はP1とP3というように大きく異なる。このよ
うに、プランクトンの種類に応じて、発生する被害を考
慮し、浄化力算出方法を変化させることができる。ここ
で、プランクトンの生成物質と被害内容,その対策とし
て効果的な浄化方法,浄化設備の具体例を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】以上説明したような浄化設備運転支援内容
が情報処理回路200により決定され、モニターなどの
表示設備203にガイダンス表示される。オペレーター
30は、計算機装置20のガイダンス表示に基づいて、
浄化設備401を運転管理する。具体的には、浄化設備
管理所40内に設置された浄化設備制御装置400を操
作し、浄化設備401を稼動する。また、浄化設備40
1を船舶設備とし、浄化設備運転支援内容の浄化力をア
オコ除去などの物理的処理量としても良い。ここで、オ
ペレーター30の操作の介入なしに、計算機装置20の
ガイダンス内容を浄化設備401の運転に反映させても
良い。すなわち、計算機装置20の情報処理回路200
で決定された浄化設備運転支援情報を、浄化設備制御装
置400に直接送信し、浄化設備401を自動制御す
る。この方法を適宜用いることにより、オペレーター3
0が常駐する必要がなくなり、大幅な省力化が可能とな
る。さらに、浄化設備運転支援内容は同じ水域を利用す
る他の施設への支援情報として活用することもできる。
例えば、プランクトン計測装置10の設置位置近隣に浄
水場の取水口があり、毒性物質を生成するプランクトン
が計測された場合、浄水場に取水を停止するようにガイ
ダンスすることができる。
【0026】以上、図1を用いて説明した実施例では、
浄化装置運転支援に利用する情報は貯留水1中のプラン
クトンに関する情報のみであるが、例えば水温や濁度な
どの水質情報を補助的に利用すれば、よりきめ細かく浄
化設備の運転を支援することができる。これらの補助機
能を付加した実施例を図6に示す。
【0027】図6において、1は湖沼やダムなどの水域
の貯留水、10はプランクトン計測装置、11は水質計
測装置、12は毒物監視装置、13は水質状態監視シス
テム、20は計算機装置、40は浄化設備である。すな
わち図6は、プランクトン計測装置10,水質計測装置
11及び毒物監視装置12の3つの装置から構成される
水質状態監視システム13によって貯留水1の水質状態
を監視し、その監視情報に基づいて計算機装置20が最
適な浄化設備運転方法を決定しガイダンスする浄化設備
運転支援システムと、その支援対象である浄化設備40
1を表している。各装置の構成と動作内容を以下に説明
する。
【0028】プランクトン計測装置10は図1に示した
実施例で説明したように貯留水1中のプランクトンを計
測する。水質計測装置11はpH,水温,濁度,DO,
BOD,COD,クロロフィルなどの水質項目のうち、少な
くとも一つをセンサによって計測し、一定時間ごと或い
は常時、計測結果を計算機装置20に送信する。また、
毒物監視装置12は、例えば魚類の行動を画像監視して
原水の水質異常を検知するもので、水質異常時、特に毒
物混入時に計算機装置20に警報を送信する。具体的に
は、特開平3−35165号公報で開示されている監視技術な
どが利用できる。
【0029】以上のように、計算機装置20はプランク
トン計測装置10,水質計測装置11、及び毒物監視装
置12の3つの装置から貯留水1の水質に関する情報を
受信する。計算機装置20は、受信した情報から、図1
の実施例で説明した方法によって最適な浄化設備運転方
法を決定し、ガイダンスする。オペレーター30は、計
算機装置20のガイダンス表示に基づいて、浄化設備4
01を運転管理する。
【0030】図6の実施例によれば、プランクトン計測
装置10の情報のみに基づいて浄化装置401の運転を
支援する図1の実施例より、さらにきめ細かく浄化設備
の運転を支援することができる。例えば、図1に示した
実施例で例として説明した臭気物質ジオスミンのガイダ
ンスを、より詳細な内容とすることができる。すなわ
ち、(1)式におけるプランクトンEのジオスミン生成
係数αは、水温やpH,濁度の関数と考えることができ
る(α=f(水温,pH,濁度))ことから、例えば、
夏期,水温が高い場合に、(2)式における判断基準
を、 G0−G>g4 ならば P>0 G0−G>g1+g4 ならば P>P1 0−G>g2+g4 ならば P>P2 0−G>g3+g4 ならば P>P3 (3) ただし、 g1〜g4:ジオスミン濃度の基準値 (g4=f(水温)<0<g1<g2<g3) P :浄化力 P1〜P3:浄化力の基準値(0<P1<P2<P3) と調整することができる。(3)式の判断基準により、
カビ臭発生の問題が生じる前に浄化設備401を稼動す
るようガイダンスすることが可能となり、被害を事前に
回避することができる。また、逆に、プランクトンE濃
度が高くても、水温が一定値以下であれば、臭気物質に
よる被害発生の可能性が小さくなるため、式(2)を浄
化力を小さくする方向に調整することもできる。
【0031】以上説明した図6の実施例では、プランク
トン計測装置10,水質計測装置11及び毒物監視装置
12から構成される水質状態監視システム13と、浄化
設備401を各々1つ設置する例を示したが、図7に示
すように複数個設置してもよいことは言うまでもない。
例えば、下流方向に漁場がある場合、プランクトン計測
装置10の計測情報が漁場内の水質に影響を与えること
は明らかであるから、被害を回避するため、上流の浄化
設備を稼動するようガイダンスすることができる。また
この場合、監視対象水域の地形的特性などに応じて、水
質状態監視システム13の構成要素を適宜変更する。す
なわち、水流が弱く淀みやすい水域では赤潮やアオコが
発生しやすいため、プランクトン計測装置10は必要不
可欠であるが、水流が激しく、滞留時間の長い水域では
必ずしも必要ではない。また毒物監視装置12は、化学
工場などがある場合、その排水口に近い水域に設置すれ
ば大きな効果を発揮するが、湖岸が崖や大森林などで、
毒物混入の可能性がほとんどないような水域には特に設
置する必要はないと判断することができる。
【0032】さらに、浄化設備401の浄化原理を考慮
し、異なる種類の浄化設備を組み合わせて使用すること
によって、浄化効果を高め、浄化設備401の運転経費
を削減することが可能である。すなわち、浄化設備40
1としては、濾過設備や導水設備の他,撹拌装置,曝気
装置,揚水筒,噴水装置などを使用することができる
が、導水設備とその導水口付近に設置された撹拌装置を
同時に使用すれば、両者の浄化力を単に加算した以上の
浄化力が得られる。このような複数の浄化設備の同時使
用で得られる相乗効果を考慮した浄化力計算式を用いる
ことにより、さらに経済的な浄化設備運転を支援するこ
とができる。
【0033】以上説明した実施例によれば、プランクト
ンの種類別の発生数という今まで得られなかった詳細な
水質情報に基づいて、きめ細かく浄化設備運転方法をガ
イダンスすることができる。さらにそのガイダンス内容
を活用すれば、定量的かつ経済的な浄化装置の運転が可
能となり、省エネ・省力化及び運転経費の節減が望め
る。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、水域中に生息するプラ
ンクトンの種類ごとの発生数という詳細なオンライン水
質情報に基づいて、浄化設備をきめ細かく運転支援する
ことができる。予測される浄水処理障害を回避するため
の対策を事前に浄化設備の管理者にガイダンスすること
で、経済的かつ効率的な浄水処理運転管理が可能にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の浄化設備運転支援装置の概要と支援対
象の浄化設備を示す図。
【図2】プランクトン計測装置の詳細構成を示す図。
【図3】プランクトンの種類及び量と水質汚濁レベルの
関係を表す図。
【図4】ジオスミン濃度と浄化設備による浄化力との関
係を表す図。
【図5】プランクトン濃度と浄化設備による浄化力との
関係を表す図。
【図6】浄化設備運転支援装置の応用例(1)と支援対
象の浄化設備を示す図。
【図7】浄化設備運転支援装置の応用例(2)と支援対
象の浄化設備を示す図。
【符号の説明】
1…湖沼,ダムなどの水域、10…プランクトン計測装
置、20…計算機装置、200…情報処理回路、201
…データベース、202…ルールベース、203…表示設
備、30…オペレーター、40…浄化設備運転管理所、
400…浄化設備制御装置、401…浄化設備。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B01D 24/48 29/60 C02F 7/00 ZAB (72)発明者 依田 幹雄 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立製作所大みか工場内 (72)発明者 原 直樹 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立製作所大みか工場内 (72)発明者 飯島 克 埼玉県熊谷市三ケ尻5200番地 日立金属株 式会社熊谷工場内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】貯留水中に生息するプランクトンの種類及
    び/又は量を計測する手段、 プランクトンの種類及び/又は量から水質汚濁レベルを
    推論する関係ルールを入力した知識ベース、 前記計測手段によって得られたプランクトン計測情報と
    前記知識ベース内のルールとに基づいて水域の水質汚濁
    レベルを診断する手段、 該診断手段によって得られた診断結果に基づいて貯留水
    中の浄化設備の運転方法を決定する手段、 該決定手段の決定内容をガイダンス表示する手段、とを
    有することを特徴とする貯留水中の浄化設備運転支援装
    置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記知識ベース内のル
    ールは、アオコの原因となるプランクトンまたは赤潮の
    原因となるプランクトンの濃度が一定値を上回ると水質
    汚濁レベルが高いと推論するものであることを特徴とす
    る貯留水中の浄化設備運転支援装置。
  3. 【請求項3】請求項1及び2において、前記知識ベース
    内の関係ルールが、プランクトンの種類及び又は量から
    プランクトンが生成する物質の種類及びまたは量を推論
    するものであることを特徴とする貯留水中の浄化設備運
    転支援装置。
  4. 【請求項4】請求項3において、前記知識ベース内の相
    関関係ルールによって推論されるプランクトンの生成物
    質はジメチルイソボルネオール又はジオスミンであるこ
    とを特徴とする貯留水中の浄化設備運転支援装置。
  5. 【請求項5】請求項1〜4において、pH,水温,濁
    度,DO,BOD,COD及びクロロフィルの水質項目
    のうち少なくとも1種類を計測する水質計測手段を有
    し、該水質計測手段によって得られた水質情報及び前記
    プランクトン計測手段によって得られたプランクトンに
    関する情報に基づいて実行される前記診断手段を有する
    ことを特徴とする貯留水中の浄化設備運転支援装置。
  6. 【請求項6】請求項1〜4において、水域から導水した
    容器で水棲生物を飼育する飼育槽、その水棲生物の異常
    行動の有無から毒物混入を検知する毒物監視手段を有
    し、前記プランクトン計測手段及び前記毒物監視手段に
    よって得られたプランクトン情報及び水質情報に基づい
    て、前記物質判定手段及び又は前記予測手段を実行する
    ことを特徴とする貯留水中の浄化設備運転支援装置。
  7. 【請求項7】請求項1〜6において、前記診断手段によ
    って得られた診断結果を時系列的に情報処理し、将来に
    おける水域の水質汚濁レベルの変化を予測する手段を有
    し、該予測手段によって得られた予測結果に基づいて前
    記決定手段を実行することを特徴とする貯留水中の浄化
    設備運転支援装置。
  8. 【請求項8】請求項1〜7において、前記プランクトン
    計測手段及び又は前記水質計測手段及び又は前記毒物監
    視手段を複数個又は複数組有することを特徴とする貯留
    水中の浄化設備運転支援装置。
  9. 【請求項9】請求項1〜8において、前記浄化設備運転
    方法決定手段の決定内容が、浄化設備の稼動台数である
    ことを特徴とする貯留水中の浄化設備運転支援装置。
  10. 【請求項10】請求項1〜8において、前記浄化設備運
    転方法決定手段の決定内容が、複数の浄化設備を組み合
    わせて使用することであることを特徴とする貯留水中の
    浄化設備運転支援装置。
  11. 【請求項11】請求項1〜10において、前記浄化設備
    運転方法決定手段の決定内容に基づいて浄化設備を操作
    する手段を有することを特徴とする貯留水中の浄化設備
    運転支援装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0720119A (ja) * 1993-07-06 1995-01-24 Hitachi Ltd 浄水場管理支援方法及び支援システム
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JP2017227472A (ja) * 2016-06-20 2017-12-28 株式会社東芝 異臭推定装置、異臭推定システム、異臭推定方法及び異臭推定プログラム
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