JPH06158252A - 高成形性モリブデン板、その製造方法および反射板 - Google Patents

高成形性モリブデン板、その製造方法および反射板

Info

Publication number
JPH06158252A
JPH06158252A JP4309034A JP30903492A JPH06158252A JP H06158252 A JPH06158252 A JP H06158252A JP 4309034 A JP4309034 A JP 4309034A JP 30903492 A JP30903492 A JP 30903492A JP H06158252 A JPH06158252 A JP H06158252A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molybdenum
plate
ray diffraction
rolled
crystal plane
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP4309034A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3315166B2 (ja
Inventor
Kenji Tomokiyo
憲治 友清
Yumiko Takahashi
由美子 高橋
Noboru Kitamori
昇 北森
Motonao Sakai
元尚 酒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP30903492A priority Critical patent/JP3315166B2/ja
Publication of JPH06158252A publication Critical patent/JPH06158252A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3315166B2 publication Critical patent/JP3315166B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Metal Rolling (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】二次加工性に優れプレス加工により深絞りを実
施した場合においても割れの発生が少ない高成形性モリ
ブデン板およびその製造方法を提供する。 【構成】熱間圧延加工したモリブデン素材を温度105
0〜1150℃で中間焼鈍処理し、得られた一次圧延板
を再結晶熱処理後の圧延率80〜95%で冷間圧延加工
して最終目標板厚を有する二次圧延板を調製し、しかる
後に得られた二次圧延板を温度980〜1030℃で最
終焼鈍処理することにより、二次圧延板の板面に平行な
(222)結晶面におけるX線回折強度を(200)結
晶面におけるX線回折強度の0.3倍以上に設定するこ
とを特徴とする。また上記高成形性モリブデン板をプレ
ス成形することにより、深絞り形状を有するランプ用反
射板を高い歩留りで製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高成形性モリブデン板お
よびその製造方法に係り、特に二次加工性に優れ、プレ
ス加工により深絞りを実施した場合においても割れの発
生が少ない高成形性モリブデン板、その製造方法および
そのモリブデン板を用いてなる反射板に関する。
【0002】
【従来の技術】フィラメント温度を高めて発光効率を高
めたハロゲンランプの照射光量をさらに高める目的で、
例えば図4〜図6に示すような反射板(ミラー)1がラ
ンプと一体的に設けられている。この反射板を構成する
材料としては、高温度のフィラメントからの放射熱によ
って変質しないような耐熱性が要求され、その要求を満
たす材料としてモリブデンやタングステン等の高融点金
属板が一般的に使用されている。
【0003】従来、上記モリブデン製反射板1は下記の
ような圧延工程とプレス成形工程とを経て製造されてい
た。すなわち、モリブデン素材を圧延率80〜90%程
度で熱間圧延加工し、しかる後に温度900〜950℃
で20〜60分程度の歪取焼鈍を適宜実施してモリブデ
ン素材を軟化させた状態で圧延率98%程度で冷間圧延
加工し、さらに得られた圧延板を温度950℃で20分
間程度焼鈍処理して厚さ0.1〜0.3mm程度のプレス
成形用モリブデン板を調製し、このモリブデン板をプレ
ス成形機を使用して深絞り加工して図4〜図6に示すよ
うな深絞り部2と張出し部3とを有する反射板1を製造
していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記モリ
ブデンやタングステンの薄板材は一般に難加工性材料で
あり、図4〜図6に示すようなランプ用反射板の形状に
プレス成形するために必要な深絞り性、張出し性等が不
充分であるため、成形が困難であった。そして上記モリ
ブデン板をプレス成形すると割れが多発し反射板の製造
歩留りが大幅に低下する問題点があった。
【0005】ところで、プレス成形用の圧延板の加工特
性、特に深絞り特性は、引張りと垂直方向の圧延板の厚
さの真ひずみεt に対する幅の真ひずみεw の比で表わ
されるr値(塑性ひずみ比またはランクフォード値)で
評価することができ、このr値は板材の金属組織の結晶
方位分布(集合組織)に強く依存することが鉄鋼材料等
についての研究から明らかになっている。すなわち、圧
延板面に平行に{111}結晶面が多く発達し、{10
0}結晶面が少ないほど深絞り特性が良好となることが
確認されてきた。そこで自動車用鋼板等の製造工程にお
いては、圧延率や焼鈍条件等を調整して結晶方位分布を
制御することにより板材のプレス成形性を向上させる対
策も実施されている。
【0006】しかるに鋼板と同一の体心立方晶(bc
c)構造を有しながら、モリブデン板についてその深絞
り性を改善する手段としては、結晶粒度を調整したり、
粒界不純物量を低減して粒界強化を図る手段が講じられ
るのみで、結晶方位分布への配慮はなされていなかっ
た。
【0007】一方、前記ランプ用反射板のように深絞り
などの強加工に供する板材の圧延法として、熱間圧延加
工および冷間圧延加工においてその圧延方向を90度変
えて板材の塑性異方性を低減するクロス圧延法も採用さ
れている。しかしながら、長尺コイルを連続的に処理す
る製造工程においては適用することは、工程が複雑化し
実用化が極めて困難であった。
【0008】またモリブデン板材を再結晶化すると、そ
の延性−脆性遷移温度が室温付近に存在するため、低温
脆性が顕著になり圧延加工時に割れが生じ易くなる。こ
の割れの発生を防止するため、従来、熱間圧延後の焼鈍
温度を再結晶温度以下に設定したため、初期の段階では
熱間圧延であるが、被圧延材の温度低下により加工途中
より実質的に温間加工さらにはそれ以下の加工となる。
これにより、再結晶熱処理後の加工率、すなわち冷間加
工率は過度(実質95%以上)となり、板面に平行な
{100}結晶面が過度に増加し、以後焼鈍処理を実施
しても{111}結晶面が増加せず、成形加工性が低い
モリブデン板しか得られなかった。
【0009】本発明は上記の問題点を解決するためにな
されたものであり、二次加工性に優れプレス加工により
深絞りを実施した場合においても割れの発生が少ない高
成形性モリブデン板、その製造方法およびそのモリブデ
ン板を用いてなる反射板を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するため、モリブデン素材の圧延加工条件および焼
鈍熱処理条件を種々変えて、圧延加工および熱処理を実
施し、得られた各モリブデン板の圧延面の結晶方位分布
およびプレス成形性に及ぼす影響を調査した。すなわち
X線回折装置を用いて各モリブデン板の圧延面に平行な
各結晶面の回折強度を測定する一方、無配向モリブデン
の各結晶面の回折強度との比を測定し、結晶方位分布お
よび結晶面の配向度を求め、これらの測定値とプレス成
形性との関連を解析した。
【0011】その結果、各モリブデン板面に平行な(2
22)結晶面の(200)結晶面に対する回折強度比が
0.3以上または上記モリブデン板の(200)結晶面
の、無配向モリブデン試料に対する回折強度比が10以
下に設定した場合に、各モリブデン板を深絞りにプレス
成形しても割れの発生が殆どなく成形性が大幅に改善さ
れるという知見が初めて得られた。本発明は上記知見に
基づいて完成されたものである。
【0012】すなわち本発明に係る高成形性モリブデン
板は、板面に平行な(222)結晶面におけるX線回折
強度が(200)結晶面におけるX線回折強度の0.3
倍以上であることを特徴とする。
【0013】また上記モリブデン板の(200)結晶面
におけるX線回折強度が無配向モリブデンの(200)
結晶面におけるX線回折強度の10倍以下に設定すると
よい。
【0014】さらにモリブデン板の金属組織が、面積比
で40〜60%の再結晶粒と、残部圧延加工による変形
粒との混粒組織で構成するとよい。
【0015】また本発明に係る高成形性モリブデン板の
製造方法は、熱間圧延加工したモリブデン素材を温度1
050〜1150℃で中間焼鈍処理し、得られた一次圧
延板を再結晶熱処理後の圧延率80〜95%で冷間圧延
加工して最終目標板厚を有する二次圧延板を調製し、し
かる後に得られた二次圧延板を温度980〜1030℃
で最終焼鈍処理することにより、二次圧延板の板面に平
行な(222)結晶面におけるX線回折強度を(20
0)結晶面におけるX線回折強度の0.3倍以上に設定
することを特徴とする。
【0016】すなわち再結晶熱処理後の加工率すなわち
冷間圧延率が80〜95%と従来法よりも低くなるよう
に熱間圧延加工終了後の一次圧延板の板厚を設定し、さ
らに冷間圧延加工後の二次圧延板の組織を構成する再結
晶粒が過度に成長しない程度の高温度980〜1030
℃にて最終焼鈍処理して、再生結晶粒と加工変形粒とが
混在する混粒組織を形成する。
【0017】上記中間焼鈍処理は、熱間圧延加工後に残
存する加工変形粒を完全に再結晶化させる工程であり、
従来法より高い処理温度である1050〜1150℃の
範囲で20分間〜1.5時間程度で一次圧延板を加熱し
て実施される。上記処理温度が1050℃未満の場合
は、再結晶化が進行しない一方、処理温度が1150℃
を超える場合には、結晶粒が過度に粗大化し、冷間圧延
加工が困難となる。
【0018】再結晶熱処理後の圧延率は、二次圧延板の
結晶方位分布に大きな影響を与える因子であり、中間焼
鈍によって完全に再結晶化した一次圧延板を95%を超
える高圧延率で冷間圧延加工して二次圧延板とすると、
加工ひずみが大きくなり、圧延面に{111}結晶面が
発達しない一方{100}結晶面が多くなり、二次圧延
板の深絞り性が低下してしまう。一方、再結晶熱処理後
の圧延率を80%未満とすると、後述する最終焼鈍後に
おいて一部の結晶粒が粗大化し、良好な成形性を有する
混粒組織が得られない上に、最終板厚に対する一次圧延
板の厚さを薄く設定する必要があり、圧延効率が低下し
てしまう。したがって再結晶熱処理後の圧延率は80〜
95%と従来の加工法と比較して小さく設定する必要が
ある。なお冷間圧延工程においては、加工硬化した圧延
板を軟化するため温度930〜950℃で20〜40分
間程度の熱処理操作を複数回繰り返すとよい。
【0019】また冷間圧延加工後の二次圧延板に施す最
終焼鈍は、加工歪を除去し圧延面に平行に形成された
{111}結晶面の安定化を図るとともに、加工変形粒
を部分的に再結晶化せしめ、二次圧延板の金属組織を面
積比で40〜60%の再結晶粒と残部加工変形粒とから
成る混粒組織にするために、従来法よりも高い温度98
0〜1030℃で10〜30分間加熱して行なう。
【0020】上記最終焼鈍温度が980℃未満の場合に
は再結晶化が進行しない一方、焼鈍温度が1030℃を
超えると完全に再結晶化が進行してしまう結果、{11
1}結晶面が発達した再結晶粒と加工変形粒とから成る
成形性に優れた混粒組織が得られず、いずれにしろ二次
圧延板の深絞り性が大幅に低下してしまう。したがっ
て、最終焼鈍温度は上記の通り980〜1030℃の範
囲に設定される。
【0021】上記処理工程によれば、モリブデン材の
(222)結晶面が二次圧延板の板面(圧延面)に平行
に配向し、(222)結晶面におけるX線回折強度が
(200)結晶面におけるX線回折強度の0.3倍以上
となり、深絞り性を阻害する{100}結晶面が相対的
に低下し、優れた成形性を有するモリブデン板が得られ
る。
【0022】一方、上記(222)結晶面の配向性を評
価する指標として、製造したモリブデン板の(200)
結晶面における回折強度I(200) と、配向していないモ
リブデン材(ランダム試料)における回折強度I0 との
比(I(200) /I0 )を測定した。そして本発明に係る
製造方法によって調製されたモリブデン板によればI
(200) /I0 値が10以下となり、相対的に(222)
結晶面が圧延面に配向することとなる。したがって上記
モリブデン板を使用してハロゲンランプ用反射板のよう
に深絞りを行なうような場合であっても、プレス成形時
に割れが発生することなく、成形性に優れたモリブデン
板が得られる。
【0023】
【作用】上記構成に係る高成形性モリブデン板およびそ
の製造方法によれば、モリブデン素材を熱間圧延後、高
温度で中間焼鈍処理して再結晶化を図り、得られた一次
圧延板を従来法より低い圧延率で冷間圧延し、さらに従
来より高温度で最終統鈍処理して、圧延面に平行に(2
22)結晶面が配向した再結晶粒と、圧延加工による変
形粒との混粒組織を形成しているため、成形性が向上し
たモリブデン板が得られる。
【0024】したがって、例えばハロゲンランプ用の反
射板のように深絞りのプレス成形品に適用した場合にお
いても、割れの発生が少なく、高い製造歩留りで成形品
を量産することが可能となる。
【0025】
【実施例】次に本発明に係る高成形性モリブデン板の一
実施例についてより具体的に説明する。
【0026】実施例1〜5 平均粒径0.5μmのモリブデン粉末を圧粉焼結して厚
さ40〜60mmのモリブデン素材(スラグ)を調製し
た。次に得られたモリブデン素材を、表1に示すように
温度1250℃にて加熱した状態で圧延率94%で熱間
圧延加工を実施して一次圧延板を形成した。次に得られ
た一次圧延板を温度1050℃〜1150℃の範囲でそ
れぞれ中間焼鈍処理して金属組織が完全に再結晶化した
一次圧延板をそれぞれ調製した。
【0027】次に得られた各一次圧延板を従来法より小
さい圧延率94%で冷間圧延加工して最終板厚0.2mm
の二次圧延板をそれぞれ調製した。なお、冷間圧延時に
加工硬化した材料を軟化させるために、950℃×40
分および950℃×20分の軟化焼鈍処理を実施した。
【0028】次に得られた各二次圧延板を、表1に示す
ように従来法より高い温度980〜1030℃の範囲で
20分間加熱する最終焼鈍処理を実施して実施例1〜5
に係るモリブデン板をそれぞれ調製した。
【0029】次に得られた各モリブデン板について、C
u−Kα線を使用したX線回折装置を用いて、圧延面の
結晶方位分布を調査した。すなわち(222)結晶面の
X線回折強度I(222) の(200)結晶面の回折強度I
(200) との比(I(222) /I(200) )を測定するととも
に、上記(200)結晶面の回折強度I(200) の無配向
モリブデン(ランダム試料)の(200)結晶面の回折
強度I0 に対する比(I(200) /I0 )を測定した。ま
た各モリブデン板の金属組織を金属顕微鏡にて観察して
再結晶粒と加工変形粒との面積比率を測定した。さらに
各モリブデン板を使用してプレス成形を実施し、図4〜
図6に示すような深絞り形状を有するハロゲンランプ用
反射板1を製造し、成形時に割れ等の欠陥が発生した割
合を調査し、表1に示す結果を得た。
【0030】比較例1 一方、比較例1として中間焼鈍温度を950℃と従来法
通り低く設定し、冷間圧延加工時の圧延率を98%と高
くし、さらに最終焼鈍温度を950℃と低目に設定した
以外は、実施例1〜5と同様に処理して比較例1に係る
モリブデン板を製造した。以下同様に回折強度比I
(222) /I(200) ,I(200) /I0 を測定するととも
に、再結晶粒と加工変形粒との混粒組織の面積割合を求
め、さらにプレス成形して反射板1を形成して、その欠
陥発生率を求めた。
【0031】比較例2 また比較例2として、実施例1〜5において調製したモ
リブデン素材(スラグ)を、表1に示すように圧延率8
6%で熱間圧延加工し、さらに結晶方位分布の制御を実
施せずに、すなわち850℃×20分間の低温度の中間
焼鈍処理を実施し、圧延率98%で冷間圧延加工し、さ
らに温度950℃×20分間の最終焼鈍処理を実施して
比較例2に係るモリブデン板を製造した。そして実施例
1〜5と同様に各回折強度比および混粒組織の面積比を
求めるとともに、プレス成形して割れ等の欠陥の発生割
合を調査して表1に示す結果を得た。なお上記X線回折
強度については、圧延板のひずみ等による誤差の影響を
回避するために積分強度を採用した。
【0032】比較例3 さらに比較例3として、冷間圧延加工時の焼鈍温度を9
50℃とする一方、最終焼鈍処理温度を1000℃に設
定した以外は、比較例1と同様に処理してモリブデン板
を製造し、同様に回折強度比、混粒組織面積率を求める
とともに、プレス成形して反射板1を形成して割れの発
生率を求め、下記表1に示す結果を得た。
【0033】
【表1】
【0034】上記表1に示す通り、熱間圧延加工終了後
の中間焼鈍温度を高くし、また冷間圧延加工時の圧延率
を従来より低目に設定し、さらに最終焼鈍温度を高めに
設定して製造した実施例1〜5のモリブデン板はいずれ
も高い成形性を示し、深絞りとなるプレス成形時におい
ても割れの発生が少なく高い歩留りでハロゲンランプ用
反射板を製造することができた。
【0035】また図1に示すように実施例1に係るモリ
ブデン板のX線回折プロファイルによれば、圧延面に
(222)結晶面が発達しており、良好な深絞り性を示
すことが確認された。
【0036】一方、比較例1,3および比較例2に係る
モリブデン板のX線回折プロファイルをそれぞれ図2〜
図3に示す。図2〜図3から明らかなように比較例1〜
3のモリブデン板の(222)結晶面の発達が不充分で
あり、回折強度比I(222) /I(200) の値も0.3未満
と小さいため、成形性が悪く、プレス成形時における割
れの発生率が極めて高くなっており、実用化は極めて困
難であることが確認された。なお最終焼鈍処理温度が1
050℃を超える場合には再結晶粒が大部分を占めるよ
うになり、割れが急増する結果となった。
【0037】
【発明の効果】以上説明の通り本発明に係る高成形性モ
リブデン板およびその製造方法によれば、モリブデン素
材を熱間圧延後、高温度で中間焼鈍処理して再結晶化を
図り、得られた一次圧延板を従来法より低い圧延率で冷
間圧延し、さらに従来より高温度で最終統鈍処理して、
圧延面に平行に(222)結晶面が配向した再結晶粒
と、圧延加工による変形粒との混粒組織を形成している
ため、成形性が向上したモリブデン板が得られる。
【0038】したがって、例えばハロゲンランプ用の反
射板のように深絞りのプレス成形品に適用した場合にお
いても、割れの発生が少なく、高い製造歩留りで成形品
を量産することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に係るモリブデン板のX線回折プロフ
ァイル。
【図2】比較例1,3に係るモリブデン板のX線回折プ
ロファイル。
【図3】比較例2に係るモリブデン板のX線回折プロフ
ァイル。
【図4】ハロゲンランプ用の反射板のプレス成形形状を
示す平面図。
【図5】図4におけるV−V矢視断面図。
【図6】図4に示す反射板の側面図。
【符号の説明】
1 反射板 2 深絞り部 3 張出し部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 酒井 元尚 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板面に平行な(222)結晶面における
    X線回折強度が(200)結晶面におけるX線回折強度
    の0.3倍以上であり、かつ(200)結晶面における
    X線回折強度が無配向モリブデンの(200)結晶面に
    おけるX線回折強度の10倍以下であることを特徴とす
    る高成形性モリブデン板。
  2. 【請求項2】 モリブデン板の金属組織が、面積比で4
    0〜60%の再結晶粒と、残部圧延加工による変形粒と
    の混粒組織であることを特徴とする請求項1記載の高成
    形性モリブデン板。
  3. 【請求項3】 熱間圧延加工したモリブデン素材を温度
    1050〜1150℃で中間焼鈍処理し、得られた一次
    圧延板を再結晶熱処理後の圧延率80〜95%で冷間圧
    延加工して最終目標板厚を有する二次圧延板を調製し、
    しかる後に得られた二次圧延板を温度980〜1030
    ℃で最終焼鈍処理することにより、二次圧延板の板面に
    平行な(222)結晶面におけるX線回折強度を(20
    0)結晶面におけるX線回折強度の0.3倍以上に設定
    することを特徴とする高成形性モリブデン板の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 板面に平行な(222)結晶面における
    X線回折強度が(200)結晶面におけるX線回折強度
    の0.3倍以上であり、かつ(200)結晶面における
    X線回折強度が無配向モリブデンの(200)結晶面に
    おけるX線回折強度の10倍以下であるモリブデン板を
    用いてなることを特徴とする反射板。
JP30903492A 1992-11-18 1992-11-18 高成形性モリブデン板、その製造方法および反射板 Expired - Lifetime JP3315166B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30903492A JP3315166B2 (ja) 1992-11-18 1992-11-18 高成形性モリブデン板、その製造方法および反射板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30903492A JP3315166B2 (ja) 1992-11-18 1992-11-18 高成形性モリブデン板、その製造方法および反射板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06158252A true JPH06158252A (ja) 1994-06-07
JP3315166B2 JP3315166B2 (ja) 2002-08-19

Family

ID=17988088

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30903492A Expired - Lifetime JP3315166B2 (ja) 1992-11-18 1992-11-18 高成形性モリブデン板、その製造方法および反射板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3315166B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010215933A (ja) * 2009-03-13 2010-09-30 Allied Material Corp モリブデン板およびモリブデン板の製造方法
CN103459631A (zh) * 2011-03-25 2013-12-18 联合材料公司 钼材料
CN114345939A (zh) * 2020-10-14 2022-04-15 安泰天龙钨钼科技有限公司 一种高精度高性能钼带及其制备方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010215933A (ja) * 2009-03-13 2010-09-30 Allied Material Corp モリブデン板およびモリブデン板の製造方法
CN103459631A (zh) * 2011-03-25 2013-12-18 联合材料公司 钼材料
US20140014235A1 (en) * 2011-03-25 2014-01-16 A.L.M.T. Corp. Molybdenum material
EP2690185A1 (en) * 2011-03-25 2014-01-29 A.L.M.T. Corp. Molybdenum material
EP2690185A4 (en) * 2011-03-25 2014-12-24 Almt Corp MOLYBDENUM MATERIAL
CN114345939A (zh) * 2020-10-14 2022-04-15 安泰天龙钨钼科技有限公司 一种高精度高性能钼带及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3315166B2 (ja) 2002-08-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2075348B1 (en) Method of manufacturing an aluminum alloy sheet for cold press forming and cold press forming method for aluminum alloy sheet
WO2014168147A1 (ja) プレス成形用アルミニウム合金板、その製造方法およびそのプレス成形体
US3897280A (en) Method for manufacturing a steel sheet and product obtained thereby
KR20160021749A (ko) 자동차용 시트 제조에 적합한 알루미늄 합금 소재, 및 그 제조 방법
CN103014453A (zh) 5754-h24铝合金板带材的生产方法
CN114645163B (zh) 汽车高光外装饰件用铝合金板材及其制造方法
JP2009235477A (ja) 飲料缶胴用アルミニウム合金板およびその製造方法
CN113278825B (zh) 一种单面高光泽度6061-h22状态铝合金镜面板的制备方法
WO2024051750A1 (zh) 一种6000系铝合金板材制造方法及铝合金板材
EP0507411B1 (en) Aluminium sheet and method for its manufacture
JP3315166B2 (ja) 高成形性モリブデン板、その製造方法および反射板
JP4865174B2 (ja) 曲げ加工性と絞り成形性に優れたアルミニウム合金板の製造方法
CN109554591A (zh) 一种卡托用5系合金板带材及其制造方法
CN109487131B (zh) 5052合金门板用铝合金基材生产方法
JP4238019B2 (ja) フラットヘム加工用アルミニウム合金パネル
CN112639145B (zh) 铝合金板
US3496755A (en) Method for producing flat-rolled product
JPH07166285A (ja) 焼付硬化型Al合金板及びその製造方法
WO2016056240A1 (ja) 超塑性成形用アルミニウム合金板及びその製造方法
CN115255824B (zh) 一种低屈强比5052-o铝合金板带材及其生产方法
JPH0222446A (ja) 高成形性アルミニウム合金硬質板の製造法
TWI780982B (zh) 低凸耳率鋁材及其製造方法
TW201912807A (zh) 鋁片的製造方法及其應用
KR100892261B1 (ko) 심가공용 냉연강판의 비에이에프 최적 열처리 방법
WO2023204255A1 (ja) アルミニウム合金冷間圧延板およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090607

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100607

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100607

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110607

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120607

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130607

Year of fee payment: 11

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130607

Year of fee payment: 11