JPH06158062A - 高分子系廃棄物用乾留ガス化炉 - Google Patents

高分子系廃棄物用乾留ガス化炉

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JPH06158062A
JPH06158062A JP4310400A JP31040092A JPH06158062A JP H06158062 A JPH06158062 A JP H06158062A JP 4310400 A JP4310400 A JP 4310400A JP 31040092 A JP31040092 A JP 31040092A JP H06158062 A JPH06158062 A JP H06158062A
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polymer waste
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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
  • Gasification And Melting Of Waste (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱可塑性プラスチックの溶融滴下現象が生じ
ても、乾溜用一次空気の給気部が塞がれて、乾溜反応が
停止したり反応に異状が生じたりするおそれのない高分
子系廃棄物用の乾溜ガス化炉と、もし異状が生じた際に
は運転停止が可能な上記ガス化炉を提供する。 【構成】 竪型バッチ式の缶胴1の下部に、上記給気部
として、側面に多数の散気口6aを有するパイプ状の散
気管6を、散気口6aを缶胴1の下方に向けた状態で、
炉底Bとの間に間隔を設けて水平に配置した。他のガス
化炉は、上記缶胴1に、消火用噴水ノズル7を配置し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明は、廃タイヤや廃プラスチ
ックあるいは医療廃棄物等の高分子系廃棄物から、燃料
としての有効利用が可能な可燃性の乾留ガスを取り出す
ことのできる高分子系廃棄物用乾留ガス化炉に関するも
のである。
【従来の技術】従来の焼却炉にて廃タイヤや廃プラスチ
ックあるいは医療廃棄物等の高分子系廃棄物を処理する
場合、その投入直後は、分解ガス化燃焼が起こって爆発
的な燃焼状態となるが、その際、絶対的な燃焼用空気量
の不足によって激しく発煙したり、有害なガスを発生し
たりする。燃焼が進行すると、炉内は炭化物と熱可塑性
プラスチックの溶融物ばかりとなり、それが炉底に溜ま
って密な状態となって活性が低下し、空気との接触率が
悪くなることから火力が急速に弱くなる。これは最初の
燃焼で水素分が殆ど揮発蒸発し、炭素分の多い残留物と
なるからである。この段階では固体の表面燃焼となり殆
ど炎をあげて燃えない。この時、炉底に堆積した溶融な
いし固形物を攪拌すれば、再び激しく発煙して燃え上が
る。このパターンを繰り返して大気汚染や悪臭を発生す
るのが焼却法の欠点である。また焼却法は、大量の石油
や石炭等の天然資源から製造されたこれら高分子系廃棄
物の無駄遣いになり、地球環境の保護や省エネルギー等
の点で好ましくないという問題もある。そこで本発明者
らは、上記従来法による問題点を解決すべく検討を行っ
た結果、高分子系廃棄物を処理する際に大気汚染等を引
き起こすおそれがなく、しかも上記高分子系廃棄物か
ら、燃料としての有効利用が可能な可燃性の乾留ガスを
取り出すことができる乾留ガス化処理方法およびその実
施に使用される乾留ガス化処理装置を開発した(特開平
4−180997号公報参照)。上記処理装置は、高分
子系廃棄物を乾留してガス化する乾留ガス化炉と、この
乾留ガス化炉に供給する空気量を制御する機能を有する
空気供給手段と、発生した乾留ガスを乾留ガス化炉から
炉外へ回収するガス回収手段とを備えたものである。乾
留ガス化炉9は、図Xに示すように、上部に高分子系廃
棄物の投入口90aを有し、底部近傍の側面に、着火部
を兼ねた灰出口90bを有する竪型円筒状の缶胴90を
備えた密閉式のもので、缶胴90は内殻90cと外殻9
0dとからなり、両殻の隙間Sに冷却のための水が充填
される水冷ジャケット式二重構造になっている。缶胴9
0の底部は円錐状になっており、その側面と底面に、そ
れぞれ複数のノズル91a,91bが配置されている。
ノズル91a,91bはいずれも、一次送風機95aと
風量調整ダンパ95bとからなる空気供給手段95に接
続されている。また缶胴90の側面には、乾留により発
生した乾留ガスをガス回収手段へ導くための配管92が
接続されている。なお図において符号92aは水封槽、
93は冷却水の給水タンク、94はウエストパイプを示
している。上記処理装置を用いた処理方法においては、
まず乾留ガス化炉9の缶胴90内に高分子系廃棄物を充
填する。つぎに空気供給手段95から、当該高分子系廃
棄物の燃焼に必要な空気量の20%未満の空気をノズル
91a,91bを通して缶胴90内に供給し、かつ缶胴
90のジャケット内に給水タンク94から冷却水を供給
して、缶内の温度を、高分子系廃棄物から発生する可燃
性の乾留ガスの着火温度未満に制限しながら、灰出口9
0bから高分子系廃棄物に着火する。つぎに、乾留によ
り発生した乾留ガスを配管92を通してガス回収手段に
よって回収しつつ、高分子系廃棄物を、缶胴90の下部
から徐々に加熱させる。その後、乾留ガスが全て放出さ
れた段階で、空気供給手段95から、ノズル91a,9
1bを通して缶内に十分な空気を供給して、乾留残渣を
燠火燃焼させる。上記処理方法によれば、空気供給手段
95から、クリーンな乾留ガスを発生させるのに必要な
所定量の空気を、密閉した乾留ガス化炉9内に供給し、
かつ乾留により発生する乾留ガスを、ガス回収手段によ
って直ちに回収しつつ、高分子系廃棄物を一定の条件で
乾留しているので、大気汚染の原因となる煤煙や有害な
ガスは発生しない。また得られる乾留ガスは、所定量の
空気との乾留反応により高分子系廃棄物の有機質(炭化
水素系化合物)が気化、抽出された高カロリー(200
0〜6000Kcal/Nm3 程度)の可燃性ガスであ
り、しかも燃焼させた際に大気汚染の原因となる有害物
質を発生するおそれのないきれいなガスであるため、そ
のまま燃焼させることができる上、無公害のガス燃料と
して再利用することもできる。したがって従来厄介者扱
いされていた廃棄物から、石油やガス燃料に吾して遜色
のない高エネルギーの乾留ガスを回収でき、限られた地
球資源の有効再利用に貢献できるものである。
【発明が解決しようとする課題】上記処理装置を用いて
高分子系廃棄物を処理する際に最も問題となるのは、先
の従来法のところでも述べたように、熱可塑性プラスチ
ックの加熱溶融物が滴下して炉底に溜まる現象である。
つまり、廃タイヤ等のゴム製品や熱硬化性プラスチック
を処理する場合には問題ないが、熱可塑性プラスチック
の場合には、加熱されて溶融した熱可塑性プラスチック
が滴下して炉内底部に溜まり、とくに底面に形成したノ
ズル91bを塞いでしまって、炉内に必要量の空気が供
給されなくなり、乾留反応が停止したり、生成ガスの組
成が変化して有害物質が発生したりするという問題を生
じる。また、上記のようなバッチ式の処理装置において
は、操業中の運転停止が不可能であるため、たとえば爆
発等の危険性が生じた際に装置を緊急停止させること
や、あるいは上記のように熱可塑性プラスチックが溶融
滴下して炉内底部に溜まり、ノズルを塞いで乾留反応に
異状が生じた際に、それを途中で除去する等の作業がで
きないという問題もある。本発明は以上の事情に鑑みて
なされたものであって、熱可塑性プラスチックの溶融滴
下現象が生じても、乾留反応が停止したり反応に異状が
生じたりするおそれのない高分子系廃棄物用乾留ガス化
炉、並びにもし異状が生じた際には運転停止が可能な高
分子系廃棄物用乾留ガス化炉を提供することを目的とし
ている。
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の、本発明の高分子系廃棄物用乾留ガス化炉は、乾留用
一次空気の給気部が、側面に多数の散気口を設けたパイ
プ状の散気管を有しており、当該散気管が、散気口を缶
胴の下方に向けた状態で、炉底との間に間隔を設けて缶
胴内に水平に配置されていることを特徴とする。また本
発明の他の高分子系廃棄物用乾留ガス化炉は、上記散気
管を備えた缶胴に、当該缶胴内に消火用水を注入する消
火用ノズルを設けたことを特徴とする。
【作用】上記構成からなる本発明の高分子系廃棄物用乾
留ガス化炉においては、乾留用一次空気を供給するため
の多数の散気口を側面に設けたパイプ状の散気管が、上
記散気口を缶胴の下方に向けた状態で配置されているた
め、たとえ熱可塑性プラスチックの溶融滴下現象が生じ
ても、滴下した溶融物によって散気口が塞がれるおそれ
がない。また上記散気管は、炉底との間に間隔を設けて
水平に配置されているため、滴下して炉底に溶融物が溜
まっても、直ちに散気口が塞がれるおそれがない。また
本発明の他の高分子系廃棄物用乾留ガス化炉によれば、
缶胴に設けた消火用ノズルから缶胴内に消火用水を注入
すると、炉内の高分子系廃棄物が消火されて乾留反応が
停止するため、操業中に、たとえば爆発等の危険が生じ
た際や、あるいは炉底に溜まった溶融物が上記散気管の
散気口を塞ぐおそれが生じた際等に、運転を停止するこ
とが可能となる。
【実施例】以下に本発明の高分子系廃棄物用乾留ガス化
炉を、実施例を示す図面を参照しつつ説明する。図1に
みるように、実施例の高分子系廃棄物用乾留ガス化炉A
は、上部に高分子系廃棄物の投入口1aを有し、炉底B
の近傍の側面に、着火部を兼ねた灰出口1bを有する竪
型円筒状の缶胴1と、投入口1aを閉蓋すべく、上記缶
胴1の上端部に取り付けられた蓋体2と、灰出口1bを
閉蓋すべく、上記缶胴1の下部側面に取り付けられた蓋
体3とを備えている。缶胴1は、内殻10aと、この内
殻10aの外部を覆う外殻10bとを備え、両者の隙間
Sに冷却のための水が充填される水冷ジャケット式二重
構造の上部体10と、耐火レンガからなる本体11aの
外面を外殻11bで覆った構造の下部体11とで構成さ
れている。上部体10の側面には、乾留により発生した
乾留ガスを炉外へ導くための3本の横管10cが、内殻
10aおよび外殻10bを貫通して炉外へ突設されてい
る。この横管10cの先端部は、上部体10の側方に並
列に配置された縦管10dに、ダンパDを介して接続さ
れており、縦管10dの、上下方向中央より僅か上方に
は、乾留ガスをガス回収手段等の装置へ送る配管の接続
部10eが形成されている。また縦管10dの下端部に
は、炉内から回収した乾留ガス中に含まれるタール分を
回収するバルブ10fが設けられている。下部体11の
上部には、本体11aおよび外殻11bを貫通して設け
られた複数の貫通孔4aと、下部体11の外周の、各貫
通孔4aが形成された部分を取り囲むように設けられた
環状のヘッダー4bとからなり、缶内に乾留用一次空気
を供給する第1の給気部4が設けられている。ヘッダー
4bには、空気供給手段(図示せず)から、図中白矢印
で示すように、乾留のための一次空気が供給される配管
の接続部4cが設けられている。一方、下部体11の下
部には、本体11aおよび外殻11bを貫通して、第2
の給気部としてのパイプ状の散気管5が、炉内へ突設さ
れている。散気管5は、図2に示すように先端5bが閉
じられた筒体からなり、その側面に多数の散気口5aが
形成されたものである。そしてこの散気管5は、図1に
示すように、散気口5aを缶胴1の下方に向けた状態
で、炉底Bとの間に間隔を設けて、缶胴1内に水平に配
置されている。散気管5の後端部は、前記第1の給気部
4と同様に、空気供給手段から乾留のための一次空気が
供給される配管の接続部5cになっている。以上のよう
に散気管5は、散気口5aが下向けに配置されるため、
熱可塑性プラスチックの溶融滴下現象が生じても、滴下
した溶融物によって散気口5aが塞がれるおそれがな
い。また上記散気管5は、炉底Bとの間に間隔を設けて
水平に配置されているため、炉底Bに溶融物が溜まって
も、直ちに散気口5aが塞がれるおそれがない。このた
め上記散気管5によれば、熱可塑性プラスチックの溶融
滴下現象が生じても、乾留反応が停止したり反応に異状
が生じたりすることが防止される。下部体11の上下方
向ほぼ中央部には、本体11aおよび外殻11bを貫通
して、消火用ノズル7が設けられている。この消火用ノ
ズル7の後端部は、給水手段(図示せず)から、図中黒
矢印で示すように消火用水が供給される配管の接続部7
aになっている。そして、上記給水手段から供給された
消火用水を、この消火用ノズル7を通して缶胴1内に注
入し、炉内の高分子系廃棄物を消火して乾留反応を停止
させることにより、操業中の装置を運転停止することが
できる。したがって、たとえば爆発等の危険性が生じた
際に装置を緊急停止させたり、あるいは炉底Bに溜まっ
た熱可塑性プラスチックの溶融物によって散気管5の散
気口5aが塞がれるおそれが生じた際に装置を停止させ
て、灰出口1bから溶融物を除去する等の作業が可能と
なる。なお消火用ノズル7による消火用水の注入は、噴
霧状にして行うのが好ましい。なぜなら、消火用水を噴
霧、注入した場合には、炉内全体がほぼ均一かつ速やか
に冷却されるため、炉内が部分的に冷却された場合のよ
うに、炉の割れや高分子系廃棄物の水蒸気爆発等が生じ
るのを防止できるからである。下部体11の外周には、
缶胴1を支持するための板状の脚11cが、下部体11
の円筒の軸線方向に沿って複数個取り付けられている。
上記各部からなる本実施例の高分子系廃棄物用乾留ガス
化炉Aを用いた、高分子系廃棄物の乾留ガス化処理の手
順は、先に示した従来のものと同様である。すなわち、
まず缶胴1の上部の蓋体2を開けて、投入口1aから、
缶胴1内に高分子系廃棄物を充填する。つぎに蓋体2を
閉じ、空気供給手段から、当該高分子系廃棄物の燃焼に
必要な空気量の20%未満の空気を、第1の給気部4お
よび第2の給気部としての散気管5を通して缶胴1内に
供給し、かつ缶胴1の上部体10のジャケット内に冷却
水を供給して、缶内の温度を、高分子系廃棄物から発生
する可燃性の乾留ガスの着火温度未満に制限しながら、
灰出口1bから高分子系廃棄物に着火する。着火を確認
した後、蓋体3を密閉すると、缶胴1の、下部体11内
に燃焼帯が形成される。この燃焼帯においては、空気量
が前記のように制限されているため燃焼反応は進行せ
ず、一般式Cm Hm (式中mは、2以上の正の数を示
す)で表される炭化水素化合物や一酸化炭素等の可燃性
物質と少しの遊離炭素分とを含む高温のガスが発生す
る。このガスには、上記可燃性物質のほかに、例えば、
CO2 ,CO,H2 O,CH3 −C≡CH,H2 ,H2
CO等の安定分子や、CHO,CH,CH3 ,CH2
2 H,C2 ,C5 ,H,O,CH,HO2 等のラジカ
ル、H3+ ,CHO+ ,CH3 + ,NO+ ,CO+
OH+ ,H2 + ,C2 2 +,C3 3 + ,H5 2
+ ,H7 3 + 等のイオンなど、燃焼反応の中間生成
体である還元性物質が含まれている。燃焼帯で乾留によ
り発生した上記ガスは、上部体10がジャケット内の冷
却水によって冷却されて着火温度未満に冷却されている
ため、着火することなく炉内を上昇し、燃焼帯の上の高
分子系廃棄物を熱分解して、さらに可燃性物質等を発生
させながら、缶胴1の水と高分子系廃棄物とによって徐
々に熱を奪われ、着火温度以下を保持した状態で、横管
10cおよび縦管10dを通って缶胴1外へ回収され
る。なお上部体10は、上記各種化合物の着火温度を考
慮すれば、水によって500℃未満に冷却されているこ
とが望ましい。回収されたガスは、前記のように高カロ
リー(2000〜6000Kcal/Nm3 程度)の可
燃性ガスであり、しかも燃焼させた際に大気汚染の原因
となる有害物質を発生するおそれのない、無公害のきれ
いな乾留ガスである。このため、そのまま燃焼させるこ
とができる他、燃料としての有効利用が可能である。燃
焼帯で加熱された高分子系廃棄物は、上記ガスを放出し
ながら体積が徐々に減少し、それに伴って上に積層され
た高分子系廃棄物が徐々に下降して燃焼帯に供給され
る。このため、缶胴1内の高分子系廃棄物が全て燃焼帯
に供給されるまで、燃焼帯における加熱乾留反応と、そ
れに伴う乾留ガスの発生が持続される。乾留ガス発生の
持続時間は、炉内への高分子系廃棄物の充填量によって
も異なるが、通常、8〜10時間程度続き、その間、上
記ガスが連続して発生する。缶胴1内の高分子系廃棄物
が全て乾留され、乾留ガスが発生しなくなった段階で、
第1の給気部4および第2の給気部としての散気管5を
通して、缶胴1内に十分な空気を供給すると、乾留ガス
を全て放出した後の残渣が燠火燃焼して、完全に燃焼し
た無害な燃焼灰となり、ガラス、金属等の不燃物と共
に、缶胴1の炉底Bに残る。上記燠火燃焼は、通常、1
時間程度で終息する。この後、灰出口1bを開け、上記
燃焼灰や不燃物を取り出せば、処理が完了する。なお処
理の途中で爆発の危険性が生じた場合や、あるいは炉底
Bに溜まった溶融物が散気管5の散気口5aを塞ぐおそ
れが生じた際等には、前記消火用ノズル7から消火用水
を缶胴1内に注入し、燃焼帯を冷却して消火してやれば
よい。本発明の高分子系廃棄物用乾留ガス化炉は、以上
の実施例で説明したように、溶融物の滴下現象を生じる
熱可塑性プラスチックの処理に好適に使用できるだけで
なく、従来同様に廃タイヤ等のゴム材料や、熱硬化性プ
ラスチック等の処理にも適している。したがって、発熱
量、熱分解温度、点火の難易、自己消火性の有無等、物
性の異なる種々の材料が混在する高分子系廃棄物の総て
に対応できる処理炉として最適である。また、消火用ノ
ズルを設けた本発明の他の高分子系廃棄物用乾留ガス化
炉は、バッチ式であるにも拘らず操業中に運転停止する
ことができるので、安全性や保守性にすぐれている。な
お本発明の高分子系廃棄物用乾留ガス化炉の構成は、上
記実施例のものには限定されず、発明の要旨を変更しな
い範囲で種々の設計変更を施すことができる。
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の高分子系
廃棄物用乾留ガス化炉によれば、乾留用一次空気を供給
するための多数の散気口を側面に設けたパイプ状の散気
管を、上記散気口を缶胴の下方に向けた状態で、炉底と
の間に間隔を設けて水平に配置しているため、熱可塑性
プラスチックの溶融滴下現象が生じても、散気口が塞が
れて乾留反応が停止したり反応に異状が生じたりするこ
とが防止される。また本発明の他の高分子系廃棄物用乾
留ガス化炉は、上記缶胴に消火用ノズルを設けたものゆ
え、もし万が一反応に異状が生じた際には、この消火用
ノズルによって缶胴内に消火用水を注入して、乾留反応
を停止させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高分子系廃棄物用乾留ガス化炉の、一
実施例を示す断面図である。
【図2】上記実施例において使用される散気管の拡大斜
視図てある。
【図3】従来の乾留ガス化炉の一例を示す概略断面図で
ある。
【符号の説明】
A 高分子系廃棄物用乾留ガス化炉 1 缶胴 1a 投入口 1b 灰出口(着火部) 4 給気部 5 散気管(給気部) 5a 散気口 7 消火用ノズル B 炉底

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】バッチ式で上部に投入口を有し、下部に乾
    留用一次空気の給気部と着火部とを有する缶胴を備えた
    竪型の乾留ガス化炉において、上記給気部が、側面に多
    数の散気口を設けたパイプ状の散気管を有し、当該散気
    管が、散気口を缶胴の下方に向けた状態で、炉底との間
    に間隔を設けて缶胴内に水平に配置されていることを特
    徴とする高分子系廃棄物用乾留ガス化炉。
  2. 【請求項2】缶胴内に消火用水を注入する消火用ノズル
    が設けられている請求項1記載の高分子系廃棄物用乾留
    ガス化炉。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020175639A1 (ja) * 2019-02-28 2020-09-03 株式会社環境経営総合研究所 粉体燃料燃焼装置及び燃焼方法
US11999920B2 (en) 2021-09-10 2024-06-04 Ecolab Usa Inc. Cold flow additives for plastic-derived synthetic feedstock

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