JP2951493B2 - 高分子系廃棄物用乾留ガス化炉 - Google Patents

高分子系廃棄物用乾留ガス化炉

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JP2951493B2 JP4310400A JP31040092A JP2951493B2 JP 2951493 B2 JP2951493 B2 JP 2951493B2 JP 4310400 A JP4310400 A JP 4310400A JP 31040092 A JP31040092 A JP 31040092A JP 2951493 B2 JP2951493 B2 JP 2951493B2
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    • Y02P20/143Feedstock the feedstock being recycled material, e.g. plastics

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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
  • Gasification And Melting Of Waste (AREA)
  • Coke Industry (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、廃タイヤや廃プラスチ
ックあるいは医療廃棄物等の高分子系廃棄物から、燃料
としての有効利用が可能な可燃性の乾留ガスを取り出す
ことのできる高分子系廃棄物用乾留ガス化炉に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来の焼却炉にて廃タイヤや廃プラスチ
ックあるいは医療廃棄物等の高分子系廃棄物を処理する
場合、その投入直後は、分解ガス化燃焼が起こって爆発
的な燃焼状態となるが、その際、絶対的な燃焼用空気量
の不足によって激しく発煙したり、有害なガスを発生し
たりする。燃焼が進行すると、炉内は炭化物と熱可塑性
プラスチックの溶融物ばかりとなり、それが炉底に溜ま
って密な状態となって活性が低下し、空気との接触率が
悪くなることから火力が急速に弱くなる。これは最初の
燃焼で水素分が殆ど揮発蒸発し、炭素分の多い残留物と
なるからである。この段階では固体の表面燃焼となり殆
ど炎をあげて燃えない。この時、炉底に堆積した溶融な
いし固形物を攪拌すれば、再び激しく発煙して燃え上が
る。このパターンを繰り返して大気汚染や悪臭を発生す
るのが焼却法の欠点である。また焼却法は、大量の石油
や石炭等の天然資源から製造されたこれら高分子系廃棄
物の無駄遣いになり、地球環境の保護や省エネルギー等
の点で好ましくないという問題もある。
【0003】そこで本発明者らは、上記従来法による問
題点を解決すべく検討を行った結果、高分子系廃棄物を
処理する際に大気汚染等を引き起こすおそれがなく、し
かも上記高分子系廃棄物から、燃料としての有効利用が
可能な可燃性の乾留ガスを取り出すことができる乾留ガ
ス化処理方法およびその実施に使用される乾留ガス化処
理装置を開発した(特開平4−180997号公報参
照)。
【0004】上記処理装置は、高分子系廃棄物を乾留し
てガス化する乾留ガス化炉と、この乾留ガス化炉に供給
する空気量を制御する機能を有する空気供給手段と、発
生した乾留ガスを乾留ガス化炉から炉外へ回収するガス
回収手段とを備えたものである。乾留ガス化炉9は、
に示すように、上部に高分子系廃棄物の投入口90a
を有し、底部近傍の側面に、着火部を兼ねた灰出口90
bを有する竪型円筒状の缶胴90を備えた密閉式のもの
で、缶胴90は内殻90cと外殻90dとからなり、両
殻の隙間Sに冷却のための水が充填される水冷ジャケッ
ト式二重構造になっている。
【0005】缶胴90の底部は円錐状になっており、そ
の側面と底面に、それぞれ複数のノズル91a,91b
が配置されている。ノズル91a,91bはいずれも、
一次送風機95aと風量調整ダンパ95bとからなる空
気供給手段95に接続されている。また缶胴90の側面
には、乾留により発生した乾留ガスをガス回収手段へ導
くための配管92が接続されている。なお図において符
号92aは水封槽、93は冷却水の給水タンク、94は
ウエストパイプを示している。
【0006】上記処理装置を用いた処理方法において
は、まず乾留ガス化炉9の缶胴90内に高分子系廃棄物
を充填する。つぎに空気供給手段95から、当該高分子
系廃棄物の燃焼に必要な空気量の20%未満の空気をノ
ズル91a,91bを通して缶胴90内に供給し、かつ
缶胴90のジャケット内に給水タンク94から冷却水を
供給して、缶内の温度を、高分子系廃棄物から発生する
可燃性の乾留ガスの着火温度未満に制限しながら、灰出
口90bから高分子系廃棄物に着火する。つぎに、乾留
により発生した乾留ガスを配管92を通してガス回収手
段によって回収しつつ、高分子系廃棄物を、缶胴90の
下部から徐々に加熱させる。その後、乾留ガスが全て放
出された段階で、空気供給手段95から、ノズル91
a,91bを通して缶内に十分な空気を供給して、乾留
残渣を燠火燃焼させる。
【0007】上記処理方法によれば、空気供給手段95
から、クリーンな乾留ガスを発生させるのに必要な所定
量の空気を、密閉した乾留ガス化炉9内に供給し、かつ
乾留により発生する乾留ガスを、ガス回収手段によって
直ちに回収しつつ、高分子系廃棄物を一定の条件で乾留
しているので、大気汚染の原因となる煤煙や有害なガス
は発生しない。
【0008】また得られる乾留ガスは、所定量の空気と
の乾留反応により高分子系廃棄物の有機質(炭化水素系
化合物)が気化、抽出された高カロリー(2000〜6
000Kcal/Nm3程度)の可燃性ガスであり、し
かも燃焼させた際に大気汚染の原因となる有害物質を発
生するおそれのないきれいなガスであるため、そのまま
燃焼させることができる上、無公害のガス燃料として再
利用することもできる。
【0009】したがって従来厄介者扱いされていた廃棄
物から、石油やガス燃料に吾して遜色のない高エネルギ
ーの乾留ガスを回収でき、限られた地球資源の有効再利
用に貢献できるものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記処理装置を用いて
高分子系廃棄物を処理する際に最も問題となるのは、先
の従来法のところでも述べたように、熱可塑性プラスチ
ックの加熱溶融物が滴下して炉底に溜まる現象である。
つまり、廃タイヤ等のゴム製品や熱硬化性プラスチック
を処理する場合には問題ないが、熱可塑性プラスチック
の場合には、加熱されて溶融した熱可塑性プラスチック
が滴下して炉内底部に溜まり、とくに底面に形成したノ
ズル91bを塞いでしまって、炉内に必要量の空気が供
給されなくなり、乾留反応が停止したり、生成ガスの組
成が変化して有害物質が発生したりするという問題を生
じる。
【0011】また、上記のようなバッチ式の処理装置に
おいては、操業中の運転停止が不可能であるため、たと
えば爆発等の危険性が生じた際に装置を緊急停止させる
ことや、あるいは上記のように熱可塑性プラスチックが
溶融滴下して炉内底部に溜まり、ノズルを塞いで乾留反
応に異状が生じた際に、それを途中で除去する等の作業
ができないという問題もある。
【0012】本発明は以上の事情に鑑みてなされたもの
であって、熱可塑性プラスチックの溶融滴下現象が生じ
ても、乾留反応が停止したり反応に異状が生じたりする
おそれのない高分子系廃棄物用乾留ガス化炉、並びにも
し異状が生じた際には運転停止が可能な高分子系廃棄物
用乾留ガス化炉を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の、本発明の高分子系廃棄物用乾留ガス化炉は、乾留用
一次空気の給気部が、側面に多数の散気口を設けたパイ
プ状の散気管を有しており、当該散気管が、散気口を缶
胴の下方に向けた状態で、炉底との間に間隔を設けて缶
胴内に水平に配置されているとともに、上記缶胴に、当
該缶胴内に消火用水を注入する消火用ノズルが設けられ
ていることを特徴とする。
【0014】
【作用】上記構成からなる本発明の高分子系廃棄物用乾
留ガス化炉においては、乾留用一次空気を供給するため
の多数の散気口を側面に設けたパイプ状の散気管が、上
記散気口を缶胴の下方に向けた状態で配置されているた
め、たとえ熱可塑性プラスチックの溶融滴下現象が生じ
ても、滴下した溶融物によって散気口が塞がれるおそれ
がない。また上記散気管は、炉底との間に間隔を設けて
水平に配置されているため、滴下して炉底に溶融物が溜
まっても、直ちに散気口が塞がれるおそれがない。
【0015】しかも、缶胴に設けた消火用ノズルから缶
胴内に消火用水を注入すると、炉内の高分子系廃棄物が
消火されて乾留反応が停止するため、操業中に、たとえ
ば爆発等の危険が生じた際や、あるいは炉底に溜まった
溶融物が上記散気管の散気口を塞ぐおそれが生じた際等
に、運転を停止することが可能となる。
【0016】
【実施例】以下に本発明の高分子系廃棄物用乾留ガス化
炉を、実施例を示す図面を参照しつつ説明する。図1に
みるように、実施例の高分子系廃棄物用乾留ガス化炉A
は、上部に高分子系廃棄物の投入口1aを有し、炉底B
の近傍の側面に、着火部を兼ねた灰出口1bを有する竪
型円筒状の缶胴1と、投入口1aを閉蓋すべく、上記缶
胴1の上端部に取り付けられた蓋体2と、灰出口1bを
閉蓋すべく、上記缶胴1の下部側面に取り付けられた蓋
体3とを備えている。
【0017】缶胴1は、内殻10aと、この内殻10a
の外部を覆う外殻10bとを備え、両者の隙間Sに冷却
のための水が充填される水冷ジャケット式二重構造の上
部体10と、耐火レンガからなる本体11aの外面を外
殻11bで覆った構造の下部体11とで構成されてい
る。上部体10の側面には、乾留により発生した乾留ガ
スを炉外へ導くための3本の横管10cが、内殻10a
および外殻10bを貫通して炉外へ突設されている。こ
の横管10cの先端部は、上部体10の側方に並列に配
置された縦管10dに、ダンパDを介して接続されてお
り、縦管10dの、上下方向中央より僅か上方には、乾
留ガスをガス回収手段等の装置へ送る配管の接続部10
eが形成されている。また縦管10dの下端部には、炉
内から回収した乾留ガス中に含まれるタール分を回収す
るバルブ10fが設けられている。
【0018】下部体11の上部には、本体11aおよび
外殻11bを貫通して設けられた複数の貫通孔4aと、
下部体11の外周の、各貫通孔4aが形成された部分を
取り囲むように設けられた環状のヘッダー4bとからな
り、缶内に乾留用一次空気を供給する第1の給気部4が
設けられている。ヘッダー4bには、空気供給手段(図
示せず)から、図中白矢印で示すように、乾留のための
一次空気が供給される配管の接続部4cが設けられてい
る。
【0019】一方、下部体11の下部には、本体11a
および外殻11bを貫通して、第2の給気部としてのパ
イプ状の散気管5が、炉内へ突設されている。散気管5
は、図2に示すように先端5bが閉じられた筒体からな
り、その側面に多数の散気口5aが形成されたものであ
る。そしてこの散気管5は、図1に示すように、散気口
5aを缶胴1の下方に向けた状態で、炉底Bとの間に間
隔を設けて、缶胴1内に水平に配置されている。散気管
5の後端部は、前記第1の給気部4と同様に、空気供給
手段から乾留のための一次空気が供給される配管の接続
部5cになっている。
【0020】以上のように散気管5は、散気口5aが下
向けに配置されるため、熱可塑性プラスチックの溶融滴
下現象が生じても、滴下した溶融物によって散気口5a
が塞がれるおそれがない。また上記散気管5は、炉底B
との間に間隔を設けて水平に配置されているため、炉底
Bに溶融物が溜まっても、直ちに散気口5aが塞がれる
おそれがない。このため上記散気管5によれば、熱可塑
性プラスチックの溶融滴下現象が生じても、乾留反応が
停止したり反応に異状が生じたりすることが防止され
る。
【0021】下部体11の上下方向ほぼ中央部には、本
体11aおよび外殻11bを貫通して、消火用ノズル7
が設けられている。この消火用ノズル7の後端部は、給
水手段(図示せず)から、図中黒矢印で示すように消火
用水が供給される配管の接続部7aになっている。そし
て、上記給水手段から供給された消火用水を、この消火
用ノズル7を通して缶胴1内に注入し、炉内の高分子系
廃棄物を消火して乾留反応を停止させることにより、操
業中の装置を運転停止することができる。したがって、
たとえば爆発等の危険性が生じた際に装置を緊急停止さ
せたり、あるいは炉底Bに溜まった熱可塑性プラスチッ
クの溶融物によって散気管5の散気口5aが塞がれるお
それが生じた際に装置を停止させて、灰出口1bから溶
融物を除去する等の作業が可能となる。
【0022】なお消火用ノズル7による消火用水の注入
は、噴霧状にして行うのが好ましい。なぜなら、消火用
水を噴霧、注入した場合には、炉内全体がほぼ均一かつ
速やかに冷却されるため、炉内が部分的に冷却された場
合のように、炉の割れや高分子系廃棄物の水蒸気爆発等
が生じるのを防止できるからである。下部体11の外周
には、缶胴1を支持するための板状の脚11cが、下部
体11の円筒の軸線方向に沿って複数個取り付けられて
いる。
【0023】上記各部からなる本実施例の高分子系廃棄
物用乾留ガス化炉Aを用いた、高分子系廃棄物の乾留ガ
ス化処理の手順は、先に示した従来のものと同様であ
る。すなわち、まず缶胴1の上部の蓋体2を開けて、投
入口1aから、缶胴1内に高分子系廃棄物を充填する。
つぎに蓋体2を閉じ、空気供給手段から、当該高分子系
廃棄物の燃焼に必要な空気量の20%未満の空気を、第
1の給気部4および第2の給気部としての散気管5を通
して缶胴1内に供給し、かつ缶胴1の上部体10のジャ
ケット内に冷却水を供給して、缶内の温度を、高分子系
廃棄物から発生する可燃性の乾留ガスの着火温度未満に
制限しながら、灰出口1bから高分子系廃棄物に着火す
る。着火を確認した後、蓋体3を密閉すると、缶胴1
の、下部体11内に燃焼帯が形成される。
【0024】この燃焼帯においては、空気量が前記のよ
うに制限されているため燃焼反応は進行せず、一般式C
mHm(式中mは、2以上の正の数を示す)で表される炭
化水素化合物や一酸化炭素等の可燃性物質と少しの遊離
炭素分とを含む高温のガスが発生する。このガスには、
上記可燃性物質のほかに、例えば、CO2,CO,H
2O,CH3−C≡CH,H2,H2CO等の安定分子や、
CHO,CH,CH3,CH2,C2H,C2,C5,H,
O,CH,HO2等のラジカル、H3+,CHO+,CH
3 +,NO+,CO+,OH+,H2+,C22+,C33
+,H52 +,H73 +等のイオンなど、燃焼反応の中間
生成体である還元性物質が含まれている。
【0025】燃焼帯で乾留により発生した上記ガスは、
上部体10がジャケット内の冷却水によって冷却されて
着火温度未満に冷却されているため、着火することなく
炉内を上昇し、燃焼帯の上の高分子系廃棄物を熱分解し
て、さらに可燃性物質等を発生させながら、缶胴1の水
と高分子系廃棄物とによって徐々に熱を奪われ、着火温
度以下を保持した状態で、横管10cおよび縦管10d
を通って缶胴1外へ回収される。なお上部体10は、上
記各種化合物の着火温度を考慮すれば、水によって50
0℃未満に冷却されていることが望ましい。
【0026】回収されたガスは、前記のように高カロリ
ー(2000〜6000Kcal/Nm3程度)の可燃
性ガスであり、しかも燃焼させた際に大気汚染の原因と
なる有害物質を発生するおそれのない、無公害のきれい
な乾留ガスである。このため、そのまま燃焼させること
ができる他、燃料としての有効利用が可能である。燃焼
帯で加熱された高分子系廃棄物は、上記ガスを放出しな
がら体積が徐々に減少し、それに伴って上に積層された
高分子系廃棄物が徐々に下降して燃焼帯に供給される。
このため、缶胴1内の高分子系廃棄物が全て燃焼帯に供
給されるまで、燃焼帯における加熱乾留反応と、それに
伴う乾留ガスの発生が持続される。乾留ガス発生の持続
時間は、炉内への高分子系廃棄物の充填量によっても異
なるが、通常、8〜10時間程度続き、その間、上記ガ
スが連続して発生する。
【0027】缶胴1内の高分子系廃棄物が全て乾留さ
れ、乾留ガスが発生しなくなった段階で、第1の給気部
4および第2の給気部としての散気管5を通して、缶胴
1内に十分な空気を供給すると、乾留ガスを全て放出し
た後の残渣が燠火燃焼して、完全に燃焼した無害な燃焼
灰となり、ガラス、金属等の不燃物と共に、缶胴1の炉
底Bに残る。上記燠火燃焼は、通常、1時間程度で終息
する。
【0028】この後、灰出口1bを開け、上記燃焼灰や
不燃物を取り出せば、処理が完了する。なお処理の途中
で爆発の危険性が生じた場合や、あるいは炉底Bに溜ま
った溶融物が散気管5の散気口5aを塞ぐおそれが生じ
た際等には、前記消火用ノズル7から消火用水を缶胴1
内に注入し、燃焼帯を冷却して消火してやればよい。
【0029】本発明の高分子系廃棄物用乾留ガス化炉
は、以上の実施例で説明したように、溶融物の滴下現象
を生じる熱可塑性プラスチックの処理に好適に使用でき
るだけでなく、従来同様に廃タイヤ等のゴム材料や、熱
硬化性プラスチック等の処理にも適している。したがっ
て、発熱量、熱分解温度、点火の難易、自己消火性の有
無等、物性の異なる種々の材料が混在する高分子系廃棄
物の総てに対応できる処理炉として最適である。
【0030】また、消火用ノズルを設けており、バッチ
式であるにも拘らず操業中に運転停止することができる
ので、安全性や保守性にすぐれている。なお本発明の高
分子系廃棄物用乾留ガス化炉の構成は、上記実施例のも
のには限定されず、発明の要旨を変更しない範囲で種々
の設計変更を施すことができる。
【0031】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の高分子系
廃棄物用乾留ガス化炉によれば、乾留用一次空気を供給
するための多数の散気口を側面に設けたパイプ状の散気
管を、上記散気口を缶胴の下方に向けた状態で、炉底と
の間に間隔を設けて水平に配置しているため、熱可塑性
プラスチックの溶融滴下現象が生じても、散気口が塞が
れて乾留反応が停止したり反応に異状が生じたりするこ
とが防止される。
【0032】また、上記缶胴に消火用ノズルを設けてい
るため、もし万が一反応に異状が生じた際には、この消
火用ノズルによって缶胴内に消火用水を注入して、乾留
反応を停止させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高分子系廃棄物用乾留ガス化炉の、一
実施例を示す断面図である。
【図2】上記実施例において使用される散気管の拡大斜
視図てある。
【図3】従来の乾留ガス化炉の一例を示す概略断面図で
ある。
【符号の説明】
A 高分子系廃棄物用乾留ガス化炉 1 缶胴 1a 投入口 1b 灰出口(着火部) 4 給気部 5 散気管(給気部) 5a 散気口 7 消火用ノズル B 炉底

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】バッチ式で上部に投入口を有し、下部に乾
    留用一次空気の給気部と着火部とを有する缶胴を備えた
    竪型の乾留ガス化炉において、上記給気部が、側面に多
    数の散気口を設けたパイプ状の散気管を有し、当該散気
    管が、散気口を缶胴の下方に向けた状態で、炉底との間
    に間隔を設けて缶胴内に水平に配置されているととも
    に、上記缶胴に、当該缶胴内に消火用水を注入する消火
    用ノズルが設けられていることを特徴とする高分子系廃
    棄物用乾留ガス化炉。
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