JPH06158042A - 可視発光微粉体 - Google Patents

可視発光微粉体

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JPH06158042A
JPH06158042A JP30535692A JP30535692A JPH06158042A JP H06158042 A JPH06158042 A JP H06158042A JP 30535692 A JP30535692 A JP 30535692A JP 30535692 A JP30535692 A JP 30535692A JP H06158042 A JPH06158042 A JP H06158042A
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JP
Japan
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powder
fine particle
fine
particle powder
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Withdrawn
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JP30535692A
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English (en)
Inventor
Toshio Kanzaki
寿夫 神崎
Mikio Kishimoto
幹雄 岸本
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Maxell Holdings Ltd
Original Assignee
Hitachi Maxell Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 元素の周期表IV族半導体であるGeを主成分
とする可視発光微粒子粉末を合成し、発光特性ならびに
安定性に優れた新規な可視発光微粉体を提供する。 【構成】 Geを主成分とする微粒子であって、該微粒
子の粒子径が1〜10nmの範囲にあり、かつ短波長の
光の照射により可視発光する微粒子粉末からなる可視発
光微粉体。および、Geを主成分とする微粒子粉末の表
面に、Ge酸化物層、またはSiもしくはAlを含む酸
化物層を形成した可視発光微粉体。 【効果】 発光特性ならびに安定性に優れた高性能のG
e可視発光微粉体が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、短波長の光の照射によ
り発光する可視発光微粒子粉末に係わり、さらに詳しく
はその成分、組成および形態を改善した新規で高性能の
Ge(ゲルマニウム)可視発光微粉体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の分散型エレクトロルミネッセンス
素子などに用いられている可視発光粉末においては、主
要構成成分であるZnS(硫化亜鉛)が空気中の水分と
反応して輝度が大幅に劣化するという問題があった。そ
のため、気相中や液相中での可視発光粉末の表面に、撥
水性の酸化チタン膜や酸化ケイ素膜もしくは有機樹脂膜
を形成して、水分による可視発光粉末の劣化を防止する
方法が提案されている(特開昭62−195894号公
報、特開平4−32194号公報)。しかしながら、上
記のような被膜処理は、その処理過程(水分や熱)でZ
nSにダメージを与えたり、また完全に粉体を撥水性物
質で被覆することが困難であるため、可視発光粉末の劣
化を防止することができないという問題があり、そのた
め耐食性ならびに安定性に優れた可視発光粉末の開発が
望まれていた。元素の周期表IV族半導体であるGeは、
空気中では非常に安定した元素であり、赤熱以上の加熱
でしか酸化されない物質である。しかし、IV族半導体で
あるGeは、間接遷移型のバンド構造を有する半導体材
料であって、バンドギャップが小さいために可視発光は
不可能であると考えられており、従来は光エレクトロニ
クス材料としてあまり注目されていなかった。しかし、
SiやGeに極微細構造を導入することで量子の閉じ込
め効果が生じ、新しい光学的遷移や発光が生じるのでは
ないかということが提唱され、実際にSi/Ge超薄膜
超格子などにおいて発光が報告されており、これにより
IV族半導体の量子構造による発光が可能であることが判
明した。しかし、これまでに確認されている可視発光体
は、すべて薄膜状のものであり、分散型エレクトロルミ
ネッセンス素子に用いられるようなIV族半導体の可視発
光粉末における発光は確認されていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述したごとく、従来
の元素の周期表IV族半導体の可視発光粉末は、水分に対
する安定性が悪く、種々の撥水処理が行われているが、
これらの撥水処理においては、処理過程中に母体材料に
悪影響を及ぼし発光特性が著しく劣化するという問題が
あった。なお、耐食性ならびに安定性に優れたIV族半導
体の微粒子からなる可視発光粉末はいまだ実現されてい
ない。
【0004】本発明の目的は、元素の周期表IV族半導体
であるGeを主成分とする可視発光微粒子粉末からな
り、短波長の光の照射により可視発光する発光特性なら
びに安定性に優れた新規な構成のGe可視発光微粉体を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】発明者らは、上記本発明
の目的を達成するために、元素の周期表IV族半導体であ
るGeについて種々の検討を行った結果、1〜10nm
のGe微粒子粉末を合成し、その後、Ge微粒子粉末の
表面を酸化させて酸化物層を形成させるか、または、S
iやAlなどを含む酸化物被膜を形成させてGeの量子
サイズを安定に確保することにより、Ge微粒子粉末が
可視発光微分体となり得ることを確認した。1〜10n
mのGe微粒子粉末の合成は、ガス中蒸発法またはCV
D法などの物理的または化学的手段、さらにはゾル法、
ゲル法や液相析出法など化学的手段と、還元・酸化の組
合せによって合成することも可能である。Ge微粒子表
面の酸化物層の形成は、Ge微粒子の合成直後に、酸素
ガスや二酸化炭素ガスと接触させる気相法や、トルエン
やTHF(テトラヒドロフラン)など有機溶媒に含浸さ
せる液相法などが挙げられる。また、Ge微粒子の酸化
物層の膜厚は、気相法の場合は導入するガス圧力、反応
温度および時間によって制御することができる。また、
液相の場合には溶剤の成分組成を調整することによって
膜厚の制御が可能である。さらに、いっそうGe微粒子
の安定性の向上をはかるために、SiやAlを含む酸化
物被膜をGe微粒子の表面に被覆させることが望まし
い。被覆手段としては、合成したGe微粒子を、Siや
Alのアルコキシド化合物を含む溶液に分散してアルコ
キシドを吸着させた後、加水分解を行うことでGe微粒
子表面にSiやAlの水酸化物を析出させ、不活性ガス
中で加熱し脱水処理を行って、SiやAlを含む酸化物
被膜を形成させることができる。SiやAlを含む酸化
物被膜の厚みは、それらのアルコキシド化合物の添加量
によって制御することができる。Siの添加量は、Ge
微粒子の表面の一部、または全体を被覆する量が必要
で、少なすぎるとGe微粒子の安定性を向上させること
ができない。また、多すぎるとGeの含有率が低下して
しまい、Ge微粒子の可視発光強度が劣化するので好ま
しくない。そこで、Siの含有量は、Geとの重量比で
Si/Ge=0.1/100〜5/100の範囲である
ことが好ましい。Alの添加量においても、Ge微粒子
の表面の一部、または全体を被覆する量が必要で、少な
すぎるとGe微粒子の安定性を向上させることができな
い。また、多すぎるとGe微粒子粉末を凝集させてしま
うことになる。そこで、Alの含有量はGeとの重量比
でAl/Ge=0.1/100〜5/100の範囲であ
ることが好ましい。
【0006】
【実施例】
〈実施例1〉 〔Ge微粒子粉末の合成〕抵抗加熱によるガス中蒸発法
を用いて、Ge微粒子粉末を合成した。ガス中蒸発は、
Arガス圧力:0.3mmHg(Torr)、電圧:6V、
電流:30A、反応時間:20分の条件下で行った。G
e微粒子粉末の性状は、N2ガスの吸着特性から算出し
た比表面積は65m2/g、また50万倍の透過電子顕
微鏡像から算出したGe微粒子径は8nmであった。 〔酸化処理〕Geの微粒子粉末の合成に用いた蒸発装置
中に、99%酸素ガスを導入してガス圧力を1Torrとな
し、25℃で1時間放置することでGe微粒子に酸化被
膜を形成した。 〔安定化処理〕アルミニウムトリイソプロポキシド(A
TIP)とエタノールを重量比1:5で混合し、20%
ATIP溶液を調製した。この20%ATIP溶液10
0gに、Ge微粒子粉末100gを添加し、これを80
℃で撹拌しながら2時間の加水分解を行い、150℃で
2時間乾燥させた。 〔可視発光評価〕励起光源に、アルゴンレーザ(波長4
88nm)を用い、フォトルミネッセンス(PL)をフ
ォトカウンタで測定した。なお、発光強度は、実施例1
におけるPL発光のピーク(中心)での発光強度を10
0とした。 〔耐食性評価〕60℃、90%RHの雰囲気中に1週間
放置し、放置前後におけるGe微粒子粉末のPL発光強
度を比較して調べた。
【0007】〈実施例2〉実施例1の安定化処理を、下
記の条件に変更した以外は、実施例1と同様の操作で可
視発光微粒子粉末を作製し、可視発光の評価を行った。 〔安定化処理〕テトラエトキシシラン(TES)とエタ
ノールを重量比1:5で混合し、20%TES溶液を調
製した。この20%TES溶液100gに、Ge微粒子
粉末100gを添加し、これを80℃で撹拌しながら2
時間の加水分解を行い、150℃で2時間乾燥した。
【0008】〈実施例3〉実施例1の酸化処理までの操
作を行い、可視発光評価を行った。
【0009】〈実施例4〉実施例1の安定化処理におい
て、20%ATIPの量を150gに変更した他は、実
施例1と同様の操作で可視発光微粒子粉末を作製し、可
視発光の評価を行った。
【0010】〈実施例5〉実施例1のGe微粒子粉末の
合成および酸化処理を、下記の条件に変更した以外は、
実施例1と同様の操作で可視発光微粒子粉末を作製し、
可視発光の評価を行った。 〔Ge微粒子粉末の合成〕抵抗加熱によるガス中蒸発法
を用いてGe微粒子粉末を合成した。ガス中蒸発は、A
rガス圧力:0.1Torr、電圧:5.8V、電流:
28A、反応時間:20分の条件下で行った。Ge微粒
子粉末の性状は、N2ガスの吸着特性から算出した比表
面積は85m/g、また50万倍の透過電子顕微鏡像
から算出したGe微粒子径は5nmであった。 〔酸化処理〕Geの微粒子粉末の合成に用いた蒸発装置
中に、99%酸素ガスを導入して圧力を3Torrに調
整し、25℃で30分間放置してGe微粒子表面にに酸
化被膜を形成した。
【0011】〈比較例1〉実施例1において、酸化処
理、安定化処理の両方を行わずに実施例1と同様の操作
で可視発光微粉末を作製し、可視発光の評価を行った。
【0012】〈比較例2〉実施例1の安定化処理におい
て、20%ATIPの量を250gに変更した他は、実
施例1と同様の操作で可視発光微粒子粉末を作製し、可
視発光の評価を行った。
【0013】〈比較例3〉実施例1のGe微粒子粉末の
合成を、下記の条件に変更した以外は、実施例1と同様
の操作で可視発光微粒子粉末を作製し、可視発光の評価
を行った。 〔Ge微粒子粉末の合成〕抵抗加熱によるガス中蒸発法
を用いてGe微粒子粉末を合成した。ガス中蒸発は、A
rガス圧力:1Torr、電圧:7V、電流:35A、
反応時間:20分の条件下で行った。Ge微粒子粉末の
性状は、Nガスの吸着特性から算出した比表面積は4
0m2/g、また50万倍の透過電子顕微鏡像から算出
した粒子径は15nmであった。
【0014】〈比較例4〉蛍光体ZnS:Mnの可視発
光評価を行った。
【0015】〈比較例5〉発水処理された市販の蛍光体
ZnS:Mnの可視発光評価を行った。以上の実施例1
〜5および比較例1〜5で行った可視発光微粒子粉末の
可視発光評価の結果を、まとめて表1に示す。
【0016】
【表1】
【0017】表1に示すごとく、本実施例1〜5からわ
かるように、1〜10nmのGe微粒子粉末を合成する
ことで、発光特性に優れた可視発光微粒子粉末が得られ
る。また、より安定な発光特性を得るためには、Ge微
粒子表面に、Ge酸化物層の形成、あるいはSiやAl
を含む酸化物層を形成することにより、安定性に優れた
可視発光微粉体が得られることが分かる。
【0018】
【発明の効果】以上詳細に説明したごとく、本発明の可
視発光微粉体は、粒子径が1〜10nmのGe微粒子粉
末を合成することで、短波長の光の照射によって容易に
可視発光する発光特性に優れた可視発光微粉末を得こと
ができる。さらに、Ge微粒子の表面にGeの酸化物層
あるいはSiまたはAlを含む酸化物層を形成すること
により安定性に優れた高性能の可視発光微粉体が得られ
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Geを主成分とする微粒子粉末であって、
    該微粒子の粒子径は1〜10nmの範囲にあり、かつ短
    波長の光の照射により可視発光する微粒子粉末からなる
    ことを特徴とする可視発光微粉体。
  2. 【請求項2】請求項1において、Geを主成分とする微
    粒子粉末の表面に、Ge酸化物層を形成してなることを
    特徴とする可視発光微粉体。
  3. 【請求項3】請求項1において、Geを主成分とする微
    粒子粉末の表面に、 SiもしくはAlを含む酸化物層
    を形成してなることを特徴とする可視発光微粉体。
  4. 【請求項4】請求項3において、酸化物層中のSiもし
    くはAlの含有量がGeとの重量比で、Si/Ge=
    0.1/100〜5/100もしくはAl/Ge=0.
    1/100〜5/100の範囲内にあることを特徴とす
    る可視発光微粉体。
JP30535692A 1992-11-16 1992-11-16 可視発光微粉体 Withdrawn JPH06158042A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010256523A (ja) * 2009-04-23 2010-11-11 Konica Minolta Business Technologies Inc 電子写真用トナーとそれを用いた画像形成方法及び画像形成装置
JP2018095607A (ja) * 2016-12-15 2018-06-21 東洋製罐グループホールディングス株式会社 抗ウイルス性を有する分散液

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