JPH06157455A - 新規なビタミンd3類縁体 - Google Patents

新規なビタミンd3類縁体

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JPH06157455A
JPH06157455A JP5220927A JP22092793A JPH06157455A JP H06157455 A JPH06157455 A JP H06157455A JP 5220927 A JP5220927 A JP 5220927A JP 22092793 A JP22092793 A JP 22092793A JP H06157455 A JPH06157455 A JP H06157455A
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義郎 小林
Katsuhiko Izeki
克彦 伊関
Yoko Tanaka
洋子 田中
Nobuo Ikegawa
信夫 池川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は新規なビタミンD3類縁体、更に詳
しくは、優れた薬理作用、特に生体内のカルシウム調節
作用および腫瘍細胞の分化誘導作用を有する新規ビタミ
ンD3類縁体を提供することを目的とする。 【構成】 本発明化合物は、一般式: 【化1】 (ただし、式中R1は水素原子およびR2は水酸基、また
はR1は水酸基およびR2は水素原子、Xは水素原子、水
酸基または水酸基の保護基で保護された水酸基、R3
水素原子または水酸基の保護基である)で表わされる新
規含フッ素ビタミンD3類縁化合物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は生体内カルシウムの調節
作用および腫瘍細胞の分化誘導作用を有する新規なビタ
ミンD3類縁体に関する。
【0002】
【従来の技術】ビタミンD3の生体内代謝産物であり、
活性型ビタミンD3として知られている1α,25−ジヒ
ドロキシビタミンD3が、腸からのカルシウム吸収促進
作用を有し、骨病変等の治療薬として有効であることが
知られている。また、最近この活性型ビタミンD3およ
びその類縁体に、癌化した細胞を正常細胞に戻す分化誘
導作用(田中弘文ら:生化学55巻,1323ページ,19
83年)が見出され、実際にこれらのうちの一部のもの
に癌の進行を阻止する作用(K.W.Colton,et.al.,Lan
cet,Jan. 28,188頁,1989年)が認められてい
る。しかし、活性型ビタミンD3類はカルシウム代謝に
対して強力な作用を有しており、この作用はビタミンD
3類を制癌剤として用いる場合好ましくない副作用であ
る。一般式:
【化2】 (ただし、式中R、R1およびR2は独立して水素原子ま
たは炭素数1〜4のアシルを示す。)で表されるビタミ
ンD3様活性を示すヘキサフルオロビタミンD誘導体が
WO83/00335(PCT/US82/00909)
に記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題および課題を解決するた
めの手段】本発明者らは、副作用が低く、生体内のカル
シウム代謝に対する優れた作用、すなわち高カルシウム
血症を示すことがなく、癌化細胞の優れた細胞分化誘導
作用を示す新規ビタミンD3類縁化合物の創製を目的と
して研究を行い、所望の特性を有するビタミンD3を見
いだし、本発明を完成した。本発明の目的は、薬理作
用、特に細胞分化誘導作用に基づくカルシウム調節およ
び抗腫瘍作用を有する新規ビタミンD3類縁体を提供す
ることである。本発明の他の目的は、該ビタミンD3
縁体の製造法を提供することである。これらの本発明の
目的および本発明によりもたらされる利点は、下記の記
載から当業者にとって明白である。
【0004】本発明で提供される新規ビタミンD3類縁
体は、一般式:
【化3】 (ただし、式中R1は水素原子およびR2は水酸基、また
はR1は水酸基およびR2は水素原子、Xは水素原子、水
酸基または水酸基の保護基で保護された水酸基、R3
水素原子または水酸基の保護基である)で表される。こ
こで、水酸基の保護基としては、トリメチルシリル基、
t−ブチルジメチルシリル基、t−ブチルジフェニルシリ
ル基等のシリルエーテル系の保護基が挙げられる。
【0005】前記一般式[I]で表される化合物の具体例
としては、 26,26,26,27,27,27−ヘキサフルオロ−2
2S,25−ジヒドロキシビタミンD3[R1がOH、R2
がH、R3がHおよびXがHである化合物[I]](化合物
1) 26,26,26,27,27,27−ヘキサフルオロ−2
2R,25−ジヒドロキシビタミンD3[R1がH、R2
OH、R3がHおよびXがHである化合物[I]](化合物
2) 26,26,26,27,27,27−ヘキサフルオロ−1
α,22S,25−トリヒドロキシビタミンD3[R1がO
H、R2がH、R3がHおよびXがOHである化合物
[I]](化合物B1) 26,26,26,27,27,27−ヘキサフルオロ−1
α,22R,25−トリヒドロキシビタミンD3[R1
H、R2がOH、R3がHおよびXがOHである化合物
[I]](化合物B2) 化合物A1または化合物A2の3−トリメチルシリルエー
テル 化合物A1または化合物A2の3−t−ブチルジメチルシ
リルエーテル 化合物A1または化合物A2の3−t−ブチルジフェニル
シリルエーテル 化合物B1または化合物B2の1α,3−ビス(トリメチル
シリルエーテル) 化合物B1または化合物B2の1α,3−ビス(t−ブチル
ジメチルシリル)エーテル 化合物B1または化合物B2の1α,3−ビス(t−ブチル
ジフェニルシリル)エーテル を挙げることができるが、これらに限定されるものでは
ない。
【0006】本発明化合物[I]は種々の方法で製造しう
るが、その最良の方法の一例を以下に示す。即ち、一般
式[II]:
【化4】 (ただし、式中、R4はOR6およびR5は水素原子、また
はR4は水素原子およびR5はOR6、R6は水酸基の保護
基である)で表されるケトン体と、一般式[III]:
【化5】 (ただし、式中、R7は水酸基の保護基、Yは水素原子ま
たはOR7を表し、Phはフェニルを意味する)で表され
るホスフィンオキシドから誘導されるアニオンとをカッ
プリング反応に供し、必要に応じて脱保護することによ
って得られる。ホスフィンオキシドのアニオンへの誘導
は塩基の存在で達せられ、用いられる塩基としてはn−
ブチルリチウム等のアルキルリチウムが好ましい。
【0007】化合物[II]と化合物[III]の上記カッ
プリング反応は、低温、例えば−100℃〜−50℃、
好ましくは−80℃〜−20℃で、不活性雰囲気下(例
えばアルゴン雰囲気下)にて、エーテル系溶媒(例えばジ
エチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)など)中
で10分〜24時間、好ましくは30分〜2時間行う。
得られる生成物[I]をシリカゲルクロマトグラフィーな
どの公知の方法によって精製することができる。化合物
[I]からの水酸基の脱保護は公知の方法で行うことがで
きる。
【0008】一般式[II]における水酸基の保護基R6
はt−ブチルジメチルシリル基等のシリル系保護基やア
セチル基等のアシル系保護基が好ましい。一般式[II
I]における水酸基の保護基R7はt−ブチルジメチルシ
リル基等のシリル系保護基が好ましい。上記カップリン
グ反応に使用される出発化合物[III]の製造法は、バ
ギオリニら(E.G.Baggiolini et al.), .Am.Che
m.Soc., 104巻、2945頁、1982年および特
開平2−250844号等に開示されている。一方、も
う一つの出発物質[II]は下記の反応工程で製造するこ
とができる。ここでは、R4がt−ブチルジメチルシリ
ルである化合物[II](化合物IIa)およびR5がt
−ブチルジメチルシリルである化合物[II](化合物
IIb)を製造する。
【化6】
【化7】 (ただし、式中Phはフェニル、Bnはベンジル、MO
Mはメトキシメチル、TBDMSはt−ブチルジメチル
シリル、TBDMSTfはt−ブチルジメチルシリルト
リフレートおよびPCCはクロロクロム酸ピリジニウム
を意味する)
【0009】上記反応工程に従って、出発物質[IIa]
および[IIb]を製造することができる。まず、アルデ
ヒド化合物(1)を化合物(A)と反応させて化合物(2)を
得、化合物(2)を酸化して化合物(3)を得る。該化合物
(3)をSmI2と反応させて化合物(4)を得、化合物
(4)を還元して化合物(5)を得る。該化合物(5)を異性
化して化合物(6)および(7)を得、次いで、それらの水
酸基を保護して化合物(8)および(10)を得る。該化合
物(8)および(10)から水酸基の保護基を除去し、最後
に、得られる化合物(9)および(11)を酸化する。上記
反応工程の詳細な反応条件は後記参考例1〜8に記載す
る。以下、実施例、試験例により本発明を具体的に説明
するが、本発明はそれらに限定されるものではない。ま
た、実施例、試験例に挙げる各化合物には番号が付けら
れるが、この番号は前記反応工程において各化合物に付
した化合物番号がそのまま対応している。
【0010】
【実施例】実施例1 化合物[II]と化合物[III]のヴィティッヒ反応によ
る26,26,26,27,27,27−ヘキサフルオロ−
1α,22S,25−トリヒドロキシビタミンD3(化合物
1)の合成:R7がt−ブチルジメチルシリルであり、
Yがt−ブチルジメチルシリルオキシである化合物[I
II](1060mg)の無水テトラヒドロフラン(THF)
(10ml)溶液にn−ブチルリチウム(2.5M,ヘキサン溶
液,68ml)を−78℃で滴下し、混合液を同温度で5
分間撹拌する。反応混合液にR4がt−ブチルジメチル
シリルオキシ、R5が水素原子である化合物[IIa](8
6mg)の無水テトラヒドロフラン溶液(5ml)を一度に加
える。混合液を室温まで暖め、次いで10分間撹拌す
る。反応混合液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、
酢酸エチルで抽出する。酢酸エチル層を水洗し、無水硫
酸マグネシウムで乾燥する。溶媒留去後、残渣をカラム
クロマトグラフィーで精製し、26,26,26,27,2
7,27−ヘキサフルオロ−1α,22S,25−トリヒ
ドロキシビタミンD3の1α,22S,25−トリス(t−
ブチルジメチルシリル)エーテルを得る。上記で得られ
たトリス(t−ブチルジメチルシリル)エーテルを酸性イ
オン交換樹脂(50W×4)のメタノール懸濁液中、室温
で8日間撹拌する。イオン交換樹脂を濾別する。溶媒を
減圧留去後、残渣をカラムクロマトグラフィー(Si
2、溶離液;酢酸エチル−n−ヘキサン)で精製し、標
記化合物(19.8mg)を無色針状結晶で得る。 mp187.7°〜189.6℃(エーテル−ヘキサン)。1 H−NMR(CD3OD)δ:0.59(s,3H),0.94
(d,J=6.6Hz,3H),1.20−3.70(m,25H),
4.14(m,1H),4.37(m,1H),4.88(s,1H),
5.30(s,1H),6.10(d,J=10.4Hz,1H),6.
33(d,J=10.4Hz,1H)。 IR(KBr): 3418、2943、1214cm-1
【0011】参考例1 化合物(1)と化合物(A)の反応による化合物(2)の合
成:化合物(A)(1.7g)の無水テトラヒドロフラン溶液
(5ml)にn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(2.39
M、1.8ml)を−78℃にて加え、混合液を同温度で1
0分間撹拌する。次いで、該混合液に化合物(1)(1g)
の無水テトラヒドロフラン溶液(5ml)を加え、混合液を
−78℃で1時間撹拌する。反応混合液を飽和塩化アン
モニウム水溶液中に加え、ジエチルエーテルで抽出し、
エーテル層を無水硫酸マグネシウムで乾燥する。溶媒留
去後、残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2)で精製
し、化合物(2)(1.91g)を得る。化合物(2)の物性値
は次の通りである。 IR(ニート):3529,2936,2876,1218c
m-1
【0012】参考例2 化合物(2)の酸化による化合物(3)の合成:塩化オキサ
リル(340μl)の塩化メチレン溶液(20ml)に、DM
SO(360μl)の塩化メチレン溶液(2ml)を−78℃
で滴下し、混合液を10分間撹拌する。次いで、該混合
液に化合物(2)(1.32g)の塩化メチレン溶液(10ml)
を滴下し、混合液を−78℃で15分間、45℃で1時
間撹拌する。反応混合液にトリエチルアミン(2.1ml)
を加え、混合液を0℃で20分間撹拌する。反応混合液
を飽和塩化アンモニウム水溶液中に加え、ジエチルエー
テルで抽出する。エーテル層を無水硫酸マグネシウムで
乾燥する。濾液濃縮後、残渣をカラムクロマトグラフィ
ー(SiO2)で精製し、化合物(3)(839mg)を得る。化
合物(3)の物性値は次の通りである。 IR(ニート):2937,2879,1723,1210c
m-1
【0013】参考例3 化合物(3)とSmI2の反応による化合物(4)の合成:参
考例2で得た化合物(3)(611mg)の無水テトラヒドロ
フラン(14ml)およびメタノール(3.6ml)の混合液に
ジヨウ化サマリウム(SmI2)の0.1Mテトラヒドロフ
ラン溶液(20ml)を−78℃で加え、混合液を同温度で
30分間、0℃で10分間撹拌する。反応混合液を飽和
塩化アンモニウム水溶液中に加え、ジエチルエーテルで
抽出し、エーテル層を無水硫酸マグネシウムで乾燥す
る。溶媒留去後、残渣をカラムクロマトグラフィー(Si
2)で精製し、化合物(4)(279mg)を得る。化合物
(4)の物性値は次の通りである。 無色油状物。1 H−NMR(CDCl3)δ:0.98(s,3H),1.09
(d,J=6.9Hz,3H),1.15−2.90(m,17H),
3.45(s,3H),3.72(m,1H),4.35(d,J=1
2.5Hz,1H),4.61(d,J=12.5Hz,1H),4.
91(s,2H),7.20−7.40(m,5H)。 IR(ニート):2935,1717,1213cm-1
【0014】参考例4 化合物(4)の還元による化合物(5)の合成:参考例3で
得た化合物(4)(279mg)のエタノール溶液(1ml)に水
素化ホウ素ナトリウム(33mg)を加え、混合液を室温で
18時間撹拌する。反応混合液を氷水中に加え、ジエチ
ルエーテルで抽出する。エーテル層を水で洗浄し、無水
硫酸マグネシウムで乾燥する。溶媒留去後、化合物(5)
を得る。この化合物をそのまま次の工程に用いる。
【0015】参考例5 化合物(5)の異性化による化合物(6)と(7)の合成:参
考例4で得た化合物(5)のジオキサン溶液(5ml)に濃塩
酸(500μl)を加え、混合液を65℃で6時間撹拌す
る。反応混合液をジエチルエーテルで希釈し、次いで、
エーテル層を炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩
水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥する。溶媒留
去後、残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2)で精製
し、化合物(6)(164mg)および化合物(7)(54mg)を
得る。化合物(6)の物性値は次の通りである。1 H−NMR(CDCl3)δ:0.94(d,J=6.8Hz,3
H),0.98(s,3H),1.10−2.45(m,17H),3.
73(m,2H),4.36(d,J=11.9Hz,1H),4.6
3(d,J=11.9Hz,1H),6.58(s,1H),7.25
−7.40(m,5H)。 化合物(7)の物性値は次の通りである。1 H−NMR(CDCl3)δ:0.95(d,J=6.8Hz,3
H),0.98(s,3H),1.10−2.45(m,17H),3.
73(m,2H),4.34(d,J=11.9Hz,1H),4.6
3(d,J=11.9Hz,1H),6.74(s,1H),7.25
−7.40(m,5H)。
【0016】参考例6 化合物(6)の水酸基の保護による化合物(8)の合成:参
考例5で得た化合物(6)(130mg)の無水塩化メチレン
溶液に2,6−ルチジン(100μl)およびt−ブチル
ジメチルシリルトリフレート(120μl)を0℃で加
え、混合液を室温で13時間撹拌する。反応混合液を氷
水中に加え、塩化メチレンで抽出する。塩化メチレン層
を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥する。溶媒
留去後、残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2)で精
製し、化合物(8)(164mg)を得る。この化合物をその
まま次の工程に用いる。
【0017】参考例7 化合物(8)の水酸基の脱保護による化合物(9)の合成:
参考例6で得た化合物(8)(164mg)を水素ガス中、5
%Pd−C触媒(10mg)/メタノール(10ml)の存在
下、室温および大気圧にて12時間撹拌する。触媒を濾
過除去し、濾液を濃縮した後、残渣をカラムクロマトグ
ラフィー(SiO2)で精製し、化合物(9)(120mg)を得
る。化合物(9)の物性値は次の通りである。 無色油状物。1 H−NMR(CDCl3)δ:0.07(s,3H),0.09
(s,3H),0.92(d,J=6.9Hz,3H),1.10−
2.05(m,18H),3.59(m,1H),3.75(s,1
H),4.09(m,1H)。 IR(ニート):3625,3296,2953,121
0,836,774cm-1
【0018】参考例8 化合物(9)の酸化による化合物[IIa]の合成:参考例
8で得た化合物(9)(170mg)の無水塩化メチレン溶液
(5ml)をクロロクロム酸ピリジニウム(400mg)の無水
塩化メチレン懸濁液(5ml)に滴下し、混合物を室温で2
時間撹拌する。反応混合物をジエチルエーテルで抽出
し、エーテル層を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥
する。溶媒留去後、残渣をカラムクロマトグラフィー
(SiO2)で精製し、化合物[IIa](152mg)を得る。
化合物[IIa]の物性値は次の通りである。 無色油状物。1 H−NMR(CDCl3)δ:0.07(s,3H),0.08
(s,3H),0.65(s,3H),0.90(s,9H),
0.94(d,J=6.9Hz,3H),1.55−2.50(m,1
7H),3.59(m,1H)。 IR(ニート):3400,2950,1694,839,
774cm-1
【0019】試験例1 細胞分化誘導作用 試験方法 ヒト結腸癌由来の継代細胞(HT−29)を組織培養用2
4穴プレートに接種し、コウシ血清を10%添加したR
PMI/1640で培養した。約24時間後培養上清を
取り去り、2×10-3Mの酪酸ナトリウムおよび1α,
25−ジヒドロキシビタミンD3あるいは本発明化合物
であるビタミンD3類縁体を含む培養液を添加し(培養液
交換)、炭酸ガス培養器内(37℃、5%炭酸ガス−95
%空気)にて静置培養した。2日毎に同じ組成の培養液
交換を行い、7日目に粘液産生細胞の数および細胞の形
態をAugeronらの方法(Cancer Res., 44、396
1(1984))によって観察した。粘液産生は正常の大
腸(結腸)細胞で見られるが、癌化したこのHT−29細
胞では殆ど認められない。従って、癌細胞HT−29が
分化誘導された正常細胞の形質を発現するようになった
ことの定量的マーカーとして粘液産生細胞数を計測し、
細胞数200に対する百分率を求めた。
【0020】試験結果
【表1】 活性試験測定値 試験化合物 濃度(M) 粘液産生細胞(%)* なし(溶媒エタノールのみ) 0 34±7 1α,25−ジヒドロキシビタミンD3 10-7 94±5 1α,25−ジヒドロキシビタミンD3 10-8 40±10 1α,25−ジヒドロキシビタミンD3 10-9 29±1 化合物B1 10-7 93±6 化合物B1 10-8 92±2 化合物B1 10-9 77±6 化合物B2 10-7 78±2 化合物B2 10-8 42±9化合物B2 10-9 28±10 *)n=5 上記表1の結果から、本発明化合物B1により、公知の
1α,25−ジヒドロキシビタミンD3と比較して、より
多くのHT−29細胞が粘液産生細胞へ分化誘導されて
いることがわかる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式[I]: 【化1】 (ただし、式中R1は水素原子およびR2は水酸基、また
    はR1は水酸基およびR2は水素原子、Xは水素原子、水
    酸基または水酸基の保護基で保護された水酸基、R3
    水素原子または水酸基の保護基である)で表されるビタ
    ミンD3類縁体。
  2. 【請求項2】 水酸基の保護基がトリメチルシリル、t
    −ブチルジメチルシリルおよびt−ブチルジフェニルシ
    リルからなる群から選ばれる請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】 26,26,26,27,27,27−ヘキ
    サフルオロ−1α,22S,25−トリヒドロキシビタミ
    ンD3; 26,26,26,27,27,27−ヘキサフルオロ−1
    α,22R,25−トリヒドロキシビタミンD3; 26,26,26,27,27,27−ヘキサフルオロ−1
    α,22S,25−トリヒドロキシビタミンD3の1α,3
    −ビス(トリメチルシリル)エーテル; 26,26,26,27,27,27−ヘキサフルオロ−1
    α,22R,25−トリヒドロキシビタミンD3の1α,3
    −ビス(トリメチルシリル)エーテル; 26,26,26,27,27,27−ヘキサフルオロ−1
    α,22S,25−トリヒドロキシビタミンD3の1α,3
    −ビス(t−ブチルジメチルシリル)エーテル; 26,26,26,27,27,27−ヘキサフルオロ−1
    α,22R,25−トリヒドロキシビタミンD3の1α,3
    −ビス(t−ブチルジメチルシリル)エーテル; 26,26,26,27,27,27−ヘキサフルオロ−1
    α,22S,25−トリヒドロキシビタミンD3の1α,3
    −ビス(t−ブチルジフェニルシリル)エーテル;および 26,26,26,27,27,27−ヘキサフルオロ−1
    α,22R,25−トリヒドロキシビタミンD3の1α,3
    −ビス(t−ブチルジフェニルシリル)エーテルから選ば
    れる請求項1記載の化合物。
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