JPH06157333A - 抗腫瘍剤 - Google Patents
抗腫瘍剤Info
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- JPH06157333A JPH06157333A JP4303855A JP30385592A JPH06157333A JP H06157333 A JPH06157333 A JP H06157333A JP 4303855 A JP4303855 A JP 4303855A JP 30385592 A JP30385592 A JP 30385592A JP H06157333 A JPH06157333 A JP H06157333A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 延命効果、腫瘍縮小効果を併せ持ち、末期癌
患者や悪液質状態の患者においても有用性の期待される
抗腫瘍剤を提供する。 【構成】 生体防御賦活剤とヒトインターロイキン2と
癌悪液質抑制剤との組み合わせよりなる抗腫瘍剤。
患者や悪液質状態の患者においても有用性の期待される
抗腫瘍剤を提供する。 【構成】 生体防御賦活剤とヒトインターロイキン2と
癌悪液質抑制剤との組み合わせよりなる抗腫瘍剤。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は(a)生体防御賦活剤お
よび(b)インターロイキン2(以下、IL−2と称
す)またはIL−2産生誘導物質と(c)癌悪液質抑制
剤とを有効成分とする抗腫瘍剤に関する。
よび(b)インターロイキン2(以下、IL−2と称
す)またはIL−2産生誘導物質と(c)癌悪液質抑制
剤とを有効成分とする抗腫瘍剤に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、癌患者に対する薬物療法としては
細胞毒としての化学療法剤、免疫療法剤等が用いられて
いる。外科的治療のみでは完治し得ない患者や外科手術
が不可能な患者に対しては腫瘍縮小効果および延命効果
を期待して薬物療法が行われており、一方、治癒切除患
者に対しては再発防止による無病期間の延長を期待して
薬物療法が行われている。
細胞毒としての化学療法剤、免疫療法剤等が用いられて
いる。外科的治療のみでは完治し得ない患者や外科手術
が不可能な患者に対しては腫瘍縮小効果および延命効果
を期待して薬物療法が行われており、一方、治癒切除患
者に対しては再発防止による無病期間の延長を期待して
薬物療法が行われている。
【0003】担癌末期状態の患者においては、しばしば
極度の体重減少および全身性消耗状態が認められる。こ
の状態は癌悪液質と呼ばれており、担癌末期状態では、
患者の予後は腫瘍増殖の速度よりも悪液質の進行との相
関が強いと言われている。癌悪液質の成因には、古くよ
りトキソホルモンと称されるホルモン様の液性因子の関
与が想定されていたが、近年の研究の結果、癌細胞およ
び宿主炎症性細胞より産生されるTNF,IL−6等の
サイトカインや活性酸素分子種が重要な役割を担うこと
が明らかにされつつある。これらサイトカインによる血
中リポ蛋白リパーゼ(LPL)活性の低下が脂質代謝異
常を誘発し、脂肪組織の著しい縮小を引き起こす。ま
た、これらサイトカインにより誘導されるプロスタグラ
ンジンE2(以下、PGE2と称す)を介し発熱が誘導
され、食欲不振にも至る。更に、これらサイトカインは
血中ACTHの上昇を介し、高コルチゾール血症を誘発
し糖代謝異常を引き起こす。また、炎症性細胞から産生
される活性酸素により全身性の臓器、組織障害が引き起
こされる。これら複数の作用が重なりあい全身性の消
耗、および体重減少が誘発され癌悪液質と呼ばれる状態
に陥るものと考えられている。また、腫瘍細胞から産生
されるTGF−βやPGE2、コルチゾール等は免疫抑
制活性を示す事が知られており、担癌末期状態では多く
の場合、免疫抑制状態に陥るといわれている。
極度の体重減少および全身性消耗状態が認められる。こ
の状態は癌悪液質と呼ばれており、担癌末期状態では、
患者の予後は腫瘍増殖の速度よりも悪液質の進行との相
関が強いと言われている。癌悪液質の成因には、古くよ
りトキソホルモンと称されるホルモン様の液性因子の関
与が想定されていたが、近年の研究の結果、癌細胞およ
び宿主炎症性細胞より産生されるTNF,IL−6等の
サイトカインや活性酸素分子種が重要な役割を担うこと
が明らかにされつつある。これらサイトカインによる血
中リポ蛋白リパーゼ(LPL)活性の低下が脂質代謝異
常を誘発し、脂肪組織の著しい縮小を引き起こす。ま
た、これらサイトカインにより誘導されるプロスタグラ
ンジンE2(以下、PGE2と称す)を介し発熱が誘導
され、食欲不振にも至る。更に、これらサイトカインは
血中ACTHの上昇を介し、高コルチゾール血症を誘発
し糖代謝異常を引き起こす。また、炎症性細胞から産生
される活性酸素により全身性の臓器、組織障害が引き起
こされる。これら複数の作用が重なりあい全身性の消
耗、および体重減少が誘発され癌悪液質と呼ばれる状態
に陥るものと考えられている。また、腫瘍細胞から産生
されるTGF−βやPGE2、コルチゾール等は免疫抑
制活性を示す事が知られており、担癌末期状態では多く
の場合、免疫抑制状態に陥るといわれている。
【0004】一方、癌の転移、再発には癌細胞が薬剤や
宿主細胞から種々の刺激を受け遺伝的な変化を生じ原発
癌細胞に比べ、細胞運動能の増強、浸潤能の増強、化学
療法剤耐性、免疫抑制物質産生増強等の多くの新たな形
質を獲得する(癌細胞の悪性化)ことによると言われて
いる。近年、この癌細胞の悪性化形質の獲得に化学療法
剤自身や、宿主炎症性細胞から産生されるTNF,IL
−6等のサイトカインやプロテアーゼや活性酸素分子種
などが関与することが明らかになりつつある(Lang
steinら、Nutri.Cancer,vol.
5,103−123ページ(1991))。
宿主細胞から種々の刺激を受け遺伝的な変化を生じ原発
癌細胞に比べ、細胞運動能の増強、浸潤能の増強、化学
療法剤耐性、免疫抑制物質産生増強等の多くの新たな形
質を獲得する(癌細胞の悪性化)ことによると言われて
いる。近年、この癌細胞の悪性化形質の獲得に化学療法
剤自身や、宿主炎症性細胞から産生されるTNF,IL
−6等のサイトカインやプロテアーゼや活性酸素分子種
などが関与することが明らかになりつつある(Lang
steinら、Nutri.Cancer,vol.
5,103−123ページ(1991))。
【0005】腫瘍細胞に対し直接的傷害作用を示す癌化
学療法剤の多くは腫瘍縮小効果を示すものの延命効果は
ほとんど示さない事、術後補助療法として用いた場合に
も有意な効果が見られない事などが明らかになるにつ
れ、レンチナンのような免疫賦活剤、生体防御賦活剤に
よる生体機能の修飾、増強に加えて、悪液質の改善およ
び悪性化の防止が癌患者の治療効果を左右する重要な因
子である事が認識され始めている。このような状況の中
で、悪液質の改善および癌細胞の悪性化の防止作用を示
し、かつ、抗腫瘍効果を合わせ持つ薬剤の開発が求めら
れている。近年、化学療法剤の一種である5−フルオロ
ウラシル(以下、5−FUと称す)の誘導体である5’
−DFURやPGE2合成に関与するシクロオキシゲナ
ーゼの阻害剤であるインドメサシン等が癌悪液質改善効
果を示す事が示唆されているが、これら薬剤を単独で用
いても生存期間の若干の延長を示すのみで著明な抗腫瘍
効果は認められない。即ち、現在、癌悪液質および癌細
胞の悪性化を抑制し、延命効果、腫瘍縮小効果を併せ持
つ薬剤は市場に存在しない。
学療法剤の多くは腫瘍縮小効果を示すものの延命効果は
ほとんど示さない事、術後補助療法として用いた場合に
も有意な効果が見られない事などが明らかになるにつ
れ、レンチナンのような免疫賦活剤、生体防御賦活剤に
よる生体機能の修飾、増強に加えて、悪液質の改善およ
び悪性化の防止が癌患者の治療効果を左右する重要な因
子である事が認識され始めている。このような状況の中
で、悪液質の改善および癌細胞の悪性化の防止作用を示
し、かつ、抗腫瘍効果を合わせ持つ薬剤の開発が求めら
れている。近年、化学療法剤の一種である5−フルオロ
ウラシル(以下、5−FUと称す)の誘導体である5’
−DFURやPGE2合成に関与するシクロオキシゲナ
ーゼの阻害剤であるインドメサシン等が癌悪液質改善効
果を示す事が示唆されているが、これら薬剤を単独で用
いても生存期間の若干の延長を示すのみで著明な抗腫瘍
効果は認められない。即ち、現在、癌悪液質および癌細
胞の悪性化を抑制し、延命効果、腫瘍縮小効果を併せ持
つ薬剤は市場に存在しない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は延命効
果、腫瘍縮小効果を併せ持ち、末期癌患者や悪液質状態
の患者においても有用性の期待される抗腫瘍剤を提供す
ることである。
果、腫瘍縮小効果を併せ持ち、末期癌患者や悪液質状態
の患者においても有用性の期待される抗腫瘍剤を提供す
ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために末期癌担癌状態や悪液質状態、癌の悪
性化について鋭意研究を行った結果、生体防御賦活剤
と、IL−2もしくはIL−2産生誘導物質と悪液質抑
制剤の3種類の作用の異なる薬物の組み合わせからなる
薬剤によって末期癌状態や悪液質状態においても延命効
果、腫瘍縮小効果が得られることを動物モデルで確認し
本発明を完成した。
を解決するために末期癌担癌状態や悪液質状態、癌の悪
性化について鋭意研究を行った結果、生体防御賦活剤
と、IL−2もしくはIL−2産生誘導物質と悪液質抑
制剤の3種類の作用の異なる薬物の組み合わせからなる
薬剤によって末期癌状態や悪液質状態においても延命効
果、腫瘍縮小効果が得られることを動物モデルで確認し
本発明を完成した。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】近年、癌悪液質の誘導にTNF,IL−6
等のサイトカインやPGE2、活性酸素などが関与する
可能性が疑われるようになってきた。これらの因子は、
化学療法剤や宿主炎症細胞と癌細胞との相互作用の結果
産生するものと考えられる。担癌状態において、腫瘍組
織に好中球、マクロファージを中心とする宿主炎症性細
胞の浸潤が起こり、腫瘍細胞との相互作用の結果、TG
F−β、IFN−α、TNF、IL−6等の細胞傷害性
サイトカインや活性酸素分子種やプロテアーゼなどを放
出する。癌が進行している場合や、宿主細胞が充分に活
性化されていない場合や腫瘍細胞が免疫抑制因子や悪液
質を誘導する場合には、宿主細胞による腫瘍細胞の傷害
をすり抜けた腫瘍が退縮に向かうこと無く腫瘍が増殖し
たり、遠隔転移する。宿主炎症性細胞より産生されるT
NF,IL−6等のサイトカインやPGE2は、直接も
しくは中枢系のCRH−ACTH軸を介してコルチゾー
ル産生増強を誘導し、また血中LPL活性を低下させる
ことにより宿主を悪液質状態に導く。PGE2やコルチ
ゾール、更には上記サイトカインの影響で悪性化した腫
瘍細胞から産生されるTGF−βは宿主の免疫系を抑制
し腫瘍抵抗性を弱め、腫瘍の増殖を容易にする。一方、
腫瘍細胞内に誘導された活性酸素は腫瘍細胞のDNAに
傷害を与えることにより遺伝的な変異を引き起こし、癌
細胞の悪性化を誘導し、またメタロプロテアーゼなども
腫瘍内で活性化され癌細胞に組織浸潤能を付与し再発、
転移の原因となる。化学療法剤の多くがDNAに損傷を
与え腫瘍細胞を傷害せしめる作用を持つことから、この
様な状況下での化学療法剤の使用によっては腫瘍の縮小
効果は認められても、癌悪液質および癌細胞の悪性化を
増悪し、延命効果には結びつかない。一方、免疫機能の
賦活化を介し作用を発揮する、いわゆる、免疫療法剤
も、悪液質状況下で生体の免疫能が抑制されている状態
ではその効果は充分に発揮し得ない。
等のサイトカインやPGE2、活性酸素などが関与する
可能性が疑われるようになってきた。これらの因子は、
化学療法剤や宿主炎症細胞と癌細胞との相互作用の結果
産生するものと考えられる。担癌状態において、腫瘍組
織に好中球、マクロファージを中心とする宿主炎症性細
胞の浸潤が起こり、腫瘍細胞との相互作用の結果、TG
F−β、IFN−α、TNF、IL−6等の細胞傷害性
サイトカインや活性酸素分子種やプロテアーゼなどを放
出する。癌が進行している場合や、宿主細胞が充分に活
性化されていない場合や腫瘍細胞が免疫抑制因子や悪液
質を誘導する場合には、宿主細胞による腫瘍細胞の傷害
をすり抜けた腫瘍が退縮に向かうこと無く腫瘍が増殖し
たり、遠隔転移する。宿主炎症性細胞より産生されるT
NF,IL−6等のサイトカインやPGE2は、直接も
しくは中枢系のCRH−ACTH軸を介してコルチゾー
ル産生増強を誘導し、また血中LPL活性を低下させる
ことにより宿主を悪液質状態に導く。PGE2やコルチ
ゾール、更には上記サイトカインの影響で悪性化した腫
瘍細胞から産生されるTGF−βは宿主の免疫系を抑制
し腫瘍抵抗性を弱め、腫瘍の増殖を容易にする。一方、
腫瘍細胞内に誘導された活性酸素は腫瘍細胞のDNAに
傷害を与えることにより遺伝的な変異を引き起こし、癌
細胞の悪性化を誘導し、またメタロプロテアーゼなども
腫瘍内で活性化され癌細胞に組織浸潤能を付与し再発、
転移の原因となる。化学療法剤の多くがDNAに損傷を
与え腫瘍細胞を傷害せしめる作用を持つことから、この
様な状況下での化学療法剤の使用によっては腫瘍の縮小
効果は認められても、癌悪液質および癌細胞の悪性化を
増悪し、延命効果には結びつかない。一方、免疫機能の
賦活化を介し作用を発揮する、いわゆる、免疫療法剤
も、悪液質状況下で生体の免疫能が抑制されている状態
ではその効果は充分に発揮し得ない。
【0010】そこで本発明者らは、癌細胞の悪性化、悪
液質の原因となる腫瘍細胞と非特異的炎症性細胞との相
互作用もしくはその相互作用により誘導され悪性化およ
び悪液質の誘因となる物質の機能および産生を阻害する
悪液質抑制剤とCTL等の特異的エフェクターをも増強
可能である生体防御賦活剤とIL−2もしくはIL−2
誘導物質を組み合わせて用いることにより、悪液質状況
下においても著明な抗腫瘍効果を発現可能な薬剤の開発
に成功した。
液質の原因となる腫瘍細胞と非特異的炎症性細胞との相
互作用もしくはその相互作用により誘導され悪性化およ
び悪液質の誘因となる物質の機能および産生を阻害する
悪液質抑制剤とCTL等の特異的エフェクターをも増強
可能である生体防御賦活剤とIL−2もしくはIL−2
誘導物質を組み合わせて用いることにより、悪液質状況
下においても著明な抗腫瘍効果を発現可能な薬剤の開発
に成功した。
【0011】本発明に用いられる生体防御賦活剤の代表
例としてのレンチナンは、骨髄細胞からの免疫担当細胞
への成熟を増強し、また細胞障害性Tリンパ球(CT
L)前駆細胞のIL−2の応答性を増強する事が解明さ
れている(秋山ら、「多糖の抗腫瘍性発現の機構と免疫
学的性状の特徴」蛋白質、核酸、酵素,vol.26,
208−224ページ(1981))。従って、担癌状
態で低下しているIL−2産生能を薬剤としてIL−2
を投与することでバイパスし、担癌状態で同様に抑制さ
れているIL−2に対する応答性をレンチナンを投与す
ることで修飾すれば効率的な癌治療の行えることも本発
明者等によって示されている(日本国特許公告平4−5
005)。このレンチナンもしくはレンチナン同様の作
用を持つ抗腫瘍性多糖や生体防御賦活剤とIL−2の併
用でも、腫瘍縮小効果が如実に発揮されない癌種がある
こと、また癌が小さい間や外科手術との併用では著明な
抗腫瘍効果を立証することができるものの、末期癌状態
や悪液質誘導性の癌の場合には腫瘍縮小効果の認め難い
ことが、その後の研究で判明した(羽室ら、「生体防御
を最適化する免疫化学療法の検討;5−FU投与量のレ
ンチナン抗腫瘍効果発現に及ぼす影響」Biother
apy、vol.6,395ページ(1992))。そ
の理由が前述の癌悪液質の産生や活性酸素分子種による
癌細胞の悪性化にあることを見いだし本発明は完成され
たものである。本発明は、抗腫瘍効果を中心とする生体
防御賦活剤とIL−2の併用に更に加えるべき薬物とし
て悪液質抑制物質を考え、この3者による抗腫瘍効果の
一層の増強方法の考案によってなされたものである。本
発明で用いられる悪液質抑制剤としては、腫瘍内への非
特異的炎症細胞の浸潤を抑える、腫瘍血管増殖抑制因子
(代表的なものとしてはフマギリン誘導体を挙げられ
る)や、癌の進展に伴い炎症細胞との相互作用の結果誘
導される酵素(代表的なものとしてはピリミジンヌクレ
オチドホスフォリラーゼやマトリックスメタロプロテア
ーゼが挙げられる)により活性化される癌化学療法剤の
プロドラッグ(代表的なものとして、5’−DFURが
挙げられる)なども用いることができる。癌細胞の悪性
化によりこれら血管増殖が増強されると共に炎症性細胞
由来のサイトカインにより癌細胞中の種々の遺伝子が活
性化され、ピリミジンヌクレオチドホスフォリラーゼや
マトリックスメタロプロテアーゼなど各種の酵素活性が
増強することを活用するものである。これら悪性化癌細
胞で選択的に増強する酵素によりプロドラッグが活性体
に変換される事により、活性体としての化学療法剤は正
常細胞を傷害することなく悪性化癌細胞を選択的に傷害
することにより癌悪液質を抑制する。例えば、本発明に
使われる5’−DFURは、悪性化した癌細胞で増強す
るピリミジンヌクレオチドホスフォリラーゼにより活性
体である5−フルオウラシル(5−FU)に変換され、
代謝拮抗作用による癌細胞傷害作用を示すものである。
このピリミジンヌクレオチドホスファリラーゼは血小板
由来の血管内皮細胞増殖因子(PD−ECGF)と同一
構造ともされる(Furukawaら、Nature
vol.356,668ページ(1992))。また、
腫瘍局所に浸潤した非特異的炎症細胞から産生される活
性酸素の捕捉剤やその誘導物質(代表的なものとしては
カタラーゼ、次硝酸ビスマス、マンニトール、SOD、
チオレドキシン、グルタチオンなどが挙げられる)を用
いることもできる。癌悪性化の過程でこれらの活性酸素
が重要な働きをしていることは細川らによって報告され
ている(岡田ら、「癌細胞の悪性化の進展における抗腫
瘍エフェクター細胞由来活性酸素の役割」第50回日本
癌学会総会(東京)160ページ(1991))。ま
た、同様に炎症性細胞から産生されるPGE2を始めと
するアラキドン酸代謝物阻害剤(代表的なものとして非
ステロイド系酸性抗炎症剤であるインドメサシン、イブ
プロフェンなどが挙げられる)やTGF−β、TNF、
IL−6の産生、作用阻害剤(代表的なものとして各サ
イトカインに対する中和抗体や同レセプターのアンタゴ
ニスト等が挙げられる)やACTH阻害剤なども用いる
ことができる。
例としてのレンチナンは、骨髄細胞からの免疫担当細胞
への成熟を増強し、また細胞障害性Tリンパ球(CT
L)前駆細胞のIL−2の応答性を増強する事が解明さ
れている(秋山ら、「多糖の抗腫瘍性発現の機構と免疫
学的性状の特徴」蛋白質、核酸、酵素,vol.26,
208−224ページ(1981))。従って、担癌状
態で低下しているIL−2産生能を薬剤としてIL−2
を投与することでバイパスし、担癌状態で同様に抑制さ
れているIL−2に対する応答性をレンチナンを投与す
ることで修飾すれば効率的な癌治療の行えることも本発
明者等によって示されている(日本国特許公告平4−5
005)。このレンチナンもしくはレンチナン同様の作
用を持つ抗腫瘍性多糖や生体防御賦活剤とIL−2の併
用でも、腫瘍縮小効果が如実に発揮されない癌種がある
こと、また癌が小さい間や外科手術との併用では著明な
抗腫瘍効果を立証することができるものの、末期癌状態
や悪液質誘導性の癌の場合には腫瘍縮小効果の認め難い
ことが、その後の研究で判明した(羽室ら、「生体防御
を最適化する免疫化学療法の検討;5−FU投与量のレ
ンチナン抗腫瘍効果発現に及ぼす影響」Biother
apy、vol.6,395ページ(1992))。そ
の理由が前述の癌悪液質の産生や活性酸素分子種による
癌細胞の悪性化にあることを見いだし本発明は完成され
たものである。本発明は、抗腫瘍効果を中心とする生体
防御賦活剤とIL−2の併用に更に加えるべき薬物とし
て悪液質抑制物質を考え、この3者による抗腫瘍効果の
一層の増強方法の考案によってなされたものである。本
発明で用いられる悪液質抑制剤としては、腫瘍内への非
特異的炎症細胞の浸潤を抑える、腫瘍血管増殖抑制因子
(代表的なものとしてはフマギリン誘導体を挙げられ
る)や、癌の進展に伴い炎症細胞との相互作用の結果誘
導される酵素(代表的なものとしてはピリミジンヌクレ
オチドホスフォリラーゼやマトリックスメタロプロテア
ーゼが挙げられる)により活性化される癌化学療法剤の
プロドラッグ(代表的なものとして、5’−DFURが
挙げられる)なども用いることができる。癌細胞の悪性
化によりこれら血管増殖が増強されると共に炎症性細胞
由来のサイトカインにより癌細胞中の種々の遺伝子が活
性化され、ピリミジンヌクレオチドホスフォリラーゼや
マトリックスメタロプロテアーゼなど各種の酵素活性が
増強することを活用するものである。これら悪性化癌細
胞で選択的に増強する酵素によりプロドラッグが活性体
に変換される事により、活性体としての化学療法剤は正
常細胞を傷害することなく悪性化癌細胞を選択的に傷害
することにより癌悪液質を抑制する。例えば、本発明に
使われる5’−DFURは、悪性化した癌細胞で増強す
るピリミジンヌクレオチドホスフォリラーゼにより活性
体である5−フルオウラシル(5−FU)に変換され、
代謝拮抗作用による癌細胞傷害作用を示すものである。
このピリミジンヌクレオチドホスファリラーゼは血小板
由来の血管内皮細胞増殖因子(PD−ECGF)と同一
構造ともされる(Furukawaら、Nature
vol.356,668ページ(1992))。また、
腫瘍局所に浸潤した非特異的炎症細胞から産生される活
性酸素の捕捉剤やその誘導物質(代表的なものとしては
カタラーゼ、次硝酸ビスマス、マンニトール、SOD、
チオレドキシン、グルタチオンなどが挙げられる)を用
いることもできる。癌悪性化の過程でこれらの活性酸素
が重要な働きをしていることは細川らによって報告され
ている(岡田ら、「癌細胞の悪性化の進展における抗腫
瘍エフェクター細胞由来活性酸素の役割」第50回日本
癌学会総会(東京)160ページ(1991))。ま
た、同様に炎症性細胞から産生されるPGE2を始めと
するアラキドン酸代謝物阻害剤(代表的なものとして非
ステロイド系酸性抗炎症剤であるインドメサシン、イブ
プロフェンなどが挙げられる)やTGF−β、TNF、
IL−6の産生、作用阻害剤(代表的なものとして各サ
イトカインに対する中和抗体や同レセプターのアンタゴ
ニスト等が挙げられる)やACTH阻害剤なども用いる
ことができる。
【0012】本発明で用いられる生体防御賦活剤として
は、レンチナン、ソニフィラン等のような抗腫瘍剤とし
て使用されている薬剤を始めとする多糖類、ピシバニー
ル、クレスチン並びにこれらと同様の作用を有する物質
を用いることができる。中でも、中性多糖に属し、マク
ローファージからの炎症性サイトカイン誘導能を持た
ず、悪液質の一成因であるPGE2の産生を抑制し、か
つ生体防御機能の賦活化に優れているレンチナンを好ま
しいものとして挙げることができる。特に、上記で具体
的に列挙した抗腫瘍性多糖はそれ自体公知の化合物であ
り、例えば、レンチナンについてはBiotherap
y、vol.4,No.6,1114−1126ページ
(1990)および、Carbohydrate Re
search Vol.74,227−240ページ
(1979)に詳細な記載がある。
は、レンチナン、ソニフィラン等のような抗腫瘍剤とし
て使用されている薬剤を始めとする多糖類、ピシバニー
ル、クレスチン並びにこれらと同様の作用を有する物質
を用いることができる。中でも、中性多糖に属し、マク
ローファージからの炎症性サイトカイン誘導能を持た
ず、悪液質の一成因であるPGE2の産生を抑制し、か
つ生体防御機能の賦活化に優れているレンチナンを好ま
しいものとして挙げることができる。特に、上記で具体
的に列挙した抗腫瘍性多糖はそれ自体公知の化合物であ
り、例えば、レンチナンについてはBiotherap
y、vol.4,No.6,1114−1126ページ
(1990)および、Carbohydrate Re
search Vol.74,227−240ページ
(1979)に詳細な記載がある。
【0013】本発明に用いるIL−2もそれ自体公知で
あり、哺乳類起源の天然に見いだされるものおよび遺伝
子組換え技術を利用したものを用いることができる。こ
れらのうちヒト由来のものが好ましく、例えば、Tan
iguchiらのNature,Vol.302,30
5−310ページ(1983)に記載のIL−2を具体
的なものとして挙げることができる。また、特願昭58
−157723に記載されるIL−2活性検定法におい
てIL−2活性を示すものであれば、IL−2の構造の
一部を追加、欠損、変異させたものでも良い。また、i
n vivoにおいてIL−2の発現を誘導するような
物質を上記IL−2に替えて用いることもできる。本発
明に用いるIL−2誘導物質としては、その作用を示す
ものであれば如何なるものでもよいが後記実施例2で示
すように、DHEAやエストラジオール等のIL−2産
生増強作用が知られているホルモン(Daynesら、
Eur.J.Immunol.Vol.20,793−
802ページ(1990))や核酸誘導体やアミノ酸誘
導体などを用いて外からIL−2を投与すると同様の効
果をもたらすことができる。また、後記実施例3で示す
ように、患者末梢血、腫瘍浸潤リンパ球もしくはこれら
の細胞を適切なサイトカインの存在下で培養し、活性化
した細胞、または、不活化した自己腫瘍細胞に、哺乳類
細胞中で発現する形で構築したIL−2遺伝子を含むベ
クター、例えば、KasidらのProc.Natl.
Sci.USA,Vol.87,473−477ページ
(1990)に記載のレトロウイルスベクター等を用い
IL−2遺伝子を導入することにより構成的にIL−2
を産生するようになった細胞を患者の体内に戻す事によ
り生体内でIL−2を構成的に誘導する方法によって
も、体内で相応のIL−2濃度をIL−2投与同様に保
持することができれば良い。
あり、哺乳類起源の天然に見いだされるものおよび遺伝
子組換え技術を利用したものを用いることができる。こ
れらのうちヒト由来のものが好ましく、例えば、Tan
iguchiらのNature,Vol.302,30
5−310ページ(1983)に記載のIL−2を具体
的なものとして挙げることができる。また、特願昭58
−157723に記載されるIL−2活性検定法におい
てIL−2活性を示すものであれば、IL−2の構造の
一部を追加、欠損、変異させたものでも良い。また、i
n vivoにおいてIL−2の発現を誘導するような
物質を上記IL−2に替えて用いることもできる。本発
明に用いるIL−2誘導物質としては、その作用を示す
ものであれば如何なるものでもよいが後記実施例2で示
すように、DHEAやエストラジオール等のIL−2産
生増強作用が知られているホルモン(Daynesら、
Eur.J.Immunol.Vol.20,793−
802ページ(1990))や核酸誘導体やアミノ酸誘
導体などを用いて外からIL−2を投与すると同様の効
果をもたらすことができる。また、後記実施例3で示す
ように、患者末梢血、腫瘍浸潤リンパ球もしくはこれら
の細胞を適切なサイトカインの存在下で培養し、活性化
した細胞、または、不活化した自己腫瘍細胞に、哺乳類
細胞中で発現する形で構築したIL−2遺伝子を含むベ
クター、例えば、KasidらのProc.Natl.
Sci.USA,Vol.87,473−477ページ
(1990)に記載のレトロウイルスベクター等を用い
IL−2遺伝子を導入することにより構成的にIL−2
を産生するようになった細胞を患者の体内に戻す事によ
り生体内でIL−2を構成的に誘導する方法によって
も、体内で相応のIL−2濃度をIL−2投与同様に保
持することができれば良い。
【0014】本発明者らは、in vivoにおいて免
疫化学療法による治療をすり抜けた癌細胞株が治療の回
数を増すに従い、免疫化学療法に対し抵抗性を獲得する
事、そして、この抵抗性の獲得には、悪液質の一成因と
考えられているPGE2の癌細胞での産生増強が関与す
る事を見いだしている(菊池ら、「免疫化学療法剤のt
umor progressionに対する作用」第5
1回日本癌学会総会(大阪)256(1992))。本
発明者等は、鋭意研究を重ねた結果、該免疫化療剤抵抗
性株に対する治療効果を以て、癌悪液質状況下で悪液質
を抑制しかつ腫瘍増殖抑制効果を持つ新規薬剤の評価系
として使用可能である事を見いだした。すなわち、後記
実施例1で示す様にPGE2産生量が低い元株にたいし
ては、化学療法剤単独、レンチナン単独、もしくはIL
−2単独では抗腫瘍効果を示さないが、化学療法剤とレ
ンチナンもしくはレンチナンとIL−2の併用によって
著明な抗腫瘍効果が発現されることを確認した。一方、
免疫化学療法による治療を3回すり抜けた細胞株であり
中程度にPGE2産生が増強した細胞株であるvp3に
対しては、もはや癌化学療法剤とレンチナンの併用は治
療効果を示さず、レンチナンとIL−2の併用のみが効
果を示す。しかしながら、免疫化学療法のin viv
o治療を5回すり抜けた、よりPGE2産生の程度が増
した細胞株であるvp5に対してはレンチナンとIL−
2の併用でも治療効果が確認されなかった。。このよう
にin vivoにおける免疫化学療法剤治療を用いた
選択の結果得られた本耐性株は悪液質成因の一要因であ
るPGE2産生の亢進により化学療法及び免疫化学療法
いずれに対しても効果を示さず、担癌末期での悪液質に
類似した状況を示す。すなわち、本耐性株を用いること
により速やかに担癌末期での状況と同様の状況を作り出
すことが可能となった。本発明者らは、本耐性株を用い
多くの薬剤をスクリーニングした結果、後記実施例1に
示すごとく、抗腫瘍性多糖を始めとする生体防御賦活剤
とIL−2および5’−DFURや、インドメサシン
や、次硝酸ビスマスなどの悪液質抑制剤との組み合わせ
が本耐性株(vp.5)においても著明な抗腫瘍効果を
発現することを見いだした。本知見は、これら3剤の併
用が臨床における担癌末期での悪液質状態下において悪
液質を改善し更に抗腫瘍効果を示す事を示唆するもので
ある。そこで、これら3剤併用療法の悪液質状況下での
治療効果の有無をより臨床での悪液質状態に近いと想定
される担癌末期における治療効果により評価した。後記
実施例2に示す如く、担癌末期においてはこれら3剤の
単独およびそれぞれ2者の併用においては有意な抗腫瘍
効果は認められなかった。例外的に、5’−DFURと
レンチナンとの併用では一部のマウスで完全治癒が認め
られるものの、大部分のマウスを治癒にいたらしめるに
は至らなかった。一方、3剤併用では大多数のマウスが
完全治癒に至り、従来の薬剤には認められない効果が発
現された。本効果は従来の知見からは類推不能な相乗的
な抗腫瘍効果として確認されたものである。また、レン
チナンに換えて生体防御賦活剤としてソニフィラン用い
た場合やIL−2に換えてIL−2誘導物質であるDH
EAを用いた場合いずれも同様の結果が得られた。
疫化学療法による治療をすり抜けた癌細胞株が治療の回
数を増すに従い、免疫化学療法に対し抵抗性を獲得する
事、そして、この抵抗性の獲得には、悪液質の一成因と
考えられているPGE2の癌細胞での産生増強が関与す
る事を見いだしている(菊池ら、「免疫化学療法剤のt
umor progressionに対する作用」第5
1回日本癌学会総会(大阪)256(1992))。本
発明者等は、鋭意研究を重ねた結果、該免疫化療剤抵抗
性株に対する治療効果を以て、癌悪液質状況下で悪液質
を抑制しかつ腫瘍増殖抑制効果を持つ新規薬剤の評価系
として使用可能である事を見いだした。すなわち、後記
実施例1で示す様にPGE2産生量が低い元株にたいし
ては、化学療法剤単独、レンチナン単独、もしくはIL
−2単独では抗腫瘍効果を示さないが、化学療法剤とレ
ンチナンもしくはレンチナンとIL−2の併用によって
著明な抗腫瘍効果が発現されることを確認した。一方、
免疫化学療法による治療を3回すり抜けた細胞株であり
中程度にPGE2産生が増強した細胞株であるvp3に
対しては、もはや癌化学療法剤とレンチナンの併用は治
療効果を示さず、レンチナンとIL−2の併用のみが効
果を示す。しかしながら、免疫化学療法のin viv
o治療を5回すり抜けた、よりPGE2産生の程度が増
した細胞株であるvp5に対してはレンチナンとIL−
2の併用でも治療効果が確認されなかった。。このよう
にin vivoにおける免疫化学療法剤治療を用いた
選択の結果得られた本耐性株は悪液質成因の一要因であ
るPGE2産生の亢進により化学療法及び免疫化学療法
いずれに対しても効果を示さず、担癌末期での悪液質に
類似した状況を示す。すなわち、本耐性株を用いること
により速やかに担癌末期での状況と同様の状況を作り出
すことが可能となった。本発明者らは、本耐性株を用い
多くの薬剤をスクリーニングした結果、後記実施例1に
示すごとく、抗腫瘍性多糖を始めとする生体防御賦活剤
とIL−2および5’−DFURや、インドメサシン
や、次硝酸ビスマスなどの悪液質抑制剤との組み合わせ
が本耐性株(vp.5)においても著明な抗腫瘍効果を
発現することを見いだした。本知見は、これら3剤の併
用が臨床における担癌末期での悪液質状態下において悪
液質を改善し更に抗腫瘍効果を示す事を示唆するもので
ある。そこで、これら3剤併用療法の悪液質状況下での
治療効果の有無をより臨床での悪液質状態に近いと想定
される担癌末期における治療効果により評価した。後記
実施例2に示す如く、担癌末期においてはこれら3剤の
単独およびそれぞれ2者の併用においては有意な抗腫瘍
効果は認められなかった。例外的に、5’−DFURと
レンチナンとの併用では一部のマウスで完全治癒が認め
られるものの、大部分のマウスを治癒にいたらしめるに
は至らなかった。一方、3剤併用では大多数のマウスが
完全治癒に至り、従来の薬剤には認められない効果が発
現された。本効果は従来の知見からは類推不能な相乗的
な抗腫瘍効果として確認されたものである。また、レン
チナンに換えて生体防御賦活剤としてソニフィラン用い
た場合やIL−2に換えてIL−2誘導物質であるDH
EAを用いた場合いずれも同様の結果が得られた。
【0015】更に、後記実施例3に示すごとく、これら
の3剤併用療法は臨床での悪液質パラメーターの一つで
ある宿主体重の減少を誘発する悪液質モデル系に於いて
も宿主体重の減少の抑制という悪液質抑制効果に加え、
著明な腫瘍縮小効果という抗腫瘍効果も合わせ持つこと
が明らかになった。
の3剤併用療法は臨床での悪液質パラメーターの一つで
ある宿主体重の減少を誘発する悪液質モデル系に於いて
も宿主体重の減少の抑制という悪液質抑制効果に加え、
著明な腫瘍縮小効果という抗腫瘍効果も合わせ持つこと
が明らかになった。
【0016】以上の事実は、これら3剤併用薬剤が、臨
床においても抗腫瘍効果を発現する薬剤としての有用性
を示すものである。
床においても抗腫瘍効果を発現する薬剤としての有用性
を示すものである。
【0017】このような(a)レンチナンを始めとする
抗腫瘍性多糖、および(b)IL−2もしくはIL−2
誘導物質、および(c)悪液質抑制剤の組み合わせから
なる薬剤とは、それぞれの有効成分を個別にまたは同時
に含んで成る薬剤であって、本発明の目的とする効能を
奏するものであればその剤形並びに使用する賦形剤、割
合および投与経路を問わない。従って、有効成分を個別
に含んで成る薬剤にあっては、それぞれ異なる経路およ
び/または異なる時間に同一の患者に対して投与された
場合であっても所期の効能を示す限り本発明の組み合わ
せよりなる薬剤の概念に包含される。
抗腫瘍性多糖、および(b)IL−2もしくはIL−2
誘導物質、および(c)悪液質抑制剤の組み合わせから
なる薬剤とは、それぞれの有効成分を個別にまたは同時
に含んで成る薬剤であって、本発明の目的とする効能を
奏するものであればその剤形並びに使用する賦形剤、割
合および投与経路を問わない。従って、有効成分を個別
に含んで成る薬剤にあっては、それぞれ異なる経路およ
び/または異なる時間に同一の患者に対して投与された
場合であっても所期の効能を示す限り本発明の組み合わ
せよりなる薬剤の概念に包含される。
【0018】本発明の製剤は、場合によりさらに別の効
能を有する薬剤を含有することができ、それ自体既知の
方法によって製造される。そして有効成分である上記
(a),(b),(c)をそれぞれ約0.1%−99.
9%。、好ましくは、約1.0%−99.0%、また凍
結乾燥の場合には100%まで含むことができる。
能を有する薬剤を含有することができ、それ自体既知の
方法によって製造される。そして有効成分である上記
(a),(b),(c)をそれぞれ約0.1%−99.
9%。、好ましくは、約1.0%−99.0%、また凍
結乾燥の場合には100%まで含むことができる。
【0019】本発明の薬剤の投与は、患者の病態に応じ
てその最適の投与方法および単位投与量を専門医が選ぶ
ことができる。これらの製剤は同時に、または相違する
時期に同一または異なる経路で投与する事ができる。
てその最適の投与方法および単位投与量を専門医が選ぶ
ことができる。これらの製剤は同時に、または相違する
時期に同一または異なる経路で投与する事ができる。
【0020】
【実施例】以下の各例は、本発明をより具体的に説明す
ることを目的として提供する。従って、本発明が以下の
実施例により何等制限を受けるものではない。
ることを目的として提供する。従って、本発明が以下の
実施例により何等制限を受けるものではない。
【0021】実施例1 レンチナン、IL−2、インド
メサシン、次硝酸ビスマス、5’−DFUR、による免
疫化学療法剤耐性株に対する癌退縮効果 B10.D2マウスに同系腫瘍S908.D2線維肉腫
2X106/0.1ml皮内移植し、10日後にシクロ
フォスファミド(以後、CYと称す)を100mg/k
g腹腔内投与し、17日後より5日間レンチナン5mg
/kg腹腔内投与すると(以後、免疫化学療法治療と称
す)、9匹中全てのマウス原発巣の完全退縮が認められ
るが、完全治癒に至るマウスは中8匹であり、残り1匹
はリンパ節に転移再発を来す。この転移巣由来の癌細胞
株をvp.1と名付けた。vp.1を元株と同様に同系
マウスに移植後、同様の免疫化学療法治療を行ったが、
完全治癒に至るマウスは9匹中6匹に留まり、免疫化学
療法治療に対し部分的抵抗性を獲得している事が示され
た。表1に示すように、この治療抵抗性は免疫化学療法
を繰り返すに従い増強することが明らかになった(繰り
返した治療の回数は各癌細胞株のvp.の後の数字に対
応する)。また、治療抵抗性の獲得に従い、悪液質成因
の一つと想定されているPGE2産生能の増強が認めら
れた(表1)。このようにして得られた免疫化療剤抵抗
性株vp.5に対する5’−DFUR,インドメサシ
ン、次硝酸ビスマス、レンチナン、IL−2単独もしく
は併用での抗腫瘍効果を検討した。癌細胞株は、同系マ
ウスに2X106/0.1ml皮内移植した。5’−D
FURは、移植後10日目より、1日おきに130mg
/kg腹腔内投与した。インドメサシンは、移植後10
日目より14μg/mlの濃度で飲料水に混合し、経口
投与した。次硝酸ビスマスは移植後10日目より7日間
50mg/kg経口投与した。レンチナンは移植後17
日目より、5日間5mg/kg腹腔内投与した。IL−
2は19日目より4日間、1日2回2μg/匹腹腔内投
与した。治療効果の判定は、腫瘍移植60日目における
触知法による残存腫瘍の有無を以て判断した。結果を表
2に示す。
メサシン、次硝酸ビスマス、5’−DFUR、による免
疫化学療法剤耐性株に対する癌退縮効果 B10.D2マウスに同系腫瘍S908.D2線維肉腫
2X106/0.1ml皮内移植し、10日後にシクロ
フォスファミド(以後、CYと称す)を100mg/k
g腹腔内投与し、17日後より5日間レンチナン5mg
/kg腹腔内投与すると(以後、免疫化学療法治療と称
す)、9匹中全てのマウス原発巣の完全退縮が認められ
るが、完全治癒に至るマウスは中8匹であり、残り1匹
はリンパ節に転移再発を来す。この転移巣由来の癌細胞
株をvp.1と名付けた。vp.1を元株と同様に同系
マウスに移植後、同様の免疫化学療法治療を行ったが、
完全治癒に至るマウスは9匹中6匹に留まり、免疫化学
療法治療に対し部分的抵抗性を獲得している事が示され
た。表1に示すように、この治療抵抗性は免疫化学療法
を繰り返すに従い増強することが明らかになった(繰り
返した治療の回数は各癌細胞株のvp.の後の数字に対
応する)。また、治療抵抗性の獲得に従い、悪液質成因
の一つと想定されているPGE2産生能の増強が認めら
れた(表1)。このようにして得られた免疫化療剤抵抗
性株vp.5に対する5’−DFUR,インドメサシ
ン、次硝酸ビスマス、レンチナン、IL−2単独もしく
は併用での抗腫瘍効果を検討した。癌細胞株は、同系マ
ウスに2X106/0.1ml皮内移植した。5’−D
FURは、移植後10日目より、1日おきに130mg
/kg腹腔内投与した。インドメサシンは、移植後10
日目より14μg/mlの濃度で飲料水に混合し、経口
投与した。次硝酸ビスマスは移植後10日目より7日間
50mg/kg経口投与した。レンチナンは移植後17
日目より、5日間5mg/kg腹腔内投与した。IL−
2は19日目より4日間、1日2回2μg/匹腹腔内投
与した。治療効果の判定は、腫瘍移植60日目における
触知法による残存腫瘍の有無を以て判断した。結果を表
2に示す。
【0022】
【表1】 *完全治癒とは、腫瘍が触知不能になり250日以上の
間増殖せず、マウス個体も生存しているものを示す。
間増殖せず、マウス個体も生存しているものを示す。
【0023】
【表2】
【0024】表2に示す如く、元株に対しては、それぞ
れ単独では治療効果を認めないが、5’−DFURとレ
ンチナンの併用およびインドメサシンとレンチナンの併
用、更にレンチナンとIL−2との併用によりそれぞれ
8/9、6/9、9/9のマウスで治療効果を示した。
然るに、免疫化学療法耐性株(vp.5)においては
5’−DFURとレンチナンとIL−2との3剤併用も
しくはインドメサシンとレンチナンとIL−2との3剤
併用および次硝酸ビスマスとレンチナンとIL−2の3
剤併用のみがそれぞれ8/9,7/9,6/9のマウス
で治療効果を示した。
れ単独では治療効果を認めないが、5’−DFURとレ
ンチナンの併用およびインドメサシンとレンチナンの併
用、更にレンチナンとIL−2との併用によりそれぞれ
8/9、6/9、9/9のマウスで治療効果を示した。
然るに、免疫化学療法耐性株(vp.5)においては
5’−DFURとレンチナンとIL−2との3剤併用も
しくはインドメサシンとレンチナンとIL−2との3剤
併用および次硝酸ビスマスとレンチナンとIL−2の3
剤併用のみがそれぞれ8/9,7/9,6/9のマウス
で治療効果を示した。
【0025】実施例2 レンチナン、ソニフィラン、I
L−2、DHEA、5’−DFUR、による担癌末期状
態における癌退縮効果 B10.D2マウスに同系腫瘍S908.D2線維肉腫
2X106/0.1ml皮内移植し、24日後からの
5’−DFUR、レンチナン、ソニフィラン、IL−2
単独もしくは併用での抗腫瘍効果を検討した。5’−D
FURは、移植後24日目より、1日おきに130mg
/kg腹腔内投与した。レンチナンまたはソニフィラン
は移植後31日目より、5日間5mg/kg腹腔内投与
した。IL−2は32日目より4日間、1日2回2μg
/匹腹腔内投与した。DHEAは32日目より14日間
0.45%のDHEAを含む飲料水を自由摂取させた。
治療効果の判定は、平均生存日数と腫瘍移植140日目
における残存腫瘍の有無を以て判断した。
L−2、DHEA、5’−DFUR、による担癌末期状
態における癌退縮効果 B10.D2マウスに同系腫瘍S908.D2線維肉腫
2X106/0.1ml皮内移植し、24日後からの
5’−DFUR、レンチナン、ソニフィラン、IL−2
単独もしくは併用での抗腫瘍効果を検討した。5’−D
FURは、移植後24日目より、1日おきに130mg
/kg腹腔内投与した。レンチナンまたはソニフィラン
は移植後31日目より、5日間5mg/kg腹腔内投与
した。IL−2は32日目より4日間、1日2回2μg
/匹腹腔内投与した。DHEAは32日目より14日間
0.45%のDHEAを含む飲料水を自由摂取させた。
治療効果の判定は、平均生存日数と腫瘍移植140日目
における残存腫瘍の有無を以て判断した。
【0026】
【表3】
【0027】表3に示すように、レンチナン、ソニフィ
ラン、IL−2、DHEA単独では無治療マウスに比
し、有意な生存日数の延長は認められなかった。5’−
DFURでは約20%の生存日数の延長は認められた
が、移植後140日での生存マウスは認められなかっ
た。5’−DFURとIL−2もしくはDHEAとの併
用は5’−DFUR単独に比し、有意な治療効果の増強
は認められなかった。5’−DFURとレンチナン、レ
ンチナンとIL−2、およびレンチナンとDHEAとの
併用ではそれぞれ平均生存日数114.2日、103.
5日、94.1日であり、また移植後140日での残存
腫瘍の存在しないマウスもそれぞれ3/9,1/9,1
/9の割合で認められた。更に、5’−DFURとレン
チナンとIL−2との3剤併用および5’−DFURと
レンチナンとDHEAとの3剤併用および5’−DFU
RとソニフィランとIL−2の3剤併用ではそれぞれ平
均生存日数>218.3日、>195.6日、>18
9.1日であり、また140日目の残存腫瘍の存在しな
いマウスの割合も8/9,6/9,6/9と著明な治療
効果を発揮することが明らかになった。
ラン、IL−2、DHEA単独では無治療マウスに比
し、有意な生存日数の延長は認められなかった。5’−
DFURでは約20%の生存日数の延長は認められた
が、移植後140日での生存マウスは認められなかっ
た。5’−DFURとIL−2もしくはDHEAとの併
用は5’−DFUR単独に比し、有意な治療効果の増強
は認められなかった。5’−DFURとレンチナン、レ
ンチナンとIL−2、およびレンチナンとDHEAとの
併用ではそれぞれ平均生存日数114.2日、103.
5日、94.1日であり、また移植後140日での残存
腫瘍の存在しないマウスもそれぞれ3/9,1/9,1
/9の割合で認められた。更に、5’−DFURとレン
チナンとIL−2との3剤併用および5’−DFURと
レンチナンとDHEAとの3剤併用および5’−DFU
RとソニフィランとIL−2の3剤併用ではそれぞれ平
均生存日数>218.3日、>195.6日、>18
9.1日であり、また140日目の残存腫瘍の存在しな
いマウスの割合も8/9,6/9,6/9と著明な治療
効果を発揮することが明らかになった。
【0028】実施例3 5’−DFUR、レンチナン、
IL−2遺伝子導入活性化リンパ球による悪液質モデル
(体重減少)における癌退縮効果 CDF1マウスにマウス大腸癌細胞colon261X
106を皮下移植し、10日後の所属リンパ節細胞を採
取し、in vitroにてIL−2(100u/m
l)、10%牛胎仔血清を含むRPMI1640で5日
間培養した。この細胞にヒトIL−2遺伝子およびNe
o耐性遺伝子を哺乳類細胞中で発現可能な形で導入した
レトロウイルスベクター(pDGL/pDGL−IL−
2)(図1;高原ら、Human Cell、vol.
4、18−24ページ、(1991))を含む組み替え
ウイルスを感染させることにより遺伝子を導入した。遺
伝子導入細胞のみを選択するためにG418(50μg
/ml)、IL−2(100u/ml)、10%牛胎仔
血清を含むRPMI1640で5日間培養した後の生存
細胞をIL−2(100u/ml)、10%牛胎仔血清
を含むRPMI1640で10日間培養したものをIL
−2遺伝子導入活性化リンパ球とした。対象の活性化リ
ンパ球としてはNeo耐性遺伝子のみを含むレトロウイ
ルスベクター(pDGL−Neo)を感染させて得た細
胞を用いた。これら活性化リンパ球、IL−2、レンチ
ナン、5’−DFURの単独もしくは併用での抗腫瘍効
果を以下の系で確認した。すなわち、CDF1マウスに
マウス大腸癌細胞colon261X106を皮下移植
した。14日後より1日おきに130mg/kg腹腔内
投与した。レンチナンは20日目より5日間5mg/k
g腹腔内投与した。IL−2は22日目より5日間、1
日2回2μg/匹腹腔内投与した。IL−2遺伝子導入
活性化リンパ球もしくは対象の活性化リンパ球は22日
目に1X107を尾静脈より1回投与した。治療効果の
判定は、移植後40日目の平均腫瘍重量、残存腫瘍の有
無、宿主体重の変化を以て行った。
IL−2遺伝子導入活性化リンパ球による悪液質モデル
(体重減少)における癌退縮効果 CDF1マウスにマウス大腸癌細胞colon261X
106を皮下移植し、10日後の所属リンパ節細胞を採
取し、in vitroにてIL−2(100u/m
l)、10%牛胎仔血清を含むRPMI1640で5日
間培養した。この細胞にヒトIL−2遺伝子およびNe
o耐性遺伝子を哺乳類細胞中で発現可能な形で導入した
レトロウイルスベクター(pDGL/pDGL−IL−
2)(図1;高原ら、Human Cell、vol.
4、18−24ページ、(1991))を含む組み替え
ウイルスを感染させることにより遺伝子を導入した。遺
伝子導入細胞のみを選択するためにG418(50μg
/ml)、IL−2(100u/ml)、10%牛胎仔
血清を含むRPMI1640で5日間培養した後の生存
細胞をIL−2(100u/ml)、10%牛胎仔血清
を含むRPMI1640で10日間培養したものをIL
−2遺伝子導入活性化リンパ球とした。対象の活性化リ
ンパ球としてはNeo耐性遺伝子のみを含むレトロウイ
ルスベクター(pDGL−Neo)を感染させて得た細
胞を用いた。これら活性化リンパ球、IL−2、レンチ
ナン、5’−DFURの単独もしくは併用での抗腫瘍効
果を以下の系で確認した。すなわち、CDF1マウスに
マウス大腸癌細胞colon261X106を皮下移植
した。14日後より1日おきに130mg/kg腹腔内
投与した。レンチナンは20日目より5日間5mg/k
g腹腔内投与した。IL−2は22日目より5日間、1
日2回2μg/匹腹腔内投与した。IL−2遺伝子導入
活性化リンパ球もしくは対象の活性化リンパ球は22日
目に1X107を尾静脈より1回投与した。治療効果の
判定は、移植後40日目の平均腫瘍重量、残存腫瘍の有
無、宿主体重の変化を以て行った。
【0029】
【表4】
【0030】表4に示す如く、レンチナンもしくはIL
−2単独での治療もしくはこれら2剤の併用治療では、
無治療群に対し腫瘍増殖および宿主体重の減少の有意な
抑制は認められなかった。5’−DFUR単独では有意
な腫瘍増殖および宿主体重の減少の抑制が認められた
が、移植後40日目における残存腫瘍が存在しないマウ
スは見られなかった。5’−DFURとIL−2との併
用は、5’−DFUR単独に比し有意な治療効果の増強
は認められなかった。5’−DFURとレンチナンとの
併用は5’−DFUR単独に比し、有意な腫瘍増殖の抑
制が認められたが、移植後40日目の残存腫瘍が存在し
ないマウスは認められなかった。一方、5’−DFU
R、レンチナン、IL−2との併用では、宿主体重の減
少の抑制に加え、強い腫瘍増殖の抑制が認められ、更に
移植後40日目の残存腫瘍の存在しないマウスも7/9
の割合で認められ、実質的治療効果を示した。また、
5’−DFUR、レンチナン、IL−2遺伝子導入リン
パ球の併用においても強い腫瘍増殖の抑制が認められ、
残存腫瘍が存在しないマウスの割合も4/9で認められ
た。IL−2遺伝子導入活性化リンパ球の代わりにIL
−2遺伝子を導入していない活性化リンパ球を用いた場
合には、残存腫瘍が存在しないマウスは認められなかっ
た。
−2単独での治療もしくはこれら2剤の併用治療では、
無治療群に対し腫瘍増殖および宿主体重の減少の有意な
抑制は認められなかった。5’−DFUR単独では有意
な腫瘍増殖および宿主体重の減少の抑制が認められた
が、移植後40日目における残存腫瘍が存在しないマウ
スは見られなかった。5’−DFURとIL−2との併
用は、5’−DFUR単独に比し有意な治療効果の増強
は認められなかった。5’−DFURとレンチナンとの
併用は5’−DFUR単独に比し、有意な腫瘍増殖の抑
制が認められたが、移植後40日目の残存腫瘍が存在し
ないマウスは認められなかった。一方、5’−DFU
R、レンチナン、IL−2との併用では、宿主体重の減
少の抑制に加え、強い腫瘍増殖の抑制が認められ、更に
移植後40日目の残存腫瘍の存在しないマウスも7/9
の割合で認められ、実質的治療効果を示した。また、
5’−DFUR、レンチナン、IL−2遺伝子導入リン
パ球の併用においても強い腫瘍増殖の抑制が認められ、
残存腫瘍が存在しないマウスの割合も4/9で認められ
た。IL−2遺伝子導入活性化リンパ球の代わりにIL
−2遺伝子を導入していない活性化リンパ球を用いた場
合には、残存腫瘍が存在しないマウスは認められなかっ
た。
【0031】
【発明の効果】延命効果、腫瘍縮小効果を併せ持ち、末
期癌患者や悪液質状態の患者においても有用性の期待さ
れる抗腫瘍剤を提供することができた。
期癌患者や悪液質状態の患者においても有用性の期待さ
れる抗腫瘍剤を提供することができた。
【図1】pDGLベクターの構造を表わす。領域IはpL
MV-1( )のSma I-Bgl II(1.9 kb) 断片で
ある。領域IIはpZIP-NeoSV(X)1.3' スプライス・アクセ
プター部位のBam HI-Sma I(0.34 kb)(
)断片である。領域IIIは HTLV-I プロバイラス・ゲ
ノムの Hind III-Bam HI(0.21 kb)() 断片である。領
域IV は pDOL の Bam HI-Sma I (5'LTR)8.3 KB 断片
( )である。
MV-1( )のSma I-Bgl II(1.9 kb) 断片で
ある。領域IIはpZIP-NeoSV(X)1.3' スプライス・アクセ
プター部位のBam HI-Sma I(0.34 kb)(
)断片である。領域IIIは HTLV-I プロバイラス・ゲ
ノムの Hind III-Bam HI(0.21 kb)() 断片である。領
域IV は pDOL の Bam HI-Sma I (5'LTR)8.3 KB 断片
( )である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年1月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】pDGLベクターの構造を表わす。領域IはpM
LV-1( Berms A. J. M.et al., J. Viol., 36, p.254-2
63 (1980))のSma I-Bgl II(1.9 kb) 断片である。領域
IIはpZIP-NeoSV(X)1.3' スプライス・アクセプター部位
のBam HI-Sma I(0.34 kb)( Cepko C. L. et al., Cel
l. 37, p.1053-1062 (1984))断片である。領域IIIは H
TLV-I プロバイラス・ゲノムの Hind III-Bam HI(0.21
kb) ( Seiki M. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. US
A, 80, p.3618-3622 (1983))断片である。領域IV は p
DOL の Bam HI-Sma I (5'LTR)8.3 KB 断片(Korman A.
J.et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 84, p.2150-2
154 (1987))である。
LV-1( Berms A. J. M.et al., J. Viol., 36, p.254-2
63 (1980))のSma I-Bgl II(1.9 kb) 断片である。領域
IIはpZIP-NeoSV(X)1.3' スプライス・アクセプター部位
のBam HI-Sma I(0.34 kb)( Cepko C. L. et al., Cel
l. 37, p.1053-1062 (1984))断片である。領域IIIは H
TLV-I プロバイラス・ゲノムの Hind III-Bam HI(0.21
kb) ( Seiki M. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. US
A, 80, p.3618-3622 (1983))断片である。領域IV は p
DOL の Bam HI-Sma I (5'LTR)8.3 KB 断片(Korman A.
J.et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 84, p.2150-2
154 (1987))である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 羽室 淳爾 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味の 素株式会社中央研究所内
Claims (20)
- 【請求項1】 生体防御賦活剤とヒトインターロイキン
2と癌悪液質抑制剤との組み合わせよりなる抗腫瘍剤。 - 【請求項2】 生体防御賦活剤が、抗腫瘍性多糖である
ことを特徴とする請求項1記載の抗腫瘍剤。 - 【請求項3】 生体防御賦活剤が、レンチナン、ソニフ
ィランもしくはクレスチンであることを特徴とする請求
項2記載の抗腫瘍剤。 - 【請求項4】 癌悪液質抑制剤が、アラキドン酸代謝産
物産生阻害剤であることを特徴とする請求項1記載の抗
腫瘍剤。 - 【請求項5】 癌悪液質抑制剤が、炎症性サイトカイン
(TGF−β、TNF、IL−6など)の産生、作用阻
害剤であることを特徴とする請求項1記載の抗腫瘍剤。 - 【請求項6】 癌悪液質抑制剤が、腫瘍血管増殖阻害剤
であることを特徴とする請求項1記載の抗腫瘍剤。 - 【請求項7】 癌悪液質抑制剤が、炎症性マクロファー
ジを選択的に消去したり同細胞の誘導を抑制したりする
ものであることを特徴とする請求項1記載の抗腫瘍剤。 - 【請求項8】 癌悪液質抑制剤が、活性酸素捕捉剤や活
性酸素スカベンジャー誘導剤であることを特徴とする請
求項1記載の抗腫瘍剤。 - 【請求項9】 癌悪液質抑制剤が、癌の悪性化の進展に
伴い癌局所に増強する酵素によって活性体に変換される
癌化学療法剤のプロドラッグであることを特徴とする請
求項1記載の抗腫瘍剤。 - 【請求項10】アラキドン酸代謝産物産生阻害剤が、非
ステロイド系抗炎症剤である事を特徴とする請求項4記
載の抗腫瘍剤。 - 【請求項11】腫瘍内血管増殖阻害剤が、フマギリン誘
導体であることを特徴とする請求項6記載の抗腫瘍剤。 - 【請求項12】活性酸素捕捉剤や活性酸素捕捉剤誘導剤
が、カタラーゼ、次硝酸ビスマス、マンニトール、スー
パーオキシドデスミューテース(SOD)、チオレドキ
シン、もしくはグルタチオンであることを特徴とする請
求項8記載の抗腫瘍剤。 - 【請求項13】癌化学療法剤のプロドラッグが、ピリミ
ジンヌクレオチドホスフォリラーゼ、マトリックスメタ
ロプロテアーゼにより活性体に変換される癌化学療法剤
のプロドラッグであることを特徴とする請求項9記載の
抗腫瘍剤。 - 【請求項14】癌化学療法剤のプロドラッグが、5’−
デオキシ−5−フルオロウリジンであることを特徴とす
る請求項13記載の抗腫瘍剤。 - 【請求項15】ヒトインターロイキン2が、薬剤の投与
により生体内で誘導されるものである事を特徴とする請
求項1記載の抗腫瘍剤。 - 【請求項16】ヒトインターロイキン2産生誘導物質
が、デヒドロキシエピアンドロステロン、エストラジオ
ールなどのホルモン類、核酸誘導体もしくはアミノ酸誘
導体のいずれかであることを特徴とする請求項15記載
の抗腫瘍剤。 - 【請求項17】ヒトインターロイキン2産生誘導物質
が、ヒトインターロイキン2遺伝子を哺乳類細胞中で発
現可能な形で構築されたプラスミドであることを特徴と
する請求項15記載の抗腫瘍剤。 - 【請求項18】プラスミドが、不活化腫瘍細胞もしく
は、正常細胞もしくは免疫エフェクター細胞(CTL,
TIL,LAK,NK細胞)に導入された細胞によりヒ
トインターロイキン2を産生させることを特徴とする請
求項17記載の抗腫瘍剤。 - 【請求項19】プラスミドが、生体内に投与することに
より体内標的細胞に選択的に導入され選択的に遺伝子発
現し、局所でヒトインターロイキン2を産生させること
を特徴とする請求項17記載の抗腫瘍剤。 - 【請求項20】各構成物質をキットの形で含むことを特
徴とする請求項1ないしは19記載の抗腫瘍剤。
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---|---|---|---|
JP30385592A JP3199081B2 (ja) | 1992-11-13 | 1992-11-13 | 抗腫瘍剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30385592A JP3199081B2 (ja) | 1992-11-13 | 1992-11-13 | 抗腫瘍剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06157333A true JPH06157333A (ja) | 1994-06-03 |
JP3199081B2 JP3199081B2 (ja) | 2001-08-13 |
Family
ID=17926109
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30385592A Expired - Fee Related JP3199081B2 (ja) | 1992-11-13 | 1992-11-13 | 抗腫瘍剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3199081B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1996007433A1 (fr) * | 1994-09-09 | 1996-03-14 | Japanese Foundation For Cancer Research | Substance de therapie genique contre le cancer, composition medicale et methode therapeutique |
US5693610A (en) * | 1994-08-25 | 1997-12-02 | Kureha Chemical Industry Co., Ltd. | Binding agent for growth factor |
JP2006518350A (ja) * | 2003-02-18 | 2006-08-10 | クリニーク ラ プレリー リサーチ エスエー | 胎児ヘモグロビン、細菌エンドトキシン、および任意でさらなる胎児肝成分を含む組成物 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005118304A1 (ja) | 2004-06-01 | 2005-12-15 | Canon Kabushiki Kaisha | 被記録媒体、該被記録媒体の製造方法、及び該被記録媒体を用いた画像形成方法 |
-
1992
- 1992-11-13 JP JP30385592A patent/JP3199081B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5693610A (en) * | 1994-08-25 | 1997-12-02 | Kureha Chemical Industry Co., Ltd. | Binding agent for growth factor |
EP0702028A3 (en) * | 1994-08-25 | 1998-07-08 | Kureha Chemical Industry Co., Ltd. | Binding agent for growth factor |
WO1996007433A1 (fr) * | 1994-09-09 | 1996-03-14 | Japanese Foundation For Cancer Research | Substance de therapie genique contre le cancer, composition medicale et methode therapeutique |
JP2006518350A (ja) * | 2003-02-18 | 2006-08-10 | クリニーク ラ プレリー リサーチ エスエー | 胎児ヘモグロビン、細菌エンドトキシン、および任意でさらなる胎児肝成分を含む組成物 |
US7968103B2 (en) | 2003-02-18 | 2011-06-28 | Josette Westphal, legal representative | Compositions comprising fetal hemoglobin and bacterial endotoxin and optionally additional fetal liver components |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3199081B2 (ja) | 2001-08-13 |
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