JPH06157332A - 血管再建術後血管再狭窄及び動脈硬化の治療用医薬組成物 - Google Patents

血管再建術後血管再狭窄及び動脈硬化の治療用医薬組成物

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JPH06157332A
JPH06157332A JP4303901A JP30390192A JPH06157332A JP H06157332 A JPH06157332 A JP H06157332A JP 4303901 A JP4303901 A JP 4303901A JP 30390192 A JP30390192 A JP 30390192A JP H06157332 A JPH06157332 A JP H06157332A
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JP4303901A
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Yukiro Maruyama
征郎 丸山
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 トロンボモジュリン又はその相同変異体を主
成分とする血管再建術後血管再狭窄及び動脈硬化の治療
用医薬組成物 【構成】 血管再建術後の血管再狭窄症あるいは動脈硬
化症の進展過程においてヒトトロンボモジュリンポリペ
プチド又はその相同変異体を適当な担体と混合し、静脈
内投与、経口投与、などの投与経路で投与し、上記疾患
の予防及び治療に用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は血管中膜平滑筋細胞の異
常増殖を原因とする様々な疾患、例えば血管再形成術後
の血管再狭窄を含む血流不全、及び動脈硬化症に対する
予防薬、治療薬として期待できるヒトトロンボモジュリ
ンポリペプチド又はその部分ペプチドを含む医薬組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、狭心症、急性心筋梗塞に対し経皮
的冠動脈再建術(PTCA)が成功率の高い治療法とし
て広く適用されるに至っている。しかしながら、冠動脈
再灌流後の血管再狭窄が本治療適用の障害となってい
る。この血管再狭窄はPTCA後数日以内に起る急性期
再狭窄と3〜6ケ月後に起る遠隔期再狭窄とに分類でき
る。急性期再狭窄は血管傷害後の血液凝固亢進、血小板
粘着凝集が原因となって発症することが明らかになって
おり、PTCA施行中および1〜2日後にわたるヘパリ
ン投与でその発症が効率的に予防されており臨床上ほと
んど問題とはなっていない。一方、遠隔期の血管再狭窄
は、血管傷害に伴う中膜平滑筋細胞の異常増殖によって
起ることが確かめられており、短期間の内に進展する動
脈硬化症の一つとして捉えられている。このPTCA施
行後3〜6ケ月後の再狭窄はPTCA患者の25〜40
%という高率で発症し、PTCA施行中および1〜2日
後にわたるヘパリンの投与ではその発症が全く抑制され
ない。現在のところ、遠隔期の再狭窄を起こした患者に
は再びPTCAを行うなどの処置が施されているにすぎ
ず、有効な治療法、予防法が見出されておらず、PTC
A施行の最大の障害となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】血管傷害後様々な複
合病変を伴って起こる血管内腔狭窄すなわち動脈硬化症
の治療においては、その危険因子である高脂血症などの
軽減が図られているのみで、動脈硬化自体に対する有効
な治療法や予防法は見出されていない。又、PTCA後
の血管再狭窄の治療、予防においては、PTCA施行中
及び直後の再閉塞を防止する目的でPTCA直前から1
〜2日後までのヘパリンの持続点滴静注、アスピリンの
長期投与などが行われているが、PTCA後の遠隔期再
狭窄を確実に治療、予防する方法はなんら見出されてい
ない。以上に述べた理由から、動脈硬化症及びPTCA
後の遠隔期血管再狭窄に対する予防薬、治療薬が臨床現
場より強く求められている。
【0004】
【課題を解決するための手段】トロンボモジュリンは血
管内皮細胞膜上に存在する糖蛋白質であり、トロンビン
と特異的に結合しトロンビンの向凝固活性を阻害すると
同時にトロンビンのプロテインC活性化能を著しく促進
するため、強力な血液凝固阻害作用を有する。ヒトトロ
ンボモジュリンのcDNAのクローニングについては本
発明者らは先に明らかにした。(S.Yamamoto
ら 国際公開番号WO88/05033)トロンボモジ
ュリンはN末端からドメイン1(N末端ドメイン)、ド
メイン2(EGFドメイン)、ドメイン3(O−gly
cosylation site richドメイ
ン)、ドメイン4(膜貫通ドメイン)、ドメイン5(細
胞内ドメイン)からなり遺伝子工学的手法を用いること
により可溶性のドメイン123を大量に得ることができ
る。この可溶性の組換え型トロンボモジュリンはトロン
ビンとの結合能、プロテインC活性化促進能を保持して
おり、抗血液凝固作用を有するため血栓症及びDICな
どの凝固亢進を伴う疾患の治療、予防に有効であること
が動物実験により証明されている。さらに、トロンボモ
ジュリンの活性最小単位はドメイン2内のEGFドメイ
ン4,5,6番目であることが確かめられており、トロ
ンボモジュリンの部分ペプチドも血栓症及びDICなど
の凝固亢進を伴う疾患の治療に有効であると考えられて
いる。一方、血栓症及びDICなどの凝固亢進を伴う病
態以外の疾患に対するトロンボモジュリンの適用例はい
まだ報告されていない。本発明者らはトロンボモジュリ
ン及びその部分ペプチドの薬理作用について鋭意研究し
た結果、ラット総頚動脈バルーン傷害後の内膜肥厚をT
Mが著明に抑制することを見出した。本モデルは血管中
膜平滑筋細胞の異常増殖を伴い、PTCA後の血管内膜
肥厚の病理的変化を再現可能なモデルであるといわれて
いることから、血管中膜平滑筋細胞の異常増殖を原因と
する様々な疾患に対するトロンボモジュリン及びその部
分ペプチドの新たな医薬用途を発明するに至った。さら
に、動脈硬化発症においても中膜平滑筋細胞の異常増殖
がその主病変であることから、PTCA後血管再狭窄
症、動脈硬化症の有効な治療、予防剤としての本医薬組
成物の発明に至った。
【0005】すなわち、本発明はヒトトロンボモジュリ
ンポリペプチドを有効成分とした、血管中膜平滑筋細胞
の異常増殖を原因とする様々な疾患に対する予防、治療
剤を提供することを目的とし、また更には同有効成分を
用いたPTCA後遠隔期血管再狭窄及び動脈硬化に対す
る予防、治療剤を提供するものである。本発明のヒトト
ロンボモジュリンポリペプチドのアミノ酸部分の構造は
細胞内ドメインも含む557個のアミノ酸配列を有してい
てもよいが、生物学的活性発現部位を少なくとも含めば
よい。血管内皮傷害後の血管壁肥厚抑制に寄与するヒト
トロンボモジュリンポリペプチドの生物学的活性は不明
であるが、実施例2に示すように式Iで示されるアミノ
酸配列部位が血管傷害後の内膜肥厚を抑制したため、上
記の生物学的活性発現部位とは式Iで示されるアミノ酸
配列部位を意味する。またこのことから、コンドロイチ
ン硫酸鎖を含むトロンボモジュリンポリペプチド、およ
びコンドロイチン硫酸鎖を含まないトロンボモジュリン
ポリペプチドとも同様な内膜肥厚抑制効果を発揮すると
考えられる。好ましいアミノ酸配列部位としては、精製
工程を簡単にするために、全長アミノ酸配列から膜結合
部位及び細胞質部位(第1図第517番目〜575番
目)を除いたもの及び式Iで示されるアミノ酸配列部位
などが挙げられる。ヒトトロンボモジュリンポリペプチ
ド及びその部分ペプチドは公知の方法、例えば〔S.Y
amamotoら、国際公開番号WO88/0503
3〕に記載されている方法又は〔M.Zushiら、
J.Biol.Chem.264.10351−103
53(1989)〕に記載されている方法を用いること
により製造することができる。
【0006】本発明のヒトトロンボモジュリンポリペプ
チドをPTCA後の遠隔期再狭窄、又は動脈硬化症の治
療に用いる際には、薬剤として使用可能な担体と混合す
ることができる。すなわち、上記の疾患を治療または予
防するのに有効な量のヒトトロンボモジュリンポリペプ
チドを適当な量の担体と混ぜて、患者に効果的に投与す
るのに適した医薬組成物を調製することができる。本医
薬組成物はペプチド医薬に一般に使用されている投与
法、すなわち、非経口投与法、例えば、静脈内投与、筋
肉内投与、皮下投与などによって投与することが望まし
い。また、経口投与、直腸内投与、鼻内投与、舌下投与
なども可能である。
【0007】本発明の医薬組成物の投与量は、患者の年
齢、体重、疾患の程度、投与経路などによっても異なる
が、一般的に0.01〜20mg/kgの範囲であり、
一日当たり一回または必要に応じて数回投与する。以下
に実施例及び参考例を挙げ、この発明をさらに具体的に
説明する。
【0008】
【実施例1】ヒトトロンボモジュリンポリペプチドの血
管バルーン傷害後内膜肥厚に対する効果体重350〜4
00gのSDラットをペントバルビタール麻酔後、大腿
動脈より2F forgaty catheterを左
総頚動脈に挿入しバルーンを膨らまし(直径4mm)、
総頚動脈を全長にわたり傷害した。バルーン傷害後14日
に頚動脈を摘出し組織標本を作成した。血管の最大肥厚
部の内膜/中膜面積比を算出し各ラットにおける内膜肥
厚度とした。第1群においては生食を投与し、第2群に
おいてはヒトトロンボモジュリンポリペプチドドメイン
123を2mg/kg投与した。生食、被験薬とも傷害
直前、傷害後6時間、傷害後12時間に静脈内投与し
た。
【0009】表1に示すように、ヒトトロンボモジュリ
ンポリペプチドの投与群のラットにおいては、内膜肥厚
度が生食投与群のラットと比較して顕著に低く、ヒトト
リンボモジュリンポリペプチドがPTCA後の血管再狭
窄の治療、予防に有効であることが示された。
【0010】
【実施例2】式Iで示されるヒトトロンボモジュリンE
GFドメイン456の血管バルーン傷害後内膜肥厚に対
する効果 実施例1と同様にラットにおけるバルーン傷害後の内膜
肥厚モデルを作成した。第1群においては生食を投与
し、第2群においては式Iで示されるヒトトロンボモジ
ュリンEGFドメイン456を2mg/kg投与した。
生食、被験薬とも傷害直前、傷害後6時間、傷害後12
時間、傷害後24時間に静脈内投与した。
【0011】表2に示すように、ヒトトロンボモジュリ
ンEGFドメイン456投与群のラットにおいては、バ
ルーン傷害後14日目の内膜肥厚度が生食投与群のラッ
トと比較して顕著に低く、ヒトトリンボモジュリンポリ
ペプチドのみでなくその部分ペプチドもPTCA後の血
管再狭窄の治療、予防に有効であることが示された。
【0012】
【実施例3】ヒトトロンボモジュリンポリペプチドの単
回投与毒性試験をラットを用いて実施した。成績を表3
に示した。180mg/kgでも死亡は発現しなかっ
た。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】
【表3】
【0016】
【発明の効果】本発明により、血管中膜平滑筋細胞の異
常増殖を原因とする様々な疾患、例えば血管再形成術後
の血管再狭窄を含む血流不全、及び動脈硬化症に対する
予防薬、治療薬の提供が可能となる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒトトロンボモジュリンポリペプチドを
    有効成分とする血管再建術後の遠隔期血管再狭窄を含む
    血流不全、及び動脈硬化症に対する予防、治療剤。
  2. 【請求項2】 該ペプチド鎖が、次式(I): Asp−Pro−Cys−Phe−Arg−Ala−Asn−Cys−Glu− Tyr−Gln−Cys−Gln−Pro−Leu−Asn−Gln−Thr− Ser−Tyr−Leu−Cys−Val−Cys−Ala−Glu−Gly− Phe−Ala−Pro−Ile−Pro−His−Glu−Pro−His− Arg−Cys−Gln−Met−Phe−Cys−Asn−Gln−Thr− Ala−Cys−Pro−Ala−Asp−Cys−Asp−Pro−Asn− Thr−Gln−Ala−Ser−Cys−Glu−Cys−Pro−Glu− Gly−Tyr−Ile−Leu−Asp−Asp−Gly−Phe−Ile− Cys−Thr−Asp−Ile−Asp−Glu−Cys−Glu−Asn− Gly−Gly−Phe−Cys−Ser−Gly−Val−Cys−His− Asn−Leu−Pro−Gly−Thr−Phe−Glu−Cys−Ile− Cys−Gly−Pro−Asp−Ser−Ala−Leu−Val−Arg− His−Ile−Gly−Thr−Asp−Cys で表されるアミノ酸配列を少なくとも含有してなるヒト
    トロンボモジュリンポリペプチド又は生理的に活性な相
    同変異体を有効成分とする、請求項1記載の血管再建術
    後の遠隔期血管再狭窄を含む血流不全、及び動脈硬化症
    に対する予防、治療剤。
JP4303901A 1992-11-13 1992-11-13 血管再建術後血管再狭窄及び動脈硬化の治療用医薬組成物 Withdrawn JPH06157332A (ja)

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