JPH06157255A - 毛髪処理剤組成物 - Google Patents

毛髪処理剤組成物

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JPH06157255A
JPH06157255A JP4320348A JP32034892A JPH06157255A JP H06157255 A JPH06157255 A JP H06157255A JP 4320348 A JP4320348 A JP 4320348A JP 32034892 A JP32034892 A JP 32034892A JP H06157255 A JPH06157255 A JP H06157255A
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JP
Japan
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hair
reaction
salts
group
agent
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Application number
JP4320348A
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English (en)
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Chuichi Tanimura
忠市 谷村
Yoshiko Tabata
佳子 田端
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 次の成分(A)及び(B): (A)ケラチン還元性物質 (B)1分子中に少なくとも1個の長鎖分岐アルキル基
又はアルケニル基を有するHLBが2〜12であって、
0〜50℃のいずれかの温度においてそれ自体又は水と
の混合物が液晶構造を保持する非イオン性両親媒性化合
物を含有する毛髪処理剤組成物。 【効果】 保湿性、平滑性、柔軟性に優れ、コンディシ
ョニング効果やその持続性が著しく高く、持続的に毛髪
損傷低減効果、枝毛防止効果及びつやを付与することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は毛髪処理剤組成物に関
し、更に詳細には、保湿性、平滑性、柔軟性に優れ、コ
ンディショニング効果やその持続性が著しく高く、持続
的に毛髪損傷低減効果、枝毛防止効果及びつやを付与す
ることができる毛髪処理剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ケラチ
ン還元性物質で毛髪を還元することにより、持続的なセ
ットを行ったり、特定の物質を浸透・固着させて毛髪の
物性を変化させることが行われている。しかしながら、
ケラチン還元性物質で毛髪を還元すると、これらの処理
の効果を持続的にする一方で、毛髪に非可逆的な損傷を
与え、毛髪の強度、外観、感触を損うという問題が生じ
る。
【0003】このため、ケラチン還元性物質を含有する
従来の毛髪処理剤には、コンディショニング成分や保湿
剤が添加されているが、これらの添加剤の効果は一時的
なものであり、持続性がないという問題があった。例え
ば、パーマネントウェーブ用剤第1剤中にカチオンポリ
マーを配合し、同時に第2剤中にアニオン界面活性剤を
配合したもの(特開昭56−100710号公報)、第
1剤中にアニオン性界面活性剤又は両性界面活性剤を配
合し、同時に第2剤中にカチオン性セルロース誘導体を
配合したもの(特公平4−24322号公報)、アモジ
メチコン及び陽イオン界面活性剤とカルボン酸型陰イオ
ン界面活性剤を配合したもの(特開平1−110611
号公報)などが知られているが、これらのパーマネント
ウェーブ用剤は毛髪の損傷低減、感触改善効果がある程
度認められるものの、持続性に劣るなど、充分な効果が
得られるものではなかった。また、アモジメチコンをパ
ーマ系で用いると、ウェーブがだれる等の悪影響が生じ
るという問題もあった。
【0004】従って、コンディショニング効果及びその
持続性に優れた毛髪処理剤が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは鋭意研究を行った結果、ケラチン還元性物質
と特定の非イオン性両親媒性化合物を組合わせて用いれ
ば、保湿性、平滑性、柔軟性に優れ、コンディショニン
グ効果やその持続性が著しく高く、持続的に毛髪損傷低
減効果、枝毛防止効果及びつやを付与することができる
毛髪処理剤組成物が得られることを見出し、本発明を完
成した。
【0006】すなわち、本発明は、次の成分(A)及び
(B): (A)ケラチン還元性物質 (B)1分子中に少なくとも1個の長鎖分岐アルキル基
又はアルケニル基を有するHLBが2〜12であって、
0〜50℃のいずれかの温度においてそれ自体又は水と
の混合物が液晶構造を保持する非イオン性両親媒性化合
物を含有する毛髪処理剤組成物を提供するものである。
【0007】本発明で用いられる(A)成分のケラチン
還元性物質は、毛髪の構造タンパク質であるケラチンに
対して還元能を有する物質である。かかるケラチン還元
性物質としては、毛髪処理剤に一般に使用されるもので
あれば特に制限されず、例えばチオグリコール酸及びそ
の塩類(塩類として好ましいものはアンモニウム塩、モ
ノエタノールアミン塩等の1級アミン塩、ジエタノール
アミン塩等の2級アミン塩、トリエタノール塩等の3級
アミン塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属
塩及びカルシウム塩等のアルカリ土類金属塩)、グリセ
リルモノチオグリコレート等のチオグリコール酸誘導体
及びその塩類、システイン及び塩類(塩類として好まし
いものは塩酸塩)、N−アシル−L−システイン(アシ
ル基の炭素数2〜18、好ましくは炭素数2〜12)等
のシステイン誘導体及びその塩類、チオ乳酸及びその塩
類(塩類として好ましいものはアンモニウム塩、モノエ
タノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ナトリウ
ム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩)、亜硫酸及びそ
の塩類(塩類として好ましいものはアンモニウム塩、ナ
トリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩)、重亜硫
酸及びその塩類(塩類として好ましいものはアンモニウ
ム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属
塩)、エトキシヒドロキシプロパンチオール、メトキシ
エトキシヒドロキシプロパンチオール、イソプロポキシ
エトキシヒドロキシプロパンチオール等のチオグリセリ
ルアルキルエーテル、その誘導体及びそれらの塩類、メ
ルカプトエチルプロパナミド、メルカプトエチルグルコ
ンアミド等のメルカプトアルキルアミド、その誘導体及
びそれらの塩類などが挙げられる。これらのうち、特に
チオグリコール酸及びその塩類、システイン及びその塩
類、N−アシル−L−システイン等のシステイン誘導
体、亜硫酸及びその塩類、重亜硫酸及びその塩類が好ま
しい。
【0008】本発明において、これらのケラチン還元性
物質は、1種又は2種以上を組合わせて用いることがで
き、その配合量は還元性物質の種類や組成物のpHによっ
て異なるが、一般的には0.1〜20.0重量%(以
下、単に%で示す)の範囲であるのが好ましい。0.1
%未満では充分な効果が得られず、20.0%を超える
と皮膚や毛髪に対して損傷をおこすおそれがあるので好
ましくない。
【0009】また、本発明の(B)成分である非イオン
性両親媒性化合物は、1分子中に少なくとも1個の長鎖
分岐アルキル基又はアルケニル基を有するHLBが2〜
12であって、0〜50℃のいずれかの温度においてそ
れ自体又は水との混合物が液晶構造を保持することが必
要である。HLBが2未満では、油性感が強く、12を
超えるとコンディショニング効果が低く好ましくない。
特に好ましいHLBの範囲は3〜10である。なお、H
LBとは親水性−親油性のバランス(Hydrophi
lic−Lypophilic Balance)を示
す指標であり、本発明においては小田・寺村らによる次
式を用いて算出した値を用いている。
【0010】
【数1】
【0011】また、液晶構造を保持する温度範囲は0〜
50℃のいずれかの温度であり、より好適には5〜40
℃のいずれかの温度、更に好ましくは5〜35℃のいず
れかの温度である。本発明において、液晶構造として
は、用いる非イオン性両親媒性化合物により、ラメラ状
液晶構造、逆ミドル液晶構造をとることができる。これ
らのうち、ラメラ状液晶構造の確認は、例えばザ・ジャ
ーナル・オブ・セル・バイオロジー(The Jour
nal of Cell Biology)、第12
巻、第207〜209頁及び表面、第11巻、第10
号、第579〜590頁に記載の方法でX線回折及び示
差走査熱量計(DSC)を用いて行うことができる。
【0012】このようなラメラ状液晶構造を形成する非
イオン性両親媒性化合物としては、例えば以下の(B−
1)〜(B−4)が挙げられる。
【0013】(B−1)次の一般式(1)で表わされる
グリセリル化ポリオール類。 Aa(G) (1) 〔式中、Gはペンタエリスリトール、ソルビトール、マ
ルチトール、グルコース、フルクトース及びアルキルグ
リコシドから選ばれるポリオールよりa個の水酸基を除
いた残基を示し、Aは
【0014】
【化1】
【0015】を示し(ここでR1は炭素数10〜36の
分岐アルキル基又はアルケニル基を示す)、aは1以上
の数であり前記ポリオール水酸基の総数を超えない数を
示す〕
【0016】(B−2)次の一般式(2)で表わされる
メチル分岐脂肪酸エステル。
【0017】
【化2】
【0018】〔式中、b1及びb2はそれぞれ0〜33の
整数を示し、b1とb2の和は6〜33である〕
【0019】(B−3)次の一般式(3)で表わされる
分岐脂肪酸グリセロ糖脂質。
【0020】
【化3】
【0021】(B−4)次の一般式(4)で表わされる
アルキルトリスメチロール又は一般式(5)で表わされ
るアルキルトリスメチロールアミド
【0022】
【化4】
【0023】(式中、R3 は炭素数6〜22の直鎖又は
分岐鎖のアルキル基を示す)
【0024】前記(B−1)のグリセリル化ポリオール
類において、式(1)中、Gで示されるアルキルグリコ
シドとしては、メチルグルコシド、エチルグルコシド、
プロピルグルコシド、オクチルグルコシド、メチルマル
トシド、エチルマルトシド等が挙げられる。また、R1
としては、炭素数16〜36、特に18〜24の分岐ア
ルキル基が好ましい。かかる分岐アルキル基R1として
は、次の一般式(6)又は(7)
【0025】
【化5】
【0026】〔式中、c1〜c4は前記と同じ意味を示
す〕で表わされる基が好ましい。これらの分岐アルキル
基の好ましい例としては、メチルペンタデシル基、メチ
ルヘキサデシル基、メチルヘプタデシル(イソステアリ
ル)基、メチルオクタデシル基、メチルベヘニル基、エ
チルヘキサデシル基、エチルオクタデシル基、エチルベ
ヘニル基、ブチルドデシル基、ブチルヘキサデシル基、
ブチルオクタデシル基、ヘキシルデシル基、ヘプチルウ
ンデシル基、オクチルドデシル基、デシルドデシル基、
デシルテトラデシル基、ドデシルヘキサデシル基、テト
ラデシルオクタデシル基等が挙げられる。また、一般式
(1)中、aは1又は2が特に好ましい。
【0027】かかるグリセリル化ポリオール類(1)
は、例えば次式に従い、ポリオールと対応する分岐アル
キルグリシジルエーテル(8)とを、塩基性触媒の存在
下で反応させることにより製造される。
【0028】
【化6】
【0029】〔式中、R1は前記と同じ意味を示す〕
【0030】この反応におけるポリオールと分岐アルキ
ルグリシジルエーテル(8)との反応モル比は、目的と
するグリセリル化ポリオール類のエーテル化度によって
適宜選択することができる。例えば、目的とするグリセ
リル化ポリオール類の1モル付加体含量の高いものを得
るには、通常1.2:1.0〜10.0:1.0の比率
でポリオールを過剰に使用すればよく、1モル付加体の
生成量及びポリオールの回収を考慮すれば、1.5:
1.0〜5.0:1.0の比率が好ましい。また、目的
とするグリセリル化ポリオールの2モル付加体含量の高
いものを得るには、通常0.3:1.0〜1.1:1.
0の比率で分岐アルキルグリシジルエーテルを過剰に使
用すればよく、2モル付加体の生成量を考慮すれば、
0.4:1.0〜0.8:1.0の比率が好ましい。
【0031】反応は、通常無溶媒で行われるが、ポリオ
ールと分岐アルキルグリシジルエーテルの混合を助ける
目的で有機溶媒を使用するのが好ましい。かかる有機溶
媒としては、例えばジメチルスルホキシド、ジメチルア
セトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリ
ドン等が挙げられ、ポリオールに対して0.1〜10.
0倍量用いるのが好ましい。
【0032】また、触媒としては、一般にエポキシ基の
反応触媒として知られている酸又は塩基性触媒を用いる
ことができるが、酸触媒を用いた場合、副反応として、
生成したグリセリル化ポリオール類のエーテル結合の分
解反応や水酸基の脱水反応が生じるため好ましくなく、
塩基性触媒を用いるのが好ましい。用いられる塩基性触
媒としては、特に限定されないが、反応性及び経済性の
点から、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウ
ムメチラート、ナトリウムエチラート、水素化ナトリウ
ム等が挙げられる。これら塩基性触媒は、ポリオールに
対して0.01〜20.0重量%(以下、単に%で示
す)、特に0.1〜10.0%の範囲で用いるのが好ま
しい。
【0033】反応は、50〜200℃、好ましくは80
〜150℃で行われる。反応温度が50℃未満では反応
速度が遅く、200℃を超えると生成物が着色してしま
うので好ましくない。
【0034】なお、本反応において、反応系中に水分が
存在すると分岐アルキルグリシジルエーテルのエポキシ
基は水と反応してグリセリルエーテルが副生するので、
有機溶媒にポリオールを溶解又は分散させ、加熱して乾
燥窒素ガスを吹き込んだり、減圧下で加熱脱水したりし
て水分を除去してから、分岐アルキルグリシジルエーテ
ルを加えて反応させるのが好ましい。
【0035】反応終了後、例えば酢酸、クエン酸等の有
機酸又は硫酸、塩酸、リン酸等の無機酸を加えて触媒を
中和し、次いで反応に用いた有機溶媒を除去する。有機
溶媒は、反応生成物の熱分解を避けるため、減圧下、通
常120℃以下の温度で除去するのが好ましい。
【0036】本発明に用いるグリセリル化ポリオール類
(1)は、通常、ポリオール1分子に分岐アルキルグリ
シジルエーテル(8)が1分子付加した1モル付加体、
2分子付加した2モル付加体のほかにポリオール1分子
に3分子以上の分岐アルキルグリシジルエーテル(8)
が付加した多モル付加体の混合物として得られる。この
ようにして得られたグリセリル化ポリオール類(1)
は、通常これら1モル付加体、2モル付加体、あるいは
多モル付加体の混合物として使用されるが、性能や製品
への配合上の理由等で問題がある場合、シリカゲルカラ
ムや溶媒抽出等の公知の精製方法を用いて精製すること
ができる。本発明のグリセリル化ポリオール類(1)に
は、目的とする1モル付加体、2モル付加体、あるいは
多モル付加体の他に、未反応のグリコシドが含有される
場合がある。このような未反応グリコシドは、実用上問
題がなければ含有したまま使用することができるが、問
題がある場合には、例えば酢酸エチル、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトン、クロロホルム等の有機
溶媒を用いた2層の抽出溶媒系を用いる方法や、スミス
薄膜蒸留などの公知の精製方法により除去することがで
きる。
【0037】また、(B−2)のメチル分岐脂肪酸エス
テルを示す一般式(2)において、b1とb2の和は6〜
33であるが、化粧料素材としての性能の観点より、好
ましくは10〜16、特に好ましくは14である。ま
た、分岐メチル基はアルキル主鎖の中心近くにあるもの
が特に好ましい。
【0038】メチル分岐脂肪酸エステル(2)は次の反
応式に従って製造される。
【0039】
【化7】
【0040】〔式中、b1及びb2は前記と同じ意味を有
し、R4は炭素数1〜18のアルキル基、好ましくは炭
素数1〜3のアルキル基を示す〕すなわち、メチル分岐
脂肪酸の低級アルキルエステル(9)にペンタエリスリ
トール(10)を反応せしめることにより目的化合物
(2)が製造される。
【0041】本反応で用いるメチル分岐脂肪酸の低級ア
ルキルエステル(9)は、対応するカルボン酸を常法に
よりエステル化することにより得られる。ここで対応す
るカルボン酸のうち、工業的に得られるものは、通常、
アルキル基の合計炭素数及び分岐メチル基の位置が一定
の分布を持った混合物であり、例えばオレイン酸ダイマ
ー製造時の副産物として得られるメチル分岐を有するイ
ソステアリン酸は、合計炭素数が18(b1とb2の和が
14)のものを約75%以上含有し、残部が合計炭素数
が14のもの、16のもの、20のものであり、分岐メ
チル基はアルキル主鎖のほぼ中央に位置している〔ジャ
ーナル・オブ・ザ・アメリカン・オイル・ケミスツ・ソ
サエティ(J.Amer.Oil Chem.So
c.)Vo1.51,522,(1974)〕。
【0042】本反応において、用いるメチル分岐脂肪酸
の低級アルキルエステル(9)とペンタエリスリトール
(10)の割合は、モル比で(9)/(10)=1/1
〜10/1であることが好ましい。
【0043】この反応に用いる溶媒は、特に限定されな
いが、メチル分岐脂肪酸の低級アルキルエステル(9)
とペンタエリスリトール(10)の両者を溶解するもの
が好ましく、例えばジメチルホルムアミド等が好適に使
用される。
【0044】また、反応の触媒としては、通常アルカリ
触媒が使用され、ソジウムメチラート等が好んで用いら
れる。触媒量は特に制限はないが、メチル分岐脂肪酸の
低級アルキルエステル(9)に対して0.1〜20モル
%の範囲で使用されるのが好ましい。本反応の反応温度
は60〜150℃の範囲より選択される。
【0045】反応混合物からの化合物(2)の単離は、
常法、例えば溶媒留去、再結晶、クロマトグラフィー等
により、又はこれらの組み合せにより行うことができ
る。
【0046】また、前記(B−3)の分岐脂肪酸グリセ
ロ糖脂質を示す一般式(3)において、R2のc1とc2
は、化粧料素材としての性能の観点より、前記b1及び
2と同じくその和が10〜16、特に14であるのが
好ましく、c3とc4は、同様の観点より、その和が6〜
14、特に8〜12であるのが好ましい。
【0047】分岐脂肪酸グリセロ糖脂質(3)は、例え
ば次の反応式に従って製造される。
【0048】
【化8】
【0049】〔式中、X1はハロゲン原子を示し、Mは
水素原子又は陽イオン基を示し、R2は前記と同じ意味
を示す〕
【0050】すなわち、化合物(11)に脂肪酸類(1
2)を反応させることにより、化合物(3)が得られ
る。
【0051】本反応において用いられる化合物(11)
は公知の方法、例えば単糖類又はオリゴ糖とグリセロー
ルモノハロヒドリン、グリセロールジハロヒドリン又は
エピハロヒドリンとの反応等により容易に製造すること
ができる。
【0052】化合物(12)は、例えば脂肪酸と水酸化
ナトリウム等のアリカリ金属水酸化物やアミン類等との
適当な溶媒の存在下に反応させることにより製造するこ
とができる。なお、化合物(12)におけるMで示され
る陽イオン基としては例えばアルカリ金属、アンモニウ
ム基、アルキルアンモニウム基、トリアルカノールアミ
ン等が挙げられる。
【0053】本方法を実施するには、例えば上記化合物
(11)と化合物(12)を30〜150℃、好ましく
は70〜120℃の温度で反応させればよい。ここで用
いられる化合物(12)の使用量は通常化合物(11)
に対して、0.3〜3.0倍モル、特に好ましくは1.
0〜2.0倍モルである。また、化合物(12)のMが
水素原子の場合はアルカリ性物質共存下に反応を行う。
アルカリ性物質としては例えば水酸化ナトリウム、水酸
化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物やアルカリ金属
アルコラート、アルキルアミンハイドロオキサイドなど
が挙げられる。
【0054】また本反応を実施するにあたって、化合物
(11)と化合物(12)の混合を助長せしめ、反応を
円滑に進行せしめる目的で極性溶媒を用いることができ
る。ここで用いられる極性溶媒としてはジメチルホルム
アミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルフォキシ
ド、N−メチルピロリドン、ピリジン、水等から選ばれ
る少なくとも一種以上である。また極性溶媒の使用量は
適宜選べばよい。また本反応を実施するにあたって、必
要により本反応を進行せしめる目的で相間移動触媒を用
いることができる。ここで用いられる相間移動触媒の使
用量は適宜選べばよいが通常化合物(12)に対して
0.1〜10モル%である。また、ここで用いられる相
間移動触媒としては、例えばテトラエチルアンモニウム
ブロマイド、テトラプロピルアンモニウムブロマイド、
テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラヘプチル
アンモニウムブロマイド、テトラヘキシルアンモニウム
ブロマイド、N,N,N−トリメチル−N−オクチルア
ンモニウムクロライド、N,N,N−トリメチル−N−
デシルアンモニウムクロライド、N,N,N−トリメチ
ル−N−ドデシルアンモニウムクロライド、N,N,N
−トリメチル−N−ヘキサデシルアンモニウムクロライ
ド、N,N,N−トリメチル−N−オクタデシルアンモ
ニウムクロライド、N,N−ジメチル−N,N−ジヘキ
サデシルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−
N,N−ジオクタデシルアンモニウムクロライド等のテ
トラアルキルアンモニウムクロライドを挙げることがで
きる。
【0055】上記の反応の反応生成物には、目的とする
グリセロ糖脂質(3)の他、通常副生成物としての無機
塩、未反応の化合物(11)又は(12)などが含まれ
ている。従って、使用目的によっては反応生成物をその
まま用いることも可能であるが、更に高純度品が必要と
される場合には、例えば分配クロマトグラフィーや吸着
クロマトグラフィー、溶媒分別法、再結晶法などの公知
の方法により適宜精製して使用すればよい。
【0056】このようにして得られる(B−1)〜(B
−4)の化合物は、0〜50℃のいずれかの温度におい
てそれ自体ラメラ状液晶構造を保持するサーモトロピッ
ク液晶であり、更に、水と混合するとほとんど均一にラ
メラ状液晶として分散する等の良好な性質を有する。こ
のような液晶構造を形成するためには、水と該化合物と
の比率が99/1〜1/99(重量比)の範囲であれば
よい。
【0057】他方、逆ミドル液晶構造を形成する非イオ
ン性両親媒性化合物としては、例えば、次の一般式(1
3)で表わされるα−モノ(メチル分岐アルキル)グリ
セリルエーテルが挙げられる。 R5−OCH2CH(OH)CH2OH (13) 〔式中、R5 は炭素数9〜36のメチル分岐飽和炭化水
素基を示すが、R5 は次の一般式
【0058】
【化9】
【0059】(式中、m及びnは各々0〜33の整数を
示し、mとnの和は6〜33である)で示される基が好
ましい〕このα−モノ(メチル分岐アルキル)グリセリ
ルエーテル(13)は、例えば特公昭61−26997
号又は特公昭62−1368号公報に記載の方法に従っ
て製造することができる。この非イオン性両親媒性化合
物(13)は、0〜50℃のいずれかの温度において、
水と混合すると均一な逆ミドル液晶構造を形成する。該
液晶構造を形成するためには、水と該化合物との比率が
99/1〜1/99(重量比)の範囲であればよい。
【0060】これら(B)成分の非イオン性両親媒性化
合物は、単独又は2種以上を組合わせて用いることがで
き、全組成中に0.05〜10%、特に0.1〜10%
配合するのが好ましい。0.05%未満では充分な効果
が得られず、10%を超えるとべたつきが感じられるよ
うになるので好ましくない。
【0061】本発明の毛髪処理剤組成物には、本発明の
効果を妨げない範囲内で、一般に毛髪用化粧料に使用さ
れる添加剤、例えば各種界面活性剤、油剤、保湿剤、毛
髪保護剤、感触向上剤、色素、香料、増粘剤、溶解剤、
紫外線防止剤、消炎剤、育毛成分等を配合することがで
きる。
【0062】本発明の毛髪処理剤組成物のpHは3.0〜
9.5の範囲にあることが好ましく、4.0〜9.0の
範囲がより好ましい。pHが3.0未満又は9.5を超え
る場合には皮膚や毛髪に損傷を与えるおそれがあるため
好ましくない。
【0063】本発明の毛髪処理剤組成物は、常法により
製造することができ、パーマネントウェーブ剤、ストレ
ートパーマ剤、持続性毛髪セット剤、持続性毛髪改質
剤、縮毛矯正剤等とすることができる。また、これらの
中間処理剤、後処理剤などとすることもできる。なお、
本発明において、ケラチン還元性物質(A)と非イオン
性両親媒性化合物(B)は、同一の剤に配合しなくても
よく、順次処理しても有効である。例えば、1剤(A、
B)/2剤、1剤(A)/2剤(B)、1剤(A)/中
間処理剤(B)/2剤、1剤(A)/2剤/後処理剤
(B)などのように配合することもできる。また、2剤
式のキュア剤(改質剤)の場合、シャンプー/リンス系
に配合してもよい。
【0064】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明を更に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0065】合成例1 ペンタエリスリトール82g、ジメチルスルホキシド2
00g及び水酸化ナトリウム1gを500mlフラスコに
入れ、105℃に加熱して溶解し、乾燥窒素ガスを吹き
込み、水及びジメチルスルホキシドを約20g留出させ
て反応系中の水分を除去した。これにイソステアリルグ
リシジルエーテル39gを1時間かけて滴下した後、1
05℃で4時間撹拌しながら反応させた。反応終了後、
反応混合物に酢酸1.5gを加えて触媒を中和し、減圧
下、ジメチルスルホキシドを80℃で完全に蒸留除去
し、その残留物に99%エタノールを加えて析出した未
反応ペンタエリスリトールを濾別した。得られた濾液
を、減圧下でエタノールを留去した後、残渣に水500
ml及び酢酸エチル500mlを加えて酢酸エチル抽出を行
い、酢酸エチル可溶性画分より溶媒を留去して淡黄色の
ペンタエリスリトール・イソステアリルグリシジルエー
テルの付加体の粗精製物63gを得た。この粗精製物を
シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用い、アセト
ン:ヘキサン=2:1の溶出溶媒で分離精製を行うと、
目的とするペンタエリスリトール・イソステアリルグリ
シジルエーテルの1モル付加体が溶出し、その溶出画分
を集めて溶媒を留去して、目的とするペンタエリスリト
ール・イソステアリルグリシジルエーテルの1モル付加
体16g(収率30%)を得た。
【0066】水酸基価482(計算値486) NMR(CDCl3):δ(ppm) 3.95(1H,m,-OCH2-CHOH-CH2O-),3.67(6H,s,-C(CH2 OH)3), 3.46(8H,m,-OCH2-),1.30〜1.59(29H,b,-CH2-,-CH-), 0.88(6H,m,-CH3) IR(液膜)cm-1O-H(-OH)3200〜3400 νO-H(伸縮)(-CH-,-CH2-,-CH3)2850,2920 νO-H(変角)(-CH-,-CH2-,-CH3)1375,1460 νC-O(-C-O-)1110,1035,1010
【0067】合成例2 合成例1と同様にしてペンタエリスリトール・イソステ
アリルグリシジルエーテルの付加体の粗精製物63gを
得た。この粗精製物について、ゲル浸透クロマトグラフ
ィーを行ったところ、ペンタエリスリトールにイソステ
アリルグリシジルエーテルが1モル付加したモノエーテ
ル体、2モル付加したジエーテル体、3モル付加したト
リエーテル体、及び4モル付加したテトラエーテル体の
混合物であることが確認され、また、ピーク面積比よ
り、モノエーテル体、ジエーテル体、トリエーテル体及
びテトラエーテル体の組成比は、各々、77%、19
%、3%及び1%であった。
【0068】水酸基価438 IR(液膜)cm-1O-H(-OH)3200〜3400 νO-H(伸縮)(-CH-,-CH2-,-CH3)2850,2920 νO-H(変角)(-CH-,-CH2-,-CH3)1375,1460 νC-O(-C-O-)1110 ,1035, 1010
【0069】実施例1 表1〜表7に示す組成のパーマ剤を常法により製造し、
処理直後及びシャンプー10回後の官能評価を行った。
結果を表8に示す。 (評価方法)美容師10人により、毛髪重量15gのト
レスを常法に従ってパーマ処理し、処理直後及びプレイ
ンシャンプーで10回シャンプーした後の、ウェット状
態でのくし通り性、ドライ状態での柔軟性、平滑性、つ
や及び保湿性、更に毛髪表面の状態、ウェーブの形状に
ついて、優れているものを◎、良いものを○、やや劣る
ものを△、劣るものを×として評価し、その平均値を示
した。
【0070】
【表1】
【0071】
【表2】
【0072】
【表3】
【0073】
【表4】
【0074】
【表5】
【0075】
【表6】
【0076】
【表7】
【0077】
【表8】
【0078】実施例2 表9に示す組成の改質剤を常法に従って製造し、毛髪重
量15gのトレスを30℃で10分間処理し、実施例1
と同様にして評価した。結果を表9に示す。
【0079】
【表9】
【0080】実施例3 表10に示す組成の2剤式改質剤を常法に従って製造
し、毛髪重量15gのトレスを1剤及び2剤でそれぞれ
30℃、10分間処理し、実施例1と同様にして評価し
た。結果を表10に示す。
【0081】
【表10】
【0082】実施例4 以下に示す組成の1剤及び2剤、並びに表12に示す組
成の中間処理剤を常法に従って製造した。毛髪重量15
gのトレスを1剤で10分、中間処理剤で5分、更に2
剤で10分処理し、実施例1と同様にして評価した。結
果を表12に示す。
【0083】
【表11】 (1剤) チオグリコール酸アンモニウム液(50%) 14(%) モノエタノールアミン 適量(pH9調整) 精製水 バランス (2剤) 臭素酸ナトリウム 8(%) 精製水 バランス
【0084】
【表12】
【0085】実施例5 以下に示す組成の1剤及び2剤、並びに表14に示す組
成の後処理剤を常法に従って製造した。毛髪重量15g
のトレスを1剤で10分、2剤で10分、更に後処理剤
で5分処理し、実施例1と同様にして評価した。結果を
表14に示す。
【0086】
【表13】 (1剤) L−システイン 6(%) チオグリコール酸アンモニウム液(50%) 1.8 モノエタノールアミン 適量(pH9調整) 精製水 バランス (2剤) 臭素酸ナトリウム 8(%) 精製水 バランス
【0087】
【表14】
【0088】
【発明の効果】本発明の毛髪処理剤組成物は、保湿性、
平滑性、柔軟性に優れ、コンディショニング効果やその
持続性が著しく高く、毛髪表面を還元によって傷めるこ
とがなく、またシャンプーによるキューティクルの剥離
を抑制し、持続的に毛髪損傷低減効果、枝毛防止効果及
びつやを付与することができ、耐シャンプー性にも優れ
たものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の成分(A)及び(B): (A)ケラチン還元性物質 (B)1分子中に少なくとも1個の長鎖分岐アルキル基
    又はアルケニル基を有するHLBが2〜12であって、
    0〜50℃のいずれかの温度においてそれ自体又は水と
    の混合物が液晶構造を保持する非イオン性両親媒性化合
    物を含有する毛髪処理剤組成物。
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