JPH06156191A - 車両の盗難防止装置 - Google Patents

車両の盗難防止装置

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JPH06156191A
JPH06156191A JP32000992A JP32000992A JPH06156191A JP H06156191 A JPH06156191 A JP H06156191A JP 32000992 A JP32000992 A JP 32000992A JP 32000992 A JP32000992 A JP 32000992A JP H06156191 A JPH06156191 A JP H06156191A
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Tsuyoshi Kamiya
剛志 神谷
Hironori Matsui
太憲 松井
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ロック解除のための本人識別の完了後はその
本人識別の繰返しを要することなくエンジン始動を可能
とする車両の盗難防止装置を提供する。 【構成】 ステアリングロックがオンされると、メモリ
51aのロックフラグFがセットされる。このロックフ
ラグFのセット時は、たとえ破錠行為によってキー18
をON位置に回されても、制御ユニット51から点火許
容信号Dは発せられず、よってエンジン始動が禁止され
る。キー入力部52で暗証番号が入力されて本人識別が
完了すると、ロックフラグFがクリヤされる。ロックフ
ラグFがクリヤされると、キー18がON位置に回され
ることで制御ユニット51からいつでも点火許容信号D
は発せられ、エンジン始動が許容される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、たとえば自動二輪車
等の車両において、走行を不能にして盗難を防止する車
両の盗難防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】走行を不能にして盗難を防止する盗難防
止装置の例として、キー操作に応じてステアリング等の
機械的ロックを行なうものがある。ただし、ピッキング
あるいはドリル、ハンマー等による破錠行為により、機
械的ロックが解除されることがある。
【0003】そこで、機械的ロックに本人識別手段を複
合させ、盗難防止を確実にするものがある。これは、上
記のような破錠行為によって機械的ロックが解除されて
も、暗証番号の入力等による本人識別が完了しない限
り、エンジンを始動できないようにするものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のものでは、ガソ
リンスタンドなどに立ち寄ってエンジンを一旦停止した
場合、エンジンを再始動するためにはいちいち暗証番号
を入力しなければならない。これは、運転者にとって面
倒なことである。
【0005】車両の点検や修理に際しても、エンジンの
始動ごとにいちいち暗証番号を入力しなればならず、整
備者にとっては面倒でしかも作業能率の低下を招いてし
まう。
【0006】この発明は上記の事情を考慮したもので、
その目的とするところは、ロック解除のための本人識別
の完了後はその本人識別の繰返しを要することなくエン
ジン始動を可能とする車両の盗難防止装置を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の車両の盗難防
止装置は、ロック機構がロックされるとその旨を記憶す
る手段と、この記憶内容を本人識別の完了により消去す
る手段と、上記記憶内容の消去時のみエンジン始動を許
容する手段とを備える。
【0008】請求項2の車両の盗難防止装置は、本人識
別の完了時のみエンジン始動を許容する制御手段と、本
人識別を要さずにエンジン始動を許容する制御手段と、
これら制御手段のいずれか一方の制御を選択する手段と
を備える。
【0009】
【作用】請求項1の車両の盗難防止装置では、ロック機
構がロックされるとその旨が記憶される。この記憶内容
は本人識別の完了により消去されるもので、その消去時
のみエンジン始動が許容される。
【0010】請求項2の車両の盗難防止装置では、ロッ
ク機構がロックされるとその旨が記憶される。この記憶
内容は本人識別の完了により消去される。この消去時の
みエンジン始動が許容される制御と、本人識別を要さず
にエンジン始動が許容される制御との2つがあり、いず
れか一方の制御が選択される。
【0011】
【実施例】以下、この発明の第1実施例について説明す
る。図1は当該装置を備えた自動二輪車の前側側面図、
図2は当該装置の取付状態を示す一部を破断した側面
図、図3は当該装置の取付状態を示す平面図、図4は当
該装置のロック機構の断面図、図5は当該装置の電気的
ロック機構の作動状態を示す図である。
【0012】図において、1はメインフレームで、この
メインフレーム1の前側にヘッドパイプ2が設けられ
る。このヘッドパイプ2にフロントフォーク3が設けら
れ、そのフロントフォーク3は左右一対のフォークチュ
ーブ4を備える。これらフォークチューブ4の下側部間
に前輪5が支持される。フロントフォーク3の上端部に
バーハンドル6が取付けられ、そのバーハンドル6によ
って操向操作がなされる。
【0013】フロントフォーク3の上端部に、左右一対
のフォークチューブ4間を連結するブラケット7が設け
られる。このブラケット7の前端部には前方へ張出す取
付部7aが一体に形成され、この取付部7aはヘッドパ
イプ2の前方に、かつ左右のフォークチューブ4の間に
位置する。
【0014】取付部7aにロック機構Aが固定される。
このロック機構Aは、図4に示すように、キーの操作で
作動する機械的ロック機構Bと、電気信号で作動する電
気的ロック機構Cとからなる。
【0015】機械的ロック機構Bは、フロントフォーク
3を最大舵取角度に回動させた状態にロックするいわゆ
るステアリングロックで、この実施例では自動二輪車の
メインスイッチと一体化されている。また、機械的ロッ
ク機構Bは、金属製の装置本体10を備える。この装置
本体10は、略円筒状をなすハウジング11と、このハ
ウジング11の下端開口部を閉塞する支持部材12とで
構成される。ハウジング11の上端部の外周面には図3
に示すようにフランジ部11aが一体に形成され、その
フランジ部11aがブラケット7の取付部7aにボルト
13によって固定される。こうして、機械的ロック機構
Bの下半分がヘッドパイプ2の前方へ位置する。
【0016】機械的ロック機構Bのハウジング11の上
部は取付部7aに形成された取付孔14に挿入されてお
り、そのハウジング11の上面がブラケット7の上面に
露出している。ハウジング11にロータ15が回転可動
に設けられ、そのロータ15には平板状をなす金属製の
タンプラー16が挿入される。
【0017】タンプラー16はロータ15のキー穴17
と直行する方向にスライド可能となており、各タンプラ
ー16の両端縁部はロータ15の外周面に沿うような円
弧状をなしている。キー18のブレード18aをキー穴
17に差し込むと、ブレード18aの刻みがタンブラー
16をロータ15の内部に没入させる。
【0018】ハウジング11の内部にはロータ15と一
体に回転する作動軸19が収容され、その作動軸19の
フランジ部19eがハウジング11の段部11bと支持
プレート20とで支持され、回転可能になっている。支
持プレート20はハウジング11にビス21で締付固定
される。
【0019】作動軸19はクランク状に折れ曲がってお
り、そのクランク部19aの両端に連なる上側ジャーナ
ル部19aと下側ジャーナル部19cがロータ15と同
軸状をなしている。作動軸19の上側ジャーナル部19
bはロータ15の底面の受凹部15aに軸方向に移動可
能に嵌合され、その上側ジャーナル部19bの凹部19
dとロータ15の受凹部15aとの間には圧縮コイルバ
ネ22が介在され、作動軸19及びロータ15のの“が
たつき”を抑えている。作動軸19の下側ジャーナル部
19cは軸受部材23を介して底板24に回動可能に支
持され、その底板24は支持部材12に取付けられる。
底板24の凹部24aには軸受部材23のボス部23a
が挿入される。軸受部材23は底板24に回動可能に載
置され、その軸受部材23aは作動軸19と一体に回転
する。
【0020】軸受部材23と底板24との間には端子板
25が回動可能に介在され、その端子板25と対向する
底板24の内側面に配線パターンが設けられる。そし
て、底板24には電線26が接続されている。
【0021】軸受部材23の支持孔23bにはコイルス
プリング27が挿入されており、このコイルスプリング
27によって端子板25を底板24方向へ付勢するとと
もに、ボール28を支持部材12方向へ付勢している。
こうして、底板24と端子板25との間にメインスイッ
チSが構成されており、そのメインスイッチSはキー1
8の回動操作を受けてON位置、OFF位置、ロック位
置へと接点が切換わるようになっている。
【0022】作動軸19にはホルダ29が取付けられ、
さらにこのホルダ29にはロックバー30が連結されて
いる。このロックバー30はハウジング11の側面に開
口する開口部11cに挿入され、その先端部30aはロ
ータ15がロック位置に回動された状態では、作動軸1
9を介してハウジング11の外方へ突出し、他のON位
置、OFF位置に回動されている状態では、ハウジング
11の内方に位置している。
【0023】ハウジング11の開口部11cはヘッドパ
イプ2の前面に溶接したストッパ金具31と対向してお
り、フロントフォーク3を最大舵取角度に回動させた状
態で、ハウジング11の開口部11cがストッパ金具3
1の係止孔31aと対向するようになっている。従っ
て、フロントフォーク3を最大舵取角度に回動させた状
態で、ロータ15をロック位置に回動させると、作動軸
19を介してロックバー30が前進し、その先端部30
aがストッパ金具31の係止孔31aに入り込み、フロ
ントフォーク3を操向不能にロックする。これがステア
リングロックがかかった状態であり、以下、これをステ
アリングロックのオンと称す。
【0024】電気的ロック機構Cは、ロック解除用のソ
レノイド40を有する。このソレノイド40はハウジン
グ11の凹部11dにビス41で取付けられ、オンされ
ることによりプランジャ42を動かす機能を有する。
【0025】プランジャ42は、ロータ15の制御片部
43に対向しており、ソレノイド40がオンされないと
きはスプリング44の偏倚力を受けて常に制御片部43
方向へ付勢される。この場合、キー18によりロータ1
5がON位置またOFF位置に設定されていれば、図5
の(a)(b)に示すようにプランジャ42の先端部が
制御片部43の外周部に当接する。キー18によりロー
タ15がロック位置に設定されれば、図5の(c)に示
すようにプランジャ42の先端部が制御片部43の側部
に存し、ロータ15の回動を規制する。また、プランジ
ャ42は、ソレノイド40がオンされることによりスプ
リング44の偏倚力に抗して後退し、制御片部43の側
部から離れてキー18によるロータ15の回動を許容す
る。制御回路を図6に示す。
【0026】まず、メインスイッチSは、3方向性の切
換スイッチで、キー18(つまりロータ15)のON位
置、OFF位置、ロック位置にそれぞれ対応するON接
点、OFF接点、ロック接点を有する。このメインスイ
ッチSが2つ用意されており、一方のメインスイッチを
Sa,他方のメインスイッチをSbと称す。
【0027】50は車両積載のバッテリ電源で、このバ
ッテリ電源50に制御ユニット51の電源端子が接続さ
れる。この制御ユニット51に、キー入力部52、イグ
ニッション53、およびソレノイド40が接続される。
また、制御ユニット51は、メインスイッチSaのON
接点を介してバッテリ電源50の正側端子に接続される
とともに、メインスイッチSbのON接点およびOFF
接点を介してバッテリ電源50の負側端子に接続され
る。すなわち、制御ユニット51は、メインスイッチS
aの出力を基にキー18のON位置を検出し、メインス
イッチSa,Sbの両出力を基にキー18のOFF位置
を検出し、メインスイッチSbの出力を基にキー18の
ロック位置を検出することができる。とくに、ロック位
置については、メインスイッチSbの接点開放によって
検出する構成である。
【0028】キー入力部52は、本人識別用の暗証番号
を入力するためのテンキー52a、暗証番号を入力する
に際して本システムを起動するためのスタンバイスイッ
チ52b、システムの動作状態を報知するための発光ダ
イオード(LED)52cを備える。
【0029】イグニッションユニット53は、エンジン
を点火するためのもので、メインスイッチSaからON
接点出力(バッテリ電源電圧)が与えられると、それに
より動作し、制御ユニット51から供給される点火許容
信号Dに応答してエンジンを点火する。
【0030】制御ユニット51は、マイクロコンピュー
タおよびその周辺回路からなり、またシステムの動作状
態を報知するためのブザー(図示しない)を内蔵する。
さらに、制御ユニット51は、次の機能手段を備える。
【0031】[1]キー入力部52でスタンバイスイッ
チ52bがオンされると、機械的ロック機構Bがロック
状態かどうか、つまりステアリングロックがオンかどう
かを判別する手段。 [2]ステアリングロックがオンのとき、その旨を記憶
するべく、内部メモリ51aのロックフラグFをセット
する手段。
【0032】[3]ステアリングロックがオンのとき、
キー入力部52で入力される暗証番号と内部メモリ51
aにあらかじめ登録されている暗証番号とを比較して本
人識別を行なう手段。 [4]暗証番号が一致して本人識別が完了すると、上記
記憶内容を消去、つまり内部メモリ51aのロックフラ
グFをクリヤする手段。
【0033】[5]暗証番号が一致して本人識別が完了
すると、ソレノイド40をオンする手段。このソレノイ
ド40のオンは、キー18のロック位置からOFF位置
(およびON位置)への回動を許容するもので、これに
よりステアリングロックをオフ(ロック解除)すること
が可能となる。
【0034】[6]メインスイッチSaのON接点出力
を受けたとき(キー18がON位置)、内部メモリ51
aのロックフラグFの状態を確認し、ロックフラグFが
クリヤされている場合のみ点火許容信号Dを送出してエ
ンジン始動を許容する手段。つまり、ロックフラグFが
セットされていれば点火許容信号Dが出されず、エンジ
ン始動が禁止されることになる。
【0035】つぎに、上記の構成の作用を図7のフロー
チャートを参照しながら説明する。キー入力部52のス
タンバイスイッチ52bがオンされると、ステアリング
ロックがオンかどうか、つまりメインスイッチSbがロ
ック位置かどうか判別される。ステアリングロックがオ
ンしていれば、内部メモリ51aのロックフラグFがセ
ットされる。ロックフラグFがすでにセットされている
場合は、そのセットが保持される。
【0036】キー入力部52のテンキー52aで数桁の
暗証番号が入力されると、それと内部メモリ51aにあ
らかじめ登録されている暗証番号とが一致するかどうか
判別される。暗証番号が一致しないままその入力失敗が
3回続くと、3分間の受付停止となる。これにより、正
規のユーザー以外の者による暗証番号のランダムな入力
に対し、盗難防止効果が得られる。
【0037】暗証番号が一致すると、つまり本人識別が
完了すると、内部メモリ51aのロックフラグFがクリ
ヤされるとともに、ソレノイド40がオンされる。ソレ
ノイド40がオンされると、プランジャ42が動いてロ
ータ15の回動つまりキー18のロック位置からOFF
位置(およびON位置)への回動が許容され、これによ
りステアリングロックをオフ(ロック解除)することが
可能となる。このとき、キー入力部52の発光ダイオー
ド52cが発光するとともに、制御ユニット51のブザ
ーが鳴動し、ステアリングロックのオフが可能な旨がユ
ーザーに報知される。実際に、ユーザーがキー18をロ
ック位置からOFF位置に回動すると、それに連動して
ロータ15がロック位置からOFF位置に回動し、ロッ
クバー30がストッパ金具31から離れてステアリング
ロックがオフする。
【0038】ここで、ソレノイド40のオンは10秒間
だけであり、その間にキー18がロック位置からOFF
位置に回動されなかった場合は、ステアリングロックの
オフが不可能となる。この場合、再びスタンバイスイッ
チ52bをオンして暗証番号を入力すればよい。この時
間制限を設けていることにより、暗証番号を入力したユ
ーザーが急に用事を思い出して車両を離れてしまった場
合でも、第三者によるステアリングロックのオフが未然
に防止される。
【0039】なお、キー18のロック位置からOFF位
置への切換をメインスイッチSbの出力により検出し得
る構成であるから、その検出の時点で、つまり10秒間
を待つことなく、ソレノイド40をオフしてもよい。
【0040】ユーザーによるステアリングロックのオフ
後、続けてキー18がOFF位置からON位置に回動さ
れると、メインスイッチSaのON接点出力に基づき、
制御ユニット51から点火許容信号Dが発せられる。こ
の点火許容信号Dはイグニッションユニット53に送ら
れる。
【0041】イグニッションユニット53では、メイン
スイッチSaのON接点出力(バッテリ電源電圧)によ
り動作し、点火許容信号Dを受けることでエンジンを点
火する。この場合、たとえノイズ等の影響による信号伝
達の失敗があったとしても、それにかかわらず確実なエ
ンジン始動を可能とするため、複数発たとえば3発の点
火許容信号Dが発せられる。
【0042】スタンバイスイッチ52bのオンに際して
は、ステアリングロックがオフであっても本人識別がな
される。したがって、何者かが破錠行為によってステア
リングロックを無理やりオフし、ロータ15がON位置
でエンジンがかからないまま放置された場合でも(盗難
されようとしたとき)、正規のユーザーがスタンバイス
イッチ52bをオンして本人識別が完了すれば点火許容
信号Dが送出される。つまり、正規のユーザーであれ
ば、車両の走行が可能である。
【0043】エンジン運転時、キー18がON位置から
OFF位置に回されると、メインスイッチSaのON接
点出力がなくなるので、イグニッションユニット53の
点火動作が停止してエンジンが停止する。このON位置
からOFF位置への切換に際しては、図8のフローチャ
ートに示すように、キー18がさらにOFF位置からロ
ック位置に回されるかどうか所定時間たとえば10秒間
にわたって監視される。10秒以内に、キー18がロッ
ク位置に回されると(ステアリングロックがオン)、内
部メモリ51aのロックフラグFがセットされる。ただ
し、キー18がOFF位置のまま10秒が経過すると、
そこで監視が終了し、かつロックフラグFはセットされ
ない(クリヤされたまま)。
【0044】エンジン停止時、キー18がOFF位置か
らON位置に回されると、図9のフローチャートに示す
ように、ロックフラグFがクリヤされているかどうか判
別される。ロックフラグFがクリヤされていれば、メイ
ンスイッチSaのON接点出力に応答して直ちに点火許
容信号Dが発せられる。ロックフラグFがセットされて
いれば、点火許容信号Dは発せられない。
【0045】ところで、キー18のON位置からOFF
位置への切換に際し(図8のフローチャート)、ロック
位置の監視に10秒の時間制限を設けているが、これは
次の理由による。
【0046】まず、走行終了時など、ユーザーが車両か
ら離れる場合、ユーザーはキー18をON位置からOF
F位置に回してエンジンを停止し、それからあまり時間
を置くことなくキー18をロック位置に回してステアリ
ングロックをオンするのが普通であり、この場合は当然
ながらロック位置への回動に連動してロックフラグFを
セットしておくことになる。
【0047】これに対し、ガソリンスタンドに立寄って
給油をする場合、あるいは車両の点検や修理を行なう場
合など、ユーザーや整備者にとってエンジン始動時に暗
証番号をいちいち入力するのは面倒であり、そのような
事態を、キー18がOFF位置に回されてエンジンが停
止されたまま10秒が経過することで検出し、その検出
に際してはたとえロック位置への回動があってもロック
フラグFをセットしない。すなわち、ロックフラグFを
セットしないとにより(クリヤのまま)、給油完了後の
エンジンの再始動に際し、あるいはエンジンの始動と停
止を繰返すような車両の点検や修理に際し、エンジンの
再始動のためにいちいち暗証番号を入力しなくてすむこ
とになり、運転者や整備者にとって便利であり、整備者
にとっては作業能率の低下が防止される。
【0048】一方、ステアリングロックのオン(ロック
位置)を検出するためのメインスイッチSbの出力は、
接点が開放しているときの出力(零電圧)であるから、
仮に信号線(ハーネスライン)の断線や接触不良などに
よって制御ユニット51への信号伝達が遮断されたとし
ても、制御ユニット51ではステアリングロックがオン
しているものと常に判断することになる。つまり、断線
や接触不良などの故障がある場合、スタンバイスイッチ
52bがオンされる時点で常にロックフラグFがセット
されることになり、本人識別が完了しなければ点火許容
信号Dは発せられない。
【0049】このような断線や接触不良などの故障は、
キー18がON位置に設定されたときにメインスイッチ
SaからON接点出力が生じるかどうかを見ることで検
知が可能である。この故障検知に際しては、その旨が発
光ダイオード52cおよびブザーにより報知される。
【0050】暗証番号を変更する場合、キー入力部52
でスタンバイスイッチ52bをオンし、先ずは登録ずみ
の暗証番号を入力することになる。この暗証番号の登録
について図10により説明する。
【0051】スタンバイスイッチ52bがオンされ、次
にテンキー52aで暗証番号が入力されると、その暗証
番号と内部メモリ51aの暗証番号とが一致するかどう
か判別される。暗証番号が一致しないままその入力失敗
が3回続くと、3分間の受付停止となる。これにより、
正規のユーザー以外の者による暗証番号の不正な変更が
防止される。
【0052】暗証番号が一致すると、つまり本人識別が
完了すると、スタンバイスイッチ52bが再度オンされ
るのを待って登録モードに入る。この登録モードでは、
暗証番号の入力が2回にわたって受付けられ、入力が2
回とも同じ場合のみその暗証番号が内部メモリ51aに
新規に登録される。この登録完了はたとえば発光ダイオ
ード52cの発光およびブザーの鳴動によってユーザー
に報知される。2回の入力が異なる場合は、登録不可と
してたとえば発光ダイオード52cの点滅およびブザー
の間欠鳴動によってユーザーに報知される。ここで、制
御回路の具体例を図11に示す。
【0053】制御ユニット51とキー入力部52とが5
本の信号線(ハーネスラインとも称す)R1,R2,R
3,R4,R5で接続される。R1はスタンバイスイッ
チ52bの信号伝送用、R2はクロック信号伝送用、R
3は基準信号伝送用、R4はキー信号伝送用、R5はア
ース線である。なお、制御ユニット51およびキー入力
部52により、キー入力装置が構成される。
【0054】制御ユニット51において、60は主制御
部であるところのマイクロコンピュータ、61は電源回
路である。この電源回路61は、PNP型トランジスタ
62のエミッタ・コレクタ間を介してバッテリ電源50
に接続され、制御ユニット51の動作電圧Vを出力す
る。
【0055】マイクロコンピュータ60のポートP0に
抵抗63を介してNPN型トランジスタ64のベース・
エミッタ間が接続され、そのトランジスタ64のコレク
タに抵抗65を介して上記トランジスタ62のベースが
接続される。このトランジスタ62のベースはさらに上
記抵抗65および順方向のダイオード66を介して信号
線(ハーネスライン)R1に接続され、その信号線R1
がキー入力部52のスタンバイスイッチ(自動復帰形の
押釦スイッチ)52bを介して接地される。
【0056】したがって、スタンバイスイッチ52bが
一旦オンされると、トランジスタ62がオンし、電源回
路61が動作する。これにより、動作電圧Vが生じ、マ
イクロコンピュータ60が起動する。このとき、マイク
ロコンピュータ60がポートP0から一定時間だけ論理
“1”レベルの電圧を出力し、これによりトランジスタ
64がオンしてトランジスタ62のオン状態が保持され
る。ポートP0の出力は一定時間後に論理“0”レベル
となるが、そのポートP0にはメインスイッチSaのO
N接点出力がバッファ67および順方向のダイオード6
8を介して供給されるようになっており、その供給があ
ればたとえポートP0が論理“0”レベルとなってもト
ランジスタ62はオンする。
【0057】信号線R1とダイオード66との接続点が
バッファ69を介してマイクロコンピュータ60のポー
トP2に接続される。このポートP2はマイクロコンピ
ュータ内部から論理“1”レベルにプルアップされてお
り、スタンバイスイッチ52bがオフのときはその論理
“1”レベルを維持するが、スタンバイスイッチ52b
がオンされると論理“0”レベルとなる。なお、このス
タンバイスイッチ52bのオン検知は、ダイオード66
が存在することにより、たとえトランジスタ64がオン
していても可能となっている。このように、スタンバイ
スイッチ52bの再オンが受入れ可能なことにより、暗
唱番号の変更モードに入ることができる。
【0058】制御ユニット51の動作電圧VラインにP
NP型トランジスタ70のエミッタ・コレクタ間を介し
て信号線R2が接続され、そのトランジスタ70のベー
スが抵抗71を介してマイクロコンピュータ60のポー
トP1に接続される。このポートP1には、マイクロコ
ンピュータ60のクロック発振部が接続される。このク
ロック発振部は所定周期のクロック信号を発するもの
で、そのクロック信号によってトランジスタ70がオ
ン,オフを繰返すことにより、同クロック信号が信号線
R2に供給される。
【0059】信号線R2は、キー入力部52における第
2カウンタ80の入力端子80aに接続される。さらに
信号線R2は、順方向のダイオード81を介してコンデ
ンサ82に接続される。このコンデンサ82はキー入力
部52の動作電源として働くもので、そのコンデンサ8
2に、カウンタ80の電源端子80bが接続されるとと
もに、抵抗83を介して発光ダイオード52cが接続さ
れる。
【0060】すなわち、信号線R2にクロック信号が供
給されると、図12に示すようにコンデンサ82が充電
され、その充電電圧によってカウンタ80が動作すると
ともに、発光ダイオード52cが発光する。なお、この
図11に示す具体例では、発光ダイオード52cをクロ
ック信号の発生時のみ発光させる構成としている。
【0061】カウンタ80は、入力端子80aおよび電
源端子80aのほかに、複数たとえば0番から9番まで
の10個の出力端子を有しており、入力端子80aに入る
クロック信号を“0”から“9”の値で繰返しカウント
し、そのカウント値に対応する番号の出力端子から順次
に論理“1”信号を出力する。このカウンタ80の各出
力端子にはテンキー52aの各キーが1つずつ接続さ
れ、その全てのキーの出力信号がオア回路84を介して
信号線R4に送られる。また、カウンタ80の各出力端
子のうち、0番端子の信号が信号線R3に送られる。
【0062】信号線R3は、制御ユニット51におい
て、バッファ72を介してマイクロコンピュータ60の
ポートP3に接続される。信号線R4は、制御ユニット
51において、バッファ73を介してマイクロコンピュ
ータ60のポートP4に接続される。
【0063】すなわち、信号線R2にクロック信号が供
給されると、図12に示すようにキー入力部52のカウ
ンタ80の各出力端子からクロック信号に同期した論理
“1”信号が順次に出力され、これら信号がテンキー5
2aのオンによって抽出される。たとえば、テンキー5
2aの数値キー“3”がオンされると、3番端子から出
力される信号がキー信号として抽出される。数値キー
“5”がオンされると、5番端子から出力される信号が
キー信号として抽出される。この抽出されるキー信号は
オア回路84および信号線R4を介してマイクロコンピ
ュータ60のポートP4に供給される。また、クロック
信号のカウント値が“0”に戻るごとに、0番の出力端
子から論理“1”信号が出力され、それが基準信号とし
て信号線R3によりマイクロコンピュータ60のポート
P3に供給される。
【0064】マイクロコンピュータ60は、点火許容信
号DをポートP5から出力する。この点火許容信号Dは
バッファ74を介してイグニッションユニット53に供
給される。イグニッションユニット53は、点火許容信
号Dを検出するための信号解読部、点火許容信号Dが検
出されるとその旨を記憶する信号記憶部、この信号記憶
部が点火許容信号Dの検出の旨を記憶しているときエン
ジン点火を行なう点火制御回路を備え、メインスイッチ
SaからのON接点出力により動作する。
【0065】マイクロコンピュータ60は、さらにポー
トP6,P7,P8を有する。ポートP6には、メイン
スイッチSaのON接点出力が上記バッファ67を介し
て入力される。ポートP7には、メインスイッチSbの
OFF接点出力(およびON接点出力)がバッファ75
を介して入力される。ポートP8にはバッファ76を介
してソレノイド40が接続される。
【0066】マイクロコンピュータ60に、報知用のブ
ザー76が接続されるとともに、ロックフラグF用およ
び暗証番号記憶用のメモリ51aとして書替可能な不揮
発性メモリ(EEPROM)が接続される。マイクロコンピュ
ータ60は、上記したクロック発振部のほかに、第1カ
ウンタ、キー読取部、比較部、ソレノイド駆動部、およ
び信号送出部を有する。
【0067】第1カウンタは、内部メモリ(RAM)を用い
たもので、クロック発振部のクロック信号をカウント
し、かつカウント値をポートP3の論理“1”入力に応
じてクリヤする。つまり、第1カウンタのカウント値
は、カウンタ80の1番端子の出力時に“1”、2番端
子の出力時に“2”というように“9”まで順次にアッ
プしていき、0番端子の出力時に“0”に戻る。これが
繰返される。
【0068】キー読取部は、ポートP4に入るキー信号
と第1カウンタのカウント値とからテンキー52aのど
のキーがオンされたかを検出する検出手段を備え、その
検出結果を基に入力暗証番号を読取る。すなわち、ポー
トP4にキー信号が入ったとき、そのときの第1カウン
タのカウント値が“3”であれば、数値キー“3”がオ
ンされたと判断する。カウント値が“5”であれば、数
値キー“5”がオンされたと判断する。比較部は、キー
読取部で読取られる暗証番号とメモリ51a内の暗証番
号とを比較し、両暗証番号が一致したときに一致信号を
出力する。
【0069】ソレノイド駆動部は、比較部の一致信号を
受けると、それから10秒間だけポートP8から駆動信号
を出力してソレノイド40をオンする。ただし、10秒間
が経過する前にメインスイッチSbのOFF接点出力を
受けたとき、10秒間の経過を待つことなく直ちに駆動信
号を遮断してソレノイド40をオフする。信号送出部
は、比較部から一致信号が発せられたとき、点火許容信
号DをポートP6に入るON接点出力に同期してポート
P5から送出する。
【0070】このように、クロック信号を制御ユニット
51側とキー入力部52側で同時にカウントし、そのカ
ウント値を基にキー入力を読取ることにより、制御ユニ
ット51とキー入力部52との間の信号線数を従来のマ
トリクス回路を用いる場合に比べて少なくすることがで
きる。
【0071】すなわち、キー入力部52にはテンキー5
2aおよびスタンバイキー52bを合わせて11個のキ
ーがあり、これらのキーを仮にマトリクス状に配列して
マトリクス回路を構成したとすれば、キー入力部52と
制御ユニット51との間に8本の信号線が必要となる。
アース線も含めれば9本の信号線が必要となる。これに
対し、上記具体例の構成によれば、R1,R2,R3,
R4,R5という5本の信号線ですむことになり、コス
トの低減が図れる。また、信号線の数が少ない分だけノ
イズの影響を受け難く、仮にノイズ除去回路を設けると
しても信号線の数が少ない分だけ低コスト化が可能であ
る。しかも、制御ユニット51側のカウント値とキー入
力部52側のカウント値とは、基準信号によって常に同
じに保たれるので、キー入力に対する読取り精度を高く
保つことでができる。このような具体例の変形として、
図13に示すものがある。
【0072】キー入力部52において、コンデンサ82
と並列に、抵抗85を介してコンデンサ86を接続す
る。そして、抵抗85とコンデンサ86の接続点をカウ
ンタ80のリセット端子80cに接続する。さらに、抵
抗85とコンデンサ86の接続点を順方向のダイオード
87を介してカウンタ80の入力端子80aに接続す
る。作用を図14により説明する。
【0073】制御ユニット51からキー入力部52に供
給されるクロック信号は、カウンタ80の入力端子80
aに入力されるとともに、抵抗85およびコンデンサ8
6からなる積分回路にも入力される。この場合、クロッ
ク信号の論理“1”期間においてコンデンサ86が充電
され、その充電電圧がクロック信号の論理“0”期間に
おいてダイオード87を通して入力端子80c側に放電
されるが、抵抗85とコンデンサ86の時定数が存在す
ることにより充電よりも放電が速く、よってコンデンサ
86の電圧は低レベルに維持される。
【0074】コンデンサ86の電圧が低レベルであれ
ば、カウンタ80にリセットがかからず、よってクロッ
ク信号がカウントされてカウンタ80の各出力端子から
論理“1”信号が順次出力される。
【0075】制御ユニット51では、クロック信号がマ
イクロコンピュータ60の第1カウンタでカウントされ
るが、そのカウント値が“9“となって次のクロック信
号の立上がりが生じた時、その第1カウンタがクリヤさ
れる(カウント値“0”)。これと同時にクロック信号
の立上がり状態(論理“1”状態)が維持され、結果的
にクロック信号の送出が止まって信号線R2が高電圧レ
ベルに維持される。
【0076】こうしてクロック信号が止まると、コンデ
ンサ86の充電が進み、やがてその電圧がスレッシュホ
ールドレベルEを超えるようになる。この電圧はカウン
タ80に対するリセット信号となり、カウンタ80のカ
ウント値が“0”にクリヤされる。つまり、制御ユニッ
ト51側のカウンタのカウント値とキー入力部52側の
カウンタ80のカウント値とが同時に“0”にクリヤさ
れる。
【0077】クロック信号の停止から一定時間tが経過
すると、その停止が解除され、クロック信号が送出され
て両カウンタのカウント動作が再開される。ここでの一
定時間tは、抵抗85とコンデンサ86の時定数よりも
長くしてあり、よってリセット信号が確実に発生されて
からカウント動作が再開されることになる。
【0078】このように、制御ユニット51側のカウン
ト値とキー入力部52側のカウント値とをクロック信号
のコントロールで同期させることにより、キー入力部5
2から制御ユニット51に基準信号を送る必要がなく、
よって信号線R3を除去することができる。したがっ
て、信号線数は4本ですみ、コスト低減およびノイズ対
策の効果がさらに向上する。
【0079】次に、この発明に第2実施例について説明
する。ここでは、図15に示すように、ロック位置検出
用のメインスイッチSbが除去される。つまり、ステア
リングロックがオンかどうかを検出する機能が除去され
る。制御ユニット51は、次の機能手段を備える。
【0080】[1]キー入力部52でスタンバイスイッ
チ52bがオンされると、キー入力部52で入力される
暗証番号と内部メモリ51aにあらかじめ登録されてい
る暗証番号とを比較して本人識別を行なう手段。 [2]暗証番号が一致して本人識別が完了すると、内部
メモリ51aの暗証フラグGをクリヤする手段。
【0081】[3]暗証番号が一致して本人識別が完了
すると、ソレノイド40をオンする手段。このソレノイ
ド40のオンは、キー18のロック位置からOFF位置
(およびON位置)への回動を許容するもので、これに
よりステアリングロックをオフ(ロック解除)すること
が可能となる。
【0082】[4]暗証番号の一致による本人識別の完
了時のみ、メインスイッチSaのON接点出力(キー1
8がON位置)に応答して点火許容信号Dを送出し、エ
ンジン始動を許容する制御手段。この制御を暗証チェッ
クモードと称する。
【0083】[5]本人識別を要さずにメインスイッチ
SaのON接点出力に応答し、点火許容信号Dを送出し
てエンジン始動を許容する制御手段。この制御を暗証チ
ェック無モードと称する。 [6]暗証チェックモードと暗証チェック無モードのい
ずれか一方の制御を選択する手段。 他の構成は第1実施例と同じである。作用を図16のフ
ローチャートを参照しながら説明する。
【0084】キー入力部52のスタンバイスイッチ52
bがオンされ、さらにテンキー52aで数桁の暗証番号
が入力されると、それと内部メモリ51aにあらかじめ
登録されている暗証番号とが一致するかどうか判別され
る。暗証番号が一致しないままその入力失敗が3回続く
と、3分間の受付停止となる。これにより、正規のユー
ザー以外の者による暗証番号のランダムな入力に対し、
盗難防止効果が得られる。
【0085】暗証番号が一致すると、つまり本人識別が
完了すると、内部メモリ51aの暗証フラグGがクリヤ
されるとともに、ソレノイド40がオンされる。ソレノ
イド40がオンされると、プランジャ42が動いてロー
タ15の回動つまりキー18のロック位置からOFF位
置(およびON位置)への回動が許容され、これにより
ステアリングロックをオフ(ロック解除)することが可
能となる。このとき、キー入力部52において、発光ダ
イオード52cが発光するとともにブザーが鳴動し、ス
テアリングロックのオフが可能な旨がユーザーに報知さ
れる。実際に、ユーザーがキー18をロック位置からO
FF位置に回動すると、それに連動してロータ15がロ
ック位置からOFF位置に回動し、ロックバー30がス
トッパ金具31から離れてステアリングロックがオフす
る。
【0086】ここで、ソレノイド40のオンは10秒間
だけであり、その間にキー18がロック位置からOFF
位置に回動されなかった場合は、ステアリングロックの
オフが不可能となる。この場合、再びスタンバイスイッ
チ52bをオンして暗証番号を入力すればよい。この時
間制限を設けていることにより、暗証番号を入力したユ
ーザーが急に用事を思い出して車両を離れてしまった場
合でも、第三者によるステアリングロックのオフが未然
に防止される。
【0087】ユーザーによるステアリングロックのオフ
後、続けてキー18がOFF位置からON位置に回動さ
れると、メインスイッチSaのON接点出力に基づき、
制御ユニット51から点火許容信号Dが発せられる。こ
の点火許容信号Dはイグニッションユニット53に送ら
れる。
【0088】イグニッションユニット53では、メイン
スイッチSaのON接点出力を受けて動作し、点火許容
信号Dを受けることでエンジンを点火する。この場合、
ノイズ等の影響による受信失敗に対処するため、複数発
たとえば3発の点火許容信号Dが発せられる。
【0089】この後、暗証チェックモードが設定されて
いるか、それとも暗証チェック無モードが設定されてい
るかどうか判別される。暗証チェックモードであれば内
部メモリ51aの暗証フラグGがセットされ、暗証チェ
ック無モードであれば暗証フラグGのクリヤ状態が維持
される。暗証チェックモードまたは暗証チェック無モー
ドの設定は後述する暗証番号の登録に際し行なわれる。
【0090】エンジン運転時、キー18がON位置から
OFF位置に回されると、メインスイッチSaのON接
点出力がなくなるので、イグニッションユニット53の
点火動作が停止してエンジンが停止する。
【0091】エンジン停止時、キー18がOFF位置か
らON位置に回されると、図17のフローチャートに示
すように、暗証チェックモードかどうか判別される。暗
証チェックモードであれば、暗証フラグGがクリヤされ
ている場合のみ、つまり本人識別の完了時のみ、メイン
スイッチSaのON接点出力に応答して点火許容信号D
が発せられる。暗証フラグGがセットされていれば、点
火許容信号Dは発せられない。
【0092】暗証チェック無モードであれば、暗証フラ
グGの判別を要さず、つまり本人識別を要さず、メイン
スイッチSaのON接点出力に応答して点火許容信号D
が発せられる。
【0093】暗証番号を変更する場合、キー入力部52
でスタンバイスイッチ52bをオンし、先ずは登録ずみ
の暗証番号を入力することになる。この暗証番号の登録
について図18により説明する。
【0094】スタンバイスイッチ52bがオンされ、次
にテンキー52aで暗証番号が入力されると、その暗証
番号と内部メモリ51aの暗証番号とが一致するかどう
か判別される。暗証番号が一致しないままその入力失敗
が3回続くと、3分間の受付停止となる。これにより、
正規のユーザー以外の者による暗証番号の不正な変更が
防止される。
【0095】暗証番号が一致して本人識別が完了する
と、スタンバイスイッチ52bが再度オンされるのを待
って登録モードに入る。この登録モードでは、入力され
る暗証番号が内部メモリ51aに新規に登録される。こ
の登録完了はたとえば発光ダイオード52cの発光およ
びブザーの鳴動によってユーザーに報知される。
【0096】この登録完了後、暗証番号による本人識別
を要するかどうかの入力が受付けられる。ここで、テン
キー52aでチェック要の旨のコード番号が入力される
と、内部メモリ51aのチェックモードフラグHがセッ
トされ、暗証チェックモードが設定される。テンキー5
2aでチェック不要の旨のコード番号が入力されると、
内部メモリ51aのチェックモードフラグHがクリヤさ
れ、暗証チェック無モードが設定される。
【0097】したがって、通常の使用では暗証チェック
モードを選択して本人識別を必須とすることにより、盗
難に対する十分な安全を確保することができる。また、
連続的に車両を使用し続けるときや整備点検にために整
備業者に預ける場合は暗証チェック無モードを選択して
本人識別を不要とすることにより、通常のキーオン操作
のみでエンジンを始動することが可能となる。このモー
ドの選択は暗証番号による本人識別の直後のみ可能とし
ているので、他人が勝手にモードを切替えることはでき
ない。
【0098】この第2実施例ではロック位置検出用のメ
インスイッチSbを不要としていることから、制御回路
の具体例として図11や図13に示すものを採用すると
すれば、その図11や図13の回路において制御ユニッ
ト51のバッファ75およびその接続線が除去される。
【0099】なお、上記各実施例において、キー入力部
52のテンキー52aを照光式とすれば、夜間の操作が
容易となる。この場合、各キーの輝度は、発光ダイオー
ド51cが昼間も確認できる高輝度なものとするのに対
し、夜間確認できるレベルでよい。
【0100】
【発明の効果】以上述べたようにこの発明によれば、
【0101】請求項1の車両の盗難防止装置は、ロック
機構がロックされるとその旨を記憶する手段と、この記
憶内容を本人識別の完了により消去する手段と、上記記
憶内容の消去時のみエンジン始動を許容する手段とを備
えたので、ロック解除のための本人識別の完了後はその
本人識別の繰返しを要することなくエンジン始動を可能
とする車両の盗難防止装置を提供できる。
【0102】請求項2の車両の盗難防止装置は、本人識
別の完了時のみエンジン始動が許容する制御手段と、本
人識別を要さずにエンジン始動を許容する制御手段と、
これら制御手段のいずれか一方の制御を選択する手段と
を備えたので、ロック解除のための本人識別の完了後は
その本人識別の繰返しを要することなくエンジン始動を
可能とする車両の盗難防止装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の各実施例を備えた自動二輪車の前側
側面図。
【図2】各実施例の取付状態を一部破断して示す側面
図。
【図3】各実施例の取付状態を示す平面図。
【図4】各実施例におけるロック機構の断面図。
【図5】各実施例における電気的ロック機構の作動状態
を示す図。
【図6】第1実施例における制御回路のブロック図。
【図7】第1実施例におけるキーのロック位置からOF
F位置、OFF位置からON位置への回動に基づく作用
を説明するためのフローチャート。
【図8】第1実施例におけるキーのON位置からOFF
位置への回動に基づく作用を説明するためのフローチャ
ート。
【図9】第1実施例におけるキーのOFF位置からON
位置への回動に基づく作用を説明するためのフローチャ
ート。
【図10】第1実施例における暗証番号変更モードの作
用を説明するためのフローチャート。
【図11】第1実施例における制御回路の具体例のブロ
ック図。
【図12】図11の回路の作用を説明するためのタイム
チャート。
【図13】図11の回路の変形例のブロック図。
【図14】図13の回路の作用を説明するためのタイム
チャート。
【図15】第2実施例における制御回路のブロック図。
【図16】第2実施例におけるキーのロック位置からO
FF位置、OFF位置からON位置への回動に基づく作
用を説明するためのフローチャート。
【図17】第2実施例におけるキーのOFF位置からO
N位置への回動に基づく作用を説明するためのフローチ
ャート。
【図18】第2実施例における暗証番号変更モードの作
用を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
A…ロック機構、B…機械的ロック機構、D…点火許容
信号、Sa,Sb…メインスイッチ、18…キー、30
…ロックバー、40…ソレノイド、51…制御ユニッ
ト、51a…メモリ、52…キー入力部、52a…テン
キー、52b…スタンバイスイッチ、53…イグニッシ
ョンユニット、60…マイクロコンピュータ、R1,R
2,R3,R4,R5…信号線。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 本人識別の完了時にロック機構のロック
    解除を可能とする車両の盗難防止装置において、前記ロ
    ック機構がロックされるとその旨を記憶する手段と、こ
    の記憶内容を本人識別の完了により消去する手段と、前
    記記憶内容の消去時のみエンジン始動を許容する手段と
    を備えたことを特徴とする車両の盗難防止装置。
  2. 【請求項2】 本人識別の完了時にロック機構のロック
    解除を可能とする車両の盗難防止装置において、本人識
    別の完了時のみエンジン始動を許容する制御手段と、本
    人識別を要さずにエンジン始動を許容する制御手段と、
    これら制御手段のいずれか一方の制御を選択する手段と
    を備えたことを特徴とする車両の盗難防止装置。
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