JPH06156005A - 車輪支持装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 車輪の昇降やボルトの位置合せを容易にする
ことで、車輪の交換が一人作業でできるようにした車輪
支持装置の提供を目的とする。 【構成】 離間して対向配置した一対のローラー間で車
輪を支持すると共に、このローラーを回転可能な状態で
支持する支持台を設けた。また、ジャッキの昇降部に嵌
合する係止手段を有する取付体を設け、この取付体と前
記支持台とに両者を結合する取付手段を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自動車などの車輪を、
容易に交換できるように改善した車輪支持装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】一般にタイヤ交換と言われているよう
に、自動車などの車輪を交換するときは、交換すべき車
輪を地上から浮かせた状態に設定する必要がある。この
作業には、昇降装置としてのジャッキを用い、車体の一
部を上昇させることで、車輪を浮かせてから行う。車輪
はナットを外し、車輪を車体側に設けたボルトから抜き
さることで、車体から取外すことができる。新たに取付
ける車輪は手で持ち上げ、車輪に設けられたボルト取付
孔を、車体側のボルトに位置決めしながら挿入して、仮
取付を行ったのちナットで固着する。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上述したように、車輪
を手で持って着脱する従来例の作業に於いて、小型車の
如き軽い車輪は普通に作業ができる。しかし、大型車の
車輪になると重量があって、作業が困難であり肉体的な
疲労も大であった。二人がかりで作業を行っても、ボル
トとボルト孔との位置決めが困難であるばかりでなく、
金属同士がぶつかりあって、互いに傷を付けたりする欠
点もあった。本発明は、このような不具合を解消するた
めになされたものであり、ジャッキを用いて車輪の昇降
とボルトの位置合せとが、容易にできるようにした車輪
支持装置の提供を目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記不具合を解決するた
めに、本発明は次のような構成としている。離間して配
置した一対のローラーを回転可能な状態で取付けた支持
本体に、筒状の軸受を設けて支持台とした。また、この
支持台の取付手段と、昇降装置としてのジャッキの昇降
部に係止する係止手段とを有する取付体を設け、この取
付体と前記支持台とによって、車輪支持装置としたもの
である。

【０００５】

【作用】支持体に設けた一対のローラー間に車輪を乗せ
ると、車輪は回転できるから、車体側に設けたボルトと
車輪に設けたボルト取付孔との位置ずれを、容易に一致
させることができる。車輪の高さは、ジャッキの操作に
よって自動車の車軸と一致させるものであり、キャスタ
ー付のジャッキを使用することによって、手で保持する
ことなく、車輪の移動と位置合せとが容易にできるもの
である。

【０００６】

【実施例】本発明の実施例について、図面を参照して説
明する。図１は本発明の車輪支持装置とこれに使用する
ジャッキの一部とを示す斜視図、図２は図１で示す車輪
支持装置を分解して示す分解斜視図、図３は図２で示す
支持台の背面側から見た斜視図である。図１で示すよう
に本発明の車輪支持装置１０は、車輪を回転可能な状態
で支持する支持台２０と、この支持台２０を昇降装置と
してのジャッキ１２の昇降部１４に係止させる取付体３
０とからなる。これらの支持台２０と取付体３０とにつ
いて、更に詳細に説明する。図２で示すように支持台２
０は、箱形に形成した支持本体２２と、この支持本体の
両端から突出するように、互いに対向配置した傾斜体２
４と、この傾斜体間で傾斜体２４と隣接配置した一対の
ローラー２６と、前記支持本体２２の中間部に設けら
れ、取付体３０との取付手段となる筒状の軸受２８とか
らなる。支持本体２２は、一対の傾斜体２４とローラー
２６とを支持するものである。傾斜体２４は、支持本体
２２側を高くして、支持本体から離れるに従って低くな
る方形の傾斜面を形成しており、図示しない車輪を、一
対のローラー２６間に乗せ易くするための傾斜面であ
る。また、この傾斜体２４は支持本体２２の両端から支
持本体と直交する方向に突出して設けている。ローラー
２６は円柱状であり、図３で示すように支持本体２２
と、傾斜体２４に設けた支持片２５とで、ローラー２６
を回転可能な状態で取付けている。ローラー２６も傾斜
体２４と同様で、支持本体２２と直交するように支持本
体から突出し、かつ傾斜体２４と平行に配設している。
取付体３０との取付手段である軸受け２８は円筒状であ
り、支持本体２２の中間部で、傾斜体２４やローラー２
６の突出方向とは、反対側に設けている。図２で示すよ
うに、筒状の軸受２８の開口部側には、スリット２９が
開口と連接して設けられ、前述した取付体３０を挿入し
た場合の位置決め手段としている。

【０００７】図２で示すように取付体３０は、ジャッキ
に取付ける係止手段３２と、この係止手段と一体に設け
られ、前述した支持台２０との取付手段３１となる棒状
の取付軸３９とからなる。係止手段３２は、ジャッキの
昇降部に当接して位置決めするもので、複数の当接部分
となるガイド部分から形成されている。図２で示す係止
手段３２は、図１で示す如く床面を移動することができ
るように、キャスターを備えた市販のジャッキ１２に使
用するもので、このジャッキを例に説明する。ジャッキ
１２は、図示しない昇降作動手段によって、上下動する
昇降アーム１８の先端部分で、重量物を図中で示す矢印
Ａの如く、上昇させたり降下させたりする。この先端部
分すなわち昇降部１４は、昇降アーム１８の先端でコ字
形に形成した受台１６と、この受台の頂部で図中の矢印
Ｂで示すように、回動可能な状態に設けた椀状の回転体
１５とからなるジャッキ１２である。

【０００８】図２で示すように係止手段３２は、角柱３
３の頂部に設けた蓋状の第１のガイド３４と、角柱３３
の中間部に設けたコ字形の枠状からなる第２のガイド３
６と、角柱３３の下端を当付けて使用することでガイド
とした第３のガイド３７とからなる。蓋状の第１のガイ
ド３４は、前述したジャッキ１２の回転体１５を覆うも
のであり、その頂部には開口３５を設けることで、係止
状態を確認しやすくしている。回転体１５の外径と第１
のガイド３４との内径は、被せた場合に取付がたの少な
いように設定している。枠形である第２のガイド３６
は、ジャッキ１２の受台１６前方と両側面に当接し、受
台１６を挟み込むようにして取付する。角柱３３の下端
である第３のガイド３７は、受台１６と昇降アーム１８
とを、回動可能な状態で接続するための回転軸１７に当
接するものである。これら第１乃至第３のガイドから形
成される係止手段３２によって、ジャッキ１２の昇降部
１４と確実に取付けできる。尚、この係止手段３２は、
ジャッキ昇降部の構造によって、適宜その構造を変える
ものであり、確実に取付けられる構成であれば良い。こ
のような係止手段３２は、前述した支持台２０を取付け
るための棒状の取付軸３９に、取付片３８を介して一体
化される。この取付軸３９には、支持台２０に設けた筒
状の軸受２８を、嵌合させるものであり、取付軸３９と
軸受２８とが、支持台２０と取付体３０との取付手段３
１となるものである。

【０００９】このように構成した本発明の車輪支持装置
１０の使用例について、図４乃至図６を参照して説明す
る。図４乃至図６は、本発明の車輪支持装置を、ジャッ
キに取付けて使用する状態を示す説明図であり、図４は
車輪の取外しを示す説明図、図５は車輪を支持して降下
中を示す説明図、図６は車輪の取付中を示す説明図であ
る。自動車のタイヤ、すなわち車輪を交換するには、あ
らかじめ車体を上昇させて、交換すべき車輪を床面から
浮上させておく必要がある。本発明の車輪支持装置１０
に使用するジャッキは、キャスター付であり床面を移動
することができるものを用いる。このキャスター付のジ
ャッキと車体上昇用のジャッキとは、兼用することも可
能であり、必要に応じて使い分けても良い。図１で示す
ように車輪支持装置１０は、取付体３０をジャッキ１２
の昇降部１４に被せることで、第１乃至第３のそれぞれ
のガイドが、前述したように当接して互いに係止する。
尚、図４乃至図６で示す車輪支持装置１０は、図３の図
中の矢印で示すＣ方向から見た平面図で示している。

【００１０】車輪支持装置１０をジャッキ１２の昇降部
１４に取付けたら、図４で示すように交換すべき車輪４
０の下側に、ジャッキ１２と共に本装置の支持台２０を
位置させる。この状態から一対のローラー２６が図中の
点線で示すように、車輪４０の外径に当接するまで、ジ
ャッキの昇降部１４を上昇させる。ローラー２６に車輪
４０が乗ったら、車輪固定用のナット４２を外し、車輪
が車体側に設けたボルトから外れやすい高さに調整す
る。車輪４０と車体の取付関係が無負荷になるように、
ボルトとボルト取付孔との中心を一致させると共に、ジ
ャッキ１２を車体から離す方向に移動する。すると、ロ
ーラー２６上に車輪が乗った図５で示す状態で、車輪４
０を取外すことができる。取外した車輪は、図５の図中
の矢印Ｄで示すように降下させ、図６で示す如く床面４
５に接地するまで降し、車輪支持装置１０からも移動さ
せることにより、取外し作業が完了する。

【００１１】新しい車輪を取付けるには、図６の実線で
示すように、車輪４０を転がしながら、一方の傾斜体２
４を乗越えて、一対のローラー２６間の点線で示す位置
に、車輪４０を移動する。更に、図中の矢印Ｅで示すよ
うに車輪を上昇させ、図５の如く設定しながら図示しな
い車体に取付ける。車体と車輪との軸芯を一致させたの
ち、一対のローラー２６を利用して車輪を回転させる
と、車体側のボルトと車輪側に設けたボルト挿入孔と
を、簡単に一致させることができる。ボルトと孔が一致
したら、ジャッキを車体側に移動するだけで、車輪は仮
取付されるから、あとはナットを固着して車体を降下さ
せるだけで、車輪の取付作業が簡単に終了する。

【００１２】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、一
対のローラー間に車輪を乗せて、ジャッキで昇降するよ
うにしたことによって、多くの効果を得ることができ
た。すなわち、車輪を転がせる状態で本装置にセットす
ることと、ジャッキを利用して昇降させるから、重い車
輪でも一人作業が可能となった。車輪の位置合せは、ジ
ャッキの高さを調整して車体と車輪との軸芯を合せたの
ち、軽く車輪を回転させるだけで回転方向の位置ずれ、
すなわち、ボルトとボルト孔とを一致させることができ
る。よって、車体側と車輪とは、ほとんど無負荷の状態
で着脱することが可能であるから、従来の如く互いにぶ
つかりあって傷が付くようなことも少くなった。この車
輪支持装置自体の組合せやジャッキへの取付は、嵌合さ
せるだけのいわゆるワンタッチ動作でできることと、重
い車輪の交換を一人で行うことができるから、効率よく
作業を終了することができるなど、多くの効果を得るこ
とができた。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の車輪支持装置とこれに使用するジャッ
キの一部とを示す斜視図である。

【図２】図１で示す車輪支持装置の分解斜視図である。

【図３】図２で示す支持台を背面側から見た斜視図であ
る。

【図４】図２で示す車輪支持装置を用いて車輪の取外し
状態を示す説明図である。

【図５】車輪支持装置が車輪を支持して降下中であるこ
とを示す説明図である。

【図６】車輪支持装置に車輪を乗せる状態を示す説明図
である。

【符号の説明】

１０ 車輪支持装置 １２ ジャッキ １４ 昇降部 １８ 昇降アーム ２０ 支持台 ２２ 支持本体 ２４ 傾斜体 ２６ ローラー ２８ 軸受 ３０ 取付体 ３１ 取付手段 ３２ 係止手段 ３９ 取付軸 ４０ 車輪 ４５ 床面

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 離間して対向配置した一対のローラー間
   で車輪を支持すると共に、このローラーを回転可能な状
   態で取付けた支持本体を有する支持台と、 この支持台との取付手段と昇降装置としてのジャッキの
   昇降部に係止する係止手段とを一体的に設けた取付体と
   からなることを特徴とする車輪支持装置。