JPH06155426A - 炭素繊維強化石膏製模型および成形型用原型とその中間型、並びにそれらの石膏粉末およびその製造方法 - Google Patents

炭素繊維強化石膏製模型および成形型用原型とその中間型、並びにそれらの石膏粉末およびその製造方法

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JPH06155426A
JPH06155426A JP5115121A JP11512193A JPH06155426A JP H06155426 A JPH06155426 A JP H06155426A JP 5115121 A JP5115121 A JP 5115121A JP 11512193 A JP11512193 A JP 11512193A JP H06155426 A JPH06155426 A JP H06155426A
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mold
carbon fiber
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model
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Yoshiaki Hattori
吉昭 服部
Makoto Ishihara
誠 石原
Teruyo Sakurai
照世 桜井
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Noritake Co Ltd
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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B40/00Processes, in general, for influencing or modifying the properties of mortars, concrete or artificial stone compositions, e.g. their setting or hardening ability
    • C04B40/0028Aspects relating to the mixing step of the mortar preparation
    • C04B40/0039Premixtures of ingredients
    • C04B40/0042Powdery mixtures
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高寸法精度等の機能を低下させることなく、
石膏型の強度を高める。また、石膏泥漿内に炭素繊維の
無数本の単繊維を均一に分散させ、前記の石膏型を製造
する。 【構成】 (1) 母材の石膏組織内に長さ5〜200(100)mm
の炭素繊維が単繊維に離散された状態で石膏に対して0.
008 〜2.0(0.9)重量%の割合で均一に混入分散されてい
る炭素繊維強化石膏製模型,模型複写型,原型及び中間
型である。 (2) 炭素繊維を5〜200mm の長さに切断して無数本の単
繊維に予め離散させておき、石膏粉末と、該石膏粉末に
対して0.01〜5重量%の単繊維に離散された前記炭素繊
維とを循環しているジェット空気流内に投入して両者を
均一に混合せしめた後に回収する。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、母材の石膏内に所定長さの炭素繊維を単繊維
状態で所定の割合で均一に混入分散させることにより、
機械的外力および温度差による内部応力などに対する材
料力学的強度を高めるとともに、石膏の硬化時体積膨張
および硬化後の乾燥完了時体積膨張を減少させ、かつ、
成型品の熱膨張率を減少させた炭素繊維強化石膏製模型
および成形型用原型とその中間型、並びにそれらの石膏
粉末およびその製造方法に関するものである。本明細書
において「石膏製模型」とは、3次元物体の形状見本又
は最終目的形状のことを云う。従って、石膏を用いて一
般には目的とする最終製品の部分又は全体形状と同一と
なるように造ったひな型あるいは見本のことでもあり形
態的にはそれ自体が最終的目的物であるものをいう。従
って、金属等の模型の場合は模型自身が、目的とする最
終製品である場合もある。また、「石膏製成形型用原
型」とは、数回の鋳込複製工程を経て量産のための成形
型を成型する場合における複製の基礎となる石膏製の型
のことをいう。すなわち「原型」とは成形型を成型する
ためのスタートラインにある型のことであり、成型作業
の事実上の原点となる型のことをいう。それ自体は最終
的目的物ではないが、原型から最終製品までの膨張及び
収縮が、問題にならない場合で、且つ形状が、最終製品
と相似であるときは、模型と識別できないことがある。
その場合、最終製品が1個または数個の極少量生産のと
きは、その製品は模型の複写物として取扱い、いかに製
品のスタートライン上のものであっても原型とは云わな
い。更に「石膏製中間型」とは、原型から成形型を鋳込
成型工程により複製する場合、この両型の中間に成型さ
れるすべての型のことをいう。例えば陶磁器成形型の成
型の場合、原型→元型→ケース型→成形型という型の複
製工程において原型と成形型の中間において鋳込成型さ
れる元型,ケース型という2種類の石膏製の型のことを
いう。従来、石膏製模型,石膏製原型或るいはその中間
型の強度を増大させるには種々の方法があり、例えばβ
型半水石膏を主体としてその中にα型半水石膏を混合し
て混水量を減少せしめたり、石膏内にセメント或るいは
樹脂を混入させたりする方法があり、更に石膏内に麻等
の天然繊維或るいはガラス繊維を混入させる方法もあ
る。石膏内にセメント或るいは樹脂を混入する場合、強
度自体の向上は図られるが、その他の石膏の物性が変化
するという欠点を有している。また、石膏内に麻等の天
然繊維を混入する場合、天然繊維は合成繊維に比較して
引張り強さが小さいので、石膏に対する混入量を多くし
なければ強度の増大を図ることができない。しかも天然
繊維は単繊維自体が太いので、原型の場合、型の表層部
に入り込んだ繊維の端部が成形面に露出し易く、露出し
た繊維端により複製される型(中間型或るいは成形型)
の成形面が傷付けられると共に、繊維端が露出した部分
の表面性状が不均質となり、複製された型の対応する部
分が複製不良となり易い等の欠点を有している。更に、
石膏内にガラス繊維を混入する場合は、模型,原型等の
強度自体は僅かに向上するが、ガラス繊維は硬直性を有
するため、表層部に入り込んだガラス繊維の端部が表面
に露出し、模型の場合には美感が損われると共に、原型
或るいは中間型の場合には、複製される型の成形面が傷
付けられるという欠点がある。本発明は、優れた強度特
性,柔軟性,軽量性,低熱膨張性を備え、しかも径が極
めて小さい炭素繊維を所定の長さに切断して、所定の重
量割合で硬化石膏マトリックス内に均一に分散させて混
入することにより、成形型用原型或るいは中間型におい
ては、硬化時膨張率,乾燥完了脱型時の膨張率及び熱膨
張係数を低下せしめることにより、型の複製精度を高め
ると共に、型の材料力学的強度を高め、これにより機械
的外力に対する強度(耐久性)と熱的歪による内部応力
に対する強度(耐久性)の双方を高めたものである。同
様にして模型においては、機械的強度を高めることによ
り、保存或るいは取扱い時に受ける外力により複雑な形
状を有する部分が折損,破損等されるのを防止すると共
に、特に複製模型においてはその複製精度(寸法精度)
を高めることにより、高精度の模型の製作を可能ならし
めたものである。本発明の対象となる石膏製模型,原型
としては、金属および非金属,無機・有機を問わずそれ
らの材料のプレス,鋳造,切削,研削,塑性加工,レー
ザ加工などその他各種の化学的・物理的すべての材料加
工における石膏製模型及び加工時に型を利用するものに
おいてはその型を成型するための原型が含まれる。成形
加工時に型を利用するものでも、その型を成型するため
の基礎となる型(又は形態物)と製品の形状が略々同一
の場合で、歯科材料や記念カップのように成形個数が1
個又は数個の極少数個のときは模型及び模型複製型の中
に含まれる。特に模型としては、電気機器,輸送機器,
化工装置,加工工作機械自体およびこれらの部品の工業
用模型並びに、歯科用模型,或るいは医学・生物学上の
臓器模型警察の鑑識模型等の加工に係らない模型も含ま
れる。また、成形型用原型およびその中間型としては、
陶磁器の鋳込成形型,ロクロ成形型プレス成形型,或る
いは紙パルプ泥漿やファィンセラミックスの水性懸濁液
を原料とする紙器の鋳込成形型,プレス成形型のように
石膏の吸水性を利用する成形型の成型に用いられるも
の、合成ゴム製品,プラスチック製品,非鉄金属製品更
には原料に粘土類を含まないいわゆるファインセラミッ
クス製品等のプレス成形型,射出成形型,鋳込成形型,
押出成形型の成型に用いられるものが含まれ、更に、航
空機機体・自動車ボディの板金プレス金型用原型、原型
を製作するための原形(最初の形態見本・図案)或るい
はその中間的な型類が含まれる。また、本発明に用いら
れる炭素繊維の種類は、ポリアクリロニトリル系,ピッ
チ系,レーヨン系或るいは、リグニンポバール系のいず
れでもよいが、模型或るいは成形型用原型の強度を増大
させる関係から高強度或るいは高弾性の炭素繊維が望ま
しく、具体的には引張強さ200kgf/mm(Kg
/mm)以上、引張弾性係数20,000kgf/m
(Kg/mm)以上のものが望ましい。本発明に
おいては、団塊状になり易い炭素繊維を母材の石膏マト
リックス内に団塊を生ずることなく、単一繊維状態で均
一に分散せしめて混入することが極めて重要な要素であ
り、かかる観点から強化材として石膏マトリックス内に
混入せしめる炭素繊維の長さおよび石膏に対する重量割
合が定められる。炭素繊維を無数本の単繊維に離散せし
めて母材の石膏マトリックス内に混入するのであるが、
後述する理由により炭素繊維の長さは5ないし200m
m、望ましくは5ないし100mmにすることが必要で
ある。第1図に、石膏100重量部,水60重量部,炭
素繊維0.5重量部の割合から成る15mm×25mm
×250mmの石膏試験片における炭素繊維の長さと、
抗折強度(曲げ強度)との関係を示す試験結果のグラフ
が表わされており、これから明らかのように炭素繊維の
長さが15mm以下では抗折強度が急激に低下すること
がわかる。ここで、母材の石膏マトリックス内に分散さ
せて混入せしめる炭素繊維の長さを5ないし200mm
と限定したのは、長さが5mm未満であると母材の石膏
粒子と炭素繊維の単繊維との総接着面積の不足により模
型或るいは成形型用原型の十分な強度の向上が図れな
く、また長さが200mm以上であると、単繊維への離
散粉末および水との混合かく拌時或るいはハンドレイア
ップ時における取扱いが面倒になると共に、石膏マトリ
ックス内への均一分散が困難となるためである。鋳込作
業を必要とするときは、炭素繊維の長さは100mm以
下でないと作業困難となる。従って中間型の場合は5な
いし100mmの炭素繊維を利用する必要がある。ま
ず、常法により製造された炭素繊維を5ないし100m
m、または5ないし200mmの長さに切断した後に、
所定の方法により無数本の単繊維に離散させる。束状の
炭素繊維を単繊維に離散させる方法の一例として以下の
ものがある。まず、束状の炭素繊維を酸化雰囲気中で加
熱して表面に塗布された取扱い安定化用のサイジング剤
を酸化させて除去するか、またはアセトン溶剤で洗い流
し処理してサイジング剤を除去する。加熱してサイジン
グ剤を除去する場合の加熱温度は、表面に塗布されたサ
イジング剤との関係により相対的に定められるものであ
るが、炭素繊維の一般的な安全使用最高温度である30
0℃前後で行うことが望ましい。サイジング剤を加熱除
去した炭素繊維は、炭素繊維を構成する無数本(通常は
1,000ないし24,000本)の極めて径の小さい
(通常は5ないし10μm)単繊維に容易に分散され
る。次に、サイジング剤を除去して所定の長さに切断さ
れた炭素繊維を水槽内に投入し、超音波振動を加えつつ
かく拌羽根により緩やかに回転させると、先程の加熱に
よりサイジング剤が除去されて分散され易くなった炭素
繊維は、超音波振動と緩やかなかく拌との相乗作用によ
り、団塊を生ずることなく無数本の径の極めて小さい単
繊維に分散される。かく拌の際に、かく拌羽根により炭
素繊維が傷付けられることがないように、その回転数
は、直径60cm程度の水槽において40ないし60r
pmにする必要がある。分散処理後に、分散された無数
本の単繊維を水槽より取出し、脱水して乾燥する。ま
た、束状の炭素繊維を単繊維に離散させる他の方法とし
て、炭素繊維を予め水溶性サイジング剤でサイジング処
理しておく方法がある。即ち、水溶性サイジング剤によ
りサイジング処理された束状の炭素繊維を5ないし10
0mm、又は5ないし200mmの長さに切断してお
き、そして、1回の混合割合に適合した炭素繊維を予め
計量し、この計量された炭素繊維を、1回の混合割合に
適合した水を入れた容器内に投入してかく拌羽根により
緩やかにかく拌させると、炭素繊維に塗布された水溶性
サイジング剤が直ちに水中に溶出して自己拡散すると共
に、かく拌羽根のかく拌作用により束状の炭素繊維は水
中において団塊を生ずることなく無数本の径の極めて小
さい単繊維に均一に分散される。この方法による場合
も、かく拌の際に、かく拌羽根により炭素繊維が傷付け
られないように、その回転数は直径60cm程度の容器
において40ないし60rpmにする必要がある。この
方法により炭素繊維を単繊維に離散させる場合には、炭
素繊維の単繊維が水中において均一に分散された容器内
にそのまま1回の混合量に適合した石膏粉末,並びに硬
化遅延剤,減水剤等の添加剤を投入して混合かく拌する
ことにより石膏泥漿をつくる。次に、単繊維に離散され
た炭素繊維を混入した石膏泥漿をつくる方法について述
べるならば、石膏粉末に対する炭素繊維の割合は、後述
する理由により0.01ないし2.4重量%(硬化した
模型或るいは成形用原型の母材の石膏に対する炭素繊維
の割合に換算するとほぼ0.008ないし2.0重量
%),望ましくは0.1ないし1.0重量%にすること
が必要である。第2図は、石膏粉末100重量部,水6
0重量部の原料調合に対して、長さ20mmの炭素繊維
を所要重量部(種々の重量部)の割合で混入した15m
m×25mm×250mmの石膏試験片における混入炭
素繊維の石膏粉末に対する重量%と、抗折強度との関係
を示す試験結果のグラフである。第2図から明らかのよ
うに、石膏粉末に混入する炭素繊維の重量割合が大きく
なる程、抗折強度が大きくなる。ここで、石膏粉末に対
する炭素繊維の混入割合を0.01ないし2.4重量%
とするのは、炭素繊維の混入割合が0.01重量%末満
では石膏粉末に対する炭素繊維の割合が少な過ぎて模型
或るいは成形型用原型の十分な強度の向上を図ることが
できない。また炭素繊維の混入割合が2.4重量%をこ
えると、石膏泥漿又は泥状物をつくる際に炭素繊維の割
合が多過ぎて、石膏泥漿又は泥状物内に炭素繊維を単繊
維状態で混入することができないこと及びハンドレイア
ップなど積層作業が困難になることによる。中間型の場
合炭素繊維混入率を石膏粉末に対し0.01ないし1.
0%とする。1.0%をこえると単繊維状態で石膏泥漿
中に均一に分散させることができず炭素繊維の団塊が生
じ易くなると共に、石膏泥漿を母型内に流し込む際の流
動性が悪くなって鋳込作業困難となり、成型された中間
型内部に炭素繊維の団塊が生じ易くなり、精密な中間型
としての機能を満足しなくなる。そして、前述のサイジ
ング剤を除去して予め単繊維に離散された炭素繊維を用
いて、炭素繊維が均一に分散された石膏泥漿をつくるに
は、混合用容器内に一回の混合量に適合した水および硬
化遅延剤,減水剤,充填材としケイ石粉・炭酸カルシウ
ム・石灰石粉等の膨張収縮制御剤等の必要な添加剤を予
め入れておき、次に、この容器内に予め計量された所定
量の単繊維に離散された炭素繊維を投入し、最後に所定
量の石膏粉末を投入してこの容器を真空かく拌機に装着
すると共に、かく拌羽根を低速回転させて混合かく拌す
ると、炭素繊維の単繊維が石膏泥漿内に団塊を生ずるこ
となく均一に分散された石膏泥漿が得られる。炭素繊維
が石膏泥漿内に団塊を生ずることなく均一に分散される
のは、石膏粉末に対する炭素繊維の割合が極めて少ない
からである。そして、石膏製模型或るいは原型を製造す
る方法は種々あるが、ある場合には、目的とする原型又
は模型に近似のオリジナル形態物(原型)を押型法で
「型どり」して母型をつくる。次に目的とする模型或る
いは原型よりもやや大きいまたは小さい雌型或るいは雄
型部を有する粘土や石膏又はプラスチック製のこの母型
内に炭素繊維が均一に分散された上記石膏泥漿を流し込
んで所定時間放置し、硬化後に母型を分離して脱型し、
しかる後に所定温度で十分に乾燥すると、内部に炭素繊
維が均一に分散された石膏硬化体が得られ、この石膏硬
化体をロクロ上で削り出したり、或るいは小さ目の母型
からの硬化体の場合はこれにさらに石膏を塗布させたり
して、所望の石膏製模型或るいは原型を得る。或るいは
適当なプラスチック芯型の上に単に手塗り法によりレイ
アップし、大き目の硬化体を得たのち削り出しにより少
し大き目の模型又は原型を製作し、これより前記母型を
複写で得たのちに前記工程に移ることもある。このよう
な、これら模型,原型造り作業を数回繰り返すこともあ
る。いずれの場合も注型(鋳込)作業の場合は、炭素繊
維混入量は石膏粉末に対し1%までであるが、塗り作業
の場合は2.4%可能である。炭素繊維の単繊維の径は
極めて小さく、しかも豊かな柔軟性を有しているので、
模型の表面或るいは原型の成形面に炭素繊維の端部が露
出しても殆んど問題はない。しかし、特に以後複製工程
を行う原型の場合において、成形面に炭素繊維の端部が
露出するのを防止する必要がある場合は、前記のように
母型に流し込んで原型の基礎となる石膏硬化体を型成形
する際に、母型内に炭素繊維の混入されていない純粋な
石膏泥漿を流し込んで予め薄い層を形成しておき、しか
る後に炭素繊維が混入された石膏泥漿を流し込んで石膏
硬化体を成形すると、原型の成形面に炭素繊維の端部が
露出するのを防止できる。同様のことが模型についても
いえる。ここで、彫刻模様のあるプラスチック板状体を
鋳込成形するための石膏製成形型を多数個製造する場合
を第5図を参照して説明する。まず、上記したようにし
て、炭素繊維が均一に分散された、又は内部のみ炭素繊
維を混入した石膏を使用し、内・外表面は純石膏を使用
した石膏製原型1をつくる。この原型1の模様面から下
部元型2を複製製作する。この下部元型2は金属の精密
鋳造の場合、マスター型とも呼ばれている。この下部元
型2から上方の雄型部を有する雌型3と下方の雌型4を
複製製作する。この下方の雌型4は石膏泥漿注入口5を
有する。この上下の雌型3,4を合わせたものがいわゆ
る下型用ケース型6である。このケース型6に石膏泥漿
注入口5より炭素繊維が均一に分散された上記石膏泥漿
を注入する。常圧(大気圧)で石膏泥漿を注入する場合
は、第3図(ハ)に示されるケース型6は上下半転した
状態で行わねばならない。所定時間放置し硬化後上型で
ある雌型3と下型である雌型4とを分離して目的の成形
型下型7を取り出す。同様にして原型の上面から上部元
型を製作し、この上部元型から上型用ケース型を製作
し、これに石膏泥漿を注型して成形型上型8を得る。こ
の上型8,下型7を組み合わせ成形型9となる。本発明
に係る炭素繊維強化石膏製原型或るいは中間型は、使用
時熱膨張係数,硬化過程での体積膨張率ならびに乾燥完
了後体積膨張率がいずれも小さいので、前記した合計3
回の形状複製工程において、上述の炭素繊維を均一に分
散混入させた石膏を利用するならば、原型から成形型ま
で寸法変化の少ない高精度の型の複製が可能となる。ま
た、上述した方法により炭素繊維が均一に分散された石
膏泥漿をつくると、石膏泥漿をつくる毎に微量の炭素繊
維を正確に計量しなければならず面倒である。そこで、
軽量でしかも浮遊性に富み、取扱い困難な炭素繊維を循
環するジェット空気流或るいは揺動回転を利用して予め
石膏粉末内に均一に単繊維状態で混入分散せしめ、これ
を原料石膏粉末として用いても良い。これにより石膏泥
漿をつくる毎に一回の混合量に適合した微量の炭素繊維
のみを計量するという面倒な操作を不要にすることがで
きる。循環するジェット空気流を利用した混合方法につ
いて具体的に述べると、石膏粉末と単繊維に離散された
炭素繊維とを石膏粉末に対して炭素繊維を0.01ない
し5重量%の割合で混合装置内に投入すると、石膏粉末
と単繊維に離散された炭素繊維とがジェット空気流によ
り飛散された状態で多数回循環する間に適切に混合さ
れ、しかる後にサイクロン或るいはバックフィルターに
より空気流内から分離回収すると、石膏粉末と単繊維に
離散された炭素繊維とが均一に混合した炭素繊維入り石
膏粉末が得られる。ここで、ジェット空気流の圧力は1
ないし2kgf/cm(Kg/cm)の低圧力であ
ることが必要であり、空気圧を高くすると混合の際に、
石膏粒子どうし、或るいは石膏粒子と炭素繊維との衝突
力が大きくなって、石膏粒子および炭素繊維のいずれも
が粉粋されて石膏型材としての物性が変化し、好ましく
ない。また、石膏粉末に炭素繊維を均一に混合する別の
方法として揚動回転を利用した混合方法がある。これは
第4図に示されるように、撓屈自在の袋体11内に石膏
粉末と、単繊維に離散された炭素繊維とを石膏粉末に対
して炭素繊維を0.1ないし5重量%の割合で投入し、
袋体11の底部に取付けられた揺動盤12を、回転軸1
3に偏心して装着された揺動軸14により揺動回転させ
ると、袋体11内の混合物が加速されて、その速度の大
きさ並びに方向が任意に変化し、これにより袋体11内
の石膏粉末および炭素繊維が均一に混合される。尚、石
膏粉末内に炭素繊維を混入する際に、硬化遅延剤,減水
剤等の必要な添加剤を同時に混入することも可能であ
る。また、上記した石膏粉末は、無数本の単繊維状態に
離散された炭素繊維が石膏粉末内に均一に混入分散され
たものであるが、ポリビニールピロリドン,ポリビニー
ルアルコール等の水溶性サイジング剤でサイジング処理
された炭素繊維の場合は、予じめ単繊維に離散する必要
はなく、石膏泥漿をつくる際に水溶性サイジング剤が水
中に溶出して自己分散する性質を有するので、袋体内の
石膏粉末内に束状のままで投入し混入することができ
る。更に、石膏粉末内に炭素繊維を使用時における重量
割合よりも高い割合(上限:5重量%)で混入分散した
原料石膏粉末を使用する場合は、使用時において再度石
膏粉末を混合して、石膏粉末と炭素繊維とを石膏粉末に
対して炭素繊維が、0.1ないし1重量%又は0.1な
いし2.4重量%の割合になるまで希釈しなければなら
ないが、この方法によれば炭素繊維が混入された石膏粉
末の輸送費の節減を図ることができる。ここで石膏粉末
に対する炭素繊維の割合を0.01ないし5重量%とす
るのは、5重量%をこえると単繊維状態での混入が困難
であり、0.01重量%未満では、そのままでは強化型
材として利用できないからである。希釈せずにそのまま
型成型原料として用いる場合は、石膏粉末に対して、炭
素繊維の混入割合を0.01ないし1重量%又は0.0
1ないし2.4重量%とする。炭素繊維を混入した石膏
は、模型或るいは原型の型材として利用する場合、水和
硬化時における膨張率が小さいと共に、半乾燥硬化完了
脱型時のの体積膨張率および使用時熱膨張係数が小さい
ので、母型に流し込んで反復複製する際の複製品の精度
がよく、正確な複製品ができる。また、熱膨張係数が小
さいので、温度変化による膨張・収縮が小さく、高精度
の模型或るいは原型となる。従って、数回の反復複製を
繰り返しても、最初の型と最終の型との複製誤差が少く
良好である。この点は一般工業模型或るいは原型の型材
として最も重要なことである。尚、石膏製模型および原
型を製作する場合は、鋳込成形法の他、FRPのハンド
レイアップ法と同様に手作業で石膏泥漿を塗布積層する
方法も適用でき、しかも工業用石膏製模型の場合は一般
に大型のものが多く、この場合は大きな強度を要求され
ることもあって、石膏泥漿又は泥状物中に混入される炭
素繊維の長さの上限は200mm,混入量の上限は水和
物で2.0重量%まで多くしても作業上差支えない。ま
た、摸型自体は金属製,木製或るいは天然物であって、
これを上記石膏泥漿又は泥状物中に押型法により型どり
して石膏製模型複写雌型とし、これより石膏製模型複写
雄型を製作することもできる。次に、本発明の実施例並
びに比較例を挙げる。
実施例1 ポリアクリロニトリル系繊維を約300℃で熱処理した
後に、更に窒素ガス雰囲気中で約1300℃で熱処理し
て黒鉛化し、直径約7μmの単繊維を約6000本一束
とした炭素繊維を用いた。この炭素繊維の物性は、引張
強さ300kgf/mm(Kg/mm)、引張弾性
係数23,000kgf/mm(Kg/mm)、密
度1.75g/cm、線膨張係数−0.1×10−6
/℃,熱伝導率15Kcal/mhr・℃(17.45
W/m・K),比熱0.17cal/g・℃(0.71
kJ/kg・K)であった。この炭素繊維を約20mm
の長さに切断して、水中にて超音波振動とかく拌との相
乗作用により無数本の単繊維に離散させた。β石膏粉末
100重量部,水60重量部,炭素繊維0.1重量部,
硼砂(硬化遅延剤)0.2重量部の割合で混合かく拌し
て、炭素繊維の単繊維が均一に分散された石膏泥漿をつ
くり、この石膏泥漿を母型内に流し込んで陶磁器皿をロ
クロ成形するための外鏝用石膏製原型に略々同じ形状体
を得た。これに若干の修正加工を加え原型とした。この
外鏝用石膏製原型は、切断断面全体に亘って炭素繊維の
単繊維が均一に分散され、この分散状況は肉眼で見るこ
とが可能な程度であった。
実施例2 実施例1と同一の条件並びに方法により炭素繊維の単繊
維が均一に分散された石膏泥漿をつくり、母型を低速回
転させつつ炭素繊維の混入されていない純粋な石膏泥漿
を予め流し込んで厚さ1ないし3mmの薄膜を形成して
おき、しかる後に母型の回転を停止させて炭素繊維が混
入された石膏泥漿を流し込んで、陶磁器皿をロクロ成形
するための外鏝用石膏製原型に略々同し形状体を得た。
これに若干の修正を加え原型とした。この外鏝用石膏製
原型の成形面である外周面は、純石膏から成る薄膜で被
覆されており、炭素繊維は成形面に全く露出していなか
った。
実施例3 ポリアクリロニトリル系繊維を約300℃で熱処理した
後に、更に窒素ガス雰囲気中において約2500℃で特
殊熱処理して黒鉛化し、直径約7μmの単繊維をポリビ
ニールピロリドンでサイジング処理して約6000本を
一束にした炭素繊維を用いた。この炭素繊維の物性は、
引張強さ250kgf/mm(Kg/mm)、引張
弾性係数35,000kgf/mm(Kg/m
),密度1.77g/cm,線膨張係数−0.1
×10−6/℃,熱伝導率100Kcal/m・hr・
℃(116W/m・K),比熱0.17Cal/g・℃
(0.71kJ/kg・K)であった。この束状の炭素
繊維を25mmの長さに切断し、β石膏粉末100重量
部に対して炭素繊維の割合が0.3重量部となるように
炭素素繊維を予め計量しておき、この炭素繊維を予め計
量された水の入った容器に、投入して補助的にかく拌す
ると、束状の炭素繊維は自己分散して無数本の単繊維に
離散されると共に、かく拌作用により水中に均一に分散
した。しかる後に、石膏粉末,硼砂(硬化遅延剤)およ
び昭和電工株式会社製メルメントF−20(減水剤)を
投入して混合かく拌することにより、石膏粉末100重
量部、水60重量部,炭素繊維0.3重量部、硬化遅延
剤0.2重量部、減水剤0.2重量部の割合から成る均
質な石膏泥漿をつくり、この石膏泥漿を母型内に流し込
んで陶磁器楕円皿を成形するための鋳込成形用石膏製原
型に略々同じ硬化石膏形状本を得た。この形状体を楕円
用回転ロクロ上に載置し、石膏切削バイトで修正を加え
原型とした。この鋳込成形用石膏製原型の炭素繊維の分
散状況は、実施例1と同様にほぼ均一であった。
比較例1 β石膏粉末100重量部,水60重量部,硼砂0.2重
量部の割合で混合かく拌して炭素繊維の入っていない純
粋な石膏泥漿をつくり、この石膏泥漿をケース型内に流
し込んで陶磁器皿をロクロ成形するための外鏝用石膏製
原型を得た。次に、本発明の模型複製の実施例並びに比
較例を挙げる。
実施例4 ポリアクリロニトリル系繊維を約300℃で熱処理した
後に、更に窒素ガス雰囲気中で約1300℃で熱処理し
て黒鉛化し、直径約7μmの単繊維を約6000本一束
とした炭素繊維を用いた。この炭素繊維の物性は、引張
強さ300kgf/mm(Kg/mm)、引張弾性
係数23,000kgf/mm(Kg/mm)、密
度1.75g/cm、線膨張係数−0.1×10−6
/℃,熱伝導率1.5Kcal/m・hr・℃(17.
45W/m・K),比熱0.17cal/g・℃(0.
71kJ/kg・K)であった。この炭素繊維を約20
mmの長さに切断して、水中にて超音波振動とかく拌と
の相乗作用により無数本の単繊維に離散させた。β石膏
粉末100重量部,水60重量部,炭素繊維0.1重量
部,硼砂(硬化遅延剤)0.2重量部の割合で混合かく
拌して、炭素繊維の単繊維が均一に分散された石膏泥漿
をつくり、この石膏泥漿を石膏製雌型内に流し込んでガ
スタービンのタービン羽根の複製石膏雄型模型を得た。
この複製石膏雄型模型は、断面を含めて全体に亘って炭
素繊維の単繊維が均一に分散され、この分散状況は肉眼
で見ることが可能な程度であった。
比較例2 β石膏粉末100重量部,水60重量部,硼砂0.2重
量部の割合で混合かく拌して炭素繊維の入っていない純
粋な石膏泥漿をつくり、この石膏泥漿を石膏製雌型内に
流し込んでタービン羽根の複製石膏雄型模型を得た。上
記実施例4および比較例2の複製石膏雄型摸型の各温度
における長さの変化率並びに離型時の複製精度は次の通
りであった。長さの変化率に関しては、第5図に示され
るように、約1時間後の発熱反応による模型の最高発熱
時(53.2℃)において、水和体積膨張のほかに、温
度変化に基づく熱膨張が存するため、炭素繊維が混入さ
れていない従来の模型は母型を基準にして硬化時膨張率
において0.075%(500mmに対し0.38m
m)膨張していたのに対し、炭素繊維を混入した本発明
に係る模型は0.066%(500mmに対し0.35
mm)膨張していた。また、50℃の熱風乾燥装置で2
0時間半乾燥した後室温23.5℃まで冷却し、脱型し
た時の複製精度に関しては、従来の模型は0.025%
(500mmに対し0.125mm)の体積膨張してい
たのに対し、本発明に係る模型は0.018%(500
mmに対し0.09mm)体積膨張していた。その後5
0℃の熱風乾燥装置にて約2週間乾燥をしたところ複製
精度に関しては従来品は500mmに対して0.06m
mの乾燥収縮(従って体積膨張は0.065mm)して
いたのに対し、本発明品は500mmに対し0.04m
mの乾燥収縮があり(従って母型に対しては0.05m
mの体積膨張)、本発明品は従来品に比しいずれの段階
においても体積膨張が小さいことが立証された。前記各
実施例1,2,3および比較例1の各石膏製原型の抗折
強度,吸水能力,大気中における破壊温度差,嵩比重並
びに硬化時膨張率などの物性は、下表の通りであった。
吸水能力はテストピースを常温常圧下で水中に浸漬した
とき、吸水した水の重量百分率である。 破壊温度差は
高温大気中で加温した試験片をすばやく室内に取り出し
室温大気中に放置した場合、破壊に到る最小の温度差を
表わす。硬化時膨張率は母型に石膏泥漿を鋳込み硬化さ
せ脱型後、乾燥直前に測定したときの長さの母型に対し
変化した割合である。上表から明らかのように、炭素繊
維を混入した石膏型は、混入しない石膏型に比較して抗
折強度および大気中における破壊温度差は大巾に向上し
ていると共に、他の物性においても優れていることが判
明した。第6図は実施例1の石膏硬化体の切断面から製
作した薄片を走査型電子顕微鏡で2000倍で撮った写
真である。左上端から中央へ延べる細長い真直ぐな円柱
が、混入した炭素単繊維であり破片状の結晶がβ型2水
石膏である。第7図は、α型石膏粉を用いた他は実施例
1すなわち第6図と同一のもので同じく2000倍の走
査型電子顕微鏡写真である。また、第8図は、石膏10
0重量部,水60重量部,長さ25mmのピッチ系炭素
繊維を所定重量部混入した石膏泥漿を鋳込んで成形した
15mm×25mm×250mmの石膏試験片を曲げ試
験装置で曲げ試験をした場合の経過時間と、抗折力との
関係を示しており、混入炭素繊維の重量比率をパラメー
ターとした場合の試験結果である。第8図のグラフから
明らかのように混入炭素繊維の割合が大きくなる程抗折
力が大きくなると共に、最大抗折力で単純破断するもろ
さが解消されて素材としてのいわゆる粘りが生じている
ことがわかる。尚、本試験のスパンは200mmで、荷
重は中央に加えられ、荷重点の変位速度は1mm/mi
nであった。第9図に、純粋な石膏試験片と、炭素繊維
で強化した石膏試験片との各温度における長さの変化率
を示す曲線が示されており、炭素繊維を混入した石膏の
試験片の長さの変化(膨張)率は、炭素繊維を混入しな
い石膏試験片の長さの変化(膨張)率に比較して、正お
よび負のいずれの場合にも僅かに小さいことがわかる。
これは、熱膨張率が殆んど零に等しい炭素繊維が石膏の
各粒子間に入り込んでいるため、この炭素繊維が石膏の
膨張或るいは収縮を抑制するためであると解される。従
って、炭素繊維を混入した石膏製原型或るいは模型は、
温度による膨張或るいは収縮が小さく、複製された模型
或るいは中間型,成形型の寸法精度が向上する。ここ
で、抗折強度および抗折力の大巾な向上により、模型或
るいは原型の材料力学的強度が増大され、従来保存・取
扱時に受ける外力により破損されていた複雑な形状を有
する部分或るいは折損され易い部分の機械的強度が増大
せしめられ、これにより模型或るいは原型の破損が防止
されて寿命が長くなると共に、運搬或るいは取扱いが容
易となる。更に、機械的強度の大巾な向上により、凸状
部等の肉厚を薄くすることが可能となり、ひいては複雑
或るいは繊細な形状を有する模型或るいは原型の製作が
可能となる。また、炭素繊維の混入により大気中におけ
る破壊温度差が向上するのは、温度上昇により石膏自体
は所定量膨張するが、炭素繊維自体は殆んど膨張しない
ので、石膏型内部において炭素繊維にはその長さ方向に
引張力が加わると共に、石膏には圧縮力が加わり、この
ため炭素繊維の長さ方向に内部応力が生じて丁度PSコ
ンクリートのようにプレストレスが導入された状態にな
っているためであると解される。大気中における破壊温
度差の大巾な上昇は、石膏製の模型或るいは原型が大き
な温度差に対して耐え得ることを意味し、成型後の模型
或るいは原型又は中間型の乾燥温度を上げることが可能
となる。従って、成型毎の模型或るいは原型又は中間型
の乾燥時間を短縮させることが可能となり、模型或るい
は原型の製作・複製に要する時間が短縮される。上述し
たことを総合すると、本発明には次のような効果があ
る。
(1)、長さ5ないし200mmの炭素繊維を石膏に対
して0.008ないし2.0重量%の割合で母材の石膏
内に均一に混入分散した本発明に係る石膏製原型は、従
来の純粋な石膏から成る原型に比較して水和硬化による
脱型時膨張率,熱膨張係数のいずれも小さいので、原型
から元型,ケース型,成形型と複製する場合の全工程で
の積算誤差が少なく高精度の成形型の製作が可能とな
る。
(2)、また、抗折強度および靭性の双方が大巾に向上
することにより、模型或るいは原型の機械的強度が増大
され、従来保存・取扱時に受ける外力により破損されて
いた複雑な形状を有する部分、或るいは折損され易い部
分の折損又は破損が防止され、模型或るいは原型の寿命
が長くなる。また、機械的強度の大巾な向上により、凸
状部等の肉厚を薄くすることが可能となり、ひいては複
雑或るいは繊細な形状を有する模型或るいは原型の製作
が可能となる。
(3)、炭素繊維を単繊維状態で均一に分散混入した石
膏の水和硬化時あるいは乾燥完了時膨張率,および母型
として使用時における熱膨張係数のいずれも、純粋な石
膏に比較して小さいので、本発明に係る模型(特に複製
模型)の寸法精度が向上し、目的の寸法通りの模型の製
作が可能となる。
(4)、炭素繊維は豊かな柔軟性を有しているので、石
膏製模型内に炭素繊維が混入されていても、その表面は
滑らかで、しかも適度に柔い。従って、模型或るいは原
型の切削加工性は極めて良好であり、望みの形状に自在
に削り出すことができる。
(5)、原型或るいは中間型の場合、その製作に際し母
型内に純粋な石膏泥漿を流し込んで薄い層を形成し、し
かる後に炭素繊維が混入された石膏泥漿を流し込むこと
により、原型或るいは中間型の成形面に純石膏から成る
薄い層が形成されて炭素繊維の端部が成形面に露出する
のが防止される。原型或るいは中間型をこのように構成
することにより、複製される型の表面(成形面)が傷付
けられるのを防止することができる。模型の場合におい
ては、表面を純石膏から成る薄い層で被覆することによ
り、炭素繊維の単繊維の露出により美感が損われるのを
防止することができる。
(6)、模型或るいは原型の強化材として、径が極めて
小さくて強度が大きく、しかも柔軟性に富んだ炭素繊維
を用いているので、石膏に対する強化材の混入割合が少
なくても模型或るいは原型の機械的外力,熱的不均質に
対する強度を増大させることができ、大型の形状体のも
のでもコストが安価で済み、又、成型作業が容易とな
る。
(7)、高温加熱焼失性を有する炭素繊維を強化材とし
て混入してあるので、使用中に破損したり、或るいは使
用不能となった石膏製模型或るいは原型及び中間型は、
粉砕して長時間に亘って緩やかに加熱処理することによ
り、内部に混入された炭素繊維のみを容易に焼失除去す
ることができ、石膏硬化体の再使用が可能となる。この
点ガラス繊維等の加熱焼失性を有しないものを強化材と
して混入した場合は、混入された強化材のみを除去して
石膏硬化体を再生或るいは再利用することは極めて困難
か、或るいは不可能である。
(8)、炭素繊維を所定長さに切断して無数本の単繊維
に予め離散させておき、石膏粉末と、該石膏粉末に対し
て所定の重量割合の単繊維に離散された前記炭素繊維と
を循環しているジェット空気流内に投入して両者を均一
に混合せしめた後に回収して、石膏粉末内に単繊維に離
散された炭素繊維を均一に混入分散せしめておくことに
より、石膏泥漿をつくる毎に一回の混合量に適合した徴
量の炭素繊維のみを計量する操作を不要にすることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、硬化石膏内に混入する炭素繊維の長さと、硬
化石膏試験片の抗折強度との関係を示すグラフである。
第2図は、石膏内に混入する炭素繊維の石膏に対する重
量割合と、石膏試験片の抗折強度との関係を示すグラフ
である。第3図は、彫刻摸様のあるプラスチック鋳込成
形用板状体の石膏製成形型の成型工程を示すもので、
(イ)は原型,(ロ)は下部元型,(ハ)は下型用ケー
ス型,(ニ)は成形型の夫々断面図である。第4図は、
揺動回転を利用した混合方法の原理図である。第5図
は、炭素繊維強化石膏模型と純石膏模型との成型時にお
ける経過時間と水和硬化時膨張率との関係を示すグラフ
である。第6図は、β型石膏粉末を用いた場合の石膏試
料片の走査型電子顕微鏡写真であり、第7図は、α型石
膏粉末を用いた場合の同様の写真である。第8図は、石
膏型内に混入する炭素繊維の石膏に対する重量割合をパ
ラメーターとした石膏型の試験片の曲げ試験における抗
折力の時間変化を示す測定グラフである。第9図は、純
粋石膏試験片と、炭素繊維強化石膏試験片との各温度に
おける長さの変化率を示すグラフである。 (主要部分の符号の説明) 1:原 型 2:下部元型(中間型) 6:下型用ケース型(中間型) 9:成 形 型 11:袋 体 12:揺 動 盤 13:回 転 軸 14:揺 動 軸
【手続補正書】
【提出日】平成5年4月30日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 炭素繊維強化石膏製模型および成形型
用原型とその中間型、並びにそれらの石膏粉末およびそ
の製造方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、母材の石膏内に所定長
さの炭素繊維を単繊維状態で所定の割合で均一に混入分
散させることにより、機械的外力および温度差による内
部応力などに対する材料力学的強度を高めるとともに、
石膏の硬化時体積膨張および硬化後の乾燥完了時体積膨
張を減少させ、かつ、成型品の熱膨張率を減少させた炭
素繊維強化石膏製模型および成形型用原型とその中間
型、並びにそれらの石膏粉末およびその製造方法に関す
るものである。
【0002】本明細書において「石膏製模型」とは、3
次元物体の形状見本又は最終目的形状のことを云う。従
って、石膏を用いて一般には目的とする最終製品の部分
又は全体形状と同一となるように造ったひな型あるいは
見本のことでもあり形態的にはそれ自体が最終的目的物
であるものをいう。従って、金属等の模型の場合は模型
自身が、目的とする最終製品である場合もある。また、
「石膏製成形型用原型」とは、数回の鋳込複製工程を経
て量産のための成形型を成型する場合における複製の基
礎となる石膏製の型のことをいう。すなわち「原型」と
は成形型を成型するためのスタートラインにある型のこ
とであり、成型作業の事実上の原点となる型のことをい
う。それ自体は最終的目的物ではないが、原型から最終
製品までの膨張及び収縮が、問題にならない場合で、且
つ形状が、最終製品と相似であるときは、模型と識別で
きないことがある。その場合、最終製品が1個または数
個の極少量生産のときは、その製品は模型の複写物とし
て取扱い、いかに製品のスタートライン上のものであっ
ても原型とは云わない。更に「石膏製中間型」とは、原
型から成形型を鋳込成型工程により複製する場合、この
両型の中間に成型されるすべての型のことをいう。例え
ば陶磁器成形型の成型の場合、原型→元型→ケース型→
成形型という型の複製工程において原型と成形型の中間
において鋳込成型される元型,ケース型という2種類の
石膏製の型のことをいう。
【0003】
【従来の技術】従来、石膏製模型,石膏製原型或いはそ
の中間型の強度を増大させるには種々の方法があり、例
えばβ型半水石膏を主体としてその中にα型半水石膏を
混合して混水量を減少せしめたり、石膏内にセメント或
いは樹脂を混入させたりする方法があり、更に石膏内に
麻等の天然繊維あるいはガラス繊維を混入させる方法も
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】石膏内にセメント或い
は樹脂を混入する場合、強度自体の向上は図られるが、
その他の石膏の物性が変化するという欠点を有してい
る。また、石膏内に麻等の天然繊維を混入する場合、天
然繊維は合成繊維に比較して引張り強さが小さいので、
石膏に対する混入量を多くしなければ強度の増大を図る
ことができない。しかも天然繊維は単繊維自体が太いの
で、原型の場合、型の表層部に入り込んだ繊維の端部が
成形面に露出し易く、露出した繊維端により複製される
型(中間型或いは成形型)の成形面が傷付けられると共
に、繊維端が露出した部分の表面性状が不均質となり、
複製された型の対応する部分が複製不良となり易い等の
欠点を有している。
【0005】更に、石膏内にガラス繊維を混入する場合
は、模型,原型等の強度自体は僅かに向上するが、ガラ
ス繊維は硬直性を有するため、表層部に入り込んだガラ
ス繊維の端部が表面に露出し、模型の場合には美感が損
なわれると共に、原型或いは中間型の場合には、複製さ
れる型の成形面が傷付けられるという欠点がある。
【0006】本発明は、優れた強度特性,柔軟性,軽量
性,低熱膨張性を備え、しかも径が極めて小さい炭素繊
維を所定の長さに切断して、所定の重量割合で硬化石膏
マトリックス内に均一に分散させて混入することによ
り、成形型用原型或いは中間型においては、硬化時膨張
率,乾燥完了脱型時の膨張率及び熱膨張係数を低下せし
めることにより、型の複製精度を高めると共に、型の材
料力学的強度を高め、これにより機械的外力に対する強
度(耐久性)と熱的歪による内部応力に対する強度(耐
久性)の双方を高めたものである。同様にして模型にお
いては、機械的強度を高めることにより、保存或いは取
扱い時に受ける外力により複雑な形状を有する部分が折
損,破損等されるのを防止すると共に、特に複製模型に
おいてはその複製精度(寸法精度)を高めることによ
り、高精度の模型の製作を可能ならしめたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するためになされたものであって、請求項1に係る発
明は、母材の石膏組織内に長さ5ないし200mm の炭素繊
維が単繊維に離散された状態で石膏に対して0.008 ない
し2.0 重量%の割合で均一に混入分散されていることを
特徴とする炭素繊維強化石膏製模型又は模型複写型であ
る。
【0008】また、請求項2に係る発明は、母材の石膏
組織内に長さ5ないし200mm の炭素繊維が単繊維に離散
された状態で石膏に対して0.008 ないし2.0 重量%の割
合で均一に混入分散されていることを特徴とする炭素繊
維強化石膏製原型である。
【0009】また、請求項3に係る発明は、母材の石膏
組織内に長さ5ないし100mm の炭素繊維が単繊維に離散
された状態で石膏に対して0.008 ないし0.9 重量%の割
合で均一に混入分散されていることを特徴とする炭素繊
維強化石膏製成形型用中間型である。
【0010】また、請求項4に係る発明は、石膏粉末内
に5ないし200mm の長さの単繊維に離散された炭素繊維
を、該石膏粉末に対して0.01ないし5重量%の割合で均
一に混入分散して成る石膏製模型又は模型複写型あるい
は原型用炭素繊維入り石膏粉末である。
【0011】また、請求項5に係る発明は、石膏粉末内
に5ないし100mm の長さに離散された炭素繊維を、該石
膏粉末に対して0.01ないし1.0 重量%の割合で均一に混
入分散したことを特徴とする請求項4記載の石膏製模型
又は模型複写型あるいは原型用炭素繊維入り石膏粉末で
ある。
【0012】また、請求項6に係る発明は、石膏粉末内
に5ないし100mm の長さの単繊維に離散された炭素繊維
を、該石膏粉末に対して0.01ないし5重量%の割合で均
一に混入分散して成る石膏製中間型用炭素繊維入り石膏
粉末である。
【0013】また、請求項7に係る発明は、石膏粉末内
に5ないし100mm の長さに離散された炭素繊維を、該石
膏粉末に対して0.01ないし1.0 重量%の割合で均一に混
入分散したことを特徴とする請求項6記載の石膏製中間
型用炭素繊維入り石膏粉末である。
【0014】また、請求項8に係る発明は、炭素繊維を
5ないし200mm の長さに切断して無数本の単繊維に予め
離散させておき、石膏粉末と、該石膏粉末に対して0.01
ないし5重量%の単繊維に離散された前記炭素繊維とを
循環しているジェット空気流内に投入して両者を均一に
混合せしめた後に回収することを特徴とする石膏製模型
又は模型複写型あるいは原型用炭素繊維入り石膏粉末の
製造方法である。
【0015】また、請求項9に係る発明は、炭素繊維を
5ないし200mm の長さに切断して無数本の単繊維に予め
離散させておき、石膏粉末と、該石膏粉末に対して0.01
ないし5重量%の単繊維に離散された前記炭素繊維とを
撓屈自在の袋体内に投入して揺動回転させることを特徴
とする石膏製模型又は模型複写型あるいは原型用炭素繊
維入り石膏粉末の製造方法である。
【0016】また、請求項10に係る発明は、炭素繊維
を5ないし100mm の長さに切断して無数本の単繊維に予
め離散させておき、石膏粉末と、該石膏粉末に対して0.
1 ないし5重量%の単繊維に離散された前記炭素繊維と
を循環しているジェット空気流内に投入して両者を均一
に混合せしめた後に回収することを特徴とする石膏製中
間型用炭素繊維入り石膏粉末の製造方法である。
【0017】また、請求項11に係る発明は、炭素繊維
を5ないし100mm の長さに切断して無数本の単繊維に予
め離散させておき、石膏粉末と、該石膏粉末に対して0.
01ないし5重量%の単繊維に離散された前記炭素繊維と
を撓屈自在の袋体内に投入して揺動回転させることを特
徴とする石膏製中間型用炭素繊維入り石膏粉末の製造方
法である。
【0018】本発明の対象となる石膏製模型,原型とし
ては、金属および非金属,無機・有機を問わずそれらの
材料のプレス,鋳造,切削,研削,塑性加工,レーザ加
工などその他各種の化学的・物理的すべての材料加工に
おける石膏製模型及び加工時に型を利用するものにおい
てはその型を成型するための原型が含まれる。成形加工
時に型を利用するものでも、その型を成型するための基
礎となる型(又は形態物)と製品の形状が略々同一の場
合で、歯科材料や記念カップのように成形個数が1個又
は数個の極少数個のときは模型及び模型複製型の中に含
まれる。特に模型としては、電気機器,輸送機器,化工
装置,加工工作機械自体およびこれらの部品の工業用模
型並びに、歯科用模型,或いは医学・生物学上の臓器模
型,警察の鑑識模型等の加工に係らない模型も含まれ
る。
【0019】また、成形型用原型およびその中間型とし
ては、陶磁器の鋳込成形型,ロクロ成形型,プレス成形
型,或いは紙パルプ泥漿やファインセラミックスの水性
懸濁液を原料とする紙器の鋳込成形型,プレス成形型の
ように石膏の吸水性を利用する成形型の成型に用いられ
るもの、合成ゴム製品,プラスチック製品,非鉄金属製
品更には原料に粘土類を含まないいわゆるファインセラ
ミックス製品等のプレス成形型,射出成形型,鋳込成形
型,押出成形型の成型に用いられるものが含まれ、更
に、航空機機体・自動車ボディの板金プレス金型用原
型、原型を製作するための原形(最初の形態見本・図
案)或いはその中間的な型類が含まれる。
【0020】また、本発明に用いられる炭素繊維の種類
は、ポリアクリロニトリル系,ピッチ系,レーヨン系或
いは、リグニンポバール系のいずれでもよいが、模型或
いは成形型用原型の強度を増大させる関係から高強度或
いは高弾性の炭素繊維が望ましく、具体的には引張強さ
200kgf/mm2 (Kg/mm2 ) 以上、引張弾性係数20,000kg
f/mm2 (Kg/mm2 ) 以上のものが望ましい。
【0021】本発明においては、団塊状になり易い炭素
繊維を母材の石膏マトリックス内に団塊を生ずることな
く、単一繊維状態で均一に分散せしめて混入することが
極めて重要な要素であり、かかる観点から強化材として
石膏マトリックス内に混入せしめる炭素繊維の長さおよ
び石膏に対する重量割合が定められる。
【0022】炭素繊維を無数本の単繊維に離散せしめて
母材の石膏マトリックス内に混入するのであるが、後述
する理由により炭素繊維の長さは5ないし200mm 、望ま
しくは5ないし100mm にすることが必要である。図1
に、石膏100 重量部,水60重量部,炭素繊維0.5 重量部
の割合から成る15mm×25mm×250mm の石膏試験片におけ
る炭素繊維の長さと、抗折強度(曲げ強度)との関係を
示す試験結果のグラフが表わされており、これから明ら
かのように炭素繊維の長さが15mm以下では抵抗強度が急
激に低下することがわかる。ここで、母材の石膏マトリ
ックス内に分散させて混入せしめる炭素繊維の長さを5
ないし200mm と限定したのは、長さが5mm未満であると
母材の石膏粒子と炭素繊維の単繊維との総接着面積の不
足により模型或いは成形型用原型の十分な強度の向上が
図れなく、また長さが200mm 以上であると、単繊維への
離散粉末および水との混合かく拌時或いはハンドレイア
ップ時における取扱いが面倒になると共に、石膏マトリ
ックス内への均一分散が困難となるためである。鋳込作
業を必要とするときは、炭素繊維の長さは100mm 以下で
ないと作業困難となる。従って中間型の場合は5ないし
100mm の炭素繊維を利用する必要がある。
【0023】まず、常法により製造された炭素繊維を5
ないし100mm 、または5ないし200mm の長さに切断した
後に、所定の方法により無数本の単繊維に離散させる。
束状の炭素繊維を単繊維に離散させる方法の一例として
以下のものがある。まず、束状の炭素繊維を酸化雰囲気
中で加熱して表面に塗布された取扱い安定化用のサイジ
ング剤を酸化させて除去するか、またはアセトン溶剤で
洗い流し処理してサイジング剤を除去する。加熱してサ
イジング剤を除去する場合の加熱温度は、表面に塗布さ
れたサイジング剤との関係により相対的に定められるも
のであるが、炭素繊維の一般的な安全使用最高温度であ
る300℃前後で行うことが望ましい。サイジング剤を
加熱除去した炭素繊維は、炭素繊維を構成する無数本
(通常は1,000 ないし24,000本)の極めて径の小さい
(通常は5ないし10μm)単繊維に容易に分散される。
【0024】次に、サイジング剤を除去して所定の長さ
に切断された炭素繊維を水槽内に投入し、超音波振動を
加えつつかく拌羽根により緩やかに回転させると、先程
の加熱によりサイジング剤が除去されて分散され易くな
った炭素繊維は、超音波振動と緩やかなかく拌との相乗
作用により、団塊を生ずることなく無数本の径の極めて
小さい単繊維に分散される。かく拌の際に、かく拌羽根
により炭素繊維が傷付けられることがないように、その
回転数は、直径60cm程度の水槽において40ないし60rpm
にする必要がある。分散処理後に、分散された無数本の
単繊維を水槽より取出し、脱水して乾燥する。
【0025】また、束状の炭素繊維を単繊維に離散させ
る他の方法として、炭素繊維を予め水溶性サイジング剤
でサイジング処理しておく方法がある。即ち、水溶性サ
イジング剤によりサイジング処理された束状の炭素繊維
を5ないし100mm 、又は5ないし200mm の長さに切断し
ておき、そして、1回の混合割合に適合した炭素繊維を
予め計量し、この計量された炭素繊維を、1回の混合割
合に適合した水を入れた容器内に投入してかく拌羽根に
より緩やかにかく拌させると、炭素繊維に塗布された水
溶性サイジング剤が直ちに水中に溶出して自己拡散する
と共に、かく拌羽根のかく拌作用により束状の炭素繊維
は水中において団塊を生ずることなく無数本の径の極め
て小さい単繊維に均一に分散される。この方法による場
合も、かく拌の際に、かく拌羽根により炭素繊維が傷付
けられないように、その回転数は直径60cm程度の容器に
おいて40ないし60rpm にする必要がある。この方法によ
り炭素繊維を単繊維に離散させる場合には、炭素繊維の
単繊維が水中において均一に分散された容器内にそのま
ま1回の混合量に適合した石膏粉末,並びに硬化遅延
剤,減水剤等の添加剤を投入して混合かく拌することに
より石膏泥漿をつくる。
【0026】次に、単繊維に離散された炭素繊維を混入
した石膏泥漿をつくる方法について述べるならば、石膏
粉末に対する炭素繊維の割合は、後述する理由により0.
01ないし2.4 重量%(硬化した模型或いは成形用原型の
母材の石膏に対する炭素繊維の割合に換算するとほぼ0.
008 ないし2.0 重量%),望ましくは0.1 ないし1.0重
量%にすることが必要である。図2は、石膏粉末100 重
量部,水60重量部の原料調合に対して、長さ20mmの炭素
繊維を所要重量部(種々の重量部)の割合で混入した15
mm×25mm×250mm の石膏試験片における混入炭素繊維の
石膏粉末に対する重量%と、抗折強度との関係を示す試
験結果のグラフである。図2から明らかのように、石膏
粉末に混入する炭素繊維の重量割合が大きくなる程、抗
折強度が大きくなる。
【0027】ここで、石膏粉末に対する炭素繊維の混入
割合を0.01ないし2.4 重量%とするのは、炭素繊維の混
入割合が0.01重量%未満では石膏粉末に対する炭素繊維
の割合が少な過ぎて模型或いは成形型用原型の十分な強
度の向上を図ることができない。また炭素繊維の混入割
合が2.4 重量%をこえると、石膏泥漿又は泥状物をつく
る際に炭素繊維の割合が多過ぎて、石膏泥漿又は泥状物
内に炭素繊維を単繊維状態で混入することができないこ
と及びハンドレイアップなど積層作業が困難になること
による。
【0028】中間型の場合炭素繊維混入率を石膏粉末に
対し0.01ないし1.0 %とする。1.0%をこえると単繊維
状態で石膏泥漿中に均一に分散させることができず炭素
繊維の団塊が生じ易くなると共に、石膏泥漿を母型内に
流し込む際の流動性が悪くなって鋳込作業困難となり、
成型された中間型内部に炭素繊維の団塊が生じ易くな
り、精密な中間型としての機能を満足しなくなる。
【0029】そして、前述のサイジング剤を除去して予
め単繊維に離散された炭素繊維を用いて、炭素繊維が均
一に分散された石膏泥漿をつくるには、混合用容器内に
一回の混合量に適合した水および硬化遅延剤,減水剤,
充填材としケイ石粉・炭酸カルシウム・石灰石粉等の膨
張収縮制御剤等の必要な添加剤を予め入れておき、次
に、この容器内に予め計量された所定量の単繊維に離散
された炭素繊維を投入し、最後に所定量の石膏粉末を投
入してこの容器を真空かく拌機に装着すると共に、かく
拌羽根を低速回転させて混合かく拌すると、炭素繊維の
単繊維が石膏泥漿内に団塊を生ずることなく均一に分散
された石膏泥漿が得られる。炭素繊維が石膏泥漿内に団
塊を生ずることなく均一に分散されるのは、石膏粉末に
対する炭素繊維の割合が極めて少ないからである。
【0030】そして、石膏製模型或いは原型を製造する
方法は種々あるが、ある場合には、目的とする原型又は
模型に近似のオリジナル形態物(原型)を押型法で「型
どり」して母型をつくる。次に目的とする模型或いは原
型よりもやや大きいまたは小さい雌型或いは雄型部を有
する粘土や石膏又はプラスチック製のこの母型内に炭素
繊維が均一に分散された上記石膏泥漿を流し込んで所定
時間放置し、硬化後に母型を分離して脱型し、しかる後
に所定温度で十分に乾燥すると、内部に炭素繊維が均一
に分散された石膏硬化体が得られ、この石膏硬化体をロ
クロ上で削り出したり、或いは小さい目の母型からの硬
化体の場合はこれにさらに石膏を塗布させたりして、所
望の石膏製模型或いは原型を得る。或いは適当なプラス
チック芯型の上に単に手塗り法によりレイアップし、大
き目の硬化体を得たのち削り出しにより少し大き目の模
型又は原型を製作し、これより前記母型を複写で得たの
ちに前記工程に移ることもある。このような、これら模
型,原型造り作業を数回繰り返すこともある。いずれの
場合も注型(鋳込)作業の場合は、炭素繊維混入量は石
膏粉末に対し1%までであるが、塗り作業の場合は2.4
%可能である。
【0031】炭素繊維の単繊維の径は極めて小さく、し
かも豊かな柔軟性を有しているので、模型の表面或いは
原型の成形面に炭素繊維の端部が露出しても殆ど問題は
ない。しかし、特に以後複製工程を行う原型の場合にお
いて、成形面に炭素繊維の端部が露出するのを防止する
必要がある場合は、前記のように母型に流し込んで原型
の基礎となる石膏硬化体を型成形する際に、母型内に炭
素繊維の混入されていない純枠な石膏泥漿を流し込んで
予め薄い層を形成しておき、しかる後に炭素繊維が混入
された石膏泥漿を流し込んで石膏硬化体を成形すると、
原型の成形面に炭素繊維の端部が露出するのを防止でき
る。同様のことが模型についてもいえる。
【0032】ここで、彫刻模様のあるプラスチック板状
体を鋳込成形するための石膏製成形型を多数個製造する
場合を図3を参照して説明する。まず、上記したように
して、炭素繊維が均一に分散された、又は内部のみ炭素
繊維を混入した石膏を使用し、内・外表面は純石膏を使
用した石膏製原型1をつくる。この原型1の模様面から
下部元型2を複製製作する。この下部元型2は金属の精
密鋳造の場合、マスター型とも呼ばれている。この下部
元型2から上方の雄型部を有する雌型3と下方の雌型4
を複製製作する。この下方の雌型4は石膏泥漿注入口5
を有する。この上下の雌型3,4を合わせたものがいわ
ゆる下型用ケース型6である。このケース型6に石膏泥
漿注入口5より炭素繊維が均一に分散された上記石膏泥
漿を注入する。常圧(大気圧)で石膏泥漿を注入する場
合は、図3(ハ)に示されるケース型6は上下半転した
状態で行わねばならない。所定時間放置し硬化後上型で
ある雌型3と下型である雌型4とを分離して目的の成形
型下型7を取り出す。同様にして原型の上面から上部元
型を製作し、この上部元型から上型用ケース型を製作
し、これに石膏泥漿を注型して成形型上型8を得る。こ
の上型8,下型7を組み合わせ成形型9となる。本発明
に係る炭素繊維強化石膏製原型或いは中間型は、使用時
熱膨張係数,硬化過程での体積膨張率ならびに乾燥完了
後体積膨張率がいずれも小さいので、前記した合計3回
の形状複製工程において、上述の炭素繊維を均一に分散
混入させた石膏を利用するならば、原型から成形型まで
寸法変化の少ない高精度の型の複製が可能となる。
【0033】また、上述した方法により炭素繊維が均一
に分散された石膏泥漿をつくると、石膏泥漿をつくる毎
に微量の炭素繊維を正確に計量しなければならず面倒で
ある。そこで、軽量でしかも浮遊性に富み、取扱い困難
な炭素繊維を循環するジェット空気流或いは揺動回転を
利用して予め石膏粉末内に均一に単繊維状態で混入分散
せしめ、これを原料石膏粉末として用いても良い。これ
により石膏泥漿をつくる毎に一回の混合量に適合した微
量の炭素繊維のみを計量するという面倒な操作を不要に
することができる。
【0034】循環するジェット空気流を利用した混合方
法について具体的に述べると、石膏粉末と単繊維に離散
された炭素繊維とを石膏粉末に対して炭素繊維を0.01な
いし5重量%の割合で混合装置内に投入すると、石膏粉
末と単繊維に離散された炭素繊維とがジェット空気流に
より飛散された状態で多数回循環する間に適切に混合さ
れ、しかる後にサイクロン或いは、バックフィルターに
より空気流内から分離回収すると、石膏粉末と単繊維に
離散された炭素繊維とが均一に混合した炭素繊維入り石
膏粉末が得られる。ここで、ジェット空気流の圧力は1
ないし2kgf/cm2 (Kg/cm2 ) の低圧力であることが必要
であり、空気圧を高くすると混合の際に、石膏粒子どう
し、或いは石膏粒子と炭素繊維との衝突力が大きくなっ
て、石膏粒子および炭素繊維のいずれも粉粋されて石膏
型材としての物性が変化し、好ましくない。
【0035】また、石膏粉末に炭素繊維を均一に混合す
る別の方法として揚動回転を利用した混合方法がある。
これは図4に示されるように、撓屈自在の袋体11内に
石膏粉末と、単繊維に離散された炭素繊維とを石膏粉末
に対して炭素繊維を0.1 ないし5重量%の割合で投入
し、袋体11の底部に取付けられた揺動盤12を、回転
軸13に偏心して装着された揺動軸14により揺動回転
させると、袋体11内の混合物が加速されて、その速度
の大きさ並びに方向が任意に変化し、これにより袋体1
1内の石膏粉末および炭素繊維が均一に混合される。
尚、石膏粉末内に炭素繊維を混入する際に、硬化遅延
剤,減水剤等の必要な添加剤を同時に混入することも可
能である。
【0036】また、上記した石膏粉末は、無数本の単繊
維状態に離散された炭素繊維が石膏粉末内に均一に混入
分散されたものであるが、ポリビニールピロリドン,ポ
リビニールアルコール等の水溶性サイジング剤でサイジ
ング処理された炭素繊維の場合は、予じめ単繊維に離散
する必要はなく、石膏泥漿をつくる際に水溶性サイジン
グ剤が水中に溶出して自己分散する性質を有するので、
袋体内の石膏粉末内に束状のままで投入し混入すること
ができる。更に、石膏粉末内に炭素繊維を使用時におけ
る重量割合よりも高い割合(上限:5重量%)で混入分
散した原料石膏粉末を使用する場合は、使用時において
再度石膏粉末を混合して、石膏粉末と炭素繊維とを石膏
粉末に対して炭素繊維が、0.1 ないし1重量%又は0.1
ないし2.4 重量%の割合になるまで希釈しなければなら
ないが、この方法によれば炭素繊維が混入された石膏粉
末の輸送費の節減を図ることができる。
【0037】ここで石膏粉末に対する炭素繊維の割合を
0.01ないし5重量%とするのは、5重量%をこえると単
繊維状態での混入が困難であり、0.01重量%未満では、
そのままでは強化型材として利用できないからである。
希釈せずにそのまま型成型原料としてい用いる場合は、
石膏粉末に対して、炭素繊維の混入割合を0.01ないし1
重量%又は0.01ないし2.4 重量とする。
【0038】炭素繊維を混入した石膏は、模型或いは原
型の型材として利用する場合、水和硬化時における膨張
率が小さいと共に、半乾燥硬化完了脱型時の体積膨張率
および使用時熱膨張係数が小さいので、母型に流し込ん
で反復複製する際の複製品の精度がよく、正確な複製品
ができる。また、熱膨張係数が小さいので、温度変化に
よる膨張・収縮が小さく、高精度の模型或いは原型とな
る。従って、数回の反復複製を繰り返しても、最初の型
と最終の型との複製誤差が少く良好である。この点は一
般工業模型或いは原型の型材として最も重要なことであ
る。
【0039】尚、石膏製模型および原型を製作する場合
は、鋳込成形法の他、FRPのハンドレイアップ法と同
様に手作業で石膏泥漿を塗布積層する方法も適用でき、
しかも工業用石膏製模型の場合は一般に大型のものが多
く、この場合は大きな強度を要求されることもあって、
石膏泥漿又は泥状物中に混入される炭素繊維の長さの上
限は200mm ,混入量の上限は水和物で2.0 重量%まで多
くしても作業上差支えない。また、模型自体は金属製,
木製あるいは天然物であって、これを上記石膏泥漿又は
泥状物中に押型法により型どりして石膏製模型複写雌型
とし、これより石膏製模型複写雄型を製作することもで
る。
【0040】
【実施例】次に、本発明の実施例並びに比較例を挙げ
る。 (実施例1)ポリアクリロニトリル系繊維を約300 ℃で
熱処理した後に、更に窒素ガス雰囲気中で約1300℃で熱
処理して黒鉛化し、直径約7μmの単繊維を約6000本一
束とした炭素繊維を用いた。この炭素繊維の物性は、引
張強さ300kgf/mm2 (Kg/mm2 ) 、引張弾性係数23,000
kgf/mm2 (Kg/mm2 ) 、密度1.75g/cm3 、線膨張係数−0.
1 ×10-6/℃,熱伝導率15Kcal/(m・hr・℃)(17.4
5 W/(m・K)),比熱0.17cal /(g・℃)(0.71
kJ/(kg・K))であった。なお、以下、単位の表示に
ついて、“Kcal/(m・hr・℃)”を“Kcal/mhr℃”と
表し、“W/(m・K)”を“W/mK”と表し、“cal /
(g・℃)”を“cal/g ℃”と表し、“kJ/(kg・
K)”を“kJ/kgK”と表すこととする。この炭素繊維を
約20mmの長さに切断して、水中にて超音波振動とかく拌
との相乗作用により無数本の単繊維に離散させた。β石
膏粉末100 重量部,水60重量部,炭素繊維0.1 重量部,
硼砂(硬化遅延剤)0.2 重量部の割合で混合かく拌し
て、炭素繊維の単繊維が均一に分散された石膏泥漿をつ
くり、この石膏泥漿を母型内に流し込んで陶磁器皿をロ
クロ成型するための外鏝用石膏製原型に略々同じ形状体
を得た。これに若干の修正加工を加え原型とした。この
外鏝用石膏製原型は、切断断面全体に亘って炭素繊維の
単繊維が均一に分散され、この分散状況は肉眼で見るこ
とが可能な程度であった。
【0041】(実施例2)実施例1と同一の条件並びに
方法により炭素繊維の単繊維が均一に分散された石膏泥
漿をつくり、母型を低速回転させつつ炭素繊維の混入さ
れていない純粋な石膏泥漿を予め流し込んで厚さ1ない
し3mmの薄膜を形成しておき、しかる後に母型の回転を
停止させて炭素繊維が混入された石膏泥漿を流し込ん
で、陶磁器皿をロクロ成形するための外鏝用石膏製原型
に略々同じ形状体を得た。これに若干の修正を加え原型
とした。この外鏝用石膏製原型の成形面である外周面
は、純石膏から成る薄膜で被覆されており、炭素繊維は
成形面に全く露出していなかった。
【0042】(実施例3)ポリアクリロニトリル系繊維
を約300 ℃で熱処理した後に、更に窒素ガス雰囲気中に
おいて約2500℃で特殊熱処理して黒鉛化し、直径約7μ
mの単繊維をポリビニールピロリドンでサイジング処理
して約6000本を一束にした炭素繊維を用いた。この炭素
繊維の物性は、引張強さ250kgf/mm2 (Kg/mm2 ) 、引
張弾性係数35,000kgf/mm2 (Kg/mm2 ) ,密度1.77g/c
m3 ,線膨張係数−0.1 ×10-6/℃,熱伝導率100 Kcal/
mhr℃(116W/mK) ,比熱0.17cal/g℃(0.71kJ/kgK)であ
った。この束状の炭素繊維を25mmの長さに切断し、β石
膏粉末100 重量部に対して炭素繊維の割合が0.3 重量部
となるように炭素繊維を予め計量しておき、この炭素繊
維を予め計量された水の入った容器に、投入して補助的
にかく拌すると、束状の炭素繊維は自己分散して無数本
の単繊維に離散されると共に、かく拌作用により水中に
均一に分散した。しかる後に、石膏粉末,硼砂(硬化遅
延剤)および昭和電工株式会社製メルメントF-20(減水
剤)を投入して混合かく拌することにより、石膏粉末10
0 重量部、水60重量部,炭素繊維0.3 重量部、硬化遅延
剤0.2 重量部、減水剤0.2 重量部の割合から成る均質な
石膏泥漿をつくり、この石膏泥漿を母型内に流し込んで
陶磁器楕円皿を成形するための鋳込成形用石膏製原型に
略々同じ硬化石膏形状体を得た。この形状体を楕円用回
転ロクロ上に載置し、石膏切削バイトで修正を加え原型
とした。この鋳込成形用石膏製原型の炭素繊維の分散状
況は、実施例1と同様にほぼ均一であった。
【0043】(比較例1)β石膏粉末100 重量部,水60
重量部,硼砂0.2 重量部の割合で混合かく拌して炭素繊
維の入っていない純粋な石膏泥漿をつくり、この石膏泥
漿をケース型内に流し込んで陶磁器皿をロクロ成形する
ための外鏝用石膏製原型を得た。
【0044】次に、本発明の模型複製の実施例並びに比
較例を挙げる。 (実施例4)ポリアクリロニトリル系繊維を約300 ℃で
熱処理した後に、更に窒素ガス雰囲気中で約1300℃で熱
処理して黒鉛化し、直径約7μmの単繊維を約6000本一
束とした炭素繊維を用いた。この炭素繊維の物性は、引
張強さ300kgf/mm2 (Kg/mm2 ) 、引張弾性係数23,000
kgf/mm2 (Kg/mm2 ) 、密度1.75g/cm3 、線膨張係数−0.
1 ×10-6/℃、熱伝導率15Kcal/mhr℃(17.45W/mK) ,比
熱0.17cal/g℃(0.71kJ/kgK)であった。この炭素繊維を
約20mmの長さに切断して、水中にて超音波振動とかく拌
との相乗作用により無数本の単繊維に離散させた。β石
膏粉末100 重量部,水60重量部,炭素繊維0.1 重量部,
硼砂(硬化遅延剤)0.2 重量部の割合で混合かく拌し
て、炭素繊維の単繊維が均一に分散された石膏泥漿をつ
くり、この石膏泥漿を石膏製雌型内に流し込んでガスタ
ービンのタービン羽根の複製石膏雄型模型を得た。この
複製石膏雄型模型は、断面を含めて全体に亘って炭素繊
維の単繊維が均一に分散され、この分散状況は肉眼で見
ることが可能な程度であった。
【0045】(比較例2)β石膏粉末100 重量部,水60
重量部,硼砂0.2 重量部の割合で混合かく拌して炭素繊
維の入っていない純粋な石膏泥漿をつくり、この石膏泥
漿を石膏製雌型内に流し込んでタービン羽根の複製石膏
雄型模型を得た。
【0046】上記実施例4および比較例2の複製石膏雄
型模型の各温度における長さの変化率並びに離型時の複
製精度は次の通りであった。長さの変化率に関しては、
図5に示されるように、約1時間後の発熱反応による模
型の最高発熱時(53.2℃)において、水和体積膨張のほ
かに、温度変化に基づく熱膨張が存するため、炭素繊維
が混入されていない従来の模型は母型を基準にして硬化
時膨張率において0.075%(500mmに対し0.38mm) 膨張して
いたのに対し、炭素繊維を混入した本発明に係る模型は
0.066%(500mmに対し0.33mm) 膨張していた。また、50℃
の熱風乾燥装置で20時間半乾燥した後室温23.5℃まで冷
却し、脱型した時の複製精度に関しては、従来の模型は
0.025%(500mmに対し0.125mm)の体積膨張していたのに対
し、本発明に係る模型は0.018%(500mmに対し0.09mm) 体
積膨張していた。その後50℃の熱風乾燥装置にて約2時
間乾燥をしたところ複製精度に関しては従来品は500mm
に対して0.06mmの乾燥収縮(従って体積膨張は0.065mm)
していたのに対し、本発明品は500mm に対して0.04mmの
乾燥収縮があり(従って母型に対しては0.05mmの体積膨
張)、本発明品は従来品に比しいずれの段階においても
体積膨張が小さいことが立証された。
【0047】前記各実施例1,2,3 および比較例1の各石
膏製原型の抗折強度,吸水能力,大気中における破壊温
度差,嵩比重並びに硬化時膨張率などの物性は、下表の
通りであった。 吸水能力はテストピースを常温常圧下で水中に浸漬した
とき、吸水した水の重量百分率である。破壊温度差は高
温大気中で加温した試験片をすばやく室内に取り出し室
温大気中に放置した場合、破壊に到る最少の温度差を表
わす。硬化時膨張率は母型に石膏泥漿を鋳込み硬化させ
脱型後、乾燥直前に測定したときの長さの母型に対し変
化した割合である。上表から明らかのように、炭素繊維
を混入した石膏型は、混入しない石膏型に比較して抗折
強度および大気中における破壊温度差は大巾に向上して
いると共に、他の物性においても優れていることが判明
した。
【0048】図6は実施例1の石膏硬化体の切断面から
製作した薄片を走査型電子顕微鏡で2000倍で撮った写真
である。左上端から中央へ延べる細長い真直ぐな円柱
が、混入した炭素単繊維であり破片状の結晶がβ型2水
石膏である。図7は、α型石膏粉を用いた他は実施例1
すなわち図6と同一のもので同じく2000倍の走査型電子
顕微鏡写真である。また、図8は、石膏100 重量部,水
60重量部,長さ25mmのピッチ系炭素繊維を所定重量部混
入した石膏泥漿を鋳込んで成形した15mm×25mm×250mm
の石膏試験片を曲げ試験装置で曲げ試験をした場合の経
過時間と、抗折力との関係を示しており、混入炭素繊維
の重量比率をパラメーターとした場合の試験結果であ
る。図8のグラフから明らかのように混入炭素繊維の割
合が大きくなる程抗折力が大きくなると共に、最大抗折
力で単純破断するもろさが解消されて素材としてのいわ
ゆる粘りが生じていることがわかる。尚、本試験のスパ
ンは200mm で、荷重は中央に加えられ、荷重点の変位速
度は1mm/minであった。
【0049】図9に、純粋な石膏試験片と、炭素繊維で
強化した石膏試験片との各温度における長さの変化率を
示す曲線が示されており、炭素繊維を混入した石膏の試
験片の長さの変化(膨張)率は、炭素繊維を混入しない
石膏試験片の長さの変化(膨張)率に比較して、正およ
び負のいずれの場合にも僅かに小さいことがわかる。こ
れは、熱膨張率が殆んど零に等しい炭素繊維が石膏の各
粒子間に入り込んでいるため、この炭素繊維が石膏の膨
張或いは収縮を抑制するためであると解される。従っ
て、炭素繊維を混入した石膏製原型或いは模型は、温度
による膨張或いは収縮が小さく、複製された模型或いは
中間型,成形型の寸法精度が向上する。
【0050】ここで、抗折強度および抗折力の大巾な向
上により、模型或いは原型の材料力学的強度が増大さ
れ、従来保存・取扱時に受ける外力により破損されてい
た複雑な形状を有する部分或いは折損され易い部分の機
械的強度が増大せしめられ、これにより模型或いは原型
の破損が防止されて寿命が長くなると共に、運搬或いは
取扱いが容易となる。更に、機械的強度の大巾な向上に
より、凸状部等の肉厚を薄くすることが可能となり、ひ
いては複雑或いは繊細な形状を有する模型或いは原型の
製作が可能となる。
【0051】また、炭素繊維の混入により大気中におけ
る破壊温度差が向上するのは、温度上昇により石膏自体
は所定量膨張するが、炭素繊維自体は殆んど膨張しない
ので、石膏型内部において炭素繊維にはその長さ方向に
引張力が加わると共に、石膏には圧縮力が加わり、この
ため炭素繊維の長さ方向に内部応力が生じて丁度PSコ
ンクリートのようにプレストレスが導入された状態にな
っているためであると解される。
【0052】大気中における破壊温度差の大巾な上昇
は、石膏製の模型或いは原型が大きな温度差に対して耐
え得ることを意味し、成型後の模型或いは原型又は中間
型の乾燥温度を上げることが可能となる。従って、成型
毎の模型或いは原型又は中間型の乾燥時間を短縮させる
ことが可能となり、模型或いは原型の製作・複製に要す
る時間が短縮される。
【0053】
【発明の効果】上述したことを総合すると、本発明には
次のような効果がある。 (1) 、長さ5ないし200mm の炭素繊維を石膏に対して0.
008 ないし2.0 重量%の割合で母材の石膏内に均一に混
入分散した本発明に係る石膏製原型は、従来の純粋な石
膏から成る原型に比較して水和硬化による脱型時膨張
率,熱膨張係数のいずれも小さいので、原型から元型,
ケース型,成形型と複製する場合の全工程での積算誤差
が少なく高精度の成形型の製作が可能となる。
【0054】(2) 、また、抗折強度および靱性の双方が
大巾に向上することにより、模型或いは原型の機械的強
度が増大され、従来保存・取扱時に受ける外力により破
損されていた複雑な形状を有する部分、或いは折損され
易い部分の折損又は破損が防止され、模型或いは原型の
寿命が長くなる。また、機械的強度の大巾な向上によ
り、凸状部等の肉厚を薄くすることが可能となり、ひい
ては複雑或いは繊細な形状を有する模型或いは原型の製
作が可能となる。
【0055】(3) 、炭素繊維を単繊維状態で均一に分散
混入した石膏の水和硬化時あるいは乾燥完了時膨張率,
および母型として使用時における熱膨張係数のいずれ
も、純粋な石膏に比較して小さいので、本発明に係る模
型(特に複製模型)の寸法精度が向上し、目的の寸法通
りの模型の製作が可能となる。
【0056】(4) 、炭素繊維は豊かな柔軟性を有してい
るので、石膏製模型内に炭素繊維が混入されていても、
その表面は滑らかで、しかも適度に柔い。従って、模型
或いは原型の切削加工性は極めて良好であり、望みの形
状に自在に削り出すことができる。
【0057】(5) 、原型或いは中間型の場合、その製作
に際し母型内に純粋な石膏泥漿を流し込んで薄い層を形
成し、しかる後に炭素繊維が混入された石膏泥漿を流し
込むことにより、原型或いは中間型の成形面に純石膏か
ら成る薄い層が形成されて炭素繊維の端部が成形面に露
出するのが防止される。原型或いは中間型をこのように
構成することにより、複製される型の表面(成形面)が
傷付けられるのを防止することができる。模型の場合に
おいては、表面を純石膏から成る薄い層で被覆すること
により、炭素繊維の単繊維の露出により美感が損なわれ
るのを防止することができる。
【0058】(6) 、模型或いは原型の強化材として、径
が極めて小さくて強度が大きく、しかも柔軟性に富んだ
炭素繊維を用いているので、石膏に対する強化材の混入
割合が少なくても模型或いは原型の機械的外力,熱的不
均質に対する強度を増大させることができ、大型の形状
体のものでもコストが安価で済み、又、成型作業が容易
となる。
【0059】(7) 、高温加熱焼失性を有する炭素繊維を
強化材として混入してあるので、使用中に破損したり、
或いは使用不能となった石膏製模型或いは原型及び中間
型は、粉砕して長時間に亘って緩やかに加熱処理するこ
とにより、内部に混入された炭素繊維のみを容易に焼失
除去することができ、石膏硬化体の再使用が可能とな
る。この点ガラス繊維等の加熱焼失性を有しないものを
強化材として混入した場合は、混入された強化材のみを
除去して石膏硬化体を再生或いは再利用することは極め
て困難か、或いは不可能である。
【0060】(8) 、炭素繊維を所定長さに切断して無数
本の単繊維に予め離散させておき、石膏粉末と、該石膏
粉末に対して所定の重量割合の単繊維に離散された前記
炭素繊維とを循環しているジェット空気流内に投入して
両者を均一に混合せしめた後に回収して、石膏粉末内に
単繊維に離散された炭素繊維を均一に混入分散せしめて
おくことにより、石膏泥漿をつくる毎に一回の混合量に
適合した微量の炭素繊維のみを計量する操作を不要にす
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】硬化石膏内に混入する炭素繊維の長さと、硬化
石膏試験片の抗折強度との関係を示すグラフである。
【図2】石膏内に混入する炭素繊維の石膏に対する重量
割合と、石膏試験片の抗折強度との関係を示すグラフで
ある。
【図3】彫刻模様のあるプラスチック鋳込成形用板状体
の石膏製成形型の成形工程を示すもので、(イ)は原
型,(ロ)は下部元型,(ハ)は下型用ケース型,
(ニ)は成形型の夫々断面図である。
【図4】揺動回転を利用した混合方法の原理図である。
【図5】炭素繊維強化石膏模型と純石膏模型との成型時
における経過時間と水和硬化時膨張率との関係を示すグ
ラフである。
【図6】β石膏粉末を用いた場合の石膏試料片の走査型
電子顕微鏡写真である。
【図7】α型石膏粉末を用いた場合の同様の写真であ
る。
【図8】石膏型内に混入する炭素繊維の石膏に対する重
量割合をパラメーターとした石膏型の試験片の曲げ試験
における抗折力の時間変化を示す測定グラフである。
【図9】純粋石膏試験片と、炭素繊維強化石膏試験片と
の各温度における長さの変化率を示すグラフである。
【符号の説明】 1 原型 2 下部元型(中間型) 6 下型用ケース型(中間型) 9 成形型 11 袋体 12 揺動盤 13 回転軸 14 揺動軸
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【手続補正書】
【提出日】平成5年10月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】硬化石膏内に混入する炭素繊維の長さと、硬化
石膏試験片の抗折強度との関係を示すグラフである。
【図2】石膏内に混入する炭素繊維の石膏に対する重量
割合と、石膏試験片の抗折強度との関係を示すグラフで
ある。
【図3】彫刻模様のあるプラスチック鋳込成形用板状体
の石膏製成形型の成形工程を示すもので、(イ)は原
型,(ロ)は下部元型,(ハ)は下型用ケース型,
(ニ)は成形型の夫々断面図である。
【図4】揺動回転を利用した混合方法の原理図である。
【図5】炭素繊維強化石膏模型と純石膏模型との成型時
における経過時間と水和硬化時膨張率との関係を示すグ
ラフである。
【図6】β石膏粉末を用いた場合の石膏試料片の走査型
電子顕微鏡写真である。
【図7】α型石膏粉末を用いた場合の同様の写真であ
る。
【図8】石膏型内に混入する炭素繊維の石膏に対する重
量割合をパラメーターとした石膏型の試験片の曲げ試験
における抗折力の時間変化を示す測定グラフである。
【図9】純粋石膏試験片と、炭素繊維強化石膏試験片と
の各温度における長さの変化率を示すグラフである。
【符号の説明】 1 原型 2 下部元型(中間型) 6 下型用ケース型(中間型) 9 成形型 11 袋体 12 揺動盤 13 回転軸 14 揺動軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29C 47/12 8016−4F (C04B 28/14 14:38) A 2102−4G

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 (1)、母材の石膏組織内に長さ5ないし200mmの
    炭素繊維が単繊維に離散された状態で石膏に対して0.
    008ないし2.0重量%の割合で均一に混入分散され
    ていることを特徴とする炭素繊維強化石膏製模型または
    模型複写型。 (2)、母材の石膏組織内に長さ5ないし200mmの
    炭素繊維が単繊維に離散された状態で石膏に対して0.
    008ないし2.0重量%の割合で均一に混入分散され
    ていることを特徴とする炭素繊維強化石膏製原型。 (3)、母材の石膏組織内に長さ5ないし100mmの
    炭素繊維が単繊維に離散された状態で石膏に対して0.
    008ないし0.9重量%の割合で均一に混入分散され
    ていることを特徴とする炭素繊維強化石膏製成形型用中
    間型。 (4)、石膏粉末内に5ないし200mmの長さの単繊
    維に離散された炭素繊維を、該石膏粉末に対して0.0
    1ないし5重量%の割合で均一に混入分散して成る石膏
    製模型又は模型複写型あるいは原型用炭素繊維入り石膏
    粉末。 (5)、石膏粉末内に5ないし100mmの長さに離散
    された炭素繊維を、該石膏粉末に対して0.01ないし
    1.0重量%の割合で均一に混入分散したことを特徴と
    する特許請求の範囲第4項記載の石膏製摸型又は摸型複
    写型あるいは原型用炭素繊維入り石膏粉末。 (6)、石膏粉末内に5ないし100mmの長さの単繊
    維に離散された炭素繊維を、該石膏粉末に対して0.0
    1ないし5重量%の割合で均一に混入分散して成る石膏
    製中間型用炭素繊維入り石膏粉末。 (7)、石膏粉末内に5ないし100mmの長さに離散
    された炭素繊維を、該石膏粉末に対して0.01ないし
    1.0重量%の割合で均一に混入分散したことを特徴と
    する特許請求の範囲第6項記載の石膏製中間型用炭素繊
    維入り石膏粉末。 (8)、炭素繊維を5ないし200mmの長さに切断し
    て無数本の単繊維に予め離散させておき、石膏粉末と、
    該石膏粉末に対して0.01ないし5重量%の単繊維に
    離散された前記炭素繊維とを循環しているジェット空気
    流内に投入して両者を均一に混合せしめた後に回収する
    ことを特徴とする石膏製模型又は模型複写型あるいは原
    型用炭素繊維入り石膏粉末の製造方法。 (9)、炭素繊維を5ないし200mmの長さに切断し
    て無数本の単繊維に予め離散させておき、石膏粉末と、
    該石膏粉末に対して0.01ないし5重量%の単繊維に
    離散された前記炭素繊維とを撓屈自在の袋体内に投入し
    て揺動回転させることを特徴とする石膏製模型又は模型
    複写型あるいは原型用炭素繊維入り石膏粉末の製造方
    法。 (10)、炭素繊維を5ないし100mmの長さに切断
    して無数本の単繊維に予め離散させておき、石膏粉末
    と、該石膏粉末に対して0.1ないし5重量%の単繊維
    に離散された前記炭素繊維とを循環しているジェット空
    気流内に投入して両者を均一に混合せしめた後に回収す
    ることを特徴とする石膏製中間型用炭素繊維入り石膏粉
    末の製造方法。 (11)、炭素繊維を5ないし100mmの長さに切断
    して無数本の単繊維に予め離散させておき、石膏粉末
    と、該石膏粉末に対して0.01ないし5重量%の単繊
    維に離散された前記炭素繊維とを撓屈自在の袋体内に投
    入して揺動回転させることを特徴とする石膏製中間型用
    炭素繊維入り石膏粉末の製造方法。
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