JPH0615536Y2

JPH0615536Y2 - 洋服ハンガー

Info

Publication number: JPH0615536Y2
Application number: JP1988107247U
Authority: JP
Inventors: 勤松山
Original assignee: 勤松山
Priority date: 1988-08-13
Filing date: 1988-08-13
Publication date: 1994-04-27
Anticipated expiration: 2003-08-13
Also published as: JPH0228670U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は、家庭及び職場で使用する、洋服ハンガーに関
するものである。

〔従来の技術〕

従来この種のハンガーとしては、第６図に示すように、
吊体ロの末端を、直角に曲げた部分で、掛杆イを、回動
自在に、又は、回動不能に支持したもの、及び、第７図
に示すように、本体ハと掛杆ホを一体に製作し、なお、
掛杆ホの上面に、滑止体へを設けたものが知られてい
る。

〔考案が解決しようとする課題〕

従来の技術で述べたもののうち、前者は、掛杆イが回る
ものでは、バランスよく掛けたズボンでも、少しのショ
ックで、掛杆イの回動が起り、落下する問題点があり、
掛杆イの回らないものでも、掛杆イの周面が平滑である
ので、ズボンは落ち易いことのほか、ベルトや財布等の
あるズボンを掛けたとき、ズボンのバランス位置が変
り、ズボンの裾が垂れ下るという問題点もある。また、
後者にあっては、掛杆ホは、本体ハと一体構造であるか
ら、回動することなく、また、掛杆ホの上面は、滑止体
へがあるので、掛けたズボンは、滑り落ちることはな
く、また滑止体へのためにズボンのバランスは不要でど
の位置にでも静止できるものであるが、吊したハンガー
にズボンをかけるとき、ズボンが掛杆ホの上を全く滑ら
ず、かえって引掛かるようになり、裾の方から、少しづ
つ、何度もたぐりながら掛けるか、又は吊ったハンガー
を、外して、片手で持上げて、別の手でズボンの裾を本
体ハと掛杆ホの間に通して掛けるようにしなければ掛け
られない。そのとき掛けてあった上衣は邪魔になるので
先に外しておくもので、取扱に大きな難点がある。また
狭いたんすや、ロッカーでは、なお一層掛け難くなり、
取扱いに時間がかかるだけでなく、上衣の仮置きのでき
ない職場や、ハンガーを沢山かけられないロッカーで
は、使用出来ないという問題点がある。

また、実開昭54−154125号公報に記載のハンガーでは、
掛杆の端面に１文字型の係止用凹溝を設けて、かつ、掛
杆を左右の吊体の針金にて回転可能に、吊持された構造
であって、通常は水平軸心廻りに掛杆が回転するが、掛
杆の端面の上記１文字型の凹溝に吊体の針金を、係止さ
せると、回転が止まるものである。しかし、この構造で
は、細い針金の吊体と、掛杆の端面の軸心小孔との、摩
耗が早期に発生し、がたつきを生じ易く、また、吊体の
変形にてスムースに回転しなくなるという問題点があ
る。かつ、１文字型凹溝と吊体との係止が、簡単に離脱
してズボンがずり落ちるという問題点もあった。

本考案は、従来の技術のもつ、このような問題点を解決
すべくなされたものであって、その目的とするところ
は、洋服ハンガーに、ズボンを掛けたり、ハンガーから
取出す場合に、たとえ狭い場所でも、ロッカーの中で
も、上衣が掛けてあっても、無理なく、最小の動作で確
実に掛け外しができる、洋服ハンガーを提供しようとす
るものである。また、不意にズボンがずり落ちることを
防止して、確実に保持出来ること、及び、摩耗が少なく
て耐久性に優れていること、さらに、安価に量産化が可
能である洋服ハンガーを提供しようとするものである。

〔課題を解決するための手段〕

上述の目的を達成するため、本考案の洋服ハンガーは、
ハンガー本体の両肩より垂下する二本の吊体の末端を、
相互に連結する円柱形の水平状掛杆をもった洋服ハンガ
ーにおいて、所要の滑止体に外周面を形成すると共に、
一端又は両端に、端縁より内に向けて拡がりをもつ係合
穴を形成した、円筒体を、上記掛杆に回転自在かつ軸心
方向に摺動可能として、外嵌してなるものである。

〔作用〕

外周面に滑止体をもつ円筒体は、掛杆の外側を自在に回
り、横移動によって、端縁の内方に拡がりをもつ係合穴
に、吊体が入り込んで回動は係止される。引続き吊体は
拡がり部に移動して、掛杆の軸心方向移動も係止でき
る。従って円筒体にズボンの裾をかけて裾を指でつまん
で、軽く引下せば、円筒体はズボンとの摩擦によって回
動し、ズボンは所望の位置に掛けられる。次に、裾をも
った指をそのままでするか、或は持ちかえて円筒体の中
央部を、ズボンの上からつまみ、係合部に向って横移動
すれば吊体はＴ字形の係合穴に入り込む。そこで指をは
なせば、円筒体はズボンの重い方へ、即時回動して、吊
体は係合穴の内部の拡がり部に入り、円筒体の回動と、
横移動は係止され、ズボンは確実に掛けることができ
る。またズボンを取出すには、円筒体の中央部を指でつ
まんで係止を外せばズボンは円筒体の回動と共に、ベル
ト側より落下し、瞬時にして取出せる。

〔実施例〕

実施例について図面により説明する。

第１図において、掛杆３は本体１の両肩から垂下する、
二本の吊体２Ａ・２Ｂの末端の、水平部分に係止されて
いる、掛杆３の外周の吊体２Ａと２Ｂの間は、外周面を
滑止体５に形成した円筒体４が回動自在に外嵌されてお
り、円筒体４の一端又は両端には、端縁より内に向けて
拡がりをもつＴ字形の係合穴６を設けている。この係合
穴６は、円筒体４の軸心方向の移動により、吊体２が介
入し、円筒体４の回動を止め、次いで吊体２が内部の拡
がり部へ移ることで、横移動も係止する。掛杆３は一般
に木製であり、円筒体４は、プラスチック、鉄、アルミ
ニウム材のパイプを利用する。また、滑止体はゴム、塩
化ビニール、レザー、布など、任意の滑り止め材を用い
ることができる。

この第１図より明らかなように、水平状掛杆３は、ハン
ガー本体１の両肩より垂下した二本の吊体２Ａ・２Ｂの
末端を相互に連結する円柱形である。この掛杆３に、回
転自在かつ軸心方向摺動可能として、円筒体４が外嵌さ
れている。

第２図は、吊体２Ａと円筒体４に設けた係合穴６との掛
止を示すものであり、また係合穴６を円筒体４の両端に
設けるには、両者を一線上に設けず外周円に対して４５
度以上の偏位させて設けることが望ましい。

第３図は掛杆３に、吊体２Ａの末端を垂直に挿入し、係
止した構成の洋服ハンガーを、他の実施例として示す。

第４図、第５図は比較例であって、掛杆３の中央部を省
き、両端を短軸体７として、円筒体４の両端に遊挿した
ものであって、円筒体４に、剛性のあるアルミニウム、
鉄等を使用した場合に適用するものであり短軸体７は、
吊体２に固定され、軸方向の動きは出来ない、なお、短
軸体７は、硬い木材、軽金属、プラスチック等を用いて
つくる。

この第４図と第５図に示した比較例に比べて、本考案の
実施例の第１図〜第３図では、次のような利点がある。
即ち、第４図と第５図の比較例では吊体２Ａ又は２Ｂ
の変形が生じやすく、これに伴って短軸体７が水平に対
して傾斜することとなり、円筒体４の内周面と「こぜ」
を発生して、円筒体４が円滑に回転しなくなることがあ
るが、本考案では掛杆３は両吊体２Ａ・２Ｂを連結して
常に水平を保ち、円筒体４を円滑に回転させることがで
きる。第４図と第５図の比較例では、円筒体４の外
に、短軸体７，７も特別に製作せねばならないが、本考
案では、汎用品のハンガーの掛杆３をそのまま使用し
て、単に円筒体４のみを製作して外嵌状に組立てるのみ
で良い。従って安価に大量生産可能となる。

〔考案の効果〕

本考案は、上述の通り構成されているので、次に記載す
る効果を奏する。

円筒体にズボンの裾を掛けて、指先でつまんで引下す
と、円筒体は滑止体とズボンの摩擦で無理なく回動す
る。任意の位置で、裾をつまんだまま指先を横に動かせ
ば、係合穴に吊体が入り、指をはなせば吊体が係合穴
の、内部の拡がり部に収まり、ズボンは安定して掛けら
れる。また取出すときは、円筒体の中央を指先でつまん
で、係止を外せば、ズボンは即時に落下し、取出せる。

上述のような操作であるからたんすやロッカー内でも、
容易に操作出来て、上衣が掛けてあっても胸の開き部分
だけで、難なくズボンの出入ができしかも迅速に正確に
出来るものである。また滑止体があるため、バランスを
考えて掛けることは不要で、従ってズボンの裾のたれ下
りは起きない。また、円筒体は、掛杆と略同じ長さであ
るので、掛杆の折曲りの補強になる。

また、ズボンを外した後の円筒体は、回動状態にあるの
で、次にかけるときは、そのままかけられる。特に係合
穴６が、端縁より内に向けて拡がりをもつ形状であるた
め、係止状態では軸心方向（横方向）に動くことがな
く、円筒体４が不意に回転してズボンが落下すること
を、防止出来る。

かつ、従来の標準品（汎用品）の部品をそのまま使用し
て、単に円筒体４を製作するだけで、大量生産可能とな
る。

しかも、係合穴６と吊体２Ａとの離脱状態では、円筒体
４は常に円滑に回転してズボンの取外しが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は外周に滑止体を形成した掛杆と吊体及び係合穴
を示す一部破断斜視図であり、第２図は吊体と円筒体の
係止を示す要部の斜視図であり、第３図は吊体の末端を
掛杆に垂直に挿通して掛杆を係止したハンガーに考案を
実施した要部の正面図である。第４図と第５図は、夫々
比較例を示し、両端の短軸体を掛杆として実施した場合
の一端部の断面図である。また、第６図および第７図は
それぞれ従来の洋服ハンガーの要部の正面図である。１……本体、２Ａ・２Ｂ……吊体、３……掛杆、４……
円筒体、５……滑止体、６……係合穴。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】ハンガー本体（１）の両肩より垂下する二
本の吊体（２Ａ・２Ｂ）の末端を、相互に連結する円柱
形の水平状掛杆（３）をもった洋服ハンガーにおいて、
所要の滑止体（５）に外周面を形成すると共に、一端又
は両端に、端縁より内に向けて拡がりをもつ係合穴
（６）を形成した、円筒体（４）を、上記掛杆（３）に
回転自在かつ軸心方向に摺動可能として、外嵌してなる
洋服ハンガー。