JP3031634U - 洋服ハンガー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハンガーの掛け部の幅を変えることができ、
同時に、小さな首穴を持ったセーター等でも首穴を拡げ
ることなくスムーズに掛けることができる安価な洋服ハ
ンガーを提供する。 【解決手段】 吊り下げ部３をハンガー本体部２の頂部
５を中心として回転自在に構成したので、補助部材６上
に衣服を掛けることができるようになり、複雑な機構を
必要とせずに掛け部の幅を変えることができる。また、
この吊り下げ部３をハンガー本体部２に沿ってスライド
移動自在に構成したので、頂部５−補助部材６の幅で首
穴にハンガー１を通すことができるようになり、小さな
首穴を持ったセーター等に対しても首穴を拡げることな
く使用することができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、衣服等を掛けるための洋服ハンガーに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、衣服の肩幅のサイズに合わせて、掛け部の幅を調整することができ るハンガーが考案されている。例えば、実開平１−１６１６７５号公報には、吊 り金具を２箇所に設け、さらに、一方の吊り金具の保持部材に横方向にスライド するキャップを備え、このキャップを調整することにより、肩幅の広い洋服等を 掛けることができるようにしたハンガーが記載されている。

【０００３】 また、従来より、首穴を拡げることなくセーター等の衣服を掛けることができ るハンガーも考案されている。例えば、実開平３−２２７７２号公報には、フレ ームにガイド孔を設け、このガイド孔中をフックが自由に移動できるようにする ことにより、首穴を拡げることなくセーター等を掛けることができるようにした 衣服ハンガーが記載されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記のような従来の実開平１−１６１６７５号公報に記載され たハンガーは、吊り金具を２つ備え、大型であるので、小さな首穴を持ったセー ターを掛ける時に、首穴を拡げることなく通すのは困難であり、また、掛け部の 幅を調整するための機構が複雑で、高価となり、さらに、収納にかさばり、コス ト高となるので実用的ではないといった問題がある。

【０００５】 また、上記のような実開平３−２２７７２号公報に記載された衣服ハンガーで は、フレームが細いため、小さな首穴を持ったセーターを掛ける時でも首穴を拡 げるおそれは少ないが、ガイド穴が小さいため、首穴通し動作がスムーズに行え ない。また、このフレームが上下反対になったところで、掛け部の幅が変わるも のではないので、肩幅の広い衣服等を掛けることはできず、さらには、フックの 固定が不安定であるといった問題がある。 本考案は、上述した問題を解決するためになされたものであり、装置を複雑化 することなく、ハンガーの掛け部の幅を変えることができ、同時に、小さな首穴 を持ったセーター等でも首穴を拡げることなくスムーズに掛けることのできる安 価な洋服ハンガーを提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために請求項１の考案に係る洋服ハンガーは、衣服を掛け るためのハンガー本体部と、このハンガー本体部を吊り下げるための吊り下げ部 とからなる洋服ハンガーにおいて、ハンガー本体部は、衣服の掛かる肩部と、こ の肩部を接合する頂部と、この肩部の両端を結ぶ補強部材とから構成され、吊り 下げ部は、使用者の操作に応じて、頂部を中心として補強部材の中心位置に向か って回転自在に構成されているものである。

【０００７】 この構成においては、肩幅の広い服を掛ける時には、吊り下げ部を回転させる ことにより、通常時においてはハンガーの下部に位置している補助部材がハンガ ーの中央部に移動させ、この補助部材上に衣服を掛けることができるようになる ので、機構を複雑にすることなく掛け部の幅を変えることができる。また、補助 部材は直線形状であるので、ずれ落ちやすいランニングシャツや女性用の下着等 でも安定して掛けることができる。

【０００８】 また、請求項２に記載の考案に係る洋服ハンガーは、上記吊り下げ部が、使用 者の操作に応じてハンガー本体部に沿ってスライド移動自在に構成されているも のである。

【０００９】 この構成においては、吊り下げ部を肩部の端部までスライド移動させることに より、頂部−補助部材の幅で首穴にハンガーを通すことができるようになるので 、小さな首穴を持ったセーター等でも首穴を拡げるおそれなく使用することがで きる。また、吊り下げ部の可動幅が大きいため、首穴通し動作をスムーズに行う ことができる。

【００１０】 また、請求項３に記載の考案に係る洋服ハンガーは、上記補強部材がその中心 位置に、吊り下げ部を回転させた時にこの吊り下げ部を固定するためのストッパ を備えたものである。この構成においては、ストッパと吊り下げ部の柄を係合さ せることにより、吊り下げ部に対するハンガー本体部の姿勢を安定させることが できるので、コート等の重たい衣服でも掛けることができるようになる。

【００１１】

【考案の実施の形態】

以下、本考案を具体化した一実施例に係る洋服ハンガーについて図面を参照し て説明する。図１は洋服ハンガーの通常状態を示す図であり、図２は同ハンガー の吊り下げ部を頂部を中心として回転させた状態を示す図である。洋服ハンガー １は樹脂などにより成形されたハンガー本体部２と、このハンガー本体部２を竿 等に吊り下げるための吊り下げ部３とから形成されている。ハンガー本体部２は 、への字型に伸び衣服を掛けるための肩部４と、この肩部４を接合する頂部５と 、この肩部４の両端を結ぶ補強部材６とからなるものであり、これらに囲まれた 部分は中空となっている（以下、この部分を中空部７という）。また、吊り下げ 部３は、竿等に掛けるためのフック３ａと、ハンガー本体部２の頂部５において 回転可能に設置されたリング部３ｂと、このフック部３ａとリング部３ｂとを繋 ぐ柄３ｃとからなる。使用者は、必要に応じて吊り下げ部３を回転させることに より、通常時においてはハンガーの下部に位置している補助部材６が中央部に移 動するので、この補助部材６に肩幅の広い衣服を掛けることができるようになる 。また、この補助部材６は直線形状であるので、ランニングシャツ，女性用下着 等のように斜めに伸びた肩部４ではずれ落ちて掛けることが困難であった衣服も 確実に掛けることができるようになる。

【００１２】 頂部５の中空部７側には、第１の切り込み部５ａがリング部３ｂの下端部と嵌 合するような深さで設けられており、通常状態における吊り下げ部３に対するハ ンガー本体部２の姿勢を安定させている。また、頂部５の外面側には第２の切り 込み部５ｂが上述の第１の切り込み部５ａと同様の形状で設けられており、吊り 下げ部３を回転させた状態において、吊り下げ部３に対するハンガー本体部２の 姿勢を安定させている。さらに、補助部材６の中心位置近傍には係止用突部６ａ が吊り下げ部３の柄３ｃと回転時において係合するように設けられおり、回転時 におけるハンガー本体２の吊り下げ部３に対する姿勢をさらに安定させている。 この係止用突部６ａは補助部材６の裏面側にも設けられており、吊り下げ部３が 逆方向に回転されても係合させることができるようになっている。

【００１３】 補助部材６の両端には突出部６ｂが設けられている。回転時においては、この 突出部６ｂは上向きとなり（図２参照）、補助部材６に対して凸部となるので、 ランニングシャツや女性用下着等が滑り降ちるのを防いでいる。

【００１４】 図３は吊り下げ部３をハンガー本体部２に沿ってスライドさせた時の状態を示 す図である。リング部３ｂの内径は、ハンガー本体部２に沿ってスムーズに移動 させることができるような十分な大きさとなっている。このハンガー１を小さな 首穴を持ったセーター等に掛けるときには、ハンガー１を同図に示した矢印方向 に首穴に差し込めばよい。この方向で差し込めば、頂部５と補助部材６との幅Ｌ で、首穴に差し込むことができるので、従来の本体と吊り下げ部とが一体となっ ているようなハンガーと比して、首穴の拡がりを抑えることができる。また、こ の吊り下げ部の動き幅が大きいので、上述の実開平３−２２７７２号公報に記載 されているような衣服ハンガーと比して、よりスムーズに首穴通し動作を行うこ とができる。また、突出部６ｂを滑らかなカーブを持った形状とすれば、衣服等 にハンガー本体部２が引掛かることが少なくなり、よりスムーズに首穴にハンガ ー１を通すことができる。

【００１５】 このように、本考案に係る洋服ハンガー１は、吊り下げ部３を頂部５を中心と して回転できるようにしたので、複雑な機構を必要とせずに掛け部の幅を変える ことができる。また、この吊り下げ部３はハンガー本体部２に沿ってスライド移 動できるようにしたので、小さな首穴のセーター等に対しても首穴を拡げること なく使用することができる。

【００１６】 なお、本考案は上記実施の形態による構成に限られることなく種々の変形が可 能である。例えば、図１乃至図３に示したハンガー１では、フック３ａの竿等と の接触部の幅は、柄３ｃの幅と同じ大きさとなっているが、フック３ａの竿等と の接触面が幅広鍔状に形成されているものであってもよい。この場合においては 、ハンガー１と竿等との接触面が大きくなるので、ハンガー１が竿等から落下す るのを防ぐ効果がある。また、係止用突部６ａに代えて、補助部材６に溝を設け 、この溝にポチを係合させることにより、吊り下げ部３に対するハンガー本体２ の姿勢を安定させるものであってもよい。

【００１７】

【考案の効果】

以上のように請求項１の考案に係る洋服ハンガーによれば、吊り下げ部をハン ガー本体部の頂部を中心として回転させることができるようにしたことによって 、通常時にはハンガーの下部に位置している補助部材をハンガーの中央部に移動 させ、補助部材上に衣服を掛けることができるようになり、複雑な機構を必要と せずに掛け部の幅を変えることができる。また、補助部材は水平であるので、ず れ落ちやすいランニングシャツや女性用の下着等でも安定して掛けることができ る。また、構造が簡単であるため、収納にかさばることもなく、コスト高となる こともない。 また、請求項２の考案に係る洋服ハンガーによれば、吊り下げ部をハンガー本 体部に沿って移動させることができるようにしたことによって、使用者が吊り下 げ部を肩部の端部にまでスライド移動させれば、頂部−補助部材の幅で首穴にハ ンガーを通すことができ、小さな首穴を持ったセーター等でも首穴を拡げること なく使用することができる。また、この吊り下げ部の移動幅が大きいので、スム ーズに首穴通し動作を行うことができる。 また、請求項３の考案に係る洋服ハンガーによれば、補強部材の中心位置に、 回転時において柄と係合するためのストッパを備えることによって、回転時にお ける吊り下げ部に対するハンガー本体部の姿勢を安定に保つことができるように なる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例による洋服ハンガーの通常状
態を示す図である。

【図２】本考案に係る洋服ハンガーの吊り下げ部を回転
させた状態を示す図である。

【図３】本考案に係る洋服ハンガーの吊り下げ部をスラ
イド移動させた状態を示す図である。

【符号の説明】

１ 洋服ハンガー ２ ハンガー本体部 ３ 吊り下げ部 ４ 肩部 ５ 頂部 ６ 補助部材 ６ａ 係止用突部（ストッパ）

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 衣服を掛けるためのハンガー本体部と、
   該ハンガー本体部を吊り下げるための吊り下げ部とから
   なる洋服ハンガーにおいて、 前記ハンガー本体部は、衣服の掛かる肩部と、該肩部を
   接合する頂部と、該肩部の両端を結ぶ補強部材とから構
   成され、 前記吊り下げ部は、使用者の操作に応じて、前記頂部を
   中心として前記補強部材の中心位置に向かって回転自在
   に構成されていることを特徴とする洋服ハンガー。
2. 【請求項２】 前記吊り下げ部は、使用者の操作に応じ
   て前記ハンガー本体部に沿ってスライド移動自在に構成
   されていることを特徴とする請求項１に記載の洋服ハン
   ガー。
3. 【請求項３】 前記補強部材はその中心位置に、前記吊
   り下げ部を回転させた時に該吊り下げ部を固定するため
   のストッパを備えたことを特徴とする請求項１に記載の
   洋服ハンガー。