JPH0615469B2 - 脂肪輸液剤 - Google Patents

脂肪輸液剤

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JPH0615469B2
JPH0615469B2 JP59091068A JP9106884A JPH0615469B2 JP H0615469 B2 JPH0615469 B2 JP H0615469B2 JP 59091068 A JP59091068 A JP 59091068A JP 9106884 A JP9106884 A JP 9106884A JP H0615469 B2 JPH0615469 B2 JP H0615469B2
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fat
docosahexaenoic acid
ester
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transfusion
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利生 若林
和男 岡本
昭夫 金沢
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Terumo Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 I.発明の背景 発明の分野 本発明は改善された脂肪輸液剤に関する。
更に詳しくは本発明はドコサヘキサエン酸および(また
は)そのエステルを含む脂肪輸液剤に関するものであ
る。
先行技術およびその問題点 脂肪輸液剤は、脂質、乳化剤および水からなる乳剤であ
り、従来の脂肪輸液剤は脂質成分として精製大豆油等の
植物油を使用していた。植物油は、オレイン酸、パルミ
チン酸、リノール酸、リノレイン酸、ステアリン酸等炭
素原子数18以下の脂肪酸を豊富に含んでいるが、炭素
原子数が20以上の脂肪酸を含んでいない。ところがヒ
トの血漿や細胞には、エイコサペンタエン酸、ドコサヘ
キサエン酸等炭素原子数が20以上の脂肪酸も多く含ま
れているので植物油を脂質成分とする従来の脂肪輸液剤
は栄養学的にみてバランスのとれていない不満足なもの
であった。
II.発明の目的 そこで本発明の目的は、栄養学的にバランスのとれた改
善された脂肪輸液剤を提供することにある。
さらに本発明の他の目的は、抗血栓作用を有する脂肪輸
液剤を提供することにある。
本発明者等は、鋭意研究を重ねた結果、ドコサヘキサエ
ン酸および(または)そのエステルを含有する脂肪輸液
剤の調製に成功し、さらに該脂肪輸液剤を投与した際に
血中脂質濃度の上昇がみられないことを知り本発明を完
成した。
本発明によれば、ドコサヘキサエン酸若しくはそのエス
テルまたはそれらの混合物、植物油、乳化剤および水か
らなる脂肪輸液剤が提供される。
さらに本発明によれば、ドコサヘキサエン酸若しくはそ
のエステルまたそれらの混合物5〜20w/v%、植物油
1〜19w/v%、乳化剤1〜2w/v%および水(残部)か
らなる脂肪輸液剤が提供される。
さらに本発明によれば抗血栓性製剤である脂肪輸液剤が
提供される。
III.発明の具体的説明 本発明は、ドコサヘキサエン酸若しくはそのエステルま
たはそれらの混合物、植物油、乳化剤および水からなる
脂肪輸液剤に関する。
本発明の脂肪輸液剤はドコサヘキサエン酸若しくはその
エステルまたはそれらの混合物を含有することに特徴を
有する。本発明で使用されるドコサヘキサエン酸のエス
テルとしては該脂肪酸のトリグリセライドまたは低級ア
ルキルエステル(例えばエチルエステル)等が好まし
い。トリグリセライドは魚油中に存在するものを分離し
精製して使用することができ、低級アルキルエステル
は、常法に従って該脂肪酸と低級アルコールを反応させ
るか或いはトリグリセライドを低級アルコールと反応さ
せるエステル交換によって得られる。
本発明においてはドコサヘキサエン酸またはそのエステ
ルの2種以上を混合して使用することもできる。その場
合、混合物として、いわし油、たら油、いか油、さば
油、オキアミ油等の魚油を使用することができ、生体に
対して副作用の少ない精製魚油が好ましい。精製いわし
魚油はエイコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸およ
びそれらのエステルを豊富に含有するので本発明の脂質
成分として特に好適である。いわし油のような魚油を経
静脈投与精剤の成分として安全に使用しうることは従来
の技術から予想することができない驚くべき事実であ
る。
本発明で使用される植物油および乳化剤としては、従来
使用されていたものが特に限定なしに使用可能である。
例えば、植物油としては精製大豆油、サフラワー油等が
使用され、乳化剤としては、精製卵黄レシチン、精製大
豆レシチン等が使用される。
本発明の脂肪輸液剤においてはさらに、乳化安定剤また
は乳化促進剤としてグリセリン、オレイン酸等の適量を
添加することができる。
本発明の脂肪輸液剤において、各成分の割合には特に制
限はないが、ドコサヘキサエン酸若しくはそのエステル
またはそれらの混合物5〜20w/v%、植物油1〜19w
/v%、乳化剤1〜2w/v%および水(残部)が望まし
い。乳化安定剤または乳化促進剤は通常1〜5w/v%の
範囲である。
本発明の輸液剤には不飽和脂肪酸の酸化を防止するため
にビタミンEを添加してもよく、この場合にも該輸液剤
の脂肪粒子は破壊されず極めて安定である。
本発明の脂肪輸液剤は常法に従って調製される。即ち、
所定量の各成分を混合し、アルカリを加えたのちホモミ
キサーで均一に分散させ、注射用蒸留水を加え、高圧噴
射式乳化機で乳化し、脂肪輸液剤とする。この輸液剤を
プラスチック製バッグに分注したのち高圧蒸気滅菌処理
し、フィルムで真空包装して製品とする。
IV.発明の具体的作用効果 本発明の脂肪輸液剤は、栄養学的に必要な脂肪酸をバラ
ンスよく含有しているので投与時の血中脂質濃度の上昇
がなく栄養補給液として優れている。
さらに本発明の脂肪輸液剤は、ドコサヘキサエン酸また
はそのエステルを含有しているので血小板凝集阻止作用
を有し、抗血栓症剤としても有用である。
さらに本発明の脂肪輸液剤はドコサヘキサエン酸エステ
ルのように不飽和脂肪酸のトリグリセライドを含有して
いるので血中コレステロールを低下させ、動脈硬化の予
防または治療に有用である。次に実施例および試験例を
示して本発明をさらに具体的に説明する。
実施例1 4,7,10,13,16,19−ドコサヘキサエン酸
エチルエステル40g、精製大豆油360g、精製卵黄
レシチン48g、オレイン酸20g、濃グリセリン10
0g、0.1N−苛性ソーダ40mlを加え、ホモミキ
サーで分散させたのち、注射用蒸留水を加え全液量を4
とする。これを高圧噴射式乳化機にて乳化し、脂質乳
液を調製する。該脂質乳液を200mlずつプラスチッ
ク製バッグに分注したのち、121℃、20分間の高圧
蒸気滅菌処理して脂肪輸液剤とする。滅菌後、OV(ori
ented vinylon)−フィルム(ユニチカ社製)で真空包装
して製品とする。
実施例2 総脂肪酸中4,7,10,13,16,19−ドコサヘ
キサエン酸10%を含有し、脂質量は、表1に示される
高度に精製されたいわし魚油120g、精製大豆油28
0g、精製卵黄レシチン48g、オレイン酸2.0g、
濃グリセリン100g、0.1N−苛性ソーダ40ml
を加え、ホモミキサーで分散させたのち、注射用蒸留水
を加え全液量を4とする。これを高圧噴射式乳化機に
て乳化し、魚油30w/v%を含有する脂質乳液を調製す
る。この乳液を200mlずつプラスチック製バッグに
分注したのち、121℃、20分間の高圧蒸気滅菌処理
して脂肪輸液剤とする。滅菌後、OV(oriented vinylo
n)−フィルム(ユニチカ社製)で真空包装して製品とす
る。
試験例1 ウイスター(wister)系雄性ラット310g前後のもの1
2匹に頚静脈にカテーテルを留置した。そのうち4匹に
は頚静脈より7日間連日10w/v%大豆油を含有する市
販の脂肪輸液剤(対照)12mlを毎日3時間連続注入
し、これに加えて毎日固形粉末飼料(CE−2日本クレ
ア(株)製)14gを7日間連日経口投与した。残りの
8匹を2等分し、頚静脈より同じように、7日間連日実
施例1、および2で得られた脂肪輸液剤12mlをそれ
ぞれ1日3時間連続注入し、これに加えて同じく固形粉
末飼料1日14gを7日間連日経口投与した。各群とも
最終の頚静脈投与後約20時間経過した時点で5%ネン
ブタール麻酔下、腹部大動脈より20G注射針を用い
3.8%クエン酸ソーダ0.5mlを入れたシリンジに
4.5ml採血し、常法に従って、血小板数50万個/
μlのPRPを作成した。各ラットのPRP225μl
をキュベットに分注し、5分間37℃に加温後、凝集惹
起剤であるコラゲン(750μg/ml)25μlを添
加してアグコメターを用いて血小板凝集能を測定した。
結果は、表2に示す如く実施例1および2の脂肪輸液剤
を投与した群では平均の凝集率がそれぞれ54.3%お
よび59.4%であり、対照の場合の68.3%に比
べ、血小板凝集が危険率5%(t検定)で有意に抑制さ
れていることが明らかとなった。急性毒性についてはラ
ット(雄)を用いて調べた結果、実施例1、および2の
脂肪輸液剤は極めて安全であることが判明した。
実施例1、2および対照の脂肪輸液剤を雄性ラットに頚
静脈から注入速度50ml/kg/hrで投与して急性
毒性を測定した。結果を表3に示す。表3から明らかな
ように本発明の脂肪輸液剤は極めて安全な製剤である。
試験例2 血中脂質に与える影響 日本白色種雄性ウサギ(静岡実験動物協同組合・三協ラ
ボサービス)体重2.5〜3.0kgのものを1週間飼育後、試
験に供した。これらを、5羽づつ次の4群に分け実験を
行った。
I群:本発明実施例1の脂肪輸液を投与 II群:脂肪成分として、大豆油のみを含有する市販の10
%脂肪輸液を投与 III群:脂肪成分として、ドコサヘキサエン酸エステル
のみを含有する10%脂肪輸液を投与 IV群:無投与 投与方法は、ウサギの耳介静脈に翼状針を留置し、輸液
ポンプ(テルモ社製シリンジポンプ)を使用し、投与量
10ml、投与速度150ml/hr/羽で、7日間投与
を行った。最終投与日の翌日耳介静脈より採血し、血清
分離後、血中トリグリセリド(酵素法:日水製薬V−ト
リグラーゼ)、リン脂質(酵素法:和光純薬ホスホリピ
ッドBテスト)、総コレステロール(酵素法:日水製薬
V−コレスターゼ)の量をそれぞれ測定した。
結果は第1図ないし第3図に示すとおりである。第1図
ないし第3図から脂肪成分として植物油である大豆油と
ドコサヘキサエン酸とを含有する本発明脂肪輸液は血中
脂質にほとんど影響を与えないことが明らかである。
これに対し、脂肪成分として植物油の大豆油だけを含む
従来の脂肪輸液では、血中脂質を有意に上昇させた。ま
た、脂肪成分として植物油を含まず、ドコサヘキサエン
酸エステルのみの脂肪輸液でも血中脂質を有意に上昇さ
せた。
【図面の簡単な説明】
第1図は脂肪輸液剤を投与した場合の血中トリグリセリ
ド量、第2図は同血中リン脂質量、第3図は血中総コレ
ステロール量をそれぞれ示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−35512(JP,A) 平岡 栄一著「薬学領域の高カロリー輸 液」(株)医薬ジャーナル社,1980年,第 12−17頁,第110−119頁参照

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ドコサヘキサエン酸若しくはそのエステル
    またはそれらの混合物、植物油、乳化剤及び水からなる
    脂肪輸液剤。
  2. 【請求項2】ドコサヘキサエン酸エステルが、ドコサヘ
    キサエン酸トリグリセライドである特許請求の範囲第1
    項記載の脂肪輸液剤。
  3. 【請求項3】ドコサヘキサエン酸エステルが、ドコサヘ
    キサエン酸エチルエステルである特許請求の範囲第1項
    記載の脂肪輸液剤。
  4. 【請求項4】ドコサヘキサエン酸若しくはそのエステル
    またはそれらの混合物5〜20w/v%、植物油1〜1
    9w/v%、乳化剤1〜2w/v%及び水(残部)から
    なる特許請求の範囲第1項記載の脂肪輸液剤。
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