JPH0615434B2 - 窒化アルミニウムの金属化方法 - Google Patents

窒化アルミニウムの金属化方法

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JPH0615434B2
JPH0615434B2 JP17485585A JP17485585A JPH0615434B2 JP H0615434 B2 JPH0615434 B2 JP H0615434B2 JP 17485585 A JP17485585 A JP 17485585A JP 17485585 A JP17485585 A JP 17485585A JP H0615434 B2 JPH0615434 B2 JP H0615434B2
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【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は、窒化アルミニウム(AlN)の金属化方法に
関する。特に、本発明は、在来のろう付け接合法によっ
て金属部材と接合できる金属化層を、窒化アルミニウム
体表面に形成する方法に関する。
〔発明の背景〕
窒化アルミニウム焼結体は、近年の焼結技術や精製技術
の向上に伴なって、電子部品(特に、半導体集積回路)
用基板材料として好ましい物性が付与されるに至ってい
る。
例えば、安斎氏らによる、「プロシーディング・オブ・ザ
・ファースト・アイ・イー・イー・イー・シンポジュウ
ム」(Proceeding of the 1st IEEE symposium)の1984
年10」月号第23〜28頁における「無加圧焼結による
高熱伝導性窒化アルミニウムの開発(Developement of
High Thermal Conductive Aluminium Nitride Substrat
e Material by Proessureless Sintering)と題する論
文(以下、文献1という)では、Y2O5添加無加圧焼結に
より、窒化アルミニウム体に熱伝導率40〜100W/m
・K、体積抵抗率1014Ωcm以上(室温)、誘電率8.
8(1MHz)、誘電強度140〜170KV/cm(室温)、熱膨
張係数4.5×10-6/℃(室温〜400℃)、曲げ強度
40〜50Kg/mm2なる性質を付与できることが開示さ
れている。
また、黒川氏らによる、前携書第15〜22頁における
「高熱伝導性窒化アルミニウム基板」(AlN Substrates
with High Thermal Conductivity)と題する論文(以
下、文献2という)では、高純度、高密度に精製された
窒化アルミニウム粉を加圧焼結して、熱伝導率160W/
m・K(室温)、電気抵抗率5×1013Ωcm(室温)、
誘電率8.9(1MHz)、屈曲強度5000Kg/mm2、熱膨張
係数4.3×10-6/℃(室温〜400℃)なる性質を有
する窒化アルミニウム体を得たことが開示されている。
これらの先行技術例から、窒化アルミニウムは、その熱
伝導率、絶縁耐力が高く、熱膨張係数がシリコン(Si)
のそれに近接し、更に毒性が無い等の特長を積極的に利
用することにより、電子装置の機能向上に資することが
できるものと期待される。
この期待実現のためには、窒化アルミニウム体と金属部
材とを、在来のろう付け法によって接合するための金属
化層を、上記窒化アルミニウム体の表面に形成する必要
がある。
上記文献1では、Au,Pd−Ag,Cuの如き導体ペーストの
厚膜焼成法、あういはDBC(Ditect Bond Copper)に
よって、前記の金属化層を形成できることが開示されて
おり、また上記文献2では、Ti−Pd−Auの如き薄膜積層
金属化層を、蒸着やスパッタリング法で、その表面に形
成できることが開示されている。
しかしながら、前述の金属化層には、それぞれつぎのよ
うな欠点がある。
(1)導体ペーストの厚膜焼成による金属化層は、一般的
乾式金属化法によるもので、窒化アルミニウム体と金属
化層との冶金的結合力が弱く、1.5Kg/mm2程度の引張
り強度しか持たない。
(2)DBC法による金属化層は、酸素の存在を前提にし
て成立つ技術であって、窒化アルミニウム体と銅箔の間
には、必然的に酸化アルミニウム層が介在するために、
熱伝導性が損なわれる。
(3)薄膜法による多層金属化層は、薄い金属層で構成さ
れていて、角層を構成する金属の相互拡散により、接合
強度の低下やろう材に対する拡散障壁としての機能の低
下を伴ないやすく、特に銀ろう付けに耐えるような金属
化層は得られない。
特に上述の欠点は、Ag−28.1wt%Cu合金ろう(779℃)
の如き高融点のろう材にて金属部材を一体化した、複合
体の剥離や亀裂を引起す主因となるものである。
このことは、電子装置の電気的回路機能を損なう(電気
的接続の不安定性や断線を生じる)だけでなく、熱的に
は熱放散機能の低下をもたらし、さらに外周器としての
用途においては気密性の低下を伴なうことを意味する。
したがって、上記諸機能が損なわれないような、好まし
い、高信頼性の電子装置を得るためには、上述した在来
技術によらない新規な、窒化アルミニウム体表面の金属
化技術の出現が望まれる。
〔発明の目的〕
本発明は、窒化アルミニウム体と金属部材とを、ろう付
けの如き方法で容易に接合でき、接合一体化物の電位回
路機能、熱伝導機能、そして気密性能が損なわれないよ
うにするための、新規な窒化アルミニウムの金属化方法
を提供することを目的とする。
〔発明の概要〕
本発明による窒化アルミニウム体の金属化方法は、窒化
アルミニウム体の表面を、クロム、チタニウム、アルミ
ニウム、モリブデン、タングステン、マンガン、銀、パ
ラジウム、白金の群から選択された少くとも1種の第1
金属と、けい素、ゲルマニウム、マンガンの群から選択
された少くとも1種の第2金属からなる物質で被覆する
工程と、次いで上記被覆物質のうちの少くとも第2金属
の部を上記窒化アルミニウム体内へ拡散せしめると共
に、尚少くとも単分子層の上記被覆物質からなる合金を
が未拡散層として残すように加熱する工程とを包含す
る。
本発明において、上記第2金属は、窒化アルミニウム体
構成成分との間及び上記第1金属との間でそれぞれ化合
物を形成して窒化アルミニウム体と第1金属との接合力
を維持する役割を果し、一方、上記第1金属は、直接ろ
う材に接触して接合力を維持するか、又はろう材と金属
化層の間に介在するぬれ性付与のための金属層との接合
力を維持する役割を果するものである。
〔発明の実施例〕
次に、図面を参照して、本発明の実施例を更に詳細に説
明する。
第1図は、本発明の第1実施例の、窒化アルミニウム体
にクロム及びけい素からなる金属化層を設ける工程を説
明する断面図である。
窒化アルミニウム体2は、高純度アルミナ粉と炭素粉と
の混合物を、窒素雰囲気下で1600℃、5時間熱処理し、
引続き過剰の炭素を酸素存在下の加熱によって除去して
得られた、高純度合成窒化アルミニウム粉(粒径1μm
以下)を、窒素雰囲気中で加圧焼結(200Kg/cm2、2000
℃、3時間)して得たものである。
この窒化アルミニウム体2上には、Cr−42wt%Si合金
をソースにした電子ビーム蒸着(温度200℃、真空度
1.3×10-4Pa)により、同図(a)に示すように、厚
さ0.2μmのCr−Si合金層(一般的には、被着層)1
を被着せしめた後、窒素雰囲気中で1400℃、2時間の熱
処理を施した。
この結果、同図(b)に示すように、被着層1の一部が窒
化アルミニウム体2の内部に拡散し、冶金的結合に寄与
する拡散層11と、その上の残留合金層12が形成され
た。
第2図は、窒化アルミニウム体2上に設けた金属層の界
面付近の構成成分の分布を、逐次スパッタリングしなが
らオージェ分析によって確認したものである。同図(a)
は合金被着層1を形成した後(第1図aに相当)の分布
であり、そして同図(b)は熱処理を施した後(第1図b
に相当)の分布である。
また、第2図(a)(b)における横軸はスパッタリング時
間、縦軸はオージェ信号強度(いずれも任意目盛)であ
る。なお、このスパッタリング時間はスパッタリング深
さ(厚さ)の関数になるもので、明らかなように、スパ
ッタリング時間0は表面に相当する。
合金層1の被着後は、第2図(a)から分るように、Cr及
びSiが合金被着層1のほぼ全域にわたって分布している
が、窒化アルミニウム体2の構成成分であるAlやNとの
相互拡散は十分にはなされていない。合金層1内の分析
では、オージェ電子エネルギ約0.85eVのピークが認
められることから、遊離Siが含まれていることが確認さ
れた。
一方、これを熱処理した後のオージェ分析結果である同
図(b)に注目すると、Cr及びSiは窒化アルミニウム体2
の側に拡散し、表面部に残留するCr,Siの高濃度領域は
狭められている。
第2図(b)の結果から、Cr及びSiに富む表面領域、すな
わちCr−Siの残留合金層12と、Al及びNに富む内部領
域、すなわち窒化アルミニウム体2との中間部(拡散
層)には、オージェ電子エネルギからCr,Al,Nのシリ
サイド(ケイ化物)すなわち拡散層11が形成されてい
ることが確認された。
残留(合金)層12と窒化アルミニウム体2の間の接合
強度は、後述するように十分大きい値が得られている
が、本発明者らは、上記シリサイドが接合強度の維持に
大きく寄与しており、また、合金層1の被着後における
遊離Siの存在が上記シリサイドの形成に役立っていると
推測している。
上記拡散熱処理を経た後、第1図(c)に示すように、残
留(合金)層12上には無電界Niめっきからなる表面層
3(2〜3μm)を形成して、ろう材に対するぬれ性を
付与した。
本発明において、Crは、合金層1内のSiと共に窒化アル
ミニウム体2内に拡散し、その内部でのシリサイドの形
成に関与して窒化アルミニウム体2との接合強度を保つ
と同時に、一方では表面層3と前記合金層1との接合強
度を保つ役割を担っている。
このように、シリサイドを形成する観点から選択される
Crの代替物質(第1の金属)は、Ti,Al,Mo,W,Mn,
Ag,Pd,Pt,Zrである。
又、Siは拡散層11内にあって各種金属間化合物を形成
し、窒化アルミニウム体2及び残留層12の接合強度を
高める役割を有する。そして、Siと同様の作用を持ち得
る代替物質(第2の金属)としては、Ge及びMnが挙げら
れる。
なお、残留層12は、表面層3との接合力を消失しない
範囲で薄く形成されて良いものであり、理論的には、少
なくとも単分子層の厚さであればよい。
以上の金属化層形成工程を経て得た窒化アルミニウム体
に、銀ろう(Ag−28.1wt%Cu合金、作業温度850℃)付
け及び鉛−錫はんだ(Pb−40wt%Sn合金、作業温度25
0℃)付けにてコバール棒を接合(ろう材厚さ100μm)
し、接合面の法線方向に引張り荷重を印加した。
この結果、銀ろう付けした試料では約13Kg/mm2で、
そしてはんだ付けした試料では約4Kg/mm2でそれぞれ
破断した。
それぞれの破断面表面をオージェ分析にて調べたとこ
ろ、ろう材構成成分は検出されたが金属化層を構成する
CrやSiは検出されず、金属化層は破損されていないこと
が確認された。
又、Crの代替物(第1の金属)としてTi,Al,Mo,W,
Mn,Ag,Pd,Ptを用いた場合、及びSiの代替物(第2の
金属)としてGeやMnを用いた場合でも、ほぼ等価な破断
強度を有し、破断モードも同様であった。
比較例 次に、第1金属の代替物としてNi,Cu,Au,Zr,Biを用
いた場合、引張り強度は、はんだ付け試料の場合約4Kg
/mm2(はんだ層破壊)と、上記実施例金属の場合に比
べてほぼ同等であったが、銀ろう付け試料の場合は2.
5〜7Kg/mm2と劣っていた。
このような傾向は、第2金属の種類には関係なくほゞ同
様で、そして銀ろう付け試料の引張り試験による破壊部
が残留層12、窒化アルミニウム体間界面剥離である点
でも共通性が見られた。
この理由については、本発明者らは次のように推測して
いる。即ち、拡散層11において第2金属と上記比較例
第1金属との金属間化合物が形成されにくく、拡散層1
1と残留層12間の接合が強固に保たれにくいことによ
ると考えられる。
次に、拡散層11内に在って、接合強度を高める役割を
担う第2金属の、好適な添加量範囲について説明する。
第12図は、第1金属をCrとした場合の接合強度(銀ろ
う付け試料における引張強度:縦軸)と第2金属の添加
量(重量%:横軸)との関係を示すもので、曲線AはSi
添加、同BはGe添加、同CはMn添加の場合である。
同図より明らかなように、約1重量%以下の範囲では、
強度は第2金属添加量に強く依存して変化するが、これ
を超過すると、第2金属の種類に関係なく、安定して高
い強度が得られている。このような傾向は、第1金属を
Ti,Al,Mo,W,Ag,Pd,Ptに選んだ場合でも同様であ
る。
本発明において、表面層3としてのNiは、使用すべきろ
う材に対するぬれ性を有し、しかも残留層12との接合
強度を低めない金属、例えばCu,Ag,Al,Zn,Au,Pt,
Mg,Bi,Pdで代替することが可能であり、また必要なら
ばNiを含む上記金属を任意に積層させても良い。
又、本発明において、表面層3は必ずしも必須のもので
はない。例えば、残留層12がCr−Si合金であり、ろう
材として、残留層12の構成成分になり得る物質を含
む、例えばCu−Mn系合金を用いるような場合には、表面
層3は省くことができる。
本発明において、Cr及びその代替金属とSi及びその代替
金属は、窒化アルミニウム体2上に「合金」の形で被着
されることを必須とするものではない。これを、第2実
施例として、第3図を用いて説明する。
第3図(a)に示すように、被着層1は、窒化アルミニウ
ム体2上に、電子ビーム蒸着により形成されたSi層1a
(0.05μm)、および、次いでその上に積層蒸着された
Cr層1b(0.15μm)から成る。これらに、窒素雰囲気
中で1400℃、2時間の熱処理を施した。
この結果、同図(b)に示すように、Si層1a及びCr層1
bの各一部が、窒化アルミニウム体2の内部に拡散し、
冶金的結合に寄与する拡散層11および、残留層12が
形成された。なお、残留層12には、Si層1aの他の一
部も拡散することが確認された。
第4図は、上記第2実施例の金属化層界面付近の構成成
分の分布を示す、オージェ分析結果のグラフであり、同
図(a)は熱処理面の状態を、また同図(a)は熱処理前の状
態を、また同図(b)は熱処理後の状態をそれぞれ示す。
これらの図においては、第2図と同様に、横軸はスパッ
タリング時間、縦軸はオージェ信号強度である。
第4図(a)から分るように、熱処理前には、Si層1aはC
r層1bと窒化アルミニウム体2との間に介在している
が、熱処理後は、同図(b)に示すように、Si及びCrが窒
化アルミニウム体2の内部に拡散すると同時に、Crは表
面側のSi層にも拡散する。
窒化アルミニウム体2の内部に拡散したSiは、第1実施
例と同様のシリサイドを形成していることが確認され
た。したがって、第2実施例においても同シリサイドが
接合強度の維持に役立つことが理解される。
このことは、第3図(c)の如く、残留(合金)層12上
にNiめっき層3を設けた後、第1実施例と同様の引張り
試験結果を得たことから裏付けられている。
本実施例の如き金属層または被着層1の被着形態の場合
であっても、上記したCr,Si及びこれらの代替金属を任
意に組合せることが可能であり、さらにこれらの層を任
意の層数に、任意の順序で被着することができる。
本発明において、被着層1は、一般的な真空蒸着の手法
以外にも、スパッタリング法、CVD(Chemical Vapor
Deposition)法、またはめっき法によることや、蒸着
法を含む上記各種の手法を任意に組合せることによって
形成可能である。
上記手法による被着層1は、被着された状態では、プロ
セス上不可避的に導入される不純物を除いては、目的の
金属のみが形成され、しかも、これらの被着金属と窒化
アルミニウム体とは、相互に少なくても原子間隔オーダ
ーで、既に冶金的接合をなされている。
しかしながら、被着段階で窒化アルミニウム体2と被着
層1が相互に冶金的接合をなされていない場合であって
も、本発明の主旨は変らない。以下、これを第3実施例
によって説明する。
第5図(a)は、窒化アルミニウム体2の表面に、被着層
としてのMo及びSi混練金属ペースト層100を印刷法にて
設けた形態を表わす断面図である。
同ペースト層100は、粒径1μm以下のMo及びSi粉末
を、バインダとしてのアクリル樹脂、溶媒としてのC10
18とともに混練したもので、厚さ約5μmに形成
されている。
前記ペースト層100は、印刷後70℃、1時間の空気中
乾燥工程を経た後、窒素、水素、水蒸気からなる混合ガ
ス雰囲気中で1400℃、1時間の熱処理を施され、引続き
水蒸気を除いた上記混合ガス中で1300℃、1時間の熱処
理を施される。
同図(b)は、上記処理を経た後の形態を示す断面図で、
ペースト層構成金属は、窒化アルミニウム体2中に拡散
して拡散層101を形成すると同時に、Mo及びSi粉末が相
互に焼結された残留層102(厚さ約2.5μm)を形成
する。
なお、ペースト中に添加されたバインダや溶媒は、乾燥
及び熱処理工程で飛散する。また、上記ペーストには構
成金属がMo:99重量%、Si:1重量%の比率で添加さ
れている。
第6図は、上記第3実施例における、熱処理後の金属化
層界面付近の構成成分の分布を示す、オージェ分析結果
のグラフである。同図より、ペースト層100中に含まれ
ていたSi及びMoが窒化アルミニウム体2側に拡散してい
ることが明らかである。
この拡散層101の領域には、オージェ電子エネルギからM
o,Al,Nのシリサイドが形成されていることが確認さ
れた。本実施例においても、これらのシリサイドが窒化
アルミニウム体2と残留層102との間の接合強度を維持
するのに寄与している。
第3実施例でも、残留層102上にNiめっき(約3μm厚
さ)、Auめっき(約1μm厚さ)を施した後、第1実施
例と同様の引張り試験用試料を作成して強度を試験し
た。
この結果、第1実施例と同等の強度を有することが確認
された。また、この場合の引張りによる破断は、拡散層
101や、残留層102においては観測されず、大半がろう層
破壊によるものであることが確認された。
本発明において、第3実施例におけるように、被着層10
0としてペースト状物質を用いた場合であっても、Moの
代替物としてCr,Ti,Al,W,Mn,Ag,Pd,Pt,Zr、そ
してSiの代替物としてGe,Mn,を用いるとが可能であ
る。以下、第4実施例として、Siの代替物としてGeを用
いた場合について説明する。
窒化アルミニウム体2の表面に、第3実施例(第5図)
と同様のペースト印刷、乾燥、熱処理を施して、拡散層
101及び残留層102を形成した。この際のペースト材は、
上記ペーストにおけるSiのGe粉末に置換えたものであ
る。
第7図は、熱処理後の金属化層界面付近の構成成分分布
を示す、オージェ分析結果のグラフである。同図より、
Geが窒化アルミニウム体2側に拡散しており、第3実施
例のSiと同様の挙動をしていることが明らかである。
このことは、拡散領域のオージェ分析スペクトルからM
o,Al,Nのゲルマニウム化合物が検出されているこ
と、及び引張り試験における破断がろう層でなされてい
る実験結果によっても裏付けられている。
これまでに説明した各実施例においては、金属化層は、
窒化アルミニウム体2の一方の表面にのみ設けられた。
しかし、金属化層は窒化アルミニウム体2に対して多面
的に、例えば対向する一対の表面に設けることも可能で
ある。
また、本発明においては、第1および第2金属をソース
として同時に蒸着することによって、前記被着層1を形
成することもできる。
さらに、本発明の金属化層は、窒化アルミニウム体2の
全面に一様な形態で設けられることを必須とするもので
はなく、その一部のみに選択的に設けられることができ
るものである。以下、この点について説明する。
第8図は、本発明の第5実施例としての、混成集積回路
用配線基板の製作手順を表わす。
同図(a)は、窒化アルミニウム体2の表面に被着層とし
てのMo及びSi粉末混練ペースト層(被着層)100をマス
ク印刷法にて選択的に設けた形態を表わしている。同ペ
ースト層100は、第3実施例(第5図)と同様の工程に
て乾燥、熱処理を受ける。
この実施例のペースト材は、粒径1μm以下のMo及びSi
粉末を、バインダとしてのアクリル樹脂、溶媒としての
1018とともに混練したものであるが、特に印刷
性能(パターン精度)向上のため、第2のバインダとし
てベンゾアルデヒド・ソルビトール縮合体を添加したも
のを用いている。
第8図(b)は上記熱処理を経た後の形態を示したもの
で、Mo及びSiが窒化アルミニウム体2中に拡散した拡散
層101及び残留層102が形成されている。
更に、同図(c)は、残留層102上に無電解Niめっき層3を
形成して、配線基板として完成された状態を表わしてい
る。
第8図の第5実施例においても、第3実施例におけると
同様に、拡散領域に形成されたシリサイドが接合強度の
維持に寄与していることは明らかである。
更に、本発明は、次に説明する第6実施例の如く、多層
配線基板の製作にも適用できる。
第9図(a)は、窒化アルミニウムグリーンシート(厚さ2
00μm)2a,2bの各々の表面に、第5実施例(第8
図)と同様のペースト材をマスク印刷法により形成し
て、被着層100を選択的に設けた形態を表わしている。
なお、同図において、100aは、グリーンシート2aに
設けた貫通孔に、同様のペースト材を充填したもので、
被着層100の変形とみなしてよいものである。
これらのグリーンシート2a,2bを相互に重ね合せ、
75℃、25MPaで加圧して得られた加圧成形品を、155
0℃で10時間熱処理することにより、焼結一体化品が
得られた。この際の焼成雰囲気は熱処理の初期5時間が
窒素、水素、水蒸気からなる混合ガスであり、後半の5
時間は窒素、水素の混合ガスである。
第9図(b)は、上記処理を経た後の、焼結一体化品の形
態を示す。焼結された窒化アルミニウム体2A,2Bに
は残留層102が形成され、配線材としての役割を担う。
同図(b)において、拡散層は表示していないが、残留層1
02と窒化アルミニウム体2A,2Bとの間に存在してい
て、両者間の接合強度の維持に寄与している。
本実施例において、多層配線基板は2層配線に限定され
るものではなく、これ以上の多層配線基板であっても本
発明を適用できることは明らかである。
〔発明の効果〕
上記各実施例において説明したように、本発明によれ
ば、Si,Ge,およびMnの少なくとも1種を、ある場合に
はCr,Moやこれらの代替物質とともに窒化アルミニウム
体に拡散せしめてSi、Ge,Mnとの化合物を生成し、接合
強度を維持する担体にしているため、窒化アルミニウム
体と金属部材のろう付け、特に銀ろう付け程度の高温処
理にも十分耐えられる金属化層を、前記窒化アルミニウ
ム体の表面に形成することができる。
本発明では、上記効果の他に種々の効果が得られる。こ
の点を以下の適用例により説明する。
適用例1 第10図の断面概略図に示すように、銅ステム(厚さ3
mm)201上に窒化アルミニウム板(7mm×7mm×0.6m
m)2を介して、5mm×5mm×0.25mmのシリコントラン
ジスタチップ202をろう付け一体化し、コレクタ、ベー
ス、エミッタの各端子(図示を省略)を有する絶縁型ト
ランジスタを作成した。
この際、窒化アルミニウム板2の両主面には、本発明に
したがって、Cr及びSiよりなる金属化層が形成され、さ
らに前記金属化層上にはめっき法によるNi層が設けられ
ている。(図面の簡単化のため図示は省略)。
また銅ステム201と窒化アルミニウム板2とは、厚さ150
μmの銀ろう箔203(処理温度800℃)を用いてろう付け
し、また、窒化アルミニウム板2とトランジスタチップ
202との間は、厚さ100μmの93.5%Pb−5%Sn−1.5
%Ag(重量%)はんだ箔204を用いてろう付け(処理温
度350℃)している。
上記絶縁型トランジスタのチップ202−銅ステム201間の
熱抵抗は0.2℃/Wと低い値が得られた。このような
低熱抵抗が得られた重要な理由には、窒化アルミニウム
板2の熱伝導率が高いとともに、熱伝導経路を担う金属
化層が、緻密であり、かつ冶金的に窒化アルミニウム板
と接合されていることが含まれる。
又、上記絶縁型トランジスタに−55〜+150℃の温度サ
イクル(1,000サイクル)を与えても熱抵抗の上昇は認
められていない。その後引続いて、さらに3,000サイク
ルまで継続したところ、銀ろう層の熱疲労破壊は認めら
れたものの、金属化層並びに窒化アルミニウム板には何
等の損傷も認められなかった。
このことは、金属化層が冶金的かつ緻密に設けられ、し
かも接合部の残留熱応力が小さくなるように形成されて
いることに起因する。
したがって、本発明の金属化法は、特に半導体装置の信
頼性向上に貢献するところが大である。尚、当然ながら
上記の信頼性向上に関しては、窒化アルミニウム板がチ
ップと略等しい熱膨張係数を有していることも貢献して
いる。
適用例2 第11図の概略断面図に示すように、LSIチップ202が収
納される部分に貫通孔を設けた、三層配線ピングリッド
アレイ型窒化アルミニウム基板301の上下両面に、前記
貫通孔をふさぐように、上記チップ202が搭載される炭
化けい素板302を、銀ろう203付けすると共に、更に金−
錫はんだ304によりコバール板305をろう付けして気密封
止した半導体パッケージを作成した。尚同図において、
306は配線用Alワイヤ、307はコバールピン、308は金−
シリコンろうである。
このような半導体パッケージにおいて重要な点の1つに
気密性の問題がある。銀ろう付け部は、内寸法12mm×
12mm、幅1.5mmであり、窒化アルミニウム基板301
及び炭化けい素板302の両者の対向面には、同寸法の金
属化層(図示省略)を有している。特に、窒化アルミニ
ウム基板301の金属化層は、本発明にしたがい、Mo及びS
iにて形成したものであり、前記金属化層上にはNiをめ
っきしている。
上記半導体パッケージに適用例1と同条件の温度サイク
ルを与えたが、3,000サイクルでHeリーク率5×10-11
atmcc/sec以下であった。このように優れた気密性が保
たれるのは、上記金属化層が冶金的かつ緻密に設けら
れ、しかも接合部の残留熱応力が小さいことによる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1実施例の工程を説明するための断
面図、第2図は前記第1実施例における窒化アルミニウ
ム体とその表面の金属層との界面付近の構成成分を示す
オージェ分析結果のグラフ、第3図は本発明の第2実施
例の工程を説明するための断面図、第4図は前記第2実
施例における、窒化アルミニウム体とその表面の金属層
との界面付近の構成成分を示すオージェ分析結果のグラ
フ、第5図は本発明の第3実施例の工程を説明するため
の断面図、第6図は前記第3実施例における、窒化アル
ミニウム体とその表面の金属層との界面付近の構成成分
を示すオージェ分析結果のグラフ、第7図は前記第4実
施例における、窒化アルミニウム体と金属層との界面付
近の構成成分を示すオージェ分析結果のグラフ、第8図
および第9図はそれぞれ本発明の第5および第6実施例
の工程を説明するための断面図、第10図および第11
図はそれぞれ本発明の適用例の構造を示す断面図、第1
2図は本発明における第2金属の添加量と接合強度との
関係を示すグラフである。 1……合金被着層、2……窒化アルミニウム体、3……
表面層、11……拡散層、12……残留合金層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 沢畠 守 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 八野 耕明 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】窒化アルミニウム体の表面に、クロム、チ
    タニウム、アルミニウム、モリブデン、タングステン、
    マンガン、銀、パラジウム、白金、ジルコニウムの群か
    ら選択された少なくとも1種の第1金属と、けい素、ゲ
    ルマニウム、マンガンの群から選択された少なくとも1
    種の第2金属とからなる物質を被覆する工程と、 上記被覆物質のうちの少なくとも上記第2金属が上記窒
    化アルミニウム体内へ拡散して第2金属を含む金属間化
    合物が形成されると共に、上記被覆物質からなる合金の
    一部が未拡散層として残るように加熱する工程とを含む
    ことを特徴とする窒化アルミニウムの金属化方法。
  2. 【請求項2】前記金属間化合物は、アルミニウム、窒
    素、および第1金属のうちの少なくとも1つと第2金属
    との化合物であることを特徴とする前記特許請求の範囲
    第1項記載の窒化アルミニウムの金属化方法。
  3. 【請求項3】第1金属および第2金属が、窒化アルミニ
    ウム体の表面に、任意の順序および態様で被着され、そ
    の後熱処理されることを特徴とする前記特許請求の範囲
    第1項または第2項に記載の窒化アルミニウムの金属化
    方法。
  4. 【請求項4】第2金属は、窒化アルミニウム体の表面上
    において、第1金属との化合物を形成することを特徴と
    する前記特許請求の範囲第1項ないし第3項のいずれか
    に記載の窒化アルミニウムの金属化方法。
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