JPH0615345Y2 - 自動販売機の引出し式商品棚 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は自動販売機の引出し式商品棚，特に該商品棚
を庫内収容位置に係止鎖錠する鎖錠機構に対する鎖錠釈
放用操作把手の配置構造に関する。

〔従来の技術〕

まずこの考案の実施対象となる自動販売機の構成概要を
第３図に示す。図において１は自動販売機のキャビネッ
ト、２はその前面扉であり、キャビネット庫内の一角に
は仕切隔壁３を介して商品棚を収容する室４が区画され
ており、ここに詳細構造を後述する引出し式商品棚５，
および商品搬出シュータ６が組み込まれ、かつ商品棚５
はキャビネット側の仕切隔壁３に対してレール式の引出
し機構７を介して矢印Ａのようにキャビネットの前方へ
引出し可能に搭載支持されている。なお８は商品棚５か
ら引出した給電，制御配線等を束にして収容したハーネ
スであり、商品棚５の背後に弛みを持たせて引回し配管
されている。またキャビネット１内における仕切隔壁３
の背後側には図示されていない別な種類の商品棚，例え
ば清涼飲料の缶，壜商品を販売するサーペンタイン式商
品棚が設置されている。

ここで前記した商品棚に付いてその内部構造を第４図，
第５図に示すと、商品棚は商品９を上下一列に積み重ね
て収納するラック10と、ラック10の下方に結合配備した
プッシャ式の商品搬出機構11との組立体として成り、棚
側板12，天井板13等で構成される棚ケース内に取付け固
定されている。また図示例では背中合わせに２基ずつ合
計４基のラック10が左右に振り分けて並置配備されてお
り、各ラック10は固定金具14を介して前後の棚側板12に
取付け支持されている。ここでラック10は上面に商品投
入口を開口して断面略コ字形になる筐体であり、一方の
商品搬出機構11はその上面側に装備したプッシャ15を矢
印Ｐ方向に往復動操作する機構として成る。なお前記構
成の商品棚は第３図で述べたようにレール式等の引出し
機構７を介してキャビネット側の仕切隔壁３に搭載支持
されている。

かかる商品棚の商品搬出動作は周知であり、第５図のよ
うに販売指令により商品搬出機構11のプッシャ15を鎖線
で示す販売待機位置から矢印Ｐ方向に移動操作すること
により、左側のラック内に並ぶ商品９のうち最下位の商
品がプッシャ15に押されて搬出し、第３図に示したシュ
ータ６を経て商品取出口に送出される。また商品売切状
態になれば、商品棚５をキャビネット１の前方に引出
し、この位置で各ラック13へ商品投入口を通じて商品14
を装填する。

一方、前記引出し式商品棚５をキャビネット内の収容位
置に係止鎖錠する手段として、第６図，第７図に示すよ
うな棚鎖錠機構が従来より実施されている。すなわち図
示において、引出し機構７は固定ガイドレール7aと商品
棚の天井板に取付けた可動ガイドレール7bとの組合せか
ら成り、かつ固定ガイドレール7aの側縁部に形成したス
トッパ7cに対向して可動ガイドレール7bの側面には揺動
式の掛け止めフック16が取付けであり、さらに商品棚５
の前面には棚引出し用の把手17，および上端を前記フッ
ク16に連結した鎖錠釈放用の操作レバー18が上下に並べ
て配備されている。なお19はレバーホルダである。

かかる鎖錠機構は、商品棚５のキャビネット内収容位置
で掛け止フック16がストッパ7cに係合して商品棚５を庫
内収容位置に拘束鎖錠している。この状態から商品補充
等のために商品棚５をキャビネットの前方に引き出すに
は、第７図のように把手17を手でつかみ、同時に親指を
操作レバー18に掛けて下方に押し下げる。この操作によ
りフック16が揺動してストッパ7cとの間の係止が解け、
商品棚５は引出し自由な状態となる。次いで把手17を手
前に引くことにより、商品棚５は引出し機構７を介して
キャビネット１の前方に引き出されるようになる。

〔考案が解決しようとする問題点〕 ところで上記した従来の商品棚ではその構成配置面で次
記のような問題点がある。すなわち商品棚５の前面には
把手17が突出しているために、この突出し寸法Ｈ分だけ
スペース的に商品棚５が奥行方向の寸法上の制約を受け
ることになる。例えば第３図においては商品棚５の前面
とキャビネットの前面扉２との間には把手17の格納に要
する間隔ｄを確保する必要があり、このために限られた
キャビネット１の庫内スペースに対する商品棚５の占有
スペースが制限され、その分だけラック10の奥行寸法が
圧縮される等してキャビネット庫内での商品収容効率が
低下する。なお前記把手17の突出寸法を詰めることも考
えられるが、把手の寸法を縮めることは指が把手に入り
ずらくなる等してその操作性が悪化する。

この考案の目的は、棚鎖錠機構の釈放操作用把手が商品
棚の前面より突出しないよう巧みに配置して構成するこ
とにより、従来の問題点を解消して庫内スペースの有効
活用化が図れるようにした自動販売機の商品棚を提供す
ることにある。

〔問題点を解決するための手段〕

上記問題点を解決するために、この考案によれば、商品
棚の前面側を切欠き左右のラックの間の残余空間に画成
してなる切欠き凹所を設けるとともに、該切欠き凹所内
に鎖錠機構の釈放操作用把手を格納配備し、かつ該釈放
操作用把手が前方への引出操作により揺動して鎖錠機構
の掛け止フックを外す逆Ｌ字形の揺動レバーで構成され
るものとする。

〔作用〕

上記の構成において、釈放操作用把手はその手動の引出
し操作により揺動して鎖錠機構の掛けフックを外す，逆
Ｌ字形の揺動レバー式把手として成るので、商品棚をキ
ャビネット前方に引き出す際には商品棚の前方より切欠
き凹所内に手を差し入れて把手をつかみ、そのまま手前
に引くことにより鎖錠機構の掛け止フックとストッパと
の間の係合が解けて商品棚を自由に前方に引き出せるよ
うになる。しかも鎖錠機構釈放用の把手は切き凹所内に
格納されていて商品棚の前面より突出することがなく、
したがって商品棚は把手の装備により奥行方向での寸法
規制を受けることがなくなり、これにより限られた庫内
スペースを有効活用して商品棚の商品収容効率を高める
ことが可能となる。

〔実施例〕

第１図，第２図はこの考案の実施例の構成を示すもので
あり、第６図，第７図に対応する同一部材には同じ符号
が付してある。すなわち商品棚５を支持する引出し機構
７の固定ガイドレール7aと可動ガイドレール7bとの間で
固定ガイドレール側には鎖錠機構の揺動式掛け止フック
16が取付座金20にピン結合され、この掛け止フック16に
対向して可動ガイドレールの前縁部にはストッパ7cが形
成されている。かかる鎖錠機構に対し、この考案により
商品棚５の前面頂部のコーナー部分には切欠き凹所5aが
画成されており、かつこの凹所5aの内方に鎖錠釈放用の
操作把手21が格納配備されている。この把手21は後端を
軸支ピン22を介して可動ガイドレール7bに対し矢印Ａ方
向へ揺動可能に取付け支持した逆Ｌ字形の揺動レバーと
して成り、そのレバー上面には掛け止フック16の先端部
に下方から当接し合う押し板23を備えている。ここで前
記した切欠き凹所5aは、第４図に示した棚構造で左右に
振り分けて背中合わせに並置されたラック10とラック10
との間の残余空間を活用し、その前面側の側壁12，およ
び天井板13の一部を切り欠いて画成されている。また把
手21の先端と凹所5aの底面との間には第２図のように外
方より手を楽に差し入れるだけの余裕間隙が確保され
ている。

次に上記構成による鎖錠機構の釈放操作に付いて説明す
ると、まず通常は把手21が第２図の実線位置に在り、こ
の状態で商品棚５をキャビネットの庫内へ押し込むこと
により掛け止フック16が下りてストッパ7cに係合し、商
品棚５が庫内収容位置に拘束鎖錠される。この鎖錠状態
から商品補充等により商品棚５を前方に引き出す場合に
は、まず前記切欠凹所5a内に前方より手を差し入れて第
２図のように把手21の先端に指を掛け、そのまま手前に
引く。これにより把手21は軸支ピン22を支点に鎖線で示
すように時計方向に揺動し、この過程で押し板23が掛け
止フック16を上方に押し上げてストッパ7cとの間の係合
を解く。これにより商品棚５は自由状態になり、引続き
把手21を前方に引くことにより商品棚５が引出し機構７
を介してキャビネットの前方位置に引き出されることに
なる。なお商品補充の後に商品棚５を庫内へ押し込め
ば、掛け止フック16が再びストッパ7cに係合して商品棚
が庫内収容位置で係止鎖錠されるようになる。

しかも上記の構成により、通常状態では把手21が商品棚
５の前面より前方に突出することがなく、したがって第
６図，第７図に示したように商品棚５の前面側に把手17
が突出する従来構造と比べて把手による商品棚の奥行方
向の寸法規制がなくなり、その分だけ奥行方向での商品
棚の占有スペースを縮減するか、あるいは逆に限られた
庫内スペース内で商品棚の容積を拡大する等して庫内の
商品収容効率を向上を図ることができる。

〔考案の効果〕

以上述べたようにこの考案によれば、商品棚の前面側に
切欠き凹所を形成するとともに、該切欠き凹所内に棚鎖
錠機構の釈放操作用把手を格納配備した構成とすること
により、従来構造のように商品棚の前方に把手スペース
を確保する必要がなくなり、これによって商品棚の奥行
寸法の規制を緩和して庫内スペースの有効活用化，商品
収容効率の向上等を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例による商品棚の要部構造の斜視
図、第２図は商品棚の引出し操作状態を示す第１図の矢
視II−II断面図、第３図は自動販売機のキャビネットと
とも示した従来における商品棚の構成配置図、第４図は
第３図における商品棚の内部構造斜視図、第５図は第４
図における商品搬出動作の説明図、第６図，第７図は従
来における棚鎖錠機構の構成斜視図，およびその釈放操
作状態図である。各図において、 １：自動販売機のキャビネット、４：商品収納室、５：
商品棚、5a：切欠き凹所、７：引出し機構、7a：固定ガ
イドレール、7b：可動ガイドレール、7c：鎖錠機構のス
トッパ、９：商品、10：ラック、11：商品搬出機構、1
6：鎖錠機構の掛け止フック、21：釈放操作用把手、2
2：把手の軸支ピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】引出し機構に支持してキャビネットの庫内
   に収容された引出し式商品棚であり、かつ該商品棚は左
   右に振り分けて当該棚内に並置した商品収容ラックと該
   ラックの下部に結合した商品搬出機構との組み合わせか
   ら成るとともに、庫内収容位置で鎖錠機構を介してキャ
   ビネット側に係止鎖錠されるものにおいて、商品棚の前
   面側を切欠き左右のラックの間の残余空間に画成してな
   る切欠き凹所を設けるとともに、該切欠き凹所内に前記
   鎖錠機構の釈放操作用把手を格納配備し、かつ該釈放操
   作用把手が前方への引出操作により揺動して鎖錠機構の
   掛け止フックを外す逆Ｌ字形の揺動レバーで構成される
   ことを特徴とする自動販売機の引出し式商品棚。