JPH06153366A - 相分離母線 - Google Patents

相分離母線

Info

Publication number
JPH06153366A
JPH06153366A JP29856592A JP29856592A JPH06153366A JP H06153366 A JPH06153366 A JP H06153366A JP 29856592 A JP29856592 A JP 29856592A JP 29856592 A JP29856592 A JP 29856592A JP H06153366 A JPH06153366 A JP H06153366A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seat plate
conductor
special bolt
support insulator
force
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP29856592A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2990980B2 (ja
Inventor
Tatsuo Yamaguchi
辰夫 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP4298565A priority Critical patent/JP2990980B2/ja
Publication of JPH06153366A publication Critical patent/JPH06153366A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2990980B2 publication Critical patent/JP2990980B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Installation Of Bus-Bars (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 相対的に容量の大きな発電ユニットにおいて
も、支持碍子を大形化することなく安価で保守作業が容
易な相分離母線を得ることを目的とする。 【構成】 支持碍子の埋金の外径よりも大きな間隔で少
なくとも一対のめねじ部を配置した、非磁性材料からな
る座板を支持碍子に取り付けた。 【効果】 短絡事故電流による電磁力や、輸送衝撃力に
十分耐え得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発電所等において発電
機と主変圧器等との間を接続する相分離母線に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】図7は従来の相分離母線を示す正面断面
図、図8は図7におけるA部の詳細を示す一部破断拡大
側面図を示す。図7において、接地された円筒状の外被
1は支持台3により溶接固定され、また支持碍子4は外
被1の外側からボルト5により支持台3に固定されてい
る。円筒状の母線導体2は外被1の内部においてその軸
が外被1の軸と実質的に同じになるように外被1の軸方
向に所定の間隔(支持ピッチ)で支持碍子4により絶縁
支持されている。母線導体2には支持碍子4と対応する
位置で矩形状(図示せず)の投影形状を有するハンドホ
ールである開口部6が設けられている。母線導体2の軸
方向での開口部6の両端面には金属厚板の取り付け座7
が部分的にその端面において溶接されている。
【0003】次に、図7のA部の詳細を図8に示す。図
8において、金属製の埋金4aは支持碍子4の端部に埋込
まれている。埋金4aには取り付け端面4b、めねじ部4c及
びエッジ部4dを有する。前記のように母線導体2に溶接
された取り付け座7は所定の厚さを有する金属厚板であ
り、貫通穴7aを有する。特殊ボルト8の胴部8cは取り付
け座7の貫通穴7aに貫通して挿入されている。また、特
殊ボルト8の第1のおねじ部8aが支持碍子4に埋め込ま
れた金属製の埋金4aのめねじ部4cに螺合する。押え板9
は貫通穴9aを有し、特殊ボルト8の第2のおねじ部8bが
貫通穴9aに挿入される。ナット10を特殊ボルト8の第2
のおねじ部8bに螺合させることにより、押え板9は特殊
ボルト8の第2のおねじ部側の端面8eに固定される。特
殊ボルト8の胴部8cの長さは母線導体2に溶接された取
り付け座7の厚さよりもごくわずかに大きく構成されて
おり、取り付け座7と押え板9との間にギャップ11が形
成されているので母線導体2の軸方向の熱伸縮には拘束
されない。
【0004】図9は従来の相分離母線の動作を示す図で
ある。回路の三相短絡事故の際、短時間の強大な電流に
よる三相の相互作用の結果、相間方向、つまり母線導体
2の軸直角方向に大きな電磁力が働く。また、工場組立
後、相分離母線を発電所等の据付工事現場へ輸送した
り、荷上げ・荷降ろし等の荷扱いをする際に、通常、最
大2〜3G(重力加速度の2〜3倍の大きさの加速度)
の衝撃加速度が発生することがある。上に述べたように
短絡事故電流によって相間方向の電磁力が作用した時
や、輸送の際、衝撃加速度が母線導体2の軸直角方向に
作用した時の動作を図9に示す。基本的には、これらの
力は母線導体2の断面の各部分に働く分布荷重である。
しかし母線導体2の剛性を考慮すれば母線導体2の軸心
に作用する集中荷重として扱っても実用上問題ないた
め、図9においてこの力をその作用点と方向を表わす矢
印Yによって示す。一方、矢印Zは、母線導体2に作用
する力Yに拮抗して片側の特殊ボルト8が発生する抗力
を示しており、力Zによって母線導体2が支持碍子4に
係留維持される。つまり、力Yが母線導体2に作用した
場合、支持碍子4の埋金4aのエッジ部4dが支点となり、
力Yと力Zとが拮抗する状態が出現する。ここで、力Z
の大きさは、モーメントの釣り合い条件から、次の通り
(イ)式で表わすことができる。 Z= H・Y/L ーーーー(イ) ただし、L;エッジ部4dと特殊ボルト8の軸心との距離 H;埋金の端面4bと母線導体2の軸心との距離 また特殊ボルト8の抗力Zは、作用・反作用の原理から
当該の特殊ボルト8に働く引き抜き力と等価である。前
述のような電磁力や輸送衝撃等が加わった時に、この引
き抜き力に十分耐えうるよう特殊ボルト8は炭素鋼など
のように一般的に高強度の素材を用いて成形されてい
る。しかし、比較的発電容量の大きな発電ユニットにお
いては、通電発熱抑圧のため相分離母線の母線導体2が
大口径化し、例えば1000メガワット級ユニットでは母線
導体2直径が約800mmになるケースもあって、前記距離
Hが相対的に大きくなる。なお図9において、Dは埋金
4aの外径である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の相分離母線は以
上のように構成されているので、相対的に発電容量の大
きな発電ユニットに適用する場合、短絡事故電流による
電磁力や現地据付までの輸送衝撃力を考慮して、相対的
に支持碍子を大形化する必要があり、製品価格上昇の要
因となる。また、支持碍子の大形化を避けるために支持
碍子による母線導体2の支持ピッチを短くし、支持碍子
1本当たり負担する力Yを小さくすることにより、特殊
ボルト8の引き抜き力を緩和する方法もないわけではな
いが、この場合には、支持碍子の数が著しく増加し不経
済であるばかりでなく、保守点検に多くの時間を要する
という問題点があった。この発明は上記のような問題点
を解消するためになされたもので、相対的に容量の大き
な発電ユニットにおいても、支持碍子を大形化すること
なく安価で保守作業が容易な相分離母線を得ることを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明に係る相分離母
線は接地された実質円筒状の外被と、前記外被の内側に
おいて上部に取り付け端面及びめねじ部を有する埋金を
備えた支持碍子と、前記支持碍子の取り付け端面と接触
して配置され、前記支持碍子のめねじ部にボルトで取り
付けられる貫通穴と前記支持碍子の埋金の外径よりも大
きな間隔で配置された少なくとも一対のめねじ部とを有
する非磁性材料よりなる座板と、前記座板と対向するべ
き部分に設けられた開口部を有する母線導体と、前記母
線導体の開口部の両端面において部分的に母線導体に取
り付けられ前記座板のめねじ部に対向する位置に貫通穴
を有する取り付け座と、前記取り付け座の貫通穴を貫通
する胴部と、前記胴部の一端に前記座板のめねじ部と螺
合するための第1のおねじ部及び前記胴部の他端に第2
のおねじ部とを有する特殊ボルトと、前記特殊ボルトの
第2のおねじ部が貫通する貫通穴を有する押え板と、前
記特殊ボルトの第2おねじ部と螺合し前記押え板を固定
するナットと、を具備する。
【0007】
【作用】支持碍子の埋金の外径よりも大きな間隔で少な
くとも一対のめねじ部を配置した座板が特殊ボルトの引
き抜き力を所定値以下にする。
【0008】
【実施例】図1は本発明の相分離母線の一実施例の正面
断面図を示し、図2は図1におけるB部の詳細を示す一
部破断拡大側面図を示す。図1において、接地された円
筒状の外被1は支持台3により溶接固定され、また支持
碍子14は外被1の外側からボルト5により支持台3に固
定されている。支持碍子14には非磁性材料からなる座板
15が図2に示すように取り付けられている。円筒状の母
線導体2は外被1の内部においてその軸が外被1の軸と
実質的に同じになるように外被1の軸方向に所定の間隔
(支持ピッチ)で支持碍子14により絶縁支持されてい
る。母線導体2には支持碍子14と対応する位置で矩形状
(図示せず)の投影形状を有するハンドホールである開
口部6が設けられている。母線導体2の軸方向での開口
部6の両端面には金属厚板の取り付け座7が部分的にそ
の端面において溶接されている。支持碍子14に取り付け
られた非磁性材料からなる座板15には、図2に示すよう
に支持碍子14の埋金14aの外径よりも大きな間隔で配置
された少なくとも一対のめねじ部15bを有し、取り付け
座7及び押え板9は特殊ボルト8、ナット10により座板
15に取り付けられる。座板15はステンレス鋼板等の非磁
性材料で成形されているが、これは運転時母線導体2に
流れる大電流によって生じる誘導発電を抑制するためで
ある。
【0009】図2は図1のB部の詳細を示す。図2にお
いて金属製の埋金14aは支持碍子14の端部に埋込まれて
いる。埋金14aには取り付け端面14b、めねじ部14cを有
する。非磁性材料からなる座板15は、貫通穴15cを貫通
する皿ボルト16をめねじ部14cに螺合することによって
埋金14aの取り付け端面14bに取り付けられている。座板
15の貫通穴15cに皿モミを施すことによって、皿ボルト1
6の頭部が取り付け端面15bから突出しないように構成し
てある。また座板15には支持碍子14の埋金14aの外径よ
り大きな間隔で配置された一対のねじ穴15bを有する。
前記のように母線導体2に溶接された取り付け座7は所
定の厚さを有する金属厚板であり、貫通穴7aを有する。
特殊ボルト8の胴部8cは取り付け座7の貫通穴7aに貫通
して挿入されている。また特殊ボルト8の第1のおねじ
部8aが座板15のめねじ部15bに螺合する。押え板9は貫
通穴9aを有し、特殊ボルト8の第2のおねじ部8bが貫通
穴9aに挿入される。ナット10を特殊ボルト8の第2のお
ねじ部8bに螺合させることにより、押え板9は特殊ボル
ト8の第2のおねじ部側の端面8eに固定される。特殊ボ
ルト8の胴部8cの長さは母線導体2に溶接された取り付
け座7の厚さよりもごくわずかに大きく構成されてお
り、取り付け座7と押え板9との間にギャップ11が形成
されているので母線導体2の軸方向の熱伸縮には拘束さ
れない。図3は図2において矢印ccの位置からみた矢視
図を示す。座板15のねじ穴15bは支持碍子14の埋金14aの
外径寸法D’よりも大きな間隔Pで対向する位置に一対
設けられている。
【0010】図4は本発明の相分離母線の動作を示す図
である。短絡事故電流によって相間方向の電磁力が作用
した時や工場組立後、相分離母線を発電所等の据付工事
現場へ輸送する際、輸送上の衝撃加速度が母線導体2の
軸直角方向に作用した時これらの力は母線導体2の断面
の各部分に働く分布荷重である。しかし母線導体2の剛
性を考慮すれば母線導体2の軸心に作用する集中荷重と
して扱っても実用上問題ないため、図4においてこの力
をその作用点と方向を表わす矢印Yによって示す。一方
矢印Z’は、母線導体2に作用する力Yに拮抗して片側
の特殊ボルト8が発生する抗力を示しており、力Z’に
よって母線導体2が支持碍子4に係留維持される。つま
り、力Yが母線導体2に作用した場合、座板15の一端が
支点となり他端側の特殊ボルト8が力Yと力Z’とが拮
抗する状態が出現する。図3に示すように座板15の一端
から他端側のねじ穴15bまでの距離をL’とすれば、当
該ねじ穴15bに螺合された特殊ボルト8の引き抜き力
(特殊ボルト8に働く、これを引抜こうとする力)Z’
は、次の通り(ロ)式で表わすことができる。 Z’= H’・Y’/L ----(ロ) ただし、H’;座板の端面15aと母線導体2の軸心との
距離 ここで、(イ)式と(ロ)式を比較すると、構成上、H
とH’とはほぼ同一寸法であるため、支持碍子を大形化
しなくても、埋金14aの外径D’より大きなねじ穴15bの
間隔P及び一端から他端側のねじ穴15bまでの距離L’
を有する座板15を備えることによって、特殊ボルト8の
引き抜き力を小さくすることが可能である。換言すれ
ば、埋金14aの外径D’より大きなねじ穴15bの間隔P及
び一端から他端側のねじ穴までの距離L’を有する座板
15を備えることによって埋金14aの外径D’を従来の埋
金4aの外径D(図9参照)より小さくすることができ
る。このため支持碍子14は従来例と比べて小型化でき、
製造コストが安価になるとともに、軽量化に伴い保守作
業上も取り扱いやすくなる。
【0011】図5はこの発明の他の実施例を示す。図5
は図1に一点鎖線で示したB部の構造の変形を示す一部
破断拡大側面図である。図2の実施例と異なる構造は、
図2の皿ボルト16の使用に代え六角頭付ボルト17が座板
15の貫通穴15c'を貫通して埋金14aのめねじ部14cに螺合
させた。この場合六角頭付ボルト17の頭部との干渉を避
けるように、取り付け座7に掘り込み部7bを設けたもの
である。図6は図5において矢印ccの位置からみた矢視
図を示す。座板15には間隔Pを置いて対向する2個ずつ
のねじ穴15bの2組で一対となっている。特殊ボルト8
もこれに対応して座板15に4本取り付けられるので特殊
ボルト8の1本当たりの引き抜き力はさらに軽減され
る。
【0012】この発明の実施例では円筒形の母線導体を
有する相分離母線について図示したが、大口径の角筒導
体や中空状の大口径多角形導体を有する相分離母線であ
っても同様の効果を奏する。
【0013】
【発明の効果】この発明によれば支持碍子14の埋金14a
の外径よりも大きな間隔で少なくとも一対のめねじ部15
bを配置した非磁性材料からなる座板15を母線導体2を
支持係留する支持碍子14の埋金14aの取り付け端面14bに
取り付けているので、特殊ボルト8の引き抜き力を小さ
くすることが可能である。したがって相分離母線におけ
る短絡事故電流による電磁力や輸送衝撃力に十分耐える
とともに、埋金14aの外径D’を小さくすることができ
るので小型の支持碍子を用いることが出来、それにより
製品コストが安価になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る相分離母線の構成を示す正面断
面図
【図2】図1におけるA部の詳細を示す一部破断拡大側
面図
【図3】図2の矢印ccの位置からみた矢視図
【図4】この発明の相分離母線の動作を示す図
【図5】この発明に係る相分離母線の他の実施例の一部
破断拡大側面図
【図6】図5の矢印ccの位置からみた矢視図
【図7】従来の相分離母線の構成を示す正面断面図
【図8】図7におけるA部の詳細を示す一部破断拡大側
面図
【図9】従来の相分離母線の動作を示す図
【符号の説明】
1 外被 2 母線導体 7 取り付け座 8 特殊ボルト 9 押え板 10 ナット 14 支持碍子 15 座板
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年4月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発電所等において発電
機と主変圧器等との間を接続する相分離母線に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】図7は従来の相分離母線を示す正面断面
図、図8は図7におけるA部の詳細を示す一部破断拡大
側面図を示す。図7において、接地された円筒状の外被
1は支持台3により溶接固定され、また支持碍子4は外
被1の外側からボルト5により支持台3に固定されてい
る。円筒状の母線導体2は外被1の内部においてその軸
が外被1の軸と実質的に同じになるように外被1の軸方
向に所定の間隔(支持ピッチ)で支持碍子4により絶縁
支持されている。母線導体2には支持碍子4と対応する
位置で矩形状(図示せず)の投影形状を有するハンドホ
ールである開口部6が設けられている。母線導体2の軸
方向での開口部6の両端面には金属厚板の取り付け座7
が部分的にその端面において溶接されている。
【0003】次に、図7のA部の詳細を図8に示す。図
8において、金属製の埋金4aは支持碍子4の端部に埋込
まれている。埋金4aには取り付け端面4b、めねじ部4c及
びエッジ部4dを有する。前記のように母線導体2に溶接
された取り付け座7は所定の厚さを有する金属厚板であ
り、貫通穴7aを有する。特殊ボルト8の胴部8cは取り付
け座7の貫通穴7aに貫通して挿入されている。また、特
殊ボルト8の第1のおねじ部8aが支持碍子4に埋め込ま
れた金属製の埋金4aのめねじ部4cに螺合する。押え板9
は貫通穴9aを有し、特殊ボルト8の第2のおねじ部8bが
貫通穴9aに挿入される。ナット10を特殊ボルト8の第2
のおねじ部8bに螺合させることにより、押え板9は特殊
ボルト8の第2のおねじ部側の端面8eに固定される。特
殊ボルト8の胴部8cの長さは母線導体2に溶接された取
り付け座7の厚さよりもごくわずかに大きく構成されて
おり、取り付け座7と押え板9との間にギャップ11が形
成されているので母線導体2の軸方向の熱伸縮は拘束さ
れない。
【0004】図9は従来の相分離母線の動作を示す図で
ある。回路の三相短絡事故の際、短時間の強大な電流に
よる三相の相互作用の結果、相間方向、つまり母線導体
2の軸直角方向に大きな電磁力が働く。また、工場組立
後、相分離母線を発電所等の据付工事現場へ輸送した
り、荷上げ・荷降ろし等の荷扱いをする際に、通常、最
大2〜3G(重力加速度の2〜3倍の大きさの加速度)
の衝撃加速度が発生することがある。上に述べたように
短絡事故電流によって相間方向の電磁力が作用した時
や、輸送の際、衝撃加速度が母線導体2の軸直角方向に
作用した時の動作を図9に示す。基本的には、これらの
力は母線導体2の断面の各部分に働く分布荷重である。
しかし母線導体2の剛性を考慮すれば母線導体2の軸心
に作用する集中荷重として扱っても実用上問題ないた
め、図9においてこの力をその作用点と方向を表わす矢
印Yによって示す。一方、矢印Zは、母線導体2に作用
する力Yに拮抗して片側の特殊ボルト8が発生する抗力
を示しており、力Zによって母線導体2が支持碍子4に
係留維持される。つまり、力Yが母線導体2に作用した
場合、支持碍子4の埋金4aのエッジ部4dが支点となり、
力Yと力Zとが拮抗する状態が出現する。ここで、力Z
の大きさは、モーメントの釣り合い条件から、次の通り
(イ)式で表わすことができる。 Z= H・Y/L ーーーー(イ) ただし、L;エッジ部4dと特殊ボルト8の軸心との距離 H;埋金の端面4bと母線導体2の軸心との距離 また特殊ボルト8の抗力Zは、作用・反作用の原理から
当該の特殊ボルト8に働く引き抜き力と等価である。前
述のような電磁力や輸送衝撃等が加わった時に、この引
き抜き力に十分耐えうるよう特殊ボルト8は炭素鋼など
のように一般的に高強度の素材を用いて成形されてい
る。しかし、比較的発電容量の大きな発電ユニットにお
いては、通電発熱抑圧のため相分離母線の母線導体2が
大口径化し、例えば1000メガワット級ユニットでは母線
導体2直径が約800mmになるケースもあって、前記距離
Hが相対的に大きくなるので、支持碍子4を相対的に大
形化することによって距離Lを増大し、特殊ボルト8に
働く引き抜き力を緩和して強度面における裕度を維持す
ることが一般的であった。なお図9において、Dは埋金
4aの外径である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の相分離母線は以
上のように構成されているので、相対的に発電容量の大
きな発電ユニットに適用する場合、短絡事故電流による
電磁力や現地据付までの輸送衝撃力を考慮して、相対的
に支持碍子を大形化する必要があり、製品価格上昇の要
因となる。また、支持碍子の大形化を避けるために支持
碍子による母線導体2の支持ピッチを短くし、支持碍子
1本当たり負担する力Yを小さくすることにより、特殊
ボルト8の引き抜き力を緩和する方法もないわけではな
いが、この場合には、支持碍子の数が著しく増加し不経
済であるばかりでなく、保守点検に多くの時間を要する
という問題点があった。この発明は上記のような問題点
を解消するためになされたもので、相対的に容量の大き
な発電ユニットにおいても、支持碍子を大形化すること
なく安価で保守作業が容易な相分離母線を得ることを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明に係る相分離母
線は接地された実質円筒状の外被と、前記外被の内側に
おいて上部に取り付け端面及びめねじ部を有する埋金を
備えた支持碍子と、前記支持碍子の取り付け端面と接触
して配置され、前記支持碍子のめねじ部にボルトで取り
付けられる貫通穴と前記支持碍子の埋金の外径よりも大
きな間隔で配置された少なくとも一対のめねじ部とを有
する非磁性材料よりなる座板と、前記座板と対向するべ
き部分に設けられた開口部を有する母線導体と、前記母
線導体の開口部の両端面において部分的に母線導体に取
り付けられ前記座板のめねじ部に対向する位置に貫通穴
を有する取り付け座と、前記取り付け座の貫通穴を貫通
する胴部と、前記胴部の一端に前記座板のめねじ部と螺
合するための第1のおねじ部及び前記胴部の他端に第2
のおねじ部とを有する特殊ボルトと、前記特殊ボルトの
第2のおねじ部が貫通する貫通穴を有する押え板と、前
記特殊ボルトの第2おねじ部と螺合し前記押え板を固定
するナットと、を具備する。
【0007】
【作用】支持碍子の埋金の外径よりも大きな間隔で少な
くとも一対のめねじ部を配置した座板が特殊ボルトの引
き抜き力を所定値以下にする。
【0008】
【実施例】図1は本発明の相分離母線の一実施例の正面
断面図を示し、図2は図1におけるB部の詳細を示す一
部破断拡大側面図を示す。図1において、接地された円
筒状の外被1は支持台3により溶接固定され、また支持
碍子14は外被1の外側からボルト5により支持台3に固
定されている。支持碍子14には非磁性材料からなる座板
15が図2に示すように取り付けられている。円筒状の母
線導体2は外被1の内部においてその軸が外被1の軸と
実質的に同じになるように外被1の軸方向に所定の間隔
(支持ピッチ)で支持碍子14により絶縁支持されてい
る。母線導体2には支持碍子14と対応する位置で矩形状
(図示せず)の投影形状を有するハンドホールである開
口部6が設けられている。母線導体2の軸方向での開口
部6の両端面には金属厚板の取り付け座7が部分的にそ
の端面において溶接されている。支持碍子14に取り付け
られた非磁性材料からなる座板15には、図2に示すよう
に支持碍子14の埋金14aの外径よりも大きな間隔で配置
された少なくとも一対のめねじ部15bを有し、取り付け
座7及び押え板9は特殊ボルト8、ナット10により座板
15に取り付けられる。座板15はステンレス鋼板等の非磁
性材料で成形されているが、これは運転時母線導体2に
流れる大電流によって生じる誘導発を抑制するためで
ある。
【0009】2において金属製の埋金14aは支持碍子1
4の端部に埋込まれている。埋金14aには取り付け端面14
b、めねじ部14cを有する。非磁性材料からなる座板15
は、貫通穴15cを貫通する皿ボルト16をめねじ部14cに螺
合することによって埋金14aの取り付け端面14bに取り付
けられている。座板15の貫通穴15cに皿モミを施すこと
によって、皿ボルト16の頭部が取り付け端面15aから突
出しないように構成してある。また座板15には支持碍子
14の埋金14aの外径より大きな間隔で配置された一対の
めねじ部15bを有する。前記のように母線導体2に溶接
された取り付け座7は所定の厚さを有する金属厚板であ
り、貫通穴7aを有する。特殊ボルト8の胴部8cは取り付
け座7の貫通穴7aに貫通して挿入されている。また特殊
ボルト8の第1のおねじ部8aが座板15のめねじ部15bに
螺合する。押え板9は貫通穴9aを有し、特殊ボルト8の
第2のおねじ部8bが貫通穴9aに挿入される。ナット10を
特殊ボルト8の第2のおねじ部8bに螺合させることによ
り、押え板9は特殊ボルト8の第2のおねじ部側の端面
8eに固定される。特殊ボルト8の胴部8cの長さは母線導
体2に溶接された取り付け座7の厚さよりもごくわずか
に大きく構成されており、取り付け座7と押え板9との
間にギャップ11が形成されているので母線導体2の軸方
向の熱伸縮は拘束されない。図3は図2において矢印cc
の位置からみた矢視図を示す。座板15のめねじ部15bは
支持碍子14の埋金14aの外径寸法D’よりも大きな間隔
Pで対向する位置に一対設けられている。
【0010】図4は本発明の相分離母線の動作を示す図
である。短絡事故電流によって相間方向の電磁力が作用
した時や工場組立後、相分離母線を発電所等の据付工事
現場へ輸送する際、輸送上の衝撃加速度が母線導体2の
軸直角方向に作用した時これらの力は母線導体2の断面
の各部分に働く分布荷重である。しかし母線導体2の剛
性を考慮すれば母線導体2の軸心に作用する集中荷重と
して扱っても実用上問題ないため、図4においてこの力
をその作用点と方向を表わす矢印Yによって示す。一方
矢印Z’は、母線導体2に作用する力Yに拮抗して片側
の特殊ボルト8が発生する抗力を示しており、力Z’に
よって母線導体2が支持碍子14に係留維持される。つま
り、力Yが母線導体2に作用した場合、座板15の一端が
支点となり他端側の特殊ボルト8によって力Yと力Z’
とが拮抗する状態が出現する。図3に示すように座板15
の一端から他端側のめねじ部15bまでの距離をL’とす
れば、当該めねじ部15bに螺合された特殊ボルト8の引
き抜き力(特殊ボルト8に働く、これを引抜こうとする
力)Z’は、次の通り(ロ)式で表わすことができる。 Z’= H’・’ ----(ロ) ただし、H’;座板の端面15aと母線導体2の軸心との
距離 ここで、(イ)式と(ロ)式を比較すると、構成上、H
とH’とはほぼ同一寸法であるため、支持碍子を大形化
しなくても、埋金14aの外径D’より大きなめねじ部15b
の間隔P及び一端から他端側のめねじ部15bまでの距離
L’を有する座板15を備えることによって、特殊ボルト
8の引き抜き力を小さくすることが可能である。換言す
れば、埋金14aの外径D’より大きなめねじ部15bの間隔
P及び一端から他端側のめねじ部までの距離L’を有す
る座板15を備えることによって埋金14aの外径D’を従
来の埋金4aの外径D(図9参照)より小さくすることが
できる。このため支持碍子14は従来例と比べて小型化で
き、製造コストが安価になるとともに、軽量化に伴い保
守作業上も取り扱いやすくなる。
【0011】図5はこの発明の他の実施例を示す。図5
は図1に一点鎖線で示したB部の構造の変形を示す一部
破断拡大側面図である。図2の実施例と異なる構造は、
図2の皿ボルト16の使用に代え六角頭付ボルト17が座板
15の貫通穴15c'を貫通して埋金14aのめねじ部14cに螺合
させた点である。この場合六角頭付ボルト17の頭部との
干渉を避けるように、取り付け座7に掘り込み部7bを設
けたものである。図6は図5において矢印ccの位置から
みた矢視図を示す。座板15には間隔Pを置いて対向する
2個ずつのめねじ部15bの2組で一対となっている。特
殊ボルト8もこれに対応して座板15に4本取り付けられ
るので特殊ボルト8の1本当たりの引き抜き力はさらに
軽減される。
【0012】この発明の実施例では円筒形の母線導体を
有する相分離母線について図示したが、大口径の角筒導
体や中空状の大口径多角形導体を有する相分離母線であ
っても同様の効果を奏する。
【0013】
【発明の効果】この発明によれば支持碍子14の埋金14a
の外径よりも大きな間隔で少なくとも一対のめねじ部15
bを配置した非磁性材料からなる座板15を母線導体2を
支持係留する支持碍子14の埋金14aの取り付け端面14bに
取り付けているので、特殊ボルト8の引き抜き力を小さ
くすることが可能である。したがって相分離母線におけ
る短絡事故電流による電磁力や輸送衝撃力に十分耐える
とともに、埋金14aの外径D’を小さくすることができ
るので小型の支持碍子を用いることが出来、それにより
製品コストが安価になる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る相分離母線の構成を示す正面断
面図である。
【図2】図1における部の詳細を示す一部破断拡大側
面図である。
【図3】図2の矢印ccの位置からみた矢視図である。
【図4】この発明の相分離母線の動作を示す図である。
【図5】この発明に係る相分離母線の他の実施例の一部
破断拡大側面図である。
【図6】図5の矢印ccの位置からみた矢視図である。
【図7】従来の相分離母線の構成を示す正面断面図であ
る。
【図8】図7におけるA部の詳細を示す一部破断拡大側
面図である。
【図9】従来の相分離母線の動作を示す図である。
【符号の説明】 1 外被 2 母線導体 7 取り付け座 8 特殊ボルト 9 押え板 10 ナット 14 支持碍子 15 座板

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接地された実質円筒状の外被と、 前記外被の内側において上部に取り付け端面及びめねじ
    部を有する埋金を備えた支持碍子と、 前記支持碍子の取り付け端面と接触して配置され、前記
    支持碍子のめねじ部にボルトで取り付けられる貫通穴と
    前記支持碍子の埋金の外径よりも大きな間隔で配置され
    た少なくとも一対のめねじ部とを有する非磁性材料より
    なる座板と、 前記座板と対向するべき部分に設けられた開口部を有す
    る母線導体と、 前記母線導体の開口部の両端面において部分的に母線導
    体に取り付けられ前記座板のめねじ部に対向する位置に
    貫通穴を有する取り付け座と、 前記取り付け座の貫通穴を貫通する胴部と、前記胴部の
    一端に前記座板のめねじ部と螺合するための第1のおね
    じ部及び前記胴部の他端に第2のおねじ部とを有する特
    殊ボルトと、 前記特殊ボルトの第2のおねじ部が貫通する貫通穴を有
    する押え板と、 前記特殊ボルトの第2おねじ部と螺合し前記押え板を固
    定するナットと、 を有する相分離母線。
JP4298565A 1992-11-09 1992-11-09 相分離母線 Expired - Fee Related JP2990980B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4298565A JP2990980B2 (ja) 1992-11-09 1992-11-09 相分離母線

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4298565A JP2990980B2 (ja) 1992-11-09 1992-11-09 相分離母線

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06153366A true JPH06153366A (ja) 1994-05-31
JP2990980B2 JP2990980B2 (ja) 1999-12-13

Family

ID=17861395

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4298565A Expired - Fee Related JP2990980B2 (ja) 1992-11-09 1992-11-09 相分離母線

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2990980B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104143801A (zh) * 2013-09-26 2014-11-12 国家电网公司 导电杆支撑结构及使用该导电杆支撑结构的管道母线
CN104269792A (zh) * 2014-09-25 2015-01-07 湖北兴和电力新材料股份有限公司 电网融冰系统中的垂直排列管型母线金具

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104143801A (zh) * 2013-09-26 2014-11-12 国家电网公司 导电杆支撑结构及使用该导电杆支撑结构的管道母线
CN104269792A (zh) * 2014-09-25 2015-01-07 湖北兴和电力新材料股份有限公司 电网融冰系统中的垂直排列管型母线金具

Also Published As

Publication number Publication date
JP2990980B2 (ja) 1999-12-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH06153366A (ja) 相分離母線
JP2858279B2 (ja) 鋼桁の引張フランジに温度差を利用して圧縮力を導入する工法
KR101862100B1 (ko) 전주 연결형 가공선로 연결구조
CN101620899B (zh) 串补平台水管绝缘子的悬挂锚固机构
JPH06331093A (ja) 断熱用パネルの取り付け構造
JP2866652B2 (ja) 貨物または機械の係留システムの支持・保持装置
JP2008311526A (ja) 超電導コイルおよび超電導コイルのクエンチ防止方法
JP2580939Y2 (ja) 母線導体支持装置
JPS5926487Y2 (ja) 導体支持装置
US4025741A (en) Insert disposed in stand-off insulator and circuit interrupter including same
JPS5917810A (ja) ガス絶縁母線装置
JP3068922B2 (ja) 超電導マグネット
JPS61189485A (ja) 核融合装置
JP3824177B2 (ja) 磁気浮上式鉄道用軌道およびそのコイル取付方法
JPS5868909A (ja) 極低温容器用内槽支持装置
JPH0678437A (ja) 相分離母線の製造方法
CN105800175A (zh) 一种硅橡胶套管运输支架
JPH01214206A (ja) 絶縁スペーサ
JPS6031226Y2 (ja) 誘導電気機器
JPH0416615Y2 (ja)
JPH0646607B2 (ja) 伸縮接続部構造
JPS60226113A (ja) ギヤツプ付鉄心形リアクトル
JPS6013214Y2 (ja) 母線支持装置
JPH03150040A (ja) 車輌用充電発電機の出力端子装置
JP2001132109A (ja) 基礎アンカー

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees