JPH0615152U - カード販売機のカード出口防塵・防滴構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 長期間の使用にあっても確実にほこりや雨滴
の侵入を阻止でき、かつ、設置スペースを大きく取らな
い簡単な構造で、しかも安価に実施できるカード販売機
のカード出口防塵・防滴構造を提供する。 【構成】 カード出口４に、それぞれカード出口４のス
リット６の両内側縁６ａ、６ｂに沿って延びる、弾力性
を有する一対の部材から成り、通常時には互に弾力性を
もって当接し、カード排出時には排出されるカード５に
より互にカード５の厚み相当分だけ押し拡げられるシー
ル部材９ａ、９ｂを設けたカード販売機のカード出口防
塵・防滴構造。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、カード販売機のカード出口防塵・防滴構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、カード販売機、例えば各種プリペイドカードの販売機は、そのカード出 口が単なるスリット状の開口構造とされていることが多い。このようなプリペイ ドカード販売機は屋内に設置されることが多く、カード出口からのほこりや雨滴 の侵入についてはあまり考慮されていなかった。

【０００３】 しかしながら、屋内にあっても、長期間の使用においては、ほこりが侵入する こともあり、ほこりが侵入すると、内部のカード排出機構の駆動ローラーの摩擦 力の低下によるカード排出不良や、カードのカートリッジ部にほこりがたまり不 潔になる等の問題を生じていた。また、カード需要の高まりからカード販売機を 屋外に設置する要望もあるが、その場合には、上記問題はさらに深刻になり、ほ こりの量が激増するだけでなく、雨滴侵入の問題も生じてくる。

【０００４】 このような問題に対し、カード挿入口に関するものではあるが、内側が中空で 正面に通常は閉じているが挿入カードに押されることにより弾性変形して開くス リット状切れ目からなるカード挿入口を有する防塵カバーが知られている（実開 平２−１１５９２号公報）。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、上記のようなカード挿入口の構造を、仮に本考案で目的とする部位 であるカード出口に適用したとしても、次のような問題が残る。 すなわち、カード口が単なるスリット状切れ目からなっているので、長期間の 使用でカード口が摩耗すると、もはやカード口を閉じた状態でシールすることが できなくなり、開口した隙間からほこりや雨滴が侵入することとなる。また、装 置本体に形成されたカード口に対して、該カード口を大きく覆う別部材として防 塵カバーを取り付ける構造であるので、防塵カバー取付に大きなスペースが必要 になるという問題もある。

【０００６】 本考案は、長期間の使用にあっても確実にほこりや雨滴の侵入を阻止でき、か つ、設置スペースを大きく取らない簡単な構造で、しかも安価に実施できるカー ド販売機のカード出口防塵・防滴構造を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

この目的に沿う本考案のカード販売機のカード出口防塵・防滴構造は、スリッ ト状に開口するカード出口を備えたカード販売機において、該カード出口に、そ れぞれカード出口のスリットの両内側縁に沿って延びる、弾力性を有する一対の 部材から成り、通常時には互に弾力性をもって当接し、カード排出時には排出さ れるカードにより互いにカードの厚み相当分だけ押し拡げられるシール部材を設 けたものからなる。

【０００８】 上記シール部材は、例えば、カード排出方向に湾曲した一対のリップ状部材、 あるいは一対のゴムローラーからなる。

【０００９】

【作用】

このようなカード販売機のカード出口防塵・防滴構造においては、カード出口 に設けられる一対のシール部材は、それぞれカード出口のスリットの両内側縁に 沿って延びる形状であるので、カード出口近傍の小さなスペースに簡単に設置可 能である。この一対のシール部材は、通常時には互に弾力性をもって当接されて いるので、両シール部材間に隙間はなく、ほこりや雨滴の侵入は確実に阻止され る。また、長期間使用の間にカード排出回数が多くなり、シール部材のカード当 接部位に多少の摩耗がたとえ生じたとしても、互の弾力性をもってその摩耗分が カバーされるので、一対のシール部材間には隙間は発生せず、良好なシール性能 が維持される。

【００１０】

【実施例】

以下に、本考案の望ましい実施例を図面を参照して説明する。 図１ないし図３は、本考案の一実施例に係るカード販売機のカード出口防塵・ 防滴構造を示している。図１において、１は、プリペイドカード販売機を示して おり、２はそのケース本体、３はカード出口４を有する前壁を示している。カー ド出口４には、排出されるプリペイドカード５が通過するスリット６が形成され ている。

【００１１】 ケース本体２内には、カード搬出機構７が設けられており、そのカード排出口 ８と、カード出口４のスリット６とは、高さが一致するように取り付けられてい る。

【００１２】 カード出口４には、図２、図３にも示すように、それぞれカード出口４のスリ ット６の両内側縁６ａ、６ｂに沿って延び、弾力性を有する一対の部材からなる シール部材９ａ、９ｂが貼り付けられている。本実施例では、シール部材９ａ、 ９ｂはゴムから構成されている。

【００１３】 シール部材９ａ、９ｂは、その先端部側がカード排出方向（図３の矢印方向） に湾曲した一対のリップ状部材からなり、リップ部１０ａ、１０ｂは、通常時（ プリペイドカード５が排出されていない時）には互に弾力性をもって、湾曲先端 部側面同士が当接して両者間に隙間を発生させず（図２）、カード排出時（図３ ）には、排出されるプリペイドカード５によりカード５の厚み相当分だけ押し拡 げられるようになっている。

【００１４】 このようなカード販売機のカード出口防塵・防滴構造においては、通常時には カード出口４は、シール部材９ａ、９ｂのリップ部１０ａ、１０ｂ同士の当接に よりそのスリットが閉じられているので、ほこりや雨滴は販売機内には侵入しな い。このリップ部１０ａ、１０ｂ同士は互に弾力性をもって当接されているので 、当接部には隙間は全く発生せず、シールは完全に行われる。

【００１５】 プリペイドカード５排出時には、図３に示すように排出されるプリペイドカー ド５によって、当接していたシール部材９ａ、９ｂのリップ部１０ａ、１０ｂが カードの厚み分だけ押し拡げられる。このときにも、リップ部１０ａ、１０ｂは 弾力性をもってプリペイドカード５に当接し、排出されるプリペイドカード５に 摺接することになるので、プリペイドカード５とリッブ部１０ａ、１０ｂ間に隙 間は発生せず、良好なシール状態が維持される。

【００１６】 また、シール部材９ａ、９ｂのリップ部１０ａ、１０ｂは、互に弾力性をもっ て当接するとともに、カード排出方向に湾曲しているので、長期間の使用により リップ部１０ａ、１０ｂのカード摺接部に多少の摩耗が生じたとしても、リップ 部同士の弾力性をもった当接状態は確保され、良好なシール性能が維持される。

【００１７】 さらに、リップ部１０ａ、１０ｂはカード排出方向に湾曲しているので、図３ に示すように、プリペイドカード５によるリップ部１０ａ、１０ｂの押し拡げ動 作が円滑に行われるとともに、カード排出時にプリペイドカード５が排出方向に スムーズに移動することができる。

【００１８】 図４および図５は、本考案の他の実施例に係るカード販売機のカード出口防塵 ・防滴構造を示している。 本実施例においては、シール部材が、一対の回転自在なゴムローラー１１ａ、 １１ｂからなっている。一対のゴムローラー１１ａ、１１ｂは、通常時（図４） には互に弾力性をもって接触しているので、両者間に隙間はなく、ほこりや雨滴 は侵入しない。

【００１９】 カード販売時（図５）には、プリペイドカード５が一対のゴムローラー１１ａ 、１１ｂ間に押し込まれ、ゴムローラー１１ａ、１１ｂの表面間をカードの厚み 分だけ押し拡げる。このとき、ゴムローラー１１ａ、１１ｂはカード排出力に伴 って回転されるので、カード排出時の摩擦抵抗は極めて小さく抑えられる。また 、ゴムローラー１１ａ、１１ｂの回転により、プリペイドカード５とゴムローラ ー１１ａ、１１ｂ間には、実質的に摺接状態は生じないので、ゴムローラー１１ ａ、１１ｂの表面の摩耗は皆無に近くなる。

【００２０】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案のカード販売機のカード出口防塵・防滴構造によ るときは、カード出口に、カード出口のスリットの両内側縁に沿って延びる一対 の弾力性を有するシール部材を設け、通常時には互の弾力性をもった当接により カード出口を完全に閉じ、カード排出時にはカードの厚み相当分だけシール部材 を押し拡げるようにしたので、通常時にもカード排出時にもカード出口からほこ りや雨滴が侵入することを略完全に阻止することができる。

【００２１】 また、シール部材は、常時互に弾力性をもって当接されるので、長期間の使用 によりカード当接部に多少摩耗が生じたとしても、良好なシール性をそのまま維 持することができる。

【００２２】 さらに、シール部材はカード出口のスリットに沿って小さなスペースに設置で きるので、簡単な構造でかつ安価に本考案を実施できるという効果も得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係るカード販売機の斜視図
である。

【図２】図１の装置のシール部材部分の通常時の縦断面
図である。

【図３】図２のシール部材部分のカード排出時の縦断面
図である。

【図４】本考案は別の実施例に係るカード販売機のシー
ル部材部分の通常時の縦断面図である。

【図５】図４のシール部材部分のカード排出時の縦断面
図である。

【符号の説明】

１ プリペイドカード販売機 ２ ケース本体 ３ 前壁 ４ カード出口 ５ プリペイドカード ６ スリット ６ａ、６ｂ 内側縁 ７ カード搬出機構 ９ａ、９ｂ シール部材 １０ａ、１０ｂ リップ部 １１ａ、１１ｂ ゴムローラー

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 スリット状に開口するカード出口を備え
   たカード販売機において、該カード出口に、それぞれカ
   ード出口のスリットの両内側縁に沿って延びる、弾力性
   を有する一対の部材から成り、通常時には互に弾力性を
   もって当接し、カード排出時には排出されるカードによ
   り互いにカードの厚み相当分だけ押し拡げられるシール
   部材を設けたことを特徴とするカード販売機のカード出
   口防塵・防滴構造。
2. 【請求項２】 前記シール部材が、カード排出方向に湾
   曲した一対のリップ状部材からなる請求項１のカード販
   売機のカード出口防塵・防滴構造。
3. 【請求項３】 前記シール部材が、一対のゴムローラー
   からなる請求項１のカード販売機のカード出口防塵・防
   滴構造。