JPH061505Y2 - パワ−ステアリング並びに冷却フアン駆動装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は、タンデムポンプの第１ポンプによって油圧モ
ータを駆動し、タンデムポンプの第２ポンプによってパ
ワーステアリングを駆動するようにしたパワーステアリ
ング並びに冷却ファン駆動装置に関するものである。

＜従来の技術＞ 現在、タンデムポンプの第１ポンプから吐出された油を
電磁流量制御弁によって水温に応じて所定流量に制御
し、この流量制御された油を油圧モータに送給すること
によって冷却ファンを回転させ、タンデムポンプの第２
ポンプから吐出された油を流量制御弁によって所定の流
量に制御し、この流量制御された油をパワーステアリン
グに送給することによってパワーステアリングを駆動す
るようにしたパワーステアリング並びに冷却ファン駆動
装置が開発されている。かかるものは、エンジンによっ
てタンデムポンプが駆動され、タンデムポンプの第１ポ
ンプからの油のみ冷却ファンを駆動する油圧モータに供
給されるようになっている。

＜考案が解決しようとする問題点＞ 従って、エンジンの低回転時で、第１ポンプから吐出さ
れる油の流量が少ないときは、冷却ファンは所望の回転
数が得られない。特に高速走行をし続け、ラジエータの
水温が高温になった状態で車が停止した場合に、エンジ
ンを短時間で冷却できない問題がある。

＜問題点を解決するための手段＞ 本考案は、パワーステアリングの作動を検出する作動検
出センサと、ラジエータの水温を検出する水温センサ
と、車速を検出する車速センサを設け、流量制御弁とパ
ワーステアリングとを結ぶ供給通路の途中に流量制御弁
からの油をパワーステアリングに供給する第１回路と油
圧モータに供給する第２回路とに切換え可能な電磁方向
切換弁を設け、ラジエータの水温が所定の高さ以上でか
つ車速が低速でかつパワーステアリングが作動されてい
ないときは電磁方向切換弁を第２回路に切換作動させる
制御器を備えたものである。

＜作用＞ 上述した構成により、水温センサからはラジエータの水
温信号が送出され、車速センサからは車速信号が送出さ
れ、作動検出センサからはパワーステアリングの作動の
有無信号が送出されて制御器に入力される。ラジエータ
の水温が所定の高さ以上でかつ車速が所定以下でかつパ
ワーステアリングが作動されていないときは制御器によ
って電磁方向切換弁を第２回路に切換え、第１ポンプか
らの油と第２ポンプから油を油圧モータに送給して冷却
ファンを高速で回転させる。上記以外のときは電磁方向
切換弁を第１回路に切換え、第１ポンプからの油のみを
油圧モータに送給する。

＜実施例＞ 以下本考案の実施例を図面に基づいて説明する。第１図
において１０はリザーバ、２０はタンデムポンプ、３０
はエンジン（Ｅ／Ｇ）、４０は油圧モータ、５０はラジ
エータ、６０はパワーステアリング（ＰＳ）である。

タンデムポンプ２０は、エンジン３０によりプーリ３
１，３２、ベルト３３を介して同時に駆動さる第１ポン
プ２１と第２ポンプ２２と、第１ポンプ２１から吐出さ
れた油を所定流量に制御し余剰流はリザーバ１０に還流
する電磁流量制御弁２３と、第１レリーフ弁２４と、第
２ポンプ２２から吐出された油を一定流量に制御し余剰
流はリザーバ１０に還流する流量制御弁２５と、第２レ
リーフ弁２６とを備えている。電磁流量制御弁２３は絞
り２７の開度を調整するために図略のスプールを作動さ
せるソレノイド２８を備えている。

油圧モータ４０にはエンジン冷却ファン４１が取付けら
れ、この冷却ファン４１が回転することによつてラジエ
ータ５０の前から油圧モータ４０側へ風が引き込まれ、
ラジエータ５０が冷却されるようになつている。ラジエ
ータ５０とエンジン３０とは図略のパイプで連結されて
おりラジエータ５０が冷却されればエンジン３０も冷却
されるようになっている。

７０はラジエータ５０の水温を検出する水温センサ、７
１は車速を検出する車速センサ、７２はパワーステアリ
ング６０の作動の有無を検出する作動検出センサ、７３
は水温センサ７０、車速センサ７１、作動検出センサ７
２の信号を入力する制御器である。制御器７３には第２
図に示す水温ｔ−電流ｉのマップが記憶され、水温ｔに
応じて電磁流量制御弁２３の絞り２７に印加される電流
ｉがコントロールされるようになっている。作動検出セ
ンサ７２は具体的に操舵角センサまたはトルクセンサで
も良い。

８０は流量制御弁２５とパワーステアリング６０とを結
ぶ供給通路８１中に設けられた電磁方向切換弁であり、
この電磁方向切換弁８０は流量制御弁２５からの油をパ
ワーステアリング６０に供給する第１回路８０ａと、流
量制御弁２５からの油を油圧モータ４０に供給する第２
回路８０ｂとを備えている。水温が所定以上でかつ車速
が所定以下でかつパワーステアリング６０が作動されて
いないときは、電磁方向切換弁８０は制御器７３によっ
て第２回路８０ｂに切換えられるようになっている。

次に上述した構成に基づいて動作について説明する。エ
ンジン３０によって２つのポンプ２１，２２が同時に駆
動され、第１ポンプ２１からの油は電磁流量制御弁２３
によって所定流量に制御されて油圧モータ４０に供給さ
れ、第２ポンプ２２からの油は流量制御弁２５によって
一定流量に制御されてパワーステアリング６０に送給さ
れる。油圧モータ４０に送給された油は冷却ファン４１
を回転させてリザーバ１０に戻される。冷却ファン４１
の回転数は油圧モータ４０を通過する油の流量によって
決まり、水温が低いときは回転数が低く、水温が高いと
きは回転数が高くなるようにソレノイド２８によって絞
り２７の開度が調整される。

高速走行して水温が高い状態で車を停止すると、車速が
所定以下でパワーステアリング６０が作動されていない
ので、電磁方向切換弁８０は第２回路８０ｂに切換わ
り、第２ポンプ２２からの油はパワーステアリング６０
に行かずに油圧モータ４０に送られる。油圧モータ４０
には第１ポンプ２１と第２ポンプ２２からの油が送給さ
れるので冷却ファン４１が高い回転数でもって回転し、
エンジン３０が短時間で冷却される。水温が所定以下若
しくは車速が所定以上若しくはパワーステアリング６０
が作動されると、電磁方向切換弁８０は第１回路８０ａ
に切換わり、第２ポンプ２２からの油は油圧モータ４０
に送られずパワーステアリング６０に送られるようにな
る。

＜考案の効果＞ 以上述べたように本考案は、パワーステアリングの作動
を検出する作動検出センサと、ラジエータの水温を検出
する水温センサと、車速を検出する車速センサを設け、
流量制御弁とパワーステアリングとを結ぶ供給通路の途
中に流量制御弁からの油をパワーステアリングに供給す
る第１回路と油圧モータに供給する第２回路とに切換え
可能な電磁方向切換弁を設け、ラジエータの水温が所定
の高さ以上でかつ車速が低速でかつパワーステアリング
が作動されていないときは電磁方向切換弁を第２回路に
切換作動させる制御器を備えたので、高速走行をし続
け、ラジエータの水温が高温になった状態で車が停止し
た場合において、エンジンを短時間で冷却できる効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかるパワーステアリング並びに冷却
ファン駆動装置の油圧回路図、第２図は水温と電流の関
係を示すマップである。 ２１・・・第１ポンプ、２２・・・第２ポンプ、２５・
・・流量制御弁、４０・・・油圧モータ、４１・・・冷
却ファン、５０・・・ラジエータ、６０・・・パワース
テアリング、７０・・・水温センサ、７１・・・車速セ
ンサ、７２・・・作動検出センサ、７３・・・制御器、
８０・・・電磁方向切換弁、８１・・・供給通路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】タンデムポンプの第１ポンプから吐出され
   た油を電磁流量制御弁によって水温に応じた所定流量に
   制御し、この流量制御された油を油圧モータに送給する
   ことによって冷却ファンを回転させ、タンデムポンプの
   第２ポンプから吐出された油を流量制御弁によって所定
   の流量に制御し、この流量制御された油をパワーステア
   リングに送給することによってパワーステアリングを駆
   動するようにしたパワーステアリング並びに冷却ファン
   駆動装置であって、パワーステアリングの作動を検出す
   る作動検出センサと、ラジエータの水温を検出する水温
   センサと、車速を検出する車速センサを設け、流量制御
   弁とパワーステアリングとを結ぶ供給通路の途中に流量
   制御弁からの油をパワーステアリングに供給する第１回
   路と油圧モータに供給する第２回路とに切換え可能な電
   磁方向切換弁を設け、ラジエータの水温が所定の高さ以
   上でかつ車速が低速でかつパワーステアリングが作動さ
   れていないときは電磁方向切換弁を第２回路に切換作動
   させる制御器を備えたことを特徴とするパワーステアリ
   ング並びに冷却ファン駆動装置。