JPH0615008B2 - フィルタ装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明はフィルタ装置に係り、特に排水・排泥などのた
めに液体からこれに残留している固体を取り出すために
使われるタイプのフィルタ装置に関するものである。

［従来の技術］ 上述のようなタイプの装置は、従来、大量の過液を伴
い、そのために多きな過面積が必要とされる。典型的
な装置では充分流量を供給するために、流れに圧力を加
えることが必要で、過作業の高度な自動化が強く望ま
れている。

このような形式で使用されるフィルタ装置として普及し
ているものは垂直に積み重ねられた加圧室を有するタイ
プのフィルタ装置であり、このタイプの典型的な例が米
国特許第4,346,003号明細書に開示されている。この装
置では多数のフィルタハウジングが垂直に積み重ねら
れ、各フィルタハウジングが過液で加圧されるフィル
タ室を形成している。エンドレスベルトという形態をと
るフィルタ材は、フィルタ室内を通って外に出てローラ
の周りを回って、さらに次のフィルタ室内に入るという
ふうに垂直方向に積み重ねられたフィルタ室を順次進ん
でゆく部分を有する。そして、過液がこのフィルタ材
を通過して流れてゆく。各フィルタは分離可能なフィル
タハウジングから成っている。フィルタハウジング内に
おいてベルト部分の進行を妨げないように、フィルタハ
ウジング同志は垂直方向に離反する動きを同時にとれる
ようになっている。この動きは蓄積された固体沈澱物を
取り除き過工程の進行に従ってベルトをきれいにする
ために必要なものである。

フィルタハウジングを分離する必要があるということ
は、すなわち、圧力のかかった状況下で広範な面積で行
なわれる過作業から生ずる巨大な力に耐えうる複雑か
つきわめて頑強な機構が求められるということである。

1982年８月５日に申請された関連出願（出願番号第405,
524号、米国特許第4,430,231号）では、フィルタハウジ
ングの開口部を膨張性のシールホースによって密閉する
ことができ、したがって、ハウジングメンバは永久に閉
じたままで、フィルタベルトと蓄積された固体を定期的
にフィルタ室から出して処理するためには、膨張性のシ
ール装置（シールホース）だけを動作させればよいとい
う装置が提案されている。

この提案により、ハウジングを開閉するための複雑な機
械装置は必要なくなった。

［発明が解決しようとする問題点］ しかしながら、ベルト各部がフィルタハウジング内に入
っては外へ出て、続いて垂直に配列され（積重ねられ）
てつながっている次のハウジング内に入り、そこからま
た出るという動きが繰り返されるので、かなり複雑なベ
ルト駆動機構が必要であった。このように非常に長いフ
ィルタベルトが用いられており、しかもベルト全部を同
時に進行させるためには複雑なローラと駆動装置が必要
であった。

前期特許出願に記載されている装置では、フィルタ端の
周りや下に過液の流れが生じやすいので、フィルタベ
ルトの端を効果的にシールすることは難しく、その結
果、沈澱物がたまれば、それを定期的に洗浄するために
ユニットを分解しなければならず、この点が非常に不利
である。分離可能なハウジングを有するタイプのフィル
タ装置では、ハウジングの接合部をふさぐことによりベ
ルト側端を完全に密閉することができる。しかし、一旦
ハウジングの接合部をふさいでしまうと、ハウジングを
分離することはできなくなる。

エンドレスベルトほ別の考え方としては垂直に配列され
たハウジングの各々に使い捨てのシートフィルタ材のロ
ールを個々に取付けて使用するという方法がある。これ
ならばフィルタ材が使い捨てであるため、ベルトは次の
フィルタ室に循環して入ってゆく必要はなく、ハウジン
グの反対側でフィルタ材を集め処理することができる。
しかしながら、前述のような大量過作業に応用するに
は、このような使い捨てフィルタ材はかなりの費用がか
かることになる。

さらにこの使い捨てフィルタ材はかなり軽量であり、ハ
ウジングを通して引き出すことが難しい。これは固体が
留っている時などは顕著である。例えば、フィルタ材が
孔のあいた基板やグリッドの上を通る時には過圧によ
りフィルタ材が支持基板の開口の中に押し込められ、強
い引き出し力が必要となる。このようなことから、フィ
ルタ材の材料費がかかるという問題に加えて、フィルタ
材を確実にフィルタ室から運び出せるかという問題が生
じてくる。

また、このような垂直につながれた加圧型フィルタの場
合、過液が非常に細かい固体の粒子を含んでいる時に
は別の問題が生じてくる。つまり超微粒子がフィルタ材
を通過してフィルタ装置に付設される収集室内に大量に
蓄積されるおそれがある。このように収集室に粒子が蓄
積すると、これをきれいに取り除くためには、装置全体
を分解しなければならない。

柔軟なシート材を使った圧力室フィルタでは、さらに、
過に必要な圧力差に抗するためにフィルタ材を支える
基板上にフィルタ材を置かなければならない。

支持基板の中実部分は、フィルタ材が中実部分によって
ふさがれてしまう傾向にあるために、過液の透過に有
効なフィルタ材部分（中空部分）を減らすことになる。
しかし逆に中実部分を少なくしてしまうと、支持基板を
弱めることになり、かなりの高圧下では支持基板の本来
の構造強度を脅かすことにもなりかねない。

［発明の目的］ 従って、本発明の第１の目的は、スムースな過が可能
なフィルタ装置を提供することである。

また、本発明の第２の目的は、フィルタ室内部を移動す
るが、複雑なベルト駆動装置を必要としないエンドレス
ベルトを有するタイプのフィルタ装置を提供することに
ある。

また本発明の第３の目的はエンドレスベルトが、選択的
に開閉される開口部を通って非分解型のフィルタハウジ
ングのフィルタ室内部に通過する場合のフィルタ装置に
おいて、エッヂシールを備えたフィルタ装置を提供する
ことにある。

本発明の第４の目的は、特に垂直方向に複数のフィルタ
装置が積み重ねられる場合、フィルタ装置を積み重ねた
状態で過液収集部分（樋）が洗浄できるように構成さ
れたフィルた装置を提供することにある。

［発明の概要］ 上記第１〜第３の目的は、 フィルタ室の側面を区画形成するハウジングと、 上記ハウジングの両端に形成された開口部と、 上記ハウジングの下に設けられて上記フィルタ室の底面
を区画形成する支持板であって、過液が通過する複数
の孔が形成された中央部を有する支持板と、 多孔質の可撓性材料から形成され、上記支持板上に設け
られるフィルタベルトであって、上記ハウジングの開口
部を通って延びるフィルタベルトと、 上記ハウジングの両端に設けられ、上記フィルタベルト
の一部が掛けられるローラと、 過工程中に、上記ハウジングの両開口部において上記
フィルタベルトをシールする手段と、 過工程の終了後に上記ローラの少なくとも１つを周期
的に回転させて、上記フィルタベルトの所定部分を上記
支持板上から外したり上記支持板上に位置させたりする
手段と、 過工程中に、圧力をかけながら過液を上記フィルム
室に導く手段と、 上記フィルタ室内に設けられるダイヤフラムであって、
各過工程終了後に上記フィルタベルト上にある滓に
圧力を周期的にかけて該滓から水分を除去するダイヤ
フラムとから成る、周期的に作動可能なベルトタイプの
液体用フィルタ装置であって、 上記支持板が上記孔が形成された中央部の両側に中実部
を有し、 上記フィルタベルトが上記支持板の両側に沿って延びる
サイドエッヂ部を有し、過工程中に上記フィルタ室に
圧力が作用すると、上記サイドエッヂ部が上記支持板の
両側に押付けられて、過液が上記支持板の両側から漏
れることを防止できる、ベルトタイプの液体用フィルタ
装置によって達成できる。

上記構成によれば、過工程が終了すると、ダイヤフラ
ムが作動しフィルタベルト上にある滓に圧力がかけら
れる。この圧力により、滓に含まれている水分が滓
から排出除去される。したがって、過工程後にフィル
タベルト上に残る滓にはほとんど水分が含まれていな
い。また、フィルタベルトはハウジング両端に設けられ
たローラに掛けられているので、ローラが回転するとフ
ィルタベルトが移動することになる。ローラを周期的に
回転させる手段が設けられているので、滓から水分が
除去された後にローラを回転させフィルタベルトをハウ
ジングの外へ移動させれば、滓をフィルタ室から容易
に取除くことができる。水分をほとんど含んでいない
滓をベルト移送排出するだけなのでスムースな過が可
能である。また、この簡素な動作には複雑なベルト駆動
装置は必要ない。

フィルタベルトは、両側部にサイドエッヂ部を有してお
り、過工程中は、このサイドエッヂ部が支持板の両側
部（中実部）に押付けられるので、エッヂシールが構成
される。また、フィルタ室に作用する圧力を利用してフ
ィルタベルトの両側部（サイドエッヂ部）を支持板の両
側部（中実部）に押付けているので、エッヂシールの構
成が簡素である。即ち、フィルタベルトを支持板に押付
けるための手段を別個に設ける必要がない。

フィルタ装置は複数設けられ垂直方向に積重ねられても
よい。この場合、各フィルタ装置はそれぞれ独立したエ
ンドレスベルト，一対のローラ及びローラ回動手段を有
する。

一方、第４の目的は、上記フィルタ室の上面を区画形成
すべく上記ハウジングの上に設けられ、上に積み重ねら
れる別のフィルタ装置の支持板を通過して流下する過
液を収集する樋と、上記上に積み重ねられる別のフィル
タ装置の支持板を支えるべく、上記樋から立設された複
数の細長い部材とをさらに設け、上記細長い部材同士の
間隔によって形成される空間が、上記フィルタ装置が積
み重ねられた状態において各フィルタ装置の樋を洗浄す
べく噴射される洗浄液が通過する空間となるような構成
とすることにより達成される。

上記構成によれば、複数のフィルタ装置が積重ねられた
場合、一つのフィルタ装置の支持板の下には別のフィル
タ装置の複数の細長い部材が所定間隔で立設しており、
これら細長い部材同士の間に空間が形成されている。よ
って、過工程終了後に上記空間を放水することにより
各フィルタ装置の樋を洗浄することができる。この構成
は、複数のフィルタ装置を垂直方向に積み重ねた場合、
積み重ね状態のままで各フィルム装置の樋を洗浄できる
という効果を奏する。

このフィルタ装置は前記米国特許出願（出願番号第405,
524号，米国特許第4,430,231号）の明細書に示されてい
るタイプのものが望ましい。このタイプのフィルタ装置
ではフィルタハウジングに通じる両側に存在する開口部
を横切るようにして膨張性のシールホースが延長されて
いる。このシールホースはシールする時には膨張し、他
方定期的にベルトを動かし蓄積された過沈澱固体をフ
ィルタ室から出したりする時には収縮する。

［実施例］ 以下に本発明の好適実施例を添付図面に従って詳述す
る。

以下に記述する詳細な説明の中では、ある特定の実施例
を明確に説明するためにいくつかの特別な用語を使って
いるが、本発明は特許請求の範囲の記載に基づき様々な
態様を取り得るものであり、以下に記述する特定の実施
例に限定されるものでなく、またそのように解釈されも
のでもない。

図面、特に第１図〜第３図を参照すると、本発明に係る
フィルタ１０が示されている。第１図〜第３図に示され
るように、複数のフィルタ１０が垂直方向に積層されて
いる。第１図〜第３図は一部断面図で描いてある。積層
された複数のフィルタ１０の頂部と底部とを一体的に締
め付けるためには、例えば、上部及び底部の圧力基板
と、テンションポスト（図示せず）とから成る適当な締
付手段が用いられる。各フィルタ１０はハウジング１２
を有し、その内部にはフィルタ室１４（第３図）が形成
される。フィルタ室１４には、ヘッダーチューブ１８に
連通された一群の側部開口部１６を介して過液が流入
される。ヘッダーチューブ１８には、少なくとも１個以
上のクロスパイプ２０を介して過液源２２から過液
が供給される。ハウジング１２は、第２図に示すよう
に、フィルタ室の底部をなし、その両端に一体的に成型
されたサイドウェブ２６を持つ支持基板２４を有し、上
下方向にボルトで止められている。過液との接触によ
る腐食を抑制するために、強度の高い樹脂素材が使われ
ている。

第２図には積層された３つのフィルタ１０が示されてい
る。以下、中央のフィルタ１０を中心に説明する。上記
基板２８は、サイドウェブ２６上に載置され、一群のボ
ルトナット３０で締結される。また、後述するが、この
上部基板２８はその上のフィルタ１０のための収集樋３
２の一部を形成している。中央のフィルタ１０用の収集
樋３２は、その下のフィルタ１０の上部基板２８により
形成されている。上部基板２８とサイドウェブ２６との
間には膨張可能なダイヤフラム３４が設けられ、このダ
イヤフラム３４は上記基板２８の下面近傍に配置されて
いる。即ち、ダイアフラム３４はフィルタ室１４の上部
を覆うように設けられている。ダイヤフラム３４と上部
基板２８の中間にあるスペースは、圧力源３９から取入
通路３６並びにこれに接続された複数の開口部３８を介
して導入されるガス或いは液体で加圧されるようになっ
ている。図に二転鎖線で示すようにダイアフラム３４を
膨張させると、以下に述べるように、エンドレスベルト
７０による過沈澱物の除去に先立って、フィルタ室１
４に残っている過液を排水してしまうことができる。
エンドレスベルト７０上に沈澱物が堆積すればエンドレ
スベルト７０が目づまりし過がスムースに行なわれな
くなる。そこで、ドライブローラ７８を回動する前に
（即ち、エンドレスベルト７０による沈澱物の除去に先
立って）、ダイアフラム３４を下方に膨張させてフィル
タ室１４内の過液に圧力をかける。この圧力により
過液は目づまりしたエンドレスベルト７０をも通過する
ことができ、全ての過液を排出することができる。こ
れにより、全体としてスムースな過が行われる。過
液の排出が終了した後に、ドライブローラ７８が回動さ
れ、過沈澱物はエンドレスベルト７０に乗ってフィル
タ１０の外へ運ばれる。

一対の細長い開口部４０は、ハウジング１２のフィルタ
室１４の両端に形成される。この開口部４０は、過中
には前記米国特許明細書に記載されているようにシール
手段たる弾力性のあるシールホース４２の一部で封じら
れる。このシールホース４２は傾斜開口部４４に挿通さ
れており、過作業中に、フィルタ室１４の圧力によっ
て過液が漏れるのを防ぐために開口部４０を密閉する
ように加圧される。

米国特許第4,430,231号明細書で詳しく説明されている
ように、各シールホース４２はサイドウェブ２６の傾斜
開口面部４４に挿通されており、シールホース４２の内
部に圧力がかけられると、傾斜開口面部４４同様に密閉
される。ホースサポート４６は、開口部４０の上部を横
切るように延びており、またフィルタ室１４内の圧力に
抗するために傾斜開口部面部４４を横切ってホース部分
を支持するリップ部４８を有している。ホースサポート
４６はボルトナット６６で取り付けられている。

また調整可能なブロック５０も設けられており、このブ
ロック５０には膨張時にシールホース４２が傾斜開口面
部４４から第３図に示されるような形態にスムースに移
行するようにシールホース４２に係合するガイド面５２
が形成されている。調整可能なブロック５０はスクリュ
５４によって開口部４０の表面側に配設された基板５６
に確実に取り付けられる。ブロック５０のハウジング内
方に延びる部分の調整は、スクリュ５４によって留めら
れたシム６０によって可能になる。このシム６０はシー
ルホース４２が傾斜開口面部４４にしわを作らずにスム
ースに移行できるようにシールホース４２との係合を調
節する。これによって前記米国特許明細書に詳しく説明
されているように、膨張性のシールホース４２は傾斜開
口部面部４４の内部に対してだけではなく、ホースサポ
ート４６の内壁６２に対してもシールを行なう。また後
述するエンドレスベルト７０も、開口部４０を完全にシ
ールするために、開口部４０のところの支持基板２４の
表面６４に対して押しつけられる。

表面６２を持つ各ホースサポート４６の一部６３は開口
部４０の上部を横切るように延び、一群のボルトナット
６６はホースサポート４６をダイアフラム３４に対して
締めつけている。

エンドレスベルト７０はフィルタ室１４内を通過してい
る。エンドレスベルト７０は、環状に形成されており、
また、下ベルト部７２を有す。下ベルト部７２は、多数
の先細りの開口７４が形成された支持基板２４の中央部
分にこれを直接覆うように延びている。エンドレスベル
ト７０は、さらに、フィルタ室１４内に延びる上ベルト
部７６を有し、上ベルト部７６は下ベルト部７２上に互
いに重なり合うように配設されている。

エンドレスベルト７０は、開口部４０に相対向させてハ
ウジング１２の両側に並列に配設された支持ドライブロ
ーラ７８のまわりに環状に巻かれる。

支持ドライブローラ７８の片方或いは両方には、支持ド
ライブローラ７８を回動させるための手段７９が取付け
られている。この回動手段７９により、エンドレスベル
ト７０が定期的に前進させられる。即ち、エンドレスベ
ルト７０上に蓄積された過沈澱物も定期的に除去され
ることになる。エンドレスベルト７０が前進するときに
は、シールホース４２が収縮する。

このようにしてフィルタ室１４内の過液は、エンドレ
スベルト７０の上ベルト部７６並びに下ベルト部７２の
双方を通過する。重ね合された上下ベルト部７２，７６
の効果的なエッヂシールを行なうために上ベルト部７６
は下ベルト部７２よりも幅広に形成され、上ベルト部７
６の拡張されている両側端８０は下ベルト部を越え、支
持基板２４の開口７４のない中実部分（開口７４のない
板面部分）上に延びている。上ベルト部７６のシールを
行なうための両側端８０は過液を流通させないように
処理されるか、或いはフィルタ室１４に圧力が作用する
とそのシール接触が高まるような異なる素材で構成する
のが望ましい。このように環状のエンドレスベルト７０
を構成することにより、エンドレスベルト７０の回りや
下方へ過液が流れてゆくのが防止される。つまり、望
まれない部分への沈澱物の堆積や過液の迂回（漏れ）
を防止する。

本実施例ではエンドレスベルト７０そのものが、過行
程を進めるうえでのフィルタ材の層として働くので、上
ベルト部７６は各々適用ケースに応じて過を行なうの
に適当な程度の多孔性を有する材料から形成される。

第４図では段のつた部分８２が示されており、この部分
でエンドレスベルト７０は幅の狭い下ベルト部７２の幅
と同じ幅になるように順次その幅が挟められている。ま
たこれらの上下ベルト部７２と７６とは異なる織素材か
ら成ゐ、両者は符号８３のところで互いに縫合わされて
いるか接合されている。上ベルト部７６は下ベルト部７
２よりきめの細い織素材から成る。下ベルト７２は、大
きな孔を有し、上ベルト部７６により過が行なわれた
後の過液の流れを妨げないように構成されている。

本発明においては、過液は、先細の開口（逆円錐状の
孔）７４を通過した後、フィルタ１０から支持基板２４
下に配置された圧力のかからない収集樋３２へと流れて
行くことになる。

第２図及び第３図に示すように、開口孔７４を先細りに
して径の大きい側を支持基板２４の上面に（エンドレス
ベルト７０の真下に）、そして径の小さい側を支持基板
２４の上面に開口することにより有効過面積が増大さ
れていることがよくわかる。つまり、開口の先端部を細
くすることにより底部での中実度が増し、支持基板２４
を強化しながら、一方で開口７４の上端の径を大きくす
ることで、最大量の過が可能になるものである。

加圧された過液でフィルタ材としての上下ベルト７
２，７６を支持基板２４の表面に（より正確には、支持
基板２４の開口７４の周囲・近傍の支持基板２４の中実
部表面に）押し付けることにより、上下ベルト部７２，
７６を通った後に開口７２の間の中実部分へ漏れる過
液は効果的かつ大幅に減少できる。よって、先細りの形
状は、かなり大きな過面積を維持しながら支持基板２
４の下側の中実度を大きくして支持基板２４の構造上の
剛性及び強度を保つ形状であり、さらに、過液のシー
ルも確保できる形状であるといえる。

流れる過液は多くの場合、比較的量が少ないので、開
口７４の先の径が小さくなっているからといって過液
中に過液の流れを大きく制限してしまうようなことは
ない。

また、材料を効果的に使う意味からも、開口７４を列ご
とに千鳥状に互い違いにずらして配列する（第１図）こ
とで、開口７４同志の間の距離を均一に保つようにする
ことが望ましい。

また、開口７４を有する支持基板２４はその製造コスト
を最小限に抑えるように、強度の高い樹脂を成型して作
ることが好ましい。またそうすれば、水その他の液体と
の接触によっておここる腐食に抵抗力を持たせることが
できる。さらに、これによって底部の支持基板２４にサ
イドウェブ２６を一体成型することも簡単にできる。

この場合、ヘッダチューブ１８は少なくとも１つ以上の
クロスパイプ２０と一緒に成型され、この成型工程が完
了した後に、それにつながる側部開口部１６を機械加工
する。すぐ下に重ねられたフィルタ１０の上部基板２８
により形成される収集樋３２は、周囲の大気圧の下で、
開口７４から流出してくる過液を受容する。収集樋３
２は側部が上方に折り返され、これにより縁部８１が形
成される。縁部８１によって過液を収集樋３２に留め
るとともに流出口８４（第３図）に導くことができる。
第５図に示すように、上部基板２８の内側部表面８６は
厚さを徐々に変化させて、内部に傾斜底部面を形成して
おり、集まった過液をこれに沿って流出口８４に導く
ようにしている。

また、一群の支持棒状部８８を、真上のフィルタ１０の
支持基板２４の下面に接するように、収集樋３２と一体
的に成型して支持力を強化することが望ましい。これら
支持棒状部８８は、第１図に示すように、互いに平行に
相互間に間隙９０を隔ててフィルタ１０をその幅方向に
横切るように延びている。第３図に示されるように、収
集樋３２の縁部８１は支持棒状部８８よりも高さが低く
形成され、これらの間に空隙９２が形成される。この空
隙９２は重要な空間を作り出している。即ち、メンテナ
ンスの際に、空隙９２に向かって射水することによっ
て、フィルタ１０そのものを解体したり、垂直に積重ね
た複数のフィルタ１０をはずしたりすることなく、蓄積
された過沈澱物を流出口８４に流出させることができ
る。これは圧力のかかっていない大気圧下で過液を収
集する場合に限って適用される。

シールホース４２の膨張及び収縮、ダイアフラム３４上
の空間への加圧、フィルタ室１４への加圧は全て適当な
制御システム（例えば、前出の米国特許明細書に開示さ
れた制御システム）によって制御される。簡単に説明す
ると、シールホース４２が収縮すると、シールホース４
２によるシールが失われ開口部４０に通じる隙間ができ
る。シールホース４２は、シールホース４２を支持する
ためのフィルタ外部に設けられた設備や多岐管に接続さ
れている。シール機能を完全に達成させるためには、シ
ールホース４２内部にガスや液体を圧力をかけて送り込
む。これについても簡単に説明すると、内部支持棒９４
は開口部４０から傾斜開口面部４４に沿って延び、供給
設備へ接続されている。シールホース４２は上記内部支
持棒９４により支えられている。内部支持棒９４は図示
される隙間を最大にするように、膨張性のシールホース
４２を平板化する効果を強めるように形成されることが
望ましい。内部支持棒９４には平坦部分９６、内側リッ
プ９８、外側リップ１００及びこれより延出された延出
部分１０２が形成されている。

第３図の右側に二点鎖線で示す状態では、シールホース
４２を伸ばし、その下の支持基板２４の上面との間の隙
間を最大に広げることができる。これによって、運転サ
イクル中に、次の過サイクルに先立ってフィルタ室１
４外方へ過沈澱物を運び出すことができる。

第３図の左方に示されているように、エンドレスベルト
７０に付着した過沈澱物を削取るためのスプレーヘッ
ダ１０４を設置してもよい。もし、設置されないなら
ば、過沈澱物を削取ったり排除するための別の装置が
フィルタ１０の一部として設けられる。このような装置
の詳細は当該分野の専門家には周知のことであるので、
明確には図示されていない。尚、本実施例では複数のフ
ィルタ１０が重ねられているが、フィルタ１０を１つだ
け設けるようにしてもよい。また、支持基板２４は製造
コスト及び耐腐食性の点から、適当な強度を有する樹脂
材から形成されてもよい。

第６図及び第７図には本発明の他の実施例が示されてい
る。この実施例では、エンドレスベルト７０は、多孔性
のシート材でできた使い捨てのフィルタシート材１０６
を支えるためにだけ働く。フィルタシート１０６は供給
ロール１０８から送り出されてエンドレスベルト７０の
上ベルト部７６上に重ねられ、フアジング１２内に入り
フィルタ１０を通り抜け、ハウジング１２の反対側から
出て、回収コンテナ１１０に収納される。この構成で
は、エンドレスベルト７０は過機構としては働かず、
フィルタシート材１０６を支えるものであるから、硬質
素材で荒く織ったもので作り、一方フィルタシート材１
０６はかなり軽量で柔軟性があり、しかも過工程を遂
行できる程度の適度の多孔性をもったもので形成され
る。エンドレスベルト７０は使い捨てフィルタシート材
106を支持するのに十分な強さを有すと共に、定期的な
洗浄のためにフィルタ室１４から出されるときに、蓄積
された固体（滓）とフィルタシート材106との重量に
十分耐えることのできる引張り強度を有す。

第７図に示されている実施例では、上下ベルト部７６と
７２は同じ幅で形成され、フィルタシート材１０６は、
両ベルト部７６，７２よりも幅がが広くなっていて、エ
ンドレスベルト７０に隣接する支持基板２４の中実部分
上に伸びている。つまり、この場合、フィルタシート材
１０６の端１１２によってシールが行なわれることにな
る。このときもまた、この部分は過液の流れに対しか
なり不浸透性を示して支持基板２４の上面とのシールを
強めるように形成されることが望ましい。

上述の記載よりわかるように、本発明によれば、エンド
レスベルトを循環させない構造にすることにより、エン
ドレスベルト駆動装置が簡素化でき、且つ、エンドレス
ベルト７０が各々独立した動きをとることができる。ま
た、重なって二重になったベルトの厚さにも拘わらず、
効果的なエンドレスベルトのサイドシールも達成され
る。さらに、二重ベルトの間に過沈澱物がたまること
もない。

加えて、本発明によれば、減圧されたときにフィルタ内
に空間が形成されるので、この空間に射水することによ
り、フィルタ自体を分解したり積層されたフィルタ相互
を解体したりせずに、収集樋の過沈澱物を洗い流すこ
とができる。また、支持基板は、上述のように開口を先
細りにすることで、有効な過面積を確保しつつ強度も
確保しているので、特に高圧型のフィルタ室を有するフ
ィルタ装置には有利である。

勿論、上記実施例に示された特定の構造には様々なバリ
エーションがあり得、本発明はここに示した特定の実施
例に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るフィルタ装置の上面図、第２図は
垂直方向に積層配列された上下に隣設する複数のフィル
タ装置の一部を示す図であって、第１図の２−２線矢視
断面図、第３図はエンドレスベルト、ドライブローラの
概略と共に描いた第１図の３−３線矢視一部断面図、第
４図はエンドレスベルト及びローラの１つの形状を示す
部分斜視図、第５図は第１図〜第３図に示されたフィル
タ装置の変形例にけられる収集樋の断面図、第６図は本
発明のフィルタ装置の他の実施例を示す概略図、第７図
は第６図に示した実施例におけるエンドレスベルトとフ
ィルタシート材との関係を詳しく示した部分拡大断面図
である。 図中、１０はフィルタ（フィルタ装置）、１２はハウジ
ング、１４はフィルタ室、１６は側部開口部、１８はヘ
ッダチューブ、２０はクロスパイプ、２２は過液源、
２４は支持基板、３２は収集樋、３４はダイアフラム、
３６は取入通路、３８は開口部、３９は圧力源、４０は
開口部、４２はシールホース、７０はエンドレスベル
ト、７２は下ベルト部、７４は開口、７６は上ベルト
部、７８は支持ドライブローラ、７９はローラを回動さ
せるための手段、８１は縁部、８４は流出口、８６は内
側部表面、８８は支持棒状部（細長い部材）、９２は空
隙、１０６はフィルタシート材、１０８は供給ロールで
ある。

フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−194019（ＪＰ，Ａ) 特開 昭55−149800（ＪＰ，Ａ) 特開 昭50−143156（ＪＰ，Ａ) 実開 昭56−156497（ＪＰ，Ｕ)

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】フィルタ室の側面を区画形成するハウジン
   グと、 上記ハウジングの両端に形成された開口部と、 上記ハウジングの下に設けられて上記フィルタ室の底面
   を区画形成する指示板であって、過液が通過する複数
   の孔が形成された中央部を有する支持板と、 多孔質の可撓性材料から形成され、上記支持板上に設け
   られるフィルタベルトであって、上記ハウジングの開口
   部を通って延びるフィルタベルトと、 上記ハウジングの両端に設けられ、上記フィルタベルト
   の一部が掛けられるローラと、 過工程中に、上記ハウジングの両開口部において上記
   フィルタベルトをシールする手段と、 過工程の終了後に上記ローラの少なくとも１つを周期
   的に回転させて、上記フィルタベルトの所定部分を上記
   支持板上から外したり上記支持板上に位置させたりする
   手段と、 過工程中に、圧力をかけながら過液を上記フィルタ
   室に導く手段と、 上記フィルタ室内に設けられるダイヤフラムであって、
   各過工程終了後に上記フィルタベルト上にある滓に
   圧力を周期的にかけて該滓から水分を除去するダイヤ
   フラムとから成る、周期的に作動可能なベルトタイプの
   液体用フィルタ装置であって、 上記支持板が上記孔が形成された中央部の両側に中実部
   を有し、 上記フィルタベルトが上記支持板の両側に沿って延びる
   サイドエッヂ部を有し、過工程中に上記フィルタ室に
   圧力が作用すると、上記サイドエッヂ部が上記支持板の
   両側の中実部に押付けられて、過液が上記支持板の両
   側から漏れることを防止できる、ベトタイプの液体用フ
   ィルタ装置。
2. 【請求項２】上記フィルタベルトが、ベルトと、該ベル
   ト上に載置された使い捨て可能なフィルタシート材とか
   ら成り、過工程終了後に上記ローラが回転されると、
   上記使い捨て可能なフィルタシート材が上記ハウジング
   の外に移送排出される特許請求の範囲第１項記載の液体
   用フィルタ装置。
3. 【請求項３】上記ベルトとフィルタシート材がそれぞれ
   その両側に沿って中実部を有し、これら中実部が上記フ
   ィルタベルトのサイドエッヂ部を形成する特許請求の範
   囲第２項記載の液体用フィルタ装置。
4. 【請求項４】上記フィルタベルトが２重ベルト構造を有
   し、上ベルト部が下ベルト部よりきめの細い多孔性フィ
   ルタベルト部である特許請求の範囲第１項乃至第３項記
   載の液体用フィルタ装置。
5. 【請求項５】上記上ベルト部の幅が、上記下ベルト部の
   幅より大きい特許請求の範囲第４項記載の液体用フィル
   タ装置。
6. 【請求項６】上記支持板の各孔が、上記過液の通過方
   向に絞られていく特許請求の範囲第１項乃至第５項記載
   の液体用フィルタ装置。
7. 【請求項７】上記支持板の複数の孔が複数の列状に配置
   されると共に、上記複数の孔が千鳥状に形成される特許
   請求の範囲第１項乃至第６項記載の液体用フィルタ装
   置。
8. 【請求項８】上記支持板が成型可能な樹脂材から形成さ
   れた特許請求の範囲第１項乃至第７項記載の液体用フィ
   ルタ装置。
9. 【請求項９】上記フィルタ室の上面を区画形成すべく上
   記ハウジングの上に設けられ、上に積み重ねられる別の
   フィルタ装置の支持板を通過して流下する過液を収集
   する樋と、 上記上に積み重ねられる別のフィルタ装置の支持板を支
   えるべく、上記樋から立設された複数の細長い部材とが
   さらに設けられ、 上記細長い部材同士の間隔によって形成される空間が、
   上記フィルタ装置が積み重ねられた状態において各フィ
   ルタ装置の樋を洗浄すべく噴射される洗浄液が通過する
   空間となる特許請求の範囲第１項乃至第８項記載の液体
   用フィルタ装置。
10. 【請求項１０】上記樋の底面が傾斜しており、この傾斜
    により、上記樋に収集された過液が重力により一定方
    向に流れる特許請求の範囲第９項記載の液体用フィルタ
    装置。