JPH0614966B2 - 中空糸型流体処理用装置 - Google Patents

中空糸型流体処理用装置

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JPH0614966B2
JPH0614966B2 JP26375388A JP26375388A JPH0614966B2 JP H0614966 B2 JPH0614966 B2 JP H0614966B2 JP 26375388 A JP26375388 A JP 26375388A JP 26375388 A JP26375388 A JP 26375388A JP H0614966 B2 JPH0614966 B2 JP H0614966B2
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理七 三村
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孝夫 三垣
尚 山内
道夫 草地
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は膜を利用した中空糸型流体処理用装置、特に血
液を処理するために好適な装置に関するものである。こ
の種の装置は、一般に血液透析器、人工肺、血漿分離
器、加湿器などに用いられる。ここでは説明の便宜上、
人工肺に適用した場合について説明する。
(従来の技術) 人工肺は開心術の補助手段として研究され、種々のタイ
プのものが開発されている。これら人工肺は生体肺の持
つ機能のなかで血液に酸素を添加し、二酸化炭素を除去
するガス交換機能を代行するものであって、現在気泡型
人工肺を膜型人工肺が実用化されている。
気泡型人工肺は臨床に広く用いられているが、酸素を血
液中に直接吹き込むために、溶血、蛋白変性、血液凝
固、微小血栓の発生、白血球や補体の活性化が生じ易
く、また長時間使用すると消泡効果が弱くなり、微小気
泡が血液中へ混入する恐れがあるなどの欠点を有する。
膜型人工肺は膜を隔てて静脈血とガスとを接触させて、
静脈血中へ酸素を吸収させると同時に、ガス中へ炭酸ガ
スを放出させるもので、気泡型人工肺にくらべて、より
生理的であり、血液損傷が少ない、プライミングポリユ
ームが小さいなどの利点を有しし、近年、臨床的にも次
第に用いられるようになった。
現在開発されている膜型人工肺は、ポリオレフイン等の
疎水性高分子からなる多孔性中空糸や、シリコン等の気
体透過性の均質中空糸を用いて、中空糸面を介して気体
をと血液を接触させ、その間でガス交換を行なわせるも
のであり、中空糸の内部に血液を流し、中空糸の外部に
ガスを流す内部潅流型(特開昭62−106770号、同59−57
661号など)と、その逆に、中空糸の内部にガスを流
し、外部に血液を流す外部潅流型(特開昭5〜−57963
号、同60−28806号など)との二つの方式がある。
(発明が解決しようとする課題) 前者の方式では血液を多数の中空糸に均等に分配供給す
れば血液のチヤンネリング(偏流)はないいものの、中
空糸の内部を流れる血液は完全な層流であり、ガス交換
能(単位膜面積当りのガス移動速度)を上げるためには
中空糸の内径を小さくすることが必要である。このため
に150〜300μm程度の内径を有する中空糸が人工肺用と
して開発されている。
しかしながら、内径を細くしても血液が層流状態で流動
する限りはガス交換能が飛躍的に向上するものではな
い。現在のところ成人の開心術の際に要求される200〜3
00cc/minのガス交換能を達成するために、内部潅流型
人工肺では約62の膜面積を必要としている。そのため
外部潅流型人工肺は大型で重く取り扱い難く、血液充填
量が大きく、患者の負担が大きいものになつている。人
工肺を小型化して、取り扱い性を向上させるために中空
糸の内径をさらに細くするとクロツテイング(凝血によ
る中空部の閉塞現象)が多発する。しかもこの型の人工
肺は血液流路側の抵抗が大きいため落差潅流が適用でき
ず、拍動流型の血液ポンプの適用が困難であるという問
題を有している。また、一般的に人工肺では、中空糸を
数千〜数万本束ねて用いており、これら多数の中空糸の
それぞれに充分にガスを分散供給することが困難で、多
数の中空糸に充分に分散供給するためには特別の配慮が
必要である。ガスの分散供給が不充分である場合には、
炭酸ガス除去能(単位膜面積当りの炭酸ガス移動速度)
が低下する。
一方、後者の方式ではガスの分配は良好であり、かつ血
液の流れに乱れが発生することが期待できるものの、血
液のチヤンネリングによる酸素化不足あるいは滞留部で
凝血が生じ易いという問題があり、未だ充分な性能を有
する人工肺は実現されていない。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、圧力損失が小さく、かつ単位面積当りの
ガス交換能が期待される外部潅流型人工肺に着目し、外
部潅流型人工肺の欠点である血液のチヤンネリングと血
液の滞留を、簾状に形成された中空糸シートの積層体を
用いて解消しようと試みた。しかしながら角筒状のハウ
ジング内に簾状中空糸シートの積層体を収容しただけで
は逆に血液血液のチヤンネリングが増大するとともに、
単位膜面積当りのガス交換能が低下するという問題が生
じた。本発明者らはかかる問題は、簾状中空糸シートの
積層体が血流で揺動することに起因することを突きと
め、さらに検討した結果本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、角筒状のハウジング内を隔壁で第1
の流体の入口または出口室と物質交換室に区割し、該物
質交換室に対の多孔板で狭持された1本または複数本の
中空糸を縦糸で簾状に形成した中空糸シートの積層体を
収容して、該中空糸をその両端が開口するようにハウジ
ングの両端を閉塞する隔壁で支持し、かつ該隔壁の下部
に第1の流体の入口または出口室と物質交換室を連通す
る開口を穿設するとともに、該ハウジングの上端に中空
糸の内部空間と連通する第2の流体の入口または出口を
有する上部ヘツドカバーを設け、かつ該ハウジングの下
端に中空糸の内部空間と連通する第2の流体の出口また
は入口を有する下部ヘツドカバーを設け、しかも該ハウ
ジングの上部側壁に第1の流体の入口または出口室と連
通する第1の流体の入口または出口と、物質交換室と連
通する第1の流体の出口または入口を設けたことを特徴
とする中空糸型流体処理用装置である。
(作用) 本発明の中空糸型流体処理用装置は、隔壁でハウジング
内を第1の流体の入口または出口室と物質交換室とに区
画し、該物質交換室に2枚の多孔板で狭持された簾状中
空糸シートの積層体を収容して積層された中空糸シート
間に縦糸と中空糸とで規制された血液流路を形成するこ
とによりチヤンネリングが防止でき、かつ圧力損失を減
少させることができる。
(実施例) 次に本発明の中空糸型流体処理用装置の一実施例を図面
にて説明する。第1図には本発明の中空糸型流体処理用
装置の1例である外部潅流型人工肺の断面図が示されて
いる。第2図は第1図のA−A′断面図である。図面に
示すように角筒状ハウジング1内は、該ハウジングと平
行に立設された隔壁2で血液入口室Aとガス交換室Bに
区割されている。そしてガス交換室Bに2枚の多孔板
3、3′が離間して設けられている。そして該2枚の多
孔板3、3′の間には簾状に形成された中空糸シートの
積層体、例えば1,000〜60,000本程度の中空糸4がハウ
ジング1とほぼ平行に収容されている。該2枚の多孔板
3、3′と中空糸4の両端部はハウジング1の両端を閉
塞する樹脂隔壁5、5′によつて液密に支持されてい
る。またた中空糸4は樹脂隔壁からその開口を露出して
いる。ハウジングの上部側壁には血液入口室Aと連通す
る血液入口10と、ガス交換室Bと連通する血液出口11が
設けられ、該血液室とガス交換室は隔壁2の下部に穿設
された開口6で連通している。ハウジング1の上端は、
中空糸の内部空間と連通するガス入口12を有する上部ヘ
ツドカバー7で覆われている。またハウジング1の下端
は中空糸の内部空間と連通するガス出口13を有する下部
ヘツドカバー8で覆われている。ガス出口13を有する下
部ヘツドカバー8は必ずしも設ける必要はない。この場
合にはガスは隔壁に埋め込まれた中空糸の端部開口から
直接大気に放出される。
本発明において、角筒状のハウジング1内に離間して設
けられた多孔板3、3′の間に収容される簾状中空糸シ
ートの積層体は、例えば第3図に示すように平行に配列
された1本の中空糸または複数の中空糸の束20を縦糸21
で簾状に形成した中空糸シートを折り畳んで積層して
も、あるいは予め所定の形状に切断された中空糸シート
を1枚ずつ積層してもよい。中空糸シートを1枚ずつ積
層する場合には、第5図に示すように隣接する中空糸シ
ートを交互に角度をもたせて積層するとチヤンネリング
がより改善される。第4図(a)、(b)は簾状に形成された
中空糸のシートの断面図であり、第4図(a)では1本の
中空糸を用いたもの、第4図4図(b)では3本の中空糸
の束を用いたものを示している。中空糸20を縦糸21で簾
状に形成するにはどのような組み方を用いても構わない
が、第4図(a)、(b)に示すくさり編みのように各中空糸
を1本ずつ縦糸で固定することが望ましい。このように
各中空糸を縦糸で固定すると中空糸シートを積層する
際、あるいは使用時に中空糸のずれが防止でき、常に隣
接する中空糸間の隙間を一定に保持することができてチ
ヤンネリングが完全に防止できる。中空糸シートは縦糸
で中空糸を編組し、あるいは縦糸を中空糸に接着しても
よいが特に中空糸を縦糸で編組する方法は簾状シートの
製作が容易で好ましい。本発明は医療用に用いる際は縦
糸や接着剤が血液に損傷を与えないものを選択する必要
がある。中空糸を縦糸で簾状に編組するには簾状に形成
される中空糸はガス透過性のあるものであれば特に限定
はなく、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−
4−メチルペンテン−1などのポリオレフイン系樹脂
や、ポリテトラフロオロエチレン、ポリスルフオン、シ
リコンゴムなどの樹脂を素材とした多孔質あるいは均質
の酸素ガス透過性の高い中空糸が用いられる。中でもポ
リオレフイン系樹脂からなる中空糸は膜厚が薄くても簾
状に形成した際の中空糸の圧潰や変形が少なく好適であ
る。
中空糸の外径(D)は50〜2000μ、膜厚は3〜500μであ
る。外径や膜厚がこれより小さいと簾状に形成する際に
糸折れや糸割れが発生し易い。反対にこれより大きいい
と人工肺としてのコンパクト性が実現し難い。通常中空
糸の外径(D)が100〜500μ,膜厚が6〜100μのものが好
ましく、外径(D)が175〜400μ、膜厚が10〜60μのもの
がさらに好ましく用いられる。
中空糸の有効長は通常3〜30cmである。有効長がこれよ
り小さいと人工肺の組立工程での中空糸切断ロスが過大
となり経済性が悪く、反対にこれより大きいと人工肺と
してのコンパクト性を実現し難い。
中空糸は1本または複数本の中空糸の束を単位の横糸と
して簾状に形成される。複数本の中空糸の束を簾状に形
成する場合には35本以下、好ましくは24本以下の中空糸
の束が用いられる。35本以上の中空糸の束では1つの横
糸束の中の1本1本の中空糸が血液と十分に接触できな
くなり、ガス交換効率が低下する恐れがあつて好ましく
くない。通常は1本1本の中空糸を横糸として簾状のシ
ートが形成される。この場合には各中空糸の表面積がほ
ぼ100%血液とのガス交換に活用されるだけでなく、縦
横の糸によつて形成されるほぼ四角の小さい均一なスリ
ツトによつて微小な単位で血液の分割、混合が極めて効
率よく行なわれるため、小さい膜面積で予想外に高いガ
ス交換能が達成でき、圧力損失も小さくすることができ
る。
中空糸を簾状に形成する縦糸は特に限定されないが、例
えばポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリアク
リロニトリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリア
リレート、ポリビニルアルコールなどのように細手でも
強度の強い糸が用いられる。なかでもマルチフイラメン
トよりなる10〜150デニール、好ましくは25〜75デニー
ルのポリエステルやポリアミドのヤーンは適度な柔らか
さと機械的強度を兼ね備えているため、簾状に加工する
際に中空糸を傷つけることがなく好ましく用いられる。
本発明装置を医療用途に用いる場合には、縦糸への油剤
の使用はできるだけ避けるべきであるが、簾状に形成す
る際などにやむを得ず使用する場合には、安全性が確認
されているもの、もしくは洗浄除去が可能な油剤を用い
る必要がある。
上記簾状の中空糸シートは使用時に中空糸が揺動しない
ように2枚の多孔板3、3′で狭持される。かかる多孔
板3、3′は積層された中空糸シートの配列を保持して
て流路を形成するため、およびチヤンネリングを防止す
るために流体で変形しない程度の剛性を有する板状体
(ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフイン系樹
脂、ポリアミド、ポリカーボネート樹脂、金属薄板な
ど)が使用される。通常厚み0.5〜5mmのポリカーボネー
ト、ポリアミド、ポリオレフイン系樹脂からなる樹脂板
が好ましく用いられる。上記多孔板には孔径1〜10mmの
多数の孔が穿設されている。
上記物質交換室に収納される簾状中空糸シートは次のよ
うな条件を満たしていることが好ましい。
まず簾状シートの縦糸の密度W(本/cm)は、高い物質
交換能を有し、かつ滞留やチヤンネリング防止、低圧力
損失、低プライミングポリユームの装置の再現性良く実
現するために、 0.2≦W≦4.0 であることが好ましい。
すなわち縦糸の密度Wが0.2よりも小さいときには、縦
糸間に納まる中空糸が長いために、その間で中空糸のた
るみが起こり易い。その結果、横糸である中空糸を実質
上一定の間隔で平行に配列するよう規制することが困難
となり、中空糸の分布密度が不均一になり人工肺として
利用する際に血液が中空糸のたるみの多い疎なところを
多く流れて、高いいガス交換能が達成できない恐れがあ
る。
密度Wが4.0よりも大きいときには、中空糸は極めて均
一な間隔で平行に規制され、その結果として中空糸間の
間隙を流れる血液流量は均一化される。しかしながら縦
糸の密度が大きくなるにつれて、縦糸と中空糸の接触面
積が増加し、中空糸膜と血液との接触面積(有効膜面
積)が減少するほか、縦糸中空糸の接触部分(織り目)
は血液が流れにくいため、血液側での溶解ガスの拡散性
の低下、即ちガス交換能の低下と圧力損失の上昇が起こ
る恐れがある。
さらに横糸である中空糸の長手方向の単位長さああたり
の糸密度F(本/cm)、積層された中空糸シートの単位
厚さああたりの積層枚数I(枚/cm)の関係も重要な要
件であり、本発明者らの実験によればFおよび/または
Iがが増加するに連れて、人工肺のガス交換能は明らか
に向上するが、同時に血液側の圧力損失も増加する。従
つて低圧損で高いガス交換効率の人工肺を実現するため
には、 108/(3.0×D)≦F×I<108/(0.93×D) の関係が存在していることが好ましい。
F×Iがこの範囲より小さいと物質交換能が低すぎる
し、またF×Iがこれ以上だと圧力損失が大きくなりす
ぎる。なおこの式でDは、簾状シートの横糸として1本
ずつの中空糸を用いるときは使用される中空糸の外径
(μ)、複数本の中空糸の束を用いる場合には、所定の
本数の中空糸が圧潰しないように細密に充填してなる円
筒の外径(μ)を表す。
本発明におけるもう一つの要件は2枚の多孔板3、3′
の間に積層された中空糸シートの積層厚みT(cm)が 0.5≦T≦12.0 の範囲にあることである。積層されたシート層の厚みは
特に圧力損失と関係するが、これ以上の厚みでは圧力損
失が大きくなりすぎて、拍動流型ポンプの利用の際に問
題になる。またこれ以下では、プライミング時のエアー
抜き、装置本体との接続などの面で取扱いが面倒にな
る。
上記簾状に形成された中空糸シートは所定の枚数に積層
した後、2枚の多孔板で狭持し、この状態で角筒状のハ
ウジング内に収容される。中空糸シートの積層体を収容
したハウジングは中空糸の開口端を粘度の高い樹脂で目
詰めした後、または中空糸の開口端をヒートシールや圧
潰により閉塞した後、遠心接着機に装着されて、その両
端部にポリウレタン、シリコーン、エポキシ樹脂等を注
入して、所定の硬化を行い、次いで硬化した樹脂の外端
部を切断して、中空糸を開口させる。
本発明装置を人工肺として使用する場合においては、ハ
ウジング内に形成された流体入口室に熱交換用の金属製
のパイプを組み込んで人工肺と熱交換器を一体化しても
よい。
第6図は血液入口室Aに多数の熱交換用のステンレスパ
イプ15を中空糸4と平行に組み込んでその両端部を樹脂
隔壁5、5′内に埋め込んで開口し、ハウジングの上端
をパイプの内部空間と連通する熱媒体入口17を有する上
部ヘツダ7で覆っている。またたハウジングの下端をパ
イプの内部空間と連通する熱媒体出口18を有する下部ヘ
ツダ8で覆っている。第6図では熱交換能を向上させる
ために血液入口室を2枚の隔壁19、19′で血液入口ヘツ
ダ室、熱交換室及び血液出口ヘツダ室の3室に区別し
て、2枚の隔壁で形成される熱交換室に熱交換用のパイ
プ15を収容している。血液入口ヘツダ室を形成する隔壁
19の下部には血液入口ヘツダ室と熱交換室を連通する開
口22が穿設されている。またた血液出口ヘツダ室を形成
する隔壁19′の上部には熱交換室と血液出口ヘツダ室を
連通する開口23が穿設されている。第7図は第6図に示
す熱交換室にコイル状に巻回した伝熱管25を収容した例
であり、伝熱管への熱媒体の入口26と出口27はハウジン
グ1の側壁の上部と下部に設けられている。
第6図及び第7図には第1図と同一部所に同一番号を付
して説明を省略する。
本発明の装置は人工肺にとどまらず他の多くの用途の流
体処理に用いられる。例えば中空糸を介して異なる2種
類の液体間で物質移動を行わせる透析等では、2種類の
液体を中空糸の内部または外部のどちらに流しても構わ
ない。通常被透析物質を含む流体を中空糸内部に流すこ
とが好ましい。中空糸を介して気体と液体間で物質移動
を行わせて液体内へ気体を溶解させたり気体を放出させ
るガス交換などでは、上記人工肺と同様に気体を中空糸
の内部に流し液体を中空糸の外部に流すことが好まし
い。中空糸を介して異なる2種類の気体間で物質移動を
行わせる場合には、2種類の気体を中空糸の内部または
外部のどちらに流しても構わない。中空糸により気体ま
たは液体に含まれる特定の物質を分離する気体または液
体の過、濃縮では気体または液体は中空糸の内部また
は外部のどちらを流しても構てない。通常中空糸の外部
を流すことが好ましい。
本発明者らは、本発明装置の効果を確認するため、種々
の実験を行った。
実験例1 中空糸として、外径360μ、内径280μ、空孔率約50%の
ポリプロピレン多孔性中空糸を1本ずつ長さ方向の密度
(F)が17本/cmとなるように配列して、縦糸として30デ
ニール(12フイラメント)のポリエステル糸を用いて密
度(W)が1本/cmとなるように中空糸を簾状に編組して
中空糸シートを形成した。この中空糸シートを第3図に
示すように単位厚さ当りの積層枚数(I)が30枚/cm、幅
が8cmとなるように折り畳んで厚さ(T)が4cmの中空糸
シートの積層体を形成した。この積層体のF×Iは510
であり、有効膜面積は1.58m2であつた。この積層体を
8mm間隔で直径3mmの多数の開孔を穿設した厚さ3.5mm
の2枚のポリプロピレン多孔板で狭持して、角筒状のハ
ウジング内に収容した。角筒状のハウジングの寸法は8
cm×6.6cm×15cmであり、ガス交換室と血液入口室は厚
さ3.5mmの隔壁で区割され、ガス交換室の幅は55mmであ
つた。そして中空糸の両端をポリウレタン樹脂の隔壁で
支持させて第1図に示す人工肺を作製した。その時中空
糸の有効長は11cmであつた。
上記2種類の人工肺を37℃に加温された牛血を用いて、
酸素流量と血液流量の比が1.0になるように血液と純酸
素を流し、人工肺性能評価基準案(日本人工臓器協会)
に従つて試験した結果を表−1に示す。なお以下の評価
において最大血液流量が2000(m/分/m2)または血
液流量6/分のときの圧力損失が300(mmHg)以上は実
用上問題があり本発明の範囲外とし右端に*を記した。
実験例2 実験例1と同一の中空糸シートを用いて2枚の多孔板に
狭持される中空糸の積層体の積層厚さ(T)を表−2に示
されるように変えた4種類の人工肺を作製し、実験例1
と同一の試験を行つた結果を表−2に示す。
実験例3 縦糸の密度(W)を表−3に示されるように変えた4種類
の中空糸シートを作製して、実験例1と同様に中空糸シ
ートの積層厚み(T)が4cm、膜面積1.58m2の積層体
を形成し、実験例1と同様の人工肺を作成して、実験例
1と同一の試験を行つた結果を表−3に示す。
実験例4 実験例1と同一の中空糸を用い、該中空糸の長さ方向の
密度(F)を変えて配列して実験例1と同様に縦糸密度(W)
が1本/cmとなるように簾状に編組した中空糸シートを
形成した。そして該中空糸シートの単位厚さ当りの積層
枚数(I)を変えて積層厚み(T)が4cmの積層体を形成し
て、実験例1と同様の人工肺を作成し実験例1と同一の
試験を行つた結果を表−4に示す。
実験例5 実験例1に示された中空糸を複数本束ね、かつ中空糸束
の配列を変えて、実験例1と同様に縦糸で編組した中空
糸シートを作成した。そして積層厚み当りの積層枚数
(I)を変えて厚さ4cmの積層体を得た。この積層体を用
いて実験例1と同様の人工肺を作製しし同様の試験を行
つた結果を表−5に示す。
実験例6 中空糸として、外径250μ、210μ、空孔率約50%のポリ
プロピレン多孔性中空糸を1本ずつ縦糸で編組した中空
糸シートの積層体を用い、表−6に示すように各パラメ
ータを変え実験例1と同様な4種類の人工肺を作製し、
実施例1と同様な試験を行つた結果を表−6に示す。
実験例7 中空糸として、外径51μ、内径320μ、空孔率約50%ポ
リビニルアルコール多孔性中空糸を1本ずつ長さ方向の
密度(F)が14本/cmとなるように配列して、縦糸として3
0デニール(12フイラメント)のポリエステル糸を用い
て密度(W)が1本/cmとなるように中空糸を簾状に編組
して中空糸シートを形成した。この中空糸シートを単位
厚さ当りの積層枚数(I)が22枚/cm、幅6cmとなるよう
に折り畳んで厚さ(T)が4cmの中空糸シートの積層体を
形成した。この積層体のF×Iは308であり、有効膜面
積は0.52m2であつた。この積層体を実験例1と同じ多
孔板で狭持し、角筒状ハウジング(6cm×6.6×12cm)内
に収納し、第1図に示す装置を作成した。一方密度(W)
が0.1本/cmの中空糸シートを用いて多孔板を設けない
装置を別に作成した。上記2種類の中空糸の有効長は7
cmであつた。
上記2種類の装置を37℃に加温された牛血液(Hct=38
%、TP=6.0g/d)で評価した。血液流量を100mmin
として中空糸の外部に流し、中空糸内部の液を段階的
に増加させ、30分間に膜間圧力差が急激に上昇する直前
の液流量を最大過流量を(QFmax)とした。評価結
果を表−7に示す。
実験例8 中空糸として、外径225μ、内径175μのエチレンビニル
アルコール共重合体中空糸を1本ずつ長さ方向の密度
(F)が24本/cmとなるように配列して、縦糸として30デ
ニール(12フイラメント)のポリエステル糸を用いて密
度(W)が1本/cmとなるように中空糸を簾状に編組して
中空糸シートを形成した。この中空糸シートを単位厚さ
当りの積層枚数(I)が45本/cm、幅が6cmとなるように
折り畳んで厚さ(T)が4cmの中空糸シートの積層体を形
成した。この積層体のF×Iは1080であり、有効膜面積
は1.14m2であつた。この積層体を実験例1と同じ多孔
板で狭持し、実験例7と同じハウジング内に収納し、装
置を作成した。一方密度(W)が0.1本/cmの中空糸シート
を用いて多孔板を設けない装置を別に作成した。上記2
種類の中空糸の有効長は8cmであつた。
上記2種類の装置を37℃に加温された牛血液を用いて、
血液を中空糸内部、透析液中空糸外部に流し、人工腎性
能評価基準(日本人工臓器協会)に従つて試験した結果
を表−8に示す。
実施例9 中空糸として、外径260μ、内径210μのポリ−4−メチ
ルペンテン−1よりなる中空糸を1本づつ縦糸で簾状に
形成した中空糸シートを積層して、表−7に示すように
各パラメータを変えた第1図に示す5種類の装置を作成
し、実施例1と同様な試験を行つた結果を表−9に示
す。
(発明の効果) 以上のように本発明の中空糸型流体処理用装置は、中空
糸を介しての単位面積当りの物質交換能が大きく、流体
のチヤンネリングや滞留部の発生は殆どなく、優れた性
能が発揮できる。また、容易に作製できるため安価で、
かつコンパクトなため特に血液を処理するための装置と
しては体外への血液運搬量が少なくなり、患者の負担を
軽減するという利点を有している。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の中空糸型流体処理用装置の断面図であ
り、第2図は第1図のA−A断面図であり、第3図は中
空糸シートの積層方法を示す斜視図であり、第4図は中
空糸シートの断面図であり、第5図は中空糸シートの積
層状態を示す平面図であり、第6図及び第7図は熱交換
器と一体化された装置の断面図である。 1……角筒状ハウジング 2……隔壁 3,3′……多孔板 4……中空糸 5,5……樹脂隔壁 6……開口 7……上部ヘツドカバー 8……下部ヘツドカバー 10……血液入口 11……血液出口 12……ガス入口 13……ガス出口 A……血液入口室 B……ガス交換室

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】角筒状のハウジングを隔壁で第1の流体の
    入口または出口室と物質交換室とに区割し、該物質交換
    室に対の多孔板で狭持された1本または複数本の中空糸
    を縦糸で簾状に形成した中空糸シートの積層体を収容し
    て、該中空糸をその両端が開口するようにハウジングの
    両端を閉塞する隔壁で支持し、かつ該隔壁の下部に第1
    の流体の入口または出口室と物質交換室とを連通する開
    口を穿設するとともに、該ハウジングの上端に中空糸の
    内部空間と連通する第2の流体の入口または出口を有す
    る上部ヘツドカバーを設け、かつ該ハウジングの下端に
    中空糸の内部空間と連通する第2の流体の出口または入
    口を有する下部ヘツドカバーを設け、しかも該ハウジン
    グの上部側壁に第1の流体の入口または出口室と連通す
    る第1の流体の入口または出口と、物質交換室と連通す
    る第1の流体の出口または入口を設けたことを特徴とす
    る中空糸型流体処理用装置。
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