JPH06148328A - 車両用障害物認識装置 - Google Patents

車両用障害物認識装置

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JPH06148328A
JPH06148328A JP4297417A JP29741792A JPH06148328A JP H06148328 A JPH06148328 A JP H06148328A JP 4297417 A JP4297417 A JP 4297417A JP 29741792 A JP29741792 A JP 29741792A JP H06148328 A JPH06148328 A JP H06148328A
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武朗 本郷
Yuzo Yamamoto
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  • Measurement Of Velocity Or Position Using Acoustic Or Ultrasonic Waves (AREA)
  • Optical Radar Systems And Details Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 障害物センサ自身の特性から避け難い見落と
しや誤認の生じる頻度を低減させる。 【構成】 障害物センサ10は車両周辺の障害物を検出
し、移動量出力手段40は車両の移動量を出力する。車
両に対して固定された位置関係にある多数の小領域に障
害物が存在する確率を、記憶手段210に記憶する。確
率値導出手段202は障害物センサ10の出力から各小
領域毎に障害物が存在する確率値を出力する。確率演算
手段203は確率値導出手段202の出力した確率値
と、対応する小領域に対する記憶手段から読み出した確
率値とから、新たな確率値を演算し、メモリーを更新す
る。アフィン変換手段205は、移動量出力手段40の
出力から得られる車両の変位と方位角の変化との情報か
ら、変換パラメータを算出し、記憶手段210から確率
値を読み出し、算出したパラメータに従ったアフィン変
換を行って得られた値を記憶値として記憶手段に書き込
む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両用障害物認識装置に
係り、より詳しくは、車両が障害物との衝突を回避して
安全に走行できる速度になるようにドライバーに警報を
与える車両用障害物認識装置、あるいは、車速を自動的
に制御する装置に必要とされる障害物検出装置として好
適な車両用障害物認識装置に関する。また、本発明の車
両用障害物認識装置は、特に、工場内の搬送車両や自動
車における縦列駐車、車庫入れ等の低速走行時の安全走
行装置用の車両用障害物認識装置として好適である。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、車両の円滑な走行を阻止する障害物を検出し、警報
あるいは減速・停止させるために利用される車両用障害
物認識装置が知られている。この車両用障害物認識装置
は、超音波やマイクロ波を投射するセンサを用いて、超
音波パルスやパルス状のマイクロ波を投射し、障害物で
反射した反射波が戻ってくるまでの時間から超音波やマ
イクロ波が到達する範囲内の障害物までの距離を把握す
るものである。また、光を利用して上記と同様に光を照
射し、障害物からの反射光を検出して障害物までの距離
を検出するものもある。これらのセンサに共通する欠点
は、障害物の位置が車両から離れるに従って超音波や光
等の強度が減衰することにより、障害物の検知が困難に
なるということである。また、多重反射した媒体により
誤認が生じるという欠点もある。
【0003】特開昭57−175442号公報には、予
め定めた車両近傍の所定距離内に障害物が存在すること
を検知すると、この所定距離を表示部にホールドして表
示する技術が開示されている。この技術は、至近の死角
に入って検知できない障害物に対する警報、表示のため
に、接近した障害物を検出した場合、その検出情報を記
憶保持する技術であるため、記憶する要素は後述する本
発明と類似しているが本発明とは主旨が異なっている。
また、単一のセンサ信号によって障害物を検出すると信
頼性が低下する、という問題に対する対策は何も行って
いない。
【0004】特開昭57−182673号公報には、所
定の時間間隔毎に出力される複数の距離情報を記憶し、
各距離情報がこれらの複数の距離情報により定められる
距離値を中心とする所定範囲内に存在するときその距離
値を距離情報として出力することにより、超音波を用い
て障害物を検出するときの距離の誤検出を防止し正確な
距離を求める技術が開示されている。しかしながら、車
両の移動が無視できるほどの短い時間内でセンシングを
繰り返し、センシングした値が近いものを選択すること
で雑音による誤動作を防止する技術であり、センシング
の信頼性を向上させようとする目的は本発明と共通する
が、本発明と異なり移動した後のセンシング結果を総合
して判断する機能は含まれていない。従って、短時間で
繰り返し測定できるセンサにのみ適用が限定され、また
車両が移動しても過去の結果を総合して判断していない
ので信頼性の劣ったものとなる。
【0005】特開昭58−221111号公報には、距
離測定手段と2次元表示手段とを設け、2次元表示手段
に距離測定手段で測定した車両と障害物との距離に応じ
た情報を表示すると共に、車両の速度に応じた所定のタ
イミングで、2次元表示手段の表示情報を異なる表示座
標に更新し、車両と障害物との位置関係を2次元座標上
に表示する技術が開示されている。この技術によれば、
ドライバは車両の任意部分と障害物との位置関係を2次
元座標上で確実に知り得るし、また車速情報及び障害物
を同時に視覚的に確認し得る。しかしながら、単に座標
の表示と車の移動とを連動させた技術であり、直進に近
い走行をする場合に限っての手法が示されているだけで
あり、過去の観測結果と最新の観測結果とを融合してよ
り信頼度の高い情報を得ることについては何等記述され
ていない。
【0006】上記のように、従来技術では障害物の見落
としや誤認といった不具合を避けることはできず、シス
テムの信頼性向上、無人走行時の高速化に対する障害と
なっている。
【0007】本発明は上記問題点を解消すべくなされた
もので、障害物センサ自身の特性から避け難い見落とし
や誤認の生じる頻度を低減させることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、車両周辺の障害物を検出する障害物センサ
と、車両の移動量を出力する移動量出力手段と、複数の
小領域に分割した車両周辺の領域について、それぞれの
小領域毎に障害物が存在する確率及び障害物が存在しな
い確率の少なくとも一方を表す確率値を記憶する記憶手
段と、障害物センサの出力に基づいて記憶手段に記憶し
た確率値を更新する第1の確率更新手段と、移動量出力
手段の出力から得られる車両の変位及び方位角の変化に
基づいて、記憶手段に記憶した車両の変位及び方位角の
変化が生じる前の小領域の確率値を車両の変位及び方位
角の変化が生じた後の小領域の確率値に更新する第2の
更新手段と、を含んで構成したものである。
【0009】
【作用】本発明では、複数の小領域に分割した車両周辺
の領域について、それぞれの小領域毎に確率値を記憶す
る記憶手段を設け、車両の周辺の小領域毎の障害物の有
無の情報として車両周辺の障害物を検出する障害物セン
サの出力を用い、障害物が存在する確率を表す確率値、
障害物が存在しない確率を表す確率値、または障害物が
存在するあるいは存在しない確率を表す確率値として記
憶手段に記憶させる。本発明では障害物の存在、非存在
を確率で表現する場合、いわゆるベイズ(Bayes) の確率
を適用することができるが、ベイズの確率で表現すると
未知を的確に表現できないという欠点がある。これに対
して、確率の要素として未知を含むデンプスター−シェ
ーファー(Dempster-Shafer) の確率を適用すると未知を
的確に表現できるので有効である。第1の確率更新手段
は、障害物センサの出力に基づいて記憶手段に記憶した
確率値を更新する。これによって、障害物センサが測定
したときに確率値が更新される。第2の更新手段は、移
動量出力手段の出力から得られる車両の変位及び方位角
の変化に基づいて、記憶手段に記憶した、車両の変位及
び方位角の変化が生じる前の小領域の確率値を車両の変
位及び方位角の変化が生じた後の小領域の確率値に更新
する。このように車両の変位及び方位角の変化に基づい
て確率値を更新するため、車両が移動しても常に小領域
を車両の基準から見た特定の位置に存在させたときの確
率値を記憶させることができる。また、時間を隔てて出
力される障害物センサの出力を用いて、記憶した確率値
と障害物センサ出力から得られた確率値とを統合した確
率値を記憶手段に記憶させることができるので、記憶し
た確率値は過去に観測した履歴を反映したより確かな障
害物の存在または非存在に関する情報となる。すなわ
ち、同一の場所に障害物が存在していた、あるいは存在
していなかったという過去の観測の結果を参照して総合
的な確率として表現されるので、正確性が増大する。し
たがって、単一のセンサ信号だけでは、見落としや誤認
が避けられない状況でも、障害物を正しく認識できるよ
うになり、障害物の表示装置や警報装置と組み合わせて
使用すればより信頼性の高いシステムを構成することが
できるようになる。
【0010】以上のように、本発明によれば、単一のセ
ンサ信号に基づいて障害物の表示、警報を行う場合に比
較してより正確な表示、警報を行うことがが可能となる
から、安全に対する信頼性の高いシステムを構築するこ
とができる。
【0011】
【その他の発明の説明】次に、上記のように構成した本
発明(第1の発明)の原理を詳細に説明しながらその他
の発明について説明する。車両周辺に障害物が存在する
とき、障害物センサで必ずしも障害物を検出できるとは
限らない。障害物センサは、ある限られた領域の障害物
を検出して信号を出力するが、その出力は必ずしも正し
いとは限らない。しかし、障害物センサの何回かの観測
結果を総合して判断すれば、より正確な判断が期待でき
る。図3は、その簡単な例を示したもので、車両Aが移
動しながら二等辺三角形状の検出領域を備えた障害物セ
ンサで観測した際、1回の観測で何の障害物も検出しな
かったときには上記の理由から、本当に障害物が存在し
ないと判断するには不十分である。しかし、複数回、例
えば、3回以上障害物が存在しないとの観測結果が得ら
れればほぼ安全と判断してよいと考えることができる。
そのとき、位置によって、障害物センサが3回観測した
領域E3 、2回観測した領域E2 、1回観測した領域E
1 、障害物の観測が0回の領域E0 とに分けることがで
き、各領域毎にどの程度安全が確認されているか異なる
ことになる。図3で、斜線で示した領域E3 は、矢印で
示される移動に伴って観測された3回の結果を統合し
て、安全であると判断できる領域であるが、移動しなが
ら観測して得られた障害物センサの複数の出力を統合し
て、ある位置に障害物が存在するか否かを判断すると
き、その位置によって判断のあいまいさが異なることに
なる。これを的確に表現するには、その位置に応じて、
障害物が存在する、もしくは存在しないといった事象を
確率的に表現する方法が有効である。
【0012】さて、ある障害物センサの障害物検出出力
を、その障害物センサの検出領域内の障害物の有無に関
しての確率的な情報であると考え、他の障害物センサの
出力(同一障害物センサを用いた異なる時点での出力、
あるいは、異なるセンサによる出力)のその検出領域に
関する出力を加味し、確率的に表現して、その検出領域
に関する障害物の有無の判断を下せば、単一の障害物セ
ンサの出力に基づいて判断する場合よりも、より信頼性
の高い確かな判断が下せることになる。また、その判断
の根拠の確からしさも示すことができる。
【0013】このように複数の観測結果を処理して積み
重ねれば、あいまいさの残る障害物センサの情報でも段
々と確かなものになっていくから、確実な安全性の判断
が行えることが期待できる。本発明のポイントは、移動
する車両に取り付けられた障害物センサの出力に対し、
上記のような信頼性を向上させる手法を適用することに
ある。
【0014】ところで、上記のような手法を適用するに
あたって問題となるのは、車両に取り付けられた障害物
センサは、車両の移動とともに移動するから、ある時点
での障害物センサの検出領域は、一般的には時刻の経過
とともに地面に対して移動していくことになり、他の時
点の障害物センサの検出領域とも、他の障害物センサの
検出領域とも一致しないため、これらを単純に重ね合わ
せができないことである。
【0015】この問題を解決するために、次の(1)〜
(4)の手法を採用する。 (1)図4に示すように、車両Aの周辺の領域Rを、例
えば格子状の複数の小領域rに分割する。
【0016】(2)障害物センサが出力する障害物の有
無の情報を、上記の各小領域毎の障害物が存在する確
率、障害物が存在しない確率として用いる。
【0017】(3)小領域毎に障害物が存在する確率、
障害物が存在しない確率を表す確率値を小領域と照合で
きる形式で記憶しておく。
【0018】新たに障害物センサが出力する障害物の有
無の情報を得たときに、この有無の情報を各小領域毎の
障害物が存在する確率、障害物が存在しない確率として
用いると共に、その小領域に記憶した確率値を参照し
て、今まで得られたその小領域に関する障害物センサの
出力を統合して得られる障害物の存在する確率、存在し
ない確率またはこれらの両方の確率を計算し、その確率
値を記憶し直す。
【0019】上記の処理を逐次繰り返すことにより障害
物検出の信頼性を向上させる。図5は、その処理の例を
示したもので小領域毎に障害物が存在しそうか否かを表
す確率値を記憶しておき、新たな障害物センサの観測結
果が得られる度にその確率値を更新する処理を繰り返す
ことで信頼性の高い障害物の存在の認識結果を記憶して
おくことができる。
【0020】上記の障害物センサの新たな観測結果によ
り、記憶した確率値の更新処理を実行するに当たって
は、記憶した確率値に対応する各小領域と障害物センサ
の検出領域との関係を常に明らかにしておく必要があ
る。すなわち、車両の移動によって変化する、センサの
検出領域と、記憶している小領域との関係を明らかにす
る必要がある。これは、車両の移動量を常に把握すれば
実現できる。
【0021】ところで、確率値を記憶しておく小領域の
とりかたとして、(a)地面に固定された小領域をとる
方法と、(b)車両に対して固定された位置関係にある
小領域をとる方法との2つの方法がある。(a)の方法
は、車両が移動する範囲全てについて、確率値を記憶す
る記憶領域を用意する必要があり、移動範囲が限定され
る車両については問題ないが、一般的には必要とする記
憶領域が膨大なものとなり実用的ではない。また、
(b)の方法は、常に車両を基準とした位置で記憶され
ており、安全を判断するのに必要な大きさの記憶領域を
確保すれば良いから、上記の(a)の方法に比べて記憶
領域が小さくてすみ、また車両に固定されている障害物
センサの出力との対応がとり易いという利点がある。こ
の小領域のとり方として(b)の方法を採用する場合、
障害物は地面に対して移動していないと仮定すると、車
両に対して固定された位置関係にある小領域に関して記
憶した障害物に関する情報は、車両の移動により車両固
定座標系での他の小領域についての障害物の情報を示す
ことになる。すなわち、地面に対して移動しない障害物
は、車両を基準にしてみると領域を移動したことにな
る。従って、記憶した確率値の間で、車両の移動に応じ
てある小領域についての確率値を対応する小領域の確率
値へ移動する必要がある。つまり、図6に示されるよう
に、ある時点に車両が座標(Xn,Yn)の位置で方位
θnの方向を向いており、次の時点で座標(Xn+1,
Yn+1)の位置で方位θn+1の方向に移動したと
き、座標(X,Y)の位置の確率値は、車両に固定され
た座標系では車両が移動したとき異なる位置の確率値と
して表現する必要がある。この車両の移動に伴う確率値
の移動の処理は、幾何学的変換処理におけるいわゆる並
進と回転との組み合わせで表現することができ、いわゆ
る画像処理でよく利用されるアフィン変換を行えばよ
い。すなわち、小領域毎の確率値を画像処理の場合のよ
うに2次元のデータとして扱うことにより、画像処理用
のプロセッサを利用して高速にアフィン変換を実現する
ことができる。本発明の他のポイントは、例えばアフィ
ン変換を利用することにより、車両の変位及び方位角の
変化に基づいて、記憶手段に記憶した車両の変位及び方
位角の変化が生じる前の確率値を車両の変位及び方位角
の変化が生じた後の小領域の確率値に更新することであ
る。
【0022】ところで、障害物の存在を確率で表現する
場合に、いわゆるベイズの確率で表現する方法が一般的
であるが、ベイズの確率は、測定されていない領域すな
わち未知の領域に付いて表現が的確でないという欠点が
ある。すなわち、ベイズの確率では未知の領域を、障害
物が存在する確率を0.5、存在しない確率を0.5と
して表現するため、どれだけ信頼性高く測定が行われた
か直感的に把握し難いという問題点がある。むしろ、存
在する確率も存在しない確率も0と表現した方が理解が
容易である。確率は、全ての事象の確率値の和を1にす
るという制約から、ベイズの確率は、未知の領域を存在
と非存在とに均等に割り当てる為に的確に表現できな
い。これに対して、存在するか非存在であるかどちらか
という事象を用意して、未知の場合、この事象に1を割
り当てるデンプスター−シェーファーの確率を適用する
と的確に表現できる。すなわち、一般的な確率に変え
て、デンプスター−シェーファーの確率を用い、障害物
センサの出力を、障害物が存在する、存在しない、未知
(存在するもしくは存在しない)の3つの事象の確率値
として表現することにより、より的確に障害物の存在を
認識することが可能となる。なお、3つの事象の確率値
の和が1という制約があるから、実質的には2つの事象
への確率値がわかればよいことになる。
【0023】上記の原理に基づいて第2の発明は、図1
に示すように、車両周辺の障害物を検出する障害物セン
サ10と、車両の移動量を出力する移動量出力手段40
と、車両に対して固定された位置関係にある小領域に障
害物が存在する確率または存在しない確率を、小領域に
対応した確率値として記憶し、この確率値を入力に応じ
て読み出し、書き込む記憶手段210と、障害物センサ
10の出力を入力し、この入力に基づいて車両に対して
固定された位置関係にある複数の小領域のそれぞれに対
する確率値を出力する確率値導出手段202と、確率値
導出手段202と記憶手段210とに接続され、確率値
導出手段202の出力した小領域に障害物が存在するま
たは存在しない確率値と、対応する小領域に関して記憶
手段から読み出した確率値とから、両者を加味して得ら
れる確率値を演算しこの値を対応する小領域に関する確
率値として書き込むように記憶手段に書き込み信号を出
力する確率演算手段203と、移動量出力手段40と記
憶手段210とに接続され、移動量出力手段40の出力
から得られる車両の変位と方位角の変化との情報から、
予め定めた式に基づいて変換パラメータを算出し、記憶
手段210に記憶した確率値を読み出し、算出したパラ
メータに従ったアフィン変換を行って得られた値を記憶
値として書き込むように記憶手段に書き込み信号を出力
して、移動にともなう各小領域の確率値の変化を、他の
領域の障害物の存在する確率値より算出して全ての小領
域の確率値を更新するアフィン変換手段205と、から
構成されている。
【0024】この第2の発明によれば、移動量測定手段
の信号に基づいて、記憶手段の記憶した各小領域に対応
した確率値がアフィン変換され、その結果、記憶した確
率値の対応する小領域は、車両の移動にかかわらず、常
に車両を基準とした同一の位置の領域となる。従って、
確率導出手段が出力する車載障害物センサの出力を車両
周辺の小領域毎の障害物の有無に関する確率値と、記憶
手段の記憶している確率値に対応する小領域とは、車両
が移動しても常に車両基準から見た特定の位置にある同
一の領域とすることができる。従って、時間を経過して
得られるそれぞれの障害物センサの出力は、確率演算手
段によってその領域に関してそれまで得られた障害物セ
ンサの出力を統合した結果を確率値として記憶している
記憶手段の値と統合され、新たな障害物センサの出力を
反映した小領域における障害物の存在確率を記憶手段に
記憶しておくことが可能となる。すなわち、記憶手段が
記憶した値は、過去に障害物センサが測定した結果の履
歴を反映したより確かな障害物の存在に関する確率情報
となり、同一の場所に障害物が存在したあるいは存在し
なかったという過去の観測の結果を参照して総合的に存
在する確率として信頼性の高い確率値が得られる。した
がって、単一のセンサ信号だけでは、見落としや誤認が
避けられない状況でも、正しく判断できるようになるか
ら、障害物の表示装置や警報装置の要素として本障害物
認識装置を使用すれば、より信頼性の高いシステムを構
成することができるようになる。
【0025】また、第3の発明は、図2に示すように、
車両周辺の障害物を検出する障害物センサ10と、車両
の移動量を出力する移動量出力手段40と、車両に対し
て固定された位置関係にある小領域に障害物が存在する
確率と存在しない確率とを表す確率値を、小領域に対応
した確率値として記憶し、この確率値を入力に応じて読
み出し、書き込む記憶手段210と、障害物センサ10
の出力を入力し、この入力に基づいて車両に対して固定
された位置関係にある複数の小領域のそれぞれのに対す
る障害物が存在する確率と存在しない確率とを表す確率
値を出力する確率値導出手段202と、確率値導出手段
202と記憶手段210と接続され、確率値導出手段2
02の出力した小領域に障害物が存在する確率と存在し
ない確率とを表す確率値と、対応する小領域に関して記
憶手段から読みだした確率値とから、両者を加味して得
られる障害物が存在する確率と存在しない確率とを表す
確率値を演算しこの値を対応する小領域に関する確率値
として書き込むように、記憶手段に書き込み信号を出力
する確率演算手段203と、車両の移動量出力手段40
と記憶手段210とに接続され、移動量測出力段40の
出力する車両の変位と方位角の変化との情報から、予め
定めた式に基づいて変換パラメータを算出し、記憶手段
に記憶した値を読み出し、算出したパラメータに従った
アフィン変換を行って得られた値を書き込むように記憶
手段210に書き込み信号を出力して、移動にともなう
各小領域の障害物の存在する確率の変化を、他の領域の
障害物の存在する確率値より算出して全ての小領域の障
害物の存在する確率を更新するアフィン変換手段205
と、から構成されている。
【0026】障害物の存在を確率で表現する場合に、い
わゆるベイズの確率で表現すると未知を的確に表現でき
ないという欠点がある。これに対して、確率の要素とし
て未知を含むデンプスター−シェーファーの確率を適用
する事が有効である。第3の発明では、これに対応し
て、記憶手段に記憶する確率として、障害物の存在する
確率と存在しない確率との2つの値を持たせることがで
き、存在する確率、非存在の確率とも0で表現できる。
したがって、障害物センサが一度も観測したことがない
領域の小領域に対応する確率値は存在の確率、非存在の
確率とも0の値を示し、障害物センサの死角となってい
たことを的確に表現できる。
【0027】以上のように、単一のセンサ信号に基づい
て障害物の表示、警報するのに比してより正確な表示、
警報が可能となるから、安全にたいする信頼性の高いシ
ステムを構築することができる。また、未知の領域も、
安全が確認されていない領域として重要であるが、第3
の発明ではこれを積極的に認識できるようにしている。
【0028】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例に基づいて詳
しく説明する。図7は、本発明の具体的な1実施例にか
かる障害物認識装置が適用された車両の構成を示すブロ
ック図である。この車両(例えば、無人搬送車)は、左
右の駆動車輪50、51を駆動することで、直進、旋
回、スピンターン等の走行を行う。この車両には、障害
物センサ10が取り付けられ、この出力信号を演算装置
20で処理してより信頼性高い安全についての判断を行
わせるものである。一方、演算装置20は、左右の駆動
車輪の回転量を測定するためのエンコーダ52、53と
接続され、車両の移動量を把握できるようになってい
る。また、CRT61とも接続され、車両周辺の障害物
の状況が画像面上でモニタできるようになっている。な
お、この車両には、自由に回転可能な従動輪60、61
が取り付けられている。
【0029】また、演算装置20には、光ビームを投光
する投光器100、光に対して感度を有する受光器10
1及び投光器100と受光器101とを駆動するセンサ
ドライバ102で構成された障害物センサ10が接続さ
れている。障害物センサ10の投光器100及び受光器
101は、車両の走行方向前方の部位に車両幅方向に所
定間隔隔てて取り付けられており、演算装置20はこの
障害物センサ10の出力を基準に車両の速度を制御する
ことで障害物との衝突を回避する。
【0030】図8及び図10は、障害物センサ10及び
障害物センサ10の検出領域の詳細を示すものである。
障害物センサ10の投光器100は、図10に示すよう
に、21個のアレイ状の発光素子E1〜E21で構成さ
れ、受光器101は24個のアレイ状の受光素子R1〜
R24で構成されている。走行方向前方の検出領域は、
21の投光方向と24の受光方向とが交差する504の
交差領域(A1,1 〜A 24, 21の504領域)に分割し、
センサドライバ102によって投光器100の光の投光
方向と受光器101の受光領域との切り換えを制御し
て、交差領域の全てについて障害物の有無を検出するよ
うに構成している。すなわち、センサドライバ102に
よって、発光素子E1 〜E21のいずれか1つの発光素子
から光ビームを投光し、受光素子R1 〜R24で反射光が
受光されたか否か判断することを発光素子の全てについ
て行うことによって、全ての交差領域に障害物が存在す
るか否かを判断している。
【0031】図9は、障害物センサの測定原理を示した
もので、投光器100の発光素子が投光した光ビームと
受光器101の受光素子の受光領域とが交差する交差領
域(斜線で示す領域でA1,1 〜A24, 21のいずれか1つ
の領域)に障害物が存在すると、投光器100の発光素
子が投光した光ビームが障害物で反射され、その反射光
が受光器101の受光素子で観測される。これに対し、
障害物が存在しないときには、受光器101の受光素子
には投光器100の発光素子が投光した光ビームは観測
されない。従って、この反射光が観測されたか否かを判
断することにより交差領域内の障害物の有無を検出でき
る。本実施例における障害物センサ10は、この原理に
基づいて障害物を検出し、投光器100の発光素子から
投光された光ビームが障害物で反射して受光器101の
受光素子で検出されたとき、センサドライバ102から
障害物が検出された交差領域の領域番号を示すデジタル
信号を演算装置20に出力する。この領域番号は、1〜
504の数値や(1,1)〜(24,21)の番号を利
用することができる。なお、発光素子及び受光素子の個
数は上記の個数に限定されるものではなく、必要に応じ
て増減することができる。
【0032】演算装置20は、障害物センサ10の信号
を受け、本実施例の信号処理装置として機能する。図1
1は、演算装置20の機能の詳細を示したブロック図で
ある。障害物センサ10からの信号は、投光ビームと受
光領域との各交差領域について、障害物が検出された場
合に、その領域を特定する番号(投光器についての1〜
21の数と受光器についての1〜24の数字のペア)が
出力として与えられる。この信号は、確率値導出手段2
02に送られる。この確率値導出手段202では、次の
(1)と(2)との2つの処理を行う。 (1)障害物センサの投光ビームと受光領域との交差領
域全てに付いて、障害物がありそうな領域、障害物
がなさそうな領域、未知の領域の3つの領域に分類す
る。 (2)上記(1)の結果から、記憶手段に記載する小領
域(以下セルというが、上記交差領域とは一致しない)
毎の障害物の存在確率値および非存在確率値を設定す
る。なお、交差領域とセルとの位置関係の例を図12に
示す。
【0033】上記(1)の各交差領域の、、の領
域への分類を図13に示す。すなわち、障害物センサが
出力した領域については、の領域に分類し、同じ投光
ビーム上にあり障害物が検出された領域よりセンサに近
い領域についてはの領域に分類し、同じ投光ビーム上
あるいは受光領域上の障害物が検出された領域より遠い
領域についてはの領域に分類する。また、ある投光ビ
ーム上でどの領域にも出力が得られなかったものに付い
ては、その投光ビーム上の全ての領域をの領域に分類
した。各交差領域の番号は、図10に示したように予め
定まっているから、(1)の分類についてはこの番号の
大きさを比較することにより容易に行うことが可能であ
る。各交差領域の番号は、投光ビームおよび受光領域と
も車両より遠くなるにつれて番号が大きくなるように設
定してもよい。
【0034】次に、確率値導出手段202は、、、
の領域に分類された結果を基に、記憶手段210に記
憶する小領域に対応した確率値を設定する。まず、記憶
手段210に記憶する小領域は図4のように分割されて
いる。
【0035】すなわち、車両を基準として、12.8m
四方の領域を512×512の正方形の小領域(セル
25mm×25mm)に分割した。分類された結果から、セ
ンシングの結果に対するこれらのセルへの確率の設定は
次のように行う。予め、障害物センサの各交差領域の車
両に対する位置を測定しておき、これらの交差領域と確
率値記憶のためのセルとの対応を図14に示されるテー
ブルとして確率値導出手段202に記憶しておく。ま
た、各交差領域の検出結果に対する信頼度(確率値)を
同様にこのテーブルに記憶しておく。
【0036】確率値導出手段202の各セルの確率値の
設定はつぎの(1)、(2)の手順で行う。
【0037】(1)初期化(各セルの存在確率Psce
を0、非存在確率Pscnを0に設定する) (2)図14のテーブルと、、の領域に分類され
た交差領域とを参照して、各交差領域に含まれるセルを
求め、次式にしたがって演算して得られる値をそれぞれ
のセルに設定する。
【0038】・交差領域がの領域に分類されたセル Psce=Ps/N、Pscn=0 ・交差領域がの領域に分類されたセル Psce=0、 Pscn=Ps ・交差領域がの領域に分類されたセル Psce=0、 Pscn=0 ただし、 Ps:当該交差領域の検出結果の信頼度、
N:当該交差領域に含まれるセルの総数である。
【0039】そして、確率値導出手段202は、以上の
ようにして設定された各セルの確率値を出力する。
【0040】確率演算手段205は、確率値導出手段2
02が出力する各セルごとの確率値(存在確率Psc
e、非存在確率Pscn)と、記憶手段に記憶した各セ
ル毎の確率値(存在確率Pce(n)、非存在確率Ps
cn(n))とを入力し、2つの確率値を統合した確率
値(存在確率Pce(n+1)、非存在確率Pcn(n
+1))を算出し、記憶手段の対応するセルの記憶位置
に記憶させる。これらの演算は各セル毎に行い、また、
確率値の統合は次式に基づいたプログラムに従って演算
装置20によって行う。
【0041】
【数1】
【0042】一方、移動量出力手段203は、左右の駆
動車輪の回転を計測できるように取り付けられたエンコ
ーダ52、53が出力するパルスをカウントし、所定時
間毎の車輪の移動量を求める。すなわち、左右両輪の移
動量から、次式に従って演算することにより変位Δ1、
方位の変化Δθを算出し、出力する。
【0043】すなわち、 Δθ=θ(n+1)−θ(n)=(Dl−Dr)/Tread Δ1=(Dl+Dr)/2 ただし、Dl、Drは左右の駆動車輪の移動量、Tre
adは左右の駆動車輪間の距離である。なお、演算装置
20が車輪の移動量指令値を出力するものであれば、そ
の指令値に基づき移動量が出力できるので、これにより
移動量出力手段203に代えることができる。
【0044】アフィン変換手段205は、移動量出力手
段203の出力する移動量と、記憶手段210の記憶し
た各セルの確率値とを参照して、移動に伴って変化する
車両周辺の小領域に対応したセルの確率値の移動を演算
によって求め、この確率値を更新する。一般に回転と並
進との運動の組み合わせで表される走行によるある地点
の位置の移動は、次式で与えられる。
【0045】
【数2】
【0046】すなわち、ある時点で車両固定の基準座標
系での点(X(n),Y(n))の位置は、車両の走行
に伴って変化した後の車両固定の基準座標系では点(X
(n+1),Y(n+1))の位置になる。逆に、移動
後の点(X(n+1),Y(n+1))の位置のセルの
確率値は、移動前の点(X(n),Y(n))の位置の
確率値に対応する。アフィン変換手段は、移動後の各セ
ルの確率値を、移動量出力手段203が出力する移動量
を参照して、移動前の対応するセルを求め、その確率値
を移動後の対応セルへ移動させる処理を移動後の全セル
について実行する。本実施例では、変換の精度を上げる
ため、移動前の位置(X(n),Y(n))の点の確率
値を、周辺の4点のセルの確率値を4点補間して求め精
度を上げている。この処理は、CPUとは独立にいわゆ
るDSPと呼ばれる専用プロセッサを利用して行う。5
12×512点のセルのデータをDSPの処理が可能な
記憶領域におき、車両の移動量に対応するアフィン変換
係数を設定して、車両の移動に対応するアフィン変換を
約100msecと高速で実行することができる。
【0047】記憶手段210は、各セル毎の障害物の存
在する確率値を記憶する存在確率記憶手段211と非存
在の確率値を記憶する非存在確率記憶手段212とを備
えているが、障害物センサ10の出力に基づいて確率値
を更新するのはCPUで実行されるプログラムであり、
移動量出力手段の出力に基づいてアフィン変換されて値
を更新する処理はいわゆるDSPで実行されるから、こ
の両者が高速でアクセスできるメモリを使用する。
【0048】また、実施例では、この確率値によって示
される認識結果を表示するため、いわゆるフレームメモ
リー(画像メモリ)と接続し、このメモリ内容をCRT
30上にカラー表示して確認できるようにしている。
【0049】図15は、以上の処理を行う演算装置のハ
ードウエア構成の一例を示したものである。このハード
ウエアは、左右の駆動車輪に取り付けられたエンコーダ
52、53の信号を入力し所定時間毎のそれぞれの車輪
の回転量をCPUに取り込むためのカウンタ及び障害物
センサの出力を取り込むPIOを備えたボード40、ア
フィン変換を高速に実行するDSPボード50、記憶し
た各セルの確率値を表示するための画像メモリボード6
0、および、確率値導出手段202、確率演算手段20
3、移動量測定手段40、DSPによるアフィン変換の
コントロールの各プログラムを実行するCPUボード7
0から構成されている。記憶手段210を実現するハー
ドウエアとしては、カラー画像メモリボード223の r
ed画素(赤色画素)を障害物の存在確率、 green画素
(緑色画素)を障害物の非存在確率に割当る。これによ
り、CRT画面上では、障害物のありそうな領域が赤
く、安全そうな領域が緑に、また不明確な領域が黒く表
示され人間にとって直感的に理解し易い表示が行える。
【0050】また、これらのボードは、いわゆるVME
バス上で動作し、CPUおよびDSPは、この画像メモ
リボードの上記メモリにアクセスできる。障害物センサ
の信号の取り込みと、移動に対応したアフィン変換と
は、非同期で行っており、確率値導出手段、確率値演算
手段、移動量出力手段、DSPによるアフィン変換のコ
ントロールの各プログラムは、いわゆるリアルタイムO
S(オペレーティングシステム)の管理の元で互いに通
信しながら実行される。
【0051】以上の構成により、障害物センサによる観
測結果は、車両基準の座標系で表された位置に応じ、障
害物が存在するか否かを確率的に表現したものに変換さ
れ、記憶手段に記憶されたその観測時点までに得られた
同様の確率表現のデータと、新に得たデータとを総合し
て得られる確率値を記憶させることにより、これまでの
障害物センサの観測結果の履歴を反映した信頼度の高い
認識結果を得ることができる。また、移動に拘らず、記
憶した確率値が、常に車両基準の座標系となるように、
左右の車輪の回転量から車両の移動および方向の変化を
求め、移動に伴う確率値の並進回転の変換パラメータを
設定し、これを高速に行わせることが可能になってい
る。この確率値の記憶を画像メモリーにおいて行わせる
ことにより、CRT上に周辺の障害物の認識結果を常に
車両基準で表示されることが可能になる。以上の実施例
では、左右の駆動輪の回転差で操舵を実現するタイプの
車両に付いて述べたが、いわゆる自動車型の操舵輪を持
つ4輪構成の方式でも同様の構成が可能である。すなわ
ち、図16のように、上記移動量D(ZL)H手段40
を、操舵輪の舵角δを測定する角度計80と、左右の後
輪の移動量Dl、Drを測定するエンコーダ90、9
2、および以下の式で上記実施例と同様に変位及び方位
角の変化Δ1、Δθを算出する算出手段で構成すること
により上記実施例と同じ効果を得ることができる。
【0052】 Δ1=(Dl+Dr)/2 Δθ=θ(n+1)−θ(n)=Δ1・tan(δ)/WB WB:前輪と後輪との間隔 上記と同様にして、3輪構成の車両等にも本発明を容易
に適用できるのは言うまでもない。
【0053】また、以上の実施例では、障害物センサと
して、光を利用したセンサを用いる例を示したが、本発
明は、このセンサに限定されるものではない。障害物セ
ンサとして用いられるものは、全てその検出範囲を特定
することが可能なものであれば、本発明の確率値導出手
段をセンサの種類に応じて構成することが可能である。
別のセンサの例として超音波ソナーの場合の、確率値導
出手段での確率の割当方の例を図17に示す。すなわ
ち、ソナーは、発射した超音波が最短時間で戻ってきた
ところまでの距離を出力する。また、発射した超音波の
広がりは、あらかじめ測定することができるから、図1
7のように、広がりに応じた検出領域で、距離分解能に
応じた横長領域のどこかに障害物があり、それより近い
領域には障害物がなく、遠い領域は、わからない領域と
解釈することができる。この解釈に基づいて同様に確率
値導出手段が構成できることは自明である。また、超音
波ソナー以外でも、マイクロ波レーダや、レーザレーダ
でも同様に適用できることも自明であろう。
【0054】また、以上の実施例では、信頼性の高い認
識結果を人間に対して表示することでその利点を発揮す
る例を示したが、この認識結果をもとに障害物との衝突
を回避するための警報を出すようにすれば、誤報の少な
い確かな警報とすることが可能である。すなわち、車両
のコースを予測し、この予測した領域に障害物があるか
ないかを、このコースに含まれる記憶手段に記憶した小
領域(セル)ごとの障害物の存在の確率、非存在の確率
から、信頼性高く演算することができる。すなわち、走
行コースが安全であるということは、コース内の全ての
領域について障害物が存在しない確率で表せるから、そ
の領域の障害物が存在しない確率の最低値で表すことが
できる。一方、観測が不十分なときは、各小領域毎の障
害物の存在する確率も、障害物が存在しない確率値も低
く安全であるとはいえないまでも、障害物が存在すると
も言い切れないから、必ずしも停止する必要はなく徐行
して観測すればよいと考えられる。逆に、必ず停止する
必要があるのは、明らかに障害物が存在すると判断され
た場合で、これは、走行コース内の小領域のどこかに障
害物が存在する確率が高い時であると考えることができ
る。走行コースは、車速、操舵角度等から予測すること
ができる。また、このコースが決定されれば、そこに含
まれる小領域も特定できるから、走行コース全体に障害
物が存在しない確率、走行コースのどこかに障害物が存
在する確率を算出することができることを意味する。こ
のコースに障害物が存在しない確率が十分高ければ警報
はなし、コースに障害物が存在しない確率が低く、どこ
かに障害物が存在する確率も低ければ徐行、どこかに障
害物が存在する確率が高ければ停止、といった警報を信
頼性高く出力できるから、本発明の認識装置を警報装置
に接続すれば、誤報なく、状況に的確に対応できる警報
を出力させることが可能となる。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、障
害物センサの出力と移動量出力手段の出力とに基づいて
障害物の存在及び非存在に関する少なくとも一方の確率
値を更新するようにしているため、過去の観測の結果を
反映させて総合的な確率として表現でき、これによって
障害物の避け難い見落としや誤認の生じる頻度を低減し
て精度よい障害物認識を行うことができる、という効果
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は第2の発明を示すブロック図である。
【図2】図2は第3の発明を示すブロック図である。
【図3】図3は障害物センサの何回かの観測結果を総合
して判断する状態を示す線図である。
【図4】図4は車両周辺に設けた多数の小領域を示す線
図である。
【図5】図5は記憶した確率値を更新する状態を示す説
明図である。
【図6】図6は確率値をアフィン変換する状態を示す線
図である。
【図7】図7は本発明の第1実施例の車両を示すブロッ
ク図である。
【図8】図8は障害物センサ及び検出領域を示す線図で
ある。
【図9】図9は障害物センサの測定原理を説明する線図
である。
【図10】図10は図8の詳細をし示す線図である。
【図11】図11は演算装置を示す機能ブロック図あ
る。
【図12】図12はセルと交差領域との関係を示す線図
である。
【図13】図13は障害物の存在領域、非存在領域及び
わからない領域を示す線図である。
【図14】図14は交差領域とセルとの関係を表すテー
ブルを示す線図である。
【図15】図15はカラー表示を行うハードウエアの構
成をしめすブロック図である。
【図16】図16は4輪自動車の図7と同様のブロック
図である。
【図17】図17は超音波ソナーによる障害物の存在、
非存在の領域を示す線図である。
【符号の説明】
10 障害物センサ 40 移動量出力手段 30 表示装置 31 警報装置

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両周辺の障害物を検出する障害物セン
    サと、 車両の移動量出力する移動量出力手段と、 複数の小領域に分割した車両周辺の領域について、それ
    ぞれの小領域毎に障害物が存在する確率及び障害物が存
    在しない確率の少なくとも一方を表す確率値を記憶する
    記憶手段と、 障害物センサの出力に基づいて記憶手段に記憶した確率
    値を更新する第1の確率更新手段と、 移動量出力手段の出力から得られる車両の変位及び方位
    角の変化に基づいて、記憶手段に記憶した車両の変位及
    び方位角の変化が生じる前の小領域の確率値を車両の変
    位及び方位角の変化が生じた後の小領域の確率値に更新
    する第2の更新手段と、 を含む車両用障害物認識装置。
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