JPH06148195A - ヒトc−kit癌原遺伝子産物の測定法 - Google Patents

ヒトc−kit癌原遺伝子産物の測定法

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JPH06148195A JP31439192A JP31439192A JPH06148195A JP H06148195 A JPH06148195 A JP H06148195A JP 31439192 A JP31439192 A JP 31439192A JP 31439192 A JP31439192 A JP 31439192A JP H06148195 A JPH06148195 A JP H06148195A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ヒトc−kit癌原遺伝子産物に特異性を有
するモノクローナル抗体を用いる体液中の可溶性該産物
の測定。 【効果】 簡便にしてしかも正確に測定が行われ、造血
器腫瘍等の診断に利用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒトc−kit癌原遺
伝子産物に対して特異性を有するモノクローナル抗体を
用いる測定法に関する。さらに詳しくは、本発明はヒト
c−kit癌原遺伝子産物に対して特異性を有し2種類
の異なる抗原決定基(以下、エピト−プという)を認識
するモノクローナル抗体を用いて、未標識のモノクロー
ナル抗体を一次抗体とし、ヒトc−kit癌原遺伝子産
物の異なるエピト−プを認識する抗体を標識した後これ
を二次抗体として、体液中の可溶性c−kit癌原遺伝
子産物を検出定量することを特徴とする測定法に関す
る。さらに、本発明は、白血病細胞株の細胞培養上清中
に可溶性c−kit癌原遺伝子産物が存在することを新
たに見いだし、これを標準物質として使用することを特
徴とする体液中の可溶性c−kit癌原遺伝子産物の測
定法に関する。
【0002】ヒトc−kit癌原遺伝子産物は、そのm
RNAの有無を調べた研究等から、未分化な造血幹細胞
に多く発現することが知られており、c−kit癌原遺
伝子産物の発現異常は、造血幹細胞レベルでの腫瘍化、
造血器腫瘍に影響を及ぼすと考えられている。また、各
種の造血サイトカインの受容体は血清中に可溶性型で存
在することが知られており、これらを検出定量すること
は各種造血系疾患の診断、および治療に有用である。よ
って、本測定法は白血病等の造血器腫瘍、その他の造血
系疾患等の診断薬としての用途を有する。
【0003】
【従来の技術】v−kitはネコの線維肉腫から得られ
たレトロウイルスの癌遺伝子である。v−kitに対応
するc−kitのコードするタンパク質(c−kit癌
原遺伝子産物)は受容体型のチロシンキナーゼで最近そ
のリガンド分子が固定され、ステムセルファクター(S
CF)などと呼ばれている。このc−kit癌原遺伝子
に異常のあるWマウスは貧血、色素異常のモデルとして
古くより研究されていたが、最近の研究によりこの異常
がc−kit癌原遺伝子産物とステムセルファクターに
よるシグナル伝達に関わる異常であることが明らかにさ
れている。これまでマウスc−kit癌原遺伝子産物に
対する抗体であるACK2(J.Exp.Med.,v
ol.174,p.63,1991)を用いて、ヒトc
−kit癌原遺伝子産物を白血細胞株上に検出した例が
報告されているが、ヒト生体試料(たとえばヒト骨髄細
胞)上の該産物を直接に検出することはできなかった。
【0004】また、造血器腫瘍である白血病やリンパ腫
は、未分化な段階の細胞が腫瘍化した疾患であると言え
るが、その腫瘍化した血球の増殖にもいくつかのサイト
カインが関与していることが明かになっている。c−k
it癌原遺伝子産物のリガンドであるステムセルファク
ターも一部の急性骨髄性白血病の細胞の増殖を刺激する
ことが報告されている。
【0005】このように造血機構においてc−kit癌
原遺伝子産物とそのリガンドであるステムセルファクタ
ーは重要な役割を果たしており、そのシグナル伝達系に
関わる異常は少なからず正常な造血機構に影響するもの
と考えられる。しかるに現在までに、造血器腫瘍におけ
るc−kit癌原遺伝子産物の発現とその病態との相
関、あるいは血清中あるいは体液中に存在するc−ki
t癌原遺伝子産物の測定、定量と疾患との相関等につい
て詳細に検討されることはなかった。わずかに造血器腫
瘍細胞におけるc−kit癌原遺伝子mRNAの有無を
調ベた研究等があるのみである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、簡便に血清
あるいは体液中の可溶性c−kit癌原遺伝子産物を再
現性よく測定する方法を提供することを目的としたもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するためになされたものであって、各方面から検討の
結果、ヒトc−kit癌原遺伝子産物に特異性を有する
抗体、特にモノクローナル抗体にはじめて着目するに至
った。そして更に検討を行い、該モノクローナル抗体を
産生することのできる融合細胞(ハイブリドーマ)の創
製に成功しただけでなく、効率的に該モノクローナル抗
体を産生せしめ、そして該モノクローナル抗体を用いる
ことによって、体液中に可溶性の該産物が存在すること
を新に発見し、この新知見を利用して可溶性の該産物の
簡便にして正測な測定法を開発するのに成功し、遂に本
発明の完成に至ったものである。
【0008】すなわち、本発明は、抗c−kit癌原遺
伝子産物抗体を用いて生体試料中の可溶性c−kit癌
原遺伝子産物を測定する方法に関するものである。
【0009】本発明を実施するには、目的とする新規な
モノクローナル抗体を創製する必要がある。そして目的
とするモノクローナル抗体を新たに創製するには、該抗
体産生能を有するハイブリドーマの創製が不可欠であ
る。
【0010】このような観点から、目的とするモノクロ
ーナル抗体を産生する能力を有するハイブリドーマを創
製することとし、そのため、本発明においては、免疫原
としてヒト巨核芽球性細胞株(UT−7)に着目しただ
けでなく、更に効率化を図るためにドナーのcDNAか
ら目的とする遺伝子のcDNAを単離し、これをレシピ
エントに形質導入してなる形質導入株を使用することと
した。すなわち、本発明者らは先ず、ヒトc−kit癌
原遺伝子産物を高発現する白血病細胞株UT−7のcD
NAライブラリーより単離したc−kit癌原遺伝子の
cDNAをマウス繊維芽細胞L−cell、およびBa
lb/3T3cellに、それぞれ、形質導入した形質
導入細胞(トランスフェクタント)を作製した(HCK
/L,HCK/3T3)。
【0011】次いで、このようにして得た安定発現株
を、それぞれ、免疫原として例えばマウスに免疫し、そ
の脾細胞、リンパ節細胞あるいは、Bリンパ球を抗体産
生細胞として得る。この抗体産生細胞はマウス、ヒトあ
るいはラットの骨髄腫細胞をいわゆる細胞融合法を用い
て融合細胞(ハイブリドーマ)を形成させ、上記L−c
ellと同様にc−kit癌原遺伝子を導入したマウス
由来繊維芽細胞株Balb/3T3cellに特異的に
反応する抗体をそれぞれ産生するクローンを選択する。
このようにして得られた抗体産生細胞(ハイブリドー
マ)を、L6、L15と命名した。これらは、いずれ
も、工業技術院微生物工業技術研究所に寄託されている
(L−6:微工研菌寄第13224号;L−15:微工
研菌寄第13225号)。
【0012】これらのクローンをそれぞれ常法にしたが
って培養し、モノクローナル抗体L6及びL15を分離
採取する。得られたモノクローナル抗体は、免疫沈降
法、ウエスタン−ブロッティング法等により目的とする
抗c−kit蛋白抗体であることが確認された。
【0013】こうして得られる抗ヒトc−kit癌原遺
伝子産物モノクローナル抗体は、これらを直接蛍光色素
標識する方法あるいは、あらかじめ蛍光色素標識された
二次抗体を用いる方法などによって、フローサイトメト
リーを用いた細胞表面に発現されたc−kit癌原遺伝
子産物の測定に用いることができる。また、本モノクロ
ーナル抗体は、標識としてFITCやローダミンといっ
た蛍光物質を用いて直接法、間接法、サンドイッチ法等
によって該産物を測定するのに使用できるほか、フェリ
チン抗体法、酵素を標識として用いるエンザイムイムノ
アッセイ(EIA)、ラジオアイソトープでラベルした
抗原ないし抗体を用いるラジオイムノアッセイ(RI
A)等、各種のイムノアッセイに本モノクローナル抗体
は広範に使用することができ、効率的に該産物の測定、
検出をすることができる。
【0014】さらにエピトープの異なる2種のモノクロ
ーナル抗体を用いてサンドイッチエライザ(ELIS
A)法等を適用することによって血清中あるいは体液中
の可溶性c−kit癌原遺伝子産物を測定することがで
きる。また、白血病細胞株の細胞培養上清中に可溶性c
−kit癌原遺伝子産物が存在することを新たに見いだ
し、これを標準物質として使用することにより、安定的
にc−kit癌原遺伝子産物を検出することが可能とな
り、このことによって、検体の測定値の再現性を高める
ことができる。
【0015】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明をより具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。
【0016】
【実施例1 モノクローナル抗体の作製】
【0017】(1)免疫原の作製 c−kit癌原遺伝子産物を高発現することが知られて
いる白血病細胞株UT−7のcDNAライブラリーより
単離したc−kit癌原遺伝子のcDNAを動物細胞発
現用ベクターBCMGSNeoに組み込んだ後、マウス
繊維芽細胞L−cell、およびBalb/3T3 c
ellに、それぞれ、形質導入した形質導入細胞(トラ
ンスフェクタント)を作製し(HCK/L、HCK/3
T3)、これを免疫原とした。
【0018】(2)融合細胞の作製
【0019】(a)免疫 8週令のBalb/cマウス(雌)3匹に、HCK/3
T3、HCK/L、CD34/Lトランスフェクタント
をそれぞれ2週間隔で腹腔内投与した。免疫終了後、マ
ウス尾静脈より採血した血清を用いてHCK/3T3、
HCK/L、CD34/Lトランスフェクタント、白血
病細胞株UT−7cellに対する反応性をチェックし
た。免疫原とは異なるトランスフェクタントとの反応性
に有意差が得られたことを確認し、最終免疫、細胞融合
を行った。
【0020】(b)細胞融合 最終免疫から4日後、HCK/3T3、HCK/Lトラ
ンスフェクタントを免疫したマウスの脾臓細胞と、マウ
ス骨髄腫由来細胞P3−X63−Ag8−U1(P3U
1)細胞を用いて、常法に従って細胞融合を行った。
【0021】(c)ハイブリドーマのスクリーニング
【0022】白血病細胞株との反応性 ハイブリドーマの1次スクリーニングとして、白血病細
胞株UT−7cellを抗原とした間接蛍光抗体法によ
って、ハイブリドーマ培養上清の反応性により陽性クロ
ーンを選択した。ハイブリドーマ培養上清とUT−7細
胞浮遊液を氷冷で30分反応、洗浄後、FITC標識抗
マウスIgG抗体溶液を添加した(氷冷、30分)。洗
浄後、フローサイトメーターによって蛍光強度の測定を
行った。
【0023】形質導入細胞との反応性 2次スクリーニングとして、生細胞を抗原とした間接蛍
光抗体法を用い、形質導入細胞(トランスフェクタン
ト)に対するハイブリドーマ培養上清の反応性により陽
性クローンを選択した。
【0024】HCK/3T3トランスフェクタントで免
疫して得られたハイブリドーマ培養上清は、HCK/
L、CD34/Lトランスフェクタントを用いてスクリ
ーニングし、HCK/Lトランスフェクタントで免疫し
て得られたハイブリドーマ培養上清は、HCK/3T3
トランスフェクタント、Balb/3T3を用いてスク
リーニングした。ハイブリドーマ培養上清のスクリーニ
ングは、HCK/3T3、HCK/Lトランスフェクタ
ントを免疫したものそれぞれ945well、707w
ellについて行った。判定は、HCK/L、CD34
/Lに対する反応性がそれぞれ陽性、陰性のクローン
を、また、HCK/3T3、Balb/3T3に対する
反応性がそれぞれ陽性、陰性のクローンを選択した。
【0025】スクリーニングの結果、2クローン(L
6、L15)を得た。これらのハイブリドーマは、それ
ぞれ微生物工業技術研究所に寄託されている(L−6:
FERM P−13224;L−15:FERM P−
13225)。
【0026】(d)抗体の精製 培養上清を限外ろ過濃縮した後、結合緩衝液(Bior
ad、ProteinA MAPSII Buffer)
と等量混合しサンプルとする。ProteinA−Se
pharose CL−4Bカラム(ファルマシア)を
結合緩衝液で平衡化し、サンプルをカラムに流して抗体
を結合させた後、結合緩衝液でカラムを洗浄した。0.
2M Gly−HCl(pH3.0)で溶出し、モノク
ローナル抗体L6及びモノクローナル抗体L15の分画
をそれぞれ得た。
【0027】(e)抗体の標識 精製した各抗体について、ビオチン標識及びFITC
(フルオレッセイン イソチアシアナート アイソマ
ー)標識を行った。
【0028】ビオチン標識(BioradのBioti
nylation Kitを使用) 抗体溶液を0.05Mほう酸バッファー(pH8.6)
に交換し1mg/mlに調製後、ビオチン化試薬(アマ
シャム、Biotinylation Kit)を加
え、室温で1時間攪拌した。反応液をSephadex
G−25カラムにかけ、未反応ビオチンを除去した
後、ビオチン化抗体をそれぞれ得た。
【0029】FITC標識 抗体溶液を0.05M炭酸バッファー(pH9.5)に
交換し1mg/mlに調製後、FITC(Becton
Dickinson、Fluorescein Is
othiocyanate Isomer)をDMSO
に溶解(1〜2mg/ml)し、抗体溶液にゆるやかに
攪拌しながら添加した。4℃で1晩攪拌(遮光下)した
後、反応液をSephadex G−25カラムにかけ
未反応FITCを除去し、FITC標識抗体をそれぞれ
得た。これらの点から、そしてまた後記するところから
も明らかなように、本モノクローナル抗体は、いずれ
も、化学物質、蛍光物質、酵素その他各種の標識と容易
に結合できるだけでなく、正確にして簡便且つ迅速な測
定を可能にするものである。
【0030】
【実施例2 白血病細胞株培養上清中のc−kit癌原
遺伝子産物の検出】白血病細胞株培養上清、及び培養細
胞溶解物をSDSポリアクリルアミド電気泳動で分離
し、ナイロンメンブレンに転写した後、実施例1で製造
したヒトc−kit癌原遺伝子産物に対するモノクロー
ナル抗体L6を用いたウエスタンブロッティング法によ
って検出したところ、白血病細胞株培養上清中には培養
細胞の120〜140KDaより分子量の小さい可溶性
ヒトc−kit癌原遺伝子産物に対応する分子量95K
Daのバンドが検出された(図1)。
【0031】上記のことから、白血病細胞株培養上清中
にc−kit癌原遺伝子産物が存在することが明らかに
なった。
【0032】
【実施例3 モノクローナル抗体を用いたサンドイッチ
エライザ法による白血病細胞株培養上清中のc−kit
癌原遺伝子産物の測定】
【0033】抗体固相化マイクロプレートの調製 実施例1で製造したヒトc−kit癌原遺伝子産物に対
するモノクローナル抗体L6を96ウェルマイクロプレ
ートにまき、4℃で一晩放置し、固定後、洗浄し、ウシ
血清アルブミン溶液でブロッキングし、抗体固相化マイ
クロプレートとした。
【0034】標識抗体の調製 精製した抗体のアルカリフォスファターゼ標識を行っ
た。すなわち、50mMカリウム一リン酸緩衝液、アル
カリフォスファターゼ溶液、グルタールジアルデヒド溶
液を混合し反応後、ヒトc−kit癌原遺伝子産物に対
するモノクローナル抗体L15(L6とはエピトープが
異なる)を加えさらに反応後、Sephadex G−
25にかけた後、標識抗体を得た。
【0035】測 定 白血病細胞株の培養上清から、上記ヒトc−kit癌原
遺伝子産物に対するモノクローナル抗体L15を固定化
したアフィニティーカラムによって精製したc−kit
癌原遺伝子産物を連続希釈したものを標準溶液として使
用した。
【0036】上記、抗体固相化マイクロプレートにこの
標準溶液を加え室温で2時間反応させた。プレートを洗
浄後、上記、アルカリホスファターゼ標識した抗c−k
it抗体L15を加え室温で2時間反応させた。プレー
トを洗浄後、発色基質剤(0.1mM 4−メチル−ウ
ンベリフェリルホスフェート)を加え正確に30分後、
反応停止剤(10mMエチレンジアミン四酢酸を含むカ
リウム一リン酸緩衝液)を加えた。タイターテック フ
ルオロスキャンIIで励起波長355nm、発色蛍光波長
460nmで蛍光強度を測定した。
【0037】その結果、白血病細胞株培養上清において
濃度依存的に可溶性ヒトc−kit癌原遺伝子産物を検
出することが可能であった(図2)。
【0038】
【実施例4 抗c−kit抗体を用いた阻止試験】上記
標準溶液、およびヒト血清に対して、ヒトc−kit癌
原遺伝子産物に対するモノクローナル抗体L6による阻
止試験を行った。
【0039】標準溶液、およびヒト血清に、それぞれ、
抗c−kit抗体(L6)、もしくは抗ErbB−2抗
体(ニチレイ)を0〜10μg/ml(終濃度)の範囲
で添加し、反応させた後、上記、実施例3で記載した方
法と同様に反応、測定を行った。
【0040】その結果、抗c−kit抗体(L6)を添
加すると検体中のc−kit癌原遺伝子産物の蛍光強度
が低下したことから、実施例3に記載されたモノクロー
ナル抗体を用いたサンドイッチエライザ法によって、検
体中のc−kit癌原遺伝子産物を特異的に検出するこ
とが可能であることが明らかになった(図3)。
【0041】
【実施例5 ヒト血清中の可溶性c−kit癌原遺伝子
産物の検出】実施例3に記載のモノクローナル抗体を用
いたサンドイッチエライザ法によって、2例のヒト血清
中の可溶性ヒトc−kit癌原遺伝子産物の検出を行っ
た。
【0042】2例の血清検体を、ヒトプール血清を抗c
−kit抗体(L15)を固定化したアフィニティーカ
ラムによって吸収した吸収血清で希釈したところ、良好
な希釈直線が得られた。さらに、標準曲線より検体中の
c−kit癌原遺伝子産物の定量測定が可能であった。
【0043】その結果、ヒト血清においても濃度依存的
に可溶性ヒトc−kit癌原遺伝子産物を検出すること
が可能であった(図4)。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば新規なモノクローナル抗
体を使用することにより、体液中のc−kit癌原遺伝
子産物を簡便に且つ正確に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】白血病細胞株培養上清、および細胞溶解物に対
する抗c−kit抗体(L6)を用いたウエスタンブロ
ッティング法による分析結果を示す。
【図2】白血病細胞株の培養上清から、抗c−kit抗
体L15を固定化したアフィニティーカラムによって精
製し作製した標準溶液を連続希釈し、サンドイッチエラ
イザ法によって測定した標準曲線を示す。
【図3】抗c−kit抗体によるヒト血清中c−kit
癌原遺伝子産物の阻止試験の結果を示す。
【図4】ヒト血清を吸収血清で連続希釈したときの希釈
曲線を示す。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒトc−kit癌原遺伝子産物に対して
    特異性があるモノクローナル抗体を一次抗体とし、さら
    に異なる抗原決定基を認識することのできるモノクロー
    ナル抗体を標識しこれを二次抗体として用いて、可溶性
    ヒトc−kit癌原遺伝子産物を検出定量することを特
    徴とするヒトc−kit癌原遺伝子産物の測定法。
  2. 【請求項2】 モノクローナル抗体がモノクローナル抗
    体L6又はモノクローナル抗体L15であることを特徴
    とする請求項1に記載の測定法。
  3. 【請求項3】 白血病細胞株の細胞培養上清中に存在す
    る可溶性c−kit癌原遺伝子産物を標準物質として使
    用することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の
    測定法。
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