JPH06148089A - ひび割れ計測処理装置 - Google Patents

ひび割れ計測処理装置

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JPH06148089A
JPH06148089A JP13819992A JP13819992A JPH06148089A JP H06148089 A JPH06148089 A JP H06148089A JP 13819992 A JP13819992 A JP 13819992A JP 13819992 A JP13819992 A JP 13819992A JP H06148089 A JPH06148089 A JP H06148089A
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crack
mask
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craze
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JP13819992A
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English (en)
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Yasunori Nagasawa
保紀 長澤
Kazuyuki Takimoto
和志 滝本
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Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
Original Assignee
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 メモリ容量を低減し、断続していても一体と
みなせるひび割れ線のグループ化が可能なひび割れ計測
処理装置を提供する。 【構成】 本ひび割れ計測処理装置は、マスク処理部
3、2値化処理部4、面積・重心算定部5でマスク帯を
用いて画像データからひび割れ座標とひび割れ幅からな
るひび割れマスク情報を生成し、全体座標変換部8で全
体座標に変換し、太幅ひび割れデータ処理・マスク沿線
処理部10で細幅マスクデータから太幅ひび割れデー
タ、マスク沿線ひび割れデータを抽出分離し、ひび割れ
線連結処理部11、ひび割れベクトルデータ作成部13
によりひび割れマスク情報を相対するマスク間で連結し
てひび割れベクトルデータを生成する。この構成によ
り、ひび割れ座標とひび割れ幅からなるひび割れマスク
情報を取り込むだけですみ、メモリ容量を大幅に低減す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ひび割れ試験体に発生
する各種の構造実験や、構造物の維持、保全においてひ
び割れ計測用の健全診断に適用して好適なひび割れ計測
処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】構造実験におけるひび割れ計測では、ひ
び割れ幅を精度よく測定すると共に、試験体表面全域に
おけるひび割れ発生位置を測定しなければならない。こ
れに対して実験で用いられている方法では、計測時間の
関係からひび割れ幅測定位置の数がせいぜい十数個所程
度までであり、計測点数も非常に少ない。また、ひび割
れは、開きとズレの成分を有しているが、計測方法によ
っては、真のひび割れ幅、すなわちひび割れ線と直交す
る方向の幅を示していない場合がある。この問題を解決
する方法としては、各種カメラによってひび割れ領域を
画像として計測する方法が提案されているが、各種カメ
ラによってひび割れ領域を画像として計測する方法で
は、ひび割れ幅の読み取り精度を維持した画像データと
して計測、処理した場合、データ量があまりにも膨大で
あり、現状の記憶装置には収納できないという問題があ
る。また、撮影時点でデータ転送をする場合には、デー
タ量が多いため転送時間がかかりすぎ、さらに、所要の
ひび割れ特性値を得るための画像処理をするときにも処
理時間がかかりすぎる等の問題がある。
【0003】そこで、本出願人は、画像データから記録
するひび割れ情報のデータ量を削減し、メモリ容量の削
減とデータ転送時間や処理時間の短縮を図った構造実験
用ひび割れ計測処理装置を提案(実開平2−48856
号公報参照)した。これは、CCDカメラ等の撮像カメ
ラを予め指定した表面領域で自動的に移動、探査するこ
とによりコンクリート等の表面に存在するひび割れの画
像データを短時間に取り込むひび割れ計測処理装置であ
る。そして、マスクを用いて画像データからひび割れ情
報を抽出した後、ひび割れ線連結情報を得、ひび割れベ
クトルデータを生成するように構成し、そのため、ひび
割れ線連結パターンデータを有し、ひび割れ線連結パタ
ーンとの照合処理を行ってひび割れ線連結情報を得るも
のである。これにより、画像データのまま取り扱うより
も大幅に抽出データ量を少なくすることができ、データ
の転送、ひび割れ計測処理の時間を短縮することができ
るものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、実際に発生し
ているひび割れ線は、断続的に連なる線であり、且つ分
岐、交差が多岐に変化するため、上記従来のひび割れ計
測処理装置には以下のような問題があった。すなわち、 .予めひび割れ線連結パターンデータをより豊富に用
意する必要がある。
【0005】.ひび割れ線連結パターンデータとの照
合処理に時間がかかる。
【0006】.用意したひび割れ線連結パターンデー
タの中に、描画上は交差、分岐が異なるのに同一の数値
パターンとなるため誤認識してしまうケースがまれに存
在する。
【0007】.同一ひび割れ線上になるひび割れベク
トルデータを1つのグループとしての認識をさせていな
いため、個々のひび割れ線に対する統計処理、分析がで
きない。特に荷重方向を両方向に作用させる場合のひび
割れ線の識別ができない。
【0008】.マスク間隔を越える太幅ひび割れがあ
る。
【0009】本発明は、上記の課題を解決するものであ
って、メモリ容量を低減し、断続していても一体とみな
せるひび割れ線のグループ化が可能なひび割れ計測処理
装置を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】そのために本発明は、撮
像カメラをコンクリート等の表面領域で移動して画像デ
ータを取り込みコンクリート等の表面に存在するひび割
れを計測するひび割れ計測処理装置において、マスク帯
を用いて画像データからひび割れ座標とひび割れ幅から
なるひび割れマスク情報を生成し、該ひび割れマスク情
報を相対するマスク間で連結してひび割れベクトルデー
タを生成するように構成したことを特徴とする。
【0011】
【作用】本発明のひび割れ計測処理装置では、マスク帯
を用いて画像データからひび割れ座標とひび割れ幅から
なるひび割れマスク情報を生成し、該ひび割れマスク情
報を相対するマスク間で連結してひび割れベクトルデー
タを生成するので、ひび割れ座標とひび割れ幅からなる
ひび割れマスク情報を取り込むだけですみ、メモリ容量
を大幅に低減することができる。また、パターンがなく
ても、相対するマスク間で連結することによりベクトル
データを生成することができる。
【0012】
【実施例】以下、図面を参照しつつ本発明の実施例を説
明する。図1は本考案に係るひび割れ計測処理装置の1
実施例を説明するための図、図2ははり試験体における
データ処理結果の例を示す図である。
【0013】図1において、画像データ1は、CCDカ
メラ等の撮像カメラを用いて試験体表面を撮影すること
により得られるデータであり、画像入力部2は、この画
像データ1を撮像カメラから取り込むものである。マス
ク処理部3は、例えばX方向(横方向)とZ方向(縦方
向)に所定の間隔で帯状のマスクを持ち、画像入力時に
画像データにマスクをかける処理を行うものであり、こ
のマスク処理は、マスク領域のみの画像データを有効と
するものである。2値化処理部4は、マスク処理を行っ
た画像データを2値化するものである。面積・重心算定
部5は、2値化した画像データに基づいてマスク上のひ
び割れ面積と中心位置を求め、その中心位置の座標とひ
び割れ面積をマスクの帯の幅で割って得られるひび割れ
幅とからなるひび割れマスクデータを生成するものであ
る。ひび割れ情報記録部7は、ひび割れマスクデータの
みを画像入力番号データ6とともに記憶装置に記録する
ものである。撮影時には全ての画像データについて以上
の各部による処理を繰り返して行い、試験体表面全域の
データをひび割れ情報記録部7で記録する。
【0014】このように記憶されたひび割れ情報にはひ
び割れ線のつながり情報が含まれていないため、ひび割
れベクトルデータにはなっていない。そこで、まず、試
験体表面全域が撮影終了した後、ひび割れ情報記録部7
に記憶されたひび割れ情報を画像入力番号・全体座標の
対応データ9に基づき全体座標に変換するのが全体座標
変換部8であり、画像入力番号・全体座標の対応データ
9は、撮像カメラで得られる各画像に対応する画像入力
番号を全体の座標系と対応させるものである。太線ひび
割れデータ処理・マスク沿線処理部10は、全体座標に
変換したマスクデータについて、ひび割れ幅がマスク間
隔より大きいマスクデータを選別し、太幅ベクトルデー
タファイルの生成及びマスク線上に沿っているひび割れ
線のベクトルデータ化を行うものである。ひび割れ線連
結処理部11は、ひび割れ線連結情報を作り出すもので
あり、ひび割れベクトルデータ作成部13は、このひび
割れ線連結情報が生成されると、ひび割れと誤認識され
たノイズの除去を行うと共に固有のひび割れベクトルデ
ータの作成を行うものである。ひび割れ特性値の算出/
図化・その他のデータ処理14は、上記のようにして求
めたひび割れベクトルデータを用いてひび割れ幅や、角
度、ひび割れ図、頻度分布図、統計値等、所要のひび割
れ特性値を生成するものである。はり試験体におけるデ
ータ処理結果の1例を示したのが図2であり、同図
(a)がひび割れ図、同図(b)がひび割れ線に沿った
ひび割れ幅分布図、同図(c)がひび割れと鉄筋の交差
点での相関関係、同図(d)が統計的なデータ処理の出
力例を示す。
【0015】図3はカメラ1スポット分におけるひび割
れ線とマスクデータの関係を示す図、図4はマスクデー
タの書式及びマスク帯の格子状態と1エレメントの構成
例を示す図、図5はデータの構成サイズを説明するため
の図である。
【0016】計測時のひび割れマスクデータは、図3
(a)に示すようにX方向マスク帯とZ方向マスク帯
(例えばマスク幅を9画素に設定)とひび割れ線とが交
差してできる2値画像の各マスク方向での重心の座標と
平均幅を与えるものであり、その書式は、例えば図4
(a)に示すようになる。したがって、この状態では、
ひび割れ線としての連続性の情報は有していないため、
図3(b)の破線に示すようなひび割れ方向と連続性を
有するひび割れベクトルデータなどに変換する必要があ
る。
【0017】以下に説明する本発明で用いられる自走式
ひび割れ計測処理装置の1例及びデータサイズについて
説明する。自走式ひび割れ計測処理装置は、水平に60
mm間隔で4台のCCDカメラを配置し、鉛直・水平方
向に約10mmピッチで移動させながら、ひび割れ2値
画像を撮り込む。そして、カメラ1スポット分の画像の
大きさは、画素ピッチを0.02mmに設定し、X方向
が510画素×0.02mm=10.2mmでZ方向が
480画素×0.02mm=9.6mmからなる。
【0018】ひび割れ2値画像は、マスク処理をして取
り込むが、この場合の図4(b)に示すようにX方向マ
スク帯とZ方向マスク帯とで囲まれる長方形部分を「エ
レメント」、エレメントを囲むマスク帯線分を「辺」と
呼ぶ。マスク帯の標準設定として、X方向マスク帯はZ
方向に170画素ピッチで、Z方向マスク帯はX方向に
160画素ピッチで配置して、ひび割れ幅の精度を確保
するために画像は部分的に重複してとらえるように設定
し、その重複位置と重複幅は、スポット間で5画素、ユ
ニット間で35画素、ブロック間で35画素、エリア間
でX方向510画素、Z方向480画素とする。
【0019】スポットは、CCDカメラの1画面を意味
し、図5に示すようにZ方向に106スポットで1トラ
ック、X方向に6トラックで1ユニットとし、4台のC
CDカメラが各1ユニット分撮影した領域を1ブロック
とする。さらに、X方向に5ブロックで1エリアとする
と、1エリアの大きさは、X方向1200.7mm(6
0035画素)、Z方向1007.1mm(50355
画素)となる。
【0020】上記のように所定の間隔で設定されたX方
向マスク帯とZ方向マクス帯で囲まれた長方形部分をエ
レメント、このエレメントを構成するマスク帯線分の中
心線分を辺とすると、ひび割れ計測処理装置を用いてマ
スク上に得られるひび割れ情報(ひび割れマスクデー
タ)は、すべていずれかのエレメントの辺の上に位置す
ることになる。そこで、本発明のひび割れ計測処理装置
では、計測されたひび割れマスクデータそれぞれがどの
エレメントのどの辺に位置するかを定義したエレメント
情報データを作成する。このエレメント情報データをラ
スタ走査方式で順次走査しながら各エレメントに所属す
るひび割れマスクデータ個数に応じてベクトルデータを
作成し、継続点/端点/分岐点情報インデックスを与
え、かつグループ番号を与える処理を行う。
【0021】また、マスク間隔を超えるひび割れ幅を有
する太幅ひび割れ線については、エレメント情報データ
作成以前に、太幅のひび割れマスクデータを別個に集め
てベクトルデータ化を行うと共に、マスクに沿ったひび
割れ線についても別個に集めてベクトルデータ化を行
う。以上の処理により得たベクトルデータを融合して本
来のベクトルデータを形成する。
【0022】図6は太幅ひび割れ線データ処理・マスク
沿線処理部における処理の内容を説明するための図、図
7はひび割れ線連結処理部における処理の内容を説明す
るための図である。
【0023】太幅ひび割れ線データ処理・マスク沿線処
理部では、図6に示すようにまず、ひび割れ幅Wxi、W
ziがマスク間隔WM より大きいひび割れマスクデータを
選別する(ステップS1)。そして、Xマスク太幅デー
タについては、相対するXマスク上に存在する2つのマ
スクデータを繋ぐベクトルデータを形成し(ステップS
2)、同様にZマスク太幅データについても、相対する
Zマスク上に存在する2つのマスクデータを繋ぐベクト
ルデータを形成して(ステップS3)、形成されたXマ
スク及びZマスクの太幅ベクトルデータを融合させて、
1つの太幅ベクトルデータファイルを形成する(ステッ
プS4)。また、太幅ベクトルデータ形成に関与しなか
った太幅マスクデータをワークファイルとして記録し、
マスクデータから太幅データをすべて削除する(ステッ
プS5)。次にマスク線上に沿っているひび割れ線をベ
クトルデータ化する。この処理は、太幅を削除したマス
クデータの中で、太幅マスクデータワークファイルの個
々の太幅マスクデータの座標範囲に含まれるものを選別
し、選別したマスクデータを用いてベクトルデータを形
成してグループ番号を与え、沿線ベクトルデータファイ
ルとして形成する(ステップS6)。
【0024】ひび割れ線連結処理部では、図7に示すよ
うにまず、ひび割れマスクデータが所属するエレメント
及び辺の情報(エレメント情報データ)を記録する(ス
テップS7)。次に、エレメント情報データをラスタ走
査方式で順次走査してエレメント内のひび割れマクスデ
ータ個数に応じて、個数=0の場合にはベクトルデータ
は形成しない、個数=1の場合には始点あるいは終点の
端点とする、個数=2の場合にはベクトルデータを作成
する、個数=3の場合には分岐ベクトルデータを作成す
る、個数=4の場合には交差あるいは平行ベクトルデー
タを作成する、個数≧5の場合にはベクトルデータは形
成しない、のように処理する。そして、作成したベクト
ルデータが所属するグループ番号並びに継続点/端点/
分岐点情報を与える(ステップS8)。なお、個数=3
の分岐ベクトルデータ作成時には、3点のマスクデータ
からなる三角形の内角が最小になる辺をベクトル化する
ことをポイントにおき、個数=4の交差あるいは平行ベ
クトルデータ作成時には、周辺のエレメントを走査して
既成のベクトルデータ、あるいは個数=2のエレメント
データから逆に走査してベクトルデータを作成する。そ
の条件として、隣接するエレメント内に存在するベクト
ルを延長した線に最も近いひび割れマスクデータを同一
ひび割れ線データとみなす。
【0025】しかる後ひび割れ線断続性補正を行う。こ
れにより、端点のベクトルデータが所定の距離以内に他
のグループのベクトルデータを有し、かつ、両者の方向
が同様な方向に存在する場合には、両者を繋ぐ仮想ベク
トルデータ(ひび割れ幅は0とする)を設けて分岐点/
継続点を置き換え、かつ両者のグループ番号をどちらか
に統一する(ステップS9)。
【0026】ひび割れ線のグループ番号付けは、エレメ
ント(1,1)からラスタ走査方式で順次ベクトルデー
タ化してゆく際に、先に作成されたベクトルデータと継
続する場合には、先に作成されたベクトルデータのグル
ープ番号に合わせ、そうでない場合には新たなグループ
番号を付与する。
【0027】すべてのエレメント走査が終了した後に、
端点情報を有するベクトルデータをピックアップし、そ
の端点から所定の距離(例えば10mm)以内に別のグ
ループのベクトルデータが存在し、そのベクトルの方向
が同様な方向(例えば30°以内)の場合には両者を接
続して1つのひび割れ線グループとして認識する。この
ことにより、継続しているが1本とみなせるひび割れ線
のグループ化が可能となる。
【0028】さらに、本発明のひび割れ計測処理装置に
ついて実施例を詳述する。図8はひび割れマスクデータ
からひび割れベクトルデータを作成する概略フローを示
す図である。マスクデータからベクトルデータを作成す
るアルゴリズムの基本は例えば以下のとおりである。 (1)ベクトルデータの作成は、左下隅のエレメント
(座標原点に1番近いエレメント)から開始して、右方
向(X方向)へエレメントを順次処理してゆき、右端に
達すれば左端に戻ってZ方向に1エレメント分上がって
右方向に順次処理してゆく、所謂ラスタ走査方法でエレ
メントを走査しながらベクトルデータを作成する方法を
採用する。
【0029】(2)各エレメントでは、当該エレメント
内の4隅のマスクデータを含めて、2つのマスクデータ
の適正な組み合わせを決定し、1つのベクトルデータを
作成する。
【0030】(3)エレメント内のマスクデータの個数
は4個以内に制限し、マスクデータが5個以上となるエ
レメントではベクトルデータを作成しない。
【0031】(4)エレメント内の同一辺上のマスクデ
ータの個数は2個以内に制限し、同一辺上のマスクデー
タが3個以上となるエレメントではベクトルデータを作
成しない。
【0032】(5)エレメント内の同一辺上のマスクデ
ータ同士では組み合わせない。
【0033】(6)エレメント内のマスクデータが3個
存在する(「3交点エレメント」という)場合には、3
点を結ぶ三角形の3つの内角の中で1番小さい角度とな
る頂点を分岐点とみなし、他の2点を岐とする組み合わ
せを行う。
【0034】(7)当該エレメントの4−近傍エレメン
トに既存のベクトルデータが存在する場合、若しくは4
−近傍エレメントが2交点エレメントであることから容
易にベクトルデータを作成することができた場合には、
そのベクトルデータの延長線からの離れができるだけ小
さくなるようなマスクデータの組み合わせを行う。
【0035】(8)当該エレメントの辺上にマスクデー
タが2個存在する(「1辺上2交点」という)ときに
は、その辺を共有するエレメントも検討対象に入れる。
また、検討対象に入れたエレメントがもう一つの辺でマ
スクデータを2個保有している場合には、その辺を共有
するエレメントも検討対象に入れ、1辺上2交点エレメ
ントの検討対象群をつくる。
【0036】(9)検討対象にいれた1辺上2交点エレ
メント群の中に3交点エレメントが存在する場合には、
検討対象になった4交点エレメント内で形成されるベク
トルデータが交差することのないようにマスクデータの
組み合わせを行う。
【0037】(10)3交点エレメントにベクトルデー
タを形成させたとき、その分岐点を共有するエレメント
が同様に3交点エレメントであって分岐点を共有してい
る場合には、その点でひび割れが交差していると判断
し、その分岐点を除く4点で2個の交差ベクトルデータ
を作成する。
【0038】(11)ひび割れ線がマスク帯に沿ってい
る場合には、寄り添っているマスク上のデータをエレメ
ント毎に分割して仮想のマスクデータを作成し他と識別
できるようにしておく。上記のベクトルデータ作成時に
は、この仮想マスクデータを用いて隣接する2個のマス
クデータを組み合わせ、ベクトルデータを作成する。
【0039】(12)1つのひび割れ線としての連なり
を表現するために、同一ひび割れ線とみなされるベクト
ルデータには同一のグループ番号を付して識別する。な
お、ベクトルデータの始終点は、端点(グループの始点
若しくは終点)か、継続点(続くベクトルデータが1個
存在する点)か、分岐点(続くベクトルデータが2個存
在する点)かのいずれかであり、交差点は存在させな
い。
【0040】(13)グループの端点が他のグループの
ベクトルデータと所定の距離(例えば10mm)以下で
近接している場合には、最近接ベクトルデータの始点若
しくは終点を分岐点とする仮想ベクトルデータ(幅が
0)を作成し、グループを融合させ、同一グループ番号
を付し、当該端点は継続点として処理する。ただし、仮
想ベクトルと端点ベクトルがなす角度を±45°に制限
し、それ以外の角度では、仮想ベクトルの作成もグルー
プの融合も行わない。
【0041】(14)同一グループのベクトルデータ
は、グループ内の端点で全体座標原点に最も近い端点か
ら連ねて並べることとし、分岐点では右枝側にベクトル
データを連ねて端点まで並べ、枝から幹へと樹に分岐点
に戻りながら左折側の端点まで連ねて並べる。
【0042】(15)グループ内のベクトルデータ個数
が所定の個数(例えば10個)に満たないグループは、
ひび割れデータとは異なるノイズとみなし消去する。以
上のアルゴリズムをフローで示したのが図8である。ま
ず、ひび割れマスクデータのひび割れ幅がマスク間隔以
上あるものを取り出して太幅Xマスクデータ群、太幅Z
マスクデータ群を作成して太幅ベクトルデータを作成す
る(ステップS11〜S12)。また、残った細幅マス
クデータについては、修正、エレメント情報データの作
成を行って(ステップS13)、太幅ベクトルデータの
作成に関与しなかった太幅マスクデータと共に、マスク
に沿った細幅ひび割れ線データについての細幅ベクトル
データの作成、エレメント情報データの変更を行う(ス
テップS14)。しかる後、エレメント情報に基づく細
幅ベクトルデータの作成を行い(ステップS15)、太
幅ベクトルと細幅ベクトルの融合、ノイズベクトルの除
去を行ってひび割れベクトルを作成する(ステップS1
6)。
【0043】次にひび割れ太幅マスクデータの作成につ
いて説明する。図9はひび割れベクトルデータ形成領域
を説明するための図、図10は太幅ひび割れ線のラップ
状態例を示す図である。
【0044】マスクの中心間隔(WM )以上のひび割れ
幅(Wxi,Wzi)を有する太幅マスクデータに対して、
Xマスク上のデータを横太幅マスクデータとし、Zマス
ク上のデータを縦太幅マスクデータとしてファイルを作
成する。これらのファイルから以下の条件に合致するマ
スクデータを組み合わせて太幅マスクデータを作成す
る。
【0045】.相対するマスク上に存在する2つの太
幅マスクデータにおいて、そのマスク座標上でラップし
ている。 横太幅マスクデータの場合の条件(|Zi −Zi+1 |≦
M ) |Xi −Xi+1 |≦0.5×(Wxi+Wxi+1) 縦太幅マスクデータの場合の条件(|Xi −Xi+1 |≦
M ) |Zi −Zi+1 |≦0.5×(Wzi+Wzi+1) そして、ベクトルデータの形成方法は、図9に示すよう
にX座標軸に対するベクトルの角度θが0°≦θ<18
0°であるように設定する。
【0046】ひび割れ太幅ベクトルデータは、ひび割れ
線毎にグループ番号を付してグループ化する。ただし、
図10斜線部に示すようにひび割れ横太幅ベクトルデー
タでのグループとひび割れ縦太幅ベクトルデータでのグ
ループとがベクトル的に重なる場合も起こり得るので、
その場合には両者を同一グループとして融合させる。融
合/消去条件は以下のようになる。
【0047】.ひび割れ縦太幅ベクトルデータグルー
プAの端点がひび割れ横太幅ベクトルデータグループB
の中のベクトルの始終点領域内に存在する。 端点座標(Xai,Zai)とベクトル(Xbj,Zbj,X
bj+1,Zbj+1)に対し、 Xbj≦Xai≦Xbj+1、かつ、Zbj≦Zai≦Zbj+1 ただし、ひび割れ縦太幅ベクトルデータグループAのも
う一つの端点もひび割れ横太幅ベクトルデータBの中の
ベクトルの始終点領域内に存在する場合には、ひび割れ
縦太幅ベクトルデータグループAを消去する。
【0048】.上記のひび割れ横太幅ベクトルデー
タグループBのベクトルデータから順に遡ってグループ
Bの端点を探し、この端点がグループAのベクトルの始
終点領域内に存在する場合には、当該ベクトルの終点を
この端点に置き換え、当該ベクトルに続くグループAの
ベクトルをその端点まで消去する。かつ、当該ベクトル
から遡ったグループAのベクトルをグループBのベクト
ルデータと融合させ、グループBを消去する。
【0049】.とは逆に、上記のひび割れ横太幅
ベクトルデータグループBのベクトルデータに続くグル
ープBの端点を探し、この端点がグループAのベクトル
の始終点領域内に存在する場合には、当該ベクトルの始
点をこの端点に置き換え、当該ベクトル始点までのグル
ープAのベクトルをその端点まで消去する。かつ、当該
ベクトルから続くグループAのベクトルにグループBの
ベクトルデータを融合させ、グループAのグループ番号
を付す。かつ、ひび割れ横太幅ベクトルデータからグル
ープBを消去する。
【0050】.ひび割れ横太幅ベクトルデータグルー
プBの端点がひび割れ縦太幅ベクトルデータグループA
の中のベクトルの始終点領域内に存在する場合、グルー
プBの端点ベクトルの始点をグループAの中の端点ベク
トルの終点に一致させる。かつ、グループAをグループ
Bに融合させ、ひび割れ縦太幅ベクトルデータからグル
ープAを消去する。
【0051】.ひび割れ横太幅ベクトルデータグルー
プBの2つの両端点がひび割れ縦太幅ベクトルデータグ
ループAのベクトルの始終点領域に存在するならば、ひ
び割れ横太幅ベクトルデータからグループBのベクトル
データを消去する。
【0052】以上によって融合/消去させて生き残った
太幅ベクトルデータを太幅ベクトルデータファイルとし
て保存する。
【0053】次に、細幅マスクデータの修正とエレメン
ト情報データの作成について説明する。図11はXマス
クとZマスクの交差点部の取扱いを説明するための図、
図12はマスクデータの2次元配列を示す図、図13は
エレメント番号とマスク辺番号との関係を示す図、図1
4はエレメント情報データとしての交点位置指標の定義
を説明するための図である。
【0054】細幅マスクデータの修正では、細幅マスク
データにおいて、ZマスクとXマスクの交差部に2つの
マスクデータが存在する場合、一方のマスクデータを消
去して片方のみをマスク交点マスクデータとして残す。
具体的には、図11に示すように2つのマスクデータ
(Xi ,Zi ,Wxi,Wzi)と(Xj ,Zj ,Wxj,W
zj)において以下のように行う。
【0055】Wxi=Wzj=0で、かつ、Wxj>0、Wzi
>0(iがZマスク上、jがXマスク上)で .Xi =Xj ,Zi ≠Zj ならば、(Xj ,Zj ,W
xj,Wzj)をマスク交点マスクデータに採用 .図11(b)に示すようにXi ≠Xj ,Zi =Zj
ならば、(Xi ,Zi ,Wxi,Wzi)をマスク交点マス
クデータに採用 .図11(a)に示すようにXi =Xj ,Zi =Zj
で、Wxj>Wziならば、(Xi ,Zi ,Wxi,Wzi)を
マスク交点マスクデータに採用 Wzi>Wxjならば、(Xj ,Zj ,Wxj,Wzj)をマス
ク交点マスクデータに採用 なお、マスク交点マスクデータは必ずXマスク帯上に存
在させ、マスク辺番号はエレメントの辺の右辺となる場
合に位置付けることとする。
【0056】エレメント情報データの作成では、マスク
データ2次元配列:VMASK(NMI,NMS)を図
12に示すように作成する。ここで、X座標値とZ座標
値からエレメント番号(i,j)とマスク辺番号(NO
SIDE)を設定する。エレメント番号(i,j)とマ
スク辺番号との関係は図13のようになる。また、エレ
メント2次元配列:NELは以下のように作成する。
【0057】i:X座標方向でのエレメント番号 j:Z座標方向でのエレメント番号 NEL(i,j):エレメント内に存在する交点位置座
標(NPi ) ここで、エレメント情報データとしての交点位置指標は
図14のようになる。
【0058】マスク交点マスクデータの場合には、マス
ク交点を共有する4つのエレメントデータNEL(i,
j),NEL(i+1,j),NEL(i,j−1),
NEL(i+1,j−1)すべてに交点位置指標を与え
る。ただし、マスクデータVMASK(5,NMS)の
マスク辺番号は、マスク交点を右端の点として位置付け
る辺のマスク辺番号と一致させる。
【0059】次にベクトルデータの定義と作成基本手順
について説明する。図15はベクトルデータの2次元配
列を示す図、図16はエレメントデータの走査方法及び
エレメントデータを示す図である。
【0060】ベクトルデータは、エレメントデータとマ
スクデータを用いて順次作成するが、この場合の2次元
配列VDATA(NVD,NVS)を図15に示すよう
に定義する。そして、各エレメントの交点位置指標NP
i を示す図16(b)のエレメントデータを図16
(a)に示すように右下隅(1,1)から右方向(X座
標方向)に走査し、上方向(Z座標方向)に1段ずつ上
がってゆくラスタ走査方法でベクトルデータ作成処理を
行う。各エレメントの交点位置指標NPi から求めた交
点数が1辺に3交点以上存在する場合、1辺に2交点存
在する場合、1辺に1交点存在する場合に大別してベク
トルデータ作成処理を行う。
【0061】図17はベクトルデータグループ化の判定
条件を示す図である。ベクトルデータのグループ化で
は、エレメントデータをラスタ走査することによってベ
クトルデータを作成するが、その際に、図17に示すよ
うに左辺から右辺又は上辺、下辺から左右上辺へひび割
れ線として同一のひび割れと認識されるベクトルに共通
のグループ番号を付してグループ化を行う。
【0062】図18はマスクに沿ったひび割れ線におけ
るベクトルデータの形成を示す図、図19はマスクに沿
ったひび割れ線のベクトルデータ化のアルゴリズムを示
す図である。太幅ベクトルデータ作成に関与しなかった
太幅データの中には、細幅ひび割れ線がマスクに沿って
図18(a)に示すように形成されている場合がある。
この場合、Zマスクでは幅の広い太幅マスクデータ、X
マスクでは細幅マスクデータとなり、後述するように細
幅マスクデータだけからベクトルデータを作成したとき
には、エレメント毎に所要のベクトルグループを形成さ
せることができず、孤立した点若しくは断続したベクト
ルの集まりとして当該ひび割れ線が認識されてしまい、
ノイズとして除去されるケースも生じてくる。そこで、
細幅マスクデータからベクトルデータを作成する前に、
太幅ベクトルデータ作成に関与しなかった図18(b)
に示すような太幅マスクデータと細幅マスクデータから
ベクトルデータを予め作成する。この作成処理は、図1
9に示すようにして太幅ベクトルデータ作成に関与しな
かった太幅データが存在する範囲を求め(ステップS2
1)、その範囲に存在する細幅マスクデータを集めてベ
クトルデータを作成する(ステップS22〜S26)。
【0063】次にベクトルデータの作成について説明す
る。図20はエレメント内5交点以上の場合のプリント
アウト例を示す図、図21はベクトルデータ作成処理で
使用される作業配列の例を示す図、図22は3交点混じ
りエレメント群及び交点エレメント群を示す図、図23
はベクトルデータ作成の例を示す図、図24はベクトル
データの作成処理を示す図である。
【0064】ベクトルデータの作成では、マスク交点位
置指標NPi からエレメントの各辺の交点数を求め、
エレメント内の交点が5個以上存在する、ある1辺に
交点が3個以上存在する、どの辺にも交点が1個以下
である、ある1辺に交点が2個存在し、その他の辺も
2個以下の交点数である、に大別して処理を行う。
【0065】まず、上記、のようにエレメント内の
交点が5個以上になる可能性、エレメント内の4辺にお
いて、1辺上の交点数が3個以上となる可能性は薄いと
思われるので、同様の事例が出現したときの対策がとれ
るように状況証拠を例えば図20(a)、(b)に示す
ようにプリントアウトして示し、このエレメント内には
ベクトルデータを作成せずに交点位置指標に−1を乗じ
ておく。
【0066】エレメント内の4辺において、1辺上の交
点数が1個以下である場合には、エレメント内の交点数
に応じて以下のようにベクトルデータ作成処理を行う。
エレメント内の交点数が1辺に存在する(交点数1)場
合には、エレメント内ではベクトルデータを作成しない
が、端点として次の情報を与える。VMASK(6,N
MS)に−1を設定し、次のエレメントをラスタ走査す
る。ここで、NMSは当該交点マスクデータのシーケン
ス番号である。エレメント内の交点数が2辺に存在する
(交点数2)場合には、エレメントの2個の交点を相互
に結び、1つのベクトルデータを作成する。ただし、始
点Z座標値を終点Z座標値よりも小さくなるようにす
る。もし等しければ、始点X座標値が終点X座標値より
も小さくなるようにする。ベクトルデータのグループ番
号は、先に説明した方法でグループ番号を求めてVDA
TA(9,NVS)に格納する。また、始点マスクデー
タと終点マスクデータのVMASK(6,NMS)のい
ずれかが−1若しくは−2の場合には、1(始点端点)
か2(終点端点)、4(始点分岐)か8(終点分岐)を
判断してVDATA(10,NVS)に格納する。
【0067】エレメント内の交点数が3辺に存在する
(交点数3)場合には、3交点を結ぶ三角形の内角の打
ち、最も小さく角度となる交点を分岐点とする。具体的
には、3点を(X1 ,Z1 ,Wx1,Wz1)、(X2 ,Z
2 ,Wx2,Wz2)、(X3 ,Z3 ,Wx3,Wz3)とし、
以下の処理を行う。(Xi −Xj 2 ≦1画素分ならば
ij=10000とする。そうでなければTij=(Zi
−Zj )/(Xi −Xj )とする。次に、Ai =|(T
ij−Tki)/(1+Tij×Tki)|を求める。ただし、
i,j,k=1,2,3の重複しない組み合わせとす
る。そして、{A1 ,A2 ,A3 }の中で一番小さいA
i を探し、交点iを分岐点とする。
【0068】上記のよって設定した分岐点iおよび他の
2交点j,kに対応するマスクデータのシーケンス番号
(NMSi ,NMSj ,NMSk )を求める。
【0069】次に、VMASK(6,NMSi )、VM
ASK(6,NMSj )、VMASK(6,NMSk
のいずれかが0でない正の整数を示すとき、その整数が
ベクトルデータシーケンス番号であるベクトルデータの
グループ番号を調べる。そして、それらのグループ番号
の中で一番小さい値を、これから形成する2つのベクト
ルデータi−j,i−kのグループ番号とし、かつ、そ
の値以外のグループ番号を持つベクトルデータのグルー
プ番号をその値に置き換える。
【0070】VMASK(6,NMSi )、VMASK
(6,NMSj )、VMASK(6,NMSk )のいず
れも0以下の整数を示すとき、新規のベクトルデータの
グループ番号(MAXGR+1)をこれから形成する2
つのベクトルデータi−j,i−kのグループ番号とし
て与える。
【0071】そして、形成する2つのベクトルデータi
−j,i−kの分岐点情報インデックスとして、4か8
かを与え、VMASK(6,NMSi )、VMASK
(6,NMSj )、VMASK(6,NMSk )のすべ
ての値を形成した2つのベクトルデータの片方のベクト
ルデータシーケンス番号を与える。
【0072】エレメント内の交点数が4辺に存在する
(交点数4)場合には、当該エレメントの左辺上の交点
を片端とするベクトルと下辺上の交点を片端とするベク
トルとを抽出して2本の直線式1、2を求める。その直
線式に対する右辺と上辺及び残りの2辺の交点の離れの
自乗を求め、交差/無交差の組み合わせで離れの自乗和
が小さくなる組み合わせを求め、2つのベクトルデータ
形成する。具体的には、左辺上の交点を片端とするベク
トル若しくは下辺上の交点を片端とするベクトルデータ
を(X1 ,Z1 ,Wx1,Wz1,X2 ,Z2 ,Wx2
z2)とし、そのベクトルの端点でない残りの3交点を
i,j,kとしたとき、直線式Z=A×X+Bを求め
る。ここで、A=(Z1 −Z2 )/(X1 −X2 )、B
=Z1 −A×X1であるが、ただし、X1 =X2 D Y
H、直線式をX=X1 とおく。この直線式からの3交
点i,j,kの離れの自乗を求める。 D=(A×X−Z+B)2 /(A2 +1) 直線式に対する離れの自乗値で最小となる交点と直線式
との組み合わせを求め、ベクトルデータを形成する。残
りの2交点でもう1つのベクトルデータを形成させる。
この時のベクトルデータのグループ番号は、左辺上と下
辺上の各交点にきているベクトルデータのグループ番号
に一致させる。
【0073】エレメント内の4辺において、1辺上に交
点数が2個となる辺がある場合には、その辺を共有する
エレメントを続けて走査し、そのエレメントの残りの辺
において交点数が2個となる辺があるか否かを調べる。
もしあれば、続けてその辺を共有するエレメントを同様
に走査する。残りの辺上の交点数が各1個以下であれば
走査をそこでストップし、ベクトルデータ作成処理を行
う。具体的には、図22に示すような作業配列を用い
る。ただし、(NCNTi (1),NCNTj (1))
には、始点エレメントのアドレスを定義する。また、1
辺2交点で走査するエレメント群のエレメント最大数を
10個に制限し、それ以上になる場合は状況証拠とし
て、関係している1辺2交点エレメントすべてのアドレ
スと交点位置指標を示すと共に、交点位置指標に−1を
乗じてベクトルデータを作成しないようにしておく。
【0074】そして、図24に示すように1辺2交点の
場合には、始点エレメントを探して始点エレメントとし
て作業配列を作成し、終点エレメントで終点エレメント
として作業配列を作成する(ステップS31〜S3
5)。しかる後、NCSUM(i),i=l,kで3が
存在すれば図23(a)に示す分岐ベクトルデータ、図
23(b)、(c)に示すハの字ベクトルデータを作成
する(ステップS36〜S38)。
【0075】すべて4の場合には、まず、始点エレメン
トの1辺1交点を始終点とするベクトルデータが作成さ
れているかを調べ(ステップS39)、2個は作成され
ていない場合には、さらに、その1辺1交点を共有する
隣接エレメント内に未作成のベクトルデータを作成する
(ステップS40)。しかしこの場合にも無条件には2
個を作成できない場合には終点エレメントの1辺1交点
を共有する隣接エレメントが2交点保有であれば、ベク
トルデータを作成する(ステップS41)。これらの処
理により2個とも作成されると、後述のステップS46
へ移行する。
【0076】しかし、ステップS41でも無条件に2個
作成できない場合には、始点エレメント(S)とそれに
続く4交点エレメント(F)において、1辺1交点であ
る2点と共有辺2交点とから各1点ずつを組み合わせて
できる2本の直線式を求める(ステップS42)。次
に、この2本の直線式とFエレメントの共有辺以外の2
点との組み合わせを考え、その組み合わせにおいて、点
と直線の離れの自乗和が小さい組み合わせを見つけ(ス
テップS43)、共有辺以外の2点とのの2通りの組み
合わせにおいて離れ自乗和が小さい組み合わせを採用
し、SエレメントとFエレメントのベクトルデータをそ
の採用した組み合わせで形成させる(ステップS4
4)。そして、Fエレメントのベクトルデータを次スナ
ップで扱う2個のベクトルデータとする(ステップS4
5)。
【0077】次に、2個のベクトルデータから直線式
1、2を求め、始点エレメントの1辺2交点との離れの
自乗和を交差/無交差の組み合わせで求める(ステップ
S46)。離れの自乗和の小さい組み合わせについて、
ベクトルデータ2個を形成させ、マスクデータも併せて
形成させる(ステップS47)。そして、次の1辺2交
点共有エレメントを探し、当該エレメントとして1ステ
ップ前で形成された2個のベクトルデータを参照して
(ステップS48〜S49)ステップS46からの処理
を繰り返す。
【0078】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、ベクトルデータを融合して本来のベクトルデ
ータを形成するので、ひび割れ線パターンデータに全く
依存しないで所要のベクトルデータが得られると共に、
ひび割れ線毎にグループ化されているために個々のひび
割れ線毎の統計処理や分析が可能となる。また、従来の
方法で失われていたマスク線に沿うひび割れ線や太幅ひ
び割れ線、さらには、継続するひび割れ線がデータとし
て正規に取り扱われることになる。しかも、数多いひび
割れ線パターンと1つ1つ照合する従来の方法に対し
て、本発明では、エレメント情報データから一義的に決
定できるので、処理時間についても大幅に短縮すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るひび割れ計測処理装置の1実施
例を説明するための図である。
【図2】 はり試験体におけるデータ処理結果の例を示
す図である。
【図3】 カメラ1スポット分におけるひび割れ線とマ
スクデータの関係を示す図である。
【図4】 マスクデータの書式及びマスク帯の格子状態
と1エレメントの構成例を示す図である。
【図5】 データの構成サイズを説明するための図であ
る。
【図6】 太幅ひび割れ線データ処理・マスク沿線処理
部における処理の内容を説明するための図である。
【図7】 ひび割れ線連結処理部における処理の内容を
説明するための図である。
【図8】 ひび割れマスクデータからひび割れベクトル
データを作成する概略フローを示す図である。
【図9】 ひび割れベクトルデータ形成領域を説明する
ための図である。
【図10】 太幅ひび割れ線のラップ状態例を示す図で
ある。
【図11】 XマスクとZマスクの交差点部の取扱いを
説明するための図である。
【図12】 マスクデータの2次元配列を示す図であ
る。
【図13】 エレメント番号とマスク辺番号との関係を
示す図である。
【図14】 エレメント情報データとしての交点位置指
標の定義を説明するための図である。
【図15】 ベクトルデータの2次元配列を示す図であ
る。
【図16】 エレメントデータの走査方法及びエレメン
トデータを示す図である。
【図17】 ベクトルデータグループ化の判定条件を示
す図である。
【図18】 マスクに沿ったひび割れ線におけるベクト
ルデータの形成を示す図である。
【図19】 マスクに沿ったひび割れ線のベクトルデー
タ化のアルゴリズムを示す図である。
【図20】 エレメント内5交点以上の場合のプリント
アウト例を示す図である。
【図21】 ベクトルデータ作成処理で使用される作業
配列の例を示す図である。
【図22】 3交点混じりエレメント群及び交点エレメ
ント群を示す図である。
【図23】 ベクトルデータ作成の例を示す図である。
【図24】 ベクトルデータの作成処理を示す図であ
る。
【符号の説明】
1…画像データ、2…画像入力部、3…マスク処理部、
4…2値化処理部、5…面積・重心算定部、6…画像入
力番号データ、7…ひび割れ情報記録部、8…全体座標
変換部、9…画像入力番号・全体座標の対応データ、1
0…太幅ひび割れデータ処理・マスク沿線処理部、11
…ひび割れ線連結処理部、12…太幅ひび割れベクトル
データファイル、13…ひび割れベクトルデータ作成
部、14…ひび割れ特性値の算出/図化・その他のデー
タ処理部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年10月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るひび割れ計測処理装置の1実施
例を説明するための図である。
【図2】 はり試験体におけるデータ処理結果の例を示
す図である。
【図3】 カメラ1スポット分におけるひび割れ線とマ
スクデータの関係を示す図である。
【図4】 マスクデータの書式及びマスク帯の格子状態
と1エレメントの構成例を示す図である。
【図5】 データの構成サイズを説明するための図であ
る。
【図6】 太幅ひび割れ線データ処理・マスク沿線処理
部における処理の内容を説明するための図である。
【図7】 ひび割れ線連結処理部における処理の内容を
説明するための図である。
【図8】 ひび割れマスクデータからひび割れベクトル
データを作成する概略フローを示す図である。
【図9】 ひび割れベクトルデータ形成領域を説明する
ための図である。
【図10】 太幅ひび割れ線のラップ状態例を示す図で
ある。
【図11】 XマスクとZマスクの交差点部の取扱いを
説明するための図である。
【図12】 マスクデータの2次元配列を示す図であ
る。
【図13】 エレメント番号とマスク辺番号との関係を
示す図である。
【図14】 エレメント情報データとしての交点位置指
標の定義を説明するための図である。
【図15】 ベクトルデータの2次元配列を示す図であ
る。
【図16】 エレメントデータの走査方法及びエレメン
トデータを示す図である。
【図17】 ベクトルデータグループ化の判定条件を示
す図である。
【図18】 マスクに沿ったひび割れ線におけるベクト
ルデータの形成を示す図である。
【図19】 マスクに沿ったひび割れ線のベクトルデー
タ化のアルゴリズムを示す図である。
【図20】 エレメント内5交点以上の場合のプリント
アウト例を示す図である。
【図21】 ベクトルデータ作成処理で使用される作業
配列の例を示す図である。
【図22】 3交点混じりエレメント群及び交点エレメ
ント群を示す図である。
【図23】 ベクトルデータ作成の例を示す図である。
【図24イ】 ベクトルデータの作成処理を示す図であ
る。
【図24ロ】 ベクトルデータの作成処理を示す図であ
る。
【図24ハ】 ベクトルデータの作成処理を示す図であ
る。
【符号の説明】 1…画像データ、2…画像入力部、3…マスク処理部、
4…2値化処理部、5…面積・重心算定部、6…画像入
力番号データ、7…ひび割れ情報記録部、8…全体座標
変換部、9…画像入力番号・全体座標の対応データ、1
0…太幅ひび割れデータ処理・マスク沿線処理部、11
…ひび割れ線連結処理部、12…太幅ひび割れベクトル
データファイル、13…ひび割れベクトルデータ作成
部、14…ひび割れ特性値の算出/図化・その他のデー
タ処理部
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【図3】
【図4】
【図9】
【図10】
【図1】
【図13】
【図5】
【図11】
【図12】
【図14】
【図16】
【図6】
【図18】
【図22】
【図7】
【図21】
【図23】
【図8】
【図15】
【図24ハ】
【図17】
【図19】
【図20】
【図24イ】
【図24ロ】

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撮像カメラをコンクリート等の表面領域
    で移動して画像データを取り込みコンクリート等の表面
    に存在するひび割れを計測するひび割れ計測処理装置に
    おいて、マスク帯を用いて画像データからひび割れ中心
    位置とひび割れ幅からなるひび割れマスク情報を生成
    し、該ひび割れマスク情報を相対するマスク間で連結し
    てひび割れベクトルデータを生成するように構成したこ
    とを特徴とするひび割れ測定処理装置。
  2. 【請求項2】 所定の間隔で縦横に設定されたマスク帯
    で囲まれた長方形部分のエレメント毎に、所属するひび
    割れマスク情報の個数に応じてベクトルデータを作成
    し、継続点/端点/分岐点情報のインデックスを与え、
    グループ番号を与える処理を行うことを特徴とする請求
    項1記載のひび割れ測定処理装置。
  3. 【請求項3】 表面領域の一方の端部からラスタ走査方
    式により順次ベクトルデータ化してゆくことを特徴とす
    る請求項2記載のひび割れ測定処理装置。
  4. 【請求項4】 端点のベクトルデータが所定の範囲内に
    他のグループのベクトルデータを有する場合には、ベク
    トルデータを統一することを特徴とする請求項2記載の
    ひび割れ測定処理装置。
  5. 【請求項5】 ひび割れ幅がマスク間隔より大きいひび
    割れマスク情報を太幅マスクデータとして抽出し、相対
    するマスク上に存在する2つの太幅マスクデータを接続
    してひび割れベクトルデータを生成するように構成した
    ことを特徴とする請求項2記載のひび割れ測定処理装
    置。
  6. 【請求項6】 ベクトルデータ化した残りの太幅マスク
    データからマスク帯に沿ったひび割れ線を検出して沿線
    ひび割れベクトルデータを生成するように構成したこと
    を特徴とする請求項2記載のひび割れ測定処理装置。
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