JP2004030453A - ステレオマッチング方法、ステレオマッチングプログラム及びステレオマッチングプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】ステレオマッチングをする前に、三次元化する必要がないオブジェクトによって生じるエッジ又は領域を削除する。
【解決手段】TLS(Three line sensor)で撮像した都市地上面Aのステレオ画像をテクスチャ解析して複数の領域に分割した上、ステレオ画像から直線エッジを抽出する。具体的には、検出されたエッジドット群に直線テンプレートを当て嵌め、方向性の近い直線テンプレートを統一化する。画像上における地上面の1.8mに相当する長さL[mm]以上であることという選別条件で、直線エッジを選別する。一般に建物の外周は1.8m以上の直線成分により構成されているので、かかる選別により建物以外のオブジェクトによって生じたエッジを削除することができる。さらに、選別された直線成分で囲まれた領域を選別することにより、建物以外のオブジェクトによって生じた領域を削除することができる。
【選択図】 図7
【解決手段】TLS(Three line sensor)で撮像した都市地上面Aのステレオ画像をテクスチャ解析して複数の領域に分割した上、ステレオ画像から直線エッジを抽出する。具体的には、検出されたエッジドット群に直線テンプレートを当て嵌め、方向性の近い直線テンプレートを統一化する。画像上における地上面の1.8mに相当する長さL[mm]以上であることという選別条件で、直線エッジを選別する。一般に建物の外周は1.8m以上の直線成分により構成されているので、かかる選別により建物以外のオブジェクトによって生じたエッジを削除することができる。さらに、選別された直線成分で囲まれた領域を選別することにより、建物以外のオブジェクトによって生じた領域を削除することができる。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステレオマッチング方法、ステレオマッチングプログラム及びステレオマッチングプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体(以下、単に「記録媒体」という。)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のステレオマッチング方法は、検出されたエッジ又は領域を三次元化してオブジェクト群の三次元データを取得するものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
オブジェクト群のうち特定の種類のオブジェクトのみを抽出した又は特定の種類のオブジェクトを取り除いた三次元データが所望されることがある。しかしながら、従来のステレオマッチング方法によると三次元化する必要がないオブジェクトによって生じるエッジ又は領域についてもステレオマッチングすることになるという問題点があった。
【0004】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、ステレオマッチングをする前に、三次元化する必要がないオブジェクトによって生じるエッジ又は領域を削除できるステレオマッチング方法等を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明のステレオマッチング方法は、互いに異なる方向から同一のオブジェクト群を撮像した複数のステレオ画像に基づいてオブジェクト群の三次元データを取得するステレオマッチング方法において、ステレオ画像からエッジを検出するエッジ検出ステップと、エッジを直線化修正する直線化修正ステップと、直線化修正によって得られた直線エッジを選別するための選別条件を設定する選別条件設定ステップと、選別条件に従って直線エッジを選別する選別ステップとを含むことを特徴とする。
【0006】
一般に、オブジェクトの種類はその外周を構成する直線成分の長さによって選別することができる。そのため、直線化修正によって得られる直線エッジから、その直線エッジを生じさせたオブジェクトの種類を識別することができる。そこで、本発明のように、直線化修正によって得られる直線エッジを選別条件に従って選別することにより、特定の種類のオブジェクトによって生じるエッジを削除することができる。その結果、ステレオマッチングをする前に三次元化する必要がないオブジェクトによって生じるエッジを削除できる。
【0007】
本発明のステレオマッチング方法は、選別条件を、所定の長さよりも長い直線エッジとすることが好適である。
【0008】
また、本発明のステレオマッチング方法は、選別条件を、ステレオ画像におけるオブジェクトの実寸法1.8mに相当する長さ以上の長さの直線エッジとすることが好適である。
【0009】
また、本発明のステレオマッチング方法は、ステレオ画像が、オブジェクトの1.8m未満の長さにおける形状変化を表したものであることが好適である。
【0010】
一般に建物の外周は特定の長さの直線成分によって構成されるので、上記のように所定の長さ以上の直線エッジを選別することにより、建物以外のオブジェクトによって生じるエッジを削除することができる。また、固定資産に関する調査を行う際、10m2を下限として調査することが多い。対象を建物に限定した場合2m×5m、3m×3m等といったより正方形に近い矩形になるはずである。したがって、建物の外周を直線成分によって構成すると仮定した場合、画像中の直線エッジを選別する際には、直線エッジの下限値を2m程度とするのが妥当である。また、古い建物のモジュール(基本単位)は1.8mであることが多い。そこで、建物の外周に関する直線エッジを選別する際には1.8mという数値が下限値として妥当する。また、上記のような高精細画像を用いると、効果的に建物以外のオブジェクトによって生じるエッジを削除することができる。
【0011】
本発明のステレオマッチング方法は、選別条件を、所定の長さよりも短い直線エッジとすることが好適である。
【0012】
また、本発明のステレオマッチング方法は、選別条件を、ステレオ画像におけるオブジェクトの実寸法0.2mに相当する長さ未満の長さの直線エッジとすることが好適である。
【0013】
また、本発明のステレオマッチング方法は、ステレオ画像が、0.2m四方の正方形型対空標識を認識できるものであることが好適である。
【0014】
また、本発明のステレオマッチング方法は、ステレオ画像が、オブジェクトの0.2m未満の長さにおける形状変化を表したものであることが好適である。
【0015】
一般に樹木の外周は0.2m未満の直線成分によって構成されるので、上記のように所定の長さ未満の直線エッジを選別することにより、樹木以外のオブジェクトによって生じるエッジを削除することができる。さらに、上記のような高精細画像を用いると、効果的に樹木以外のオブジェクトによって生じるエッジを削除することができる。
【0016】
本発明のステレオマッチング方法は、更に、ステレオ画像を複数の領域に分割する領域分割ステップを含み、選別ステップで選別された直線エッジ群の情報を用いて、領域の情報を修正することが好適である。
【0017】
上記のように選別された直線エッジ群の情報を用いて領域の情報を修正することにより、三次元化する必要がないオブジェクトによって生じる領域も削除することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明のステレオマッチング方法、ステレオマッチングプログラム及びステレオマッチングプログラムを記録した記録媒体の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0019】
まず、本実施形態のエッジマッチング方法及びステレオマッチング方法を適用した三次元鳥瞰データ取得方法Aを説明する。三次元鳥瞰データ取得方法Aは、都市上空を飛行する航空機から撮像した都市地上面のステレオ画像から、都市地上面の三次元データ(樹木を取り除き、主として建物を三次元化したデータ)を取得するものである。ステレオ画像の撮像装置としては、TLS(Three line sensor)が用いられる。TLSとは、3つのリニアCCDをそれぞれが同一の飛行方向線上に配置されるように航空機に搭載したものであり、3つのリニアCCDが、それぞれ、都市地上面の前方視画像Pf、直下視画像Pn、後方視画像Pbを撮像する。すなわち、TLSを走査することにより、同一範囲の都市地上面を互いに異なる方向から撮像したステレオ画像(前方視画像Pf、直下視画像Pn、後方視画像Pb)を得ることができる(図9を参照)。三次元鳥瞰データ取得方法Aでは、直下視画像Pnと前方視画像Pfの組又は直下視画像Pnと後方視画像Pbの組を用いてステレオマッチングすることにより、撮像された都市地上面の三次元データを取得する。以下にその手順を説明する。
【0020】
図1及び2は、三次元鳥瞰データ取得方法Aにより特定範囲の都市地上面A(建物オブジェクト群)の三次元データを取得する手順を示すフローチャートである。まず、TLSにより都市地上面Aの前方視画像Pf、直下視画像Pn、後方視画像Pbを撮像すると共に、それぞれの撮像時におけるリニアCCDの投影中心点Cf、Cn、Cbの三次元座標を算出する(S102)。投影中心点Cf、Cn、Cbの三次元座標を算出する方法としては、GPSなどを用いることができる。なお、以下に現れる三次元座標は、特段の説明がない限り、同一の座標系に基づいているものとする。
【0021】
以下に述べる画像処理を行うに先立って、エッジ選別条件を設定する(S103)。本実施形態では、直線エッジの長さが、画像上における地上面の1.8mに相当する長さL[mm]以上であることという選別条件を設定するものとする。
【0022】
前方視画像Pf、直下視画像Pn、後方視画像Pbのそれぞれについて、テクスチャ解析をした上、複数の領域Rfk、Rnk、Rbk;k=1〜mに分割する(S104)。テクスチャ解析は、画像中で巨視的に濃度(画素値)が均一に分布している部分を検出することにより行われる。その具体的手法としては、領域拡張法、レベルライジング法などがある。
【0023】
前方視画像Pf、直下視画像Pn、後方視画像Pbのそれぞれについて、直線エッジの抽出を行う(S105)。ここで、直線エッジ抽出の詳細な手順を説明する。図3は、直線エッジ抽出の詳細な手順を示すフローチャートである。まず、画像中のエッジ(濃度変化の激しい部分であって、変化部分が線状に連なるところ)を検出する(S302)。その具体的手法としては、Canny法などがある。なお、直線エッジとは、概ね直線上に並ぶ変化部分に相当する画素の連なりにおいて、直線からの微小なずれを修正したものをいうものとする。
【0024】
検出されたエッジに直線テンプレートを当て嵌める(S304)。図8は、直線テンプレート及び直線テンプレートが当て嵌められる型枠を示す図である。直線テンプレートが当て嵌められる型枠は3ピクセル×3ピクセルで構成され、型枠中で変化部分に相当する画素が線状に連なっていると仮定した場合、直線テンプレートとしては、22.5°ずつ角度が異なる8つの方向性のものλ1〜8が適用される。図8に示す型枠と直線テンプレートλ1〜8との対応関係に従って、型枠ごとに直線テンプレートλ1〜8が当て嵌められる。
【0025】
当て嵌めた直線テンプレートで表現された直線の統合(直線化修正)が行われる(S306)。ここでは、隣り合う二つの直線テンプレートが角度差22.5°でずれている場合に、かかる直線テンプレートで表現された直線を統合する。
【0026】
S105で抽出された直線エッジを、S103で設定した選別条件に従って選別する(S106)。すなわち、画像上でL[mm](画像上における地上面の1.8mに相当する長さ)未満の直線エッジを削除する。
【0027】
都市地上面を構成する立体オブジェクトは、主として建物と樹木である。一般に、建物の外周は1.8m以上の直線の組み合わせで構成される。そこで、画像上における地上面の1.8m以上に相当する長さの直線エッジを選別することにより、建物によって生じるエッジを抽出すると同時に、樹木によって生じるエッジを取り除くことができる。図7に、建物と樹木を撮像した画像から樹木が取り除かれる様子を示す。ただし、このような作用は、画像Pf、Pn、Pbが高精細画像であるときに効果的に達成される。例えば、地上面にあるオブジェクトの1.8m未満の長さにおける形状変化を表せない画像であると、樹木によって生じるエッジもL[mm]以上の長さの直線エッジとなってしまい、上記の選別条件を充足することになるおそれがある。その結果、樹木が三次元データから取り除かれなくなる。かかる高精細画像としては、1ピクセルが画像上において地上面(水平面)の1.8mに相当する長さに収まるものが望ましい。
【0028】
また、かかる高精細画像としては、2ピクセル、3ピクセル、4ピクセル、5ピクセル、6ピクセル、7ピクセル、8ピクセル又は9ピクセルが画像上において地上面(水平面)の1.8mに相当する長さに収まるものであるとなお好適である。
【0029】
なお、都市地上面から樹木を抽出した三次元データが所望されるときには、例えば選別条件を画像上における地上面の0.2mに相当する長さk[mm]未満の長さとすればよい。一般に、樹木の外周は0.2m未満の長さの直線の組み合わせで構成される。そこで、画像上における地上面の0.2m未満に相当する長さの直線エッジを選別することにより、樹木によって生じるエッジを抽出することができると同時に、建物によって生じるエッジを取り除くことができる。ただし、このような作用は、画像Pf、Pn、Pbが上記の例よりも更に高精細の画像であるときに効果的に達成される。例えば、地上面にあるオブジェクトの0.2m未満の長さにおける形状変化を表せない画像、すなわち0.2m四方の正方形型対空標識(図13参照)を認識できない画像であると、樹木によって生じるエッジもk[mm]以上の長さの直線エッジとなってしまい、上記の選別条件から外れることになるおそれがある。その結果、樹木も三次元データから取り除かれてしまう。かかる高精細画像としては、9ピクセルが画像上において地上面(水平面)の1.8mに相当する長さに収まるものが望ましい。
【0030】
S106で選別された直線エッジ群に基づいて領域Rfk、Rnk、Rbkを選別する(S107)。具体的には、周囲にS106で選別された直線エッジがある領域を残し、周囲に選別された直線エッジがない領域を削除する。この処理により建物によって生じる領域を抽出することができる。
【0031】
S107で選別された領域の特徴点(例えば、角部)を抽出する(S108)。
【0032】
領域Rnkの各特徴点が前方視画像Pfにおける隠蔽部にあるか判断する(S110)。ここで、特徴点が前方視画像Pfにおける隠蔽部にあるか判断する詳細な手順を説明する。図4は、特徴点が前方視画像Pfにおける隠蔽部にあるか判断する詳細な手順を示すフローチャートである。
【0033】
まず、レーザスキャンにより都市地上面の三次元データ(3Dレーザデータ曲面)を算出する(S402)。図10は、レーザスキャナが実行される様子を示す図である。上空を飛行する航空機から地上面のランダムポイントに向けてレーザ光を発し、ランダムポイントで散乱したレーザ光が戻ってくるまでの時間から、航空機に搭載されたレーザスキャナ装置とランダムポイントとの距離を算出し、さらにレーザ光を照射する際のレーザスキャナ装置の三次元座標及びレーザ光の照射角度からランダムポイントの三次元座標を算出する。この処理を繰り返しつつ、地上面を走査することにより地上面の三次元データを得ることができる。ただし、一般に、ここで得られる三次元座標はステレオマッチング法に比べて間隔の大きい離散値であり、この離散値を補間して地上面の大まかな三次元データ(3Dレーザデータ曲面)を得る。
【0034】
前方視画像Pfを撮像する際の特徴点に対する視線ベクトルVfを算出する(S404)。具体的には、前方視画像Pfの投影中心点Cfの三次元座標を始点とし、レーザスキャナで得られる特徴点の三次元座標を終点とするベクトルを算出し、これを視線ベクトルVfとする。
【0035】
都市地上面の三次元データ(3Dレーザデータ曲面)と、視線ベクトルVfとに交点があるか判断する(S406)。図9は、都市地上面の三次元データ(3Dレーザデータ曲面)と、視線ベクトルVfとが交わる様子を示す図である。ここで交点が存在することは、前方視画像Pfの投影中心点Cfから特徴点を見たときに、視線が他の地上物によって遮られることを意味する。そこで、交点があるときには、特徴点は前方視画像Pfの隠蔽部にあると判断する(S408)。他方、交点がないときには、特徴点は前方視画像Pfの隠蔽部にないと判断する(S409)。S110において、各特徴点について以上の処理を繰り返す。
【0036】
いずれの特徴点も前方視画像Pfの隠蔽部にないと判断されたときには、領域Rnkを前方視画像Pfに投影して領域マッチングを行う(S112)。他方、いずれかの特徴点が前方視画像Pfの隠蔽部にあると判断されたときには、前方視画像Pfに代えて後方視画像Pbをステレオ画像に選択し、領域Rnkを後方視画像Pbに投影して領域マッチングを行う(S113)。片方のステレオ画像における隠蔽の存在は正確なステレオマッチングを妨げる原因の一つとなる。しかし、本実施形態では、上記のように都市地上面の三次元データ(3Dレーザデータ曲面)と視線ベクトルVfとの交点の有無を調査することにより、機械的に隠蔽の存在を検出することができる。さらに、前方視画像Pfに隠蔽の存在が検出されたとき、前方視画像Pfに代えて後方視画像Pbをステレオ画像に選択することでステレオマッチングの正確性が向上する。
【0037】
以下にS112、202、204及び206の処理(前方視画像Pfをステレオ画像に選択したときの処理)を説明するが、これらの処理はS113、203、205及び207の処理(後方視画像Pbをステレオ画像に選択したときの処理)と同一であるので、S113、203、205及び207の処理の説明は省略する。S112における領域マッチングの詳細な手順を説明する。図5は、領域マッチングの詳細な手順を示すフローチャートである。
【0038】
まず、領域Rnk中心点の前方視画像Pf上におけるエピポーララインを算出する(S502)。エピポーララインとは、対象画像とエピポーラ面(対象画像の投影中心点及び対象点が切り出された画像における対象点に対する視線ベクトルを含む面)との交線を指す。S502においては次のようにしてエピポーララインが算出される。(1)直下視画像Pn上における領域Rnk中心点の二次元座標と投影中心点Cnとの相対位置関係から、領域Rnk中心点の三次元座標を算出する。(2)領域Rnk中心点、投影中心点Cn及び投影中心点Cfの三次元座標を含む平面の三次元データを算出し、これをエピポーラ面とする。(3)投影中心点Cfと前方視画像Pfとの相対位置関係から、前方視画像Pfの三次元データを算出する。(4)エピポーラ面と前方視画像Pfとの交線の三次元データを算出し、これをエピポーララインとする。
【0039】
エピポーラライン上に領域Rnk中心点が乗るように、領域Rnkを前方視画像Pfに投影する(S504)。
【0040】
領域Rnk中心点をエピポーララインに沿って移動させつつ、領域Rnkとエピポーラライン上の各領域Rfkとの領域形状マッチング係数Rを算出する(S506)。領域形状マッチング係数Rは、二つの領域の大きさ及び形状の類似性並びに二つの領域の重なり度合いを示す相関係数であり、次の式(1)に表される。
【0041】
【数1】
Nn:領域Rnkが占める画素数
Nf:領域Rfkが占める画素数
No:領域Rnkと領域Rfkとがオーバーラップする範囲の画素数
【0042】
式(1)に表されるように、領域形状マッチング係数Rの分母をNn(領域Rnkが占める画素数)でなく、Nn(領域Rnkが占める画素数)とNf(領域Rfkが占める画素数)との積とすることにより、この相関係数が、領域Rnkにおけるオーバーラップの程度だけを示すものではなく、領域Rfkにおいてどれだけの程度でオーバーラップされているかも示すものとなる。
【0043】
図11は、領域形状マッチング係数Rの算出結果の例を示す図である。図11において、x方向にエピポーラライン上にある各領域Rfkの領域番号kを示す。y軸方向に領域Rnk中心点のエピポーラライン上における位置を示す。z軸方向に領域形状マッチング係数Rを示す。それぞれの領域番号kについて領域形状マッチング係数Rのピークが存在するが、そのピークのうち最も高いピークを検出する。最も高いピークを有する領域Rfkが領域Rnkに対応すると判断し、かつこのピークが現れるエピポーラライン上の位置に領域Rnk中心点があるときに領域Rnkと領域Rfkがマッチングされると判断する(S508)。このように、領域中心点のエピポーラライン上にマッチング範囲を限定することにより、計算量を軽減させると共にマッチングの正確性を向上させることができる。また、領域形状マッチング係数Rを用いた領域マッチング(領域の面積及び形状に基づく領域マッチング)により、大まかな領域マッチングを少ない計算量で行うことができる。
【0044】
S508で検出された最大ピークが現れるエピポーラライン上の位置の付近で領域Rnkを動かしつつ、投影した領域Rnkとこれと重なった領域との画素値相関係数Sを算出する(S510)。画素値相関係数Sは、二つの領域における濃度分布の類似性を示す相関係数であり、次の式(2)に表される。
【0045】
【数2】
l:領域Rnkの前方視画像Pfにおけるx方向の大きさ(ピクセル)
m:領域Rnkの前方視画像Pfにおけるy方向の大きさ(ピクセル)
f(u,v):前方視画像Pf上の座標(u,v)における前方視画像Pfの画素値
n(u,v):前方視画像Pf上の座標(u,v)における領域Rnkの画素値
【0046】
画素値相関係数Sのピークを検出し、このときの領域Rnkの位置において領域マッチングなされたものとする(S512)。このように、多段階の領域マッチングを行うことにより、マッチングの正確性を向上させることができる。また、画素値相関係数Sを用いた領域マッチング(領域の濃度分布に基づく領域マッチング)により、投影した領域とこれに対応する領域とを正確に重ね合わせることができる。
【0047】
領域Rnkの近傍にある直線エッジを前方視画像Pfに投影し、直線エッジマッチングを行う(S202)。ここで、直線エッジマッチングの詳細な手順を説明する。図6は、直線エッジマッチングの詳細な手順を示すフローチャートである。まず、投影された直線エッジと方向性の近い直線エッジを検索する(S602)。ただし、検索される範囲は、S112でマッチングされた領域の近傍に限定される。
【0048】
さらに、投影された直線エッジと長さの近い直線エッジを絞り込み検索する(S604)。
【0049】
マッチングされた領域Rfk、領域Rnkそれぞれとの位置関係に基づき対応する直線エッジを絞り込み検索する(S606)。
【0050】
直線エッジ両側の平均濃度に基づき対応する直線エッジを絞り込み検索する(S608)。このように、S112でマッチングされた領域の近傍にマッチング範囲を限定することにより、すなわち領域マッチングを行った後に領域マッチングの結果を利用してエッジマッチングの範囲を限定することにより、少ない計算量で正確にマッチングすることができる。また、エッジを直線化修正した上でエッジマッチングすることにより、対応するエッジを検索するのが容易になる。加えて、多段階の直線エッジマッチングを行うことにより、マッチングの正確性を向上させることができる。
【0051】
S202でマッチングされた直線エッジの特徴点を抽出する(S204)。具体的には、直線エッジの両端を特徴点とする。
【0052】
領域Rnkの特徴点及びS204で抽出された直線エッジの特徴点をマッチングする(S206)。
【0053】
マッチングされた各特徴点の三次元座標を算出する(S210)。ここで、前方視画像Pfと直下視画像Pnにおいてマッチングされた特徴点の三次元座標算出方法を説明する。図12は、ステレオマッチング法において対応点(特徴点)の三次元座標が算出される論理を説明する図である。理論的には前方視画像Pfにおける特徴点に対する視線ベクトルと、直下視画像Pnにおける特徴点に対する視線ベクトルとの交点の三次元座標を算出することにより特徴点の三次元座標を得ることができる。しかし、現実には投影中心点の測定誤差などの原因により視線ベクトルが交わらないことがある。そこで、視線ベクトル間の距離が最も近くなる点Of、Onの中点を特徴点の三次元位置とする。
【0054】
以下に、特徴点の三次元座標を算出する具体的手順を示す。(1)まず、前方視画像Pf上の特徴点の三次元座標と、投影中心点Cfの三次元座標とを通過する直線の単位ベクトルを算出し、これから視線ベクトルEf(Xfp,Yfp,Zfp)を算出する。視線ベクトルEfは、次の式(3)に表される。
【0055】
【数3】
(Xfc,Yfc,Zfc):投影中心点Cfの三次元座標
(Vfx,Vfy,Vfz):前方視画像Pf上の特徴点の三次元座標と、投影中心点Cfの三次元座標とを通過する直線の単位ベクトル
tf:パラメータ
【0056】
(2)直下視画像Pn上の特徴点の三次元座標と、投影中心点Cnの三次元座標とを通過する直線の単位ベクトルを算出し、これから視線ベクトルEn(Xnp,Ynp,Znp)を算出する。視線ベクトルEnは、次の式(4)に表される。
【0057】
【数4】
(Xnc,Ync,Znc):投影中心点Cnの三次元座標
(Vnx,Vny,Vnz):直下視画像Pn上の特徴点の三次元座標と、投影中心点Cnの三次元座標とを通過する直線の単位ベクトル
tn:パラメータ
【0058】
(3)視線ベクトル間の距離が最も近くなるときのパラメータtf、tnを算出し、これから視線ベクトル間の距離が最も近くなる点Of、Onの三次元座標を得る。
【0059】
(4)視線ベクトル間の距離が最も近くなる点Of、Onの中点の三次元座標を算出する。S210において以上の計算を繰り返して各特徴点の三次元座標を算出する。
【0060】
S206の結果から直線エッジの三次元データを取得する。このようにして三次元線分群が得られる(S212)。
【0061】
また、領域Rnkの特徴点(例えば角部)の三次元座標から領域Rnkの三次元データを算出する(S214)。ここで算出する領域Rnkの三次元データは大まかなものでよい。
【0062】
すべての領域Rnk(S107で選別されたもの)についてS110からS214までの処理が完了した場合にはS222に進む。未処理の領域Rnkが存在する場合には、S107で選別された領域であってかつ領域番号kが大きい領域RnkについてS110からS214までの処理を行う(S216)。
【0063】
上記の処理で得られた三次元線分群及び領域の三次元データを3Dワークスペース(三次元座標系)に投影する(S218)。
【0064】
領域の三次元データを覆うように三次元線分群を再構成する(S220)。三次元線分群は上記の処理により高い精度で求めることができるが、都市の鳥瞰図を得る上では意味のないものも含まれている。しかし、領域の三次元データを参考にして三次元線分群を再構成することにより、都市の鳥瞰図として意味のあるデータを生成することができる。
【0065】
再構成された三次元線分群で構成される領域に建物屋上面のテンプレートを当て嵌め、建物屋上面を推定する(S222)。
【0066】
得られた建物屋上面と地表面とつなぐ側壁を形成させることによりソリッド化して、建物セグメントを得る(S224)。
【0067】
近接する建物セグメントをクラスタリングして、建物オブジェクトを得る(S226)。以上の手順を踏むことにより、都市地上面A(建物オブジェクト群)の三次元データを得ることができる。
【0068】
以上説明したように、本実施形態では、ステレオマッチングをする前に、三次元化する必要がない樹木によって生じるエッジ又は領域を削除する。その結果、エッジマッチング又は領域マッチングをする際の検索対象を減らすことができ、マッチングの速度及び正確性を向上させることができる。
【0069】
なお、上記の実施形態では、上空から地上に向けてTLS走査するものであったが、建物オブジェクト群の側方から水平方向にステレオ画像の撮像を行うことによって建物オブジェット群側壁の三次元データを取得し、これから都市地上面の三次元データを取得してもよい。
【0070】
次に、本発明の実施形態に係るステレオマッチングプログラム4及びステレオマッチングプログラム4を記録した記録媒体14について説明する。図14は、ステレオマッチングプログラム4及びステレオマッチングプログラム4を記録した記録媒体14の構成図である。ステレオマッチングプログラム4は、その構成要素として、エッジ検出モジュール42、直線化修正モジュール44、選別条件設定モジュール46及び選別モジュール48を含んで構成される。ステレオマッチングプログラム4を後述のコンピュータに適用することにより、上記のステレオマッチング方法が実行される。
【0071】
図15は、ステレオマッチングプログラム4が実行されるコンピュータ5の物理的構成を示す図である。コンピュータ5は、物理的構成要素として、中央処理装置(CPU)52、オペレーティングシステムを常駐させた作業用メモリ54、読み取り装置56、ディスプレイ57及び入力装置58を備える。
【0072】
記録媒体14が読み取り装置56に挿入されると、記録媒体14に記録された情報が読み取り装置56からアクセス可能となり、ステレオマッチングプログラム4が、コンピュータ5によって実行される。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明により、ステレオマッチングをする前に、三次元化する必要がないオブジェクトによって生じるエッジ又は領域を削除できるステレオマッチング方法等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】三次元鳥瞰データ取得方法Aにより特定範囲の都市地上面A(建物オブジェクト群)の三次元データを取得する手順を示す第1のフローチャートである。
【図2】三次元鳥瞰データ取得方法Aにより特定範囲の都市地上面A(建物オブジェクト群)の三次元データを取得する手順を示す第2のフローチャートである。
【図3】直線エッジ抽出の詳細な手順を示すフローチャートである。
【図4】特徴点が前方視画像Pfにおける隠蔽部にあるか判断する詳細な手順を示すフローチャートである。
【図5】領域マッチングの詳細な手順を示すフローチャートである。
【図6】直線エッジマッチングの詳細な手順を示すフローチャートである。
【図7】建物と樹木を撮像した画像から樹木が取り除かれる様子を示した図である。
【図8】直線テンプレート及び直線テンプレートが当て嵌められる型枠を示す図である。
【図9】都市地上面の三次元データ(3Dレーザデータ曲面)と、視線ベクトルVfとが交わる様子を示す図である。
【図10】レーザスキャナが実行される様子を示す図である。
【図11】領域形状マッチング係数Rの算出結果の例を示す図である。
【図12】ステレオマッチング法において対応点(特徴点)の三次元座標が算出される論理を説明する図である。
【図13】対空標識を示す図である。
【図14】ステレオマッチングプログラム4及びステレオマッチングプログラム4を記録した記録媒体14の構成図である。
【図15】エッジマッチングプログラム3又はステレオマッチングプログラム4が実行されるコンピュータ5の物理的構成を示す図である。
【符号の説明】
14…記録媒体、4…ステレオマッチングプログラム、42…エッジ検出モジュール、44…直線化修正モジュール、46…選別条件設定モジュール、48…選別モジュール、5…コンピュータ、52…CPU、54…作業用メモリ、56…読み取り装置、57…ディスプレイ、58…入力装置、6…対空標識。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステレオマッチング方法、ステレオマッチングプログラム及びステレオマッチングプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体(以下、単に「記録媒体」という。)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のステレオマッチング方法は、検出されたエッジ又は領域を三次元化してオブジェクト群の三次元データを取得するものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
オブジェクト群のうち特定の種類のオブジェクトのみを抽出した又は特定の種類のオブジェクトを取り除いた三次元データが所望されることがある。しかしながら、従来のステレオマッチング方法によると三次元化する必要がないオブジェクトによって生じるエッジ又は領域についてもステレオマッチングすることになるという問題点があった。
【0004】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、ステレオマッチングをする前に、三次元化する必要がないオブジェクトによって生じるエッジ又は領域を削除できるステレオマッチング方法等を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明のステレオマッチング方法は、互いに異なる方向から同一のオブジェクト群を撮像した複数のステレオ画像に基づいてオブジェクト群の三次元データを取得するステレオマッチング方法において、ステレオ画像からエッジを検出するエッジ検出ステップと、エッジを直線化修正する直線化修正ステップと、直線化修正によって得られた直線エッジを選別するための選別条件を設定する選別条件設定ステップと、選別条件に従って直線エッジを選別する選別ステップとを含むことを特徴とする。
【0006】
一般に、オブジェクトの種類はその外周を構成する直線成分の長さによって選別することができる。そのため、直線化修正によって得られる直線エッジから、その直線エッジを生じさせたオブジェクトの種類を識別することができる。そこで、本発明のように、直線化修正によって得られる直線エッジを選別条件に従って選別することにより、特定の種類のオブジェクトによって生じるエッジを削除することができる。その結果、ステレオマッチングをする前に三次元化する必要がないオブジェクトによって生じるエッジを削除できる。
【0007】
本発明のステレオマッチング方法は、選別条件を、所定の長さよりも長い直線エッジとすることが好適である。
【0008】
また、本発明のステレオマッチング方法は、選別条件を、ステレオ画像におけるオブジェクトの実寸法1.8mに相当する長さ以上の長さの直線エッジとすることが好適である。
【0009】
また、本発明のステレオマッチング方法は、ステレオ画像が、オブジェクトの1.8m未満の長さにおける形状変化を表したものであることが好適である。
【0010】
一般に建物の外周は特定の長さの直線成分によって構成されるので、上記のように所定の長さ以上の直線エッジを選別することにより、建物以外のオブジェクトによって生じるエッジを削除することができる。また、固定資産に関する調査を行う際、10m2を下限として調査することが多い。対象を建物に限定した場合2m×5m、3m×3m等といったより正方形に近い矩形になるはずである。したがって、建物の外周を直線成分によって構成すると仮定した場合、画像中の直線エッジを選別する際には、直線エッジの下限値を2m程度とするのが妥当である。また、古い建物のモジュール(基本単位)は1.8mであることが多い。そこで、建物の外周に関する直線エッジを選別する際には1.8mという数値が下限値として妥当する。また、上記のような高精細画像を用いると、効果的に建物以外のオブジェクトによって生じるエッジを削除することができる。
【0011】
本発明のステレオマッチング方法は、選別条件を、所定の長さよりも短い直線エッジとすることが好適である。
【0012】
また、本発明のステレオマッチング方法は、選別条件を、ステレオ画像におけるオブジェクトの実寸法0.2mに相当する長さ未満の長さの直線エッジとすることが好適である。
【0013】
また、本発明のステレオマッチング方法は、ステレオ画像が、0.2m四方の正方形型対空標識を認識できるものであることが好適である。
【0014】
また、本発明のステレオマッチング方法は、ステレオ画像が、オブジェクトの0.2m未満の長さにおける形状変化を表したものであることが好適である。
【0015】
一般に樹木の外周は0.2m未満の直線成分によって構成されるので、上記のように所定の長さ未満の直線エッジを選別することにより、樹木以外のオブジェクトによって生じるエッジを削除することができる。さらに、上記のような高精細画像を用いると、効果的に樹木以外のオブジェクトによって生じるエッジを削除することができる。
【0016】
本発明のステレオマッチング方法は、更に、ステレオ画像を複数の領域に分割する領域分割ステップを含み、選別ステップで選別された直線エッジ群の情報を用いて、領域の情報を修正することが好適である。
【0017】
上記のように選別された直線エッジ群の情報を用いて領域の情報を修正することにより、三次元化する必要がないオブジェクトによって生じる領域も削除することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明のステレオマッチング方法、ステレオマッチングプログラム及びステレオマッチングプログラムを記録した記録媒体の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0019】
まず、本実施形態のエッジマッチング方法及びステレオマッチング方法を適用した三次元鳥瞰データ取得方法Aを説明する。三次元鳥瞰データ取得方法Aは、都市上空を飛行する航空機から撮像した都市地上面のステレオ画像から、都市地上面の三次元データ(樹木を取り除き、主として建物を三次元化したデータ)を取得するものである。ステレオ画像の撮像装置としては、TLS(Three line sensor)が用いられる。TLSとは、3つのリニアCCDをそれぞれが同一の飛行方向線上に配置されるように航空機に搭載したものであり、3つのリニアCCDが、それぞれ、都市地上面の前方視画像Pf、直下視画像Pn、後方視画像Pbを撮像する。すなわち、TLSを走査することにより、同一範囲の都市地上面を互いに異なる方向から撮像したステレオ画像(前方視画像Pf、直下視画像Pn、後方視画像Pb)を得ることができる(図9を参照)。三次元鳥瞰データ取得方法Aでは、直下視画像Pnと前方視画像Pfの組又は直下視画像Pnと後方視画像Pbの組を用いてステレオマッチングすることにより、撮像された都市地上面の三次元データを取得する。以下にその手順を説明する。
【0020】
図1及び2は、三次元鳥瞰データ取得方法Aにより特定範囲の都市地上面A(建物オブジェクト群)の三次元データを取得する手順を示すフローチャートである。まず、TLSにより都市地上面Aの前方視画像Pf、直下視画像Pn、後方視画像Pbを撮像すると共に、それぞれの撮像時におけるリニアCCDの投影中心点Cf、Cn、Cbの三次元座標を算出する(S102)。投影中心点Cf、Cn、Cbの三次元座標を算出する方法としては、GPSなどを用いることができる。なお、以下に現れる三次元座標は、特段の説明がない限り、同一の座標系に基づいているものとする。
【0021】
以下に述べる画像処理を行うに先立って、エッジ選別条件を設定する(S103)。本実施形態では、直線エッジの長さが、画像上における地上面の1.8mに相当する長さL[mm]以上であることという選別条件を設定するものとする。
【0022】
前方視画像Pf、直下視画像Pn、後方視画像Pbのそれぞれについて、テクスチャ解析をした上、複数の領域Rfk、Rnk、Rbk;k=1〜mに分割する(S104)。テクスチャ解析は、画像中で巨視的に濃度(画素値)が均一に分布している部分を検出することにより行われる。その具体的手法としては、領域拡張法、レベルライジング法などがある。
【0023】
前方視画像Pf、直下視画像Pn、後方視画像Pbのそれぞれについて、直線エッジの抽出を行う(S105)。ここで、直線エッジ抽出の詳細な手順を説明する。図3は、直線エッジ抽出の詳細な手順を示すフローチャートである。まず、画像中のエッジ(濃度変化の激しい部分であって、変化部分が線状に連なるところ)を検出する(S302)。その具体的手法としては、Canny法などがある。なお、直線エッジとは、概ね直線上に並ぶ変化部分に相当する画素の連なりにおいて、直線からの微小なずれを修正したものをいうものとする。
【0024】
検出されたエッジに直線テンプレートを当て嵌める(S304)。図8は、直線テンプレート及び直線テンプレートが当て嵌められる型枠を示す図である。直線テンプレートが当て嵌められる型枠は3ピクセル×3ピクセルで構成され、型枠中で変化部分に相当する画素が線状に連なっていると仮定した場合、直線テンプレートとしては、22.5°ずつ角度が異なる8つの方向性のものλ1〜8が適用される。図8に示す型枠と直線テンプレートλ1〜8との対応関係に従って、型枠ごとに直線テンプレートλ1〜8が当て嵌められる。
【0025】
当て嵌めた直線テンプレートで表現された直線の統合(直線化修正)が行われる(S306)。ここでは、隣り合う二つの直線テンプレートが角度差22.5°でずれている場合に、かかる直線テンプレートで表現された直線を統合する。
【0026】
S105で抽出された直線エッジを、S103で設定した選別条件に従って選別する(S106)。すなわち、画像上でL[mm](画像上における地上面の1.8mに相当する長さ)未満の直線エッジを削除する。
【0027】
都市地上面を構成する立体オブジェクトは、主として建物と樹木である。一般に、建物の外周は1.8m以上の直線の組み合わせで構成される。そこで、画像上における地上面の1.8m以上に相当する長さの直線エッジを選別することにより、建物によって生じるエッジを抽出すると同時に、樹木によって生じるエッジを取り除くことができる。図7に、建物と樹木を撮像した画像から樹木が取り除かれる様子を示す。ただし、このような作用は、画像Pf、Pn、Pbが高精細画像であるときに効果的に達成される。例えば、地上面にあるオブジェクトの1.8m未満の長さにおける形状変化を表せない画像であると、樹木によって生じるエッジもL[mm]以上の長さの直線エッジとなってしまい、上記の選別条件を充足することになるおそれがある。その結果、樹木が三次元データから取り除かれなくなる。かかる高精細画像としては、1ピクセルが画像上において地上面(水平面)の1.8mに相当する長さに収まるものが望ましい。
【0028】
また、かかる高精細画像としては、2ピクセル、3ピクセル、4ピクセル、5ピクセル、6ピクセル、7ピクセル、8ピクセル又は9ピクセルが画像上において地上面(水平面)の1.8mに相当する長さに収まるものであるとなお好適である。
【0029】
なお、都市地上面から樹木を抽出した三次元データが所望されるときには、例えば選別条件を画像上における地上面の0.2mに相当する長さk[mm]未満の長さとすればよい。一般に、樹木の外周は0.2m未満の長さの直線の組み合わせで構成される。そこで、画像上における地上面の0.2m未満に相当する長さの直線エッジを選別することにより、樹木によって生じるエッジを抽出することができると同時に、建物によって生じるエッジを取り除くことができる。ただし、このような作用は、画像Pf、Pn、Pbが上記の例よりも更に高精細の画像であるときに効果的に達成される。例えば、地上面にあるオブジェクトの0.2m未満の長さにおける形状変化を表せない画像、すなわち0.2m四方の正方形型対空標識(図13参照)を認識できない画像であると、樹木によって生じるエッジもk[mm]以上の長さの直線エッジとなってしまい、上記の選別条件から外れることになるおそれがある。その結果、樹木も三次元データから取り除かれてしまう。かかる高精細画像としては、9ピクセルが画像上において地上面(水平面)の1.8mに相当する長さに収まるものが望ましい。
【0030】
S106で選別された直線エッジ群に基づいて領域Rfk、Rnk、Rbkを選別する(S107)。具体的には、周囲にS106で選別された直線エッジがある領域を残し、周囲に選別された直線エッジがない領域を削除する。この処理により建物によって生じる領域を抽出することができる。
【0031】
S107で選別された領域の特徴点(例えば、角部)を抽出する(S108)。
【0032】
領域Rnkの各特徴点が前方視画像Pfにおける隠蔽部にあるか判断する(S110)。ここで、特徴点が前方視画像Pfにおける隠蔽部にあるか判断する詳細な手順を説明する。図4は、特徴点が前方視画像Pfにおける隠蔽部にあるか判断する詳細な手順を示すフローチャートである。
【0033】
まず、レーザスキャンにより都市地上面の三次元データ(3Dレーザデータ曲面)を算出する(S402)。図10は、レーザスキャナが実行される様子を示す図である。上空を飛行する航空機から地上面のランダムポイントに向けてレーザ光を発し、ランダムポイントで散乱したレーザ光が戻ってくるまでの時間から、航空機に搭載されたレーザスキャナ装置とランダムポイントとの距離を算出し、さらにレーザ光を照射する際のレーザスキャナ装置の三次元座標及びレーザ光の照射角度からランダムポイントの三次元座標を算出する。この処理を繰り返しつつ、地上面を走査することにより地上面の三次元データを得ることができる。ただし、一般に、ここで得られる三次元座標はステレオマッチング法に比べて間隔の大きい離散値であり、この離散値を補間して地上面の大まかな三次元データ(3Dレーザデータ曲面)を得る。
【0034】
前方視画像Pfを撮像する際の特徴点に対する視線ベクトルVfを算出する(S404)。具体的には、前方視画像Pfの投影中心点Cfの三次元座標を始点とし、レーザスキャナで得られる特徴点の三次元座標を終点とするベクトルを算出し、これを視線ベクトルVfとする。
【0035】
都市地上面の三次元データ(3Dレーザデータ曲面)と、視線ベクトルVfとに交点があるか判断する(S406)。図9は、都市地上面の三次元データ(3Dレーザデータ曲面)と、視線ベクトルVfとが交わる様子を示す図である。ここで交点が存在することは、前方視画像Pfの投影中心点Cfから特徴点を見たときに、視線が他の地上物によって遮られることを意味する。そこで、交点があるときには、特徴点は前方視画像Pfの隠蔽部にあると判断する(S408)。他方、交点がないときには、特徴点は前方視画像Pfの隠蔽部にないと判断する(S409)。S110において、各特徴点について以上の処理を繰り返す。
【0036】
いずれの特徴点も前方視画像Pfの隠蔽部にないと判断されたときには、領域Rnkを前方視画像Pfに投影して領域マッチングを行う(S112)。他方、いずれかの特徴点が前方視画像Pfの隠蔽部にあると判断されたときには、前方視画像Pfに代えて後方視画像Pbをステレオ画像に選択し、領域Rnkを後方視画像Pbに投影して領域マッチングを行う(S113)。片方のステレオ画像における隠蔽の存在は正確なステレオマッチングを妨げる原因の一つとなる。しかし、本実施形態では、上記のように都市地上面の三次元データ(3Dレーザデータ曲面)と視線ベクトルVfとの交点の有無を調査することにより、機械的に隠蔽の存在を検出することができる。さらに、前方視画像Pfに隠蔽の存在が検出されたとき、前方視画像Pfに代えて後方視画像Pbをステレオ画像に選択することでステレオマッチングの正確性が向上する。
【0037】
以下にS112、202、204及び206の処理(前方視画像Pfをステレオ画像に選択したときの処理)を説明するが、これらの処理はS113、203、205及び207の処理(後方視画像Pbをステレオ画像に選択したときの処理)と同一であるので、S113、203、205及び207の処理の説明は省略する。S112における領域マッチングの詳細な手順を説明する。図5は、領域マッチングの詳細な手順を示すフローチャートである。
【0038】
まず、領域Rnk中心点の前方視画像Pf上におけるエピポーララインを算出する(S502)。エピポーララインとは、対象画像とエピポーラ面(対象画像の投影中心点及び対象点が切り出された画像における対象点に対する視線ベクトルを含む面)との交線を指す。S502においては次のようにしてエピポーララインが算出される。(1)直下視画像Pn上における領域Rnk中心点の二次元座標と投影中心点Cnとの相対位置関係から、領域Rnk中心点の三次元座標を算出する。(2)領域Rnk中心点、投影中心点Cn及び投影中心点Cfの三次元座標を含む平面の三次元データを算出し、これをエピポーラ面とする。(3)投影中心点Cfと前方視画像Pfとの相対位置関係から、前方視画像Pfの三次元データを算出する。(4)エピポーラ面と前方視画像Pfとの交線の三次元データを算出し、これをエピポーララインとする。
【0039】
エピポーラライン上に領域Rnk中心点が乗るように、領域Rnkを前方視画像Pfに投影する(S504)。
【0040】
領域Rnk中心点をエピポーララインに沿って移動させつつ、領域Rnkとエピポーラライン上の各領域Rfkとの領域形状マッチング係数Rを算出する(S506)。領域形状マッチング係数Rは、二つの領域の大きさ及び形状の類似性並びに二つの領域の重なり度合いを示す相関係数であり、次の式(1)に表される。
【0041】
【数1】
Nn:領域Rnkが占める画素数
Nf:領域Rfkが占める画素数
No:領域Rnkと領域Rfkとがオーバーラップする範囲の画素数
【0042】
式(1)に表されるように、領域形状マッチング係数Rの分母をNn(領域Rnkが占める画素数)でなく、Nn(領域Rnkが占める画素数)とNf(領域Rfkが占める画素数)との積とすることにより、この相関係数が、領域Rnkにおけるオーバーラップの程度だけを示すものではなく、領域Rfkにおいてどれだけの程度でオーバーラップされているかも示すものとなる。
【0043】
図11は、領域形状マッチング係数Rの算出結果の例を示す図である。図11において、x方向にエピポーラライン上にある各領域Rfkの領域番号kを示す。y軸方向に領域Rnk中心点のエピポーラライン上における位置を示す。z軸方向に領域形状マッチング係数Rを示す。それぞれの領域番号kについて領域形状マッチング係数Rのピークが存在するが、そのピークのうち最も高いピークを検出する。最も高いピークを有する領域Rfkが領域Rnkに対応すると判断し、かつこのピークが現れるエピポーラライン上の位置に領域Rnk中心点があるときに領域Rnkと領域Rfkがマッチングされると判断する(S508)。このように、領域中心点のエピポーラライン上にマッチング範囲を限定することにより、計算量を軽減させると共にマッチングの正確性を向上させることができる。また、領域形状マッチング係数Rを用いた領域マッチング(領域の面積及び形状に基づく領域マッチング)により、大まかな領域マッチングを少ない計算量で行うことができる。
【0044】
S508で検出された最大ピークが現れるエピポーラライン上の位置の付近で領域Rnkを動かしつつ、投影した領域Rnkとこれと重なった領域との画素値相関係数Sを算出する(S510)。画素値相関係数Sは、二つの領域における濃度分布の類似性を示す相関係数であり、次の式(2)に表される。
【0045】
【数2】
l:領域Rnkの前方視画像Pfにおけるx方向の大きさ(ピクセル)
m:領域Rnkの前方視画像Pfにおけるy方向の大きさ(ピクセル)
f(u,v):前方視画像Pf上の座標(u,v)における前方視画像Pfの画素値
n(u,v):前方視画像Pf上の座標(u,v)における領域Rnkの画素値
【0046】
画素値相関係数Sのピークを検出し、このときの領域Rnkの位置において領域マッチングなされたものとする(S512)。このように、多段階の領域マッチングを行うことにより、マッチングの正確性を向上させることができる。また、画素値相関係数Sを用いた領域マッチング(領域の濃度分布に基づく領域マッチング)により、投影した領域とこれに対応する領域とを正確に重ね合わせることができる。
【0047】
領域Rnkの近傍にある直線エッジを前方視画像Pfに投影し、直線エッジマッチングを行う(S202)。ここで、直線エッジマッチングの詳細な手順を説明する。図6は、直線エッジマッチングの詳細な手順を示すフローチャートである。まず、投影された直線エッジと方向性の近い直線エッジを検索する(S602)。ただし、検索される範囲は、S112でマッチングされた領域の近傍に限定される。
【0048】
さらに、投影された直線エッジと長さの近い直線エッジを絞り込み検索する(S604)。
【0049】
マッチングされた領域Rfk、領域Rnkそれぞれとの位置関係に基づき対応する直線エッジを絞り込み検索する(S606)。
【0050】
直線エッジ両側の平均濃度に基づき対応する直線エッジを絞り込み検索する(S608)。このように、S112でマッチングされた領域の近傍にマッチング範囲を限定することにより、すなわち領域マッチングを行った後に領域マッチングの結果を利用してエッジマッチングの範囲を限定することにより、少ない計算量で正確にマッチングすることができる。また、エッジを直線化修正した上でエッジマッチングすることにより、対応するエッジを検索するのが容易になる。加えて、多段階の直線エッジマッチングを行うことにより、マッチングの正確性を向上させることができる。
【0051】
S202でマッチングされた直線エッジの特徴点を抽出する(S204)。具体的には、直線エッジの両端を特徴点とする。
【0052】
領域Rnkの特徴点及びS204で抽出された直線エッジの特徴点をマッチングする(S206)。
【0053】
マッチングされた各特徴点の三次元座標を算出する(S210)。ここで、前方視画像Pfと直下視画像Pnにおいてマッチングされた特徴点の三次元座標算出方法を説明する。図12は、ステレオマッチング法において対応点(特徴点)の三次元座標が算出される論理を説明する図である。理論的には前方視画像Pfにおける特徴点に対する視線ベクトルと、直下視画像Pnにおける特徴点に対する視線ベクトルとの交点の三次元座標を算出することにより特徴点の三次元座標を得ることができる。しかし、現実には投影中心点の測定誤差などの原因により視線ベクトルが交わらないことがある。そこで、視線ベクトル間の距離が最も近くなる点Of、Onの中点を特徴点の三次元位置とする。
【0054】
以下に、特徴点の三次元座標を算出する具体的手順を示す。(1)まず、前方視画像Pf上の特徴点の三次元座標と、投影中心点Cfの三次元座標とを通過する直線の単位ベクトルを算出し、これから視線ベクトルEf(Xfp,Yfp,Zfp)を算出する。視線ベクトルEfは、次の式(3)に表される。
【0055】
【数3】
(Xfc,Yfc,Zfc):投影中心点Cfの三次元座標
(Vfx,Vfy,Vfz):前方視画像Pf上の特徴点の三次元座標と、投影中心点Cfの三次元座標とを通過する直線の単位ベクトル
tf:パラメータ
【0056】
(2)直下視画像Pn上の特徴点の三次元座標と、投影中心点Cnの三次元座標とを通過する直線の単位ベクトルを算出し、これから視線ベクトルEn(Xnp,Ynp,Znp)を算出する。視線ベクトルEnは、次の式(4)に表される。
【0057】
【数4】
(Xnc,Ync,Znc):投影中心点Cnの三次元座標
(Vnx,Vny,Vnz):直下視画像Pn上の特徴点の三次元座標と、投影中心点Cnの三次元座標とを通過する直線の単位ベクトル
tn:パラメータ
【0058】
(3)視線ベクトル間の距離が最も近くなるときのパラメータtf、tnを算出し、これから視線ベクトル間の距離が最も近くなる点Of、Onの三次元座標を得る。
【0059】
(4)視線ベクトル間の距離が最も近くなる点Of、Onの中点の三次元座標を算出する。S210において以上の計算を繰り返して各特徴点の三次元座標を算出する。
【0060】
S206の結果から直線エッジの三次元データを取得する。このようにして三次元線分群が得られる(S212)。
【0061】
また、領域Rnkの特徴点(例えば角部)の三次元座標から領域Rnkの三次元データを算出する(S214)。ここで算出する領域Rnkの三次元データは大まかなものでよい。
【0062】
すべての領域Rnk(S107で選別されたもの)についてS110からS214までの処理が完了した場合にはS222に進む。未処理の領域Rnkが存在する場合には、S107で選別された領域であってかつ領域番号kが大きい領域RnkについてS110からS214までの処理を行う(S216)。
【0063】
上記の処理で得られた三次元線分群及び領域の三次元データを3Dワークスペース(三次元座標系)に投影する(S218)。
【0064】
領域の三次元データを覆うように三次元線分群を再構成する(S220)。三次元線分群は上記の処理により高い精度で求めることができるが、都市の鳥瞰図を得る上では意味のないものも含まれている。しかし、領域の三次元データを参考にして三次元線分群を再構成することにより、都市の鳥瞰図として意味のあるデータを生成することができる。
【0065】
再構成された三次元線分群で構成される領域に建物屋上面のテンプレートを当て嵌め、建物屋上面を推定する(S222)。
【0066】
得られた建物屋上面と地表面とつなぐ側壁を形成させることによりソリッド化して、建物セグメントを得る(S224)。
【0067】
近接する建物セグメントをクラスタリングして、建物オブジェクトを得る(S226)。以上の手順を踏むことにより、都市地上面A(建物オブジェクト群)の三次元データを得ることができる。
【0068】
以上説明したように、本実施形態では、ステレオマッチングをする前に、三次元化する必要がない樹木によって生じるエッジ又は領域を削除する。その結果、エッジマッチング又は領域マッチングをする際の検索対象を減らすことができ、マッチングの速度及び正確性を向上させることができる。
【0069】
なお、上記の実施形態では、上空から地上に向けてTLS走査するものであったが、建物オブジェクト群の側方から水平方向にステレオ画像の撮像を行うことによって建物オブジェット群側壁の三次元データを取得し、これから都市地上面の三次元データを取得してもよい。
【0070】
次に、本発明の実施形態に係るステレオマッチングプログラム4及びステレオマッチングプログラム4を記録した記録媒体14について説明する。図14は、ステレオマッチングプログラム4及びステレオマッチングプログラム4を記録した記録媒体14の構成図である。ステレオマッチングプログラム4は、その構成要素として、エッジ検出モジュール42、直線化修正モジュール44、選別条件設定モジュール46及び選別モジュール48を含んで構成される。ステレオマッチングプログラム4を後述のコンピュータに適用することにより、上記のステレオマッチング方法が実行される。
【0071】
図15は、ステレオマッチングプログラム4が実行されるコンピュータ5の物理的構成を示す図である。コンピュータ5は、物理的構成要素として、中央処理装置(CPU)52、オペレーティングシステムを常駐させた作業用メモリ54、読み取り装置56、ディスプレイ57及び入力装置58を備える。
【0072】
記録媒体14が読み取り装置56に挿入されると、記録媒体14に記録された情報が読み取り装置56からアクセス可能となり、ステレオマッチングプログラム4が、コンピュータ5によって実行される。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明により、ステレオマッチングをする前に、三次元化する必要がないオブジェクトによって生じるエッジ又は領域を削除できるステレオマッチング方法等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】三次元鳥瞰データ取得方法Aにより特定範囲の都市地上面A(建物オブジェクト群)の三次元データを取得する手順を示す第1のフローチャートである。
【図2】三次元鳥瞰データ取得方法Aにより特定範囲の都市地上面A(建物オブジェクト群)の三次元データを取得する手順を示す第2のフローチャートである。
【図3】直線エッジ抽出の詳細な手順を示すフローチャートである。
【図4】特徴点が前方視画像Pfにおける隠蔽部にあるか判断する詳細な手順を示すフローチャートである。
【図5】領域マッチングの詳細な手順を示すフローチャートである。
【図6】直線エッジマッチングの詳細な手順を示すフローチャートである。
【図7】建物と樹木を撮像した画像から樹木が取り除かれる様子を示した図である。
【図8】直線テンプレート及び直線テンプレートが当て嵌められる型枠を示す図である。
【図9】都市地上面の三次元データ(3Dレーザデータ曲面)と、視線ベクトルVfとが交わる様子を示す図である。
【図10】レーザスキャナが実行される様子を示す図である。
【図11】領域形状マッチング係数Rの算出結果の例を示す図である。
【図12】ステレオマッチング法において対応点(特徴点)の三次元座標が算出される論理を説明する図である。
【図13】対空標識を示す図である。
【図14】ステレオマッチングプログラム4及びステレオマッチングプログラム4を記録した記録媒体14の構成図である。
【図15】エッジマッチングプログラム3又はステレオマッチングプログラム4が実行されるコンピュータ5の物理的構成を示す図である。
【符号の説明】
14…記録媒体、4…ステレオマッチングプログラム、42…エッジ検出モジュール、44…直線化修正モジュール、46…選別条件設定モジュール、48…選別モジュール、5…コンピュータ、52…CPU、54…作業用メモリ、56…読み取り装置、57…ディスプレイ、58…入力装置、6…対空標識。
Claims (11)
- 互いに異なる方向から同一のオブジェクト群を撮像した複数のステレオ画像に基づいて前記オブジェクト群の三次元データを取得するステレオマッチング方法において、
前記ステレオ画像からエッジを検出するエッジ検出ステップと、
前記エッジを直線化修正する直線化修正ステップと、
前記直線化修正によって得られた直線エッジを選別するための選別条件を設定する選別条件設定ステップと、
前記選別条件に従って前記直線エッジを選別する選別ステップとを含む
ことを特徴とするステレオマッチング方法。 - 前記選別条件を、所定の長さよりも長い前記直線エッジとする
ことを特徴とする請求項1記載のステレオマッチング方法。 - 前記選別条件を、前記ステレオ画像における前記オブジェクトの実寸法1.8mに相当する長さ以上の長さの前記直線エッジとする
ことを特徴とする請求項1記載のステレオマッチング方法。 - 前記ステレオ画像が、前記オブジェクトの1.8m未満の長さにおける形状変化を表したものである
ことを特徴とする請求項2又は3に記載のステレオマッチング方法。 - 前記選別条件を、所定の長さよりも短い前記直線エッジとする
ことを特徴とする請求項1記載のステレオマッチング方法。 - 前記選別条件を、前記ステレオ画像における前記オブジェクトの実寸法0.2mに相当する長さ未満の長さの前記直線エッジとする
ことを特徴とする請求項1記載のステレオマッチング方法。 - 前記ステレオ画像が、0.2m四方の正方形型対空標識を認識できるものである
ことを特徴とする請求項5又は6に記載のステレオマッチング方法。 - 前記ステレオ画像が、前記オブジェクトの0.2m未満の長さにおける形状変化を表したものである
ことを特徴とする請求項5又は6に記載のステレオマッチング方法。 - 更に、前記ステレオ画像を複数の領域に分割する領域分割ステップを含み、
前記選別ステップで選別された直線エッジ群の情報を用いて、前記領域の情報を修正する
ことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載のステレオマッチング方法。 - 請求項1ないし9のいずれか1項に記載のステレオマッチング方法をコンピュータに実行させる
ことを特徴とするステレオマッチングプログラム。 - 請求項10記載のステレオマッチングプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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---|---|---|---|
JP2002188518A JP2004030453A (ja) | 2002-06-27 | 2002-06-27 | ステレオマッチング方法、ステレオマッチングプログラム及びステレオマッチングプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 |
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JP (1) | JP2004030453A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011203159A (ja) * | 2010-03-26 | 2011-10-13 | Nec Corp | 赤外線撮像装置及び赤外線画像の表示方法 |
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US8180100B2 (en) | 2004-08-11 | 2012-05-15 | Honda Motor Co., Ltd. | Plane detector and detecting method |
US8331653B2 (en) | 2004-08-11 | 2012-12-11 | Tokyo Institute Of Technology | Object detector |
JP2014134442A (ja) * | 2013-01-10 | 2014-07-24 | Mitsubishi Electric Corp | 赤外線目標検出装置 |
-
2002
- 2002-06-27 JP JP2002188518A patent/JP2004030453A/ja active Pending
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