JPH06148072A - ガス濃度測定方法およびその測定装置 - Google Patents

ガス濃度測定方法およびその測定装置

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JPH06148072A
JPH06148072A JP29586692A JP29586692A JPH06148072A JP H06148072 A JPH06148072 A JP H06148072A JP 29586692 A JP29586692 A JP 29586692A JP 29586692 A JP29586692 A JP 29586692A JP H06148072 A JPH06148072 A JP H06148072A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 戻り光ノイズのようなガス信号を劣化させる
ような信号が重畳しても正確にガス濃度測定の行えるガ
ス濃度測定方法及びその測定装置を提供することにあ
る。 【構成】 駆動電流及び温度に応じた波長及び強度のレ
ーザ光を発振するレーザを用い、このレーザの駆動電流
あるいは温度を変化させて、波長及び強度が変調された
レーザ光を発振させると共にそのレーザ光の中心波長を
掃引させ、そのレーザ光を測定対象とするガス雰囲気中
に通して得られる透過光の強度を検出し、この検出信号
中の特定成分を位相敏感検波して、この検波信号から雰
囲気圧力下での特定ガスの濃度を測定するガス濃度測定
方法において、この検波信号から所定の値以上の高周波
成分を除去してガス信号とし、このガス信号からガス雰
囲気の圧力とガス濃度信号を測定し、このガス濃度信号
を圧力補正してガスの濃度を測定することを特徴として
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガス濃度測定方法及び
その測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】特定波長のレーザ光がある種の気体に吸
収され易いことを利用して気体の有無を検出できること
が知られており、この原理を応用したセンシング技術が
工業計測、公害監視などの分野で広く用いられている。
またこのレーザ光を光ファイバを用いてこれを伝送路と
すれば、遠隔監視も可能となる。
【0003】そこで、本発明者らは光ファイバを伝送路
とした新規の遠隔ガス検出装置を開発した。この原理を
利用した方法において、半導体レーザの駆動電流を中心
として高周波で変調し、波長および強度の変調されたレ
ーザ光を発振させる。さらに電流及び温度を制御して発
振の中心波長がガス吸収線の中心になるよう半導体レー
ザの後方に出射するレーザ光をモニタ用として用いる。
そうして安定化され前方に出射されたレーザ光を、光フ
ァイバを介して未知濃度のガスを含む測定用のガスセル
に透過させてその透過光を対向する別の光ファイバで受
光部まで導き、ロックインアップを用いて位相敏感検波
して得られたレーザ光の2倍波検波信号または基本検波
信号を用いて高いS/N比でガス濃度を検出することが
できる。
【0004】ところが、ガスの孤立吸収線1つのに着目
すると、ガス雰囲気の圧力により吸収線の形状が変化
し、それに伴いガスの定量測定に用いている2倍波検波
信号も圧力に依存した値をもつ。そのため、炭坑やプラ
ントなど気圧変化の激しい箇所で本センサを用いて濃度
測定を行う場合、別に圧力センサを設けて圧力監視を行
い、圧力補正を行わないと、正確な濃度測定ができな
い。
【0005】そこで本発明者らは、(平成3年4月26
日出願「ガス濃度測定方法及びその測定装置」)におい
て、駆動電流及び温度に応じた波長および強度のレーザ
光を発振させるレーザを用いて、このレーザの駆動電流
あるいは、温度を変化させて、波長及び強度が変調され
たレーザ光を発振させると共に、そのレーザ光の中心波
長を掃引させ、そのレーザ光を測定対象となるガス雰囲
気に通した後の透過光の強度を検出し、この検出信号中
の特定成分を位相敏感検波して、この検出信号から上記
雰囲気圧力下での特定のガス濃度を測定する測定方法及
びその測定装置を提案した。
【0006】ところで、図9はレーザ光の波長と2倍波
位相検波敏感検波信号の関係を示す図である。図9にお
いて横軸はレーザ光の中心波長を示し、縦軸は2倍波位
相敏感検波信号を示す。検出ガスとしてアセチレンガス
を用い、検出ガスの吸収波長を1.532 μmとしたときの
出力信号である。この出力信号からガス信号を求めるた
めには、レーザ光の中心波長がガス吸収線近傍のときに
得られる波高値を求める。また、ガス吸収線近傍の両側
に現れる2つの極値の波長幅がガス吸収線のスペクトル
幅を示し、この値からガス雰囲気の圧力に関する情報を
得ることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、同様の
変調条件で低濃度ガスを検出した場合、出力信号には検
出すべきガス信号の他に周期性のノイズが重畳してしま
う(図10参照)。この周期性ノイズは、光学面から出
射したレーザ光と、光学面で反射して戻り光となったレ
ーザ光とが干渉をおこして出力信号を変動させることに
より発生する。このような信号が得られると、出力信号
から波高値とスペクトル幅を得ることは困難となり、検
出精度が低下してしまう。尚、図10は低濃度ガスにお
けるレーザ光の波長として2倍波位相敏感検波信号との
関係を示す図である。
【0008】そこで、本発明は、上記課題を解決し、戻
り光ノイズのようなガス信号を劣化させるような信号が
重畳しても正確にガス濃度測定の行えるガス濃度測定方
法及びその測定装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、駆動電流及び温度に応じた波長及び強度の
レーザ光を発振するレーザを用い、このレーザの駆動電
流あるいは温度を変化させて、波長及び強度が変調され
たレーザ光を発振させると共にそのレーザ光の中心波長
を掃引させ、そのレーザ光を測定対象とするガス雰囲気
中に通して得られる透過光の強度を検出し、この検出信
号中の特定成分を位相敏感検波して、この検波信号から
雰囲気圧力下での特定ガスの濃度を測定するガス濃度測
定方法において、この検波信号から所定の値以上の高周
波成分を除去してガス信号とし、このガス信号からガス
雰囲気の圧力とガス濃度信号を測定し、このガス濃度信
号を圧力補正してガスの濃度を測定するものである。
【0010】また本発明は、駆動電流及び温度に応じた
波長及び強度のレーザ光を発振するレーザと、測定対象
とする特定ガスを収容すると共に、そのガスの温度を一
定に保つ測定ガス用セルと、レーザ光をこの測定ガス用
セルに通して得られる透過光の強度を検出する検出器
と、この検出器からの信号中の特定成分を位相敏感検波
して、この検波信号から特定ガスの濃度を測定する測定
手段とを備えたガス濃度測定装置において、検出信号か
ら所定の値以上の高周波成分を除去するフィルタ手段
と、このフィルタ手段により除去された検出信号とをこ
の検出信号のスペクトル幅とを抽出してガス濃度を補正
する補正手段とを備えたものである。
【0011】
【作用】まず、分光測定において、測定感度を向上させ
る方法として周波数変調法がある。これは周波数変調さ
れた光を、検出対象とするガスを含む雰囲気中に透過さ
せると、その透過光の検出信号は直流分の他、変調周波
数と同じ周波数の基本波成分およびその高調波成分が得
られる。このうち、基本波成分と2倍波成分とをそれぞ
れ位相敏感検波すると、その基本波成分は吸収線に関す
る一次微分に対応し、2倍波成分は吸収線に関する二次
微分に対応する。このことから、駆動電流を変調したレ
ーザ光を特定のガスを含む雰囲気に透過させ、その透過
光の検出信号中の特定成分を位相敏感検波すると、その
検出信号からガス濃度に関する情報が得られる。
【0012】レーザの中心光周波数に対する、ノイズを
含んだ特定成分の位相敏感検波信号をFFT(高速フー
リエ変換)を用いて周波数領域に分解し、低域フィルタ
により特定高調波成分を除去した後、逆FFTにより波
形再生し、ノイズの除去されたガス信号からガス濃度を
求めるものである。ここで、位相敏感検波とは、特定の
周波数及び位相をもつ成分だけを抽出して、その振幅を
測定することである。
【0013】
【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面に基づい
て詳述する。尚、ここでは、半導体レーザを光源とし
て、メタンガスを測定する例について説明する。
【0014】半導体レーザの駆動電流を変調してレーザ
光の発振周波数Ωを変調させると、発振周波数だけでな
く発振強度も変調を受ける。今、このように周波数およ
び強度が変調されたレーザ光をメタンガスを含む雰囲気
に透過させると、その透過光の検出信号Pは数1のよう
に表される。
【0015】
【数1】 P=A [I0 +ΔIcos(ωt+φ)] × [C0 +ΔΩ・T01cosωt +((ΔΩ)2 /4)T02cos2ωt] ただし、
【0016】
【数2】C0 =T+((ΔΩ)2 /4)・T02 である。この検出信号Pは、直流分のほか、cosωt
成分とcos2ωt成分とを含む。ここで、Aは反射条
件などに依存する定数、I0 はレーザ出力の中心強度、
ΔIは強度振幅変調、ωは駆動電流の変調周波数、φは
ωとΩとの間の位相差、ΔΩは周波数変調振幅である。
また、T、T01、T02はそれぞれ透過率、その一次微分
dT/dΩ、二次微分d2 T/dΩ2 のΩ=Ω0 (ここ
でω0 はレーザの中心周波数)の値であり、その形状を
図4に示す。
【0017】ここで、図4は周波数に対する透過率T
と、その一次微分T01、二次微分T02とを示す図であ
る。各波形において横軸は周波数であり、縦軸は透過率
T(イ)、一次微分T01(ロ)、二次微分T02(ハ)で
ある。
【0018】数1におけるcosωtの周波数、位相成
分φを位相敏感検波すると、
【0019】
【数3】P(2ω)=A [I0 ((ΔΩ)2 /4)T02
+ΔI・ΔΩcosφ・T01] が得られ、検波信号P(2ω)がT01およびT02に基づ
いて変化することがわかる。
【0020】検波信号P(2ω)によりメタンガスの吸
収を検知する場合には、レーザ光の中心周波数Ω0 が、
メタンガスの吸収線の中心ω0 に一致したときに最大感
度が得られることを利用する(図4参照)。また、この
ときにはT01が「0」、T02が最大となるため、数3の
第2項は消去されて、第1項のみ残る。即ち、Ω0 =ω
0 のときのT02は、
【0021】
【数4】 T02(Ω0 =ω0 )=2・α(ω0 )・c・L/γ2 となる。そのため、これを数3の第1項に代入すると、
【0022】
【数5】 P(2ω)=A・I0 (ΔΩ)2 ・α(ω0 )・c・L/2γ2 =K1 α((ω0 )/γ2 )c・L となる。ここで、K1 は定数、α(ω0 )は、Ω0 =ω
0 のときのメタンガスの吸収係数、2γはガス吸収線の
半値全幅、c・Lはガス濃度cと光路長Lとの積であ
る。
【0023】このように、検波信号P(2ω)はガス濃
度cと光路長Lとの積に比例し、これよりメタンガスの
濃度cを極めて高い感度で検出できる。
【0024】ところで、数5中のα(ω0 )およびγ2
は、図2に示したように、ガス雰囲気の圧力により変化
する。
【0025】ここで図2は、ガスセル内の圧力に対する
吸収係数α(ω)と検波信号P(2ω)と後述する半値
全幅2γとの関係を示す図である。同図において横軸が
圧力(torr)、縦軸が吸収係数α(ω)、検波信号
P(2ω)、半値全幅2γである。
【0026】前述した数5により正確にガス濃度を測定
するには、雰囲気圧力下でのα(ω0 )およびγ2 の値
を求めなければならない。これらの正確な値は、レーザ
光の中心周波数Ω0 をメタンガス吸収線の前後で掃引し
たときの、検波信号P(2ω)の出力波形から得ること
ができる。
【0027】今、レーザ光の中心周波数Ω0 を変化させ
ると、数3の第1項はT02に、第2項はT01にそれぞれ
ある係数を積算した形の波形となる。その係数は、
0 、ΔΩ等であり、半導体レーザの発振条件を設定し
ておけば、定数として取り扱っても支障がない。したが
って、検波信号P(2ω)の波形は、図4の(ロ)と
(ハ)とをそれぞれある係数でもって積算して、これら
を互いに加算した形状となる(図3参照)。しかし、実
際には、数3の第1項は第2項よりも優位であるため、
図4(ハ)に示す低波長側の極小値と高波長側の極小値
との間の中心周波数Ω0 の幅が、ガス雰囲気圧力におけ
る半値全幅2γに相当する。こうして半値全幅2γが求
まれば、図2に基づいて圧力を得ることができ、さらに
その圧力下での吸収係数α(ω0 )を得ることができ
る。なお、図2に示したP(2ω)は、数5中のα(ω
0 )/γ2 の圧力による変化であり、全圧100tor
r近傍で最大値を示している。
【0028】この図2から雰囲気圧力を求めるには、α
(ω0 )あるいはγのいずれか一方が分かれば、圧力が
わかり、圧力補正をした濃度の検出ができる。
【0029】図1は本発明の一実施例としてのガス濃度
測定装置の概略構成図である。
【0030】同図において、1は半導体レーザで、単一
波長のレーザ光を発振させる必要から分布帰還形レーザ
を用いている。2は半導体レーザ1からのレーザ光を石
英系光ファイバ3aにカップリングするための光学系
で、集光レンズと、集光レンズからの戻り光をカットす
るための光アイソレータとからなる。光学系2の端面に
はさらに無反射コーティング処理が施され、半導体レー
ザ1への戻り光を極力小さくしてある。また4は半導体
レーザ1をマウントしてその温度をペルチェ素子用電源
5により制御するためのペルチェ素子であり、以上によ
りレーザモジュール6が構成されている。
【0031】7は光ファイバ3aからの光が透過する測
定ガス用セルで一定温度、未知濃度のメタンガスが含ま
れている。
【0032】3bは測定ガス用セル7を透過したレーザ
光を伝搬する復路用の石英系光ファイバ、8は光ファイ
バ3bからのレーザ光の強度を検出するpinフォトダ
イオード等からなる光検出器である。
【0033】ここで、光ファイバ3a、3bの端面は、
斜めカット無反射コーティング等により内部で干渉系が
発生しないように処理されている。
【0034】一方、9は周波数ωの正弦波信号を出力す
る発振器、10はこの周波数ωの信号により周波数2ω
の2倍波信号を作る倍周器、11は半導体レーザ1にバ
イアス電流を付加するための定電流電源であり、以上に
よりレーザ駆動回路12が構成されている。
【0035】レーザ駆動回路12は、発振器9からの周
波数ωの正弦波信号が、定電流電源11からの出力に重
畳されて、半導体レーザ1を駆動する。また、定電流電
源11の出力側には、発振器9の出力による影響を防ぐ
ためにインダクタンスLが接続されており、発振器9の
出力側にはコンデンサCが接続されている。
【0036】13は発振器9からの正弦波信号の周波数
ωに同期して光検出器8の出力の位相敏感検波を行うロ
ックインアンプ、14は倍周器10の正弦波信号の周波
数2ωに同期して光検出器8の出力の位相敏感検波を行
うロックインアンプ、15は両ロックインアンプ13、
14の出力比を求める割算器である。
【0037】一方、16は変調周波数ω成分をカットす
るローパスフィルタ、17は所定の基準電圧を発生する
基準電源、18は半導体レーザ1の順方向電圧の直流分
の変化を得るべく、ローパスフィルタ16の出力電圧の
値と基準電圧の値との差を求める減算器、23は減算器
22からの出力を増幅するアンプである。さらに、24
はアンプ19の出力をX軸に、アンプ19の出力をX軸
に、割算器15の出力をY軸にそれぞれ入力して記録す
るXYレコーダであり、以上により測定手段21が構成
されている。この測定手段21にはさらに、FFT処
理,逆FFT処理及びフィルタ処理等を行なうFFT解
析装置がXYレコーダ20に接続されて設けられてい
る。
【0038】次に実施例の作用を述べる。
【0039】図1において測定は、まず半導体レーザ1
に一定の発振しきい値以上の大きさの電流を定電流電源
11から供給する。このバイアス電流に発振器9により
変調周波数ωの正弦波電流を重畳し、レーザ光の周波数
及び強度を変調する。そして、ペルチェ素子4の印加電
流を可変抵抗器VRで調整して、半導体レーザ1の中心
周波数を変化させていく。
【0040】このとき半導体レーザ1の中心周波数のモ
ニタが、バイアス用の基準電源17の電圧と減算器18
の出力とを増幅したアンプ19の出力値によりなされ
る。すなわち、個々の半導体レーザ1の発振周波数と順
方向抵抗成分の変化量は、再現性のある関係にある。そ
のため、中心周波数のモニタとしてアンプ19の出力を
XYレコーダ20のX軸に入力する。
【0041】一方、半導体レーザ1から発振されたレー
ザ光は、光学系2を透過後、光ファイバ3aを介し、ガ
ス測定用セル7内のメタンガス雰囲気を透過後、光ファ
イバ3bを介して光検出器8に導かれ、そこで強度検出
される。ガス測定用セル7からの検出信号はロックイン
アップ13,14により位相敏感されて、基本波信号P
S (ω)及び2倍波検波信号PS (2ω)が得られると
共に、割算器15に入力されて、PS (2ω)/P
S (ω)をXYレコーダ20のY軸に入力する。
【0042】図1に示した測定装置は高濃度ガスについ
ては従来と同様の波形が得られる(図9)。ガス濃度信
号はガス吸収線近傍での波高値から求める。波高値の両
側に現れる極値の幅から圧力を求める。信号処理部で
は、この2点間の電圧差と圧力の関係をあらかじめ記憶
しておくことで圧力が求まり、ガス濃度信号を圧力につ
いて補正できる。
【0043】一方、低濃度ガスについても従来と同様の
出力信号波形が得られる。しかしこのままでは、出力信
号から波高値と極値とを求めることができない。
【0044】そこでまず、FFT解析装置22にデータ
を入力し以下の処理を行う。レーザの中心光周波数に対
する位相敏感検波信号をFFTを用いて周波数領域に分
解する(図5)。例えば256点処理のFFTアナライ
ザを用いる場合、図5の出力信号について、ガス信号の
領域より広い領域を解析対象領域とする。この解析対象
領域を256点等分割する。この領域についてX軸を時
間領域と仮定してFFT周波数解析を行う。
【0045】図5及び図6は、図9及び図10に示した
それぞれの出力波形をFFT処理して求めたパワースペ
クトル密度分布である。ノイズのない波形をみるとガス
信号のスペクトル成分が低周波領域にみられる。一方、
ノイズの重畳された波形のパワースペクトル密度をみる
と、高周波にまで分布がみられノイズによるものであ
る。そこでノイズの重畳されない波形のパワースペクト
ル密度分布と比較して図7に示すような特性を有する低
域透過フィルタ処理を行なわせる。この低域透過フィル
タはスペクトル成分「1〜8」までは係数「1」を乗じ
る。一方、「9〜128」のスペクトル成分には「0」
を乗じて除去する。その後のパワースペクトル密度分布
について逆FFTにより波形再生したのが図8である。
【0046】以上において本実施例によれば、検波信号
から所定の値以上の高周波成分を除去してガス信号と
し、このガス信号からガス雰囲気の圧力とガス濃度信号
を測定し、このガス濃度信号を圧力補正してガスの濃度
を測定するので、戻り光ノイズのようなガス信号を劣化
させるうような信号が重畳しても正確にガス濃度を測定
することができる。
【0047】なお、今回のケースで用いた低域透過フィ
ルタは、N=9以上のスペクトル成分を除去したが、F
FT対象とする波長領域の幅、FFT処理の処理点数が
変われば当然この値も変わる。この値の設定方法として
はあらかじめ測定対象となる波長領域の始点と終点を決
め、高い濃度におけるFFT処理によるスペクトル密度
分布からNの値を求める。また、本実施例ではガスにメ
タンガスを用いたが、これに限定されずアセチレンガス
等他のガスを用いてもよい。
【0048】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、次のよう
な優れた効果を発揮する。
【0049】(1)ガス信号を劣化させるようなノイズ
が重畳しても正確なガス濃度を測定することができる。
【0050】(2)低濃度ガス測定におけるSN比が向
上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としてのガス濃度測定装置の
概略構成図である。
【図2】図1に示したガス濃度測定装置に用いられるセ
ル内の圧力に対する吸収係数α(ω)と検波信号P(2
ω)と半値幅2γとの関係を示す図である。
【図3】図1に示したガス濃度測定装置に用いられたX
Yレコーダにより得られた出力波形の一部を示す図であ
る。
【図4】周波数に対する透過率Tと、その一次微分
01、二次微分T02とを示す図である。
【図5】図10に示した出力波形を図1に示した測定装
置によりFFT処理して求めたパワースペクトル密度分
布である。
【図6】図9に示した波形を図1に示した測定装置によ
りFFT処理したときのパワースペクトル密度分布であ
る。
【図7】図1に示した測定装置に用いられるFFT解析
装置内のフィルタの特性を示す図である。
【図8】図5に示したパワースペクトル密度分布につい
て、図1に示した測定装置に用いられるFFT解析装置
により逆FFTを行って再生した波形を示す図である。
【図9】高濃度ガスにおけるレーザ光の波長と2倍波位
相敏感検波信号との関係を示す図である。
【図10】低濃度ガスにおけるレーザ光の波長と2倍波
位相敏感検波信号との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 半導体レーザ 2 光学系 3a、3b 光ファイバ 4 ペルチェ素子 5 ペルチェ素子用電源 6 レーザモジュール 7 測定ガス用セル 8 光検出器 9 発振器 10 倍周器 11 定電流電源 12 レーザ駆動回路 13、14 ロックインアンプ 15 割算器 16 ローパスフィルタ 17 基準電源 18 減算器 19 アンプ 20 XYレコーダ 21 測定手段 22 FFT解析装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内田 昌彦 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社オプトロシステム研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動電流及び温度に応じた波長及び強度
    のレーザ光を発振するレーザを用い、このレーザの駆動
    電流あるいは温度を変化させて、波長及び強度が変調さ
    れたレーザ光を発振させると共にそのレーザ光の中心波
    長を掃引させ、そのレーザ光を測定対象とするガス雰囲
    気中に通して得られる透過光の強度を検出し、この検出
    信号中の特定成分を位相敏感検波して、この検波信号か
    ら上記雰囲気圧力下での特定ガスの濃度を測定するガス
    濃度測定方法において、この検波信号から所定の値以上
    の高周波成分を除去してガス信号とし、このガス信号か
    らガス雰囲気の圧力とガス濃度信号を測定し、このガス
    濃度信号を圧力補正してガスの濃度を測定することを特
    徴とするガス濃度測定方法。
  2. 【請求項2】 駆動電流及び温度に応じた波長及び強度
    のレーザ光を発振するレーザと、測定対象とする特定ガ
    スを収容すると共に、そのガスの温度を一定に保つ測定
    ガス用セルと、上記レーザ光をこの測定ガス用セルに通
    して得られる透過光の強度を検出する検出器と、この検
    出器からの信号中の特定成分を位相敏感検波して、この
    検波信号から上記特定ガスの濃度を測定する測定手段と
    を備えたガス濃度測定装置において、上記検出信号から
    所定の値以上の高周波成分を除去するフィルタ手段と、
    このフィルタ手段により除去された検出信号とをこの検
    出信号のスペクトル幅とを抽出してガス濃度を補正する
    補正手段とを備えたことを特徴とするガス濃度測定装
    置。
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