JPH0614754A

JPH0614754A - 機能性濃縮ニンジンジュース組成物

Info

Publication number: JPH0614754A
Application number: JP4174190A
Authority: JP
Inventors: Zenichi Kawashima; 善一河嶋
Original assignee: YAMAGUCHI SHIYUZOUJIYOU KK
Current assignee: YAMAGUCHI SHIYUZOUJIYOU KK
Priority date: 1992-07-01
Filing date: 1992-07-01
Publication date: 1994-01-25

Abstract

(57)【要約】【目的】食塩の取り過ぎを防止するとともに、栄養学
的にも健康を保持する上でバランスがとれた機能性ニン
ジンジュース組成物を提供する。【構成】塩化ナトリウム８０〜３０重量％、塩化カリ
ウム２０〜７０重量％の混合物１００重量部に対して塩
化カルシウムおよび／または塩化マグネシウム０.２〜
１重量部を混合してなる辛味組成物０.４〜１重量％、
クエン酸０.１〜０.５重量％、クエン酸三ナトリウム
０.１〜５重量％、ポリデキストロース５〜１０重量
％、および濃縮ニンジンジュース８３.５〜８８.７重量
％からなる機能性濃縮ニンジンジュース組成物。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、機能性を有する健康ニ
ンジンジュース組成物に関する。

【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従来
より、ニンジンジュースは、野菜ジュースの一部として
他の野菜類ジュースとともに配合されていたにすぎず、
ニンジン単独のジュースは知られていなかったが、近年
になって、健康指向を求める世相を反映してニンジンそ
のもののジュースも各社から製品化されるようになっ
た。しかしながら、これら野菜ジュースやニンジンジュ
ースは、野菜やニンジンをジュースとして含有するもの
の、その食理効果について機能性を発揮するまでには至
っていない。

【０００２】すなわち、これらジュースについて機能性
を発揮するには、ミネラルのバランス摂取理論、クエン
酸サイクル理論、酸アルカリのバランス理論、必須ミネ
ラルの相互拮抗作用理論、食物繊維の生理作用理論等を
考慮して、これら理論に基づいて各作用を発現するため
の食材を配合する必要があるが、これまでの野菜ジュー
スやニンジンジュースでは、これら理論を考慮するまで
には至らず、野菜ジュースやニンジンジュースに塩味、
防腐等のため食塩その他の通常の添加物を添加したにす
ぎず、そのため、これら野菜ジュースやニンジンジュー
スの摂取がかえって食塩の取り過ぎとなるなど充分な機
能性を得ることができなかった。

【０００３】

【課題を解決するための手段】そこで本発明者は、上記
各理論に基づき、食塩の取り過ぎを防止するとともに、
栄養学的にも健康を保持する上でバランスがとれた機能
性ニンジンジュース組成物を開発すべく研究を重ねた結
果、通常のニンジンジュースを２倍に濃縮したものに本
発明者による辛味組成物、クエン酸、クエン酸三ナトリ
ウム、ポリデキストロースを添加すれば所期の効果を得
られることを見い出し、本発明を完成するに至った。

【０００４】すなわち、本発明は、塩化ナトリウム８０
〜３０重量％、塩化カリウム２０〜７０重量％の混合物
１００重量部に対して塩化カルシウムおよび／または塩
化マグネシウム０.２〜１重量部を混合してなる辛味組
成物０.４〜１重量％、クエン酸０.１〜０.５重量％、
クエン酸三ナトリウム０.１〜５重量％、ポリデキストロ
ース５〜１０重量％、および濃縮ニンジンジュース８３.
５〜８８.７重量％からなる機能性濃縮ニンジンジュー
ス組成物を提供するものである。

【０００５】本発明の機能性濃縮ニンジンジュース組成
物は、主成分として濃縮ニンジンジュースを含有する。
該濃縮ニンジンジュースは、通常の野菜ジュースやニン
ジンジュースの場合と同様、濃縮還元した１００％のも
のを用いることも可能であるが、２倍またはそれ以上に
濃縮したものを用いればニンジンに含まれるβ−カロチ
ンの摂取量も２倍となり、食理効果もそれにつれて倍増
するのでより好ましい。

【０００６】本発明の組成物中に用いる辛味組成物(マ
ルチミネラルバランス塩)は、本発明者の特許になる特
公昭６０−１５２９９号公報に記載されているものであ
る。この辛味組成物は、塩化ナトリウム８０〜３０重量
％、塩化カリウム２０〜７０重量％の混合物１００重量
部に対して塩化カルシウムおよび／または塩化マグネシ
ウム０.２〜１重量部を混合したものであって、該辛味
組成物を通常の食塩(塩化ナトリウム約１００％)の代わ
りに用いることにより、ミネラル成分としてナトリウム
に偏ることなく、ニンジンに含まれるミネラル分を補給
してカリウム、カルシウム、マグネシウム等をもバラン
スよく摂取することが可能となり、食塩の過剰摂取に伴
う種々の障害(たとえば、高血圧)を防止することができ
る。

【０００７】該辛味組成物の本発明の組成物中での使用
量は、０.４〜１重量％が好ましく、０.５〜０.８重量
％であるのがさらに好ましい。１重量％以上含まれてい
ると、塩味が強く感じられるので好ましくなく、また
０.４重量％以下であると充分にその呈味および防腐効
果が発揮されないので好ましくない。

【０００８】つぎに、本発明の組成物中にはクエン酸お
よびクエン酸三ナトリウムを用いるが、これは酸味料と
して配合したものであり、本発明の組成物の旨味および
呈味性の向上を図るとともに、上記クエン酸サイクル理
論に基づく機能性の向上、およびクエン酸による酸アル
カリのバランス保持をも可能ならしめるものである。ク
エン酸三ナトリウムはまた、血液の凝固防止効果も認め
られており、循環器改良剤としても広く医薬品中にクエ
ン酸ナトリウムとして多用されているものであり、その
薬理効果が実証され副作用もないことが確認されてい
る。

【０００９】上記クエン酸およびクエン酸三ナトリウム
の本発明の組成物中での使用量としては、それぞれ、
０.１〜０.５重量％、好ましくは０.１〜０.３重量％、
および０.１〜５重量％、好ましくは０.６〜４.５重量
％の範囲である。これら範囲内でないと、酸味等の異味
を生じうま味が減少するので好ましくない。

【００１０】本発明の濃縮ニンジンジュース組成物は、
さらにポリデキストロースを含有する。ポリデキストロ
ースは食物繊維として重要であり、便秘の予防効果等が
認められており、ニンジンに含まれる食物繊維とともに
その食理効果と呈味性の向上を図っている。ポリデキス
トロースの本発明の組成物中の含有量は、５〜１０重量
％、好ましくは６〜８重量％の範囲である。１０重量％
を越えると粘度が高くなり飲みにくくなるので好ましく
なく、また５重量％以下では、食理効果が減少するので
好ましくない。

【００１１】本発明の濃縮ニンジンジュース組成物を製
造するには、常法に従ってニンジンジュースまたは濃縮
ニンジンジュースを調製した後、これに辛味組成物０.
４〜１重量％、クエン酸０.１〜０.５重量％、クエン酸
三ナトリウム０.１〜５重量％、およびポリデキストロ
ース５〜１０重量％を順次または一度に添加すればよ
い。なお、本明細書において「機能性」とは、野菜ジュー
ス、ニンジンジュースその他の栄養組成物が人体の機能
性を高めることができることをいう。また、本明細書に
おいて「ミネラルのバランス摂取理論」とは、人体の機能
性を高め健康を保持するには、特定のミネラルに偏るこ
となく各種ミネラルをまんべんなく摂取することが重要
であるとする理論をいう。「クエン酸サイクル理論」と
は、人体の代謝サイクルであるクエン酸サイクル(ＴＣ
Ａサイクルともいう)中の代謝産物であるクエン酸を摂
取することが、人体の機能性の向上に効果があるとする
理論をいう。

【００１２】「酸アルカリのバランス摂取理論」とは、栄
養学において酸性食品とされる食品とアルカリ性食品と
される食品とをバランスよく摂取することが、健康保持
に重要であるとする理論をいう。「必須ミネラルの相互
拮抗作用理論」とは、たとえば、(１)ＮａはＫと拮抗
し、Ｎａが血液体液細胞に入るのをＫは調整し過剰分の
ＮａをＫとともに体外に排泄する作用、(２)ＭｇはＣａ
と拮抗し、Ｃａが血液体液細胞に入るのをＭｇは調整し
過剰分のＣａをＭｇとともに体外に排泄する作用をい
う。「食物繊維の生理作用理論」とは、野菜等に含まれる
食物繊維の摂取が、消化管の機能性を高め、他の栄養成
分の摂取に好ましい作用を及ぼすという理論をいう。

【００１３】

【実施例】つぎに、本発明を実施例に基づいてさらに詳
しく説明するが、本発明はこれに限られるものではな
い。実施例ニンジン１００ｋｇを洗浄し、ジューサーにより搾汁
し、約６０ｋｇのニンジンジュースを得た。このジュー
スを濃縮装置により濃縮して、２倍濃縮液３０ｋｇを
得た。得られた濃縮液に、辛味組成物(マルチミネラル
バランス塩) １重量％、クエン酸１重量％、クエン酸
三ナトリウム３重量％、ポリデキストロース１重量％
を添加し、機能性濃縮ニンジンジュース組成物を得た。
得られた機能性濃縮ニンジンジュース組成物を５０人の
成人男女に試飲およびその評価を求めたところ、５０人
全員が美味で口当たりがよく、食欲が増進したとの報告
が得られた。

【００１４】

【発明の効果】本発明の機能性濃縮ニンジンジュースに
は、日常の健康保持に必要と思われる栄養成分がニンジ
ンジュースを中心にまんべんなく含まれているので、こ
れを日常的に摂取すれば、ミネラルのバランス摂取、酸
アルカリのバランス保持、ビタミンＡの摂取、クエン酸
の摂取が日常の食事の栄養のバランスを補完するととも
に、人体の健康維持、増進に大いなる寄与をもたらすも
のである。なお、ニンジンジュースに含まれるβカロチ
ンはビタミンＡの前駆体であり、古来より夜盲症の治療
に民間薬として多用されてきたものであり、近代におけ
る企業業務のＯＡ機器化に伴う執務者の眼精疲労の回
復、肩凝り症の防除等の目的でそのニーズが高まってき
ており、大手食品メーカーがこの製造販売に参入してき
ている。

【００１５】なお、ミネラルのバランス摂取理論に関
し、Ｎａ／Ｋ比が１以下の食事によって本態性高血圧症
が防除されることがＷＨＯの１０００名に及ぶ臨床実験
による実証によって明らかにされている。また、Ｃａ／
Ｍｇ比が１以下の食事によっても成人病、老人性痴呆症
等が防除されることも臨床実験が行われている。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】塩化ナトリウム８０〜３０重量％、塩化
カリウム２０〜７０重量％の混合物１００重量部に対し
て塩化カルシウムおよび／または塩化マグネシウム０.
２〜１重量部を混合してなる辛味組成物０.４〜１重量
％、クエン酸０.１〜０.５重量％、クエン酸三ナトリウ
ム０.１〜５重量％、ポリデキストロース５〜１０重量
％、および濃縮ニンジンジュース８３.５〜８８.７重量
％からなる機能性濃縮ニンジンジュース組成物。
【請求項２】該濃縮ニンジンジュースが２倍濃縮ニン
ジンジュースである、請求項１に記載の組成物。
【請求項３】辛味組成物０.５〜０.８重量％、クエン
酸０.１〜０.３重量％、クエン酸三ナトリウム０.６〜
４.５重量％、ポリデキストロース６〜８重量％、およ
び濃縮ニンジンジュース８３.５〜８８.７重量％からな
る、請求項１または２に記載の組成物。