JPH06146436A - パネルの結合装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 低コストで信頼性が高く、しかも軽量化でき
るパネルの結合装置を提供する。 【構成】 左側のパネル1 の右側縁部に横断面Ｃ状の嵌
合凹部3 が形成されている。右側のパネル2 の左側縁部
にその長さ方向の全長にわたって側壁部5 が形成されて
おり、この側壁部5 に嵌合凹部3 に緩く嵌め入れられる
大きさとなされた横断面逆コ字状の嵌合凸部4 が左方に
突出するように形成されている。そして、嵌合凸部4 が
嵌合凹部3 に嵌め入れられるとともに上下方向に拡げら
れて嵌合凹部3 に固定されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、列車車両の仕切り
壁、船舶上部構造の壁材、ビル用の壁材等におけるパネ
ルの結合装置に関する。

【０００２】この明細書において、上下左右は、図３の
上下左右をいうものとする。また、「アルミニウム」に
はアルミニウム合金も含むものとする。

【０００３】

【従来の技術】従来、壁材として使用されるアルミニウ
ム押出形材製パネルを結合するには、溶接による接合や
接着剤による接合が知られており、また、パネルの結合
装置として、隣り合う２つのパネルのうち、一方のパネ
ルの側縁部に嵌合凹部が、他方のパネルの側縁部に嵌合
凸部がそれぞれ形成され、嵌合凹部および嵌合凸部に嵌
合時に相互に向かい合う連結ピン嵌込み用溝が形成さ
れ、これらの連結ピン嵌込み用溝によって形成された貫
通孔に、きつく嵌まり込むステンレス製連結ピンが挿入
されているものが知られている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術におい
て、溶接による接合では、パネル側壁の肉厚が１．０〜
１．５ｍｍのような薄いものでは溶接が困難で、かつコ
ストも高くつくという問題があり、接着剤による接合で
は、接着剤が劣化するため信頼性に不安があるという問
題があり、また、ステンレス製連結ピンを使用するパネ
ルの結合装置では、嵌合凹部および嵌合凸部の肉厚を厚
くする必要があり、さらにステンレス製連結ピンを使用
するために、重量が増加するという問題があった。

【０００５】この発明の目的は、低コストで信頼性が高
く、しかも軽量化できるパネルの結合装置を提供するこ
とにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この発明によるパネルの
結合装置は、アルミニウム押出形材製パネルが幅方向に
所要数結合せられてなる壁材等において、隣り合う２つ
のパネルのうち、一方のパネルの側縁部にその長さ方向
の全長にわたって横断面Ｃ状の嵌合凹部が形成され、他
方のパネルの側縁部にその長さ方向の全長にわたって側
壁部が形成されてこの側壁部にその長さ方向の全長にわ
たって横断面逆コ字状の嵌合凸部が一方のパネル側に突
出するように形成されており、嵌合凸部が嵌合凹部に嵌
め入れられるとともに上下方向に拡げられて嵌合凹部に
固定されているものである。

【０００７】

【作用】この発明によるパネルの結合装置は、隣り合う
２つのパネルのうち、一方のパネルの側縁部にその長さ
方向の全長にわたって横断面Ｃ状の嵌合凹部が形成さ
れ、他方のパネルの側縁部にその長さ方向の全長にわた
って側壁部が形成されてこの側壁部にその長さ方向の全
長にわたって横断面逆コ字状の嵌合凸部が一方のパネル
側に突出するように形成されており、嵌合凸部が嵌合凹
部に嵌め入れられるとともに上下方向に拡げられて嵌合
凹部に固定されているものであるから、溶接による接合
や接着剤による接合が不要でかつステンレス製連結ピン
を使用することなく堅固に結合されたパネルが製作でき
る。

【０００８】

【実施例】この発明の実施例を、以下図面を参照して説
明する。

【０００９】図１から図３までは、同一の断面形状を有
する中空状アルミニウム押出形材製のパネルが所要数重
ね合わせられて構成される壁材におけるパネルの結合装
置を示している。

【００１０】パネルの結合装置は、左右に隣り合うパネ
ル(1)(2)のうち、左側のパネル(1)の右側縁部にその長
さ方向の全長にわたって横断面Ｃ状の嵌合凹部(3) が形
成され、右側のパネル(2) の左側縁部にその長さ方向の
全長にわたって側壁部(5) が形成されてこの側壁部(5)
にその長さ方向の全長にわたって嵌合凹部(3) に緩く嵌
め入れられる大きさとなされた横断面逆コ字状の嵌合凸
部(4) が左方に突出するように形成されており、嵌合凸
部(4) が嵌合凹部(3) に嵌め入れられるとともに上下方
向に拡げられて嵌合凹部(3) に固定されているものであ
る。

【００１１】嵌合凸部(4) の上下両側には、嵌合凹部
(3) の上下側壁(7) の嵌入部形成用兼上下拡がり防止用
の左方突出状突部(6) が、嵌合凸部(4) に対して所定間
隔をおいてそれぞれ形成されている。

【００１２】嵌合凹部(3) の上下側壁(7) の内面形状
は、その右端部(7a)においては水平から約６０度傾いた
接線に沿った曲線となされ、その左端部(7b)においては
右端部(7a)よりもなだらかな曲線となされており、これ
により、嵌合凸部(4) が嵌合凹部(3) から抜けにくくな
っている。

【００１３】嵌合凸部(4) を上下方向に拡げるために
は、例えば図１に示すような鉄製の治具(9) が用いられ
る。これは先細り棒状のもので、先端部(9a)の断面形状
が嵌合凸部(4) の形状に対応しわずかにこれより小さく
なされており、後端部(9b)の断面形状が嵌合凹部(3) の
形状に対応し若干これより大きくなされている。治具
(9) の先端にはワイヤ取付け部(10)が設けられて、ここ
にワイヤ(11)の一端が取付けられている。そして、治具
(9) の先端部(9a)を嵌合凸部(4) 内に挿入し、ワイヤ(1
1)をウインチ等で引っ張ることにより、嵌合凸部(4) が
治具(9) の後端部(9b)の断面形状に沿わされて塑性変形
させられ、嵌合凸部(4) が嵌合凹部(3) に固定される。
嵌合凸部(4) が上下方向に拡げられる前の状態を図２に
示し、嵌合凸部(4) が上下方向に拡げられた後の状態を
図３に示す。

【００１４】嵌合凸部(4) を上下方向に拡げるために
は、上記の治具を用いないで、例えば公知のマンドレル
拡管や油圧による拡管を使用することも可能である。

【００１５】上記のパネルの結合装置は、接着剤による
接合や溶接接合と併用することも可能である。また、溶
接を必要とする場合において、溶接前の仮結合としても
効果がある。

【００１６】

【発明の効果】この発明のパネルの結合装置によると、
溶接による接合や接着剤による接合が不要でかつステン
レス製連結ピンを使用することなく堅固に結合されたパ
ネルが製作できるので、低コストで信頼性が高く、しか
も軽量化できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明によるパネルの結合装置を示す斜視図
である。

【図２】同装置の嵌合凸部を拡げる前の横断面図であ
る。

【図３】同装置の嵌合凸部を拡げた後の横断面図であ
る。

【符号の説明】

(1) 左側のパネル (2) 右側のパネル (3) 嵌合凹部 (4) 嵌合凸部 (5) 右側のパネルの側壁部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 アルミニウム押出形材製パネルが幅方向
   に所要数結合せられてなる壁材等において、隣り合う２
   つのパネル(1)(2)のうち、一方のパネル(1)の側縁部に
   その長さ方向の全長にわたって横断面Ｃ状の嵌合凹部
   (3) が形成され、他方のパネル(2) の側縁部にその長さ
   方向の全長にわたって側壁部(5) が形成されてこの側壁
   部(5) にその長さ方向の全長にわたって横断面逆コ字状
   の嵌合凸部(4) が一方のパネル(1) 側に突出するように
   形成されており、嵌合凸部(4) が嵌合凹部(3) に嵌め入
   れられるとともに上下方向に拡げられて嵌合凹部(3) に
   固定されているパネルの結合装置。