JPH06145479A - ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物 - Google Patents

ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物

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JPH06145479A
JPH06145479A JP32226192A JP32226192A JPH06145479A JP H06145479 A JPH06145479 A JP H06145479A JP 32226192 A JP32226192 A JP 32226192A JP 32226192 A JP32226192 A JP 32226192A JP H06145479 A JPH06145479 A JP H06145479A
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flame retardant
resin composition
polybutylene terephthalate
filler
based resin
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JP32226192A
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Minoru Omoto
実 大本
Shuhei Ishino
修平 石野
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 シュウ酸チタンカリウムを触媒として用いて
製造された極限粘度0.60dl/g以上のポリブチレ
ンテレフタレート系樹脂、並びに充填剤および難燃剤の
少なくとも一方を含有することを特徴とするポリブチレ
ンテレフタレート系樹脂組成物。 【効果】 本発明のPBT系樹脂組成物を用いた場合に
は、耐熱老化性および耐加水分解性に極めて優れ、高温
下および高温・高湿下で長時間使用しても、物性低下が
極めて少なく、良好な力学的性能をそのまま安定に維持
する成形体を得ることができ、また本発明において難燃
剤を使用した場合には、上記した耐熱老化性および耐加
水分解性という特性と共に更に難燃性を成形体に付与す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリブチレンテレフタ
レート系樹脂組成物に関する。詳細には、耐熱老化性と
耐加水分解性に優れたポリブチレンテレフタレート系樹
脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリブチレンテレフタレート系樹脂は、
その優れた耐熱性、力学的性質、耐溶剤性、電気的性
質、成形性などを活かして、電気部品、電子部品、自動
車部品、機械部品等として種々の分野で既に広く用いら
れている。
【0003】そして、そのようなポリブチレンテレフタ
レート系樹脂は、テトラブチルチタネートやテトライソ
プロピルチタネートにより代表されるチタン酸のアルキ
ルエステル、アリールエステル、それらの部分加水分解
物等のチタン酸エステル系の重合触媒を用いて一般に製
造されている。しかし、チタン酸エステル系の重合触媒
を使用して得られた従来のポリブチレンテレフタレート
系樹脂は、高温下、特に水分や湿分の存在する高温高湿
雰囲気下で長時間使用した場合に、力学的物性、特に引
張強さや伸びに代表される靭性の低下が著しく、その点
が改良すべき問題点として指摘されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、高温
下およびは高温高湿下で長時間使用した場合にも、力学
的物性、特に靭性の低下が少なく、耐熱老化性および耐
加水分解性に優れた成形体を得ることのできるポリブチ
レンテレフタレート系樹脂組成物を提供することであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決すべく
本発明者らが検討を続けた結果、従来一般に使用されて
いるチタン酸エステル系の重合触媒の代わりにシュウ酸
チタンカリウムを重合触媒として用いて特定の極限粘度
を有するポリブチレンテレフタレート系樹脂を製造し、
それにより得られたポリブチレンテレフタレート系樹脂
に充填剤および難燃剤の少なくとも一方を配合すると、
耐熱老化性および耐加水分解性に優れた、上記の課題を
解決することのできる樹脂組成物が得られることを見出
して本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明は、シュウ酸チタンカリ
ウムを触媒として用いて製造された極限粘度0.60d
l/g以上のポリブチレンテレフタレート系樹脂、並び
に充填剤および難燃剤の少なくとも一方を含有すること
を特徴とするポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物
である。
【0007】本発明の組成物で使用するポリブチレンテ
レフタレート系樹脂(以下「PBT系樹脂」という)
は、ポリエステル樹脂を構成する酸成分の少なくとも7
0モル%以上がテレフタル酸またはそのエステル形成性
誘導体からなり、かつジオール成分の少なくとも70モ
ル%が1,4−ブタンジオールからなるポリエステル樹
脂であり、30モル%以下の範囲であれば他の共重合酸
成分および/または他の共重合ジオール成分を用いたも
のであってもよい。その場合に、酸成分としてテレフタ
ル酸のエステル形成性誘導体を使用する場合は、テレフ
タル酸のジアルキルエステル、ジアリールエステル等を
用いることができる。
【0008】30モル%以下の範囲で用いることのでき
る他の共重合酸成分の例としては、フタル酸、イソフタ
ル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン
酸等の芳香族ジカルボン酸;アジピン酸、セバシン酸、
マゼライン酸、コハク酸、シュウ酸等の脂肪族ジカルボ
ン酸;β−オキシエトキシ安息香酸、p−オキシ安息香
酸のようなオキシカルボン酸;またはそれらのエステル
形成性誘導体などを挙げることができ、それらの共重合
酸成分は1種のみを用いてもまたは2種以上を用いても
よい。
【0009】また、30モル%以下の範囲で用いること
のできる共重合ジオール成分の例としては、エチレング
リコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコ
ール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5
−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,
9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジ
オール、デカメチレンジオールなどの炭素数2〜10の
脂肪族ジオール;シクロヘキサンジオール等の脂環式ジ
オール;ビスフェノールA、ビスフェノールS等の芳香
族ジオール;ポリエチレングリコール、ポリトリメチレ
ングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリ
アルキレングリコールなどを挙げることができ、これら
の共重合ジオール成分は1種のみを用いてもまたは2種
以上を用いてもよい。
【0010】本発明ではPBT系樹脂として、上記した
テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体から主と
してなる酸成分と上記した1,4−ブタンジオールから
主としてなるジオール成分とを用いて、エステル交換反
応または直接エステル化反応によって製造されたものの
いずれも使用できるが、その際の重合触媒として、従来
のチタン系触媒に代えて、シュウ酸チタンカリウムを使
用することが必要である。
【0011】ここでいう、シュウ酸チタンカリウムと
は、シュウ酸のカルボキシル基がチタンおよびカリウム
により塩の形態になっているものをいい、一般にシュウ
酸1モル当たり、チタン原子が約0.5モルおよびカリ
ウム原子が約1モル結合したものをいう。シュウ酸チタ
ンカリウムは、例えばシュウ酸を十分加水分解させたチ
タン酸カリウムと反応させることにより製造することが
できるが、勿論その製法は限定されず、K2Ti(C
24)2・nH2Oの化学式で示されるものはいずれも使用
することができる。
【0012】シュウ酸チタンカリウムは、PBT系樹脂
を製造するためのエステル交換反応または直接エステル
化反応の前または途中に加えるのがよく、一般に、仕込
み原料の全重量の10〜500ppmの割合で使用する
のが好ましい。
【0013】そして本発明では、シュウ酸チタンカリウ
ム触媒を用いて製造されたPBT系樹脂の極限粘度が
0.60dl/g以上であることが必要である。ここ
で、本発明における極限粘度とは、重量比で1:1のフ
ェノール/テトラクロロエタン混合溶媒を用いて、30
℃で測定した時の値をいう。
【0014】PBT系樹脂の極限粘度が0.60dl/
gよりも小さいと、PBT系樹脂組成物から製造される
成形体の靭性が低くなり、満足のゆく物性を備えた成形
体が得られない。PBT系樹脂の極限粘度の上限値は特
に限定されないが、あまりに高いと成形時の溶融粘度が
高くなり過ぎて成形加工性が低下し、特に射出成形の場
合は成形が困難になるので、通常1.50dl/g以下
のPBT系樹脂を用いるのが好ましい。得られる成形体
の靭性および成形加工性の両方の点からは、極限粘度が
0.70〜1.20dl/gの範囲のPBT系樹脂を使
用するのが特に好ましい。
【0015】そして、本発明の組成物は、上記したPB
T系樹脂と共に、充填剤および難燃剤の少なくとも一方
を含有することが必要である。本発明のPBT系樹脂組
成物は、充填剤および難燃剤の両方を含有していても、
或いは充填剤と難燃剤のうちの一方のみを含有していて
もよい。そのうちでも、特に充填剤と難燃剤の両方を含
有するのが好ましく、それによって本発明のPBT系樹
脂組成物から得られる成形体に難燃性が付与されると共
に、成形体の力学的性質、耐熱老化性、耐加水分解性が
一層良好になる。
【0016】充填剤としては無機充填剤および有機充填
剤のいずれもが使用でき、充填剤の形態は繊維状、粉末
状、粒状、ビーズ状、バルーン状などの任意の形態でよ
い。本発明で使用し得る充填剤の例としては、ガラス繊
維、炭素繊維、金属繊維、アラミド繊維、チタン酸カリ
ウム繊維、炭化ケイ素繊維、セラミック繊維、窒化ケイ
素繊維などの繊維状強化剤、硫酸バリウム、硫酸カルシ
ウム、ベントナイト、セリサイト、ゼオライト、雲母、
ネフェリンシナイト、タルク、アタルパルジャイト、ウ
ォラスナイト、PMF、フェライト、珪酸カルシウム、
炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、酸化
亜鉛、二硫化モリブデン、黒鉛、石膏、ガラスビーズ、
ガラスパウダー、ガラスバルーン、ガラスフレーク、石
英、石英ガラスなどの強化充填剤を挙げることができ
る。それらのうちでも、特にガラス繊維が、力学的性質
および成形性の点で好ましい。
【0017】また、難燃剤の種類についての制限はな
く、有機難燃剤および無機難燃剤のいずれもが使用でき
る。本発明で使用し得る難燃剤の例を挙げると、臭素化
フェノキシ樹脂、臭素化ボリカーボネート等の臭素化重
合体;テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビ
スフェノールAとフェノールの混合物、テトラブロモビ
スフェノールAのエポキシ化物、テトラブロモビスフェ
ノールA・エチルエーテルオリゴマー、テトラブロモビ
スフェノールA・ビス(2,3−ジブロモプロピルエー
テル)、テトラブロモビスフェノールA・ビス(アリル
エーテル)、テトラブロモビスフェノールA・2−ヒド
ロキシエチルエーテル、テトラブロモビスフェノールA
のカーボネートオリゴマー等の臭素化ビスフェノールA
またはその誘導体;デカンブロモジフェニルエーテル、
ヘキサブロモベンゼン、テトラブロモ無水フタル酸、ト
リブロモフェノール、ビス(トリブロモフェノキシ)エ
タン、ポリジブロモフェニレンオキサイド、ビス(ペン
タブロモフェノキシ)エタン、エチレンビステトラブロ
モフタルイミド、ブロム化スチレン、テトラブロモビス
フェノールS、テトラブロモビスフェノールSのビス
(2,3−ジブロモプロピルエーテル)等の他の臭素化
芳香族化合物;トリフェニルホスフェート、クレジルジ
フェニルホスフェノート等のリン化合物;三酸化アンチ
モン、五酸化アンチモン、アンチモン酸塩等のアンチモ
ン化合物;水酸化アルミニウムなどを挙げることができ
る。上記した難燃剤のうちでも、臭素化フェノキシ樹脂
または臭素化ポリカーボネート樹脂に三酸化アンチモン
を加えた系が難燃性、安全性の点から好ましい。
【0018】充填剤および難燃剤の配合量については、
PBT系樹脂に充填剤と難燃剤の両方を配合する場合
は、PBT系樹脂100重量部(以下単に部という)に
対して、充填剤を1〜100部そして難燃剤を10〜5
0部とし、充填剤と難燃剤の合計量がPBT系樹脂10
0部当たり20〜120部、更に好ましくは40〜12
0部になるようにするのがよい。また、難燃剤を配合せ
ずに充填剤を単独で配合する場合はPBT系樹脂100
部に対して充填剤を1〜100部、更に好ましくは10
〜70部に、また充填剤を配合せずに難燃剤を単独で配
合する場合はPBT系樹脂100部に対して難燃剤を1
0〜50部にするのがよい。
【0019】充填剤を配合する場合は、その配合量が上
記した量よりも少ないと、成形体の強度などの力学的性
能、耐熱老化性、耐熱水性などの物性が良好なものにな
らず、一方上記の量よりも多いと成形体の靭性が低下す
る。また、難燃剤を配合する場合は、その配合量が上記
の量よりも少ないと、成形体に難燃性が付与されず且つ
成形体の力学的性質、耐熱老化性および耐加水分解性が
不良になり、一方上記の量よりも多いと成形体の機械強
度低下や加熱着色などを生ずる。
【0020】本発明のPBT系樹脂組成物は、上記した
PBT系樹脂、並びに充填剤および難燃剤の少なくとも
一方の他に、更に必要に応じてポリエチレンテレフタレ
ート、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体
等の他の有機重合体、従来公知の添加物、例えば離型
剤、酸化防止剤、着色剤、可塑剤、滑剤、核剤、安定
剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤などを含有していてもよ
い。特に、離型剤および/または酸化防止剤を使用する
と、成形体の力学的性質や化学的性質が一層向上するの
で望ましい。
【0021】本発明の樹脂組成物の調製に当たっては、
樹脂組成物を調製するのに用いられる既知の方法のいず
れもが採用でき、例えば充分に乾燥したチップ状のPB
T系樹脂を充填剤および難燃剤の少なくとも一方と共
に、必要に応じてその他の成分を更に加えて予めタンブ
ラーやヘンシェルミキサーなどの混合機で均一に混合し
た後、単軸または2軸押出機に供給して溶融混練してペ
レットやその他の形状の樹脂組成物の形態にして製造す
ることができる。
【0022】本発明のPBT系樹脂組成物は、PBT系
樹脂に対して一般に用いられている成形方法や成形装置
を用いて成形することができる。例えば、本発明のPB
T系樹脂組成物は、射出成形、押出成形、プレス成形、
ブロー成形、押出ブロー成形、射出ブロー成形、カレン
ダー成形、注型、流延成形などによって任意の形状や寸
法を有する成形体にすることができ、それによって電気
部品、電子部品、機械部品、自動車部品、パイプ、シー
ト、フイルム、日用品などの任意の種々の用途の成形体
を製造することができる。
【0023】そして、本発明のPBT系樹脂組成物から
得られる成形体は、高温を伴う苛酷な雰囲気、特に水分
や湿分の存在下で長期間高温で使用されることが多く、
また難燃性を要求される分野で使用するのに特に適して
おり、そのような苛酷な雰囲気下で長時間使用しても、
その高い耐熱老化性、耐加水分解性などによって、引張
強さ、伸び等で代表される靭性を良好な状態のまま保つ
ことができる。
【0024】
【実施例】以下に本発明を実施例等により具体的に説明
するが、本発明はそれにより限定されない。以下の実施
例および比較例において、試験片の製造、その試験片の
引張強さおよび伸びの測定、並びに耐熱老化性および耐
加水分解性の評価は、次のようにして行った。
【0025】試験片の製造:各実施例または比較例のP
BT樹脂組成物からなるペレットを成形材料として用い
て、日精樹脂工業社製の80トン射出成形機を使用し
て、シリンダー温度250℃および金型温度50℃の条
件下に、JIS 1号形試験片を作製した。
【0026】試験片の引張強さの測定:JIS K71
13に準じて上記で作製した試験片の引張強さを測定し
た。
【0027】試験片の伸びの測定:JIS K7113
に準じて上記で作製した試験片の伸びを測定した。
【0028】耐熱老化性の評価:上記で作製した試験片
を180℃の熱風雰囲気下に14日間放置した後取り出
して、その引張強さおよび伸びを上記した方法により測
定して、耐熱老化性の評価を行った。
【0029】耐加水分解性の評価:上記で作製した試験
片を高速加速寿命試験装置(ダバイエスペック社製;
「HAST SYSTEM」)中で、121℃、2気圧
の水蒸気雰囲気下に40時間放置した後、装置より取り
出して、その引張強さおよび伸びを上記した方法により
測定して、耐加水分解性の評価を行った。
【0030】《実施例 1》 (1) テレフタル酸ジメチル100部、1,4−ブタ
ンジオール60部およびシュウ酸チタンカリウム(関東
化学社製;K2Ti(C24)2・nH2O;シュウ酸1モル
当たり、チタン原子0.5モル、カリウム原子1モル結
合)0.04部を反応槽に仕込み、常圧下に145℃か
ら230℃まで徐々に昇温しながら加熱してエステル交
換反応を行わせ、メタノールが30部留出した時点でエ
ステル交換反応を停止した。ここで、系を減圧下に重縮
合反応に移行させた。すなわち、約30分を要して、系
の反応温度を230℃から260℃に昇温させ、且つ圧
力を常圧から0.3mmHgの圧力まで減じた。この反
応温度および圧力に約10分間保持した後、0.3mm
Hgの圧力で約50分を要して反応温度を徐々に240
℃まで低下させた。次いで、反応槽に窒素ガスを供給し
て系を常圧に戻すことにより重縮合反応を停止させた。
その結果、極限粘度が0.95dl/gのPBT樹脂を
得た。
【0031】(2) 上記(1)で得られた極限粘度
0.95dl/gのPBT樹脂100部と共に、ヒンダ
ードフェノール系酸化防止剤(チバガイギー社製「イル
ガノックス1010」)0.1部、リン系酸化防止剤
(チバガイギー社製「イルガフォス168」)0.1
部、モンタン酸エステル部分ケン化ワックス(ヘキスト
社製「ワックスOP」;離型剤)0.3部、臭素化ボリ
カーネート系難燃剤(グレートレークス社製「BC−5
8」)25部、三酸化アンチモン(三国化学社製「パト
ックスL」)9部およびガラス繊維60部をφ44二軸
押出機(日本製鋼所製)に供給して、250℃で溶融、
混練して口金から押し出した後、水冷、切断して直径2
mm、長さ3mmのBT系樹脂組成物のペレットを得
た。
【0032】(3) 上記で得たペレットを使用して上
記の方法で試験片を作製し、その引張強さおよび伸びを
上記の方法により測定した。また、その試験片を用い
て、上記方法によりその耐熱老化性および耐加水分解性
を評価した。その結果を下記の表1に示す。
【0033】《比較例 1》実施例1におけるシュウ酸
チタンカリウム触媒の代わりに、テトライソプロピルチ
タネート触媒を用いた以外は実施例1と同様にして、P
BT系樹脂組成物ペレットを製造した後、それを用いて
試験片を作製し、試験片の引張強さおよび伸びの測定、
並びに耐熱老化性と耐加水分解性の評価を行った。その
結果を表1に示す。
【0034】《実施例 2》実施例1のPBT系樹脂組
成物から臭素化ポリカーボネート系難燃剤と三酸化アン
チモンを除いた以外は実施例1と同様にして、PBT系
樹脂組成物ペレットを製造した後、それを用いて試験片
を作製し、試験片の引張強さおよび伸びの測定、並びに
耐熱老化性と耐加水分解性の評価を行った。その結果を
表1に示す。
【0035】《比較例 2》実施例2において、シュウ
酸チタンカリウム触媒の代わりに、テトライソプロピル
チタネート触媒を用いた以外は実施例2と同様にして、
PBT系樹脂組成物ペレットを製造した後、それを用い
て試験片を作製し、試験片の引張強さおよび伸びの測
定、並びに耐熱老化性と耐加水分解性の評価を行った。
その結果を表1に示す。
【0036】《実施例 3》実施例1のPBT系樹脂組
成物からガラス繊維を除いた以外は実施例1と同様にし
て、PBT系樹脂組成物ペレットを製造した後、それを
用いて試験片を作製し、試験片の引張強さおよび伸びの
測定、並びに耐熱老化性と耐加水分解性の評価を行っ
た。その結果を表1に示す。
【0037】《比較例 3》実施例3において、シュウ
酸チタンカリウム触媒の代わりに、テトライソプロピル
チタネート触媒を用いた以外は実施例3と同様にして、
PBT系樹脂組成物ペレットを製造した後、それを用い
て試験片を作製し、試験片の引張強さおよび伸びの測
定、並びに耐熱老化性と耐加水分解性の評価を行った。
その結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】上記表1の結果から、シュウ酸チタンカリ
ウムを重合触媒として用いて製造されたPBT樹脂に充
填剤および難燃剤の少なくとも一方を配合している実施
例1〜3の本発明のPBT樹脂組成物を用いて作製され
た成形体は、耐熱老化性および耐加水分解性に優れてお
り、高温下または高温・高湿下に長時間放置しても、そ
の引張強さや伸びなどの力学的性能の低下が極めてわず
かであることがわかる。これに対して、従来のチタン系
触媒を用いて製造されたPBT樹脂では、それに充填剤
および/または難燃剤を配合しても耐熱老化性および耐
加水分解性の改良が見られず、高温下または高温・高湿
下に長時間放置すると、その引張強さや伸びなどの力学
的性能が著しく低下することがわかる。
【0040】更に、表1の結果から、シュウ酸チタンカ
リウム触媒を用いて製造されたPBT樹脂に充填剤また
は充填剤と難燃剤とを配合した場合には、引張強さのよ
り大きな成形体が得られることがわかる。
【0041】《実施例4〜7》充填剤または難燃剤の配
合量を下記の表2に示すように変えた以外は実施例1と
同様にして試験片を作製して、その耐熱老化性および耐
加水分解性を実施例1と同様にして評価した。その結果
を表3に示す。
【0042】
【表2】
【0043】《実施例8〜13》充填剤および難燃剤の
種類を下記の表3に示すように変えた以外は実施例1と
同様にして試験片を作製して、その耐熱老化性および耐
加水分解性を実施例1と同様にして評価した。その結果
を表3に示す。
【0044】
【表3】
【0045】
【発明の効果】シュウ酸チタンカリウム重合触媒を用い
て製造されたPBT系樹脂と共に、充填剤および難燃剤
の少なくとも一方含む本発明のPBT系樹脂組成物を用
いた場合には、耐熱老化性および耐加水分解性に極めて
優れ、高温下および高温・高湿下で長時間使用しても、
物性低下が極めて少なく良好な力学的性能をそのまま安
定に維持する成形体を得ることができる。また、本発明
において、難燃剤を使用した場合には、上記した耐熱老
化性および耐加水分解性という特性と共に更に難燃性を
成形体に付与することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シュウ酸チタンカリウムを触媒として用
    いて製造された極限粘度0.60dl/g以上のポリブ
    チレンテレフタレート系樹脂、並びに充填剤および難燃
    剤の少なくとも一方を含有することを特徴とするポリブ
    チレンテレフタレート系樹脂組成物。
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