JPH06144934A - 窒化アルミニウム基板とその製造方法 - Google Patents
窒化アルミニウム基板とその製造方法Info
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- JPH06144934A JPH06144934A JP4325919A JP32591992A JPH06144934A JP H06144934 A JPH06144934 A JP H06144934A JP 4325919 A JP4325919 A JP 4325919A JP 32591992 A JP32591992 A JP 32591992A JP H06144934 A JPH06144934 A JP H06144934A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 メタライズ層の形成にあたって、接合強度の
低下や外観不良の発生等を再現性よく抑制することを可
能にした窒化アルミニウム基板とその製造方法を提供す
る。 【構成】 窒化アルミニウムの結晶粒11a間に、主に
焼結助剤成分からなる粒界相12を有する焼結体11か
らなる窒化アルミニウム基板であって、その表面には結
晶粒11aの周辺部に、粒界相の脱落部に相当する凹部
14が設けられている。このような窒化アルミニウム基
板15は、窒化アルミニウム焼結体11に表面加工を施
し、表面にしみ出した粒界相成分13を除去して後、超
音波等を併用した、窒化アルミニウム自体には影響を及
さないエッチング処理を施すことによって得られる。
低下や外観不良の発生等を再現性よく抑制することを可
能にした窒化アルミニウム基板とその製造方法を提供す
る。 【構成】 窒化アルミニウムの結晶粒11a間に、主に
焼結助剤成分からなる粒界相12を有する焼結体11か
らなる窒化アルミニウム基板であって、その表面には結
晶粒11aの周辺部に、粒界相の脱落部に相当する凹部
14が設けられている。このような窒化アルミニウム基
板15は、窒化アルミニウム焼結体11に表面加工を施
し、表面にしみ出した粒界相成分13を除去して後、超
音波等を併用した、窒化アルミニウム自体には影響を及
さないエッチング処理を施すことによって得られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、窒化アルミニウム基板
およびその製造方法に関する。
およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子部品の搭載基板やヒートシン
ク、あるいはハイブリッドIC用回路基板等として、高
電気絶縁性および高熱伝導性を有する窒化アルミニウム
基板が利用されている。窒化アルミニウム基板を上記し
たような電子部品用材料として用いる場合には、回路や
素子搭載部の形成等を目的として、その表面にメタライ
ズ層を形成することが不可欠である。このようなメタラ
イズ層は、導体ぺーストの塗布、焼成によって形成する
ことが一般的である。
ク、あるいはハイブリッドIC用回路基板等として、高
電気絶縁性および高熱伝導性を有する窒化アルミニウム
基板が利用されている。窒化アルミニウム基板を上記し
たような電子部品用材料として用いる場合には、回路や
素子搭載部の形成等を目的として、その表面にメタライ
ズ層を形成することが不可欠である。このようなメタラ
イズ層は、導体ぺーストの塗布、焼成によって形成する
ことが一般的である。
【0003】ところで、焼成した窒化アルミニウム基板
上に、上述したような方法でメタライズ層を形成する場
合、図7に示すように、焼成後の窒化アルミニウム基板
1の表面には粒界相成分2がしみ出して層状に存在して
いるため、この状態でメタライズ層を形成すると、メタ
ライズ層の接合不良等を招いてしまう。すなわち、表面
にしみ出した粒界相成分2や窒化アルミニウム結晶粒1
a間に存在する粒界相3は、窒化アルミニウム結晶粒1
aとメタライズ層との結合力を弱める。従って、粒界相
2、3上に形成されたメタライズ層は、接合状態が不安
定となる。
上に、上述したような方法でメタライズ層を形成する場
合、図7に示すように、焼成後の窒化アルミニウム基板
1の表面には粒界相成分2がしみ出して層状に存在して
いるため、この状態でメタライズ層を形成すると、メタ
ライズ層の接合不良等を招いてしまう。すなわち、表面
にしみ出した粒界相成分2や窒化アルミニウム結晶粒1
a間に存在する粒界相3は、窒化アルミニウム結晶粒1
aとメタライズ層との結合力を弱める。従って、粒界相
2、3上に形成されたメタライズ層は、接合状態が不安
定となる。
【0004】そこで、メタライズ層の形成に先立って、
図8に示すように、窒化アルミニウム基板1の表面に存
在する粒界相成分2を除去することが一般的である。こ
の表面の粒界相成分の除去には、通常、ホーニング加工
や研削(研摩)加工等が適用されている。
図8に示すように、窒化アルミニウム基板1の表面に存
在する粒界相成分2を除去することが一般的である。こ
の表面の粒界相成分の除去には、通常、ホーニング加工
や研削(研摩)加工等が適用されている。
【0005】しかし、上述したような従来の表面加工方
法では、窒化アルミニウム基板1の表面に層状に存在す
る粒界相成分2は除去することができるものの、窒化ア
ルミニウム結晶粒1a間に存在する粒界相3は、量的に
減少させることはできても、完全に除去することはでき
ない。この窒化アルミニウム結晶粒1a間に存在する粒
界相3は、窒化アルミニウム基板1の最表面に存在して
いることに変わりがなく、メタライズ層と窒化アルミニ
ウム基板1との接合強度の低下要因となっている。ま
た、図9に示すように、窒化アルミニウム基板1の表面
およびその近傍に存在する粒界相3は、メタライズ層4
を形成した際に表面にしみ出す(図中5は表面にしみ出
した粒界相成分を示している)等して、外観不良の原因
ともなっている。
法では、窒化アルミニウム基板1の表面に層状に存在す
る粒界相成分2は除去することができるものの、窒化ア
ルミニウム結晶粒1a間に存在する粒界相3は、量的に
減少させることはできても、完全に除去することはでき
ない。この窒化アルミニウム結晶粒1a間に存在する粒
界相3は、窒化アルミニウム基板1の最表面に存在して
いることに変わりがなく、メタライズ層と窒化アルミニ
ウム基板1との接合強度の低下要因となっている。ま
た、図9に示すように、窒化アルミニウム基板1の表面
およびその近傍に存在する粒界相3は、メタライズ層4
を形成した際に表面にしみ出す(図中5は表面にしみ出
した粒界相成分を示している)等して、外観不良の原因
ともなっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の窒化アルミニウム基板およびそれに対する表面加工方
法では、窒化アルミニウム基板の最表面に存在する粒界
相を完全に除去することができず、この窒化アルミニウ
ム結晶粒間の粒界相が、メタライズ層の接合強度の低下
やメタライズ後の外観不良を招くという問題があった。
の窒化アルミニウム基板およびそれに対する表面加工方
法では、窒化アルミニウム基板の最表面に存在する粒界
相を完全に除去することができず、この窒化アルミニウ
ム結晶粒間の粒界相が、メタライズ層の接合強度の低下
やメタライズ後の外観不良を招くという問題があった。
【0007】本発明は、このような課題を解決するため
になされたもので、メタライズ層の形成にあたって、接
合強度の低下や外観不良の発生等を再現性よく抑制する
ことを可能にした窒化アルミニウム基板、およびそのよ
うな窒化アルミニウム基板の製造方法を提供することを
目的とする。
になされたもので、メタライズ層の形成にあたって、接
合強度の低下や外観不良の発生等を再現性よく抑制する
ことを可能にした窒化アルミニウム基板、およびそのよ
うな窒化アルミニウム基板の製造方法を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の窒化アルミニウ
ム基板は、窒化アルミニウムを主相とし、この窒化アル
ミニウムの結晶粒間に主に焼結助剤成分からなる粒界相
を有する焼結体からなる窒化アルミニウム基板におい
て、前記窒化アルミニウム基板の表面には、前記窒化ア
ルミニウム結晶粒の周辺部に凹部が設けられていること
を特徴としている。また、上記窒化アルミニウム基板に
おいて、前記窒化アルミニウム基板の表面に存在する凹
部は、前記粒界相の脱落部であることを特徴としてい
る。
ム基板は、窒化アルミニウムを主相とし、この窒化アル
ミニウムの結晶粒間に主に焼結助剤成分からなる粒界相
を有する焼結体からなる窒化アルミニウム基板におい
て、前記窒化アルミニウム基板の表面には、前記窒化ア
ルミニウム結晶粒の周辺部に凹部が設けられていること
を特徴としている。また、上記窒化アルミニウム基板に
おいて、前記窒化アルミニウム基板の表面に存在する凹
部は、前記粒界相の脱落部であることを特徴としてい
る。
【0009】また、本発明の窒化アルミニウム基板の製
造方法は、窒化アルミニウムに適量の焼結助剤を添加、
混合した原料粉末を、所望の基板形状に成形し、焼結す
る工程と、前記焼結工程で得た窒化アルミニウム焼結体
に表面加工を施し、前記窒化アルミニウム焼結体の表面
にしみ出した粒界相成分を除去する工程と、前記表面加
工後の窒化アルミニウム焼結体にエッチング処理を施
し、前記窒化アルミニウム焼結体の表面およびその近傍
に存在する粒界相を溶解除去する工程とを有することを
特徴としている。
造方法は、窒化アルミニウムに適量の焼結助剤を添加、
混合した原料粉末を、所望の基板形状に成形し、焼結す
る工程と、前記焼結工程で得た窒化アルミニウム焼結体
に表面加工を施し、前記窒化アルミニウム焼結体の表面
にしみ出した粒界相成分を除去する工程と、前記表面加
工後の窒化アルミニウム焼結体にエッチング処理を施
し、前記窒化アルミニウム焼結体の表面およびその近傍
に存在する粒界相を溶解除去する工程とを有することを
特徴としている。
【0010】
【作用】本発明の窒化アルミニウム基板においては、そ
の表面に窒化アルミニウム結晶粒の周辺部に沿って凹部
を設けている。この凹部は、窒化アルミニウム結晶粒間
に存在する粒界相の脱落部に相当する。すなわち、本発
明の窒化アルミニウム基板の表面およびその近傍部に
は、粒界相がほとんど存在していないため、その上にメ
タライズ層を形成しても、接合不良等を招くおそれがな
いメタライズ層を得ることが可能となる。また、上記表
面に存在する凹部は、メタライズ層に対するアンカーと
しても機能すると考えられるため、より一層接合強度の
向上を図ることができる。さらに、窒化アルミニウム基
板の表面およびその近傍部に粒界相がほとんど存在して
いないため、メタライズ層の形成後においても、メタラ
イズ層の表面まで粒界相成分がしみ出すことはなく、外
観不良やメタライズ層の機能低下等を招くこともない。
の表面に窒化アルミニウム結晶粒の周辺部に沿って凹部
を設けている。この凹部は、窒化アルミニウム結晶粒間
に存在する粒界相の脱落部に相当する。すなわち、本発
明の窒化アルミニウム基板の表面およびその近傍部に
は、粒界相がほとんど存在していないため、その上にメ
タライズ層を形成しても、接合不良等を招くおそれがな
いメタライズ層を得ることが可能となる。また、上記表
面に存在する凹部は、メタライズ層に対するアンカーと
しても機能すると考えられるため、より一層接合強度の
向上を図ることができる。さらに、窒化アルミニウム基
板の表面およびその近傍部に粒界相がほとんど存在して
いないため、メタライズ層の形成後においても、メタラ
イズ層の表面まで粒界相成分がしみ出すことはなく、外
観不良やメタライズ層の機能低下等を招くこともない。
【0011】
【実施例】次に、本発明の実施例について、図面を用い
て説明する。
て説明する。
【0012】図1は、本発明の一実施例による窒化アル
ミニウム基板の要部製造工程を順に示す断面図である。
同図に従って、この実施例による窒化アルミニウム基板
の製造方法および得られる窒化アルミニウム基板につい
て説明する。
ミニウム基板の要部製造工程を順に示す断面図である。
同図に従って、この実施例による窒化アルミニウム基板
の製造方法および得られる窒化アルミニウム基板につい
て説明する。
【0013】まず、窒化アルミニウム粉末に、適量の焼
結助剤を添加、混合し、さらに有機バインダや界面活性
剤等を適量加えて混合した後、例えばドクターブレード
法によって、所望の基板形状のグリーンシートを成形す
る。ここで、上記焼結助剤としては、焼成時においては
窒化アルミニウムの焼結に寄与し、かつ焼成後に易溶解
性の粒界相(化合物)を形成するようなものを選択す
る。このような焼結助剤としては、例えば酸化カルシウ
ムのような酸化物、あるいは焼成後に酸化物となる炭酸
カルシウムのような炭酸化合物等が挙げられる。これら
焼結助剤の添加量は、使用する化合物によっても異なる
が、 1重量% 〜10重量% 程度となるように添加すること
が好ましい。
結助剤を添加、混合し、さらに有機バインダや界面活性
剤等を適量加えて混合した後、例えばドクターブレード
法によって、所望の基板形状のグリーンシートを成形す
る。ここで、上記焼結助剤としては、焼成時においては
窒化アルミニウムの焼結に寄与し、かつ焼成後に易溶解
性の粒界相(化合物)を形成するようなものを選択す
る。このような焼結助剤としては、例えば酸化カルシウ
ムのような酸化物、あるいは焼成後に酸化物となる炭酸
カルシウムのような炭酸化合物等が挙げられる。これら
焼結助剤の添加量は、使用する化合物によっても異なる
が、 1重量% 〜10重量% 程度となるように添加すること
が好ましい。
【0014】次いで、上記グリーンシートに脱脂処理を
施した後、窒素雰囲気中にて1750℃〜1900℃の温度で焼
成し、窒化アルミニウム焼結体を作製する。このように
して作製した窒化アルミニウム焼結体11は、図1
(a)に示すように、窒化アルミニウム結晶粒11a間
に主に焼結助剤成分からなる粒界相12が存在し、かつ
表面に粒界相成分13がしみ出したものとなる。
施した後、窒素雰囲気中にて1750℃〜1900℃の温度で焼
成し、窒化アルミニウム焼結体を作製する。このように
して作製した窒化アルミニウム焼結体11は、図1
(a)に示すように、窒化アルミニウム結晶粒11a間
に主に焼結助剤成分からなる粒界相12が存在し、かつ
表面に粒界相成分13がしみ出したものとなる。
【0015】そこで、まず窒化アルミニウム焼結体11
の表面に、ホーニング加工や研削(研摩)加工等の表面
加工を施し、図1(b)に示すように、表面に層状に存
在する粒界相成分13を除去する。このような表面加工
を施しても、窒化アルミニウム結晶粒11a間に存在す
る粒界相12は除去することができない。そこで、この
機械加工後にエッチング処理を行う。
の表面に、ホーニング加工や研削(研摩)加工等の表面
加工を施し、図1(b)に示すように、表面に層状に存
在する粒界相成分13を除去する。このような表面加工
を施しても、窒化アルミニウム結晶粒11a間に存在す
る粒界相12は除去することができない。そこで、この
機械加工後にエッチング処理を行う。
【0016】ただし、窒化アルミニウムは強酸や強アル
カリに弱く、そのようなエッチング液を使用すると、粒
界相成分だけでなく窒化アルミニウム自体もエッチング
されてしまい、窒化アルミニウム焼結体の特性劣化等を
招いてしまうため、例えば超音波洗浄のような物理的作
用を併用したエッチングを行う。また、エッチング液と
しては、窒化アルミニウムに対する攻撃性が弱い、水、
弱酸、弱アルカリ等を使用する。このようなエッチング
であっても、この実施例の窒化アルミニウム焼結体の粒
界相は、易溶解性の化合物であるため、直接物理的な力
が及ぶ範囲、すなわち表面およびその近傍の粒界相は除
去することができる。
カリに弱く、そのようなエッチング液を使用すると、粒
界相成分だけでなく窒化アルミニウム自体もエッチング
されてしまい、窒化アルミニウム焼結体の特性劣化等を
招いてしまうため、例えば超音波洗浄のような物理的作
用を併用したエッチングを行う。また、エッチング液と
しては、窒化アルミニウムに対する攻撃性が弱い、水、
弱酸、弱アルカリ等を使用する。このようなエッチング
であっても、この実施例の窒化アルミニウム焼結体の粒
界相は、易溶解性の化合物であるため、直接物理的な力
が及ぶ範囲、すなわち表面およびその近傍の粒界相は除
去することができる。
【0017】上述したようなエッチングを施すことによ
って、図1(c)に示すように、窒化アルミニウム焼結
体11の表面およびその近傍に位置する、窒化アルミニ
ウム結晶粒11a間の粒界相12成分は除去される。こ
のように、粒界相12を除去することによって、窒化ア
ルミニウム焼結体11の表面には、窒化アルミニウム結
晶粒11aの周辺に、粒界相12の脱落部である凹部1
4が形成される。
って、図1(c)に示すように、窒化アルミニウム焼結
体11の表面およびその近傍に位置する、窒化アルミニ
ウム結晶粒11a間の粒界相12成分は除去される。こ
のように、粒界相12を除去することによって、窒化ア
ルミニウム焼結体11の表面には、窒化アルミニウム結
晶粒11aの周辺に、粒界相12の脱落部である凹部1
4が形成される。
【0018】上記した実施例で得られた窒化アルミニウ
ム基板15は、その表面に窒化アルミニウム結晶粒11
aの周辺に沿って、粒界相12の脱落部に相当する凹部
14を有するものである。このような窒化アルミニウム
基板15上へのメタライズ層の形成は、通常のメタライ
ズ法に従って行えばよい。
ム基板15は、その表面に窒化アルミニウム結晶粒11
aの周辺に沿って、粒界相12の脱落部に相当する凹部
14を有するものである。このような窒化アルミニウム
基板15上へのメタライズ層の形成は、通常のメタライ
ズ法に従って行えばよい。
【0019】例えば、図2(a)に示すように、窒化ア
ルミニウム基板15上に、 WやMo等の高融点金属を主成
分とし、これに必要に応じてTi、 TiN等の活性金属成分
等を添加したメタライズペースト16を塗布した後、用
いたメタライズペーストに応じた焼成雰囲気、焼成温度
および焼成時間で焼き付け、図2(b)に示すように、
メタライズ層17を形成する。この際、窒化アルミニウ
ム基板15の表面およびその近傍には、粒界相12がほ
とんど存在していないため、粒界相成分がメタライズ層
17と窒化アルミニウム基板15との接合強度の低下要
因となるようなことはなく、かつメタライズ層17の表
面に粒界相成分がしみ出すようなこともない。よって、
接合強度に優れ、かつ外観や機能の良好なメタライズ層
を再現性よく得ることが可能となる。
ルミニウム基板15上に、 WやMo等の高融点金属を主成
分とし、これに必要に応じてTi、 TiN等の活性金属成分
等を添加したメタライズペースト16を塗布した後、用
いたメタライズペーストに応じた焼成雰囲気、焼成温度
および焼成時間で焼き付け、図2(b)に示すように、
メタライズ層17を形成する。この際、窒化アルミニウ
ム基板15の表面およびその近傍には、粒界相12がほ
とんど存在していないため、粒界相成分がメタライズ層
17と窒化アルミニウム基板15との接合強度の低下要
因となるようなことはなく、かつメタライズ層17の表
面に粒界相成分がしみ出すようなこともない。よって、
接合強度に優れ、かつ外観や機能の良好なメタライズ層
を再現性よく得ることが可能となる。
【0020】次に、上記した実施例の具体例およびその
評価結果について述べる。 実施例 まず、窒化アルミニウム粉末に、焼結助剤としてCaCO3
粉末を 3重量% 添加し、適量の有機バインダと界面活性
剤とを加えて混合した後、ドクターブレード法で厚さ約
0.8mmのグリーンシートを成形した。次いで、このグリ
ーンシートに900℃で脱脂処理を施した後、窒素雰囲気
中にて約1820℃で焼成した。
評価結果について述べる。 実施例 まず、窒化アルミニウム粉末に、焼結助剤としてCaCO3
粉末を 3重量% 添加し、適量の有機バインダと界面活性
剤とを加えて混合した後、ドクターブレード法で厚さ約
0.8mmのグリーンシートを成形した。次いで、このグリ
ーンシートに900℃で脱脂処理を施した後、窒素雰囲気
中にて約1820℃で焼成した。
【0021】次に、得られた窒化アルミニウム焼結体の
表面に研摩加工を施して、表面に層状に存在している粒
界相成分を除去した。次いで、超音波洗浄機内に収容
し、弱酸性水溶液中にて10分の条件で、窒化アルミニウ
ム焼結体のエッチング処理を行った。このエッチング処
理によって、表面およびその近傍の粒界相を除去し、目
的とする窒化アルミニウム基板を得た。この窒化アルミ
ニウム基板を後述する特性評価に供した。 比較例 窒化アルミニウム粉末に、焼結助剤として Y2 O 3 粉末
を 3重量% 添加し、適量の有機バインダと界面活性剤と
を加えて混合した後、ドクターブレード法で厚さ約 0.8
mmのグリーンシートを成形した。次いで、このグリーン
シートに 900℃で脱脂処理を施した後、窒素雰囲気中に
て約1800℃で焼成した。
表面に研摩加工を施して、表面に層状に存在している粒
界相成分を除去した。次いで、超音波洗浄機内に収容
し、弱酸性水溶液中にて10分の条件で、窒化アルミニウ
ム焼結体のエッチング処理を行った。このエッチング処
理によって、表面およびその近傍の粒界相を除去し、目
的とする窒化アルミニウム基板を得た。この窒化アルミ
ニウム基板を後述する特性評価に供した。 比較例 窒化アルミニウム粉末に、焼結助剤として Y2 O 3 粉末
を 3重量% 添加し、適量の有機バインダと界面活性剤と
を加えて混合した後、ドクターブレード法で厚さ約 0.8
mmのグリーンシートを成形した。次いで、このグリーン
シートに 900℃で脱脂処理を施した後、窒素雰囲気中に
て約1800℃で焼成した。
【0022】次に、得られた窒化アルミニウム焼結体の
表面に研摩加工を施して、表面に層状に存在している粒
界相成分を除去して窒化アルミニウム基板を作製し、後
述する特性評価に供した。
表面に研摩加工を施して、表面に層状に存在している粒
界相成分を除去して窒化アルミニウム基板を作製し、後
述する特性評価に供した。
【0023】上記実施例および比較例で得た各窒化アル
ミニウム基板の表面および断面を、それぞれ顕微鏡で観
察した。実施例による窒化アルミニウム基板の顕微鏡写
真(倍率:400倍)図3に、比較例による窒化アルミニウ
ム基板の顕微鏡写真図4に示す。また、それら顕微鏡写
真を模式化したものを図5、6にそれぞれ示す。図3お
よび図5から明らかなように、実施例による窒化アルミ
ニウム基板21においては、窒化アルミニウム結晶粒1
1a間の粒界相が除去されており、またその表面には結
晶粒11aの周辺に凹部14が形成されていることが分
かる。また、窒化アルミニウム結晶粒11へのエッチン
グの影響は認められなかった。これに対して、比較例に
よる窒化アルミニウム基板22においては、窒化アルミ
ニウム結晶粒11a間(断面においてはその表面)に粒
界相12が、そのまま残っていることが分かる。
ミニウム基板の表面および断面を、それぞれ顕微鏡で観
察した。実施例による窒化アルミニウム基板の顕微鏡写
真(倍率:400倍)図3に、比較例による窒化アルミニウ
ム基板の顕微鏡写真図4に示す。また、それら顕微鏡写
真を模式化したものを図5、6にそれぞれ示す。図3お
よび図5から明らかなように、実施例による窒化アルミ
ニウム基板21においては、窒化アルミニウム結晶粒1
1a間の粒界相が除去されており、またその表面には結
晶粒11aの周辺に凹部14が形成されていることが分
かる。また、窒化アルミニウム結晶粒11へのエッチン
グの影響は認められなかった。これに対して、比較例に
よる窒化アルミニウム基板22においては、窒化アルミ
ニウム結晶粒11a間(断面においてはその表面)に粒
界相12が、そのまま残っていることが分かる。
【0024】次に、 Wおよび TiNを主に含むメタライズ
ペーストを用いて、上述した実施例および比較例で得た
各窒化アルミニウム基板上にメタライズ層を形成した。
その結果、実施例による窒化アルミニウム基板上に形成
したメタライズ層の接合強度は 2kgf/mm2 であったのに
対し、比較例による窒化アルミニウム基板上に形成した
メタライズ層の接合強度は 1.7kgf/mm2 であった。ま
た、比較例による窒化アルミニウム基板上に形成したメ
タライズ層の表面には粒界相成分がしみ出していたのに
対して、実施例による窒化アルミニウム基板上に形成し
たメタライズ層は、粒界相成分のしみ出しもなく、良好
な外観を有していた。
ペーストを用いて、上述した実施例および比較例で得た
各窒化アルミニウム基板上にメタライズ層を形成した。
その結果、実施例による窒化アルミニウム基板上に形成
したメタライズ層の接合強度は 2kgf/mm2 であったのに
対し、比較例による窒化アルミニウム基板上に形成した
メタライズ層の接合強度は 1.7kgf/mm2 であった。ま
た、比較例による窒化アルミニウム基板上に形成したメ
タライズ層の表面には粒界相成分がしみ出していたのに
対して、実施例による窒化アルミニウム基板上に形成し
たメタライズ層は、粒界相成分のしみ出しもなく、良好
な外観を有していた。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の窒化アル
ミニウム基板によれば、メタライズ層の形成にあたっ
て、接合強度の低下や外観不良の発生等を再現性よく防
止することが可能となる。よって、電子部品の搭載基板
やヒートシンク、あるいはハイブリッドIC用回路基板
等の窒化アルミニウム基板を用いたメタライズ基板を提
供することが可能となる。
ミニウム基板によれば、メタライズ層の形成にあたっ
て、接合強度の低下や外観不良の発生等を再現性よく防
止することが可能となる。よって、電子部品の搭載基板
やヒートシンク、あるいはハイブリッドIC用回路基板
等の窒化アルミニウム基板を用いたメタライズ基板を提
供することが可能となる。
【図1】本発明の一実施例による窒化アルミニウム基板
の要部製造工程を順に示す断面図である。
の要部製造工程を順に示す断面図である。
【図2】本発明による窒化アルミニウム基板上へのメタ
ライズ層の形成を説明するための図である。
ライズ層の形成を説明するための図である。
【図3】本発明の一実施例の窒化アルミニウム基板にお
ける表面および断面の顕微鏡観察写真である。
ける表面および断面の顕微鏡観察写真である。
【図4】比較例の窒化アルミニウム基板における表面お
よび断面の顕微鏡観察写真である。
よび断面の顕微鏡観察写真である。
【図5】図3に示す顕微鏡観察写真を模式的に示す図で
ある。
ある。
【図6】図4に示す顕微鏡観察写真を模式的に示す図で
ある。
ある。
【図7】焼成後の窒化アルミニウム基板を示す断面図で
ある。
ある。
【図8】表面加工後の窒化アルミニウム基板を示す断面
図である。
図である。
【図9】従来法によりメタライズ層を形成した窒化アル
ミニウム基板を示す断面図である。
ミニウム基板を示す断面図である。
11……窒化アルミニウム焼結体 11a…窒化アルミニウム結晶粒 12……粒界相 13……窒化アルミニウム焼結体の表面にしみ出した粒
界相成分 14……凹部 15、21……窒化アルミニウム基板
界相成分 14……凹部 15、21……窒化アルミニウム基板
Claims (3)
- 【請求項1】 窒化アルミニウムを主相とし、この窒化
アルミニウムの結晶粒間に主に焼結助剤成分からなる粒
界相を有する焼結体からなる窒化アルミニウム基板にお
いて、 前記窒化アルミニウム基板の表面には、前記窒化アルミ
ニウム結晶粒の周辺部に凹部が設けられていることを特
徴とする窒化アルミニウム基板。 - 【請求項2】 請求項1記載の窒化アルミニウム基板に
おいて、 前記窒化アルミニウム基板の表面に存在する凹部は、前
記粒界相の脱落部であることを特徴とする窒化アルミニ
ウム基板。 - 【請求項3】 窒化アルミニウムに適量の焼結助剤を添
加、混合した原料粉末を、所望の基板形状に成形し、焼
結する工程と、 前記焼結工程で得た窒化アルミニウム焼結体に表面加工
を施し、前記窒化アルミニウム焼結体の表面にしみ出し
た粒界相成分を除去する工程と、 前記表面加工後の窒化アルミニウム焼結体にエッチング
処理を施し、前記窒化アルミニウム焼結体の表面および
その近傍に存在する粒界相を溶解除去する工程とを有す
ることを特徴とする窒化アルミニウム基板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4325919A JPH06144934A (ja) | 1992-11-11 | 1992-11-11 | 窒化アルミニウム基板とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4325919A JPH06144934A (ja) | 1992-11-11 | 1992-11-11 | 窒化アルミニウム基板とその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06144934A true JPH06144934A (ja) | 1994-05-24 |
Family
ID=18182065
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4325919A Withdrawn JPH06144934A (ja) | 1992-11-11 | 1992-11-11 | 窒化アルミニウム基板とその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06144934A (ja) |
-
1992
- 1992-11-11 JP JP4325919A patent/JPH06144934A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20000201 |