JPH06144402A - 液体充填方法ならびにその装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 隔膜つきのキャップが取り付けられた可撓性
袋に飲料液体を充填するに際して、前記隔膜が液体充填
時に袋の中に紛れ込まないようにすることのできる液体
充填法ならびに液体充填装置を提供することにある。 【構成】 合成樹脂製の可撓性を有する密閉状の袋で、
キャップが溶着され、かつ該キャップには開口部を閉塞
する隔膜が形成されたものを使用し、かつ該袋に液体を
充填するに先だって前記隔膜の内面側の一部を袋本体の
内側反対面に溶着させ、その後において前記隔膜の全周
を切り離すか、或いは切り離す前に溶着させた上で隔膜
を切り離した後、液体を充填してから前記キャップの天
面をシールするようにした液体充填方法ならびに装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ミルク、ジュ−ス、ア
ルコ−ル飲料等の飲料用液体を収容するための液体収納
袋に液体を充填する方法および装置に係る。

【０００２】

【従来技術とその問題点】近年、省資源および資源のリ
サイクルという観点から、液体収納容器についても、紙
とプラスチックフィルムもしくはこれらに金属箔をラミ
ネ−トさせてなる複合素材を用いたものは次第に敬遠さ
れ、可撓性のプラスチックフィルムで構成させた液体収
納袋が脚光を浴びて来ている。けだし、比較的資材の消
費量も少なく、扱いも容易で、フレキシブル包装に適し
ているからである。また、袋単体としての用途以外に、
これを剛性を有する紙製の外箱と組み合わせて、いわゆ
るバッグインボックスとしても使用可能なので、比較的
広範に利用されている。

【０００３】前記した形態の液体収納用可撓性袋は、一
例として特開昭58-203855 号公報に開示されているが、
今その袋の概略構成を述べると、バックインボックスの
内袋に用いるもので、合成樹脂製のシ−トを２枚重ねと
した上で、その周縁部を無端状にシ−ルした後、一方の
シ−ト面に剛性を有するプラスチック製のキャップを溶
着せ、かつ該キャップに仮封緘板を形成させた構造であ
り、前記公報の記載によれば、この袋を無菌の状態で扁
平に押し潰してカ−トン内に組み込み、次いで前記内袋
に内容物を充填するに当っては、前記の仮封緘板を吸着
などして取り外すと共に、ノズルを介してキャップから
内容液を注入充填すると説明している。

【０００４】前記形態の袋は、キャップに仮封緘板が取
り付けられているので、液体充填前の作業工程での袋の
取扱いに際して、袋内への塵埃その他の異物の侵入を防
ぐことが出来る点で便利である。しかし、液体の充填に
当って、この仮封緘板を取り外す作業ならびに取り外し
た後の仮封緘板の処理手段についての解決が図られてい
ないため、未だ実用に供されていない。

【０００５】

【問題点を解決すべき手段】ここにおいて、本発明は、
前記従来型の液体充填袋における前記問題点を解決する
ため、袋本体を可撓性を有する合成樹脂製となし、かつ
袋部材の一部に液体の注入兼注出用のキャップを溶着さ
せ、さらに前記キャップの内側にあらかじめ該キャップ
の開口面を閉塞する隔膜を、該キャップと一体成形また
は一体にシ−ルし、しかも前記隔膜の一部を液体充填に
際して反対面に位置する袋部材の内面側に接着させるよ
うにした液体充填法を開発し、それによって液体充填時
に前記隔膜がキャップから切り離されたときにも、その
ものが袋の内部に紛れ込まないようにしたものである。

【０００６】なお、本発明で使用する袋を製造する場合
の一例を述べると、呑み口であるキャップを袋本体に取
り付けるに当っては、扁平状に折り畳まれ、ないしは扁
平状に重ねられた袋部材の片面、すなわち２枚重ねとさ
れた袋基材の一方の面にキャップを取付けるための孔を
あけ、その孔部分にキャップの根本を溶着するという手
段によって付設させることができる。

【０００７】ちなみに、袋の作り方は自由であるが、一
例として前記した隔膜つきキャップを、袋の一方の面を
構成する袋の基材に溶着させ、この基材を他方の面の袋
基材に対して合掌させた状態で周縁部をシ−ルするよう
になせば、合掌前の各基材は平面状態であるから、その
基材を予め滅菌処理しておく場合にも、その作業は極め
て容易であり、したがって簡単に袋の内面側が無菌状態
の密閉袋を得ることができる。なお、前記キャップを取
り付けた袋そのものを、製袋後に滅菌処理したい場合に
は、製袋後の袋に対してガンマ線照射を行って滅菌処理
をしてもよい。

【０００８】前記のようにして得た内部無菌の袋に内容
物を充填するに当っては、充填時にキャップの外周部分
のみ、すなわちキャップ内面における隔膜の近傍を局部
的に滅菌しつつ、同時に、または事後に前記隔膜部分を
切り離してから内容物を充填すればよく、この場合にお
ける滅菌設備は従来型に較べ大幅に設備負担を軽減させ
ることができるのである。これを要するに本発明によれ
ば、内部無菌の液体充填袋をも簡単に製造することがで
きるばかりでなく、その袋を使用することにより、飲料
液体を無菌充填する際の設備負担を大幅に節減し得る。

【０００９】本発明で使用する袋基材の種類に関して
は、特に制限はないが、好ましくは熱可塑性樹脂から成
るプラスチックフィルムを用いるのを可とし、また前記
基材は１枚であってもよく、或いはまた多数枚を積層さ
せたプラスチックフィルムを用いて袋基材を構成させて
もよい。さらにまた、必要に応じ前記フィルムに対して
ガスバリヤ−性に優れたアルミ箔またはＰＥＴフィルム
を他の樹脂層をラミネ−トさせたものを袋基材に用いて
も差し支えない。基材の一例をあげると、低密度ポリエ
チレン、高密度ポリエチレン、ナイロン６、ポリエチレ
ンテレフタレ−ト、非結晶性ポリエチレンテレフタレ−
ト、ポリプロピレン、延伸ポリプロピレン等を素材に用
いたプラスチックフィルムであり、これら各樹脂フィル
ムを単体で、若しくはそれらを組合わせた積層フィルム
として袋の基材に用いる。

【００１０】本発明における袋は、通常の袋と同様に平
板状態にある袋基材を２枚合掌させた上で、その周縁部
をシ−ルするか、或いは２つ折りにした後、開口してい
る３辺の周縁部のみをシ−ルすることにより構成させる
ものであるが、その際、２枚重ねとなっている一方の基
材の一部に、剛性を有するプラスチック製のキャップを
溶着させて液体充填前の液体収納袋とすることは既に述
べたとおりである。

【００１１】ちなみに、本発明における液体充填袋は、
内部滅菌を施すことを不可欠とするものではなく、滅菌
せずに使用する場合をも含み、そのときには後記の液体
充填装置にあっても滅菌処理機構を局部的に取り外す
か、或いは当該機構を不使用状態におけばよい。

【００１２】次に、前記の袋に液体を充填する方法およ
び装置について述べる。まず、方法について述べると、
前記構成の液体収納袋に対して液体を充填するに当って
は、液体充填に先だって前記隔膜の全周を切り離し、切
り離された隔膜片を袋本体の内側反対面に溶着させてか
ら液体を充填した後、キャップの天面をシ−ルするよう
にしたことを特徴とする液体充填方法である。

【００１３】液体充填装置としては、主体が合成樹脂製
の可撓性を有する袋部材から成り、かつその表面にキャ
ップを溶着した密閉状態の袋の中に液体を充填する装置
であって、前記キャップを気密状態で咬え込むことので
きる下部台枠の上部に、昇降自在とした液体充填ノズル
装置と可動溶着治具とを収納し得るようにした上部台枠
を配設し、さらに前記上部台枠に対してはキャップの天
面をシ−ルするための帯状シ−ル材を引通装置を設け、
しかも前記液体充填ノズル装置と可動溶着装置とは相対
的に上下動を行うように、一例として２連シリンダ機構
に連ねると共に前記溶着治具とノズル機構の各下端部
に、シ−ル材を打抜くカッタ刃とキャップに付設された
隔膜とを切り離すためのカッタ刃を取付け、また、溶着
治具内には加熱ヒ−タを内蔵させた上で、前記溶着治具
の近傍と台枠の内部とに、互いに連通する滅菌媒体の流
通空間を形成させるようにし、一方、前記下部台枠の下
面には、前記隔膜と袋の下側基材とを溶着させるための
加熱溶着装置と、該装置の外側に位置する環状の受け金
具と、さらにその外側に同心円状に配設した支承金具と
を、それぞれ前記台枠の下方に設けた３連式のシリンダ
機構に連ねたことを特徴とする装置である。

【００１４】

【実施態様】以下、本発明を図に示す実施例に基づいて
具体的に説明する。まず、本発明で使用する袋の形態に
ついて説明する。一例として図１〜２に示すような形態
の袋、すなわち一方の平板状基材フィルム11に対して、
他方の平板状基材フィルム12を合掌状態に重ね合わせた
上で、その周縁部のみ、すなわち図示の例では四周部13
をヒ−トシ−ル等の手段で溶着することにより密閉状の
袋20を得る。その際、前記した一方の基材フィルム11に
対して予め前記したキャップ30を溶着または接着させて
おく。

【００１５】次に、前記キャップ30の構成について述べ
ると、図示の例では円筒状キャップの外周面に螺旋ネジ
30ａを形成させたものが示されているが、このネジは必
ずしも必要ではない。また、本発明においては既に述べ
たように、キャップ30の内面に隔膜31を取り付け、かつ
この隔膜を液体充填時にキャップの対面方向に位置する
袋の基材に一部接着または溶着させるようにしたもので
あるが、以下この点につき、図２に基づいて具体的に説
明する。

【００１６】図２は、本方法の概略を説明するための図
解で、樹脂製キャップ30の成形に際して予め隔膜31を一
体成形しておく。次いでかゝる形態のキャップ30を図に
おいて袋の上側に位置する基材11に溶着させた後、該基
材11と下側に位置する基材12とを重ね合わせ、その周縁
部13を加熱ヘッド15を介して溶着させれば、図１に示す
ような形態の袋が得られる。本発明においてはかゝる形
態の袋に液体を充填するに先だってキャップ内の隔膜31
を同図（ロ）に示すようにキャップから切り離すと同時
に、もしくは切り離す前に該隔膜31を、図に符号ｙで示
すようにキャップの反対側に位置する袋基材12の内面側
に溶着または接着させてから、液体を充填するようにし
たものである。

【００１７】ちなみに、図２の（ハ）は前記隔膜31をキ
ャップに形成させるに当り、その取付部位を符号31ａで
示すように肉薄として隔膜を切り離し易くした事例であ
る。図３〜５は、前記とは異なる形態の袋を示したもの
で、以下この点について略述する。図３は、前記隔膜31
をキャップ30の底面側に取り付ける際、キャップとの一
体成形でなく該隔膜をキャップとは別体につくっておき
このものを段差30ａを有するキャップ底面部に、接着剤
を用いて剥がれ易く接着させた事例である。

【００１８】図４はキャップ30の底面に対して一平面を
構成するように隔膜31を取り付けた場合であり、図５は
図において上側に位置する袋の基材11を前記隔膜31に兼
帯させた場合を示した。この場合には、前記のようにし
て密閉状の袋を製造した後、または製造に際して袋部材
の片面に前記隔膜のないキャップ、すなわち、内部が筒
抜けのキャップを前記袋基材11の表面に溶着させるだけ
でよい。また、図に符号31ｂで示す切溝を設けることも
可能であることを示し、このようにしておくと前記隔膜
を剥がれ易くすることができる。

【００１９】前記何れの形態の袋を用いた場合にあって
も、本発明においては袋の中に液体を充填するに先だっ
て、図６〜８に示すように前記隔膜31を反対面に位置す
る袋基材12と局部的に接着させ（接着部分を符号ｙで示
す）てから、該隔膜をキャップ30から切り離してから液
体を充填するものである。

【００２０】ちなみに、前記した構成の液体収納袋を得
るに当り、内面が無菌状態の袋を得たい場合には、製袋
後の袋の全体に外側からガンマ線を照射して滅菌しても
よいが、それ以外に次のような手段を講じてもよい。す
なわち、隔膜つきのキャップを溶着させた状態の基材フ
ィルム11とキャップなしの基材フィルム12とを各々別個
にシ−ト状のまま、一例として過酸化水素溶液に浸した
後に熱風乾燥する等の手段により滅菌処理を施してか
ら、滅菌後の各基材フィルム11および12を合掌状態に重
ね合わせ、次いで各フィルムの周縁部13を図１に示すよ
うに加熱ヘッドを介して互いに溶着させてシ−ルし、そ
れによって内面が無菌の液体収納袋を得るようにしても
よい。なお、本発明においては無菌処理の施された基材
フィルム11の内面側を、図に符号ｙで示すように前記キ
ャップにおける隔膜部分に一部溶着させることは勿論で
ある。

【００２１】次に、前記のようにしてキャップを溶着さ
せてなる液体収納袋20に、内容物たる液体を充填する方
法および装置について説明する。既に述べたように、本
発明で使用する密閉状の袋には該袋の表面に隔膜つきの
キャップ30を溶着されたおりしたがって、そのままでは
キャップが前記隔膜によって塞がれた状態となってい
る。そこで、内容物を充填するに当っては、前記隔膜31
を適宜の手段により開放させる必要がある。この点を図
10〜12に基づいて、以下具体的に説明する。なお、液体
を充填するに先だって前記隔膜をキャップ本体との境か
ら全域に亘って切り離すものであるが、切り離しに先だ
って該隔膜を予め袋の基材フィルム12の一部に接着また
は溶着させ、その際、もしくはその後に隔膜を切り切り
離してから液体を充填するようにしたものであるから、
液体充填後においても前記隔膜が袋の内壁面に接着され
た状態となり、そのため隔膜部分が充填後の液体中にま
ぎれ込むようなことがない。

【００２２】図９〜１７は、前記のようにして袋の中に
内容物たる液体を充填した後、充填後においてキャップ
の上面を密封シ−ルするための装置を示す。同図に基づ
いて該装置の構成を具体的に説明すると、図中、符号40
は装置本体にして、該本体の上部には２連シリンダ41が
配設され、かつその頂部には充填すべき液体の供給管42
が取り付けられている。

【００２３】次に装置本体40の内部構成について説明す
ると、図10以下に明示したように、前記本体は上部台枠
43と下部台枠44とからなり、それら台枠の間にキャップ
の天面をシ−ルするためのシ−ル材Ｆの引通路を形成さ
せ、かつ前記引通路部分の入口と出口には、気密状態が
保持されるような弾性ロ−ラ45を取り付けて、これらの
ロ−ラによって前記シ−ル材の送出しならびに引込みが
行われるようになす。なお、図11において示した符号45
ａは、環状のシ−リング材である。

【００２４】また、上部台枠43の内部には、前記した２
連シリンダ−機構41に連なる充填機つきの可動溶着治具
46を取り付ける。すなわち、前記治具46の全体を２連シ
リンダ機構41によって昇降し得るように取付け、一方、
該治具の内部には、同心円状に環状のカッタ47と液体の
充填ノズル48とを設ける。なお、符号49は前記充填ノズ
ルの直下に設けた押圧片で、該ノズルの出口を塞がない
ような状態で取り付けられており、後記のように、キャ
ップの隔膜31を袋の下側基材12に対して接着させる際の
受け治具に用いる。

【００２５】なお、前記ノズルの内部には必要時以外に
には液体が流下しないようにするための漏出防止弁50を
装着すると共に、該弁の弁軸には図示のように作動スプ
リングを装備させる。ちなみに、符号51は前記治具に埋
め込んだ加熱ヒ−タである。

【００２６】前述のように、可動溶着治具46の内部には
充填ノズル48が装着されているが、このノズルは前記し
た２連シリンダ機構41によって溶着治具46に対して相対
的にその上下位置を変更し得るように構成する。また、
前記した下部台枠44の下面には、前記したキャップつき
の袋30をセットするための咬え込み金具53と封止リング
53を設ける。

【００２７】可動溶着治具46についてさらに説明を加え
ると、前述のように該治具の最下端外周には前記シ−ル
材Ｆを打抜くための環状のカッタ刃47が取り付けられて
いるが、それと共にカッタ刃の内側には前記シ−ル材を
キャップの天面に溶着させるための加熱圧着環48が形成
されれている。そして、前記２連シリンダ機構41に連な
るピストンロッド、すなわち、内外２重の套管で構成さ
れたピストンロッドのうち、一例として外側のロッド管
60に対して前記治具45の全体は連ねられているので、該
治具は内側のロッド管61に対しては独立して昇降する。
一方、前記した内側に位置するロッド管61の下端には前
記した充填ノズル48が形成されると共にさらに該ノズル
の下端部には環状のカッタ56が取り付けられ、該カッタ
によりキャップ30に形成された隔膜31を切り離すように
運用する。なお、本発明にあっては、後記のように前記
カッタ刃で隔膜31を切り離す際、切り離しに先だって該
個所の一部を袋の下部基材12に対し溶着させておくの
で、隔膜を全部切り離したときにも、切り離された隔膜
が袋の内部において液体の中に混入することがないとい
う効果を発揮する。

【００２８】ところで、図10以下に示すように、可動溶
着治具46を収容している上部台枠43内に形成された室57
と下部台枠44内に形成されたキャップのセット室58と
は、互いに連通しており、かつ前記各室は滅菌媒体の流
通空間となっている。すなわち前記した各室には、例え
ば加熱水蒸気または過酸化水素溶液等の滅菌媒体の入口
57ａと出口57ｂとが取り付けられ、それら入口、出口に
はそれぞれ図示を省略した媒体の流入弁ならびに流出弁
が付設されている。これらの各弁には一例として電磁開
閉弁を用い、適宜のタイミングをおいて滅菌媒体を前記
の各空間に流して、前記シ−ル材ならびに袋のキャップ
を滅菌させ、滅菌後において袋の内容物たる液体を充填
させるようになす。

【００２９】なお、前記したシ−ル材Ｆの供給側には、
該シ−ル材を滅菌するための手段を付設しておくもの
で、図10に明示したとおり上部台枠43と下部台枠44の一
側面から延長する形で区画室59を形成させ、該室59を経
由してテ−プ状のシ−ル材Ｆが供給されるようにしてお
くのである。符号59ａは区画室59内へ滅菌媒体を流入さ
せるための供給口、同59ｂは排出口である。

【００３０】ところで、前記下部台枠44の下面には、後
記のようなヒ−トシ−ル装置62を付設する。すなわち、
図10に示すとおり、３連式のエア−シリンダまたは油圧
シリンダ装置63により作動する加熱溶着装置64と、該装
置の外側に位置する環状の受け金具65と、さらにその外
側に同心円状に配設した支承金具66を、前記台枠44の下
方に設けた上で、それら各装置を後記のように作動させ
て、図において袋の下側に位置する基材12に対し前記の
隔膜31を溶着させるのである。

【００３１】進んで、前記装置により液体収納袋の中に
液体を充填する過程について説明する。図12ないし図17
は、充填過程を順を追って図解したもので、まず図12に
示すように、ヒ−トシ−ル装置62の全体を３連式シリン
ダ機構63をを介して下降させた上で、その上面に充填す
べき袋20をセットする。次いで、図13のように前記した
ヒ−トシ−ル装置62を扛上させて該袋が下部台枠44の下
面に密着するようになし、次いで滅菌媒体を図13に矢印
を以て示すように注入して、シ−ル材Ｆならびにキャッ
プの上面側を滅菌する。

【００３２】しかるのち図14に示すように、シリンダ41
における内側のピストンロッド61を下降させて該ロッド
の先端部に取り付けられた押圧片49を下降させると共
に、その周辺に装着された環状カッタ刃56によりキャッ
プに付設された隔膜31を切り離し、同時に切り離された
隔膜を前記押圧片49と下側からせり上がった来た加熱溶
着装置64とによってキャップの対面側に位置する袋の基
材12に対して溶着させるのである。溶着された状態は、
図６〜８に示すとおりで、隔膜31は基材12に連らなった
形で袋の中に収まる。

【００３３】このようにしてから図15に示すように、前
記した内側のロッド管61の先端部に装着された液体充填
ノズル48を介して所定量の液体を袋20の中に充填した
後、該ノズルを上方に引き上げて図16に示す位置に復帰
させる。液体の充填が終了したならば、今度は、図17に
示すようにキャップ30の天面をシ−ルするのである。前
述のように上部台枠43には、図９に示すような熱可塑性
プラスチックフィルムから成る帯状シ−ル材Ｆを引通さ
れており、このシ−ル材がロ−ラ45を介して間欠的に供
給され、かつ後記のように該シ−ル材をキャップの口径
に合致するように丸く打ち抜いた上で、このものを液体
充填後においてキャップ30の上縁部に加熱により溶着さ
せるのである。丸く打ち抜かれた後のシ−ル材の抜き粕
（ウエイスト）は、図示を省略したが適宜の案内ロ−ラ
を介してウエイストシ−ル材の巻取として回収される。

【００３４】ところで、前記シ−ル材Ｆは図において左
方向に引通され、このものが溶着治具46の下面に至る
と、該治具の先端に取り付けたカッタ刃47により丸く打
抜かれ打抜いたものをそのまま下降させてキャップ30の
天面にあてがい、今度は同治具の前記カッタ刃の内側に
形成されている環状圧着面55を利用して、丸く打抜いた
シ−ル材を前記天面にヒ−トシ−ルする。ヒ−トシ−ル
に当っては該治具に内蔵されたヒ−タ51が利用される。

【００３５】上記のようにして所定量の充填が終了した
後に、可動溶着装置46を作動させて帯状シ−ル材Ｆをキ
ャップの口径に合わせて打ち抜き、同時に打ち抜いたシ
−ル材をキャップ30の上縁にかぶせてから環状圧着面を
介しての加熱によるシ−トシ−ル加工を行なって、キャ
ップ30の天面を前記シ−ル材により封止する。かくし
て、袋の中に所定の液体を無菌充填し、さらに該キャッ
プの天面をシ−ルした後に、図11に示す咬え込み金具53
の咬え込みを解除して下部台枠44から袋を取り外すので
ある。

【００３６】

【発明の効果】上記のように本発明によれば、液体収納
袋としては、隔膜により塵埃が入る虞れのないキャップ
が溶着されたものが使用され、かつこの袋への液体の充
填に際しては、該隔膜が切り離された後にも、そのもの
が内容物たる液体中に紛れ込むことがない。また、予め
内部無菌の袋としたときの液体充填に際しても、充填に
先だって前記したとおり単にキャップ部分の滅菌作業を
行なうのみで無菌充填が可能であるから、それに要する
滅菌処理の負担も軽く済み、同時に、それに要する装置
も簡便な機構で足りるから、従来装置に比較して設備費
ならびに設置スペ−スを大幅に軽減し得る点で有利であ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例たる隔膜つきキャップを取り
付けた袋の斜視図。

【図２】図２の（イ）は、同上ＩＩ−ＩＩ線における一
部の拡大断面図、同（ロ）は、隔膜が切り離された状態
を示す一部の断面図、同（ハ）は、キャップと隔膜との
取付関係を示す一部の断面図である。

【図３】隔膜つきのキャップの別の実施例を示す一部の
断面図。

【図４】本発明の別の実施例である隔膜つきキャップを
付設した袋の一部の断面図。

【図５】同じく他の実施態様を示す袋の一部の断面図。

【図６】キャップに形成された隔膜が袋の下側基材に溶
着された状態を示す断面図。

【図７】前記と同様な他の実施例を示す袋の一部の断面
図。

【図８】前記隔膜を袋の基材に兼帯させた事例を示す袋
の一部の断面図。

【図９】図９は、本発明における液体充填装置の一例を
示す装置全体の斜視図。

【図１０】同上、縦断正面図。

【図１１】同上装置の溶着治具部分を示す一部の拡大断
面図。

【図１２】同上装置において液体収納袋をセットする際
の工程を示す一部の断面図。

【図１３】同上装置において袋の滅菌媒体を流通せせる
際の工程を示す一部の断面図。

【図１４】同上装置においてキャップの隔膜を袋の下側
基材に溶着させる工程を示す一部の断面図。

【図１５】同上装置においてキャップの隔膜を切り離し
た後、液体を充填する工程を示す一部の断面図。

【図１６】同上装置において液体充填後に、液体充填ノ
ズルを上昇させた場合を示す一部の断面図。

【図１７】 同上装置においてキャップの天面をシールす
る状態を示した一部の断面図。

【符号の説明】

ｙ 隔膜と袋の基材との溶着部 ＩＩ，１２ 液体収納袋の基材 １３ 周縁部 １５ 加熱シールバー ３０ キャップ ３１ 隔膜 ４０ 装置本体 ４１ ２連シリンダ機構 ４２ 液体供給管 ４３ 上部台枠 ４４ 下部台枠 ４５ 送込み並びに引出しローラ ４５ａ 気密用Ｏリング ４６ 可動溶着治具 ４７ 環状カッタ刃 ４８ 液体充填ノズル装置 ４９ 押圧片 ５０ 液洩れ防止弁 ５１ 加熱ヒータ ５３′咬え込み金具 ５４ 封止材 ５５ 環状圧着環（環状圧着面） ５６ カッタ刃 ５７，５８ 媒体流通空間 ５７ａ 流入弁 ５７ｂ 流出弁 ６０ 外側ロッド管 ６１ 内側ロッド管 ６２ ヒートシール装置 ６３ ３連式のエアーシリンダまたは油圧シリンダ ６４ 加熱溶着装置 ６５ 環状受け金具 ６６ 環状支承金具

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 袋本体が可撓性を有する合成樹脂製の液
   体収納袋にして、その一部に液体注入兼注出用のキャッ
   プを溶着させ、かつ該キャップの底部にあらかじめ隔膜
   を該キャップと一体成形または一体にシ−ルして成る液
   体収納袋に対して液体を充填するに当り、液体充填に先
   だって前記隔膜の内面側の一部を袋本体の内側反対面に
   溶着させ、その後において前記隔膜の全周を切り離す
   か、或いは切り離す前に溶着させた上で隔膜を切り離し
   た後、液体を充填してから前記キャップの天面をシ−ル
   するようにしたことを特徴とする液体充填方法。
2. 【請求項２】 主体が合成樹脂製の可撓性を有する袋部
   材から成り、かつその表面にキャップを溶着した密閉状
   態の袋の中に液体を充填する装置にして、前記キャップ
   を気密状態で咬え込むことのできる下部台枠の上部に、
   昇降自在とした液体充填ノズル装置と可動溶着治具とを
   収納し得るようにした上部台枠を配設し、さらに前記上
   部台枠に対してはキャップの天面をシ−ルするための帯
   状シ−ル材を引通装置を設け、しかも前記液体充填ノズ
   ル装置と可動溶着装置とは相対的に上下動を行うように
   構成させると共に、前記溶着治具とノズル機構の各下端
   部に、シ−ル材を打抜くカッタ刃とキャップに付設され
   た隔膜とを切り離すためのカッタ刃を取付け、また、溶
   着治具内には加熱ヒ−タを内蔵させた上で、前記溶着治
   具の近傍と台枠の内部とに、互いに連通する滅菌媒体の
   流通空間を形成させるようにし、一方、前記下部台枠の
   下面には、前記隔膜と袋の下側基材とを溶着させるため
   の加熱溶着装置と、該装置の外側に位置する環状の受け
   金具と、さらにその外側に同心円状に配設した支承金具
   とを、それぞれ前記台枠の下方に設けた３連式のシリン
   ダ機構に連ねたことを特徴とするキャップを備えた液体
   収納袋に滅菌状態で液体を充填する装置。