JPH06144179A - 制動力配分制御装置 - Google Patents

制動力配分制御装置

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JPH06144179A
JPH06144179A JP33006292A JP33006292A JPH06144179A JP H06144179 A JPH06144179 A JP H06144179A JP 33006292 A JP33006292 A JP 33006292A JP 33006292 A JP33006292 A JP 33006292A JP H06144179 A JPH06144179 A JP H06144179A
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JP
Japan
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wheel
speed
vehicle
braking force
control
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Application number
JP33006292A
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English (en)
Inventor
Kenji Toutsu
憲司 十津
Kenji Asano
憲司 浅野
Noriaki Hattori
憲明 服部
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Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
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Publication date
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Priority to DE4337498A priority patent/DE4337498A1/de
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 制動力配分制御装置において、安定した制動
力配分制御を確保し得るようにする。 【構成】 車輪速度検出手段S1,S3によって車両前
方の車輪FRと車両後方の車輪RRの車輪速度を検出
し、続いて基準速度設定手段M1において、各々の検出
車輪速度に対する所定の増加率を設定しこの増加率に基
づいて第1の設定速度を演算すると共に、検出車輪速度
に対する所定の減少率を設定しこの減少率に基づいて第
2の設定速度を演算し、これら第2の設定速度、第1の
設定速度及び検出車輪速度の中央値を選択して車輪FR
及び車輪RRの各々の基準速度を設定する。更に、比較
手段M2において車輪FRと車輪RRの基準速度を比較
し、例えばその差が求められる。そして、駆動手段M3
によって比較手段M2の比較結果、例えば基準速度差に
応じて液圧制御弁FVを駆動し、車輪RRの制動力を車
輪FRの制動力に対し所定の関係に調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両制動時に、車両後
方の車輪の制動力を車両前方の車輪の制動力に対し所定
の関係に調整する制動力配分制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に走行中の車両に対し制動作動を
行なうと、荷重移動により車両の前後の軸重が異なり、
四つの車輪が同時にロックするために必要な車両前方の
車輪に対する制動力と後方の車輪に対する制動力は正比
例の関係にはなく、図12に一点鎖線で示すような関係
にある。この関係は理想制動力配分と呼ばれ、この配分
は積載荷重の有無によっても異なり、積載荷重有の場合
には二点鎖線で示した理想制動力配分となる。
【0003】これに関し、後方の車輪に対する制動力が
前方の車輪に対する制動力を上回ると車両の方向安定性
が損なわれるので、これより低く抑えつつ、できるだけ
理想制動力配分に近づけるべく、後方の車輪のホイール
シリンダとマスタシリンダとの間にプロポーショニング
バルブが介装されている。これによれば図12に破線で
示すように折点を有する配分線となるが、旋回時の内外
輪の荷重差等を考慮すると、後方の車輪に対する制動力
を前方の車輪に対する制動力よりかなり低く抑える必要
がある。更に、積載荷重が大きい場合には理想制動力配
分から大きく外れることになる。このため、積載荷重に
応じて折点の位置を変化させ、異なる配分線を形成し得
るロードセンシングプロポーショニングバルブも利用さ
れている。
【0004】更に、特公昭51−40816号公報にお
いては、前後輪の回転数を比較してプロポーショニング
バルブの折点を空気圧作動のアクチュエータによって可
変とする構成、具体的には後輪の回転数が前輪のそれよ
り高い場合には上記折点を高くし且つ後輪の回転数が前
輪のそれより低い場合には上記折点を低くする構成が開
示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の構成では、
車両の前後の車輪の制動力配分を理想制動力配分に近似
させるに十分ではなく、後方車輪への制動力配分が少な
くなって所定の車両減速度を得るために大きなブレーキ
ペダル踏力が必要となり、また前方の車輪用の制動装置
に対する負担が大となり、或いは後方の車輪への制動力
配分が大となって後方の車輪がロック傾向になるおそれ
もある。
【0006】このため、本件出願人は特願平4−770
60号の出願において、車両前方の車輪速度と車両後方
の車輪速度の差に応じてアクチュエータを駆動し、車両
後方の車輪に対する制動力を制御する自動車用制動液圧
制御装置を提案している。しかし、このように車輪速度
差に基づいて制動力配分を行なうこととすると、段差の
ある路面を走行する場合等においては、外乱に起因する
車輪速度の変動によって必要以上に減圧されることがあ
り、制動力配分制御が不安定となるおそれがある。
【0007】そこで、本発明は車両後方の車輪の制動力
を調整する制動力配分制御装置において、安定した制動
力配分制御を確保し得るようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の制動力配分制御装置は、図1に構成の概要
を示したように、車両前方の車輪FRに装着し制動力を
付与する前輪用ホイールシリンダ51及び車両後方の車
輪RRに装着し制動力を付与する後輪用ホイールシリン
ダ53と、ブレーキペダル3の操作に応じてブレーキ液
を昇圧し前輪用及び後輪用ホイールシリンダ51,53
の各々にブレーキ液圧を付与する液圧発生装置PGと、
液圧発生装置PGと少くとも後輪用ホイールシリンダ5
3との間に介装しブレーキ液圧を制御する液圧制御弁F
Vと、車両前方及び車両後方の車輪FR,RRの各々の
車輪速度を検出する車輪速度検出手段S1,S3と、車
輪速度検出手段S1,S3によって検出した車両前方の
車輪FR及び車両後方の車輪RRの各々の検出車輪速度
に対する所定の増加率を設定しこの増加率に基づいて第
1の設定速度を演算すると共に、検出車輪速度に対する
所定の減少率を設定しこの減少率に基づいて第2の設定
速度を演算し、これら第2の設定速度、第1の設定速度
及び検出車輪速度の中央値を選択して車両前方の車輪F
R及び車両後方の車輪RRの各々の基準速度を設定する
基準速度設定手段M1と、この基準速度設定手段M1で
設定した車両前方の車輪FRと車両後方の車輪RRの基
準速度を比較する比較手段M2と、この比較手段M2の
比較結果に応じて液圧制御弁FVを駆動し車両後方の車
輪RRの制動力を車両前方の車輪FRの制動力に対し所
定の関係に調整する駆動手段M3とを備えることとした
ものである。
【0009】
【作用】上記の構成になる制動力配分制御装置におい
て、ブレーキペダル3を操作すると液圧発生装置PGか
ら前輪用及び後輪用のホイールシリンダ51,53の各
々にブレーキ液圧が供給され、各車輪FR,PRに対し
制動力が付与される。この場合において、液圧発生装置
PGと後輪用ホイールシリンダ53との間には液圧制御
弁FVが介装されており、ホイールシリンダ53に付与
されるブレーキ液圧が液圧制御弁FVによって制御され
る。
【0010】一方、車輪速度検出手段S1,S3によっ
て車輪FRと車輪RRの車輪速度が検出され、続いて基
準速度設定手段M1において、各々の検出車輪速度に対
する所定の増加率が設定されこの増加率に基づいて第1
の設定速度が演算されると共に、検出車輪速度に対する
所定の減少率が設定されこの減少率に基づいて第2の設
定速度が演算され、これら第2の設定速度、第1の設定
速度及び検出車輪速度の中央値が選択されて車輪FR及
び車輪RRの各々の基準速度が設定される。更に、比較
手段M2において車輪FRと車輪RRの基準速度が比較
され、例えばその差が求められる。そして、駆動手段M
3によって比較手段M2の比較結果、例えば基準速度差
に応じて液圧制御弁FVが駆動され、車両後方の車輪R
Rの制動力が車両前方の車輪FRの制動力に対し所定の
関係となるように、即ち理想制動力配分に近似するよう
に調整される。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図2は本発明の一実施例の制動力配分制御装置を
示すもので、タンデム型のマスタシリンダ2及び液圧ブ
ースタ5を備え、これらがブレーキペダル3の操作に応
じて駆動される。また、液圧ブースタ5には補助液圧源
20が接続されており、これらは低圧リザーバ4に接続
されている。一方、車輪FR,FL,RR,RLにホイ
ールシリンダ51乃至54が装着されており、マスタシ
リンダ2の一方の圧力室2aと車両前方のホイールシリ
ンダ51,52の各々を接続する液圧路に夫々電磁弁6
1,62が介装されている。また、電磁弁61,62は
常開の電磁弁31,33を介して液圧ブースタ5に接続
されると共に、常閉の電磁弁32,34に接続されてお
り、これらの電磁弁32,34は低圧リザーバ4に接続
されている。
【0012】マスタシリンダ2の他方の圧力室2bには
プローショニングバルブ6及び電磁弁63が接続され、
電磁弁63と車両後方のホイールシリンダ53,54の
各々を接続する液圧路に夫々常開の電磁弁35,37が
介装され、これらと低圧リザーバ4との間に夫々常閉の
電磁弁36,38が介装されている。これらの電磁弁3
5乃至38によって本発明にいう液圧制御弁が構成され
ている。
【0013】尚、車輪FRは運転席からみて前方右側の
車輪を示し、以下車輪FLは前方左側、車輪RRは後方
右側、車輪RLは後方左側の車輪を示しており、図2か
ら明らかなように車両後方の車輪RR,RLについて本
実施例では所謂Y配管が構成されているが、所謂X配管
としてもよい。また、本実施例では車両後方の車輪R
R,RLが駆動輪の所謂後輪駆動であるが、前輪駆動と
してもよい。
【0014】補助液圧源20は、ポンプ21、アキュム
レータ22及びリリーフ弁23を有する。ポンプ21は
電動モータ24によって駆動され、低圧リザーバ4のブ
レーキ液を昇圧して出力し、この出力ブレーキ液圧がチ
ェックバルブ25を介してアキュムレータ22に供給さ
れ、畜圧される。リリーフ弁23は、アキュムレータ2
2の出力ブレーキ液圧が所定圧力以上となったときに開
放し、低圧リザーバ4にブレーキ液を還流して減圧する
ものである。更に、アキュムレータ22の出力側には、
圧力に対してリニアに出力する圧力センサ46、及び所
定圧力以下となったときオンとなる低圧スイッチ47が
設けられている。而して、補助液圧源20から所謂パワ
ー液圧が吐出され、液圧ブースタ5に供給される。
【0015】液圧ブースタ5は、補助液圧源20の出力
液圧をブレーキペダル3に応動するスプールバルブ(図
示せず)によって調圧し、これを倍力源としてマスタシ
リンダ2を倍力駆動するもので、例えば特開昭64−4
7664号、特開昭64−47665号、特開昭64−
74156号公報等に開示されているので、詳細な説明
は省略する。本実施例の液圧ブースタ5はマスタシリン
ダ2の出力ブレーキ液圧に対して所定の割合(例えば2
0%)だけ高い制御液圧(即ち、マスタシリンダ2の出
力ブレーキ液圧の120%の圧力)に調整するように構
成されており、電磁弁31,33及び電磁弁63,3
5,37を介してホイールシリンダ51乃至54に制御
液圧が供給され得るように配管されている。また、液圧
ブースタ5の制御液圧が所定圧力以上となったときオン
となる制御液圧スイッチ48が設けられている。尚、本
実施例の液圧ブースタ5に替えて、上記公報に記載のレ
ギュレータを用いることとしてもよく、マスタシリンダ
2と別体に構成することもできる。
【0016】前述のように、本発明にいう液圧制御弁た
る電磁弁35乃至38とマスタシリンダ2との間に電磁
弁63が配設されており、この電磁弁63とマスタシリ
ンダ2との間にプローショニングバルブ6が介装されて
いる。そして、電磁弁32,34及び電磁弁36,38
の排出側液圧路は低圧リザーバ4に接続されており、低
圧リザーバ4はこれらの電磁弁32,34,36,38
から排出側液圧路を介して還流されるブレーキ液を収容
し、マスタシリンダ2等に供するブレーキ液を貯留す
る。
【0017】電磁弁61乃至63は3ポート2位置電磁
切換弁であり、ソレノイドコイル非通電時は図2に示す
第1位置にあり、ホイールシリンダ51乃至54に対し
マスタシリンダ2との連通を許容し液圧ブースタ5との
連通を遮断し、ソレノイドコイル通電時に第2位置とな
り図2の左方側に切り換えられる。電磁弁31乃至38
は2ポート2位置電磁切換弁であり、夫々ソレノイドコ
イル非通電時には図2に示す第1位置の状態にあって、
ホイールシリンダ51,52は、電磁弁61,62が第
2位置にあるときにはこれらを介して液圧ブースタ5と
連通し、ホイールシリンダ53,54は、電磁弁63が
第2位置にあるときにはこれを介して液圧ブースタ5と
連通する。電磁弁31乃至38のソレノイドコイル通電
時には第2位置の状態となり、ホイールシリンダ51,
52は電磁弁61,62を介した液圧ブースタ5との連
通が遮断され、電磁弁61,62を介して低圧リザーバ
4に連通されると共に、ホイールシリンダ53,54の
電磁弁63を介した液圧ブースタ5との連通が遮断さ
れ、低圧リザーバ4に連通する。尚、図2中のチェック
バルブはホイールシリンダ51乃至54側から液圧ブー
スタ5側への還流を許容し、逆方向の流れを遮断するも
のである。
【0018】而して、電磁弁61乃至63のソレノイド
コイルに対する通電、非通電を制御することにより、ホ
イールシリンダ51乃至54とマスタシリンダ2及び液
圧ブースタ5との連通が切り換えられる。また、電磁弁
31乃至38のソレノイドコイルに対する通電、非通電
を制御することによりホイールシリンダ51乃至54内
のブレーキ液圧を増圧、減圧、又は保持することができ
る。即ち、電磁弁31乃至38のソレノイドコイル非通
電時にはホイールシリンダ51乃至54に液圧ブースタ
5から制御液圧が供給されて増圧し、通電時には低圧リ
ザーバ4側に連通し減圧する。また、電磁弁31,3
3,35,37のソレノイドコイルに通電しその余の電
磁弁のソレノイドコイルを非通電とすれば、ホイールシ
リンダ51乃至54内のブレーキ液圧が保持される。従
って、通電、非通電の時間間隔を調整することにより所
謂パルス増圧(ステップ増圧)又はパルス減圧を行な
い、緩やかに増圧又は減圧するように制御することがで
きる。
【0019】上記電磁弁31乃至38、及び電磁弁61
乃至63は電子制御装置10に接続され、各々のソレノ
イドコイルに対する通電、非通電が制御される。電動モ
ータ24も電子制御装置10に接続され、これにより駆
動制御される。また、車輪FR,FL,RR,RLには
車輪速度センサ41乃至44が配設され、これらが電子
制御装置10に接続されており、各車輪の回転速度、即
ち車輪速度信号が電子制御装置10に入力されるように
構成されている。更に、ブレーキペダル3が踏み込まれ
たときオンとなるブレーキスイッチ45、並びに前述の
圧力センサ46、低圧スイッチ47及び制御液圧スイッ
チ48が電子制御装置10に接続されている。
【0020】電子制御装置10は、図3に示すように、
バスを介して相互に接続されたCPU14、ROM1
5、RAM16、タイマ17、入力インターフェース回
路12及び出力インターフェース回路13から成るマイ
クロコンピュータ11を備えている。上記車輪速度セン
サ41乃至44、ブレーキスイッチ45、圧力センサ4
6、低圧スイッチ47及び制御液圧スイッチ48の出力
信号は増幅回路18a乃至18hを介して夫々入力イン
ターフェース回路12からCPU14に入力されるよう
に構成されている。また、出力インターフェース回路1
3からは駆動回路19aを介して電動モータ24に制御
信号が出力されると共に、駆動回路19b乃至19lを
介して電磁弁31乃至38及び電磁弁61乃至63に制
御信号が出力されるように構成されている。マイクロコ
ンピュータ11においては、ROM15は図4乃至図9
に示した各フローチャートに対応したプログラムを記憶
し、CPU14は図示しないイグニッションスイッチが
閉成されている間当該プログラムを実行し、RAM16
は当該プログラムの実行に必要な変数データを一時的に
記憶する。
【0021】上記のように構成された本実施例において
は、電子制御装置10により制動力配分制御のための一
連の処理が行なわれ電磁弁63及び電磁弁35乃至38
の作動が制御される。即ち、マイクロコンピュータ11
において、イグニッションスイッチ(図示せず)が閉成
されると図4乃至図9のフローチャートに対応したプロ
グラムの実行が開始する。
【0022】先ずメインルーチンを示す図4において、
ステップ100にてマイクロコンピュータ11が初期化
され、各種の演算値がクリアされる。次にステップ10
1において、車輪速度センサ41乃至44からの出力信
号に基づき四つの車輪の車輪速度VwFF,VwFR,Vw
RR,VwRLが演算される。またステップ102におい
て、上記各車輪速度が微分され各車輪の車輪加速度DV
wFF,DVwFR,DVwRR,DVwRLが演算される。
尚、加速度センサを設け、その検出信号を用いることと
してもよい。更に、ステップ103にて上記車輪速度に
基づき推定車体速度Vso及びその微分値である加速度
DVsoが演算される。この推定車体速度Vsoは、例
えば制動時の上記車輪速度を基準に所定の減速度で減速
したと仮定したときの値を車体速度として設定し、四つ
の車輪の内一つでもこの値を超えたときにはその値から
再度所定の減速度で減速したときの値を車体速度と設定
するもので、従前のアンチスキッド制御に供される基準
速度と同じものである。
【0023】続いてステップ200に進み、或る条件
で、例えばブレーキペダル3が操作されブレーキスイッ
チ45がオンとなったときに電磁弁63がオン(通電)
とされ、第2位置に切り換り、ホイールシリンダ53,
54はマスタシリンダ2との連通が遮断され液圧ブース
タ5と連通する。そして、ステップ500に進みアンチ
スキッド制御開始条件を充足しているか否かが判定さ
れ、開始条件を充足しアンチスキッド制御モードと判定
されると、ステップ600にて電磁弁61,62が第2
位置に切り換えられると共に、電磁弁31乃至38が駆
動制御され、アンチスキッド制御に移行する。ステップ
500にてアンチスキッド制御モードでないと判定され
たときには、ステップ700に進み制動力配分制御モー
ドか否かが判定され、当該制御モードであればステップ
800に進み、当該制御モードでなければステップ30
0に進む。この制動力配分制御モードか否かは、制動状
態にある車両の種々の条件に基づいて判定される。例え
ば、アンチスキッド制御システムが正常であり、且つ制
動力配分制御システムが正常であって、車両後方の車輪
RR,RLがアンチスキッド制御中でなく、電磁弁63
がオン状態にあること等の条件を全て充足するとき、制
動力配分制御可と判定され、ステップ800に進み制動
力配分制御が行なわれ、終了後ステップ101に戻る。
【0024】ステップ300においては所定の制動作動
が行なわれたか否かが判定される。具体的には、ブレー
キペダル3が操作された後、車両前方の車輪FR(F
L)の車輪速度VwFR(VwFF)が推定車体速度Vso
を下回り、且つ車輪速度の微分値の車輪加速度DVwが
所定の加速度(減速度を含む)G1を下回ったときに
「制御前出力可」と判定され、ステップ400に進み制
御前パルス増圧制御が開始し、そうでなければステップ
101に戻る。この制御前パルス増圧制御は従前のアン
チスキッド制御装置に採用されており、制動作動が行な
われアンチスキッド制御に移行する前に、電磁弁31,
33,35,37が断続されブレーキ液圧の保持と増圧
が繰り返されるように制御されるもので、制御前ホール
ド制御とも呼ばれている。そして、制御前パルス増圧制
御が終了するとステップ101に戻る。
【0025】尚、上記の制御に対しフェイルセーフ機能
が付加されており、制動力配分制御システムに何等かの
異常が生じたときには、電磁弁63がオフとされ図2に
示す第1位置に戻されると共に、電磁弁35,37も開
位置とされ、ホイールシリンダ53,54はプロポーシ
ョニングバルブ6を介してマスタシリンダ2と連通状態
となる。而して、車輪RR,RLについては従前の制動
力配分に基づく制動力が付与される。
【0026】上記ステップ800の制動力配分制御は図
5に示すルーチンから成り、先ずステップ801におい
て、制動力配分制御の開始条件を設定するための種々の
定数が設定されるが、これについては図7を参照して後
述する。続いてステップ802において、車輪FR,F
L,RR,RLの車輪速度VwFR,VwFL,VwRR,V
wRLに基づき所定の演算処理によって、夫々基準速度V
wsFR,VwsFL,VwsRR,VwsRLが演算される。
この演算処理については図9を参照して後述する。更
に、ステップ803にて前後輪の基準速度差(VwsRR
−VwsFR),(VwsRL−VwsFL)が夫々DVwsR
R,DVwsRLとして演算される。そして、ステップ8
04,805に進み車輪RR,RLの制動力配分制御が
行なわれる。
【0027】図6は図5のステップ804の車輪RRに
関する制動力配分制御のサブルーチンを示すもので、ス
テップ805の車輪RLに関する制動力配分制御も同様
に処理される。先ずステップ820において制御中か否
かが判定され、制動力配分制御を実行中であることを示
す制御中フラグがセットされていない場合(”0”)に
は、ステップ821乃至826に進み、セットされてい
る場合(”1”)には、ステップ827乃至829に進
む。
【0028】ステップ821においては、車輪RRに関
して制動力配分制御開始の可否が判定される。この開始
条件としては、例えば基準速度VwsRRが、車両前方の
車輪FRの基準速度VwsFRに対して所定の関係にあっ
て、基準加速度DVsoが所定値(例えば、−0.25
G。但し、Gは重力加速度)以下であり、ブレーキスイ
ッチ45がオン状態にあり、且つ推定車体速度Vsoが
所定速度(例えば15km/h)以上であること等であ
る。尚、この開始条件の詳細については図8を参照して
後述する。これらの条件を全て充足したときに制御開始
可と判定され、ステップ822にて制御中フラグがセッ
ト(”1”)された後ステップ823に進み、制御開始
条件を充足していなければ図5のルーチンに戻る。
【0029】ステップ823においては、前述の基準速
度VwsRR等に基づきスリップ率SpRR等が演算され、
制御基準値TsRR及びDfRRが演算される。制御基準値
DfRRは基準速度差DVwsRRの変化、即ち前回の値と
今回の値の差(DVwsRR(n) −DVwsRR(n-1) )と
して演算される。また、スリップ率SpRRは車両前方右
側の車輪FRの基準速度VwsFRに対する車両後方右側
の車輪RRの基準速度VwsRRのスリップ率((Vws
RR−VwsFR)/VwsFR)であり、更にこの積分値I
SpRRが演算され、これらの関数f(SpRR,DfRR,
ISpRR)として制御基準値TsRRが演算される。
【0030】具体的には、ステップ824において、上
記制御基準値TsRR及びDfRRに基づき、図10に示す
制御マップが構成され、この制御マップに従って制御モ
ードが判定される。同図において縦軸はスリップ率Sp
RRと積分値ISpRRが加算されて制御基準値TsRRとさ
れたもので、横軸は制御基準値DfRRであり、X1
(G)とY1(%)の交点とX2(G)とY2(%)の
交点を結ぶ線分及びX軸に並行な線分によって二つの領
域P及びDに区画されている。領域Pはパルス増圧制御
モードで、領域Dはパルス減圧モードであり、両領域に
おいて制御パルス信号の周期Tb及びオン時間が設定さ
れる。尚、周期Tbは、例えば制御マップ上の任意の点
からX1,Y1とX2,Y2を結ぶ線分に至る垂線の長
さをLとしたとき、(Tb=Kb−Kc・L)として演
算される(但し、Kb,Kcは定数)。而して、この制
御パルス信号に基づきステップ825又は826におい
て夫々パルス減圧制御又はパルス増圧制御が行なわれ
る。
【0031】一方、ステップ820にて制御中フラグが
セットされている(”1”)と判定されると、ステップ
827にて制御終了条件を充足しているか否かが判定さ
れる。この終了条件としては、ブレーキスイッチ45が
オフとなったこと、基準加速度DVsoが所定値(−
0.25G)を上回ること等があり、これらの条件の何
れかを充足すれば制御終了可と判定され、制御中フラグ
がリセットされ(”0”)ステップ829にて通常の増
圧制御が行なわれ、制御終了条件を充足していなければ
ステップ823に進み、制動力配分制御が継続される。
【0032】図7は前述の図5の定数設定処理の一例を
示すもので、走行路面状態に応じて制御開始基準を変更
するように設定することとしている。即ち、先ずステッ
プ811において走行路面状態が判定される。車両が走
行している路面に凹凸があると推定され、悪路走行中と
判定されると、ステップ812にて後述のバイアス速度
Vwzが第1設定値Vwz1に設定され、悪路走行でな
ければステップ813にてバイアス速度Vwzは第2設
定値Vwz2(Vwz2<Vwz1)に設定される。
尚、ステップ811の悪路判定は従前のアンチスキッド
制御時に行なわれる路面状態判定と同様であり、例えば
特開平3−284463号公報に記載されているよう
に、所定時間内に車輪加速度が所定の基準値を超えた回
数に応じて走行路面の状態が判定される。そして、ステ
ップ812において、バイアス速度Vwzとスリップ率
バイアス速度VwsFR・Spzが加算され、所定速度K
3(=Vwz+VwsFR・Spz)が演算される。
【0033】図8は図6のステップ821における制動
力配分制御の開始条件判定の一例を示すもので、ステッ
プ831にてブレーキスイッチ45がオン状態か否かが
判定され、オンであればステップ832に進み、オフで
あれば開始条件不成立として次のルーチンに進む。ステ
ップ832においては、推定車体速度Vsoが所定速度
K1(例えば15km/h)と比較され、これ以上であ
ればステップ832に進み、そうでなければ開始条件不
成立となる。続いてステップ833にて、加速度DVs
oが所定加速度K2(例えば−0.25G)以下か否か
が判定され、そうであればステップ834に進み、これ
を超えていれば開始条件不成立となる。更に、ステップ
834において車輪RRの基準速度VwsRRが所定の基
準値(VwsFR−K3)と比較され、これを下回れば開
始条件を充足するとして制御中フラグがセットされ(”
1”)、そうでなければ開始条件不成立となる。尚、基
準値(VwsFR−K3)におけるK3は前述の図7のス
テップ812で求められた所定速度K3である。
【0034】図9は図5のステップ802における基準
速度の演算処理を示すものである。同図においては車両
後方右側の車輪RRについての例を示しているが、残余
の車輪についても同様に処理される。ステップ101か
ら車輪RRの車輪速度VwRRが所定の演算周期で供給さ
れ順次メモリに記憶され、先ずステップ841にて今回
(n回とする)の値VwRR(n) がAとされる。次に、ス
テップ842において前回の値VwRR(n-1) に所定値α
UP・tが加えられBとされる。続いてステップ843に
て前回の値から所定値αDN・tが減じられCとされる。
【0035】そしてステップ843に進み、A、B及び
Cの中央値が演算され、これが基準値VwsRRとされ
る。尚、αUPは車輪速度VwRRに対する加速度、即ち車
輪速度VwRRの増加率の限度を設定する値で、例えば2
G(但し、Gは重力加速度)に設定される。tは演算周
期で、例えば10mSとされる。αDNは車輪速度VwRR
に対する減速度、即ち車輪速度VwRRの減少率の限度を
設定する値で、本実施例では推定車体速度の微分値の加
速度DVsoに所定割合の値(α1 )を加えた値(DV
so+α1 )とされ、α1 としては例えばDVsoの2
5%の値とされる。尚、加速度センサを備えた車両にあ
ってはαDNは(G0 +α0 )として求められる(但し、
0 は加速度センサの検出値で、α0 は補正値であ
る)。而して、外乱に起因する車輪速度VwRR等の変動
の上下限に対し、中間値が基準速度VwsRR等とされ、
これらが前述のように後段の制御に供されるので、安定
した制御作動が確保される。
【0036】図11は上記の実施例における車両後方右
側の車輪RRの車両前方右側の車輪FRに対する制御状
況を示すもので、例えばa点でブレーキペダル3が操作
され、車輪RRの基準速度VwsRRが低下を開始し、基
準速度VwsRRが二点鎖線の基準値(VwsFR−K3)
を下回ったb点で車輪RRに関する制動力配分制御が開
始し、ホイールシリンダ53に対する液圧制限作動が開
始する。また、基準速度VwsRRが上方の一点鎖線の基
準値を超えるとホイールシリンダ53に対するパルス増
圧制御作動が開始する。即ち、同図における上下の一点
鎖線間の領域が不感帯領域となっており、外乱に影響さ
れず安定した制御作動が確保される。尚、同図において
c点で制御が終了し、d点でブレーキペダル操作が解除
される。而して、図12に実線で示すように、積載荷重
の有無に拘らず、理想制動力配分曲線に追従した制動力
制御が行なわれる。
【0037】
【発明の効果】本発明は上述のように構成されているの
で以下の効果を奏する。即ち、本発明の制動力配分制御
装置においては、基準速度設定手段を具備し、車両前方
の車輪及び後方の車輪の各々の検出車輪速度に基づき第
1の設定速度、及び第2の設定速度が演算され、これら
と検出車輪速度の中央値が選択され車両前方の車輪及び
車両後方の車輪の各々の基準速度が設定されるように構
成されており、これらの基準速度に基づいて制動力配分
制御が行なわれるので、安定した制御作動を確保するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の制動力配分制御装置の概要を示すブロ
ック図である。
【図2】本発明の制動力配分制御装置の実施例の全体構
成図である。
【図3】図2の電子制御装置の構成を示すブロック図で
ある。
【図4】本発明の一実施例における制動力制御のための
処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施例における制動力配分制御のた
めの処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明の一実施例における車両後方右側の車輪
の制動力配分制御のサブルーチンの処理を示すフローチ
ャートである。
【図7】本発明の一実施例における車両後方右側の車輪
の制動力配分制御のサブルーチンの処理を示すフローチ
ャートである。
【図8】本発明の一実施例における車両後方右側の車輪
の制動力配分制御のサブルーチンの処理を示すフローチ
ャートである。
【図9】本発明の一実施例における車両後方右側の車輪
の制動力配分制御のサブルーチンの処理を示すフローチ
ャートである。
【図10】本発明の一実施例における車両後方右側の車
輪の制動力配分制御に供する制御マップを示すグラフで
ある。
【図11】本発明の一実施例における車両後方右側の車
輪の制御状況を示すグラフである。
【図12】本発明及び従来技術における制動力配分の制
御状況を示すグラフである。
【符号の説明】
2 マスタシリンダ 3 ブレーキペダル 4 低圧リザーバ 5 液圧ブースタ 6 プロポーショニングバルブ 10 電子制御装置 20 補助液圧源 21 ポンプ 22 アキュムレータ 24 電動モータ 31〜38 電磁弁(液圧制御弁) 41〜44 車輪速度センサ 51〜54 ホイールシリンダ 61〜63 電磁弁 FR,FL,RR,RL 車輪

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両前方の車輪に装着し制動力を付与す
    る前輪用ホイールシリンダ及び車両後方の車輪に装着し
    制動力を付与する後輪用ホイールシリンダと、ブレーキ
    ペダルの操作に応じてブレーキ液を昇圧し前記前輪用及
    び後輪用ホイールシリンダの各々にブレーキ液圧を付与
    する液圧発生装置と、該液圧発生装置と少くとも前記後
    輪用ホイールシリンダの各々との間に介装し前記ブレー
    キ液圧を制御する液圧制御弁と、前記車両前方及び車両
    後方の車輪の各々の車輪速度を検出する車輪速度検出手
    段と、該車輪速度検出手段によって検出した前記車両前
    方の車輪及び車両後方の車輪の各々の検出車輪速度に対
    する所定の増加率を設定し該増加率に基づいて第1の設
    定速度を演算すると共に、前記検出車輪速度に対する所
    定の減少率を設定し該減少率に基づいて第2の設定速度
    を演算し、該第2の設定速度、前記第1の設定速度及び
    前記検出車輪速度の中央値を選択して前記車両前方の車
    輪及び車両後方の車輪の各々の基準速度を設定する基準
    速度設定手段と、該基準速度設定手段で設定した前記車
    両前方の車輪と前記車両後方の車輪の基準速度を比較す
    る比較手段と、該比較手段の比較結果に応じて前記液圧
    制御弁を駆動し前記車両後方の車輪の制動力を前記車両
    前方の車輪の制動力に対し所定の関係に調整する駆動手
    段とを備えたことを特徴とする制動力配分制御装置。
JP33006292A 1992-11-04 1992-11-16 制動力配分制御装置 Pending JPH06144179A (ja)

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JP33006292A JPH06144179A (ja) 1992-11-16 1992-11-16 制動力配分制御装置
US08/144,434 US5547264A (en) 1992-11-04 1993-11-02 Braking force distribution control system
DE4337498A DE4337498A1 (de) 1992-11-04 1993-11-03 Regeleinrichtung für die Bremskraftverteilung
US08/614,723 US5624164A (en) 1992-11-04 1996-03-13 Braking force distribution control system

Applications Claiming Priority (1)

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JP33006292A JPH06144179A (ja) 1992-11-16 1992-11-16 制動力配分制御装置

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JP (1) JPH06144179A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6206490B1 (en) 1997-11-26 2001-03-27 Aisin Shiki Kabushiki Kaisha Brake control system for a vehicle

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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