JPH0614405B2 - 磁気デイスク - Google Patents

磁気デイスク

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JPH0614405B2
JPH0614405B2 JP60100468A JP10046885A JPH0614405B2 JP H0614405 B2 JPH0614405 B2 JP H0614405B2 JP 60100468 A JP60100468 A JP 60100468A JP 10046885 A JP10046885 A JP 10046885A JP H0614405 B2 JPH0614405 B2 JP H0614405B2
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【発明の詳細な説明】 以下の順序で本発明を説明する。
A 産業上の利用分野 B 発明の概要 C 従来の技術 D 発明が解決しようとする問題点 E 問題点を解決するための手段 F 作用 G 実施例 G− 実施例1. G− 実施例2. G− 実施例3. G− 実施例4. G− 実施例5. G− 比較例1. G− 比較例2. G− 測定結果 H 発明の効果 A 産業上の利用分野 本発明は、磁気ディスク装置の如き磁気的記憶装置の記
憶媒体として用いられる磁気ディスクに関し、詳細には
耐久性等を向上するための保護膜の改良に関する。
B 発明の概要 本発明は、硬質基板上に金属磁性薄膜を磁性層として形
成してなる磁気ディスクにおいて、金属磁性薄膜上にカ
ーボン保護膜と防錆剤層の2層構造からなる保護膜を設
け、薄膜強度の改善を図るとともに、同時に耐蝕性の改
善も図り、磁気特性の経時変化を抑制しようとするもの
である。
C 従来の技術 例えばコンピュータ等の記憶媒体としては、ランダムア
クセスが可能な円板状の磁気ディスクが広く用いられて
おり、なかでも、応答性に優れること、記憶容量が大き
いこと、保存性が良好で信頼性が高いこと等から、基板
にAl合金板やガラス板,プラスチック板等の硬質材料
を用いた磁気ディスク、いわゆるハードディスクが固定
ディスク、あるいは外部ディスクとして使用されるよう
になっている。
上記ハードディスクは、例えばAl合金基板上に記録再
生に関与する磁性層を形成したものであって、高速で回
転して同心円状の多数のトラックに情報の記録再生を行
うものである。
ところで、上述のハードディスクに対して記録再生を行
う場合には、操作開始時に磁気ヘッドと磁性層面とを接
触状態で装着した後、上記ハードディスクに所定の回転
を与えることによりヘッドと磁性層面との間に微小な空
気層を形成し、この状態で記録再生を行うCSS方式
(コンタクト・スタート・ストップ方式)によるのが一
般的である。
このようなCSS方式では、磁気ヘッドは、操作開始時
や操作終了時には磁性層面と接触摩擦状態にあり、ヘッ
ドと磁気ディスクの間に生じる摩擦力は、これら磁気ヘ
ッドや磁気ディスクを摩耗させる原因となる。あるい
は、磁気ヘッドに塵埃や磁性層の剥離粉の付着がある
と、ヘッドクラッシュ(磁気ヘッドの落下)が発生し易
くなり、またヘッドの跳躍等により記録再生中に突発的
に磁気ヘッドが磁気ディスクに接触する等、磁気ディス
クに大きな衝撃が加わることがあり、これら磁気ディス
クや磁気ヘッドを破損する原因ともなっている。
特に、磁性層Co−Ni等の合金と真空蒸着やスパッタ
リング等の真空薄膜形成技術により薄膜化する方法や、
Co−Ni−P等の合金を無電解メッキ等の湿式法によ
り薄膜化する方法等によって形成される連続薄膜である
場合には、この傾向が顕著である。
さらに、上述の方法で形成される連続薄膜は、耐蝕性に
劣るので、高湿度中で腐食を生じ易いという欠点を有
し、この種の磁気ディスクの実用化の妨げとなってい
る。
D 発明が解決しようとする問題点 このような磁気ディスクと磁気ヘッドの接触摺動から発
生する耐久性の劣化はノイズの発生を招くので好ましい
ものではなく、さらに耐蝕性の不足は錆の発生や磁気特
性の経時変化をもたらす。
そこで従来、上述の磁気ディスクの表面に保護膜を形成
し、この磁気ディスクの耐久性を向上することが検討さ
れているが、耐久性,走行性,耐衝撃性,耐蝕性等の種
々の要求の同時に満足するものは得られていない。
かかる状況から、本発明は、機械的強度に優れ良好な走
行性を付与し得るとともに良好な防錆効果を発揮する保
護膜を提供し、耐久性に優れ磁気特性の経時変化の少な
い磁気ディスクを提供することを目的とする。
E 問題点を解決するための手段 本発明者等は、上述のような目的を達成せんものと鋭意
研究の結果、金属磁性薄膜上にカーボン保護膜を形成
し、さらにその上に防錆剤層を形成することにより磁性
層の耐久性及び耐蝕性を相乗的に高めることができるこ
とを見出し本発明を完成するに至ったものであり、基板
上に金属磁性薄膜を形成し、前記金属磁性薄膜上にカー
ボン保護膜及び防錆剤よりなる層を順次形成したことを
特徴とするものである。
すなわち、本発明の磁気ディスクにおいては、金属磁性
薄膜の保護膜をカーボン保護膜と防錆剤層の2層構造と
し、これらの相乗効果により耐久性や耐蝕性,耐衝撃
性,走行性等を向上する。
上記カーボン保護膜は、潤滑性や耐蝕性等に優れたもの
であり、通常、真空蒸着やスパッタリング等の手法によ
り形成される。例えば、真空蒸着による場合には、圧力
5×10-5Torr以下の真空度,基板温度50〜250℃
の条件であればよく、加熱方法としては電子ビーム加熱
法,抵抗加熱法,誘導加熱法やアーク放電法等の手法が
用いられる。ここで、基板温度が高すぎると、例えば基
板面上に下地膜として形成されるNi−Pメッキ層が結
晶化する等の不具合が生ずる虞れがある。また、スパッ
タリングによる場合には、Ar等の不活性ガスを導入
し、圧力1×10-2〜1×10-3Torrの真空度,基板温
度50〜250℃の条件で、ターゲットとしてカーボン
板(厚さ1〜4mm程度)を用い、RF電力1〜10Kw
あるいはDC電力500w〜10Kwを印加すればよ
い。このカーボン保護膜の膜厚は、100〜800Åの
範囲内であることが好ましい。
一方、上記カーボン保護膜上には、防錆剤を溶剤で希釈
して薄く塗布したり、防錆剤を大気中,不活性ガス中,
真空中等で気化せしめてその蒸気を表面に当てるなどの
手法により、防錆剤層が形成される。
ここで、上記防錆剤としては、一般の金属に使用されて
いる防錆剤が使用でき、例えば、アルキルアミン,アル
キルアミンの脂肪酸塩等の塩基性窒素化合物、アルキル
ホスフェート,アルキルチオホスフェート,アルキルハ
イドロジェン・リン酸エステルおよび亜リン酸エステル
等のリン化合物、石油スルホネート,マホガニー酸スル
ホネート,ジノニルナフタレンスルホネート等のスルホ
ン酸塩、ソルビタンモノオレエート,有機酸のメチルエ
ステル等の特定のエステル類、石油酸・アビエチン酸の
金属石鹸、α−メルカプトステアリン酸等の特定のカル
ボン酸誘導体類、ジシクロヘキシルアンモニウムナイト
ライト,ジイソプロピルアンモニウムナイトライト,シ
クロヘキシルアミンカルバメート等のいわゆる気化性防
錆剤等が挙げられる。
あるいは、二価フェノール類、ジアリルケトン類、アル
キルフェノール類、ナフトール類、キノン類、ニトロソ
化合物、オキシム化合物、等も使用可能である。
上記二価フェノール類としては、ハイドロキノン,レゾ
ルシン,カテコール等の純フェノール類、およびそれら
のアルキルアミノ,ニトロ,ニトロソ,ハロゲノ置換体
が挙げられ、具体的には2−メチルハイドロキノン,4
−メチルレゾルシノール,5−メチルレゾルシノール,
4−メチルピロカテコール,2,5−ジメチルハイドロキ
ノン,4,6−ジメチルレゾルシノール,2,6−ジメチルレ
ゾルシノール,2−イソプロピル−5−メチルハイドロ
キノン,2−tert−ブチルハイドロキノン,2,5−ジ−t
ert−ブチルハイドロキノン,4−tert−ブチルカテコ
ール,2−アミノレゾルシノール,2−ニトロレゾルシ
ノール,2,5−ジクロロヒドロキノン等が挙げられる。
上記ジアリルケトン類としては、ベンゾフエノンおよび
その誘導体が挙げられ、具体的にはベンゾフェノン,4
−メチルベンゾフェノン,3−メチルベンゾフェノン,
3,4−ジメチルベンゾフェノン,4,4′−ジメチルベンゾ
フェノン,3,4′−ジメチルベンゾフェノン,4−エチ
ルベンゾフェノン等のアルキル置換体、4−ヒドロキシ
ベンゾフェノン,4,4′−ジヒドロキシベンゾフェノ
ン,2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン,2,4−ジヒ
ドロキシベンゾフェノン,2,2′,5,6′−テトラヒドロ
キシベンゾフェノン,2,3′,4,4′,6−ペンタヒドロ
キシベンゾフェノン等のヒドロキシベンゾフェノン類、
4−アミノベンゾフェノン,4,4′−ジアミノベンゾフ
ェノン等のアミノベンゾフェノン類、4−メトキシ−2
−ヒドロキシベンゾフェノン,2,2′−ジヒドロキシ−
4,4′−ジメトキシベンゾフェノン,2,6−ジヒドロキシ
−4−メトキシベンゾフェノン等の2種以上の置換基を
有するベンゾフェノン類が挙げられる。
上記アルキルフェノール類としては、一価フェノールの
アルキル置換体であるo−クレゾール,m−クレゾー
ル,p−クレゾール,o−エチルフェノール,m−エチ
ルフェノール,p−エチルフェノール,2,3−ジメチル
フェノール,2,5−ジメチルフェノール,2,6−ジメチル
フェノール,3,4−ジメチルフェノール,3,5−ジメチル
フェノール,2,4,6−トリメチルフェノール,2,4,5−ト
リメチルフェノール,5−イソプロピル−2−メチルフ
ェノーール,2−イソプロピル−5−メチルフェノー
ル,p−tert−ブチルフェノール,2,6−ジ−tert−ブ
チル−p−クレゾール,4,4′−メチレンビス−2,6−ジ
−tert−ブチルフェノール,2,6−ジメチル−4−tert
−ブチルフェノール,2−tert−アミル−4−メチルフ
ェノール,2−メチル−4,6−ジ−tert−ブチルフェノ
ール,2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノール等が挙げ
られる。
上記ナフトール類としては、α−ナフトール,β−ナフ
トール,1,2−ナフタレンジオール,2,3−ナフタレンジ
オール,1,4,5−ナフタレントリオール,1,2,5,8−ナフ
タレンテトラオール等の純ナフトール類およびニトロ,
ニトロソ,アミノ,ハロゲノ置換ナフトール類、例えば
1−クロロ−2−ナフトール,2,4−ジクロロ−1−ナ
フトール,1−ニトロ−2−ナフトール,1,6−ジニト
ロ−2−ナフトール,1−ニトロソ−2−ナフトール,
2−ニトロソ−1−ナフトール,1−アミノ−2−ナフ
トール等が挙げられる。
上記キノン類としては、p−ベンゾキノン,o−ベンゾ
キノン,1,2−ナフトキノン,1,4−ナフトキノン,2,6
−ナフトキノン,アントラキノン,9,10−フェナントレ
ンキノン,ジフェノキノン等の置換基のないキノン類、
メチル−p−ベンゾキノン,2,3−ジメチル−p−ベン
ゾキノン,2−メチル−1,4−ナフトキノン,2−メチ
ルアントラキノン等のメチルキノン類、2,5−ジヒドロ
キシ−p−ベンゾキノン,テトラヒドロキシ−p−ベン
ゾキノン,5−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン,2,3−
ジヒドロキシ−1,4−ナフトキノン,5,8−ジヒドロキシ
−1,4−ナフトキノン,2−ヒドロキシアントラキノ
ン,1,2−ジヒドロキシアントラキノン,1,2,3−トリヒ
ドロキシアントラキノン,1,2,4−トリヒドロキシアン
トラキノン,1,2,5−トリヒドロキシアントラキノン,
1,2,6−トリヒドロキシアントラキノン,1,2,7−トリヒ
ドロキシアントラキノン等のヒドロキシキノン類、2−
アミノアントラキノン,1,2−ジアミノアントラキノン
等のアミノキノン類、1−ニトロアントラキノン,1,5
−ジニトロアントラキノン等のニトロキノン類、2,6−
ジクロロ−p−ベンゾキノン,テトラクロロ−p−ベン
ゾキノン,テトラブロモ−p−ベンゾキノン等のハロゲ
ンキノン類、2,5−ジクロロ−3,6−ジヒドロキシ−p−
ベンゾキノン,1−メチル−2−ヒドロキシ−1,4−ナ
フトキノン等の2種以上の置換基を有するキノン類、等
が挙げられる。
上記ニトロソ化合物としては、ニトロソフェノール系お
よびニトロソナフトール系有機化合物等の水酸基とニト
ロソ基の両方を有する有機化合物が挙げられ、具体的に
は1−ニトロソ−2−ナフトール,2−ニトロソ−1−
ナフトール,1−ニトロソ−2−ナフトール−3,6−ジ
スルホン酸ナトリウム塩(ニトロソR塩),4−ニトロ
ソ−2−メトキシ−1−フェノール,4−ニトロソ−2
−エトキシ−1−フェノール,4−ニトロソカルバクロ
ール,6−ニトロソ−o−クレゾール,4−ニトロソ−
m−クレゾール,o−ニトロソフェノール,2−ニトロ
ソレゾルシン,4−ニトロソレゾルシン,2−ニトロソ
レゾルシンモノメチルエーテル,N−ニトロソフェニル
ヒドロキシルアミンアンモニウム塩(クペロン),p−
ニトロソフェノール,2−ニトロソ−1−ナフトール−
4−スルホン酸,5−ニトロソ−8−キノリノール等が
挙げられる。
上記オキシム化合物としては、ベンジルオキシム,グリ
オキシム,ベンズアルドキシム,ベンズアミドオキシ
ム,α−ベンゾインオキシム,アセトフェノンキシム,
ベンゾフェノンキシム,ジメチルグリオキシム,サリチ
ルアルドキシム,等が挙げられる。
以上のもののほか、エチレンジアミン四酢酸,エチレン
ビス四酢酸,2−ベンゾチアゾールチオール,ベンゾト
リアゾール等も有効である。
本発明が適用される磁気ディスクは、ディスク基板上に
磁性層として強磁性金属の連続膜を設けたものである、
このディスク基板の素材としては、アルミニウム合金,
チタン合金等の軽合金、ポリスチレン,ABS樹脂等の
熱可塑性樹脂、アルミナガラス等のセラミックス、単結
晶シリコン等が使用可能である。
ここで、上記ディスク基板として比較的軟らかい材質の
ものを使用する場合には、表面を硬くする非磁性金属下
地層を形成しておくことが好ましい。上記非磁性金属下
地層の材質としては、Ni−P合金,Cu,Cr,Z
n,ステンレス等が好ましい。これらをメッキ,スパッ
タリング,蒸着等の手法により基板表面に4〜20μm
程度の膜厚で被着する。例えば、Al−Mg合金基板の
表面にNi−Pメッキを施すと、その硬度は400程度
になり、この基板上に形成した磁性層の磁気特性が優れ
たものとなる。
また、上記磁性層は、メッキやスパッタリング,真空蒸
着等の手法により連続膜として形成される。
例えばCo−P,Co−Ni−P等をメッキすることに
より金属磁性薄膜が磁性層として形成される。
あるいは、真空蒸着法やイオンプレーティング法、スパ
ッタリング法等の真空薄膜形成技術によってもよい。
上記真空蒸着法は、10-4〜10-8Torrの真空下で強磁
性金属材料を抵抗加熱,高周波加熱,電子ビーム加熱等
により蒸発させ、ディスク基板上に蒸発金属(強磁性金
属材料)を沈着するというものであり、一般に高い抗磁
力を得るため基板に対して上記強磁性金属材料を斜めに
蒸着する斜方蒸着法が採用される。あるいは、より高い
抗磁力を得るために酸素雰囲気中で上記蒸着を行うもの
も含まれる。
上記イオンプレーティング法も真空蒸着法の一種であ
り、10-4〜10-3Torrの不活性ガス雰囲気中でDCグ
ロー放電,RF グロー放電を起こして、放電中ディス
ク上記強磁性金属材料を蒸発させるというものである。
上記スパッタリング法は、10-3〜10-1Torrのアルゴ
ンガスを主成分とする雰囲囲気中でグロー放電を起こ
し、生じたアルゴンガスイオンでターゲット表面の原子
をたたき出すというものであり、グロー放電の方法によ
り直流2極,3極スパッタ法や、高周波スパッタ法、ま
たはマグネトロン放電を利用したマグネトロンスパッタ
法等がある。このスパッタリング法による場合には、C
rやW,V等の下地膜を形成しておいてもよい。
なお、上記いずれの方法においても、基板上にあらかじ
めBi,Sb,Pb,Sn,Ga,In,Cd,Ge,
Si,Tl等の下地金属層を被着形成しておき、基板面
に対して垂直方向から成膜することにより、抗磁力が高
く、かつ磁気異方性の配向がなく面内等方性に優れた磁
性層を形成することができ、例えば磁気ディスクとする
場合には好適である。
このような真空薄膜形成技術により金属磁性薄膜を形成
する際に、使用される強磁性金属材料としては、Fe,
Co,Ni等の金属の他に、Co−Ni合金,Co−P
t合金,Co−Ni−Pt合金,Fe−Co合金,Fe
−Ni合金,Fe−Co−Ni合金,Fe−Co−B合
金,Co−Ni−Fe−B合金,Co−Cr合金あるい
はこれらにCr,Al等の金属が含有されたもの等が挙
げられる。特に、Co−Cr合金を使用した場合には、
垂直磁化膜が形成される。
このような手法により形成される磁性層の膜厚は、0.0
4〜1μm程度である。
F 作用 このように、磁性層表面にカーボン保護膜と防錆剤層の
2層構造からなる保護膜を形成することにより、これら
2層の保護層が相乗的に作用し、耐摩耗性,耐衝撃性,
耐蝕性,走行性等に優れた効果が発揮される。
G 実施例 G− 実施例1. 先ず、第1図に示すように、非磁性金属下地層として厚
さ15μmのNi−Pメッキ層(2)を形成したAl−M
g合金基板(1)(厚さ約1.5mm,外径95mm,内径25m
m)を用意し、このメッキ層(2)上にBiをスパッタリン
グ法により被着し、膜厚200Åの低融点金属下地膜
(3)を形成した。
次いで、この下地膜(3)上にCoをスパッタリング法に
より被着し、膜厚1000Åの金属磁性薄膜(4)を形成
し、その表面に対して酸素イオンボンバード処理を施し
た。
さらに、スパッタリング法によりこの金属磁性薄膜(4)
上に膜厚100Å程度のカーボン保護膜(5)を形成し
た。
その後、カーボン保護膜(5)上に、防錆剤として2−メ
チルハイドロキノンを有機溶媒に溶解せしめた溶液を塗
布し乾燥し、防錆剤層(6)を形成してサンプルディスク
を作製した。なお、この防錆剤層(6)の厚みは、約10
0Åとした。
G− 実施例2. 防錆剤として2−メチルハイドロキノンの代わりに4−
メチルベンゾフェノンを用い、先の実施例1と同様の方
法によりサンプルディスクを作製した。
G− 実施例3. 防錆剤として2−メチルハイドロキノンの代わりにp−
tert−ブチルフェノールを用い、先の実施例1と同様の
方法によりサンプルディスクを作製した。
G− 実施例4. 防錆剤として2−メチルハイドロキノンの代わりに2,
3−ナフタレンジオールを用い、先の実施例1と同様の
方法によりサンプルディスクを作製した。
G− 実施例5. 防錆剤として2−メチルハイドロキノンの代わりに2−
ヒドロキシアントラキノンを用い、先の実施例1と同様
の方法によりサンプルディスクを作製した。
G− 比較例1. 非磁性金属下地層として厚さ15μmのNi−Pメッキ
層を形成したAl−Mg合金基板(厚さ約1.5mm,外径
95mm,内径25mm)を用意し、このメッキ層上にBi
をスパッタリング法により被着し、膜厚200Åの低融
点金属下地膜を形成した。
次いで、この下地膜上にCoをスパッタリング法により
被着し、膜厚1000Åの金属磁性薄膜を形成し、その
表面に対して酸素イオンボンバード処理を施した。
さらに、スパッタリング法によりこの金属磁性薄膜上に
膜厚100Å程度のカーボン保護膜を形成し、サンプル
ディスクとした。
G− 比較例2. 非磁性金属下地層として厚さ15μmのNi−Pメッキ
層を形成したAl−Mg合金基板(厚さ約1.5mm,外径
95mm,内径25mm)を用意し、このメッキ層上にBi
をスパッタリング法により被着し、膜厚200Åの低融
点金属下地膜を形成した。
次いで、この下地膜上にCoをスパッタリング法により
被着し、膜厚1000Åの金属磁性薄膜を形成した後、
さらにその表面に対して酸素イオンボンバード処理を施
しサンプルディスクとした。
G− 測定結果 上述の各実施例およびび比較例で得られたサンプルディ
スクについて、60℃,90%RHの環境下、96時間
の加速腐食試験をおこなった。この試験の後、単位面積
当りの孔食数を光学顕微鏡で測定した。また、磁気特性
の劣化を残留磁化(Mr)の劣化率から評価した。すな
わち、初期の残留磁化をMr(0),96時間後の残留磁
化をMr(96H)としたときに、劣化率は次式 より求めた。
さらに、一般に知られているコンタクト・スタート・ス
トップ(CSS)試験により、CSS特性を測定した。
結果を次表に示す。
この第1表に示す通り、本発明の各実施例にあっては、
防錆剤層の無い比較例と比べて耐蝕性が大幅に向上した
ことがわかる。また、カーボン保護膜のみを形成した比
較例1と比べると、防錆剤層の相乗効果によりCSS特
性がさらに向上し、耐久性がより一層改善されたことが
わかる。
以上、本発明の具体的な実施例について説明したが、本
発明がこの実施例に限定されるものでないことは言うま
でもない。
H 発明の効果 以上の説明からも明らかなように、本発明においては、
金属磁性薄膜上にカーボン保護膜を形成するとともに、
このカーボン保護膜上に防錆剤層を形成し、カーボン保
護膜と防錆剤層の2層から成る保護膜を形成しているの
で、耐久性,耐蝕性,走行性,耐衝撃性が大幅に改善さ
れ、機械的強度に優れ、錆の発生やノイズが少なく、磁
気特性の経時変化の少ない磁気ディスクが得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を適用した磁気ディスクの一例を示す要
部拡大断面図である。 1……Al合金基板 4……金属磁性薄膜 5……カーボン保護膜 6……防錆剤層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−152518(JP,A) 特開 昭58−189825(JP,A) 特開 昭58−194140(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に金属磁性薄膜を形成し、前記金属
    磁性薄膜上にカーボン保護膜及び防錆剤よりなる層を順
    次形成したことを特徴とする磁気ディスク。
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