JPH06143456A - コマパッキンの製造方法 - Google Patents

コマパッキンの製造方法

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JPH06143456A
JPH06143456A JP10361692A JP10361692A JPH06143456A JP H06143456 A JPH06143456 A JP H06143456A JP 10361692 A JP10361692 A JP 10361692A JP 10361692 A JP10361692 A JP 10361692A JP H06143456 A JPH06143456 A JP H06143456A
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resin
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Taiyoku Takeda
大翼 竹田
Koji Abe
浩二 安部
Masahiko Jin
雅彦 神
Hiroyuki Onuma
洋之 大沼
Shinji Soma
伸次 相馬
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Toto Ltd
Fujikura Composites Inc
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Fujikura Rubber Ltd
Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 流動性のある樹脂が流れ込むための嵌入部2
1を穿設した所定形状のゴム製のシール部を形成する工
程、前記シール部を下型4に形成された凹部41にシー
ル部外壁と凹部内壁にクリアランスを生じるように設置
する工程、前記下型に上型5を被せ、前記シール部の前
記嵌入部21に汎用樹脂が流入し、かつ弁本体形状にな
るように樹脂を成形する工程を含む。 【効果】 耐熱性樹脂ばかりでなく、他の多くの種類の
樹脂を使用でき、かつ接着剤を使用せずともゴム−樹脂
間の接合性が良好なコマパッキンが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の産業上利用分野】本発明はコマパッキンおよび
その製造方法、さらに詳細には水の出水−停止などを制
御するために使用されるコマパッキンおよびその製造方
法に関する。
【0002】
【従来技術および問題点】従来、コマパッキンは、図8
に示すようにあらかじめ成形した弁本体1の頂上部11
に接着剤を塗布すると共に、未加硫ゴムをシール部2形
状に設け、加硫して製造していた。
【0003】このような方法でコマパッキンを製造する
場合、下記のような欠点がある。
【0004】。ゴムの加硫温度は高いため、弁本体1の
材料として耐熱性のある、たとえばポリフェニルサルフ
ァイド、ポリアミドなど所謂エンジニアプラスチックを
使用する必要がある。
【0005】このようなエンジニアプラスチックは、高
価であると共に成形性に劣るばかりでなく、接着剤を使
用しても接着性が悪いという欠点がある。
【0006】「前述のようにゴム−樹脂を接着するため
には接着剤が必要であるが、使用される樹脂が接着性が
悪いため、ゴム−樹脂間の接着性が悪い。
【0007】」接着剤が熱水、塩素などによっておかさ
れ、前記シール部が脱落する恐れがある。
【0008】また図9に示すように、金属製の弁本体1
にシール部2をねじ3によって止めるコアパッキンも周
知である。このようなコマパッキンの場合、ねじ止め工
程が必要であり、部品点数が多く、かつ弁本体1が金属
製のために軽量化が困難であり、かつ腐食しやすいとい
う欠点がある。
【0009】
【発明の目的】本発明は上述の問題点に鑑みなされたも
のであり、耐熱性樹脂ばかりでなく、他の多くの種類の
樹脂を使用でき、かつ接着剤を使用せずともゴム−樹脂
間の接合性が良好なコマパッキンの製造方法を提供する
ことを目的とするものである。
【0010】
【問題点を解決するための手段】上記問題点を解決する
ため、本発明によるコマパッキンの製造方法によれば、
流動性のある樹脂が流れ込むための嵌入部を穿設した所
定形状のゴム製のシール部を形成する工程、前記シール
部を金型の下型に形成された凹部にシール部外壁と凹部
内壁にクリアランスを生じるように設置する工程、前記
下型に上型を被せ、前記シール部の前記嵌入部に汎用樹
脂が流入し、かつ弁本体形状になるように樹脂を成形す
る工程を含むことを特徴とするものである。
【0011】本発明によれば、従来と異なり、ゴム製の
シール部をあらかじめ形成しておき、前記シール部に形
成された嵌入部に樹脂を成形しながら流し込み、コマパ
ッキンを製造するため、樹脂に耐熱性が要求されること
はない。一方、ゴムは、一般に樹脂より耐熱性が高いば
かりでなく、耐熱性樹脂の場合でも成形時に高温にさら
されるのはせいぜい5〜20秒であるため、熱ダメージ
を受ける心配がない。
【0012】さらに、前記シール部とこのシール部を設
置する下型の凹部との間に所定間隔のクリアランスを設
けたため、前記弾性体であるシール部の嵌入部が樹脂性
の弁本体をを締め付けることになり、接着剤を使用しな
くとも、良好な接合強度が得られるという利点を生じ
る。
【0013】
【発明の具体的説明】図1は本発明のコマパッキンの斜
視図、図2は前記コマパッキンの断面図であるが、この
図より明らかなように、弁本体1は汎用樹脂よりなり、
ゴム製のシール部2が設けられる弁頂上部11とこの頂
上部11に設けられた軸部12とよりなっている。そし
て前記頂上部11は図2より明らかなように、嵌入突起
13が形成されており、前記嵌入突起13の先端部には
その前周にわたって鍔部14が形成されている。ゴム製
のシール部2はリング状になって、その中央部に嵌入部
21を有しており、前記嵌入突起13は前記嵌入部21
に嵌入されて、鍔部14に係合した状態になっている。
このため前記シール部2が抜脱するのが干渉される。上
述のようなシール部2の表面(シール面)22のうねり
は、好ましくは30μm以下であるのがよいと考えられ
る。30μmを越えると、コマパッキンのシール性を損
なう恐れがあると考えられる。
【0014】本発明によるコマパッキンを製造するに当
たっては図3に示すように、まず、頂上部11および嵌
入突起13、鍔部14を形成するための空隙41を有す
る下型4にあらかじめ製造されたリング状のゴム製シー
ル部2を設置する。この場合空隙41とシール部2の外
周間に若干のクリアランス(Dm−Do)を設ける。
【0015】このクリアランス(Dm−Do)は好ましく
は0.05〜0.5mmであるのがよい。0.05mm
未満であると、弁本体の嵌入部13を締め付ける効果が
十分発揮されない恐れがあり、一方0.5mmを越える
とばりが多くなり、またシール部2のシール面のうねり
が大きく(30μm以上)なってシール性が劣悪になる
恐れを生じるからである。
【0016】この様な下型4に弁軸12に対応する空隙
51を有する上型5を被せると共に、前記空隙51に汎
用樹脂を流し込む。このように樹脂を流し込むと、樹脂
は空隙41に流れ、前記シール部2の嵌入部21を通っ
て流れ、鍔部、嵌入突起、頂上部を形成し、さらに上型
5の軸部を形成する。
【0017】このとき樹脂は高温になっており、かつ圧
入されるため、前記シール部2の嵌入部21は樹脂が通
過、ないし充填されるに際し、外側方向に押し広げられ
ることになる。このため、前述のように空隙41とシー
ル部2の外周間にはクリアランスを設ける。一方、樹脂
が冷えて、硬化すると、シール部2は嵌入突起13方向
に緊迫力が働くことになるため、いわば嵌入突起13に
シール部2がたわめられた状態になる。このため、接着
剤を使用しなくとも十分の接合強度を確保することがで
きる。
【0018】この圧力は本発明において基本的に限定さ
れない。後述の実施例より明らかなように、樹脂の注入
圧力ないし保圧が高いほどばり15の発生が少なく、ま
たシール面のうねりはこの圧力に関係がないことが明ら
かになったからである。一般に500kgf/cm2
上の圧力があれば支障なく成形が行なえることが明らか
になった。
【0019】このようなコマパッキンを製造するための
ゴム材料としては、水を良好にシールすると共に、使用
される樹脂の軟化点において熱衝撃を受けないものが好
ましい。したがって、使用される樹脂の軟化点によって
ゴム材料は選択されることになるが、樹脂を成形すると
きの時間は5〜20秒と極めて短時間(加硫時間に比較
すると)であるため、ゴムの実用耐熱温度よりも樹脂の
軟化点が高い場合でも熱劣化・破壊を受ける恐れが少な
く、広範なゴム材料を選択可能である。一般に、このよ
うなゴム材料としては、天然ゴム、ニトリル系ゴム、フ
ッ素系ゴム、EPDM、シリコーン系ゴムなどを挙げる
ことができる。
【0020】またシール部2の硬度はJIS A硬度で
70°以上であるのがよい。70°未満であると、金型
中にシール部2を設置し、樹脂を流し込んで成形すると
きに変形する恐れがあるからである。
【0021】このような樹脂は、本発明において限定さ
れるものではない。従来のようにゴムを樹脂の成形後に
加硫する場合には、加硫温度が高く、また時間が長いこ
とと相俟って、樹脂は耐熱性が要求されるが、本発明に
よる製造方法によれば、既にシール部は加硫されている
ため、耐熱性は必要とされない。このため、従来、この
ようなゴム−樹脂複合品(たとえばコマパッキン)に使
用するのが困難であった汎用樹脂、たとえばポリエチレ
ン、ポリプロピレンなども、水に侵されることはないた
め有効に使用できる。また、従来ゴム−樹脂複合品の樹
脂として使用されているエンジニアプラスチック、たと
えばアセタール樹脂、ナイロン樹脂、ポリカーボネート
樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂などにも使用で
きるのは明らかである。
【0022】これらの樹脂としては、無機質、炭素繊
維、無機繊維などの補強材を含むものであってもよい。
【0023】
【実施例】図1、図2に示すような形状のシール部(寸
法 外径15mmφ、内径4mmφ)をEPDMで製造
した。これを図3に示すような金型に設置し、ポリフェ
ニレンサルファイド樹脂(ガラス繊維40%)を流し込
むと共に、樹脂部分を成形した。成形時間は22秒であ
った。前記鍔部の径は7mmφ、頂上部は15mmφ、
軸部は5mmφであった。このとき、保圧を変化させて
それぞれコマパッキンを製造し、シール面のうねり、ば
りの高さhとの関係を測定した。結果を表1、および図
4に示す。
【0024】
【表1】
【0025】次に金型のクリアランス量(Dm−Do)と
かしめ量(L1−L0)との関係を測定した。結果を図5
に示す。
【0026】またクリアランス量(Dm−Do)とばりの
高さhの関係を測定した。結果を図6に示す。
【0027】さらにクリアランス量(Dm−Do)とシー
ル面のうねりの関係を図7に示す。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、従来と異なり、ゴム製
のシール部をあらかじめ形成しておき、前記シール部に
形成された嵌入部に樹脂を成形しながら流し込み、コマ
パッキンを製造するため、樹脂に耐熱性が要求されるこ
とはない。一方、ゴムは一般に樹脂より耐熱性が高いば
かりでなく、樹脂の成形時に高温にさらされるのはせい
ぜい5〜20秒であるため、熱ダメージを受ける心配が
ない。
【0029】さらに、前記シール部とこのシール部を設
置する下型の凹部との間に所定間隔のクリアランスを設
けたため、前記弾性体であるシール部の嵌入部が樹脂性
の弁本体をを締め付けることになり、接着剤を使用しな
くとも、良好な接合強度が得られるという利点を生じ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるコマパッキンの斜視図。
【図2】上記コマパッキンの断面図。
【図3】本発明のコマパッキンの製造方法を示す断面
図。
【図4】保圧とばりの高さの関係を示す図。
【図5】クリアランス量(Dm−Do)とゴムかしめ量の
関係を示す図。
【図6】クリアランス量(Dm−Do)とばりの高さの関
係を示す図。
【図7】クリアランス量(Dm−Do)とシール面のうね
りの関係を示す図。
【図8】従来のコマパッキンの断面図。
【図9】従来の他のコマパッキンの断面図。
【符号の説明】
1 弁本体 11 頂上部 12 軸部 13 嵌入突起 14 鍔部 2 シール部 21 嵌入部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安部 浩二 埼玉県大宮市三橋1−840 藤倉ゴム工業 株式会社大宮工場内 (72)発明者 神 雅彦 埼玉県大宮市三橋1−840 藤倉ゴム工業 株式会社大宮工場内 (72)発明者 大沼 洋之 埼玉県大宮市三橋1−840 藤倉ゴム工業 株式会社大宮工場内 (72)発明者 相馬 伸次 埼玉県大宮市三橋1−840 藤倉ゴム工業 株式会社大宮工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流動性のある樹脂が流れ込むための嵌入
    部を穿設した所定形状のゴム製のシール部を形成する工
    程、前記シール部を下型に形成された凹部にシール部外
    壁と凹部内壁にクリアランスを生じるように設置する工
    程、前記下型に上型を被せ、前記シール部の前記嵌入部
    に汎用樹脂が流入し、かつ弁本体形状になるように樹脂
    を成形する工程を含むことを特徴とするコマパッキンの
    製造方法。
  2. 【請求項2】 前記クリアランスは0.05〜0.5m
    mであることを特徴とする請求項1記載のコマパッキン
    の製造方法。
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