JPH06143172A - 冗長マニピュレータの制御方式 - Google Patents

冗長マニピュレータの制御方式

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JPH06143172A
JPH06143172A JP29320292A JP29320292A JPH06143172A JP H06143172 A JPH06143172 A JP H06143172A JP 29320292 A JP29320292 A JP 29320292A JP 29320292 A JP29320292 A JP 29320292A JP H06143172 A JPH06143172 A JP H06143172A
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JP
Japan
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joint
redundant
freedom
manipulator
control
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Withdrawn
Application number
JP29320292A
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English (en)
Inventor
Masataka Tatewaki
正敬 立脇
Takashi Aoki
孝 青木
Kaku Ejiri
革 江尻
Ichiro Watanabe
一郎 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 7自由度以上の冗長マニピュレータの制御方
式に関し、サンプリング周期を上げて実時間で動作させ
ることができるようにする。 【構成】 7自由度のマニピュレータ10の各関節のう
ち、1個の関節、例えば第3関節を冗長自由度制御用関
節として割り当て、それ以外の6個の関節を手先運動制
御用関節として割り当てる。この6個の手先運動制御用
関節によって、6自由度を持つ手先の運動が決まる。冗
長自由度制御手段3は、手先の位置及び姿勢の目標値y
d と、パラメータ化した第3関節の関節角θ3とを用い
て逆運動学方程式を解き、その計算で得られた各関節角
度等を用いて評価関数のポテンシャル値を求め評価す
る。その評価を満足したとき、パラメータである第3関
節の関節角θ3を決定し、速度指令値θ3* を出力す
る。一方、手先運動制御手段5は、現在の関節角度θ1
〜θ7 と、手先の運動目標値yd * とを用いて逆運動学
方程式を解き、手先運動制御用関節の速度指令値を求め
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は冗長マニピュレータの制
御方式に関し、特に7自由度以上の冗長マニピュレータ
の制御方式に関する。
【0002】産業用に用いられているロボットの多く
は、最大でも6自由度のマニピュレータが主である。こ
れは、手先によって対象物の位置決めをするに際して、
6自由度あれば十分であるからである。一方、人間の腕
は7自由度を有する。人間はこれによって、例えば手先
で対象物を位置決めしながら、同時に肘の位置を制御し
て障害物をかわしたりすることができる。最近では、人
間の腕のように冗長な自由度を有するロボットアームも
産業界に登場しつつある。
【0003】
【従来の技術】従来、冗長でないアームの、例えば手先
速度制御を行おうとした場合、手先の目標速度軌道をy
d * (=∂yd /∂t、以下微分記号として「*」を用
いる。また、「d」は目標値を示す。)とすると、一般
に、
【0004】
【数2】y* =J・θ* ・・・・・(2) ここで、y* :手先速度 θ* :各関節角速度 J :ヤコビアン が成り立つから、
【0005】
【数3】θd * =J-1・yd * ・・・・・(3) によって各関節の速度軌道θd * (=∂θd /∂t)を
求め、アームの関節角速度制御系に逐次指令を与えるこ
とで実現されてきた。
【0006】冗長マニピュレータの場合、(2)式は成
り立つが、Jが正方行列でないため、(3)式は成り立
たず、
【0007】
【数4】 θd * =J+ ・yd * +(I−J+ ・J)・k・・・・・(4) ここで、k :n次の任意ベクトル J+ :Jの疑似逆行列 n :関節数 I :n×nの単位行列 を解く必要がある。冗長自由度を持つため、(3)式の
ようにyd * からθd *は一意には決まらず、kを適当
に選ぶことによって、θd が決定される。
【0008】ここで、評価関数を、
【0009】
【数5】p=V(θ)・・・・・(5) とし、
【0010】
【数6】 k=ξkp ・・・・・(6a) ξ=[ξ1 ,ξ2 ,ξ3 ,・・,ξn ]・・・・(6b) ξ1=V(θ)/θ1 ・・・・(6c) (6a)式より、kを決定すると、(5)式の評価関数
pを考慮しながら、手先の運動(目標速度軌道)yd *
を実現する各関節の速度軌道θd * を(4)式により決
定することができる。
【0011】なお、その場合、評価関数pは、冗長自由
度を利用することにより、特異点を回避できるようにし
たり、関節のリミット範囲を回避できるように設定す
る。整理すると、(4)式は下記の二つの要求(a),
(b)から一つの解(速度軌道θd * )を求める式にな
っている。
【0012】(a)手先の運動に関する要求(yd * ) (b)冗長自由度を利用した特異点回避等の要求(k)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、(4)式を
計算するためには、疑似逆行列J+ を逐次求めなければ
ならないが、これにはJの特異値分解を求める等計算量
が多く、また、特異点回避のための複雑な計算を行う必
要等もあり、実用的にはサンプリング周期をあまり高く
とれないという問題点があった。
【0014】また、手先の運動制御を、特にセンサ値の
フィードバックによって行う場合、その制御系のサンプ
リング周期を上げることが、運動制御性能を向上させる
一つのキーポイントとなるが、冗長マニピュレータの場
合は、上述した理由からサンプリング周期を上げること
ができず、実時間で冗長マニピュレータを動作させるこ
とが困難であった。
【0015】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、サンプリング周期を上げて実時間で冗長マニ
ピュレータを動作させることができる冗長マニピュレー
タの制御方式を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理ブロ
ック図である。本発明の冗長マニピュレータの制御方式
は、図に示すように、冗長マニピュレータの各関節の中
から割り当てた冗長自由度制御用関節の運動指令値を求
める冗長自由度制御手段3と、その冗長自由度制御用関
節以外の冗長マニピュレータの各関節から成る手先運動
制御用関節の運動指令値を求める手先運動制御手段5か
ら構成される。
【0017】
【作用】冗長マニピュレータを制御する際のアルゴリズ
ムを、その手先の運動を制御するアルゴリズムと、冗長
自由度を利用する戦略を制御するアルゴリズムとに分離
し、独立させる。この制御方式を実現するために、冗長
自由度制御手段3と、手先運動制御手段5とを設ける。
また、冗長マニピュレータの各関節を、冗長自由度制御
用と、それ以外の関節から成る手先運動制御用関節とに
割り当てる。例えば、n(n>6)個の関節を持つマニ
ピュレータの場合、(n−6)個の関節を冗長自由度制
御用として割り当て、残りの6個の関節を手先運動制御
用として割り当てる。手先の運動は、6自由度で決定す
ることができるため、6個の関節で制御することができ
る。
【0018】上記の冗長自由度制御手段3は、冗長自由
度制御用関節の運動指令値を求め、手先運動制御手段5
は、手先運動制御用関節の運動指令値を求める。これら
の運動指令値を受けて、冗長マニピュレータは所定の動
作を行う。
【0019】このように、冗長マニピュレータ制御のた
めの計算を冗長自由度制御手段3と、手先運動制御手段
5とに分けて行うため、制御周期を別々に設定すること
ができる。したがって、サンプリング周期を上げて実時
間で冗長マニピュレータを動作させることができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図2にマニピュレータの制御系のハードウェア
のブロック図を示す。制御系はワークステーション20
0、制御装置20及び制御されるマニピュレータ10か
ら構成されている。なお、マニピュレータ10は7自由
度であり、7個の関節を有するが、図2では説明を簡単
にするために、1個の関節を駆動するモータのみを示
し、制御系も1個の関節を制御する要素のみを図示して
いる。
【0021】制御装置20はボード計算機21,22を
中心に構成されている。ボード計算機21,22は32
ビットのRISCを使用している。ボード計算機21,
22には、バス21aを介して、AD変換器23、DI
O(入出力インターフェース)24、DA変換器25、
カウンタ26、AD変換器27が接続されている。
【0022】ワークステーション200とボード計算機
21,22は通信回線201によって結合されており、
ワークステーション200からはボード計算機21,2
2にマニピュレータ10の動作プログラム及び必要なデ
ータが送られる。ボード計算機21,22ではこの動作
プログラムに従ってマニピュレータ10を制御する。
【0023】ボード計算機21はマニピュレータ10の
手先30の位置、速度の制御及び各関節角の位置、速
度、加速度を計算する。また、後述する冗長関節角の制
御等の全体の制御を行う。各関節角の位置、速度、加速
度及び冗長関節角のデータはボード計算機22に送られ
る。ボード計算機22ではこれらのデータを受け取り、
マニピュレータ10の各関節の位置、速度及び加速度を
制御する。
【0024】AD変換器23はマニピュレータ10の各
関節の力検出器からの出力をディジタル値に変換する。
DIO24はマニピュレータ10とボード計算機21,
22との間の入出力信号の授受を行うインタフェースで
ある。DA変換器25はボード計算機22からの各関節
の速度指令等を受け取り、モータドライバ28に送り、
モータドライバ28はこの指令に従ってモータ10Aを
駆動する。
【0025】モータ10Aにはエンコーダ10Bが同軸
に結合されており、モータ10Aの回転位置をフィード
バックする。すなわち、エンコーダ10Bはモータの回
転に応じてパルスを発生する。このパルスはカウンタ2
6でカウントされ、ボード計算機21,22はこのカウ
ンタ26を読み取ることにより、モータ10Aの回転位
置を認識できる。また、このパルスはF/V(周波数/
速度)変換器29によって速度に変換され、AD変換器
27に送られる。そして、AD変換器27によって、デ
ィジタル値に変換される。ボード計算機21,22はこ
のディジタル値を読み取ることにより、モータ10Aの
速度、言い換えれば各関節の速度を認識することができ
る。
【0026】勿論、図2では関節は1個のみで示したの
で、AD変換器23、DIO24、DA変換器25、カ
ウンタ26、AD変換器27等は関節の数に応じた数の
み必要である。ただし、DIO24等は共通に使用する
ように構成することもできる。また、関節を駆動するモ
ータ10Aも実際には7個必要であり、モータドライバ
28、F/V変換器29についても同様である。
【0027】図3はマニピュレータの構成を示す図であ
る。マニピュレータ10は7自由度を有し、アーム11
〜17、関節11a〜17aを有し、アーム17の先端
には、手首30が固定されている。また、各関節の回転
方向はθ1〜θ7で示している。
【0028】ベース10aの上端には回転関節である第
1関節11aの下側が固定されており、第1関節11a
の上側には第1アーム11の下端が固定されている。第
1アーム11の上端には屈曲関節である第2関節12a
の一方が固定されており、第2関節12aの他方には第
2アーム12の下端が固定されている。さらに、第2ア
ーム12の上端には回転関節13aの下側が固定されて
おり、第3関節13aの上側には第3アーム12の下端
が固定されている。第3アームは途中で90°屈曲して
いる。第3アーム13の他端には屈曲関節である第4関
節14aの一方が固定されている。第4関節14aの他
方には第4アーム14が固定されている。第4アーム1
4も途中で90°屈曲している。
【0029】第4アーム14の上端には回転関節である
第5関節15aの下側が固定さている。第5関節15a
の上側には第5アームの下端が固定されている。第5ア
ームの上端には屈曲関節である第6関節16aの一方が
固定されており、第6関節16aの他方には第6アーム
16の下端が固定されている。第6アーム16の上端に
は回転関節である第7関節17aの下側が固定されてお
り、第7関節17aの上側には第7アーム17の下端が
固定されている。第7アーム17の先端には手先30が
固定されている。すなわち、第7関節17aは手先の回
転を制御する。
【0030】ここで、第1関節11a、第2関節12
a、第3関節13aの何れか一つを冗長関節として使用
することができる。次に、図1を用いて、上記ボード計
算機22において実行される本発明の冗長マニピュレー
タの制御方式を説明する。本発明は、マニピュレータ1
0を制御する際のアルゴリズムを、その手先30の運動
を制御するアルゴリズムと、冗長自由度を利用する戦略
を制御するアルゴリズムとに分離し、独立させるように
したものである。この制御方式を実現するため、図に示
すように、冗長自由度制御手段3と、手先運動制御手段
5とが設けられる。
【0031】マニピュレータ10の各関節11a〜17
aのうち、1個の関節を冗長自由度制御用関節として割
り当てる。ここでは、第3関節13aを冗長自由度制御
用関節とする。それ以外の6個の関節11a、12a、
14a、15a、16a、17aを手先運動制御用関節
として割り当てる。この6個の手先運動制御用関節11
a、12a、14a、15a、16a、17aによっ
て、6自由度を持つ手先の運動が決まる。
【0032】上記の冗長自由度制御手段3は、角度検出
手段1(図2のエンコーダ10B)から送られてくる現
在の関節角θ1〜θ7を用いて、現在の手先30の位置
姿勢を求め、その手先30の位置姿勢とパラメータ化し
た第3関節13aの関節角θ3とを用いて逆運動学方程
式を解き、その計算で得られた各関節角を用いて特異点
回避のための評価関数や他の評価関数のポテンシャル値
を求め評価する。その評価を満足したとき、パラメータ
である第3関節13aの関節角度θ3を決定し、速度指
令値θ3* を出力する。なお、特異点回避のための評価
関数を設定した場合については、詳細を後述する。
【0033】一方、手先運動制御手段5は、角度検出手
段1から送られてくる現在の関節角度θ1〜θ7と、運
動目標値指令手段4からの手先の運動目標値(目標速度
軌道)yd * とを用いて逆運動学方程式を解き、手先運
動制御用関節11a、12a、14a、15a、16
a、17aの速度指令値θ1* 、θ2* 、θ4* 、θ5
* 、θ6* 、θ7* を求める。これらの速度指令値θ1
* 〜θ7* は、各関節制御手段6に送られ、マニピュレ
ータ10の動作を制御する。マニピュレータ10の動作
後の各関節角は、角度検出手段1で検出され、上述した
ように、冗長自由度制御手段3に与えられる。
【0034】このように、本実施例では、マニピュレー
タ制御のための計算を冗長自由度制御手段3と、手先運
動制御手段5とに分けて行う。このため、制御周期を別
々に設定することができる。したがって、サンプリング
周期を上げて実時間で冗長マニピュレータを動作させる
ことができる。
【0035】図4は本発明の第2の実施例を示す図であ
る。この実施例では、手先運動制御手段5Aは正方化し
たヤコビアンを用いて手先の速度指令値を求める。以下
にその演算式について説明する。
【0036】7自由度のマニピュレータ10の場合、前
述した(2)式(y* =J・θ* )を詳しく書くと、次
式(7)となる。
【0037】
【数7】
【0038】ここで、第3関節13aの関節角θ3は、
冗長自由度制御手段3で制御することを前提にし、その
関節角θ3を既知(パラメータ)として関係する項を外
に出すと、次式(8)となる。
【0039】
【数8】
【0040】(8)式を改めて簡略化した記法で書く
と、
【0041】
【数9】 y* =J66・Θ6 * +K3 ・θ3 * ・・・・・(9) ここで、Θ6 * :θ3* を除いたθベクトル J66 :6×6に正方化したヤコビアン K3 :θ3* に対するヤコビアン したがって、
【0042】
【数10】
【0043】により、θ3以外の関節の運動目標値Θ6d
* が求まる。手先運動制御手段5Aは、演算手段8で求
めたJ66の逆行列J66-1とK3 、運動目標値指令手段4
からの手先の運動目標値yd * 、及び変換手段7で得ら
れた速度指令値θ3 * を基にして、上記(10)式を解
くことで、手先運動制御用関節11a、12a、14
a、15a、16a、17aの速度指令値θ1* 、θ2
* 、θ4* 、θ5* 、θ6* 、θ7* を求める。すなわ
ち、本実施例では、疑似逆行列を求めることなく、正方
化したヤコビアンを用いて手先の速度指令値θ1 * 、θ
* 、θ4* 、θ5* 、θ6* 、θ7* を求めることが
できる。したがって、その分、演算時間を短縮してサン
プリング周期を上げることができる。
【0044】図5は本発明の第3の実施例を示す図であ
る。この実施例では、インピーダンス制御等をする場合
の加速度制御に関し、手先の加速度指令値を、上記の第
2の実施例と同様に、正方化したヤコビアンを用いて求
める。以下にその演算式について説明する。
【0045】上記(9)式でJ66及びK3 の各要素が、
そのときの関節角の関数であることを考慮して、(9)
式の両辺を時間微分すると、
【0046】
【数11】 X**=J66・Θ6 **+J66* ・Θ6 * +K3 ・θ3**+K3 * ・θ3* ・・・・・(11) となり、Θ6 **について解くと、
【0047】
【数12】 Θ6 **=J66-1・(X**−J66* ・Θ6 * −K3 ・θ3**−K3 * ・θ3* ) ・・・・・(12) したがって、手先運動加速度制御手段9は、演算手段8
Bで求めたJ66の逆行列J66-1、J66* 、K3 及びK3
* 、加速度目標値指令手段40からの手先の加速度目標
値yd **、並びに変換手段7Bで得られた速度指令値θ
* 及び加速度指令値θ3**を基にして、上記(12)
式を解くことで、手先運動制御用関節11a、12a、
14a、15a、16a、17aの加速度指令値θ
**、θ2**、θ4**、θ5**、θ6**、θ7**を求め
る。すなわち、本実施例では、上記第2の実施例の場合
と同様に、疑似逆行列を求めることなく、正方化したヤ
コビアンを用いて手先の加速度指令値θ1**、θ2**
θ4**、θ5**、θ6**、θ7 **を求めることができ
る。したがって、その分、演算時間を短縮することがで
き、インピーダンス制御で加速度を制御する場合にも、
サンプリング周期を上げることができる。
【0048】次に、上述した冗長自由度制御手段3にお
いて、特異点回避のための評価関数を設定した場合につ
いて説明する。図6は冗長関節をパラメータ化して特異
点を回避する処理手順のフローチャートである。図にお
いて、Sに続く数値はステップ番号を示す。 〔S1〕現在の関節角θ1〜θ7を読む。 〔S2〕現在の関節角θ1〜θ7から、現在の手先の位
置姿勢を計算する。 〔S3〕第3関節をパラメータ化する。すなわち、第3
関節を特異点を回避するための関節として、その他の関
節の制御で手先の位置姿勢を制御する。 〔S4〕第3関節を固定し、第3関節を除く他の6個の
関節によって、逆運動方程式を解き、6個の関節の関節
角を計算する。 〔S5〕計算された各関節の関節角及びパラメータ化し
た第3関節の関節角から、評価関数を求める後述の(1
3)式によって、ポテンシャル値Pを求める。 〔S6〕ポテンシャル値Pがしきい値Pk以下かどうか
判断し、そうであれば、S8へ、しきい値以下でなけれ
ばS7へ進む。 〔S7〕ポテンシャル値Pがしきい値Pk以下ではない
ので、S4で求められた各関節の関節角の回転位置では
特異点かあるいはその近傍に入ってしまう可能性があ
る。したがって、計算された各関節の関節角の回転位置
からポテンシャル関数の勾配を求めて、第3関節の関節
角を修正する。その詳細は後述する。 〔S8〕ポテンシャル値Pがしきい値Pk以下であり、
特異点あるいはその近傍内ではないので、S4で計算し
た各関節の関節角、及びパラメータで固定した第3関節
の関節角を移動すべき角度として決定する。 〔S9〕アームを動作させる。すなわち、S8で決定し
た第3関節の関節角と、現在の第3関節の関節角との差
から第3関節の速度指令値θ3* を求め、その速度指令
値θ3を出力してアームを動作させる。
【0049】次にS7で説明した第3関節の関節角の修
正の詳細について説明する。第3関節の関節角に関して
は、以下のような逐次近似解法による局所最適化によっ
て実行する。
【0050】まず、ポテンシャル関数P=f(x)を
(13)式とする。
【0051】
【数13】
【0052】なお、図3に示す7自由度のマニピュレー
タの特異点を解析的に求めると以下の通りである。 (a)θ2=0°でθ3=90°、θ2=0°でθ3=
−90° (b)θ4≒13.4°、またはθ4≒166.6° (c)θ6=0°、またはθ6=180° である。これらは、マニピュレータの関節の構造、各ア
ームの長さで異なるが、その詳細は本発明とは直接関係
ないので省略する。
【0053】したがって、特異点を有する関節は、第2
関節、第3関節、第4関節、第6関節であるので、(1
3)式のiは2,3,4,6について求めて、この和を
求める。
【0054】ここで、冗長関節である第3関節の関節角
をxとし、 x0 :第3関節角の初期値 xk+1 =xk +αk ・dk (k=0,1,2,・・・) d :探索方向 α :ステップ幅 とする。
【0055】まず、ステップ幅を決定する。(13)式
の評価関数f(x)からステップ幅を決めるφを、
【0056】
【数14】 φ(α)=f(xk +αk k ) ───(14) とし、これをセカント法と呼ばれる以下の(15)式で
示される反復公式により求める。
【0057】
【数15】
【0058】次に、探索方向を決定する。探索方向は準
ニュートン法により決定する。準ニュートン法では、以
下の(16)式を逐次計算することにより探索方向ベク
トルdを決定する。
【0059】
【数16】 dk =−(Hk -1∇f(xk ) ───(16) ただし、Hはヘシアン(Hessian)すなわちヘッ
セ行列、∇はラプラシアンである。ここで、行列の系列
{Hk }は以下の(17)式によって求められる。
【0060】
【数17】
【0061】このように、冗長自由度制御手段3におい
て、先ず冗長関節を決定し、この関節角をパラメータと
して扱う。これにより、マニピュレータは6自由度にな
り、手先の位置と姿勢の目標値を与えれば、逆運動方程
式から冗長関節以外の関節角は求められる。この冗長関
節の関節角及び他の関節角から特異点を評価する評価関
数のポテンシャル値Pを計算する。例えば、この評価関
数は特異点近傍で急激に増加する評価関数とする。そし
て、この評価関数のポテンシャル値Pが一定値Pk以下
のときは、先に求めた冗長関節及び他の関節の関節角を
移動目標値として、関節を制御する。一方、計算したポ
テンシャル値Pが一定値Pk以下でないときは、冗長関
節の関節角を修正して、一定値Pk以下になるように、
冗長関節の関節角を修正する。これによって、ポテンシ
ャル値Pが常に一定値Pk以下になるようにして、特異
点を回避するように制御する。
【0062】上記の特異点評価の手法において、評価関
数f(x)を導入し、また、その局所最適化に準ニュー
トン法を用いた。このため、収束性を速めることがで
き、その分、冗長自由度制御手段3でのサンプリング周
期を上げることができる。したがって、マニピュレータ
を実時間で、高速に動かすことができる。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、冗長自
由度制御手段と、手先運動制御手段とを設けて、冗長マ
ニピュレータを制御する際のアルゴリズムを、その手先
の運動を制御するアルゴリズムと、冗長自由度を利用す
る戦略を制御するアルゴリズムとに分離し、独立させ
た。
【0064】したがって、制御周期を別々に設定するこ
とができ、サンプリング周期を上げて実時間で冗長マニ
ピュレータを動作させることができる。また、冗長自由
度制御手段での特異点評価の手法において、評価関数f
(x)を導入し、また、その局所最適化に準ニュートン
法を用いた。
【0065】このため、収束性を速めることができ、そ
の分、サンプリング周期を上げることができる。したが
って、冗長マニピュレータを実時間で、高速に動かすこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理ブロック図である。
【図2】マニピュレータの制御系のハードウェアのブロ
ック図である。
【図3】マニピュレータの構成を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施例を示す図である。
【図5】本発明の第3の実施例を示す図である。
【図6】冗長関節をパラメータ化して特異点を回避する
処理手順のフローチャートである。
【符号の説明】
1 角度検出手段 3 冗長自由度制御手段 4 運動目標値指令手段 5,5A 手先運動制御手段 6,6A,6B 各関節制御手段 7,7B 変換手段 8,8B 演算手段 9 手先運動加速度制御手段 10 マニピュレータ 11a〜17a 第1〜第7関節 13a 冗長関節 22 ボード計算機 30 手先 40 加速度目標値指令手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 一郎 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 7自由度以上の自由度を有する冗長マニ
    ピュレータの制御方式において、 前記冗長マニピュレータの各関節の中から割り当てた冗
    長自由度制御用関節の運動指令値を求める冗長自由度制
    御手段(3)と、 前記冗長自由度制御用関節以外の前記冗長マニピュレー
    タの各関節から成る手先運動制御用関節の運動指令値を
    求める手先運動制御手段(5)と、 を有することを特徴とする冗長マニピュレータの制御方
    式。
  2. 【請求項2】 前記手先運動制御手段(5)は、疑似逆
    行列を用いずに前記運動指令値を求めることを特徴とす
    る請求項1記載の冗長マニピュレータの制御方式。
  3. 【請求項3】 前記手先制御用関節の加速度指令値を求
    める手先運動加速度制御手段を設け、前記手先運動加速
    度制御手段は、疑似逆行列を用いずに前記加速度指令値
    を求めることを特徴とする請求項1記載の冗長マニピュ
    レータの制御方式。
  4. 【請求項4】 7自由度以上の自由度を有する冗長マニ
    ピュレータの制御方式において、 少なくとも1つの冗長関節の関節角をパラメータ化して
    冗長マニピュレータを6自由度に縮退させ、 手先の位置及び姿勢の目標値を与えて逆運動学方程式か
    ら前記冗長関節以外の関節の関節角を決定し、 前記パラメータ化した冗長関節の関節角及び前記冗長関
    節以外の関節の関節角を用いて特異点を回避する評価関
    数のポテンシャル値を計算し、前記ポテンシャル値が所
    定の値以下になるように前記パラメータを修正し、 前記冗長マニピュレータが特異点を回避するように制御
    することを特徴とする冗長マニピュレータの制御方式。
  5. 【請求項5】 前記ポテンシャル値の計算及び前記パラ
    メータの修正は、前記冗長マニピュレータの動作時に実
    時間で行うことを特徴とする請求項4記載の冗長マニピ
    ュレータの制御方式。
  6. 【請求項6】 前記評価関数は次の式、 【数1】 であることを特徴とする請求項4記載の冗長マニピュレ
    ータの制御方式。
  7. 【請求項7】 前記冗長関節角の探索方向とステップ幅
    を逐次近似解法によって決定し、前記探索方向はセカン
    ト法により求め、前記探索方向は準ニュートン法により
    決定することを特徴とする請求項4記載の冗長マニピュ
    レータの制御方式。
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