JPH06142753A - 線材の製造方法 - Google Patents
線材の製造方法Info
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- JPH06142753A JPH06142753A JP31567192A JP31567192A JPH06142753A JP H06142753 A JPH06142753 A JP H06142753A JP 31567192 A JP31567192 A JP 31567192A JP 31567192 A JP31567192 A JP 31567192A JP H06142753 A JPH06142753 A JP H06142753A
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- wire rod
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- Metal Extraction Processes (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 伸線機を停止させることなく、非接触で線材
の潤滑状態を監視する。 【構成】 孔ダイスを用いた連続伸線において、ダイス
2を出た直後の線速の速度むらをレーザワウフラッター
ドップラーメーター4で測定し、この速度むらを監視す
ることで伸線の潤滑異常状態を検出する。インラインで
線材の潤滑状態が監視でき、歩留りを向上させることが
できる。
の潤滑状態を監視する。 【構成】 孔ダイスを用いた連続伸線において、ダイス
2を出た直後の線速の速度むらをレーザワウフラッター
ドップラーメーター4で測定し、この速度むらを監視す
ることで伸線の潤滑異常状態を検出する。インラインで
線材の潤滑状態が監視でき、歩留りを向上させることが
できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、線材の引き抜き加工に
おいて、潤滑異常が検出できる線材の製造方法に関する
ものである。
おいて、潤滑異常が検出できる線材の製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】伸線機は、1つ又は複数のダイスを用い
て線材を大きな径から小さな径のダイスへと順次通過さ
せ、径を減少させる機械である。線材の引き抜きに際し
ては、粉末状或は油状の潤滑剤を用い、引き抜き力を減
少させると共に、線材とダイスとが金属接触を起こし、
線材に疵が入らないようにしている。しかし、実際には
ダイスの摩耗、温度、湿度の変動、潤滑剤の欠落などに
より、不定期に潤滑不良が発生する。潤滑不良の発生
は、引き抜き後、製品の表面光沢のばらつき、疵、線径
不良などを引き起こす原因となる。
て線材を大きな径から小さな径のダイスへと順次通過さ
せ、径を減少させる機械である。線材の引き抜きに際し
ては、粉末状或は油状の潤滑剤を用い、引き抜き力を減
少させると共に、線材とダイスとが金属接触を起こし、
線材に疵が入らないようにしている。しかし、実際には
ダイスの摩耗、温度、湿度の変動、潤滑剤の欠落などに
より、不定期に潤滑不良が発生する。潤滑不良の発生
は、引き抜き後、製品の表面光沢のばらつき、疵、線径
不良などを引き起こす原因となる。
【0003】通常、伸線は数十m/分以上の速度で行っ
ているため、伸線中に潤滑異常が発生しているかどうか
を肉眼で確認することはできない。従って、上記のよう
な伸線機においては、個々のダイスの寿命を概略推定
し、一定の伸線量又は伸線時間経過後、機械を停止して
ダイスの交換を行うことが一般に行われる。しかし、安
全性などを考慮するため、ダイスの寿命に余裕をみて概
略推定する傾向があり、ダイス交換に伴う伸線機停止に
より、生産性低下を招く結果となっていた。
ているため、伸線中に潤滑異常が発生しているかどうか
を肉眼で確認することはできない。従って、上記のよう
な伸線機においては、個々のダイスの寿命を概略推定
し、一定の伸線量又は伸線時間経過後、機械を停止して
ダイスの交換を行うことが一般に行われる。しかし、安
全性などを考慮するため、ダイスの寿命に余裕をみて概
略推定する傾向があり、ダイス交換に伴う伸線機停止に
より、生産性低下を招く結果となっていた。
【0004】一方、特にばね用線材に要求される重要特
性として、その表面に肉眼で観察できないような微細な
疵がないことと、一定の線癖を有することが挙げられ
る。微細な疵の存在は、使用時の繰り返し応力により、
亀裂へと進行し、ばね寿命を短くするからである。この
ため、従来は伸線後、全長にわたって、探傷器で疵の有
無を確認してから出荷するという手段をとっていたが、
潤滑異常に伴う微細な疵、さらには探傷器でも発見でき
ないような極微細な疵が発生する前に潤滑異常状態を検
出することが望まれていた。
性として、その表面に肉眼で観察できないような微細な
疵がないことと、一定の線癖を有することが挙げられ
る。微細な疵の存在は、使用時の繰り返し応力により、
亀裂へと進行し、ばね寿命を短くするからである。この
ため、従来は伸線後、全長にわたって、探傷器で疵の有
無を確認してから出荷するという手段をとっていたが、
潤滑異常に伴う微細な疵、さらには探傷器でも発見でき
ないような極微細な疵が発生する前に潤滑異常状態を検
出することが望まれていた。
【0005】又、線癖というのは、一定長の線材を抜き
取り、その一端を水平に保持してつり下げたとき、図4
に示すように落下長lと径dとの均一性をいい、線癖が
一定であるとは、長尺線材のどの部分をとっても、この
lとdが一定であることをいう。線癖が一定の線材をば
ね加工したとき、均質性の高いばねを得ることができる
が、線癖が一定でない場合、ばね加工後のばね特性にば
らつきが大きく、均質なばねを得ることができない。従
って、潤滑異常の検出も、線癖に影響を及ぼさない方法
であることが要求される。
取り、その一端を水平に保持してつり下げたとき、図4
に示すように落下長lと径dとの均一性をいい、線癖が
一定であるとは、長尺線材のどの部分をとっても、この
lとdが一定であることをいう。線癖が一定の線材をば
ね加工したとき、均質性の高いばねを得ることができる
が、線癖が一定でない場合、ばね加工後のばね特性にば
らつきが大きく、均質なばねを得ることができない。従
って、潤滑異常の検出も、線癖に影響を及ぼさない方法
であることが要求される。
【0006】このような、技術的背景のもと、従来の伸
線における潤滑異常を監視する技術としては、 伸線作業を一時中断し、線表面の観察(平坦率、焼き
付きの有無)によりその潤滑状態を確認する方法。 線材の引き抜きにともなってダイスに加わる荷重を監
視することによりその潤滑状態を確認する方法。 がある。
線における潤滑異常を監視する技術としては、 伸線作業を一時中断し、線表面の観察(平坦率、焼き
付きの有無)によりその潤滑状態を確認する方法。 線材の引き抜きにともなってダイスに加わる荷重を監
視することによりその潤滑状態を確認する方法。 がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記2つの方法のう
ち、の方法は、伸線機を停止させる時期が特定できな
いことから、潤滑良好時にも伸線機を停止させることが
多くなり、生産性を著しく阻害する。又、伸線を一時停
止させることによってダイスマークと呼ばれる欠陥が生
じ、この欠陥部分で折損などが生じ易いため、ばね用線
材の伸線等には適用できない。
ち、の方法は、伸線機を停止させる時期が特定できな
いことから、潤滑良好時にも伸線機を停止させることが
多くなり、生産性を著しく阻害する。又、伸線を一時停
止させることによってダイスマークと呼ばれる欠陥が生
じ、この欠陥部分で折損などが生じ易いため、ばね用線
材の伸線等には適用できない。
【0008】一方、の方法については、荷重検出素子
を用いる必要上、ダイスが伸線中に微妙に変位する。前
述のような、伸線後に一定の線癖をつける手段として、
線材の進行方向とダイスの軸方向とに僅かな角度を設け
て伸線することが行われているが、ダイスが変位すれ
ば、この角度も変化し、伸線後の線癖も変動する。この
ため、極めて正確で一様な線癖を要求されるばね用線材
等には適用できないという問題があった。
を用いる必要上、ダイスが伸線中に微妙に変位する。前
述のような、伸線後に一定の線癖をつける手段として、
線材の進行方向とダイスの軸方向とに僅かな角度を設け
て伸線することが行われているが、ダイスが変位すれ
ば、この角度も変化し、伸線後の線癖も変動する。この
ため、極めて正確で一様な線癖を要求されるばね用線材
等には適用できないという問題があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記欠点を解
消するためになされたもので、その特徴は、連続伸線
中、ダイスによる引き抜き直後の線速又はその速度むら
を測定、監視することで潤滑に異常が生じたことを検出
することにある。引き抜き直後の線速及びその速度むら
を正確に測定するには、例えば、非接触による測定が可
能な、レーザ光線のドップラー効果を利用したワウフラ
ッターメーターを使用すればよい。又、本発明方法は、
ばね用線材や線径50μm以下の極細線の伸線加工にお
ける潤滑異常状態の検出に最適である。
消するためになされたもので、その特徴は、連続伸線
中、ダイスによる引き抜き直後の線速又はその速度むら
を測定、監視することで潤滑に異常が生じたことを検出
することにある。引き抜き直後の線速及びその速度むら
を正確に測定するには、例えば、非接触による測定が可
能な、レーザ光線のドップラー効果を利用したワウフラ
ッターメーターを使用すればよい。又、本発明方法は、
ばね用線材や線径50μm以下の極細線の伸線加工にお
ける潤滑異常状態の検出に最適である。
【0010】一具体例を図1に基づいて説明する。同図
は、本発明方法に用いる装置の概略を示すもので、1は
伸線機のダイスケース要部を表し、そこに伸線用ダイス
2が装着されている。3は引き抜き直後の線速及びその
速度むらを測定するためのレーザドップラーワウフラッ
ターメーターのセンサ部で、走行する線材aに焦点が合
う位置に設置されている。レーザドップラーワウフラッ
ターメーターは、進行する線材aにレーザ光を照射し、
その散乱光がドップラー効果によって周波数変化を受け
ることを利用して線速を測定し、速度むらを演算、検出
するものである。本例での速度むらは、 (平均速度−瞬時速度)/平均速度 (%) で示した。センサからの信号は、レーザドップラーワウ
フラッターメーター本体4に入力され、ワウフラッター
レベルが計算される。ここからの出力は、自動記録装置
5及び伸線機を自動的に停止させる装置6に接続され、
必要に応じて伸線機を停止させることができる。
は、本発明方法に用いる装置の概略を示すもので、1は
伸線機のダイスケース要部を表し、そこに伸線用ダイス
2が装着されている。3は引き抜き直後の線速及びその
速度むらを測定するためのレーザドップラーワウフラッ
ターメーターのセンサ部で、走行する線材aに焦点が合
う位置に設置されている。レーザドップラーワウフラッ
ターメーターは、進行する線材aにレーザ光を照射し、
その散乱光がドップラー効果によって周波数変化を受け
ることを利用して線速を測定し、速度むらを演算、検出
するものである。本例での速度むらは、 (平均速度−瞬時速度)/平均速度 (%) で示した。センサからの信号は、レーザドップラーワウ
フラッターメーター本体4に入力され、ワウフラッター
レベルが計算される。ここからの出力は、自動記録装置
5及び伸線機を自動的に停止させる装置6に接続され、
必要に応じて伸線機を停止させることができる。
【0011】
【作用】伸線時、引き抜き速度が一定となるよう、巻き
取り装置で線材を引張るので、通常は一定の線速であ
る。しかし、潤滑剤の不足、ダイスの破損等により、引
き抜きの潤滑状態が悪化すれば、線材とダイスとの間の
摩擦係数が増加する。摩擦係数が増加すると、引き抜き
力が増加すると同時にその変動幅が大きくなる。従っ
て、引き抜き力の増加に伴い線速に変化が見られるもの
と考えられ、これを測定、監視することで潤滑状態を検
知できるのである。
取り装置で線材を引張るので、通常は一定の線速であ
る。しかし、潤滑剤の不足、ダイスの破損等により、引
き抜きの潤滑状態が悪化すれば、線材とダイスとの間の
摩擦係数が増加する。摩擦係数が増加すると、引き抜き
力が増加すると同時にその変動幅が大きくなる。従っ
て、引き抜き力の増加に伴い線速に変化が見られるもの
と考えられ、これを測定、監視することで潤滑状態を検
知できるのである。
【0012】又、通常、引き抜き材は、弾性体であるの
で、引き抜き力が変動すれば線材の進行方向に弾性波が
生じる。この弾性波の振幅は、引き抜き力変動の増加に
伴って大きくなる。つまり、潤滑状態が悪化すれば、線
材の進行方向に生じる弾性波の振幅が大きくなるものと
考えられ、伸線直後の線速を精密に測定すれば、この弾
性波は見掛け上、伸線速度のむらとなって検出できるの
である。
で、引き抜き力が変動すれば線材の進行方向に弾性波が
生じる。この弾性波の振幅は、引き抜き力変動の増加に
伴って大きくなる。つまり、潤滑状態が悪化すれば、線
材の進行方向に生じる弾性波の振幅が大きくなるものと
考えられ、伸線直後の線速を精密に測定すれば、この弾
性波は見掛け上、伸線速度のむらとなって検出できるの
である。
【0013】従来、インラインで線速を測定する方法に
ついては種々のものがあり、例えば、キャプスタンによ
る巻き取り速度で平均速度を測定することが行われてき
た。しかし、線速と伸線における潤滑状態との関連につ
いて検討が行われたことはなく、本発明者等は、線速又
はその速度むらと潤滑状態との間に相関関係があること
を見いだし、本発明に至ったものである。
ついては種々のものがあり、例えば、キャプスタンによ
る巻き取り速度で平均速度を測定することが行われてき
た。しかし、線速と伸線における潤滑状態との関連につ
いて検討が行われたことはなく、本発明者等は、線速又
はその速度むらと潤滑状態との間に相関関係があること
を見いだし、本発明に至ったものである。
【0014】市販の装置のうち、単に線速を測定する装
置と、線速から速度むらを演算、表示できる装置がある
が、前者で測定した場合、線材表面に疵を生じる程度の
潤滑異常状態を検出することができる。しかし、後者、
特に、前記のレーザドップラーワウフラッターメーター
を用いて線速及び速度むらの検出を行えば、極めて正確
な検出が可能で、ばね線材などで最も微妙な問題とされ
ている線癖の良否に関連する潤滑状態でも検知すること
ができる。さらには、通常の探傷器でも検出できないよ
うな極微細な疵が発生する以前に潤滑異常状態を検出す
ることができる。これら両者の違いは、おそらく線速の
測定単位時間や平均値のとりかた等が関連しているもの
と思われる。
置と、線速から速度むらを演算、表示できる装置がある
が、前者で測定した場合、線材表面に疵を生じる程度の
潤滑異常状態を検出することができる。しかし、後者、
特に、前記のレーザドップラーワウフラッターメーター
を用いて線速及び速度むらの検出を行えば、極めて正確
な検出が可能で、ばね線材などで最も微妙な問題とされ
ている線癖の良否に関連する潤滑状態でも検知すること
ができる。さらには、通常の探傷器でも検出できないよ
うな極微細な疵が発生する以前に潤滑異常状態を検出す
ることができる。これら両者の違いは、おそらく線速の
測定単位時間や平均値のとりかた等が関連しているもの
と思われる。
【0015】又、レーザドップラーワウフラッターメー
ターのように、非接触で線速及び速度むらの検出を行え
ば、ダイスを確実に固定でき、従来、荷重検出素子を用
いた場合、ダイスの変位によって生じた線癖変動の問題
を解消することができる。
ターのように、非接触で線速及び速度むらの検出を行え
ば、ダイスを確実に固定でき、従来、荷重検出素子を用
いた場合、ダイスの変位によって生じた線癖変動の問題
を解消することができる。
【0016】従って、通常の鋼線のほか、極めて均一な
線癖が要求されるばね用線材や、極細線(例えば線径5
0μm以下の銅線)、異形線等の伸線加工における潤滑
異常検出に極めて有効である。さらに、インコネル、ス
テンレス線等の難加工性材料の伸線にも適している。こ
れは、難加工性材料の場合、潤滑剤の付き回り、ダイス
表面の僅かな欠陥が加工状態を著しく悪化させ、線材表
面の疵発生などに直結するからである。
線癖が要求されるばね用線材や、極細線(例えば線径5
0μm以下の銅線)、異形線等の伸線加工における潤滑
異常検出に極めて有効である。さらに、インコネル、ス
テンレス線等の難加工性材料の伸線にも適している。こ
れは、難加工性材料の場合、潤滑剤の付き回り、ダイス
表面の僅かな欠陥が加工状態を著しく悪化させ、線材表
面の疵発生などに直結するからである。
【0017】又、潤滑状態の監視がインラインでできる
ため、潤滑状態の悪化を検出次第、直ちに復旧作業を行
うことができ、製品の歩留り向上を図ることができる。
ため、潤滑状態の悪化を検出次第、直ちに復旧作業を行
うことができ、製品の歩留り向上を図ることができる。
【0018】
(実施例1)以下、本発明の実施例を説明する。図1に
示した装置を用いて実際に伸線を行い、潤滑状態の検出
を行った。11枚のダイスを用いて、ばね用ステンレス
鋼(SUS304H) を4mmから1.0mmに伸線する際、最
終ダイスの直後にレーザドップラーワウフラッターメー
ター(三菱電機製LV-203) を設置し、伸線速度のワウフ
ラッターレベルがどのように変化するかを測定した。潤
滑状態の悪い状態を模擬するため、実験では潤滑剤を排
除し、故意に潤滑不良状態を作成した。その結果を図2
に示す。図示のように良好な状態(A)の場合、ワウフ
ラッターレベルは0.4〜0.6%であるが、潤滑不良
状態(B)の場合、0.8〜1.6%に増加しており、
潤滑状態の良否を確実に検出できることが確認された。
示した装置を用いて実際に伸線を行い、潤滑状態の検出
を行った。11枚のダイスを用いて、ばね用ステンレス
鋼(SUS304H) を4mmから1.0mmに伸線する際、最
終ダイスの直後にレーザドップラーワウフラッターメー
ター(三菱電機製LV-203) を設置し、伸線速度のワウフ
ラッターレベルがどのように変化するかを測定した。潤
滑状態の悪い状態を模擬するため、実験では潤滑剤を排
除し、故意に潤滑不良状態を作成した。その結果を図2
に示す。図示のように良好な状態(A)の場合、ワウフ
ラッターレベルは0.4〜0.6%であるが、潤滑不良
状態(B)の場合、0.8〜1.6%に増加しており、
潤滑状態の良否を確実に検出できることが確認された。
【0019】(実施例2)次に、2.55mm(円形)
の炭素鋼線を、1枚のダイスで1.729×2.421
mm(楕円形)に伸線する場合、良好潤滑状態と摩耗に
より焼き付きが発生した状態について、同様に試験を行
った。その結果を図3に示す。図示のように良好な状態
(A)の場合、ワウフラッターレベルは5〜8%である
が、潤滑不良状態(A)「焼付発生状態」の場合は、1
0%以上に増加しており、この場合も潤滑状態の良否を
確実に検出できることが確認された。
の炭素鋼線を、1枚のダイスで1.729×2.421
mm(楕円形)に伸線する場合、良好潤滑状態と摩耗に
より焼き付きが発生した状態について、同様に試験を行
った。その結果を図3に示す。図示のように良好な状態
(A)の場合、ワウフラッターレベルは5〜8%である
が、潤滑不良状態(A)「焼付発生状態」の場合は、1
0%以上に増加しており、この場合も潤滑状態の良否を
確実に検出できることが確認された。
【0020】さらに、上記両実施例において、潤滑良好
状態で得られた線材と、潤滑不良状態で得られた線材と
の線癖を比較したが、いずれも潤滑不良状態での線癖の
ばらつきが大きかった。特に、図4における径dの値に
大きくばらつきが見られる。一方、潤滑良好状態で得ら
れた線材の線癖は極めて均一なものであった。
状態で得られた線材と、潤滑不良状態で得られた線材と
の線癖を比較したが、いずれも潤滑不良状態での線癖の
ばらつきが大きかった。特に、図4における径dの値に
大きくばらつきが見られる。一方、潤滑良好状態で得ら
れた線材の線癖は極めて均一なものであった。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
伸線機を停止させることなく、又、線癖に何等影響を与
えることなく伸線の潤滑状態を監視することができる。
従って、線材の種類に応じて適切な速度むらの許容範囲
を設定し、その範囲を超えた場合に伸線機を停止させる
ように構成すれば、線材に肉眼で発見できる疵が生じる
ような極端な潤滑不良は勿論、探傷器でも発見できない
ような疵が生じることをも未然に防止することができ
る。
伸線機を停止させることなく、又、線癖に何等影響を与
えることなく伸線の潤滑状態を監視することができる。
従って、線材の種類に応じて適切な速度むらの許容範囲
を設定し、その範囲を超えた場合に伸線機を停止させる
ように構成すれば、線材に肉眼で発見できる疵が生じる
ような極端な潤滑不良は勿論、探傷器でも発見できない
ような疵が生じることをも未然に防止することができ
る。
【0022】尚、線速が速くなると、引き抜き力が大き
くなるので線速の速度むらが大きくなる。同じ潤滑状態
でも、線速を遅くすると速度むらは小さくなるので、例
えば、線速とその速度むらの双方を同時に測定、監視
し、伸線速度に応じた速度むらの許容範囲を設定するこ
とで、安定した伸線条件を保持することができる。従っ
て、伸線工程における不良の低減、トラブル回避による
生産性の向上、更には、夜間運転、無人運転などの省人
化の分野で大きな効果がある。
くなるので線速の速度むらが大きくなる。同じ潤滑状態
でも、線速を遅くすると速度むらは小さくなるので、例
えば、線速とその速度むらの双方を同時に測定、監視
し、伸線速度に応じた速度むらの許容範囲を設定するこ
とで、安定した伸線条件を保持することができる。従っ
て、伸線工程における不良の低減、トラブル回避による
生産性の向上、更には、夜間運転、無人運転などの省人
化の分野で大きな効果がある。
【0023】又、非接触で速度むらの検出を行うこと
で、ダイスを確実に固定でき、従来、荷重検出素子を用
いた場合に生じた線癖変動の問題を解消することができ
る。従って、難加工性材料の伸線加工、極めて正確な線
癖を要求されるばね用線材の伸線、或は極細線における
伸線等に利用すれば効果的である。
で、ダイスを確実に固定でき、従来、荷重検出素子を用
いた場合に生じた線癖変動の問題を解消することができ
る。従って、難加工性材料の伸線加工、極めて正確な線
癖を要求されるばね用線材の伸線、或は極細線における
伸線等に利用すれば効果的である。
【図1】本発明に用いる装置の概略図である。
【図2】実施例1における伸線時のワウフラッターレベ
ルを示すグラフで、(A)は良好状態、(B)は潤滑不
良状態を示している。
ルを示すグラフで、(A)は良好状態、(B)は潤滑不
良状態を示している。
【図3】実施例2における伸線時のワウフラッターレベ
ルを示すグラフで、(A)は良好状態、(B)は潤滑不
良状態を示している。
ルを示すグラフで、(A)は良好状態、(B)は潤滑不
良状態を示している。
【図4】線癖についての説明図である。
1 伸線機 2 ダイス 3 レーザワウフラッターメーターのセンサ部 4 レーザワウフラッターメーター本体 5 自動記録装置 6 伸線機自動停止装置 a 線材 l 落下長 d 径
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高村 伸栄 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住友 電気工業株式会社伊丹製作所内
Claims (7)
- 【請求項1】 孔ダイスを用いた伸線において、ダイス
を出た直後の線速を測定、監視することで伸線の潤滑異
常状態を検出することを特徴とする線材の製造方法。 - 【請求項2】 線速を、線材と非接触にて測定すること
を特徴とする請求項1記載の線材の製造方法。 - 【請求項3】 線材にレーザ光線を照射し、線材からの
散乱光がドップラー効果により周波数変化を受けること
を利用して線速を測定することを特徴とする請求項1記
載の線材の製造方法。 - 【請求項4】 孔ダイスを用いた伸線において、ダイス
を出た直後の線速の速度むらを測定、監視することで伸
線の潤滑異常状態を検出することを特徴とする線材の製
造方法。 - 【請求項5】 線速の速度むらを、線材と非接触にて測
定することを特徴とする請求項4記載の線材の製造方
法。 - 【請求項6】 線材が、ばね用線材であることを特徴と
する請求項4記載の線材の製造方法。 - 【請求項7】 線材にレーザ光線を照射し、線材からの
散乱光がドップラー効果により周波数変化を受けること
を利用して線速の速度むらを測定することを特徴とする
請求項4記載の線材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31567192A JPH06142753A (ja) | 1992-10-29 | 1992-10-29 | 線材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31567192A JPH06142753A (ja) | 1992-10-29 | 1992-10-29 | 線材の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06142753A true JPH06142753A (ja) | 1994-05-24 |
Family
ID=18068177
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31567192A Pending JPH06142753A (ja) | 1992-10-29 | 1992-10-29 | 線材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06142753A (ja) |
-
1992
- 1992-10-29 JP JP31567192A patent/JPH06142753A/ja active Pending
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