JPH06142670A - 廃水の浄化処理方法及びその浄化処理装置 - Google Patents

廃水の浄化処理方法及びその浄化処理装置

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JPH06142670A
JPH06142670A JP4324934A JP32493492A JPH06142670A JP H06142670 A JPH06142670 A JP H06142670A JP 4324934 A JP4324934 A JP 4324934A JP 32493492 A JP32493492 A JP 32493492A JP H06142670 A JPH06142670 A JP H06142670A
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JP
Japan
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reaction tank
biocatalyst
type reaction
bed type
moving bed
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Application number
JP4324934A
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Inventor
Hiroo Takeda
紘雄 武田
Shinichiro Kitaoka
信一郎 北岡
Masato Sakai
真人 酒井
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Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Oil Corp
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Publication date
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    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

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  • Biological Treatment Of Waste Water (AREA)
  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 有機物類含有廃水中のTOC、T−Nを高効
率で除去できる浄化処理装置及びその浄化処理方法を提
供する。 【構成】 漏斗型支持板を少なくとも2枚設置した移動
層型反応槽と該移動型反応槽の上部及び下部とで連通し
た流動床型反応槽からなり、前記移動層型反応槽の最上
部にホッパーと連通している生体触媒供給口と側面に廃
水供給口を設け、前記流動床型反応槽の最上部に排気ガ
ス出口と、側面に処理水抜出口及び移動層型反応層と連
通する生体触媒再循環口と、最下部にバッ気用空気口を
設けた廃水の浄化処理装置及びその浄化処理方法。 【効果】 短い処理時間、および高効率でTOC、T−
Nを除去でき、処理装置の設置面積も小さくて済む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は有機物類含有廃水、特に
し尿、下水道廃水および上水源中のアンモニア態窒素を
除去する反応を生体触媒を充てんした特殊な反応槽で浄
化処理する方法及び装置に関する。
【0002】
【従来技術】従来の活性汚泥法による処理の問題点を列
記すると、次のとおりである。 一般に、農業集落廃水、公共下水道から排出される
廃水などの全有機物量(TOC)濃度は100〜200
ppmで、活性汚泥法による処理では90〜95%の除
去率で、これ以上の除去は困難である。また、上記廃水
中の全窒素(T−N)濃度は40〜60ppmで同処理
方法では30〜40%の除去率と著しく低く、かつ極め
て効率が悪く、河川の富栄養化の基にとなっている。 上記排水は季節的な変動(温度、流量、廃水性状
等)が著しく、そのためにTOC、T−N等の除去率が
著しく悪化する場合が多い。 バッ気方法により処理効率が著しく異なり、装置の
安定性に欠ける傾向がある。 バッ気工程と生物反応で発生する汚泥の沈降分離工
程の切り替え処理が難しく、連続処理が困難である。 余剰汚泥の発生が非常に多く、後続する処理工程に
負担がかかると共に余剰汚泥を産業廃棄物として処理す
る場合はコストがかかりすぎる。 一般に活性汚泥法による生物反応は比較的遅く、そ
のために反応槽を大きくする必要があり、設置面積が必
然的に大きくなる。 従来の活性汚泥法による廃水処理では臭気の発生が
著しく、臭気対策が困難である。
【0003】次に、これらの問題点についてさらに詳細
に説明する。まず、TOC除去率が90〜95%、T−
N除去率が30〜40%でこれ以上の除去率を期待でき
ないのは活性汚泥(バクテリア)は一種の雑菌の集まり
(混合菌)であり、特定の環境下においても対象物を1
00%分解する菌体のみが菌相を形成することはなく、
そのためバッ気用空気、栄養分、接触時間(反応時間)
等の調整を行っても上記のような除去率以上とはならな
い。活性汚泥法ではバッ気工程で十分にバッ気し、生物
反応を行わせた後一旦通水を停止し、生物反応により発
生した汚泥を沈降分離し、しかるのち上澄水を後続の処
理工程に流し、沈降分離された汚泥は産業廃棄物として
処理する。この活性汚泥法ではしばしば発生した余剰汚
泥が十分に沈降分離せずに後続の処理工程に入る場合が
あり、廃水処理装置の運転が不能となる。従って連続処
理が困難であり、処理能力には限界がある。この対策と
して同一の装置を2基建設したり、2段方式で処理する
等の対応策が考えられるが、経済的に極めて不利なこと
は明らかである。
【0004】次に、活性汚泥(バクテリア)はしばしば
原因不明の処理不調の状態が発生する。これは廃水の状
態が急激に変化した場合、つまり急激な水温の上昇・降
下、pHの変動等により活性汚泥(バクテリア)の活性
が著しく阻害され、殆どTOC,T−N等が除去されな
い場合がある。活性汚泥(バクテリア)の活性が著しく
阻害され活性が低下した場合、その回復には時間を要
し、自然回復に期待せざるを得ない。従って、活性汚泥
法による処理は限定されたものとならざるをえない。さ
らに活性汚泥(バクテリア)の活性度は低く、馴化・培
養期間を含め除去率を一定に維持するためには必然的に
反応槽が大きくなり、従って設置面積も大きくならざる
をえない。
【0005】また、従来活性汚泥(バクテリア)による
廃水の処理に際しては悪臭を発生する代表的な発生源で
あり、特になんらかの原因で汚泥が異常に大量発生した
場合等は悪臭発生が著しい。活性汚泥法は一般に地上の
処理槽に設置するか、あるいは半地下式処理槽で処理す
るため悪臭対策は不十分とならざるをえない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は有機物類含有
廃水、特にし尿、下水道排水中のTOC,T−Nを高効
率で除去すること、有機物類を分解する菌体の活性維持
に必要な溶存酸素量を効果的にコントロールすること、
浄化処理時において発生する余剰汚泥の量を少なくする
ことおよび臭気の発生を少なくすることができる有機物
類含有廃水の浄化処理方法およびその浄化処理装置を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは有機物類含
有廃水を浄化処理する方法について鋭意研究した結果、
特定の生体触媒を充填した移動層型反応槽−流動床型反
応層で浄化処理することにより有機物類含有廃水中のT
OC,T−Nを高効率で除去できることを見い出し、こ
の知見に基づいて本発明を達成することができた。
【0008】すなわち、本発明は廃水の浄化処理方法に
おいて、(a)漏斗型支持板を少なくとも2枚設置した
移動層型反応槽の最上部に設けたホッパーと連通してい
る生体触媒供給口より生体触媒を導入し、(b)該移動
層型反応槽の側面に設けた廃水供給口より有機物含有廃
水又は上水源からなる原廃水を供給し、(c)該移動層
型反応槽で該生体触媒と該原廃水を接触させ、(d)そ
の後、該移動層型反応槽下部に設けた生体触媒抜出管を
通して連通している上向流流動床型反応槽下部に原廃水
と生体触媒の接触混合物を移動させ、(e)該流動床型
反応槽の下部に設けたバッ気用空気供給口より、該混合
物にバッ気用空気を供給して、該混合物と空気を接触さ
せ、(f)処理水は、該流動床型反応槽上部で生体触媒
から分離して、該流動型床反応槽の上部側面に設けた処
理水抜出口から抜出し、(g)分離された生体触媒は該
流動床型反応槽の上部側面に設置した生体触媒再循環口
と連通している該移動層型反応槽の上部に再循環し、
(h)さらに、バッ気用空気は該流動床型反応槽の最上
部に設けた排気ガス出口から排気することを特徴とする
前記方法に関する。
【0009】また、本発明は漏斗型支持板を少なくとも
2枚設置した移動層型反応槽と該移動層型反応槽の上部
及び下部とで連通した流動床型反応槽からなり、前記移
動層型反応槽の最上部にホッパーと連通している生体触
媒供給口と側面に廃水供給口を設け、前記流動床型反応
槽の最上部に排気ガス出口と、側面に処理水抜出口及び
移動層型反応層と連通する生体触媒再循環口と、最下部
にバッ気用空気口を設けたことを特徴とする廃水の浄化
処理装置に関する。
【0010】以下本発明の構成を詳述する。本発明の有
機物類含有廃水とは農業集落廃水、公共下水道および各
種工場廃水などに有機物が含有する廃水で、例えばTO
C,T−N濃度が10mg/l以上、好ましくは100
〜500mg/l、その他油分を含有する廃水である。
また、本発明の上水源とは上水となる原水のことであ
り、アンモニア性窒素等を含有するものである。
【0011】本発明の生体触媒とは有機物類を分解する
菌体をポリビニルアルコールゲルに包括固定化した触媒
である。例えば、特開平1−281195号公報に記載
の生体触媒が好ましく用いられる。有機物類を分解する
菌体(微生物)としてはTOC,T−Nを分解できる菌
体であればその種類は特に限定されない。例えば、バク
テリア、酵母などを使用することができる。好ましくは
菌体径1〜3μmのバクテリアなどを有効に用いること
ができる。ポリビニルアルコールゲル(PVAゲルと称
する)としては特に限定されない。例えば、特開平1−
281195号広報に記載の(1)ケン化度95モル%
以上、粘度平均重合度1,500以上のPVA5〜25
%および(2)多糖類またはタンパク質0.01〜5w
t%を含有し、網目巾2〜3μmも均一な微細網目構造
を有するPVAゲルが好ましい。生体触媒の形状は任意
の形状にしたものでよい。例えば、平均径は約1〜30
mm、好ましくは3〜15mmのサイコロ状が好まし
い。
【0012】本発明の移動層型反応槽は反応槽内で上部
から供給された生体触媒と同じく上部から導入された有
機物類含有廃水とを効率良く接触させることによりこの
廃水を処理する方法である。生体触媒を複数個の漏斗支
持板で反応槽を区画することにより形成した多段の移動
層部を順次上段から下段へと移動せしめ、この際各移動
層部に設けた多孔板を経由して降下させることにより生
体触媒のまわりに付着するスライムなどによる生体触媒
のブロッキングを防止する。次に移動層反応槽下部に到
達した生体触媒は流動床反応槽に接続したU字管を通し
てバッ気用空気が導入されるエアーリフト方式の上向流
流動床を形成する反応槽で生体触媒と有機物類含有廃水
およびバッ気用空気とを接触せしめ、接触後の生体触媒
は流動床反応槽上部から移動層型反応槽に循環せしめ
る。上記移動層反応槽はバッ気用空気を吹き込まないた
め反応槽内部は嫌気性雰囲気となり流動床反応槽ででき
た亜硝酸または硝酸態窒素を廃水中の有機物の水素で脱
窒素反応が行われる。また、上向流流動床反応槽は好気
性雰囲気となりアンモニア態窒素を亜硝酸または硝酸態
窒素にする硝化反応(酸化反応)が行われる。
【0013】本発明の処理条件について述べる。流動床
型反応槽の処理条件は処理温度は好ましくは15〜50
℃、更に好ましくは25〜40℃、バッ気用空気量は好
ましくは30〜200Nm3/空気/H/Nm3/廃水/
H、更に好ましくは50〜150Nm3/空気/H/N
3/廃水/H、廃水の滞留時間(HRT)は好ましく
は2〜8hr、更に好ましくは3〜6hr、LHSVは
好ましくは0.1〜2.0(1/hr)、更に好ましく
は0.15〜1.0(1/hr)である。生体触媒濃度
は好ましくは20〜60vol%、更に好ましくは25
〜50vol%である。
【0014】以下、本発明を図面を参照して説明する。
図1は本発明の方法を実施するために好適な本発明の装
置の一実施態様を示すものであり、装置の縦断図面であ
る。図1に示すごとく、円筒形(内径をDとする)の移
動床型反応槽の内部に複数個の漏斗型支持板2を設置し
て移動層型反応槽1を区画し、これより移動層型反応槽
1内に多段の移動層部を形成する。漏斗型支持板2は、
コーン部およびコーン部の下部に接続した導管(内径を
1とし、管の長さをL1とする。)より成り、導管の内
径をD1は移動層型反応槽1の内径Dに比較してかなり
小である。漏斗型支持板2の数は少なくとも2個が必要
であり、好ましくは2〜8個、一層好ましくは3〜5個
であり、その結果漏斗型支持板2の個数に相当する数の
多段の移動層部が形成される。
【0015】生体触媒を移動層型反応槽1上部に供給す
るためのホッパー4が移動層型反応槽の上方に設置さ
れ、この移動層型反応槽1の上部にはホッパー4と連通
している生体触媒供給管5が連通され、この生体触媒供
給管5は生体触媒の供給を制御する手段を有し、例えば
ロックバルブまたはロータリーバルブ等のごときバルブ
を備えている。移動層型反応槽1の側面の上部に廃水供
給口12を設け、ここより原廃水を供給する。移動層型
反応槽1に供給された生体触媒は、各移動層部におい
て、漏斗型支持板により支持された生体触媒の堆積層を
形成し、その一部の生体触媒は漏斗型支持板2の脚管か
ら絶えず下方に移動しているので、この堆積層はそれを
構成する生体触媒が常に下方に移動する移動層である。
このため、本発明では上記の堆積層を移動層と呼ぶこと
にする。漏斗型支持板2により区画された区域(即ち移
動層部)において、生体触媒の移動層の上部の空間は処
理対象廃水の水層である。即ち、各移動層部は、移動層
と水層とより成っている。
【0016】各移動層部においては、生体触媒の移動層
内に、多孔板よりなるブロッキング防止板6を設置し、
生体触媒が移動層降下する際に、この多孔板の開口部を
通過せしめることによって生体触媒の塊状化を防止す
る。ブロッキング防止板6は、このような多孔板の一枚
もしくは複数枚配置したものであり、このような配置に
よって移動層における生体触媒の移動を容易ならしめる
ことができる。図1では各移動層部にいずれも2枚のブ
ロッキング防止板が設置されているが、各移動層部に設
置されるブロッキング防止板6の数が同じである必要は
ない。
【0017】有機物類含有廃水は図1に示す移動層反応
槽1の上部側面(好ましくは第2段目の生体触媒の移動
層部)に供給され、排水中のTOC,T−N等が除去さ
れる。有機物類含有廃水は順次各移動層部の移動層の生
体触媒と接触し、前述したように脱窒素反応後、上向流
流動床反応槽3の下部に供給される。最下段の移動層部
において有機物類含有廃水と接触した生体触媒は、移動
層型反応槽1下部に設置した生体触媒抜出管7を通して
上向流流動床反応槽3に供給する。この際、最低位置の
漏斗型支持板2の脚管をそのまま生体触媒抜出管7とし
て用いるかまたはこの脚管に生体触媒抜出管7を接続さ
せる。所定の速度で生体触媒を移動層型反応槽1から上
向流流動床反応槽3に供給するために、この生体触媒抜
出管7に生体触媒の排水を制御する手段8、例えばロー
タリーバルブおよびロックバルブ等のごときバルブを設
置することもできる。
【0018】本発明において使用する移動層型反応槽1
の形状は、移動床型反応槽1の内径をD、移動層型反応
槽1の高さをH1とした場合、 2<H1/D<15 の条件が満足されることが望ましく、一層好ましくは 3<H1/D<10 の条件が満足されることである。また、本発明で使用さ
れる漏斗型支持板2のコーン部の角度Θ1は水平線に対
して、 20°<Θ1<80° で、一層好ましくは、 30°<Θ1<60° の条件が満足されることである。
【0019】さらに上記コーン部下部に接続される管の
長さL1は運転条件によって決定される移動層の生体触
媒の上端レベルより下に位置するようにし、常に生体触
媒層中に埋設された状態に維持することが望ましい。ま
た、本発明で使用するブロッキング防止板6の目開きd
1は生体触媒の平均径Dpの5〜100倍、好ましくは2
0〜50倍であればよい。
【0020】次に上向流流動床反応槽3は移動層型反応
槽1と上部および下部で連通されており上向流流動床反
応槽3下部から供給されるバッ気用空気供給口11によ
り供給されるバッ気用空気により気−液−固三相流動床
を形成し、反応が終了後上向流流動床反応槽3上部側面
の処理水抜出口9から処理水として取り出され、バッ気
用空気は反応槽最上部の排気ガス出口10から排気され
る。また、生体触媒は上向流流動床反応槽3の上部で処
理水と分けられ、移動層型反応槽1に通ずる生体触媒再
循環口13を経て移動層型反応槽1上部に循環される。
この際、移動層型反応槽1と上向流流動床型反応槽3と
は生体触媒再循環口13にて連通され、生体触媒再循環
口13は移動層型反応槽1に向かって傾斜し、傾斜角度
Θ2をもたせることが好ましい。その角度Θ2は水平線に
対して、 20°<Θ2<80° の条件を満足することが望ましく、一層好ましくは、 30°<Θ2<60° の条件が満足されることである。
【0021】
【実施例】 実施例1 容量0.5L(塔高=25cm,塔径=6cm)の反応
槽を用いて、処理実験を行った。この場合の有機物類含
有廃水(人工水)性状および処理条件を表1及び2に示
す。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】図2〜3に有機物類含有廃水(人工水)の
処理結果を示す。これによると廃水中のTOCとT−N
の除去率はそれぞれ95%、80%であり、従来法であ
る活性汚泥法と比較して高い結果を得ることができた。
図2〜3に示した結果は上向流流動床反応槽の生体触媒
濃度を30vol%に維持した場合であるが、生体触媒
濃度をそれぞれ20,50%に維持した場合も同様な結
果を示した。上向流流動床反応槽内の流動を最適な状態
に維持するには生体触媒の濃度を20〜50%にするこ
とが必要で、TOC除去率と流動特性の両面から考慮
し、運転条件を決定することが肝要である。
【0025】実施例2 容量10L(塔高=60cm、塔径=15cm)の反応
槽を用いて、処理実験を行った。実施例1では基礎実験
として0.5Lの実験装置を用いたが、今回は容量が2
0倍の10Lの反応槽で、実廃水を用いて運転条件を検
討した。図4〜5に有機物類含有廃水(実廃水)処理結
果を示した。実施例1の処理条件を検討し、HRT:4
〜6時間、LHSV(1/時間):0.17〜0.2
5、処理温度(℃):20〜35、上向流流動床反応槽
内生体触媒濃度(vol%):20〜35で実験を行っ
た結果である。TOC、T−Nの除去率は共に実施例1
の場合と同様に、それぞれ95%、80%程度で、極め
て良好であった。
【0026】実施例3 容量200L(塔高=300cm、塔径=30cm)の
反応槽を用いて、処理実験を行った。実施例2の結果を
検討し、反応槽のスケールアップに伴う問題点の検討お
よび長時間連続運転を行って、生体触媒の寿命などを検
討した。約7カ月の連続実験を行ったが、TOC(図
6)、T−N(図7)などの除去率は高く、生体触媒の
活性度は低下せず、また形状などの磨耗は全く認められ
なかった。実用性能としては、全く問題ないと考えられ
る。
【0027】
【表3】
【0028】
【発明の効果】以上本発明を詳細に説明したが、本発明
の特徴およびそれによって得られる効果を要約すると下
記の通りである。 (1)本発明の方法により有機物類含有廃水中のTOC
とT−Nの除去率はそれぞれ95%以上と80%以上で
あり高い除去率を示す。 (2)移動層型反応槽内に漏斗型支持板で区画した複数
の移動層部に、特殊な構造のブロッキング防止板を設置
することにより、各移動層部における生体触媒の移動層
が阻害されることなしに移動すると共に、生体触媒のブ
ロッキング(塊状化)を防止できる。 (3)移動層型反応槽の断面積と漏斗型支持板の脚管の
断面積の差により、生体触媒の移動速度に速度差をつけ
ることが可能であり、このことは移動層の閉塞などの防
止に効果的である。 (4)硝化反応と脱窒素反応を連続的に行うことがで
き、処理時間を大幅に短縮できる。 (5)処理時間の短縮により装置を小型化することが可
能となり、設置面積を小さくできる。 (6)特殊な生体触媒を用い、かつ構造的に移動層、流
動床を容易に形成できる構造の反応槽である。 (7)上向流流動床反応槽のバッ気用空気は、ブロアー
から発生する熱により高温度となる。本発明の方式の場
合はこの熱を利用して両反応槽内の生物反応に最適な温
度に制御でき、冬期における温度対策として有効であ
る。(硝化細菌の増殖速度は、一般の細菌に比べ、約1
/10と非常に遅いため、特に冬期の低温時には長い滞
留時間を必要とするため最適である。) (8)所定の生物反応(脱窒素、硝化反応)を満足し、
TOC、T−Nの除去率を維持するために、廃水の循環
比を任意に制御できる。(移動床型反応槽および上向流
流動床反応槽には有機物類含有廃水を効果的に処理する
ために廃水をポンプで任意の速度で循環させる循環シス
テムを設置することにより、より効果的に廃水を処理で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装置の一実施態様を示す装置の縦断面
図である。
【符号の説明】
1 移動層型反応槽 2 漏斗型支持板 3 流動床反応槽 4 ホッパー 5 生体触媒の供給を制御する手段有する生体触媒供給
口 6 ブロッキング防止板 7 生体触媒抜出管 8 生体触媒の排出を制御する手段 9 処理水抜出口 10 排気ガス出口 11 バッ気用空気供給口 12 廃水供給口 13 生体触媒再循環口
【図2】有機物類含有廃水(人口水)のTOCの処理結
果を示す図である。
【図3 有機物類含有廃水(人口水)のT−Nの処理結果を示す
図である。 【図4】有機物類含有廃水(実廃水)のTOCの処理結
果を示す図である。
【図5】有機物類含有廃水(実廃水)のT−Nの処理結
果を示す図である。
【図6】有機物類含有廃水(実廃水)の長期間運転での
TOCの処理結果を示す図である。
【図7】有機物類含有廃水(実廃水)の長期間運転での
T−Nの処理結果を示す図である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】廃水の浄化処理方法において、(a)漏斗
    型支持板を少なくとも2枚設置した移動層型反応槽の最
    上部に設けたホッパーと連通している生体触媒供給口よ
    り生体触媒を導入し、(b)該移動層型反応槽の側面に
    設けた廃水供給口より有機物含有廃水又は上水源からな
    る原廃水を供給し、(c)該移動層型反応槽で該生体触
    媒と該原廃水を接触させ、(d)その後、該移動層型反
    応槽下部に設けた生体触媒抜出管を通して連通している
    上向流流動床型反応槽下部に原廃水と生体触媒の接触混
    合物を移動させ、(e)該流動床型反応槽の下部に設け
    たバッ気用空気供給口より、該混合物にバッ気用空気を
    供給して、該混合物と空気を接触させ、(f)処理水
    は、該流動床型反応槽上部で生体触媒から分離して、該
    流動型床反応槽の上部側面に設けた処理水抜出口から抜
    出し、(g)分離された生体触媒は該流動床型反応槽の
    上部側面に設置した生体触媒再循環口と連通している該
    移動層型反応槽の上部に再循環し、(h)さらに、バッ
    気用空気は該流動床型反応槽の最上部に設けた排気ガス
    出口から排気することを特徴とする前記方法。
  2. 【請求項2】原廃水がTOC濃度100〜500mg/
    l及びT−N濃度100〜500mg/lを含有する廃
    水であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】生体触媒が有機物質を分解する菌体をポリ
    ビニールアルコールゲルに包括固定化した生体触媒であ
    ることを特徴とする請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】漏斗型支持板を少なくとも2枚設置した移
    動層型反応槽と該移動層型反応槽の上部及び下部とで連
    通した流動床型反応槽からなり、前記移動層型反応槽の
    最上部にホッパーと連通している生体触媒供給口と側面
    に廃水供給口を設け、前記流動床型反応槽の最上部に排
    気ガス出口と、側面に処理水抜出口及び移動層型反応層
    と連通する生体触媒再循環口と、最下部にバッ気用空気
    口を設けたことを特徴とする廃水の浄化処理装置。
  5. 【請求項5】移動層型反応槽の内部に多孔板よりなるブ
    ロッキング防止板を有することを特徴とする請求項4記
    載の装置。
  6. 【請求項6】移動層型反応槽の内径Dと高さH1の比が
    2<H1/D<15であることを特徴とする請求項4記
    載の装置。
  7. 【請求項7】漏斗型支持板のコーン部の角度Θ1は水平
    線に対して20゜<Θ1<80゜であることを特徴とす
    る請求項4記載の装置。
  8. 【請求項8】生体触媒再循環口の移動層型反応槽に対す
    る傾斜角度Θ2が水平線に対して20゜<Θ2<80゜で
    あることを特徴とする請求項4記載の装置。
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