JPH06142165A - 電子線照射による滅菌方法 - Google Patents

電子線照射による滅菌方法

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JPH06142165A
JPH06142165A JP4324769A JP32476992A JPH06142165A JP H06142165 A JPH06142165 A JP H06142165A JP 4324769 A JP4324769 A JP 4324769A JP 32476992 A JP32476992 A JP 32476992A JP H06142165 A JPH06142165 A JP H06142165A
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electron beam
irradiation
irradiated
sterilization
electrons
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JP4324769A
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Mikiko Fukuda
未紀子 福田
Shinobu Kinoshita
忍 木下
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Iwasaki Denki KK
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Iwasaki Denki KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低エネルギーの電子線を用いて被照射物の滅
菌を行うことができる電子線照射による滅菌方法を提供
する。 【構成】 50キロボルト以上500キロボルト以下の
電圧で加速した電子線を照射空間21に照射し、照射空
間21にあるガス分子に衝突させることにより散乱電子
を発生させ、また被照射物40に直接照射して反射電子
及び2次電子を発生させ、電子線が直接照射されない被
照射物40の部分に散乱電子、反射電子及び2次電子を
照射することにより被照射物の内外表面を滅菌する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば食品、医療等に
使用する複雑な形状のキャップや容器等の滅菌に用いる
電子線照射による滅菌方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、食品の包装、医療等に使用する製
品、薬剤等は健康衛生面等を考慮して病原菌及び他の微
生物を滅菌ないし殺菌をする必要がある。従来より物品
等の殺菌は、H22 等の薬剤、エチレンオキサイド
(EOG)ガス、オゾン等のガス、紫外線、高エネルギ
ー電子線等で行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、H2
2 等の薬剤による殺菌ではその残留性が問題となり、オ
ゾン等のガスによる殺菌では処理時間が長くなるという
問題がある。また、紫外線照射による殺菌では、キャッ
プ等の複雑な形状の容器の場合、一般に殺菌線量を必要
以上に高くしても、或いは照射時間を長くしても、生残
率が一定値からは横バイに近くなり99. 9%以上の殺
菌は困難である。
【0004】図5は紫外線照射による殺菌の効果を確認
するために、内面に凹凸部を有する直径30mmのプラ
スチック製のキャップ内面に紫外線を10mmのクリア
ランスを設けて実際に照射し、その殺菌効果を測定した
ときのキャップの枯草菌(芽胞)の殺菌効果曲線を示し
ている。測定に際しては、実際の製造ラインを考慮して
キャップを紫外線照射器下にランダムに置いて、コンベ
アにより移動して紫外線を照射し、キャップ3個の平均
値を求めた。また、初発菌数は5.15×104 、クリ
アランスは照射器より10mm、殺菌線量は45,9
0,180,360mw・sec/cm2 で紫外線を照
射したときの生残率を検査を行った。一般に枯草菌を9
9. 9%殺菌するのに必要な殺菌線量は33.3mw・
sec/cm2 であるが、図5に示す曲線より、今回約
9倍の殺菌線量(360mw・sec/cm2 )を与え
たが、殺菌率は、98. 8%程度であった。殺菌線量が
高いにもかかわらず、殺菌率が低いのは、キャップ内面
の構造上凹凸部が多く、紫外線が充分照射されない部分
が発生していることによる。以上のことから、紫外線照
射による殺菌では、凹凸部を有した複雑な形状の容器の
場合、シャドウ効果により影となる部分が殺菌できず滅
菌は不可能であるということが確認できた。
【0005】また、高エネルギー電子線を用いた滅菌方
法では、電力の消費量が多くなるだけでなく、加速電圧
が高いとキャップの内部にまで電子が透過してしまうた
めキャップ材料の劣化を招くおそれがあり、それぞれ問
題となっていた。
【0006】また、高エネルギー電子線では、装置が大
型となり、X線が発生するので、装置をシールドする必
要がある。このため、包装された物品等の被照射物は、
滅菌専門の別工場において、一括してバッチ処理方式で
殺菌しなければならず、物品の製造ライン工程中に滅菌
工程を組み込むことは困難であった。
【0007】更に、低エネルギー電子線では、図6に示
すような加速電圧と電子線の透過線深さとの関係を示す
グラフが知られている(特開昭61−226050号の
第4図に示す電子の深さ−線量プロフィールを示すグラ
フと同一)。前記グラフは、縦軸は物質表面の吸収線量
を100%とした場合の深さで受ける線量の割合を、横
軸は物質への透過深さを単位面積当たりの質量(面密度
g/m2 )で表したものであり、物品の比重と透過する
部分の厚みが分かれば透過が可能か否かがわかる。した
がって、図6に示すグラフに従えば、低エネルギー電子
線、たとえば150キロボルト〜300キロボルトの加
速電圧では、浸透深さが700ミクロン以下であり、低
エネルギー電子線では凹凸を有する物品の凸部を透過す
る滅菌は不可能であった。このため、従来の低エネルギ
ー電子線では、たとえば凸部の裏面部分のように陰にな
る部分は殺菌できないと考えられていた。
【0008】本発明は上記事情に基づいてなされたもの
であり、低エネルギーの電子線を用いて被照射物の滅菌
を行うことができる電子線照射による滅菌方法を提供す
ることを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明に係る電子線照射による滅菌方法は、50キ
ロボルト以上500キロボルト以下の電圧で加速した電
子線を照射空間に照射し、照射空間にあるガス分子に衝
突させることにより散乱電子を発生させ、また被照射物
に直接照射して反射電子及び2次電子を発生させ、電子
線が直接照射されない被照射物の部分に散乱電子、反射
電子及び2次電子を照射することにより滅菌することを
特徴とするものである。
【0010】また、前記ガス分子は、空気又は酸素であ
ることが望ましい。
【0011】
【作用】以下に、本発明の作用について説明する。本発
明は前記の構成により、照射空間において散乱電子、反
射電子及び2次電子を利用することにより、電子線が直
接照射されない被照射物の陰の部分、たとえば凸部の裏
面部分をも滅菌することができる。ここで、加速電圧が
50キロボルト以下であると、電子線を照射空間に効率
よく取り出すことができず、また加速電圧が500キロ
ボルト以上になると、X線の自己遮蔽が極めて難しくな
り、小型化できないため滅菌工程のインライン化が不可
能になる。さらに、ガス分子を空気又は酸素とすること
により、酸素効果が期待できるので、他のガス分子中に
おける殺菌処理に比べて、殺菌エネルギーが少なく済
む。
【0012】
【実施例】以下に本発明の第1実施例を図1及び図2を
参照して説明する。実際の本発明の電子線滅菌方法に
は、図1に示すような、加速電圧が50キロボルト以上
500キロボルト以下の電圧で加速されるいわゆるセル
フシールドタイプ(ESI社の登録商標)の電子線照射
装置を使用する。
【0013】図1に示す電子線照射装置の電子線発生部
10は、電子線を発生するターミナル11と、ターミナ
ル11で発生した電子線を真空空間(加速空間)で加速
する加速管12とを含むものである。また、電子線発生
部10の内部は、電子が気体分子と衝突してエネルギー
を失うことを防ぐため、図示しない拡散ポンプ等により
真空に保たれている。ターミナル11は、電子線である
フィラメント例えば、線状陰極1と、フィラメント1を
支持するガン構造体2と、発生した電子線をコントロー
ルするグリッド3とからなる。
【0014】照射室20は、被照射物40に電子線を照
射する照射空間21を含むものである。被照射物40を
載せて搬送するトレイ22は不図示の駆動装置により図
1において左側から右側に移動する。照射窓部30は、
金属箔たとえば、チタン箔からなる窓箔31と、窓枠構
造体32とを含むものである。窓箔31は、電子線発生
部10内の真空雰囲気と照射室20内の不活性雰囲気
(例えば、窒素ガス)とをしきるものであり、また窓箔
31を介して照射室20内に電子線を取り出すものであ
る。
【0015】電子線発生部10のフィラメント1に電流
を通じて加熱するとフィラメント1は熱電子を放出し、
この熱電子はフィラメント1とガン構造体2及びグリッ
ド3との間に印加されたグリッド電圧により四方八方に
引き寄せられる。そのうちグリッド3を通過したものだ
けが電子線として有効に取り出される。そして、この電
子線は、グリッド3と窓箔31との間に印加された加速
電圧により加速管12内の加速空間で加速され、窓箔3
1を突き抜け、照射窓部30の下部を搬送される被照射
物40に照射される。
【0016】電子線は、窓箔31から照射空間21内に
出ていくときに、分散し、さらに、照射空間21内にあ
るガス分子に衝突させることにより散乱する。また、電
子線は照射空間21に搬送される被照射物40および照
射空間21内の壁等により反射することにより反射電子
ないし2次電子として散乱することとなり、各電子が混
ざりあって照射空間21内中を多重散乱することにな
る。
【0017】トレイ22に載せられた被照射物40は、
図1において左側から右側に搬送され、照射空間21に
おいて電子線を照射される。尚、図1の矢印付き点線は
電子線の飛行軌跡を示すものである。
【0018】上記のごとく照射空間21中で多重散乱し
ている電子線により、電子線を直接照射した場合に電子
線が透過できない程の厚みの凸部を内外側壁面に有する
被照射物についても、その凸部の裏面及び垂直方向の側
面をも滅菌することができ、したがって被照射物表面の
全部分について滅菌することができる。尚、本発明の場
合、電子線が被照射物を透過しないので、物品の材料劣
化を防止できる。
【0019】また、本実施例で使用する電子線照射装置
は、50キロボルト以上500キロボルト以下の加速電
圧で電子を加速する、いわゆるセルフシールドタイプ
(ESI社の登録商標)のものであるので、本実施例に
よれば消費電力の低減を図ることができ、またコンパク
ト化を図ることができ、さらに電子線による滅菌処理を
物品製造工程中に置くことができ、インライン化が可能
となる。
【0020】上記装置を使用して本実施例の効果を確認
するため、図2に示すような内部にねじ切り部分が付い
たプラスチックキャップに指標菌を塗抹し、電子線を照
射することによりその指標菌の滅菌効果の確認試験を行
った。試験サンプルとなるプラスチックキャップ40
は、電子線を直接照射した場合に電子線が透過できない
程の厚みの凹凸部であるねじ切り部分42を内外側壁面
に有する。
【0021】電子線照射装置には、電子線を低エネルギ
ーで照射すると、窓箔31を通過するときに電子の散乱
を起こしやすいという性質を利用するために、加速電圧
が50キロボルト以上500キロボルト以下の電圧で加
速するいわゆるセルフシールドタイプ(ESI社の登録
商標)のものを使用した。本実施例では、最大電子加速
電圧250kV、電子線有効照射幅15cm、処理能力
180Mrad・m/min(岩崎電気(株)製 電子
線照射装置 型番 CB250/15/180)の電子
線照射装置を使用した。また、窓箔には13μm厚のチ
タン(Ti)箔を使用した。
【0022】指標菌は、一般的な指標菌であるBaci
llus Pumilus(spores)E−601
を使用し、クリーンブース(クラス100)内で以下の
操作手順により、試験を行った。
【0023】プラスチックキャップを次亜鉛素酸ナトリ
ウムで殺菌し、無菌水で洗浄乾燥した後に滅菌済の密閉
性を有する容器例えばシャーレに入れておく。
【0024】菌液を無菌水(TWEEN80 0.1%
溶液)で希釈し、最終の菌液をエタノール溶液として調
整し、プラスチックキャップの内側全面に、滅菌した綿
棒で、塗抹した後、放置乾燥した。また、均一に塗抹さ
れていることを確認するために、チョークの粉を菌に見
立てて塗抹試験を行い均一に塗抹されていることを確認
した。
【0025】シャーレはトレイ22としてそのまま使用
し、シャーレ(内部に指標菌が塗抹してある試験サンプ
ルが入っている)の蓋を取り、内部に線量測定のためF
WT社製RCDフィルム(50,11μm)を線量計2
4としておき、電子線照射装置の搬送ベルト23に載せ
照射空間で電子線を照射した。尚、電子線照射装置の窓
箔31とトレイ22としてのシャーレの底部との間のク
リアランスは42mmに設定した。
【0026】電子線の照射条件は、N2 パージなし、加
速電圧100kV、175kV、250kVとし、二種
類の初発菌8.3×102 (生菌数/サンプル)、3.
7×105 (生菌数/サンプル)について測定を行っ
た。
【0027】電子線照射装置では、被照射物が吸収する
線量は、線量(Mrad)=K×ビーム電流(I)÷コ
ンベア速度(V)で表すことができる。この式でKは装
置個々の効率を表す定数であり、装置により特定され
る。したがって、電子線の照射条件としてのビーム電流
とコンベア速度をそれぞれ代えて指標菌の滅菌状態を測
定した。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】電子線照射後、試験サンプルは平板塗抹法
により菌数を確認するため、使用培地としてトリプトソ
イ寒天培地を用い、培養温度31°Cで、24時間保持
して測定を行った。表1は初発菌8.3×102 の場
合、表2は初発菌3.7×105 の場合の測定結果を示
すものであり、図3、図4は上記表1、表2のそれぞれ
の生菌数を縦軸に、線量を横軸にとったグラフである。
上記表1、表2及び図3、図4より、いずれの条件下で
も殺菌効果は確実にあり、とくに一般的に物に存在する
菌数として知られている初発菌数約102 個にあたる初
発8.3×102 の場合、ビーム電流10mA、コンベ
ア速度20mpm以下で確実に滅菌することができた。
また、実際には物に存在しない菌数である初発菌数約1
5 個にあたる初発3.7×105 の場合においても、
175kV、250kVではビーム電流8mA、コンベ
ア速度14mpm以下で滅菌することができた。尚、1
00kVの場合、滅菌にまで至らなかったのは、クリア
ランスが長いため電子線のロスが大きかったためである
と考えられる。
【0031】さらに上記表1、表2より、ある数の菌を
滅菌処理して、もとの数の1/10に減らす(もとの数
の90%殺す)ために必要な線量を表すD値(Deci
mal reduction valueの略)を算出
すると下記の表3になる。尚、表3において文献値と表
示されているのは、平坦なフラット部のみに菌をおき、
均一な状態において照射した場合の一般値である。ま
た、D値と表示されているのは、本試験の値であり、試
験サンプルの内側全面に菌を塗抹したときの値である。
【0032】
【表3】
【0033】100kVではD値が175kV以上のそ
れよりも高くなった。これも上述の理由と同様窓箔厚と
クリアランスに原因があると思われる。また、D値が文
献値よりも大きくなっているのは、図2に示す試験サン
プルの断面から分かるように、場所により線量が異な
り、特にねじ切り部分42下方の底面46は底面の中央
部48に比べてその吸収線量が小さいと考えられる。
尚、実際の線量測定はトレイとしてのシャーレ22の底
面においた線量計24を使用して行ったもので試験サン
プルの底面48に近いものである。よって、結果的にD
値が高くなったように見えるが、この値はあくまでもこ
の試験サンプル固有のD値であり、指標菌であるB.P
umilus(spores)固有のものではない。図
2に示す断面形状の試験サンプルでは加速電圧が250
kVの場合でもネジ切り部分42のトータルの厚みが大
きいので、この部分を直線的に電子が透過するのが不可
能である。それにもかかわらず、本試験サンプルの滅菌
ができているのは、散乱させた電子を用いているからで
ある。以上の試験結果より、D値においても文献値の1
0倍の線量で滅菌することができ、さらには、完全に指
標菌を0とすることができ、また初発菌数が約102
の場合、一般に滅菌保証レベル(SAL)といわれる生
存率10-6%をクリアーにすることが可能である。
【0034】上記の本実施例によれば、低エネルギーの
電子線を照射することにより、窓箔を通過するときに電
子の散乱を起こしやすくしている。さらには、空気中に
おいては酸素効果により殺菌エネルギーは酸素以外の他
のガス中よりも約2/3以下の殺菌エネルギーで殺菌処
理が可能である。このことを利用することにより、消費
電力の低減を図っている。
【0035】尚、本発明は上記の実施例に限定されるも
のではなく、その要旨の範囲内において種々の変形が可
能である。たとえば、上記の実施例では、空気中におけ
る酸素効果を利用することにより、酸素以外の他のガス
中よりも約2/3以下の殺菌エネルギーで殺菌処理が可
能になる場合について説明したが、本発明はこれに限定
されるものではなく、たとえば酸素雰囲気中で処理する
ことにより他のガス中で処理する場合に比べてより低い
殺菌エネルギーで殺菌処理が可能となる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、照
射空間中で多重散乱させた電子線により、電子線が透過
できない程度の厚みが有る複雑な形状の凹凸部を内外側
壁面に有する被照射物であっても、その凸部の裏面や鉛
直方向の側面についても滅菌することができ、また高エ
ネルギーの電子線を用いた滅菌では不可能とされていた
被照射物の材料の劣化を防止し、更に滅菌処理を物品製
造工程においてインライン化することが可能となる電子
線照射による滅菌方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に使用するセルフシールドタイプ(E
SI社の登録商標)の電子線照射装置の電子線発生部と
照射室部を示す概略断面図である。
【図2】本実施例において指標菌の殺菌効果の確認試験
に使用した内部にねじ切り部を有するプラスチックキャ
ップの概略断面図である。
【図3】本実施例において指標菌の殺菌効果の確認試験
の結果である、初発菌8.3×102 を使用した場合の
線量−生菌数の関係を示すグラフである。
【図4】本実施例において指標菌の殺菌効果の確認試験
の結果である、初発菌3.7×105 を使用した場合の
線量−生菌数の関係を示すグラフである。
【図5】従来の紫外線照射によるキャップの枯草菌の殺
菌線量−生残率を示す殺菌効果曲線である。
【図6】加速電圧と電子線の透過線深さとの関係を示す
グラフである。
【符号の説明】
10 電子線発生部 12 加速管 20 照射室 21 照射空間 22 トレイ 23 搬送ベルト 24 線量計 31 窓箔 40 被照射物
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年12月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】
【作用】以下に、本発明の作用について説明する。本発
明は前記の構成により、照射空間において散乱電子、反
射電子及び2次電子を利用することにより、電子線が直
接照射されない被照射物の陰の部分、たとえば凸部の裏
面部分をも滅菌することができる。ここで、加速電圧が
50キロボルト未満であると、電子線を照射空間に効率
よく取り出すことができず、また加速電圧が500キロ
ボルトを越えると、X線の自己遮蔽が極めて難しくな
り、小型化できないため滅菌工程のインライン化が不可
能になる。さらに、ガス分子を空気又は酸素とすること
により、酸素効果が期待できるので、他のガス分子中に
おける殺菌処理に比べて、殺菌エネルギーが少なく済
む。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】
【実施例】以下に本発明の第1実施例を図1及び図2を
参照して説明する。実際の本発明の電子線滅菌方法に
は、図1に示すような、加速電圧が50キロボルト以上
500キロボルト以下の電圧で加速されるいわゆるセル
フシールド(ESI社の登録商標)タイプの電子線照射
装置を使用する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】また、本実施例で使用する電子線照射装置
は、50キロボルト以上500キロボルト以下の加速電
圧で電子を加速する、いわゆるセルフシールド(ESI
社の登録商標)タイプのものであるので、本実施例によ
れば消費電力の低減を図ることができ、またコンパクト
化を図ることができ、さらに電子線による滅菌処理を物
品製造工程中に置くことができ、インライン化が可能と
なる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】電子線照射装置には、電子線を低エネルギ
ーで照射すると、窓箔31を通過するときに電子の散乱
を起こしやすいという性質を利用するために、加速電圧
が50キロボルト以上500キロボルト以下の電圧で加
速するいわゆるセルフシールド(ESI社の登録商標)
タイプのものを使用した。本実施例では、最大電子加速
電圧250kV、電子線有効照射幅15cm、処理能力
180Mrad・m/min(岩崎電気(株)製 電子
線照射装置 型番 CB250/15/180)の電子
線照射装置を使用した。また、窓箔には13μm厚のチ
タン(Ti)箔を使用した。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】本実施例に使用するセルフシールド(ESI社
の登録商標)タイプの電子線照射装置の電子線発生部と
照射室部を示す概略断面図である。
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 50キロボルト以上500キロボルト以
    下の電圧で加速した電子線を照射空間に照射し、照射空
    間にあるガス分子に衝突させることにより散乱電子を発
    生させ、また被照射物に直接照射して反射電子及び2次
    電子を発生させ、電子線が直接照射されない被照射物の
    部分に散乱電子、反射電子及び2次電子を照射すること
    により滅菌することを特徴とする電子線照射による滅菌
    方法。
  2. 【請求項2】 前記ガス分子は、空気又は酸素であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の電子線照射による滅菌方
    法。
JP4324769A 1992-11-10 1992-11-10 電子線照射による滅菌方法 Pending JPH06142165A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002104333A (ja) * 2000-09-25 2002-04-10 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd 容器の殺菌方法及び装置
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