JP6041744B2 - 電子線照射による不活化方法および処理装置 - Google Patents

電子線照射による不活化方法および処理装置 Download PDF

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本発明は、電子線照射による不活化方法および処理装置に関し、より詳細には、被処理物の口部の微生物を減少させる、電子線照射による不活化方法および処理装置に関するものである。
近年、医薬品、医療器具、食品の梱包に使用される包装材、梱包のための成形品表面に存在する微生物(菌、真菌類、ウイルス等)による感染症等の防止に関する消費者ニーズが高まっており、これら成形品表面の確実な滅菌処理による安全性の確保が必要となっている。
公知の表面滅菌方法としては、高圧蒸気滅菌法(オートクレーブ)、エチレンオキサイドガス(EOG)滅菌法、過酸化水素滅菌法、ガンマ線滅菌法などが知られている。
しかしながら、オートクレーブ滅菌では熱に弱い樹脂製成形品を処理した場合、熱による変形などの問題が生じ、EOG滅菌ではガス除害処理に長時間を有し、また両者は何れも連続的なインラインの滅菌処理は困難である。ガンマ線滅菌は装置が非常に大型で高コストであり、滅菌処理を実現するための吸収線量を得るために、半日以上というオーダーの処理時間が必要といった問題を抱えている。
このような問題を解決する技術として、近年、電子線を中空体の容器へ照射して殺菌処理を実現する方法が提案されている(特許文献1〜4)。
図1は、従来の、特許文献2に係る、電子線を被処理物に照射して殺菌する装置の概略図である。
図1において、電子線発生器12は、真空チャンバ12aと、電子線13を放出するためのノズル12bと、真空チャンバ12a内に設けられた電子線発生源12cとを備える。特許文献3では、中空のボトル11の内部を殺菌する際に、ノズル12bをボトル11の中空部に挿入し、電子線発生源12cから電子線13を発生させる。これにより、電子線13がノズル12bからボトル11の内部に照射され、該電子線13によりボトル11の内側の壁の殺菌が行われる。
図2は、従来の、特許文献3に係る、電子線を被処理物に照射して殺菌する装置の概略図である。
図2において、樹脂製容器21を殺菌する際、該樹脂製容器21を電子線照射装置22の照射窓22aの前面側を通過させることによって、樹脂製容器21は照射窓22aから照射された電子線23を受けて殺菌される。このとき、樹脂製容器21の中空部に、電子を引き付ける部材としてのアース電極24を挿入することにより、樹脂製容器21の内部に入り込んだ電子による該樹脂製容器21の内部の帯電を防止している。また、帯電防止のために挿入するアース電極24は中空であり、該中空を介しアース電極24の先端に設けられた吹き出し口24aから樹脂製容器21の内部に無菌気体を供給することにより、電子線照射により発生するオゾンを樹脂製容器21の口部21aから押し出して除去し、これと同時に粉塵やチリも同様に除去している。
図3および図4は、従来の、特許文献4に係る、電子線を被処理物に照射して殺菌する装置の概略図である。図3は処理装置を被照射物である樹脂製容器の側面方向から見た断面図である。
従来の、特許文献4に係る装置は、キャップを螺合するために口部が肉厚に形成されている樹脂製容器の口部の内面を電子線照射により殺菌する際に、口部が肉厚であるために電子線が樹脂製容器を透過しにくく、殺菌が不十分になるという問題を解決するものである。
図3において、処理装置30は電子線照射装置32と、処理室37を備える。電子線照射装置32は、電子線33を処理室37に放射する電子線発生機構を有する。
処理室37の内部には、樹脂製容器31を保持箇所31aにおいて保持するための保持部38と、磁界発生器34を有する。樹脂製容器31は保持箇所31aに近い側の一端に開口部(口部)31bを有する。磁界発生器34はN極34aとS極34bを有し、開口部31bの近傍に磁界を発生させる。特許文献4では、電子線33は磁界発生器34の近傍に到達すると該磁界によって、開口部31bに向かって偏向し、開口部31b付近の容器の内側面に照射されると開示されている。特許文献4にて提案された殺菌方法は、これにより、樹脂が肉厚な開口部31bの内側面に対し、樹脂を透過させることなく、直接偏向された電子線が照射され、殺菌が行われるというものである。従って、特許文献4では、口部が肉厚であるために電子線が樹脂製容器を透過しにくく、殺菌が不十分になるという問題が解決されると言われている。保持部38は搬送機構を備えており、樹脂製容器31は、記号R(紙面手前から紙面奥方向の向きを示す)の向きに紙面手前から奥方向に向かって搬送されながら、前述の手段により電子線照射による殺菌処理が行われる。
図3の処理装置30を向かって右側から見た処理装置30の断面図を、図4に示す。樹脂製容器31は、搬送機構を備えた保持部38により紙面左側から右側に向かって矢印Pの向きに搬送される。樹脂製容器31が保持部38により搬送され、電子線照射装置32および磁界発生器34の近傍を通過する時に電子線照射による殺菌処理が行われる。
特開2011−93567号公報 米国特許第7,759,661号明細書 特開2011−26000号公報 特開2010−105702号公報
しかしながら、特許文献1〜4に係る、電子線を被処理物に直接照射することによる殺菌といった微生物の不活化を行う処理方法では、被処理物への電子線の吸収線量が、被処理物の形状、電子線照射時の被処理物の保持方法(位置関係)、搬送速度(処理時間)によって大きく左右されてしまう。例えば、被処理物の形状によっては、該被処理物の被処理面において、殺菌のために飛来してくる電子線に対して影となってしまう部分が生じてしまう。また、被処理物の保持位置と照射される電子線との位置関係によっても、被処理物の被処理面において上記影となってしまう部分が生じる。このような影となる部分には、電子線が入射しない、ないしは入射量が他よりも低減されてしまう。これにより、被処理物内においても処理にばらつきが生じる。また、例えばブロー成形によって製造した樹脂製容器のような厚さが一様でない中空形状の被処理物の内側を殺菌処理する場合には、口部といった厚い部分の内側の吸収線量が小さくなる。即ち、被処理物自体の構造上の特徴に起因するばらつきも存在する。このように特許文献1〜4に係る処理方法では種々の要因により吸収線量が小さい部分が生じる。そのような箇所にも十分な線量を供給して殺菌を確実に実施するために電子線の強度を強くすることも考えられるが、その場合は被処理物の別の箇所には過剰に電子線が照射されて被処理物に電気的、物性的なダメージを与えるという別の問題が生じる。
特許文献4に開示された技術では、電子線33を偏向させることにより肉厚となる口部31bの内側にも十分に電子線を入射させる手段を提供している。しかしながら、この技術では電子線33を偏向させる手段として磁界発生器34が必要となる。大気中で電子線33の軌道を偏向するためには強磁界が必要であり、磁界発生器34は大型で複雑な装置構成となる。また、磁界発生器34の一部は電子線33の軌道上に配置される。そのため、電子線33が磁界発生器34に照射されることにより、磁界発生器34が損傷を受け、頻繁なメンテナンスや部材交換等が必要となる。これらの理由により特許文献4に開示された技術は簡便なものではなく、高コストであることが問題である。また、電子線33を口部31b側に十分に偏向させるために磁界発生器34にて発生させる磁界の強度を上げると、磁界発生器34の周囲に存在する他の装置が強磁界により悪影響を受けてしまうかもしれない。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、電子線による物理的なダメージを軽減し、低コストで簡便な構成で、被処理物の口部における微生物の不活化処理を良好に行うことができる電子線照射による不活化方法および処理装置を提供することにある。
このような目的を達成するために、本発明の一態様は、電子線照射による不活化方法であって、電子線が照射されるように構成された処理室内に、開口部を有する中空形状の被処理物を配置する工程と、配置された被処理物を含む領域に対して電子線を照射し、気流生成部により生成された気流により、該領域に照射された電子線によって励起された所定のガスを、少なくとも被処理物の開口部に対して供給する工程とを有することを特徴とする。また、本発明の第2の態様は、開口部を有する中空形状の被処理物に付着した微生物の不活化を行うための処理装置であって、処理室と、処理室内に電子線を照射する電子線照射部と、処理室内に設けられ、電子線が照射される位置に被処理物を保持するための保持部と、気流を生成する気流生成部とを備え、被処理物に対して不活化を行う際には、保持部と気流生成部とは、電子線照射部により処理室内に照射された電子線により励起された所定のガスが気流により保持部により保持された被処理物の開口部に供給されるように設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、電子線による物理的なダメージを軽減し、低コストで簡便な構成で、被処理物の口部における微生物の不活化処理を良好に行うことができる電子線照射による微生物の不活化処理を行うことができる。
従来の、電子線照射を被処理物に照射して殺菌する装置の概略図である。 従来の、電子線照射を被処理物に照射して殺菌する装置の概略図である。 従来の、電子線照射を被処理物に照射して殺菌する装置の概略図である。 従来の、電子線照射を被処理物に照射して殺菌する装置の概略図である。 本発明の一実施形態に係る、微生物を不活化させる処理装置の模式図である。 本発明の一実施形態に係る、微生物を不活化させる処理装置の模式図である。 本発明の一実施形態に係る、微生物を不活化させる処理装置の模式図である。 本発明の一実施形態に係る処理装置における、被処理物とガスノズルの位置関係を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る処理装置における、被処理物とガスノズルの位置関係を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る処理装置における、被処理物とガスノズルの位置関係を示す模式図である。 本発明の第1の実施例に係る、微生物を不活化させる試験設備の模式図である。 本発明の一実施形態に係る、電子線によって励起された所定のガスを発光分光分析により計測した結果を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明するが、本発明は本実施形態に限定されるものではない。なお、以下で説明する図面で、同機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略することもある。
本発明では、菌類、真菌類、ウイルスといった微生物の不活化を行う際に、電子線を被処理物に照射するとともに、電子線によって励起させたガスを被処理物に供給するという単純な機構を設けることで、電子線単独の処理(すなわち、電子線の被処理物への直接照射のみによる処理)よりも大幅に(好ましくは、滅菌レベルで)不活化の効果を向上できるという、従来にない新たな知見を得ている。
また、上記の方法を実施することで、電子線を直接照射して不活化を行う従来の方法においては電子線が被処理物表面に直接到達できない部分(例えば、被処理物の形状や被処理物の配置方法等に因り生じる影の部分や、被処理物の電子線が照射される側の面と反対側の面など)の不活化処理が可能であるという知見を得ている。
例えば、特許文献2、3に記載されているような従来の方法(図1、2参照)では、電子線が照射される面と反対側の面を殺菌する場合には、電子線の線量率を大きくしなければならず、その分電子線による被処理物へのダメージが生じてしまう。特許文献3に係る図2を用いてより詳細に説明すると、被処理物である樹脂製容器21の外側から電子線23を照射して殺菌を行うので、樹脂製容器21の内側の壁面については電子線23が直接照射されるわけではない。従って、電子線23を樹脂製容器21の内側の壁に作用させて殺菌するためには、高加速電圧により電子線を発生させて電子線23の線量率を大きくし樹脂製容器21を透過させる必要がある。しかしながら、電子線23の線量率を大きくすると該電子線23により樹脂製容器21にダメージを与えてしまうことがある。これに対して本発明は電子線を被処理物に直接照射するだけではなく、電子線によって励起されたガスも併用して不活化処理を行うものである。そのため、電子線23の線量率を必要以上に大きくすることがなくなるので、被処理物への電子線に起因したダメージ発生を低減することができ、処理の歩留まりを向上することができる。
また、特許文献4に記載されている従来の方法(図3、4参照)では、電子線33を偏向させることにより肉厚となる口部の内側にも十分に電子線を入射させる手段を提供しているものの、電子線を偏向させる手段として磁界発生器34が必要である。磁界発生器34は例えば、コイルを用いた電磁石等により実現可能である。しかしながら、大気中で電子線33の軌道を偏向する程の力を電子に及ぼすためには強磁界が必要であり、磁界発生器34は大型で複雑な装置構成となる。また、磁界発生器34の一部は電子線33の軌道上に配置される。そのため、電子線33の照射により磁界発生器34が損傷を受けることになり、頻繁なメンテナンスや部材交換等が必要となる。これらの理由により特許文献4に開示された技術は前述した内側の壁面の殺菌に係る問題の解決には貢献するものの、高コストであるという問題がある。更に、上記の通り、磁界発生器34で発生する磁界は電子線33を十分に偏向させるために強度を上げる必要があるかもしれず、それにより、磁界発生器34の周囲にある他の装置が悪影響を受けてしまうかもしれない。
このように本発明の一実施形態は、菌類、真菌類、ウイルスといった微生物が表面に付着する可能性がある被処理物に対して、その被処理物の形状および該被処理物の保持方法によらず、上記微生物を不活化させ(微生物の数を所定の割合まで減少させ(好ましくは、滅菌レベルまで減少させ))、かつ被処理物への電子線起因のダメージを防止ないしは低減させることを低コストに実現するものである。
さて、上述のように、本発明では、微生物を不活化して、不活化処理をする前に存在する微生物の数よりも該微生物の数を減少させることができる。すなわち、本実施形態では、微生物の初発菌数を、所定の割合以下に減少させることができる。このとき、本発明の一実施形態では、上記不活化の程度を、滅菌レベルにすることができる。本明細書において、ある特定の微生物の初発菌数を1/1000000(百万分の一)以下に減少させる行為を「滅菌」として定義する。
(第1の実施形態)
本実施形態に係る、微生物を不活化させる処理装置の模式図を図5および図6に図示する。図5は処理装置を一方の側面から見た断面図であり、図6は図5に対して向かって右(即ちガスノズル110が伸びている側)の側面から見た断面図である。ここで、図5および図6において、同一の構成要素には同一の番号が付されている。
図5および図6において、微生物を不活化させる処理装置100は、電子線照射装置101と、処理室102とを備える。
電子線照射装置101は、電子線を発生する電子線発生部103と、該電子線発生部103で発生した電子線を加速する加速器104と、該加速器104にて加速された電子線を外部に電子線113として出射する照射部105とを有する。上記電子線発生部103は、電子線照射装置101の中央部に位置するターミナル103aと、熱電子を放出するフィラメント103bとを有する。また、照射部105は、電子線発生部103にて発生された電子線を通過させて電子線照射装置101の外部に放出するための開口部105aと、該開口部105a内に設けられ、電子線照射装置101の内部(真空雰囲気)と処理室102の内部(大気雰囲気)とを仕切るが、電子線を通過させるように構成された仕切り部105bを有する。該仕切り部105bの構成材料としては、例えばチタン箔など、電子線照射装置101内の真空雰囲気を維持でき、かつ入射した電子線の少なくとも一部を透過させるものであれば、いずれを用いても良い。
処理室102は、電子線を発生させるための電子線照射装置101とは別個に設けられ、該別個に設けられた電子線照射装置101から放出された電子線113が照射され、該電子線113によって励起されたガスを用いて被処理物107に付着した微生物の不活化処理を行う構成である。該処理室102のある壁には開口部112が設けられている。上記照射部105が開口部112に嵌合されることにより、電子線照射装置101と処理室102とが連結され、電子線発生部103から発生した電子線113が仕切り部105bを介して処理室102内に照射される。
処理室102の内部には、被処理物107を保持箇所107aで保持するための保持部106と、ガス供給源(図示せず)と、該ガス供給源に接続され、該ガス供給源から供給されたガスを先端部110aより放出するガスノズル110とが設けられている。
供給するガスとしては、例えば窒素、酸素、炭酸ガス、過酸化水素ガス、アルゴンガス、水蒸気単体やこれらの混合ガスを用いることができる。混合ガスの例としては例えば大気をそのまま用いてもよい。
なお、本実施形態において、被処理物107は飲料等の液体を封入するために用いられる円筒形の胴部を持つ中空の樹脂製容器であって、図面ではその一端に樹脂製容器の胴部よりも細く、被処理物107の中空部と外部とを連通する開口部(口部)107bを有する形状(飲料用容器に広く用いられているポリエチレンテレフタレート製ボトルの形状)である場合を例として説明するが、この形状に必ずしも限定すべきものではない。すなわち、本実施形態では、非処理物107の形状は、開口部107bを有する形状であればいずれであっても良い。
被処理物107は搬送機構を有する保持部106により、図5においては記号R(紙面手前から紙面奥方向の向きを示す)の向きに紙面手前から奥方向に向かって搬送される。図5の処理装置100を90°回転して右から見たものに相当する図6においては、矢印P(紙面向かって左から右)の向きに搬送される。このように、被処理物107は保持部106に保持されて搬送される。そして、被処理物107が電子線照射装置101の照射部105に近づいたときに電子線照射処理が行われる機構となっている。
本実施形態では、被処理物107は、開口部107bを有する中空体容器である。放出されたガス122(以下、供給ガス122と呼ぶ)は被処理物107内に流入するように開口部107bに向かって噴射される。
図5および図6において、ガスノズル110は、保持部106に保持された被処理物107の開口部107bと対向する位置に設けられており、ガスノズル110から放出された供給ガス122の流れ(気流)に電子線113が入射するように、ガスノズル110は位置決めされている。すなわち、保持部106に保持された被処理物107の開口部107bとガスノズル110との間に電子線113の照射領域が位置し、かつ保持部106に保持された被処理物107の全部分も上記電子線113の照射領域中に位置するように、保持部106、被処理物107およびガスノズル110が設けられている。従って、被処理物107には、ガスノズル110から矢印方向に沿って放出された供給ガス122であって、電子線113により励起された供給ガス122が供給される。すなわち、電子線113により励起され、ガスノズル110により形成された気流により被処理物107に吹き付けられた供給ガス122は、開口部107bを通過し、被処理物107の中空部に供給される。これにより、該電子線113により励起され、かつ吹き付けられた供給ガス122は、開口部107bの内面に接し、さらに中空部の内面に接する。このとき、開口部107bから被処理物107の内部に侵入した供給ガス22は、旋回流を形成することもある。すなわち、開口部107bの内面は、電子線113によって励起された供給ガス122に曝される。また、被処理物107の中空部の内面も上記励起された供給ガス122に曝される。
なお、本実施形態では、上述のように、電子線113が照射された領域に、保持部106に保持された被処理物107の開口部107b側に設けられたガスノズル110からガスを吹き付けている。従って、被処理物107には、電子線113によって励起された供給ガス122が吹き付けられることになる。また、本実施形態では、処理室102内が大気雰囲気やあるガスの雰囲気である場合は、電子線113により大気雰囲気やあるガスの雰囲気として存在していたガス124も励起されても良い(以下、雰囲気ガス124と呼ぶ)。その場合には、ガスノズル110から供給ガス122が吹き出していることによりガスの流れが形成されているので、上記の過程で励起された雰囲気ガス124も励起された供給ガス122と共に被処理物107に吹き付けられる。従って、被処理物107には、ガスノズル110により形成された気流により、電子線113によって励起された所定のガスが供給されることになる。このように供給された励起された所定のガスは、被処理物107においては開口部107bにまず供給され、後に中空部に供給される。よって、ガスノズル110は、励起された所定のガスを、少なくとも開口部107bに供給することになる。
本明細書において、「励起された所定のガス」とは、ガスの種類を問わずに、電子線によって励起されたガスを指す。従って、本実施形態では、上述のように供給ガスは電子線113によって励起されるので、該励起された供給ガス122は励起された所定のガスに含まれる。また、上述のように雰囲気ガス124も電子線113によって励起されても良い。この場合も、励起された雰囲気ガス124は励起された所定のガスに含まれる。また、励起された所定のガスは、励起された1種類のガスのみを指すものではなく、励起された2種類以上の混合ガスをも指す。すなわち、励起された所定のガスとは、電子線によって励起された少なくとも1種類以上のガスを含むものである。
このように、本実施形態では、励起された所定のガスは、ガスノズル110から供給された供給ガス122を電子線113によって励起することにより得られたガスであっても良いし、雰囲気ガス124を電子線113によって励起することによって得られたガスであっても良いし、それら双方を電子線113によって励起することによって得られたガスであっても良い。すなわち、励起された所定のガスは、電子線照射装置101から照射された電子線113により励起されたガスであり、この励起された所定のガスは、ガスノズル110により形成されたガスノズル10から、保持部106に保持された被処理物107の開口部107bに向かう気流により、該開口部107bに吹き付けられる。よって、ガスノズル110は、電子線113により励起された所定のガスを保持部106に保持された被処理部107の開口部107bに向かって流す気流を生成する気流生成部として機能する。
本実施形態では、被処理物107へのガスを供給するガス供給部としての、ガス供給源およびガスノズル110を既存の電子線照射装置に取り付けることができ、経済的に安価に処理装置100を構成することができる。ガスノズル110の例としては、市販のガス噴出ノズルを用いることができ、被処理物107の形態(物理的形状)に応じて、たとえば、直線上にガスが噴出されるガスノズル、拡散状にガス噴出されるガスノズルを用いることができる。また、ガスノズルの種類としては、単孔を有する市販のガスノズル(片側解放のパイプ形状)や多孔を有する市販のガスノズル(噴出エアーがパターニングできることが好ましい)等を用いることが好適である。これらガスノズルは上記処理室102内に配置されるため、電子線照射や生成する励起ガスによる経年劣化を避けるため、金属製のものを用いることが好ましい。ガスノズルを用いることで、ノズルを細くすることでガスの流速を速くして確実に被処理物内にガスを供給するといった流量や流速の調整が可能である。本実施形態では、ガスの供給手段として、ガスノズルを例示したが、被処理物107、被処理物の開口部107b、および被処理物の内面にガスを供給することが可能であれば良く、ガスノズルに必ずしも限定されるものではない。例えば、送風ファンなどを用いることが可能であり、その場合、ガス供給源が不要となる利点がある。
ガスノズルを電子線が直接照射されない位置に配置した変形例を図7に示す。図7に係る変形例では、電子線113が照射される領域の外側にガスノズル110およびガスノズルの先端部110aを配置している。この構成にすることで、ガスノズル110に直接電子線113が照射されなくなる。また、電子線113により励起された雰囲気ガス124は、電子線113が照射される領域に多く存在するので、励起した雰囲気ガス124に曝されることを低減することができる。そのため、電子線113または励起した雰囲気ガス124による腐食等のガスノズルの経年劣化が低減され、ガスノズルの交換頻度を少なくし、メンテナンスのコストを低減することが可能となる。
次に、ガスノズル110と被処理物107の詳細な位置関係について説明する。
ガスノズル110と被処理物107の位置関係を図8〜図10に示す。図8〜図10はいずれも(a)および(b)の2つの図からなる。いずれの図においても、(a)は被処理物107を開口部107bの側(即ち、図6と同じ視点)から見た図であり、(b)は被処理物107を側面(即ち、図5と同じ視点)から見た図である。これらの図において、被処理物107を矢印P方向または記号R方向に搬送しながら、ガスノズル110から被処理物107にガスを供給する途中における、被処理物107とガスノズル110の位置関係を図示している。これらの図では、ガスを供給するガスノズル110を固定し、被処理物107を搬送するという例により、供給されるガスと被処理物107(特に開口部107b)の位置関係の規定を説明している。しかしながら、吹き付けられるガスと開口部107bの位置関係が重要であるので、例えば、ガスノズル110と、被処理物107はどちらも固定されていても良く、ガスノズル110の方が搬送されても良く、ガスノズル110と、被処理物107の両方がそれぞれ搬送されても良い。いずれであっても、ガスノズル110によってガスを吹き付ける方向と位置が規定され、吹き付けられたガスが被処理物107の開口部107bを通過するように、ガスを吹き付ける方向と位置が設定され、かつ被処理物107が配置されていることが重要である。そうすることで、電子線113によって励起された供給ガス122または雰囲気ガス124が中空部を有する被処理物107の内部に効率よく流入する。これにより、効率よく被処理物107の内面の微生物の不活化が行われる。
図8は、被処理物107が搬送され、ガスノズル110の先端部110aの近傍を通過する際に、被処理物107の円形で面状の開口部107bの中心がガスノズル110の中心軸の延長線上を通過するように配置した図である。また図8においては、被処理物107の開口部107bは面状であり、ガスを吹き付ける向きが開口部107bの面に対して垂直となるようにガスを吹き付ける方向と位置が規定されている。このように配置することにより、被処理物107の開口部107bがガスノズル110の中心軸の延長線上を通過するときに、電子線113によって励起された供給ガス122または雰囲気ガス124が中空部を有する被処理物107の内部に最も効率よく流入する。流入したガスは被処理物107の内部で滞留することなく旋回流を形成しながら流動する。これにより、効率よく被処理物107の内面の微生物の不活化が行われる。
図9は、被処理物107が搬送され、ガスノズル110の先端部110aの近傍を通過する際に、被処理物107の円形で面状の開口部107bの中心がガスノズル110の中心軸の延長線上を通過しないようにずらして配置した図である。また図9においては、被処理物107の開口部107bは面状であり、ガスを吹き付ける向きが開口部107bの面に対して垂直となるようにガスを吹き付ける方向と位置が規定されている。このように配置することにより、被処理物107の開口部107bがガスノズル110の中心軸の延長線上を通過するときに、電子線113によって励起された供給ガス122または雰囲気ガス124が中空部を有する被処理物107の内部に流入する。流入したガスは被処理物107の内部で滞留することなく旋回流を形成しながら流動する。被処理物の形状にもよるが、上述のように敢えて開口部107bの中心がガスノズル110の中心軸の延長線上を通過しないように配置した方が、該旋回流の形成がより促進される場合がある。これにより、効率よく被処理物107の内面の微生物の不活化が行われる。
図10は、被処理物107が搬送され、ガスノズル110の先端部110aの近傍を通過する際に、ガスノズル110の中心軸が被処理物107の円形で面状の開口部107bに対して斜めになるように配置することで、開口部107bに対し斜めからガスを流入されるようにした配置を示す図である。即ち、被処理物107の開口部107bは面状であり、ガスを吹き付ける向きが前記開口部の面に対して斜めとなるようにガスを吹き付ける方向と位置が規定されている。このように配置することにより、被処理物107の開口部107bがガスノズル110の中心軸の延長線上を通過するときに、電子線113によって励起された供給ガス122または雰囲気ガス124が中空部を有する被処理物107の内部に流入する。流入したガスは被処理物107の内部で滞留することなく旋回流を形成しながら流動する。被処理物の形状にもよるが、上述のようにガスノズル110の中心軸が被処理物107の開口部107bに対して斜めに配置することで、開口部107bに対し斜めからガスを流入させた方が、該旋回流の形成がより促進される場合がある。これにより、効率よく被処理物107の内面の微生物の不活化が行われる。
図8〜図10のいずれの構成も被処理物107の内面の微生物の不活化という本発明の効果の一つを奏するものであるが、被処理物の形状、ガス流量、ガス種などの種々の条件によって、ガスの流動状態が変わるため微生物の不活化の程度も変化する。これに鑑みて、前述の種々の条件に基づいて最も効率よく不活化を実現する被処理物107とガスノズル110の配置をこれらの構成の中から選択することが可能である。
また、図8〜図10においては、被処理物107が搬送されながらガスを供給する構成を例示しているが、被処理物107の搬送を止めて静止した状態でガスを供給しても良い。また、本実施形態では、電子線113により励起された所定のガスを、ガスノズル110から放出されるガスにより形成された気流により、少なくとも開口部107b(好ましくは、開口部107b、および被処理物107の中空部)に供給することが重要である。よって、電子線113により励起された所定のガスが少なくとも開口部107bに供給できるのであれば、ガスノズル110を、処理室102に固定して静止しても良く、所定の範囲内で移動させても良い。例えば、ガスノズル110を被処理物107と共に搬送することにより、より長時間のガス供給が可能となり、微生物の不活化をより確実に行うことが可能である。
また、本実施形態では、ガスノズル110から噴出される供給ガス122として、窒素、酸素、炭酸ガス、過酸化水素ガス、アルゴンガス、水蒸気単体、またはこれらの少なくとも2つ以上を含む混合ガスが好適に用いられるが、これらのガス種が選択される理由としては、ランニングコストが安価ということが挙げられる。本実施形態の不活化処理が行われる処理室102内は通常、大気圧雰囲気若しくはオゾン等の副生成物を処理室102外へ排気するために、大気圧もしくは弱減圧雰囲気に保持されているが、不活化処理を実現するために、処理室102内がこれらのガス種で完全に置換されている必要はない。すなわち、処理室102内の少なくとも一部を上記ガス種で置換すれば良い。例えば、少なくとも、不活化処理を行う際に処理室102内に配置された被処理物107近傍の領域(不活化処理時に被処理物107が配置される位置の近傍)を上記ガス種で置換すれば良い。
さらに、処理室102の圧力が大気圧近傍の圧力であっても良く、例えば若干の陽圧であっても本発明の効果が著しく損なわれるものではない。
さらに本実施形態では、被処理物107への励起種等の作用量をモニタリングする方法として、発光分光分析(OES)法を用いることができる。発光分光分析法では、電子線によって励起されたガス種の種類、エネルギー準位を同定することができる。本実施形態の発光分光分析で好適に利用(モニター)される発光励起種としては、窒素第二正帯(second positive band system)に帰属する波長281.4〜497.6nmの範囲のバンドスペクトル(N )、第一負帯(first negative band system)に帰属する329.2〜586.4nmのバンドスペクトル(N )、励起状態の原子状酸素(atomic oxygen:O)に帰属するラインスペクトル(777.4nm)などが挙げられるが、この限りではなく、選択されるガス種、ガス供給量、電子線照射条件(加速電圧等)によって、適宜、選択することができる。
なお、本実施形態におけるOES装置は被処理物107への励起種等の作用量をモニタリングできるように、処理室102の内部に配置することができる。OES装置は、安価に入手が可能な市販の分光器(測定波長範囲200〜1100nm程度)が好適に利用可能である。
次に、本実施形態における不活化処理の動作について説明する。
電子線照射装置101は、電子線発生部103の中央部に位置するターミナル103aのフィラメント103bに電流を流すことにより熱電子を発生させ、該発生した熱電子を加速器104で加速させ、該加速された電子線を電子線発生部103(真空雰囲気)と処理室102(大気雰囲気)とを仕切る窓箔としての仕切り部105bを透過させる。これにより、処理室102内に電子線113が出射される。なお、電子線発生部103はここでは図示しないポンプ等により10−4〜10−5Paの真空に排気・保持されている。一方、処理室102内は大気圧もしくは図示しない排気ドラフトによって弱減圧に保持されている。上述の通り、この処理室102の雰囲気は大気(空気)でも、窒素等の供給ガスの雰囲気に置換された状態でもよく、周囲雰囲気によって本発明の効果が著しく損なわれるものではない。
電子線照射装置101から処理室102内に出射した電子線113は、被処理物107の外側面に照射される。この電子線113により、被処理物107の外側面に付着した微生物が効果的に不活化される。また、電子線113の一部は被処理物107を構成する樹脂などの材料により吸収され被処理物の内部に到達しないが、一部は中空体容器である被処理物107を透過するので、被処理物107の内側面に付着した微生物を不活化する効果もある。
前段落の作用に加えて、更に以下のようなメカニズムでの微生物の不活化が起こる。処理室102内に出射した電子線113は、処理室102内の空気などガス分子によって散乱され、そのエネルギーを失いながら図3の紙面下方に向かう。その途中、処理室102内に設けられたガスノズル110から噴出する供給ガス122にそのエネルギーの一部が吸収され、供給ガスの少なくとも一部が励起、イオン化され、さらに活性種が生成される。すなわち、本実施形態では、電子線113の照射領域を横切るように供給ガスが供給され、かつ該横切った供給ガスの流れの先に被処理物107が位置するように、保持部106およびガスノズル110が位置決めされている。従って、ガスノズル110から噴出された供給ガス122自体が励起され、励起された供給ガス122となって被処理物107に吹き付けられる(供給される)。
なお、この場合、励起ガスの原料としてガスノズル110から供給されるガスは、経済性(ランニングコスト)を考慮して、連続的に噴出せずに一定期間毎のパルス状(断続的)に噴出させるようにしてもよい。また、前述の一定時間毎のパルス状の噴出は例えば被処理物107が保持部106により搬送され電子線113の照射領域を横切るタイミングと同期するように噴出のタイミングが設定されていてもよい。
上述のようにして生成された励起された供給ガスが被処理物107に供給されることにより、該被処理物107に付着した微生物の不活化処理を行うことができる。本実施形態では、被処理物107が、中空体容器(例えば、飲料用ボトルや薬品の容器等)であるので、ガスノズル110から被処理物107の開口部(中空体の口部)107bに向かって供給ガス122を噴出することで、励起された供給ガス122により開口部107bの内面に付着した微生物の不活化処理が行なわれる。また、開口部107bを通過し、被処理物107の中空部に供給された、励起された供給ガス122により、該中空部の内面に付着した微生物の不活化処理も行われる。すなわち、励起された供給ガス122が被処理物107の内部に供給され、該被処理物107の内表面(内側の壁)を斑なく不活化処理(例えば、滅菌処理)することが可能である。特に、保持箇所107aの内表面は保持部106により影となるため電子線113による不活化が難しい部位であるが、本実施形態によれば、励起された供給ガス122は直接吹き付けられて保持箇所107aの内表面に到達し効果的に不活化が行われる。また、被処理物107の開口部側から励起された供給ガスが吹き付けられているが、これらはガスであるので被処理物107の外側にも漂うことになる。従って、被処理物107の外表面(外側の壁)についても励起された供給ガスを作用させることができ、外表面における不活化処理をも行うことができる。
さて、上記不活化処理が実現できる理由としては、供給ガス(あるいは雰囲気ガス)が電子線によって励起状態となり、様々な活性種を生成、これら活性種が微生物の不活化に有効であることが挙げられる。
励起状態のガスとしては、例えば、窒素励起種(N )、窒素イオン(N )が、活性種としては酸素ラジカル(O・)、水酸化ラジカル(OH・)、一酸化窒素ラジカル(NO・)といった酸化性活性種の生成が発光分光分析法によって確認されており、さらにこれら励起種、活性種と気体原子、分子との反応によって、副生成物としてオゾン(O)、窒素酸化物(NOx)、一酸化炭素(CO)などの生成が確認されている。
上記のような生成物の存在を考慮すると、酸素分子への電子付着によってスーパーオキシドアニオン(O )、電子衝突励起によって励起一重項酸素分子()といった高酸化性ガスが生成されていることが予想され、また、生成した励起種がさらに周囲のガス原子、分子にエネルギーを付与し、新たな活性種を生成するといった気相化学反応が進行しているものと推察される。
これら励起種、イオン化されたガス体、活性種が各々単体ではなく、複合してシナジー的に作用することで、微生物が不活化に至ると考えられる。
これらのガス体を生成するにあたっては、電子線を50kVから500kVまでの範囲内の加速電圧で発生させて、供給ガスに照射することが好ましい。加速電圧が50kV未満であると、電子線発生部103(真空雰囲気)と処理室102(大気雰囲気)とを仕切る、チタンなどの金属箔である仕切り部105bを電子線が透過することができずに、被処理物107に吹き付けられるガスを十分に励起することができなくなる恐れがある。一方、加速電圧が500kVを超えるとその電圧を発生させるための高圧トランス電源、絶縁部材等が大型となってしまい、装置のイニシャルコストが上がってしまう。
なお、供給ガスとして使用するガス種によってその励起エネルギーはそれぞれ異なるが、概ね5eV以上のエネルギーを有する電子線113がガスノズル110から噴出されるガス分子に衝突するような構成、条件とすればよい。このため、上記範囲の加速電圧で電子線を発生させることで、必然的にその目的を達成することができ、励起種、イオン種、活性種を生成して、被処理物107に作用することが可能となる。
ここで、本明細書において、「励起されたガス(例えば、励起された所定のガス、励起された供給ガス、励起された雰囲気ガスなど)」とは、上記励起種、イオン種、および活性種の少なくとも1つを含むものを指す。
本実施形態においては、上述のように処理室102内の雰囲気は大気(空気)または特定のガス雰囲気(例えば、供給ガス)に置換した状態の何れでも、用途に応じて適宜、選択実施することができる。前者大気(空気)雰囲気の場合、噴出ガスのみならず、空気も励起されて、噴出ガスに巻き込まれて被処理物107に吹き付けられ、被処理物107表面の不活化処理(例えば、滅菌処理)が可能である。また、後者の特定のガス雰囲気(例えば、供給ガス雰囲気)の場合、所望の不活化処理(例えば、滅菌処理)に応じて、適宜、雰囲気を制御して、例えば、雰囲気置換ガスと供給ガス(励起ガス)とを同一とすることで、純粋な供給ガスの励起ガスを被処理物107に作用させることができる。一方、雰囲気置換ガスには窒素、供給ガスには酸素といったように、異なる種類を選択することで、電子線113の空間中での散乱、エネルギーロスを抑え、供給ガスの励起を効率的に行うことができ、不活化の効果を向上させることができる。
このように、本実施形態では、被処理物に電子線を直接照射し、該被処理物に直接照射された電子線の作用によって不活化を行うことに加えて、電子線113により励起された所定のガスを供給することにより不活化を行っている。従って、供給ガス122の気流方向に対して影となる領域があったとしても、励起された所定のガスはその領域に回りこんで入射することができる。そのため、被処理物107の所定の面について不活化を行うことができる。よって、被処理物107の形状や保持方法によらず、均一に微生物を不活化することができる。
また、ガスノズル110により電子線113により励起された所定のガスを開口部107bに供給している。従って、従来技術のように磁界発生器を用いて電子線を偏向させるといった大型で複雑な装置構成を用いることなく、ガスを吹き付けるという単純な機構を用いるだけで、電子線113の強度を上げなくても、肉厚な開口部107bの内面に対して不活化処理を施すことができる。
また、本実施形態では、微生物の不活化のために被処理物107の保持箇所107aの内表面の電子線が直接到達するように保持箇所107aや保持部106を透過するほどの強力な電子線を入射する必要がなく、被処理物107への電気的、物理的ダメージを低減することができる。
また、本実施形態では、電子線113を、従来のように直接被処理物107に入射して不活化を行うだけのために用いておらず、供給ガス122(あるいは、雰囲気ガス124)を励起するためにも用いている。従って、本実施形態では、より強い殺菌、滅菌のため、および/または、電子線113を被処理物107や被処理物の保持箇所107a付近の壁面を透過させるために電子線113の線量率を大きくすることは必須ではない。従って、加速電圧を大きくすることも必須では無い。すなわち、低加速電圧であっても、被処理物107に対して良好な不活化処理を施すことができる。よって、電子線照射装置101の大型化を回避することができる。また、電子線113の線量率を小さくしても、十分に高品位な不活化処理を行うことができ、その程度も滅菌レベルまで向上させることができる。従って、電子線113の線量率を小さくすれば、被処理物107に入射する電子線113による被処理物107のダメージを小さくすることができる。これにより、被処理物107の材料が電子線に弱いものであったとしても、被処理物107の崩壊、変形等の不良が起こることなく電子線処理による不活化方法を適用することが可能になる。
また、本実施形態では、何かしらのガスに電子線113を照射して、不活化に寄与する励起された所定のガスを生成している。従って、ガスが存在しそこに電子線が入射しさえすれば、不活化に寄与するもの、すなわち励起された所定のガスを生成することができる。処理室102内に放出された供給ガス122は、気体であるので、処理室102内で拡散する。従って、不活性化に寄与するものを生成するための励起空間を規定するための物理的な部材(例えば、電極等)を設ける必要がなく、上記励起空間を広く取ることができる。すなわち、処理室102内のガスが存在する領域であればいずれの領域を励起空間とすることができる。
また、本実施形態では、電子線113によって励起された所定のガスを生成しているので、ラジカル密度を大きくすることができる。すなわち、電子線113によりガスを励起しているので、励起エネルギーを例えば150eVとすることもできる。このように電子エネルギーをガスの励起、イオン化断面積のエネルギー程度に設定することにより、励起された所定のガスの不活化に寄与する因子(励起種、イオン種、活性種など))の密度を多くすることができる。よって、不活化のレベルを滅菌レベルまで高めることができる。
(実施例)
図11の装置により、滅菌評価を行った。
電子線照射装置101では、フィラメント103bとターミナル103aに形成されたグリッドとの間、および該グリットと窓箔としての仕切り部105bとの間にそれぞれ図示しない高圧電源が接続されており、50kVから500kVまでの範囲で加速電圧が印加されて、電子線が加速される。このような加速電圧範囲とすることで、電子線113の照射領域に存在する雰囲気ガス124を十分励起でき、確実な滅菌処理が実現できる。
本実施例の試験では、電子線照射装置101として岩崎電気製の電子線処理装置、型式EC300/30/30mAを用い、被処理物107としてポリエチレンテレフタレート製の中空体容器(プリフォーム)を準備した。そして、被処理物107の内表面全域に滅菌評価のための生物インジケータ(biological indicator)として、黒カビ(Aspergillus niger)胞子を10個スプレー塗布、乾燥させた。
(第1の実施例)
第1の実施例の処理方法としては、図11の概略図に示すように被処理物107である中空体容器を開口部が上方にくるように縦置きで保持部204に並べて設置した。そして、保持部204と一体型のガス供給部201から窒素ガスもしくは空気を供給ガス203として流量25リットル/分で噴出させながら、加速電圧150kV、ビーム電流25.4mAの電子線113を発生させて励起空間205を形成した。この状態で、供給ガス203を被処理物107の内表面に吹き付けながら、保持部204全体を10m/分の速度で矢印方向Qに移動して被処理物107を励起空間205内に進入させ、該進入後に矢印方向Qと反対側に移動させて、保持部204を一往復させた。なお、処理室102内は大気雰囲気であった。
処理後、被処理物107内表面に付着した黒カビ胞子を滅菌綿棒で擦り取り、胞子の凝集を防ぐ目的で界面活性剤を加えた滅菌水中入り試験管に綿棒を回収し、振動ミキサーでよく攪拌して黒カビ胞子を溶出させたものを縣濁液とした。その縣濁液を必要に応じ段階希釈し、寒天平板混釈法にて生菌数を判定して滅菌可否の判定を行った。培地にはPDA(ポテトデキストロース寒天培地)を用い、培養は25℃の恒温槽で3日間培養した。
ガス噴出のみで黒カビ胞子が被処理物107である容器内表面から剥離、飛散しているかどうかを調べる目的で、第1の比較例として、電子線113を発生させずに、供給ガス203のみを噴出し、被処理物107の内部へ吹き付けて、処理を行い、上記手順で黒カビ胞子を培養、生菌数を評価した。
第2の比較例として、供給ガス203の供給を行わず、加速電圧150kV、ビーム電流25.4mAの電子線113のみを発生させ、電子線113にて励起空間205を形成し、黒カビ胞子の生菌数を評価した。
表1に第1の実施例、第1の比較例、および第2の比較例のキルレート結果をまとめた。なお、本明細書において、「キルレート」とは、微生物の数の対数減少率を表し、キルレート=Log10(初発菌数÷減少後の生菌数)であって、初発菌数に対する減少後の菌数の割合の桁数を示す。従って、例えば、キルレートが「6」である場合は、生菌数が1/10に減少したことを示す。
Figure 0006041744
表1から分かるように、第1の実施例である電子線113および供給ガス203を用いて処理を行った場合、供給ガスとして窒素、空気何れを用いた場合においても、キルレートが6.0以上、すなわち、初発の黒カビ胞子数10の桁数が6桁以上減少しており、滅菌処理を実現できていることが判明した。一方、第1の比較例の供給ガスのみを照射した場合においては、初発菌数と比較して菌数の減少は認められなかった。この結果より、ガス吹きつけのみではカビ胞子の剥離、飛散はないことが実証された。また、第2の比較例の電子線照射のみでは、キルレートが1.8と若干の殺菌効果は認められたものの、キルレートが6以上となる滅菌処理は不可であった。
以上の結果を考察するために、電子線113発生中の被処理物107としての中空体容器内部へ吹き付けられるガス(励起された所定のガス)の励起状態(発光励起種の有無)を、市販の発光分光分析器(オーシャンフォトニクス製Maya2000Pro)をOES装置111として用いてモニタリングした。
計測結果を図12に示す。
図12の計測結果より、窒素第二正帯(second positive band system)に帰属する波長281.4〜497.6nmの範囲のバンドスペクトル(図中、N と表示)、第一負帯(first negative band system)に帰属する波長391.4nmのスペクトル(図中、N と表示)、原子状酸素(777.4nm)のピークが確認でき、励起、イオン化された窒素分子や原子状酸素が、被処理物107近傍で生成されていることが確認できた。また、これらの励起種は数マイクロ秒以内に失活(下準位に遷移)することが知られており、ガスの流れにのって被処理物107の最深部(底部)までは到達していないことが推測されるが、別のガス原子・分子にエネルギーを転化して、非発光の励起種、活性種が生成されて、黒かび胞子表面に作用し、不活化(滅菌)されているものと考えられる。
この根拠として、被処理物107の容器底部から生成ガスを北川式検知管でサンプリングした結果、オゾン(O)が約80ppm、一酸化窒素(NO)が約300ppm生成していることが判明しており、原子状酸素(O)や励起一重項酸素(O )など多様な活性種が生成、滅菌効果に寄与していることが示唆された。
以上の結果より、本発明のような処理方法、装置構成においては、被処理物に電子線を照射することに加え、安価なガスを吹き付けるだけで被処理物表面の連続的な滅菌処理を確実とすることができるため、従来の滅菌処理法と比較して工業的に大きな優位性がある。さらに本発明の方法によって、直接的な電子線照射による被処理物表面のダメージを低減することができるため、処理の歩留まりを向上させることができ、経済的にも有利である。

Claims (22)

  1. 電子線が照射されるように構成された処理室内の保持部に、開口部を有する中空形状の被処理物を保持させる工程と、
    前記保持された被処理物を含む領域に対して前記電子線を照射し、気流生成部により生成された気流により、前記領域に照射された電子線によって励起された所定のガスを、少なくとも前記被処理物の開口部および前記電子線が前記保持部により遮蔽される保持箇所における前記被処理物の内表面に対して供給する工程とを有することを特徴とする電子線照射による前記被処理物に付着した微生物の不活化方法。
  2. 前記供給する工程において、
    前記励起された所定のガスを、前記被処理物の開口部を経由して被処理物内部に侵入させ、前記被処理物の内面に対しても同時に供給することを特徴とする請求項1に記載の電子線照射による前記被処理物に付着した微生物の不活化方法。
  3. 前記気流生成部は、ガス供給部であり、
    前記供給する工程は、
    前記ガス供給部から前記保持された被処理物に向かってガスを吹き付ける工程であって、前記電子線が照射されている領域を通過するように前記ガスを吹き付ける工程とを有し、
    前記励起された所定のガスは、前記電子線が照射されている領域を通過することにより該電子線によって励起された前記吹き付けられたガスを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の電子線照射による前記被処理物に付着した微生物の不活化方法。
  4. 前記ガスを吹き付ける工程において、
    前記ガス供給部によってガスを吹き付ける方向と位置が規定され、
    吹き付けられた前記ガスが被処理物の開口部を通過するように、前記ガスを吹き付ける方向と位置が設定され、かつ被処理物が保持されていることを特徴とする請求項3に記載の電子線照射による前記被処理物に付着した微生物の不活化方法。
  5. 前記被処理物の開口部は面状であり、前記ガスを吹き付ける向きが前記開口部の面に対して垂直となるように前記ガスを吹き付ける方向と位置が規定されていることを特徴とする請求項4に記載の電子線照射による前記被処理物に付着した微生物の不活化方法。
  6. 前記被処理物の開口部は面状であり、前記ガスを吹き付ける向きが前記開口部の面に対して斜めとなるように前記ガスを吹き付ける方向と位置が規定されていることを特徴とする請求項4に記載の電子線照射による前記被処理物に付着した微生物の不活化方法。
  7. 前記被処理物の開口部は円形の面状であり、前記ガスを吹き付ける位置が前記円形の開口部の中心となるように前記ガスを吹き付ける方向と位置が規定されていることを特徴とする請求項4に記載の電子線照射による前記被処理物に付着した微生物の不活化方法。
  8. 前記被処理物の開口部は円形の面状であり、前記ガスを吹き付ける位置が前記円形の開口部の開口部内であって前記円形の中心点以外となるように前記ガスを吹き付ける方向と位置が規定されていることを特徴とする請求項4に記載の電子線照射による前記被処理物に付着した微生物の不活化方法。
  9. 前記保持する工程にて保持された被処理物および前記気流生成部の少なくとも一方は、移動可能であり、
    前記気流と前記被処理物との相対的な位置を変化させながら前記ガスを供給することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の電子線照射による前記被処理物に付着した微生物の不活化方法。
  10. 前記気流生成部は、前記処理室内に照射された電子線が照射されない領域に設けられていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の電子線照射による前記被処理物に付着した微生物の不活化方法。
  11. 前記ガスは、窒素、酸素、炭酸ガス、過酸化水素ガス、アルゴンガス、水蒸気単体、またはこれらの少なくとも2つ以上を含む混合ガスであることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の電子線照射による前記被処理物に付着した微生物の不活化方法。
  12. 開口部を有する中空形状の被処理物に付着した微生物の不活化を行うための処理装置であって、
    処理室と、
    前記処理室内に電子線を照射する電子線照射部と、
    前記処理室内に設けられ、前記電子線が照射される位置に前記被処理物を保持するための保持部と、
    気流を生成する気流生成部とを備え、
    前記被処理物に対して前記不活化を行う際には、前記保持部と前記気流生成部とは、前記電子線照射部により前記処理室内に照射された電子線により励起された所定のガスが前記気流により前記保持部により保持された被処理物の開口部および前記電子線が前記保持部により遮蔽される保持箇所における前記被処理物の内表面に供給されるように設けられていることを特徴とする処理装置。
  13. 前記気流生成部において、
    前記励起された所定のガスを、前記被処理物の開口部を経由して被処理物内部に侵入させ、前記被処理物の内面に対しても同時に供給するように構成されていることを特徴とする請求項12に記載の処理装置。
  14. 前記気流生成部は、ガス供給部であり、
    前記ガス供給部は前記保持部に保持された前記被処理物にガスを吹き付けるように設けられており、
    前記保持部と前記ガス供給部との間に、前記電子線が照射されることを特徴とする請求項12または13に記載の処理装置。
  15. 前記ガス供給部はガスを吹き付ける方向と位置を規定するノズルを有し、
    吹き付けられた前記ガスが被処理物の開口部を通過するように、前記ガスを吹き付ける方向と位置が設定されていることを特徴とする請求項14に記載の処理装置。
  16. 前記被処理物の開口部は面状であり、前記ガスを吹き付ける方向が前記開口部の面に対して垂直となるように前記ガスを吹き付ける方向と位置が設定されていることを特徴とする請求項15に記載の処理装置。
  17. 前記被処理物の開口部は面状であり、前記ガスを吹き付ける向きが前記開口部の面に対して斜めとなるように前記ガスを吹き付ける方向と位置が規定されていることを特徴とする請求項15に記載の処理装置。
  18. 前記被処理物の開口部は円形の面状であり、前記ガスを吹き付ける位置が前記円形の開口部の中心となるように前記ガスを吹き付ける方向と位置が規定されていることを特徴とする請求項15に記載の処理装置。
  19. 前記被処理物の開口部は円形の面状であり、前記ガスを吹き付ける位置が前記円形の開口部の開口部内であって中心点以外となるように前記ガスを吹き付ける方向と位置が規定されていることを特徴とする請求項15に記載の処理装置。
  20. 前記被処理物および前記気流生成部の少なくとも一方を移動させる搬送機構を更に有し、
    前記気流と前記被処理物との相対的な位置を変化させながら前記ガスを供給することを特徴とする請求項12乃至19のいずれか1項に記載の処理装置。
  21. 前記気流生成部は、前記処理室内に照射された電子線が照射されない領域に設けられていることを特徴とする請求項12乃至20のいずれか1項に記載の処理装置。
  22. 前記ガスは、窒素、酸素、炭酸ガス、過酸化水素ガス、アルゴンガス、水蒸気単体、またはこれらの少なくとも2つ以上を含む混合ガスであることを特徴とする請求項12乃至21のいずれか1項に記載の処理装置。
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