JPH06141017A - スペクトル拡散通信方式 - Google Patents

スペクトル拡散通信方式

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JPH06141017A
JPH06141017A JP28783892A JP28783892A JPH06141017A JP H06141017 A JPH06141017 A JP H06141017A JP 28783892 A JP28783892 A JP 28783892A JP 28783892 A JP28783892 A JP 28783892A JP H06141017 A JPH06141017 A JP H06141017A
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直樹 岡本
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 回線の断線,復線後のデータ復調までにかか
る時間を最小にし得る直接拡散を用いたスペクトル拡散
通信方式を提供する。 【構成】 データ発生部16から発生されたデータとP
N符号発生器18から発生された拡散コードとを乗算器
17で乗算し、変調器19により変調するとともに、P
N符号発生器18からの拡散コードのみを変調器20で
変調し、その遅延出力を遅延素子21で遅延し、変調器
19の出力と遅延素子21の出力とを合波器24で合波
し、周波数変換部25を介して送信する。受信信号は分
波器30で2分配され、一方は遅延素子31で遅延した
後、周波数変換部33で周波数変換し、他方は周波数変
換部32で周波数変換し、それぞれをコリレータ34,
35で相関を求め、両出力を乗算器36で乗算した後、
データ復調回路37で復調する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はスペクトル拡散通信方
式に関し、特に、直接拡散を用いたスペクトル拡散通信
方式に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のデータ通信では、狭帯域変調方式
を用いた通信が一般に実用化されている。これらは受信
機における復調を比較的小型の回路で実現できるが、オ
フィスや工場などの室内のようにマルチパスや狭帯域の
白色雑音に弱いという欠点がある。
【0003】これに対して、スペクトル拡散通信方式
は、データのスペクトルを拡散コードによって拡散し、
広帯域で転送するため、これらの欠点を解消できるとい
う利点を持つ。このようなスペクトル拡散通信の中で
も、直接拡散方式は既に一部実用化されており、たとえ
ば特開平4−8028号公報に開示されている。直接拡
散方式の逆拡散には、スライディング相関などの能動型
の相関方法とマッチドフィルタやコリレータなどの受動
型がある。能動型の相関法としては、同期補捉した後、
DLLループなどの追跡ループを用いて同期を維持す
る。
【0004】しかしながら、この方法は、同期補捉を行
なうために、符号のチップを少しずつずらし、符号の一
致するタイミングを発見するため、同期補捉に時間がか
かる欠点があり、固定した伝搬路回線を持つ場合にはよ
いが、室内などの伝搬路が頻繁に変わる回線では1度同
期が外れると、再び同期するために時間がかかるので、
使用できない状態であった。
【0005】図8はそのような回線に用いられる受動式
の逆拡散方式を用いた復調器のブロック図である。図8
において、入力された中間周波(IF)信号1は乗算回
路2に与えられ、ローカル信号のI,Q成分で周波数変
換され、ベースバンドI成分3とQ成分4とになる。こ
の2つの入力はIチャネル用コリレータ5およびQチャ
ネル用コリレータ6に入力され、これらのコリレータに
よって相関が取られる。その相関出力7はデータ復調回
路9に入力され、データ14が出力される。
【0006】一方、Iチャネル,Qチャネルのそれぞれ
の相関出力7,8はループ制御回路15に与えられ、局
部発信信号発生器11のための制御電圧10が決定さ
れ、これによって局部発信信号と中間周波搬送波の位相
を同期させるように局部発信信号発生器11をコントロ
ールする。図8に示した例はコスタスループに類似した
形となっている。
【0007】図9は図8に示したコリレータ5の出力波
形を示す図である。図8に示した復調回路において、拡
散コードがぴったり一致したところで相関出力が発生さ
れ、それ以外のところではほぼ0となる。たとえば、拡
散コードが127チップのとき、相関出力は1/127
の時間だけ出力することになり、ループ制御回路15は
この1/127の時間より読取れる位相誤差を用いてル
ープをかけているため、一般のアナログ式のコスタス
(PLL)ループとは少し異なった回路が必要とされ
る。また、データ復調回路9においては、このようなパ
ルス状の信号からデータが1か0かを判断し、クロック
を再生してデータを得ている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述のごとく、受動式
の回路では、一般の狭帯域のデジタル変調と同様にして
復調することができるが、以下のような問題点も存在し
ていた。
【0009】すなわちキャリア再生回路を有しているた
め、キャリアが同期するまでに時間を要し、その時間は
能動型に比べてはるかに速いものの、頻繁にパス路が変
わってキャリア同期が外れる場合には、この同期にかか
る時間、データが復調できないことになる。
【0010】図10はマルチパスが多い場合のコリレー
タ出力を示す波形図である。このように、マルチパスの
伝搬時間差に応じて、いくつかのコリレータ出力が出る
ようになる。このような場合、どの出力でデータを判断
するのか、またトータル電力で検波する場合、時間軸上
に窓を開けて、その間積分する手法が取られるが、どの
程度、どの時間に窓を開けるかの判断は、パス路ごとに
最適値がかかわるので、困難である。
【0011】さらに、出力されたデータは、キャリアの
位相により、0,πの2安定点があり、データが逆転す
るので作動を符号化するか、あるいはデータのプリアン
ブル信号などによって反転するかの工夫が必要とされ
る。
【0012】他ユーザがマルチアクセスするには、その
拡散コードの違いによって分ける手法が取られる。しか
し、たとえば127チップのm系列の場合、18種類し
かコードがなく、それ以上のユーザがアクセスすること
ができない。
【0013】それゆえに、この発明の主たる目的は、上
述の問題点に鑑み、キャリア再生が不要なスペクトル拡
散通信方式を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
直接拡散を用いたスペクトル拡散通信方式であって、送
信側において、拡散コードおよびデータで搬送波を変調
した信号と、その変調した信号と同じ拡散コードのみで
搬送波を変調した信号のいずれか一方の信号を少なくと
も拡散コードの1チップ以上の任意の時間だけ遅延さ
せ、その遅延した信号と他方の信号との2波を分波して
送信し、受信側において、受信信号を2径路に分配し、
一方の径路の信号を送信側と同じ遅延量で遅延させ、遅
延した信号と他方の径路の信号とを送信側とほぼ同じ搬
送波周波数信号を乗じてベースバンド付近で周波数変換
し、それぞれを拡散コードと相関のある2つの相関器に
入力し、2つの相関器出力を乗じることによりデータ復
調することを特徴とする。
【0015】請求項6に係る発明は、直接拡散を用いた
スペクトル拡散通信方式であって、送信側において、拡
散コードおよびデータを乗算した信号と拡散コードを任
意の時間だけ遅延した信号とを合成した信号で搬送波を
変調して送信し、受信側において、受信信号を前記送信
側とほぼ同じ搬送波周波数信号を乗じてベースバンド付
近に周波数変換した後、2径路に分配し、一方の径路の
信号を送信側と同じ遅延量で遅延させ、遅延した信号と
分配された他方の信号とをそれぞれ拡散コードと相関の
ある2つの相関器に入力して、2つの相関器出力を乗じ
ることによりデータ復調する。
【0016】より好ましくは、受信側において、データ
復調出力によって搬送波周波数信号にループをかける。
【0017】さらにより好ましくは、ループ搬送周波数
をI成分とQ成分とに分配し、コスタスループをかけ
る。
【0018】さらに、より好ましくは、受信側におい
て、他方の径路の相関器出力をパイロット信号として、
データ復調時の積分器およびフィルタ時間窓を制御す
る。
【0019】さらにより好ましくは、他ユーザの区別
は、拡散コードと遅延量の双方を組合せることによって
行なう。
【0020】
【作用】この発明に係るスペクトル拡散通信方式は、2
波の相関出力はキャリア再生を行なわなくても、ほぼ同
相で出現するので、キャリア再生せずにデータ復調が可
能となる。また、これにループをかけることにより、従
来と同じようなキャリア再生型でも構成でき、誤り率を
上げることがことができる。
【0021】さらに、出力するデータの前に相関出力が
得られるので、これを解析し、最適の積分,フィルタリ
ング,時間窓コントロールが可能になり、PDIの効果
を最大限に発揮できる。
【0022】また、拡散コードと遅延量を適宜組合せる
ことによって、マルチアクセスできるユーザ数を増やす
こともできる。
【0023】
【実施例】図1はこの発明の一実施例のブロック図であ
り、特に、図1(a)は送信機を示し、図1(b)は受
信機を示す。まず、図1(a)において、データ発生部
16で発生されたデータは乗算器17に与えられる。乗
算器17はPN符号発生器18で発生されたPN符号と
データとを乗算し、その乗算出力を変調器19に与え
る。変調器19は乗算器17からの信号でキャリア27
を、たとえばBPSK変調する。PN符号発生器18で
発生されたPN符号は変調器20にも与えられ、変調器
20はPN符号でキャリア27を変調し、その変調出力
を遅延素子21に与える。遅延素子21は変調器20の
変調出力を時間zだけ遅延し、合波器24に与える。合
波器24は変調器19の出力信号22と遅延素子21の
出力信号23とを合波し、周波数変換部25に与える。
周波数変換部25は合波出力を周波数変換し、アンテナ
26から送信する。
【0024】一方、図1(b)に示す受信機において
は、アンテナ28で信号を受信した後、周波数変換部2
9によって受信信号を周波数変換した後、分波器30に
よって2径路に分波される。分波された一方の信号は遅
延素子31によって遅延され、遅延出力信号40は周波
数変換部33に与えられる。周波数変換部33は遅延出
力信号40を送信機側のキャリア27とほぼ同一の周波
数を持つキャリア38によって周波数変換し、疑似ベー
スバンド信号42に落とし、コリレータ35に入力す
る。
【0025】分波器30で分波された信号39は周波数
変換部32でキャリア38によって周波数変換され、そ
の出力信号41はコリレータ34に与えられる。コリレ
ータ34,35の出力信号43,44は乗算器36によ
って乗算され、その乗算出力信号45はデータ復調回路
37によってデータに復調される。
【0026】次に、図1に示した実施例の動作について
説明する。今、データをd(t)とし、PN符号をP
(t)とし、キャリアをcosωC tとすると、送信機
の変調器19の変調信号22および遅延素子21で遅延
された信号23はそれぞれ次の第(1)式および第
(2)式で表わされる。
【0027】 S1 =d(t)P(t)cosωC t…(1) S2 =P(t−z)cosωC (t−z)…(2) したがって、合波器24の出力信号は次式のように合計
で示される。
【0028】 S′=d(t)P(t)cosωC t+P(t−z)cosωC (t−z) 一方、受信機において、分波器30で分波された後の信
号39と遅延素子31の出力信号40は伝搬時間をt0
とすると、次の第(3)式および第(4)式で表わされ
る。
【0029】 R1 =d(t−t0 )・P(t−t0 )cosωC (t−t0 )+P(t−t 0 −z)・cosωC (t−t0 −z)…(3) R2 =d(t−t0 −z)・P(t−t0 −z)cosωC (t−t0 −z) +P(t−t0 −2z)cosωC (t−t0 −2z)…(4) ここで、キャリア38をcosω2 tとすると、周波数
変換部32,33で発生される疑似ベースバンド信号4
1,42は次の第(5)式および第(6)式で表わされ
る。
【0030】 B1 =d(t−t0 )P(t−t0 )cos(ωC (t−t0 )−ω2 t)+ P(t−t0 −z)cos(ωC (t−t0 −z)−ω2 t) =d(t−t0 )P(t−t0 )cos(Δωt−ωC 0 )+P(t−t0 −z)cos(Δωt−ωC (t0 −z))…(5) B2 =d(t−t0 −z)P(t−t0 −z)cos(ωC (t−t0 −z) −ω2 t)+P(t−t0 −2z)cos(ωC (t−t0 −2z)−ω2 t) =d(t−t0 −z)P(t−t0 −z)cos(Δωt−ωC (t0 −z) )+P(t−t0 −2z)cos(Δωt−ωC (t0 −2z))…(6) 上述の2つの信号において、ωC z=2πn(n:整
数)とすると、ωC ・2z=2πnとなりzによる位相
ずれはωC z,ωC 2zともに0となり、次の第(7)
式および第(8)式に変形できる。
【0031】 B′1 =d(t−t0 )・P(t−t0 )cos(Δωt−ωC 0 )+P( t−t0 −z)cos(Δωt−ωC 0 )…(7) B′2 =d(t−t0 −z)・P(t−t0 −z)cos(Δωt−ωC 0 )+P(t−t0 −2z)cos(Δωt−ωC 0 )…(8) 図2(a)は図1(b)に示したコリレータ34の出力
波形すなわち上述のB′1 による波形図であり、図2
(b)はコリレータ35の出力波形図,すなわち上述の
B′2 による波形図を示し、図2(c)は乗算器36の
出力波形である。図2(a)の波形と図2(b)の波形
を乗算することにより、図2(c)に示す波形が出力さ
れ、データが復調されていることが分かる。
【0032】次に、この発明の第1実施例によって安定
したデータが得られる効果について説明する。この発明
の実施例のように、疑似ベースバンド信号に信号を変換
してもcos(Δωt−ωC 0 )という項がどうして
も残るため、(Δt<(データスピード))という条件
でデータの出力の振幅項として現れる。図3にその様子
を示す。これはデータがすべて1の場合、つまりPN符
号のみ1波コリレータに入力したときの波形である。図
3に示すように、cosの影響により、すべて1のデー
タがcosの位相により正負の値を取り、間違った値と
なる。このため、従来はどうしてもキャリアにループを
掛けて完全に同期を取り、ベースバンドに落とす必要が
あった。この発明の一実施例において、データ成分とな
るのはP(t−t0 −z)・cos(Δωt−ω
C 0 )とd(t−t0 −z)・P(t−t0 −z)c
os(Δωt−ωC 0 )のコリレータ出力の積であ
る。この式を見ても明らかなように、この2つは常にc
osが同相を示すため、cos項がマイナスになって
も、そのデータ出力はマイナス項同士の積となり正しく
データが出力される。
【0033】上述のごとく、この発明の一実施例を用い
れば、従来データ復調に必要であったキャリア同期ルー
プが不要となり、キャリア同期なしにデータ復調が可能
となる。したがって、従来、マルチパス変動などによっ
て回線断,復線時にキャリア再生するまでデータ復調が
できずにいたものが、この発明の一実施例を用いること
により、そのロス時間が0となり、断線の激しい回線に
おいても、データのとぎれを断線時間のみにとどめるこ
とができるようになる。なお、ここでは計算の簡単のた
めに、ωC z=2πnの条件で計算したが、ωC z=2
πnでなくても2つのコリレータ34,35の出力振幅
が異なり、コリレータの出力値が多少変化するだけであ
るのでωC z=2πnでなくても本願発明の一般性を失
うことはない。
【0034】図4はこの発明の第2実施例を示すブロッ
ク図であり、図4(a)は送信機を示し、図4(b)は
受信機を示す。
【0035】図4(a)において、送信側は、PN符号
発生器18の出力を遅延素子21で遅延した後、乗算器
17の出力信号46と遅延素子21の出力信号47を合
波器24で合波し、変調器19でキャリア27によって
変調するようにしたものである。受信側においては、図
4(b)に示すように、アンテナ28で受信した信号を
周波数変換部29で周波数変換した後、その信号50を
周波数変換部32でキャリア38によって周波数変換
し、その信号51を分波器30で2径路に分波するよう
にしたものであり、それ以外の構成は図1と同じであ
る。
【0036】次に、図4に示した第2実施例の動作につ
いて説明する。乗算器17の出力信号46は次の第
(9)式で表わされる。
【0037】S1 =d(t)P(t)…(9) 遅延素子21の出力信号47は次の第(10)式で表わ
される。
【0038】S2 =P(t−z)…(10) 合波器24の出力信号48は第(11)式で表わされ
る。
【0039】 S=d(t)P(t)+P(t−z)…(11) 変調器19の出力信号49は第(12)式で表わされ
る。
【0040】 S′=(d(t)P(t)+P(t−z))cosωC t…(12) 一方、受信機においては、まず周波数変換部29によっ
て周波数変換され、その出力信号50は第(13)式で
表わされる。
【0041】 R=(d(t−t0 )P(t−t0 )+P(t−t0 −z))cosωC (t −t0 )…(13) 周波数変換部32でさらに疑似ベースバンドに落とす
と、第(14)式および第(15)式となる。
【0042】 R′=(d(t−t0 )P(t−t0 )+P(t−t0 −z))cosωC ( t−t0 )×cosω2 t…(14) =(d(t−t0 )P(t−t0 )+p(t−t0 −z))cos(Δωt− ωC 0 )…(15) これにより、コリレータ34,35の出力B1 ,B2
第(16)式および第(17)式で表わされる。
【0043】 B1 =(d(t−t0 )P(t−t0 )+P(t−t0 −z))cos(Δω t−ωC 0 )…(16) B2 =(d(t−t0 −z)P(t−t0 −z)+p(t−t0 −2z))c os(Δωt−z)−ωC 0 )…(17) 上述の第(16)式および第(17)式を前述の第
(7)式および第(8)式と比較すると、振幅項がB2
のみΔωzだけずれているだけで、他は等しいことが分
かる。
【0044】ここで、zは1チップ以上の時間遅延であ
るが、データ1ビットの時間よりはるかに小さく、Δω
が非常に小さいことを考慮すると、(Δωz<z)であ
り、cosΔωtとcosΔω(t−z)はほぼ同相と
見なすことができる。逆相になる時間率は2πz/Δω
%である。
【0045】したがって、この第2の実施例において
も、第1の実施例と同一の結果が得られることが分か
る。このように、遅延素子21や搬送波による変調の処
理するプロセスは、その自由度が高く、それぞれの回路
や方式に合せることができる。また、第1および第2の
実施例の送受信機は、上述の各式を見て分かるとおり、
zの位相に注意すれば、互換性のあることが分かり、互
いにいろいろな組合せを用いることができる。
【0046】前述の第1実施例においては、キャリア同
期回路がなくても、データの反転がなく、データ復調で
きることを説明したが、振幅の絶対項が残るため、出力
レベルが|cosθ|に従って変動する。ゆえに、C/
Nの低い回線においては、|cosθ|が小さくなる領
域において誤り率が劣化する可能性がある。そこで、そ
のような誤り率が劣化するのを防止し得る第3の実施例
について説明する。
【0047】図5は第3実施例受信機のブロック図であ
る。この実施例においては、従来の例と同様にして、キ
ャリア同期ループを併用することに特徴がある。
【0048】すなわち、分波器30で分波された遅延素
子31の挿入されていない一方の径路に周波数変換部5
3とコリレータ54とループ回路55とが接続され、局
部発信部56からI相のキャリアを周波数変換部32に
与え、Q相のキャリアを周波数変換部53に与え、ルー
プ回路55の出力により局部発信部56を制御する。こ
のように、I相,Q相を用意し、従来のようにコスタス
ループと同等のループをかけることにより、ループ回路
55で局部発信部56を制御する。キャリア同期しなく
てもデータ復調することは、第1の実施例で説明した
が、その後ループが働き、キャリアが同期すると、振幅
値が一定となり、さらに誤り率を向上できる。したがっ
て、この実施例を用いることにより、回線断線,復線
後、すぐにデータ復調しかつ続いてキャリアが同期する
と誤り率が向上する特徴を持つことになる。
【0049】なお、ループ回路55を用いて局部発信部
56を制御するのは、前述の図4に示した第2の実施例
にも適用できることは明らかである。
【0050】図6はこの発明の第4実施例のブロック図
である。前述の図5に示した第3の実施例では、従来と
同じようにコスタスループを用いるようにしたが、図6
に示した実施例では、一方の信号のみでループをかける
ようにしたものである。すなわち、コリレータ34の出
力とループ回路57を接続し、このループ回路57によ
り局部発信部56を制御する。一般の通信では、データ
で変調されているため、そのデータ分をなくするため
に、コスタスループや2乗ループなどが必要となるが、
この実施例においては、前述の第(7)式および第
(8)式から明らかなように、無変調波を送っているの
で、コリレータ34,35の相関出力のうち、無変調側
の出力のみを取出して、これを用いてループをかけるこ
とが可能となる。この実施例においては、図5に示した
実施例に比べて、Qチャネルを設ける必要がなくなると
いう特徴がある。
【0051】図7はこの発明の第5実施例を示すブロッ
ク図であり、特に、図7(a)は送信機を示し、図7
(b)は受信機を示す。この図7に示した実施例は、受
信機側のコリレータ34の出力をデータ復調回路37に
与えるようにした以外は前述の図1に示した実施例と同
じである。マルチパスの少ない場合、コリレータ34,
35の出力は図9に示すようになるが、マルチパスが多
い場合、図10に示したように相関出力が一様でなくな
り、どこの領域を積分するか、判別点をどのタイミング
に持っていくかが不明であり、一般的な逐次復調法で
は、固定的なパラメータで積分値や時間量を決めてい
る。しかし、その方法では最適なデータが得られにく
い。
【0052】一方、図7に示した実施例においては、デ
ータ復調すると時間前に出力される相関波形はzが十分
短いので、データと同じ相関波形と考えることができ、
これをモニタし、それに応じて積分値をその都度変更し
たり、PDIとよばれる数個の相関出力を有効に加えた
りする手法が適時行なえるようになり、最適なデータを
得ることができる。なお、この実施例は第2〜第4の実
施例にも適用できる。
【0053】なお、一般にDSを用いたスペクトル拡散
のマルチアクセス法は、拡散コードによって区別が行な
われる。しかし、たとえば127チップのm系列の場
合、符号は18種しかなく、それ以上のユーザを用意で
きなくなる。そこで、まず、検出した信号を見て、その
後zのところに信号があれば正しい信号であり、z以外
のところにあれば復調しないようにコントロールする機
能を図7に示した実施例に追加するようにすればよい。
【0054】このように、同一の符号を用いてもzを変
えることによって、ユーザを区別することができ、した
がって、符号と遅延量を組合せることにより、より多く
のユーザを用意できるようになる。これによって、従来
18ユーザしか用意できなかったものを、飛躍的に増や
すことができる。このことは、上述のすべての実施例に
おいても有効である。
【0055】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、拡散
コードとデータで搬送波を変調した信号と、拡散コード
のみで変調した2波を作り、一方を拡散コードの1チッ
プ以上遅延させて合波して送信するようにしたので、キ
ャリアを再生しなくても、データの位相を誤ることなく
復調できる。これにより、従来必要とされたキャリア再
生プロセスを不要にでき、その結果回線断線,復線後の
キャリア再生に要していた時間を0にすることができ
る。それによって、断線ごとにデータ復調再開まで時間
の掛かっていたものが短くなり、回線の時間率を飛躍的
に向上できる。さらに、2波を伝送することにより、最
適なデータ復調が可能になり、ユーザ数を多くできるな
どの利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例を示すブロック図であ
る。
【図2】この発明の第1実施例におけるコリレータおよ
び乗算器の出力波形図である。
【図3】コリレータの出力波形を示し、信号が完全にベ
ースバンドに落ちていないために起こるうねりを示す図
である。
【図4】この発明の第2の実施例を示すブロック図であ
る。
【図5】この発明の第3の実施例を示すブロック図であ
り、受信系のみを示す。
【図6】この発明の第4の実施例を示すブロック図であ
り、受信系のみを示す。
【図7】この発明の第5の実施例を示すブロック図であ
る。
【図8】従来の受動型SS復調器の回路を示すブロック
図である。
【図9】図8に示したコリレータの出力波形図である。
【図10】図8のコリレータの出力波形図であり、マル
チパスなどにより多重受信したときの波形を示す。
【符号の説明】
16 データ発生部 17,36 乗算器 18 PN符号発生器 19,20 変調器 21,31 遅延素子 24 合波器 25,29,32,33 周波数変換部 28 アンテナ 30 分波器 34,35 コリレータ 37 データ復調回路 55 ループ回路

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直接拡散を用いたスペクトル拡散通信方
    式であって、 送信側において、拡散コードおよびデータで搬送波を変
    調した信号と、該変調した信号と同じ拡散コードのみで
    搬送波を変調した信号のいずれか一方の信号を少なくと
    も拡散コードの1チップ以上の任意の時間だけ遅延さ
    せ、該遅延した信号と他方の信号との2波を合波して送
    信し、 受信側において、受信信号を2径路に分配し、一方の径
    路の信号を前記送信側と同じ遅延量で遅延させ、遅延し
    た信号と他方の径路の信号とを前記送信側とほぼ同じ搬
    送波周波数信号を乗じてベースバンド付近で周波数変換
    し、それぞれを前記拡散コードと相関のある2つの相関
    器に入力し、前記2つの相関器出力を乗じることにより
    データ復調することを特徴とする、スペクトル拡散通信
    方式。
  2. 【請求項2】 前記受信側において、前記データ復調出
    力によって前記搬送周波数信号にループをかけることを
    特徴とする、請求項1のスペクトル拡散方式。
  3. 【請求項3】 前記ループは、搬送周波数をI成分とQ
    成分とに分配し、コスタスループをかけることを特徴と
    する、請求項2のスペクトル拡散通信方式。
  4. 【請求項4】 前記受信側において、前記データ復調は
    積分器とフィルタとを用いて行ない、前記他方の径路の
    相関器出力をパイロット信号として、前記データ復調時
    の前記積分器およびフィルタ時間窓を制御することを特
    徴とする、請求項1のスペクトル拡散方式。
  5. 【請求項5】 さらに、他ユーザの区別は前記拡散コー
    ドと前記遅延量の双方を組合せることを特徴とする、請
    求項1のスペクトル拡散通信方式。
  6. 【請求項6】 直接拡散を用いたスペクトル拡散通信方
    式であって、 送信側において、拡散コードおよびデータを乗算した信
    号と前記拡散コードを任意の時間だけ遅延した信号とを
    合成した信号で搬送波を変調して送信し、 受信側において、受信信号を前記送信側とほぼ同じ搬送
    波周波数信号を乗じてベースバンド付近に周波数変換し
    た後、2径路に分配し、一方の径路の信号を前記送信側
    と同じ遅延量で遅延させ、遅延した信号と分配された他
    方の信号とをそれぞれ前記拡散コードと相関のある2つ
    の相関器に入力し、前記2つの相関器出力を乗じること
    によりデータ復調することを特徴とする、スペクトル拡
    散通信方式。
  7. 【請求項7】 前記受信側において、前記データ復調出
    力によって前記搬送周波数信号にループをかけることを
    特徴とする、請求項6のスペクトル拡散通信方式。
  8. 【請求項8】 前記ループは、搬送周波数をI成分とQ
    成分とに分配し、コスタスループをかけることを特徴と
    する、請求項6のスペクトル拡散通信方式。
  9. 【請求項9】 前記受信側において、前記データ復調は
    積分器とフィルタとを用いて行ない、前記他方の径路の
    相関器出力をパイロット信号として前記データ復調時の
    前記積分器およびフィルタ時間窓を制御することを特徴
    とする、請求項6のスペクトル拡散通信方式。
  10. 【請求項10】 さらに、他ユーザの区別を前記拡散コ
    ードと前記遅延量の双方を組合せることを特徴とする、
    請求項6のスペクトル拡散通信方式。
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KR19990048041A (ko) * 1997-12-08 1999-07-05 이형도 개인용 통신단말기의 변복조기

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