JPH06141005A - 番組動的構成分配システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 番組プログラムをチャネル毎に固定的なもの
とするのではなく、時間的条件，番組素材条件，情報表
現条件等によって、番組構成内容を容易に変更可能とし
た、番組動的構成分配方法を提供すること。 【構成】 通信網を介してマルチメディア情報番組を一
斉に送信するための、通信網に接続され番組送信の主管
理を行う番組センタ，通信網に接続され番組素材を提供
する素材ソース，通信網に接続され受信者への分配を管
理するサブセンタを有する番組動的構成分配システムで
あって、番組センタは番組構成枠組を構成し、該番組構
成枠組の条件に従って素材ソースに対してマルチメディ
ア情報をアクセスして番組への組み込みを行い、上記番
組構成枠組および番組提供対象受信者範囲を示す情報と
ともにサブセンタに送信し、サブセンタは、番組構成の
時間枠は変更せずに、番組構成内容，情報表現方法を変
更し、対象とする受信者に送信する如く構成したことを
特徴とする番組動的構成分配システム。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、通信網によってマルチ
メディア情報番組を一斉送信する場合に、番組を素材の
内容および受信者特性に応じて適応させる、番組動的構
成分配システムに関する。

【０００２】

【従来の技術】通信網を利用した従来のマルチメディア
情報番組の一斉送信システムにおいては、例えば、ケー
ブルテレビジョン(ＣＡＴＶ)サービスの如く、一斉に放
送される番組構成は、予めすべて決められており、チャ
ネル毎に送信する形態をとっている。そして、受信者
は、これら決められている番組のチャネルの中から、見
たい素材(映画，ニュース，ＣＭ等)を含むチャネルを選
択して、視聴する。なお、これに関しては、例えば、日
経エレクトロニクス1992年10月12日号の特集「家庭の次
世代ネットワーク 現実路線に踏み出す」(日経ＢＰ社刊,
101〜120頁)の記載を参考にすることができる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、多様
な内容のチャネルを提供することはできても、どの受信
者に対してもチャネル毎には同じ番組構成とならざるを
得なかった。つまり、放送の一斉性を失わずに、一つの
チャネルの番組に対して、多様なマルチメディア情報，
その多様な表現方法，地域性，好み，年令層等、多様な
受信者特性に対して適応できないため、効率的，効果的
な分配ができず、このため、番組構成としては、多くの
人に対する最大公約数的な内容，質とせざるを得なかっ
た。また、素材のソースが企業等からのＣＭ(コマーシ
ャル)である場合にも、その内容は、商品ターゲットの
受信者層にかかわらず決まったものとなっており、せい
ぜい、一般的な受信者の生活からくる時間帯を考慮する
程度しか効果的な宣伝投資が行えなかった。本発明は上
記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところ
は、従来の技術における上述の如き問題を解消し、番組
プログラムをチャネル毎に固定的なものとするのではな
く、時間的条件，番組素材条件，情報表現条件等によっ
て、番組構成内容を容易に変更可能とした、番組動的構
成分配方法を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明の上述の目的は、
通信網を介して、マルチメディア情報番組を一斉に送信
するための、通信網に接続され番組送信の主管理を行う
番組センタ，通信網に接続され番組素材を提供する素材
ソース，通信網に接続され受信者への分配を管理するサ
ブセンタを有する番組動的構成分配システムであって、
前記番組センタは、番組のプログラムを、予め時間的構
成条件，番組素材条件，情報表現条件によって記述する
番組構成枠組を構成し、該番組構成枠組の条件に従っ
て、予めまたは実時間で前記通信網を介して、前記素材
ソースに対してマルチメディア情報をアクセスし、番組
への組み込みを行い、前記番組構成枠組および番組提供
対象受信者範囲を示す情報とともに前記サブセンタに送
信する手段を有し、前記サブセンタは、番組構成の時間
枠は変更せずに、前記番組構成枠組および番組提供対象
受信者範囲を示す情報に基づいて、番組構成内容，情報
表現方法を変更し、対象とする受信者に送信する手段を
有する如く構成したことを特徴とする番組動的構成分配
システムによって達成される。

【０００５】

【作用】本発明に係る番組動的構成分配システムにおい
ては、上述の如き構成とすることにより、通信網を介し
たマルチメディア情報の一斉送信に際し、送信の一斉性
を失わずに、多様なマルチメディア情報，その多様な表
現方法等を、多様な受信者特性に適応した形で提供する
ことが可能になる。

【０００６】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。図１は、本発明の一実施例に係る、通信網
を使用して番組提供を行うシステムの構成要素，情報の
流れを示したものである。図において、１は通信網、２
は番組構成を行う番組センタ、３は素材を番組センタ２
および後述するサブセンタ４等に提供する素材ソース、
４は番組センタ２からの番組を処理するサブセンタ、７
は分配ノード、８は受信者端末、９は番組提供サービス
としての課金を扱う課金センタを示している。図２に、
上述の番組センタ２，サブセンタ４の構成図を示す。図
において、Ａは番組枠組情報，素材等の送受信を行う送
受信部、Ｂは素材データのタイムスロット単位の入れ換
えを行うデータスイッチ部、Ｃは素材の蓄積部、Ｄはセ
ンタ全体の処理の制御，番組構成枠組変更の判断等を行
う処理制御部、Ｅは制御用メモリを示している。

【０００７】上記番組センタ２では、番組構成枠組３０
の条件を示すプログラム記述に基づき、素材ソース３等
から番組素材を集め、あるいは、実時間データ転送のた
めのパスを張ることにより番組を構成する。番組素材に
は、通信網１を介して分散しているもの、番組センタ２
で提供されるものがあり、それらは更に実時間で流すも
のと、データベースから取り出すものとに分けられる。
図３に、上述の番組構成枠組３０の条件を示すプログラ
ム記述を、図式化した例を示す。ここに示すプログラム
記述例では、素材に関する番組素材条件３２，素材の表
現に関する情報表現条件３３，サブセンタ４における番
組入れ換えの優先条件を示すソースプライオリティー３
４，課金の基本基準を示す課金基準４２等の条件が記述
されている。上述の番組素材条件３２には、素材を提供
する通信網１中の素材ソース３のアクセス情報３５，素
材を特定するための素材識別子３６，素材のカテゴリー
等を示す素材種別３７，素材の視聴者対象層や刺激度合
その他の性質を示す素材性質３８，データベースかライ
ブ(中継等)かを示すライブ属性３９，その他受信者の特
性と深く関わる条件を記述する。

【０００８】また、上述の情報表現条件３３には、メデ
ィア表現上必要な条件を示すメディア表現条件４０，そ
れぞれのメディアに対して適用可能な代替表現を挙げる
代替表現条件４１等がある。メディア表現条件４０とし
ては、例えば、映像／言語／音声等のメディアに関し
て、映像であれば、シネマスコープで品質がグレードＢ
で、オリジナル言語は英語、音声はサラウンド等、表現
に必要な基本条件が示される。また、代替表現条件４１
としては、それぞれのメディアに対して可能な代替表
現、例えば、言語では日本語が可能等の条件が示され
る。ソースプライオリティー３４には、サブセンタ４に
おいて、番組の入れ換えを許すか、許さないかの条件を
記述する。ここでは、「０」が入れ換えを許さない、「１」
が条件付き入れ換え許可、「２」が無条件許可となってお
り、条件付きの場合には、更にその条件が記述される。
サブセンタ４では、上述の条件付き入れ換え許可の場合
には、入れ換え予定素材が条件を満足しなければならな
い。番組センタ２は、上述の番組構成枠組３０の他に、
番組を提供する対象受信者の範囲を示すサービス範囲条
件をサブセンタ４に送信する。

【０００９】先に図３に示した、番組センタ２における
番組構成枠としてのプログラム記述においては、初期値
として、企画された素材構成に従って、素材毎の時間枠
が決まる。これを「タイムスロット」３１と呼ぶ。上述
の、サブセンタ４で行われる素材の入れ換えは、上記タ
イムスロット単位で行われるため、素材毎の時間枠は変
わらない。図３に示した番組構成枠組３０の主プログラ
ム記述の中で、各タイムスロット毎に、記述されている
内容を説明する。素材ソースのアクセス情報３５では、
素材ソース３の識別情報を記述している(ここでは、説
明を簡単にするために、Ａ,Ｂ,Ｃ等と表わしている)。
素材識別子３６では、素材ソース３内での特定の回線
や、データベース特定情報等を記述する。素材種別３７
としては、種々のカテゴリー、例えば、情報，エンター
テインメント，ノウハウ，バラエティー，コマーシャル
等があり、また、更に、情報であれば、スポーツ，音
楽，ニュース，交通，旅行といった分類に分かれる。具
体的には、例えば、旅行情報として、ライブ属性の素材
ソースは、各地からの風景の中継等が挙げられる。

【００１０】なお、上述のライブ属性(３９)は、図３に
示した通り、Ｌ(ライブ)の場合は、素材が中継で送られ
て来ることを示しており、Ｄ(データベース)の場合は、
素材がデータベースから再生されるものであることを示
している。以下、上述の如く構成された本実施例の具体
的な動作について、図４および図５に示す処理フローに
基づいて説明する。番組センタ２では、前述の如き番組
構成枠組３０としてのプログラム記述に従って、実際に
番組を構成し、送信する。番組が予定されている時刻が
近づくと、番組センタ２では、プログラム記述を調べ、
各タイムスロットに対する素材ソース３と通信(矢印10
で示す)を行い、素材ソース側は素材提供の準備を行
う。また、番組センタ２は、サブセンタ４とも通信を行
い、番組構成枠組およびサービス範囲条件を送信する
(矢印12で示す)。各サブセンタ４は、サービス範囲条件
から、各サブセンタ４で管理する受信者情報、あるい
は、別の受信者センタ６で管理する受信者情報をリスト
アップする(矢印16で示す)。

【００１１】更に、各サブセンタ４は、プログラム記述
を調べ、各サブセンタ４におけるサービス条件と比較
し、どのような受信者条件に対してどのタイムスロット
の素材を変更し、どのような表現を行うかを当該番組内
の各素材毎に決める。例えば、素材の入れ換えについて
は、コマーシャルのタイムスロットに対しては、受信者
地域毎に地域に密接した内容のものとの入れ換え、また
は、受信者の年令や性別に応じた入れ換え等を決める。
また、表現については、例えば、言語チャネル数が限ら
れる場合に、受信者の用いる言語に応じた副音声の言語
にする等、受信者に適応した番組構成枠を再構成するこ
とを決める。番組開始の時刻が来ると、番組センタ２
は、番組構成枠組に従って、素材ソース３から素材を受
信し(矢印11で示す)、実際に番組を構成しながら、予め
決定されている内容に従って、素材を変更するタイムス
ロットに対しては変更素材を提供する素材ソース３から
素材を受信(矢印15で示す)することで内容を入れ換えた
り(ブロック21)、表現の変更等を行う。図３では、記号
４３で示される他の素材(スペースの関係で、一部のみ
を示した)に入れ換える例を示している。

【００１２】このようにして、サブセンタ４は、番組を
再構成しながら、通信網内の分配ノードを利用するかま
たは直接受信者に宛てて、番組を送信する(矢印19で示
す)。このとき、課金に関しては、サブセンタ４は各受
信者毎にどの素材を送信したかを、番組単位で記録して
おき、課金センタ９に、素材毎の課金のための基準情報
４２とともに送信する。課金センタ９では、素材ソース
に素材を提供する機関から、契約する内容と素材送信の
実績に応じて料金のやり取りを行う。なお、コマーシャ
ルの場合には、素材提供機関から支払われ、番組内容そ
のものの素材提供機関の場合には支払う。これは、図３
に示した課金基準４２で、マイナスの数字が書かれてい
る素材に対応する。受信者に対しては、送信毎の課金基
準をある期間毎に集計し、受信者との契約に基づいて料
金を徴収する。

【００１３】上記実施例によれば、通信網を介したマル
チメディア情報の一斉送信に際し、番組センタは、番組
プログラムを固定的なものとすることなく、時間的条
件，番組素材条件，情報表現条件等によって記述された
番組枠組を作成し、サブセンタにおいて受信者特性に適
応させた素材情報，素材表現等の変更を可能としたこと
により、送信の一斉性を失わずに、多様なマルチメディ
ア情報とその多様な表現方法を、多様な受信者特性に適
応させて分配することが可能になる。また、素材提供
者，スポンサーにとっては、投資効率の高いサービスが
実現することになり、また、視聴者にとっても、受信に
絡む費用が安くなるという効果がある。なお、上記実施
例は本発明の一例を示したものであり、本発明はこれに
限定されるべきものではないことは言うまでもないこと
である。

【００１４】

【発明の効果】以上、詳細に説明した如く、本発明によ
れば、番組プログラムをチャネル毎に固定的なものとす
るのではなく、時間的条件，番組素材条件，情報表現条
件等によって、番組構成内容を容易に変更可能とした、
番組動的構成分配方法を実現できるという顕著な効果を
奏するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る、通信網を使用して番
組提供を行うシステムの構成要素，情報の流れを示す図
である。

【図２】実施例に係る番組センタ２，サブセンタ４の構
成図を示す図である。

【図３】実施例に係る番組構成枠組３０の条件を示すプ
ログラム記述を、図式化した例を示す図である。

【図４】実施例の具体的な動作を示す処理フロー図の一
部である。

【図５】実施例の具体的な動作を示す処理フロー図の他
の一部である。

【符号の説明】

１：は通信網、２：番組センタ、３：素材ソース、４：
サブセンタ、７：分配ノード、８：受信者端末、９：課
金センタ、３０：番組構成枠組、３１：タイムスロッ
ト、３２：番組素材条件、３３：情報表現条件、３４：
ソースプライオリティー、４２：課金基準。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 通信網を介して、マルチメディア情報番
   組を一斉に送信するための、通信網に接続され番組送信
   の主管理を行う番組センタ，通信網に接続され番組素材
   を提供する素材ソース，通信網に接続され受信者への分
   配を管理するサブセンタを有する番組動的構成分配シス
   テムであって、前記番組センタは、番組のプログラム
   を、予め時間的構成条件，番組素材条件，情報表現条件
   によって記述する番組構成枠組を構成し、該番組構成枠
   組の条件に従って、予めまたは実時間で前記通信網を介
   して、前記素材ソースに対してマルチメディア情報をア
   クセスし、番組への組み込みを行い、前記番組構成枠組
   および番組提供対象受信者範囲を示す情報とともに前記
   サブセンタに送信する手段を有し、前記サブセンタは、
   番組構成の時間枠は変更せずに、前記番組構成枠組およ
   び番組提供対象受信者範囲を示す情報に基づいて、番組
   構成内容，情報表現方法を変更し、対象とする受信者に
   送信する手段を有する如く構成したことを特徴とする番
   組動的構成分配システム。
2. 【請求項２】 前記各構成要件に加えて、前記番組構成
   枠組内に番組素材内容毎に課金に必要な情報を備え、各
   受信者および素材提供者対応に番組放送履歴等の課金に
   必要な情報を管理する課金センタを有することを特徴と
   する番組動的構成分配システム。