JPH06140531A - 放熱用基板 - Google Patents
放熱用基板Info
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- JPH06140531A JPH06140531A JP28912792A JP28912792A JPH06140531A JP H06140531 A JPH06140531 A JP H06140531A JP 28912792 A JP28912792 A JP 28912792A JP 28912792 A JP28912792 A JP 28912792A JP H06140531 A JPH06140531 A JP H06140531A
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- Cooling Or The Like Of Semiconductors Or Solid State Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 低熱膨張性と高放熱性とを兼ね備え、しかも
容易に製造することのできる放熱用基板を提供する。 【構成】 低熱膨張材料の繊維からなる基材に放熱性の
良い金属材料が含浸されていて、前記低熱膨張材料の繊
維の占有率が板厚方向に傾斜的に変化する傾斜組成構造
になっている。
容易に製造することのできる放熱用基板を提供する。 【構成】 低熱膨張材料の繊維からなる基材に放熱性の
良い金属材料が含浸されていて、前記低熱膨張材料の繊
維の占有率が板厚方向に傾斜的に変化する傾斜組成構造
になっている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、放熱用基板に関す
る。
る。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体装置において、素子の容量
の増大・パワー化、高密度集積化に伴い、素子から発生
する熱をどのようにしてうまく外部へ逃がすかというこ
とが大きな課題となっている。そのために、半導体素子
を放熱用基板に搭載し、この基板と素子表面とを接合す
ることによって、素子内に発生する熱を放熱用基板を通
じてパッケージ外に放出することが行われている。しか
し、この場合、放熱用基板と半導体素子との熱膨張率の
差が問題となる。たとえば、この熱膨張率の差が大きい
と、半導体素子のシリコン基板が過大な応力を受け、同
基板にクラックを生じたり動作の異常を生じたりする。
放熱用基板材として、電極取り出しセラミックパッケー
ジ材と同じアルミナを使用すると、放熱性が極端に悪く
なる。また、放熱用基板材とセラミックパッケージ材と
の熱膨張率の差が大きいと、セラミックパッケージ材
が、ろうづけ時に割れるという問題がある。それゆえ、
低熱膨張性と高放熱性とを兼ね備えた放熱用基板があれ
ば、非常に有用であり、このような放熱用基板に対する
産業上の要求度は大きくなっている。
の増大・パワー化、高密度集積化に伴い、素子から発生
する熱をどのようにしてうまく外部へ逃がすかというこ
とが大きな課題となっている。そのために、半導体素子
を放熱用基板に搭載し、この基板と素子表面とを接合す
ることによって、素子内に発生する熱を放熱用基板を通
じてパッケージ外に放出することが行われている。しか
し、この場合、放熱用基板と半導体素子との熱膨張率の
差が問題となる。たとえば、この熱膨張率の差が大きい
と、半導体素子のシリコン基板が過大な応力を受け、同
基板にクラックを生じたり動作の異常を生じたりする。
放熱用基板材として、電極取り出しセラミックパッケー
ジ材と同じアルミナを使用すると、放熱性が極端に悪く
なる。また、放熱用基板材とセラミックパッケージ材と
の熱膨張率の差が大きいと、セラミックパッケージ材
が、ろうづけ時に割れるという問題がある。それゆえ、
低熱膨張性と高放熱性とを兼ね備えた放熱用基板があれ
ば、非常に有用であり、このような放熱用基板に対する
産業上の要求度は大きくなっている。
【0003】従来、放熱用基板としては、たとえば、下
記〜のものがある。 W粉末、Mo粉末またはW−Mo粉末を焼結させた
焼結基板にCuを含浸させてなる放熱用基板。 低熱膨張材料の繊維からなる基材に放熱性の良いC
uなどの金属材料を含浸させてなる放熱用基板(特開昭
63−120448号公報参照)。この放熱用基板は、
熱伝導率は低いが低熱膨張性を示す材料により基板全体
の熱膨張を抑制し、熱膨張率は大きいが高い熱伝導性を
示すCuなどの金属材料により高い放熱性を得ようとす
るものである。
記〜のものがある。 W粉末、Mo粉末またはW−Mo粉末を焼結させた
焼結基板にCuを含浸させてなる放熱用基板。 低熱膨張材料の繊維からなる基材に放熱性の良いC
uなどの金属材料を含浸させてなる放熱用基板(特開昭
63−120448号公報参照)。この放熱用基板は、
熱伝導率は低いが低熱膨張性を示す材料により基板全体
の熱膨張を抑制し、熱膨張率は大きいが高い熱伝導性を
示すCuなどの金属材料により高い放熱性を得ようとす
るものである。
【0004】 Cu板と、Fe−Ni合金であるイン
バー合金板とがクラッドした放熱用基板。このクラッド
基板は、Cu板で放熱をさせ、インバー合金板で膨張を
抑えるという構造になっている。
バー合金板とがクラッドした放熱用基板。このクラッド
基板は、Cu板で放熱をさせ、インバー合金板で膨張を
抑えるという構造になっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前述の従来
の放熱用基板は、下記の問題があった。前記の放熱用
基板は、製造工程が複雑であり、Cuの充分な含浸も困
難である。W、MoまたはW−Moの粉末成形体は1つ
1つ成形する必要があり、さらに、それらの焼結体にお
いては、粉末同士が融着し空隙も少なく、Cuとのヌレ
性の割には焼結体内部へCuを充分に含浸させることが
できないからである。そのため、Cuによる充分な放熱
性を得ることが難しく、コストも高い。
の放熱用基板は、下記の問題があった。前記の放熱用
基板は、製造工程が複雑であり、Cuの充分な含浸も困
難である。W、MoまたはW−Moの粉末成形体は1つ
1つ成形する必要があり、さらに、それらの焼結体にお
いては、粉末同士が融着し空隙も少なく、Cuとのヌレ
性の割には焼結体内部へCuを充分に含浸させることが
できないからである。そのため、Cuによる充分な放熱
性を得ることが難しく、コストも高い。
【0006】前記の放熱用基板は、基材が繊維状の材
料からなるので、基材にCuを含浸しやすく、製造が容
易であるという利点があるが、低熱膨張材料が基板中に
一様均一に分散した構造であり、低熱膨張化を図るため
低熱膨張材料の占有率が決まると、その結果、基板全体
の熱伝導率が決定されるため、基板の放熱性が充分に確
保されず、限界があった。
料からなるので、基材にCuを含浸しやすく、製造が容
易であるという利点があるが、低熱膨張材料が基板中に
一様均一に分散した構造であり、低熱膨張化を図るため
低熱膨張材料の占有率が決まると、その結果、基板全体
の熱伝導率が決定されるため、基板の放熱性が充分に確
保されず、限界があった。
【0007】前記の放熱用基板は、Cu板部の熱膨張
を抑えるためにインバー合金板は一定以上の厚みを有し
ていなければならず、そのため充分な放熱性を得にく
い。そこで、この発明の課題は、低熱膨張性と高放熱性
とを兼ね備え、しかも容易に製造することのできる放熱
用基板を提供することにある。
を抑えるためにインバー合金板は一定以上の厚みを有し
ていなければならず、そのため充分な放熱性を得にく
い。そこで、この発明の課題は、低熱膨張性と高放熱性
とを兼ね備え、しかも容易に製造することのできる放熱
用基板を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、発明者らは、種々検討を重ねた結果、以下のことを
実験で確認して、この発明を完成した。熱伝導率は低い
が低熱膨張性を有する材料に、熱膨張率は大きいが放熱
性の良い金属材料を含浸させると、2つの性質の異なる
材料の複合材が得られる。この場合、低熱膨張材料によ
って複合材の熱膨張を抑制することができるが、放熱性
は逆に低熱膨張材料によって低くなる。ここで、低熱膨
張材料の占有率が一様均一ならば、複合材の熱膨張率と
熱伝導率の各値は、複合材のどの部分をとっても一定に
なってしまう。
め、発明者らは、種々検討を重ねた結果、以下のことを
実験で確認して、この発明を完成した。熱伝導率は低い
が低熱膨張性を有する材料に、熱膨張率は大きいが放熱
性の良い金属材料を含浸させると、2つの性質の異なる
材料の複合材が得られる。この場合、低熱膨張材料によ
って複合材の熱膨張を抑制することができるが、放熱性
は逆に低熱膨張材料によって低くなる。ここで、低熱膨
張材料の占有率が一様均一ならば、複合材の熱膨張率と
熱伝導率の各値は、複合材のどの部分をとっても一定に
なってしまう。
【0009】一例として、図1に、低熱膨張材料として
のインバー繊維に高放熱材料としてのCuを含浸させ、
その時、インバー繊維体積率(低熱膨張材料の占有率)
を変えて作った4種類の含浸材(ただし、各含浸材中に
おいては、インバー繊維体積率は一定である)を圧延に
より1mm厚さにして得られた従来の放熱用基板につい
て、その板厚方向の熱伝導率と、圧延途中で板厚が5mm
の時の板面内方向の熱膨張率とを25℃で測定した結果
を示す。なお、図1中、熱伝導率は「×」で、熱膨張率
は「○」でプロットして示した。また、この図には、イ
ンバー繊維体積率が0%および100%の場合の各測定
値も併せて示した。試料中のインバー繊維は、その長さ
方向がほぼ板面内方向に揃って存在している。図1にみ
るように、インバー繊維体積率が定まると、板厚方向の
熱伝導率および板面内方向の熱膨張率はいずれも一律に
決まってしまう。
のインバー繊維に高放熱材料としてのCuを含浸させ、
その時、インバー繊維体積率(低熱膨張材料の占有率)
を変えて作った4種類の含浸材(ただし、各含浸材中に
おいては、インバー繊維体積率は一定である)を圧延に
より1mm厚さにして得られた従来の放熱用基板につい
て、その板厚方向の熱伝導率と、圧延途中で板厚が5mm
の時の板面内方向の熱膨張率とを25℃で測定した結果
を示す。なお、図1中、熱伝導率は「×」で、熱膨張率
は「○」でプロットして示した。また、この図には、イ
ンバー繊維体積率が0%および100%の場合の各測定
値も併せて示した。試料中のインバー繊維は、その長さ
方向がほぼ板面内方向に揃って存在している。図1にみ
るように、インバー繊維体積率が定まると、板厚方向の
熱伝導率および板面内方向の熱膨張率はいずれも一律に
決まってしまう。
【0010】そこで、低熱膨張材料の占有率を基板の厚
さ方向に傾斜的に変化させた傾斜組成構造にすると、基
板の一方の側の表面から反対側の表面に向かって熱膨張
率が増加していくとともに熱伝導率も大きくなっていく
連続体となり、その結果、半導体素子が搭載され接合さ
れる一方の側の表面は半導体素子基板と同程度の低熱膨
張であり、また、電極取り出しパッケージと接する部分
はアルミナなどのセラミック並の熱膨張率を示し、基板
の反対側表面は、放熱性金属材料が多くなるなど、基板
全体としては放熱用金属の占める体積が多く、高放熱性
を有する放熱用基板とすることが可能になるということ
である。
さ方向に傾斜的に変化させた傾斜組成構造にすると、基
板の一方の側の表面から反対側の表面に向かって熱膨張
率が増加していくとともに熱伝導率も大きくなっていく
連続体となり、その結果、半導体素子が搭載され接合さ
れる一方の側の表面は半導体素子基板と同程度の低熱膨
張であり、また、電極取り出しパッケージと接する部分
はアルミナなどのセラミック並の熱膨張率を示し、基板
の反対側表面は、放熱性金属材料が多くなるなど、基板
全体としては放熱用金属の占める体積が多く、高放熱性
を有する放熱用基板とすることが可能になるということ
である。
【0011】したがって、この発明にかかる放熱用基板
は、低熱膨張材料の繊維からなる基材に放熱性の良い金
属材料を含浸させてなる放熱用基板において、前記低熱
膨張材料の繊維の占有率が基板の厚さ方向に傾斜的に変
化する傾斜組成構造になっていることを特徴とするもの
である。ここで、占有率とは、材料の占める体積の割合
(体積%)を意味する。また、低熱膨張材料の繊維の占
有率が基板の厚さ方向に傾斜的に変化するとは、低熱膨
張材料の繊維の占有率が基板の一方の側の表面から反対
側の表面に向かって減少もしくは増加していくことを意
味する。上記占有率の、このような減少もしくは増加の
し方は、連続的かつ一様なものに限らない。たとえば、
この発明の目的を損わない範囲内で、上記占有率が不連
続的(たとえば、階段状)に減少もしくは増加していく
ものであってもよい。
は、低熱膨張材料の繊維からなる基材に放熱性の良い金
属材料を含浸させてなる放熱用基板において、前記低熱
膨張材料の繊維の占有率が基板の厚さ方向に傾斜的に変
化する傾斜組成構造になっていることを特徴とするもの
である。ここで、占有率とは、材料の占める体積の割合
(体積%)を意味する。また、低熱膨張材料の繊維の占
有率が基板の厚さ方向に傾斜的に変化するとは、低熱膨
張材料の繊維の占有率が基板の一方の側の表面から反対
側の表面に向かって減少もしくは増加していくことを意
味する。上記占有率の、このような減少もしくは増加の
し方は、連続的かつ一様なものに限らない。たとえば、
この発明の目的を損わない範囲内で、上記占有率が不連
続的(たとえば、階段状)に減少もしくは増加していく
ものであってもよい。
【0012】この発明で用いられる基材の構成原料であ
る低熱膨張材料(熱膨張率の低い材料)としては、特に
限定はされないが、たとえば、インバー合金、W、M
o、C、SiC等が挙げられる。それらの繊維の態様と
しては、特に限定はされないが、ウィスカーのようなも
の、長繊維や短繊維のようなもの、あるいは、単繊維や
撚線のカーボン繊維を用いて織った織布状のようなもの
等がある。たとえば、インバーをビビリ切削することに
より、径が50μm、長さが1mm程度の繊維を得ること
ができる。低熱膨張材料の繊維は、1種のみを用いても
よいし2種以上を併用してもよい。
る低熱膨張材料(熱膨張率の低い材料)としては、特に
限定はされないが、たとえば、インバー合金、W、M
o、C、SiC等が挙げられる。それらの繊維の態様と
しては、特に限定はされないが、ウィスカーのようなも
の、長繊維や短繊維のようなもの、あるいは、単繊維や
撚線のカーボン繊維を用いて織った織布状のようなもの
等がある。たとえば、インバーをビビリ切削することに
より、径が50μm、長さが1mm程度の繊維を得ること
ができる。低熱膨張材料の繊維は、1種のみを用いても
よいし2種以上を併用してもよい。
【0013】基材に含浸される放熱性の良い金属材料と
しては、特に限定はされないが、たとえば、Cu等が挙
げられる。この放熱性の良い金属材料も、前記低熱膨張
材料と同様に繊維にすることができる。放熱用基板中の
低熱膨張材料の繊維の占有率は、その値が最大となる側
の基板表面において80体積%以下であることが好まし
い。上記占有率が80体積%を超えると、充分な放熱効
果を得ることが難しいだけでなく、後で述べる製造過程
において放熱性の良い金属材料を含浸させた基材の圧延
時に割れが生じ、好ましくないからである。また、上記
占有率は、その値が最小となる側の基板表面において
は、0体積%(放熱性の良い金属材料が100体積%)
でもよいし、0体積%でなくてもよい。
しては、特に限定はされないが、たとえば、Cu等が挙
げられる。この放熱性の良い金属材料も、前記低熱膨張
材料と同様に繊維にすることができる。放熱用基板中の
低熱膨張材料の繊維の占有率は、その値が最大となる側
の基板表面において80体積%以下であることが好まし
い。上記占有率が80体積%を超えると、充分な放熱効
果を得ることが難しいだけでなく、後で述べる製造過程
において放熱性の良い金属材料を含浸させた基材の圧延
時に割れが生じ、好ましくないからである。また、上記
占有率は、その値が最小となる側の基板表面において
は、0体積%(放熱性の良い金属材料が100体積%)
でもよいし、0体積%でなくてもよい。
【0014】この発明にかかる放熱用基板は、特に限定
されるわけではないが、たとえば、以下のようにして製
造することができる。まず、低熱膨張材料からなる繊維
による基材を作る。繊維を充分に混合し、金型に入れて
所望形状に成形する。繊維同士の成形体において、成形
圧力の大きいところは繊維同士の隙間は詰まるようにな
るが、内部にはまだ隙間が残っている。基材における低
熱膨張材料の占有率は、成形時の圧力、繊維の態様など
によって、あるいは、低熱膨張材料の繊維にCuの繊維
を所定の割合で混合することなどによって調整すること
ができる。
されるわけではないが、たとえば、以下のようにして製
造することができる。まず、低熱膨張材料からなる繊維
による基材を作る。繊維を充分に混合し、金型に入れて
所望形状に成形する。繊維同士の成形体において、成形
圧力の大きいところは繊維同士の隙間は詰まるようにな
るが、内部にはまだ隙間が残っている。基材における低
熱膨張材料の占有率は、成形時の圧力、繊維の態様など
によって、あるいは、低熱膨張材料の繊維にCuの繊維
を所定の割合で混合することなどによって調整すること
ができる。
【0015】次に、低熱膨張材料を板厚方向に傾斜組成
構造にするための方法について述べる。Cuを含浸後に
半導体素子基板並の低熱膨張率を基板の一方の側の表面
に得るために必要な低熱膨張材料の占有率を有する成形
体から、基板の反対側表面に要求される熱膨張率を得る
のに必要な占有率を有する成形体まで、占有率がおおむ
ね10〜20体積%毎に異なる複数の成形体を、低熱膨
張材料の繊維と放熱性の良い金属材料の繊維とを所定の
割合で用いて低熱膨張材料の占有率を調整することによ
り用意する。図2にみるように、これらの複数の成形体
を低熱膨張材料の占有率の大きい順に、ヒーター2で囲
まれた金型5の中に挿入して基材1とし、ヒーター2に
より、放熱性の良い金属材料の融点直下50℃以内の温
度範囲に加熱し、この状態の基材1に対して、放熱性の
良い金属材料、たとえば、Cuの溶湯3を、金型5の可
動型4で圧力を加えながら注入し含浸させる。基材1は
粉末の焼結体でなく、また、基材1中の放熱性の良い金
属材料も既に融点近くにあるので、Cuの溶湯3の浸入
する道筋ができ、Cuは基材内部へ充分に含浸できる。
ただし、板厚方向に傾斜組成構造にするための方法は上
記のものに限定されない。
構造にするための方法について述べる。Cuを含浸後に
半導体素子基板並の低熱膨張率を基板の一方の側の表面
に得るために必要な低熱膨張材料の占有率を有する成形
体から、基板の反対側表面に要求される熱膨張率を得る
のに必要な占有率を有する成形体まで、占有率がおおむ
ね10〜20体積%毎に異なる複数の成形体を、低熱膨
張材料の繊維と放熱性の良い金属材料の繊維とを所定の
割合で用いて低熱膨張材料の占有率を調整することによ
り用意する。図2にみるように、これらの複数の成形体
を低熱膨張材料の占有率の大きい順に、ヒーター2で囲
まれた金型5の中に挿入して基材1とし、ヒーター2に
より、放熱性の良い金属材料の融点直下50℃以内の温
度範囲に加熱し、この状態の基材1に対して、放熱性の
良い金属材料、たとえば、Cuの溶湯3を、金型5の可
動型4で圧力を加えながら注入し含浸させる。基材1は
粉末の焼結体でなく、また、基材1中の放熱性の良い金
属材料も既に融点近くにあるので、Cuの溶湯3の浸入
する道筋ができ、Cuは基材内部へ充分に含浸できる。
ただし、板厚方向に傾斜組成構造にするための方法は上
記のものに限定されない。
【0016】含浸が済んだ基材は、必要に応じて、圧延
により適宜必要な厚みとしたり、所望の形状に切断ある
いは切削・研削したりすることができ、加工性は良い。
圧延は、圧延前の基板の厚みが、たとえば、50mmの
時、圧延後の厚みを1〜2mm程度にすることができる。
圧延を行った場合、得られる基板中の低熱膨張材料繊維
は、おおむね、板面内に繊維の長さ方向が揃っており、
その方向は面内2次元的に無秩序となった組織を示し、
これにより、板面内方向の熱膨張がより抑制されるので
好ましい。
により適宜必要な厚みとしたり、所望の形状に切断ある
いは切削・研削したりすることができ、加工性は良い。
圧延は、圧延前の基板の厚みが、たとえば、50mmの
時、圧延後の厚みを1〜2mm程度にすることができる。
圧延を行った場合、得られる基板中の低熱膨張材料繊維
は、おおむね、板面内に繊維の長さ方向が揃っており、
その方向は面内2次元的に無秩序となった組織を示し、
これにより、板面内方向の熱膨張がより抑制されるので
好ましい。
【0017】得られる基板の板厚方向に関する低熱膨張
材料繊維の体積%は、基板の一方の側の表面から反対側
の表面にわたって、その値はなだらかに連続して増加あ
るいは減少していく傾斜組成構造のものとなる。このよ
うにして得られる放熱用基板の基材は、含浸が容易で加
工性に富むため、放熱用基板の製造が簡単となる。ただ
し、織布状の繊維を層状に重ねて用いた基材は伸び難い
ので、圧延しにくい傾向がある。
材料繊維の体積%は、基板の一方の側の表面から反対側
の表面にわたって、その値はなだらかに連続して増加あ
るいは減少していく傾斜組成構造のものとなる。このよ
うにして得られる放熱用基板の基材は、含浸が容易で加
工性に富むため、放熱用基板の製造が簡単となる。ただ
し、織布状の繊維を層状に重ねて用いた基材は伸び難い
ので、圧延しにくい傾向がある。
【0018】上記のようにして得られる放熱用基板は、
半導体素子を直接取りつけたり、あるいは、その上にセ
ラミックなどで絶縁層を形成してから素子を取りつけた
りする他、絶縁層上に配線パターン形成や部品搭載する
ような使い方もできる。また、半導体素子を直接取りつ
けた面と反対側の面をセラミックパッケージと接合した
り、さらには、基板の厚みを増やして板厚途中で切削さ
れた面で上記セラミックパッケージとの接合を行い、連
続してつながった低熱膨張材繊維の少ない放熱性金属材
料の多い部分で放熱を効率良く行う構造にも使用でき
る。
半導体素子を直接取りつけたり、あるいは、その上にセ
ラミックなどで絶縁層を形成してから素子を取りつけた
りする他、絶縁層上に配線パターン形成や部品搭載する
ような使い方もできる。また、半導体素子を直接取りつ
けた面と反対側の面をセラミックパッケージと接合した
り、さらには、基板の厚みを増やして板厚途中で切削さ
れた面で上記セラミックパッケージとの接合を行い、連
続してつながった低熱膨張材繊維の少ない放熱性金属材
料の多い部分で放熱を効率良く行う構造にも使用でき
る。
【0019】
【作用】低熱膨張材料の繊維からなる基材に放熱性の良
い金属材料を含浸させてなる放熱用基板において、前記
低熱膨張材料の繊維の占有率が基板の厚さ方向に傾斜的
に変化する傾斜組成構造になるようにすると、上記占有
率の変化に伴い、熱膨張率と熱伝導率も傾斜的に変化す
る。そのため、板の途中厚さの部分での熱膨張率を制御
でき、これにより、半導体素子が搭載され接合される一
方の側の表面は半導体素子基板と同程度の低熱膨張であ
り、また、電極取り出しパッケージと接する部分はアル
ミナなどのセラミック並の熱膨張率を示し、さらには接
合のない反対側の表面に至るまで熱膨張率が傾斜的に増
加していく。この放熱用基板は、クラッド基板のように
板厚途中で低熱膨張材料により熱伝導が遮断されること
がなくなり、また、寸断されることがなく連続した放熱
性金属材料の量が板厚方向に増加していくので、低熱膨
張材料が一定体積量の基板より放熱性金属材料の量が総
量として多くなり、その結果、放熱性が向上する。
い金属材料を含浸させてなる放熱用基板において、前記
低熱膨張材料の繊維の占有率が基板の厚さ方向に傾斜的
に変化する傾斜組成構造になるようにすると、上記占有
率の変化に伴い、熱膨張率と熱伝導率も傾斜的に変化す
る。そのため、板の途中厚さの部分での熱膨張率を制御
でき、これにより、半導体素子が搭載され接合される一
方の側の表面は半導体素子基板と同程度の低熱膨張であ
り、また、電極取り出しパッケージと接する部分はアル
ミナなどのセラミック並の熱膨張率を示し、さらには接
合のない反対側の表面に至るまで熱膨張率が傾斜的に増
加していく。この放熱用基板は、クラッド基板のように
板厚途中で低熱膨張材料により熱伝導が遮断されること
がなくなり、また、寸断されることがなく連続した放熱
性金属材料の量が板厚方向に増加していくので、低熱膨
張材料が一定体積量の基板より放熱性金属材料の量が総
量として多くなり、その結果、放熱性が向上する。
【0020】この発明では、低熱膨張材料としては、粒
状ではなく繊維状のものを用いるようにしている。繊維
状の低熱膨張材料を用いると、圧延等により、低熱膨張
材料の繊維の長さ方向を板面内方向に揃えることが可能
になる。低熱膨張材料の繊維がその長さ方向が板面内方
向に揃った状態で存在すると、板面内の二次元方向に無
秩序に並んだ繊維のため板面内方向の熱膨張は、粒状の
ものを用いた場合よりも効果的に抑制される。
状ではなく繊維状のものを用いるようにしている。繊維
状の低熱膨張材料を用いると、圧延等により、低熱膨張
材料の繊維の長さ方向を板面内方向に揃えることが可能
になる。低熱膨張材料の繊維がその長さ方向が板面内方
向に揃った状態で存在すると、板面内の二次元方向に無
秩序に並んだ繊維のため板面内方向の熱膨張は、粒状の
ものを用いた場合よりも効果的に抑制される。
【0021】
【実施例】以下に、この発明の実施例と比較例を述べる
が、この発明は下記実施例に限定されない。 −実施例1− 直径約50μm、長さ約1mmのインバーの短繊維と直径
約50μm、長さ約2mmのCuの短繊維とを、90体積
%と10体積%、75体積%と25体積%、60体積%
と40体積%、45体積%と55体積%、30体積%と
70体積%、15体積%と85体積%の6通りの割合で
混合した後、各混合物を別個に金型に入れ約1トン/cm
2 の圧力で成形して、インバー短繊維体積率の異なる6
種類の成形体(各10mm厚さ)を作った。これらの成形
体を、金型にインバー短繊維体積率の大きい方から順に
挿入して、基材を得た。次に、金型温度を1040〜1
060℃に設定し、Cuの溶湯を約0.6トン/cm2 の
圧力で含浸させた。この含浸処理は、Cuの酸化を防ぐ
ためにAr雰囲気中で行った。含浸後、Cu単体部分1
0mmを含めて切り出し、全体で70mm厚さの基材を冷間
圧延と2回の焼鈍により割れのない厚さ2mmの放熱用基
板を完成した。
が、この発明は下記実施例に限定されない。 −実施例1− 直径約50μm、長さ約1mmのインバーの短繊維と直径
約50μm、長さ約2mmのCuの短繊維とを、90体積
%と10体積%、75体積%と25体積%、60体積%
と40体積%、45体積%と55体積%、30体積%と
70体積%、15体積%と85体積%の6通りの割合で
混合した後、各混合物を別個に金型に入れ約1トン/cm
2 の圧力で成形して、インバー短繊維体積率の異なる6
種類の成形体(各10mm厚さ)を作った。これらの成形
体を、金型にインバー短繊維体積率の大きい方から順に
挿入して、基材を得た。次に、金型温度を1040〜1
060℃に設定し、Cuの溶湯を約0.6トン/cm2 の
圧力で含浸させた。この含浸処理は、Cuの酸化を防ぐ
ためにAr雰囲気中で行った。含浸後、Cu単体部分1
0mmを含めて切り出し、全体で70mm厚さの基材を冷間
圧延と2回の焼鈍により割れのない厚さ2mmの放熱用基
板を完成した。
【0022】得られた基板の一方の側の表面におけるイ
ンバー短繊維体積率は65%であり、反対側の表面にお
けるインバー短繊維体積率は0%であった。この2mm厚
さの放熱用基板の断面組織観察を行うと、インバー短繊
維量は、なだらかに一方側表面から反対側表面に向かっ
て変化していた。また、インバー短繊維の長さ方向は、
概ね、基板面に対して平行に揃っており、同時に、面内
2次元的に無秩序であった。
ンバー短繊維体積率は65%であり、反対側の表面にお
けるインバー短繊維体積率は0%であった。この2mm厚
さの放熱用基板の断面組織観察を行うと、インバー短繊
維量は、なだらかに一方側表面から反対側表面に向かっ
て変化していた。また、インバー短繊維の長さ方向は、
概ね、基板面に対して平行に揃っており、同時に、面内
2次元的に無秩序であった。
【0023】得られた基板の板厚方向の熱伝導率をレー
ザー・フラッシュ法で測定した。また、前記圧延の途中
で厚さが35mmに達した時に基材の一部を切り出し、イ
ンバー短繊維体積率の最も大きい基材表面から、圧延面
内方向に平行に5mm×5mmで20mm長さの熱膨張試験片
を切り出し、焼鈍後、熱膨張率を測定した。それらの結
果を表1に示した。
ザー・フラッシュ法で測定した。また、前記圧延の途中
で厚さが35mmに達した時に基材の一部を切り出し、イ
ンバー短繊維体積率の最も大きい基材表面から、圧延面
内方向に平行に5mm×5mmで20mm長さの熱膨張試験片
を切り出し、焼鈍後、熱膨張率を測定した。それらの結
果を表1に示した。
【0024】−実施例2− 直径約100μm、長さ約2mmのW短繊維と直径約50
μm、長さ約2mmのCuの短繊維とを、95体積%と5
体積%、80体積%と20体積%、65体積%と35体
積%、50体積%と50体積%、35体積%と65体積
%、20体積%と80体積%の6通りの割合で混合した
後、各混合物を別個に金型に入れ約1トン/cm2 の圧力
で成形して、W短繊維体積率の異なる6種類の成形体
(各10mm厚さ)を作った。これらの成形体を、金型に
W短繊維体積率の大きい方から順に挿入して、基材を得
た。次に、金型温度を1040〜1060℃に設定し、
Cuの溶湯を約0.6トン/cm2 の圧力で含浸させた。
この含浸処理は、Cuの酸化を防ぐためにAr雰囲気中
で行った。含浸後、Cu単体部分10mmを含めて切り出
し、全体で70mm厚さの基材を冷間圧延と2回の焼鈍に
より割れのない厚さ2mmの放熱用基板を完成した。
μm、長さ約2mmのCuの短繊維とを、95体積%と5
体積%、80体積%と20体積%、65体積%と35体
積%、50体積%と50体積%、35体積%と65体積
%、20体積%と80体積%の6通りの割合で混合した
後、各混合物を別個に金型に入れ約1トン/cm2 の圧力
で成形して、W短繊維体積率の異なる6種類の成形体
(各10mm厚さ)を作った。これらの成形体を、金型に
W短繊維体積率の大きい方から順に挿入して、基材を得
た。次に、金型温度を1040〜1060℃に設定し、
Cuの溶湯を約0.6トン/cm2 の圧力で含浸させた。
この含浸処理は、Cuの酸化を防ぐためにAr雰囲気中
で行った。含浸後、Cu単体部分10mmを含めて切り出
し、全体で70mm厚さの基材を冷間圧延と2回の焼鈍に
より割れのない厚さ2mmの放熱用基板を完成した。
【0025】得られた基板の一方の側の表面におけるW
短繊維体積率は65%であり、反対側の表面におけるW
短繊維体積率は0%であった。この2mm厚さの放熱用基
板の断面組織観察を行うと、W短繊維量は、なだらかに
一方側表面から反対側表面に向かって変化していた。ま
た、W短繊維の長さ方向は、概ね、基板面に対して平行
に揃っており、同時に、面内2次元的に無秩序であっ
た。
短繊維体積率は65%であり、反対側の表面におけるW
短繊維体積率は0%であった。この2mm厚さの放熱用基
板の断面組織観察を行うと、W短繊維量は、なだらかに
一方側表面から反対側表面に向かって変化していた。ま
た、W短繊維の長さ方向は、概ね、基板面に対して平行
に揃っており、同時に、面内2次元的に無秩序であっ
た。
【0026】得られた基板の板厚方向の熱伝導率をレー
ザー・フラッシュ法で測定した。また、前記圧延の途中
で厚さが35mmに達した時に基材の一部を切り出し、W
短繊維体積率の最も大きい基材表面から、圧延面内方向
に平行に5mm×5mmで20mm長さの熱膨張試験片を切り
出し、焼鈍後、熱膨張率を測定した。それらの結果を表
1に示した。
ザー・フラッシュ法で測定した。また、前記圧延の途中
で厚さが35mmに達した時に基材の一部を切り出し、W
短繊維体積率の最も大きい基材表面から、圧延面内方向
に平行に5mm×5mmで20mm長さの熱膨張試験片を切り
出し、焼鈍後、熱膨張率を測定した。それらの結果を表
1に示した。
【0027】−実施例3− 直径約100μm、長さ約2mmのSiC短繊維と直径約
50μm、長さ約2mmのCuの短繊維とを、95体積%
と5体積%、85体積%と15体積%、75体積%と2
5体積%、65体積%と35体積%の4通りの割合で混
合した後、各混合物を別個に金型に入れ約1トン/cm2
の圧力で成形して、SiC短繊維体積率の異なる4種類
の成形体(各10mm厚さ)を作った。これらの成形体
を、金型にSiC短繊維体積率の大きい方から順に挿入
して、基材を得た。次に、金型温度を1040〜106
0℃に設定し、Cuの溶湯を約0.6トン/cm2 の圧力
で含浸させた。この含浸処理は、Cuの酸化を防ぐため
にAr雰囲気中で行った。含浸後、全体で40mm厚さの
基材を冷間圧延と2回の焼鈍により割れのない厚さ2mm
の放熱用基板を完成した。
50μm、長さ約2mmのCuの短繊維とを、95体積%
と5体積%、85体積%と15体積%、75体積%と2
5体積%、65体積%と35体積%の4通りの割合で混
合した後、各混合物を別個に金型に入れ約1トン/cm2
の圧力で成形して、SiC短繊維体積率の異なる4種類
の成形体(各10mm厚さ)を作った。これらの成形体
を、金型にSiC短繊維体積率の大きい方から順に挿入
して、基材を得た。次に、金型温度を1040〜106
0℃に設定し、Cuの溶湯を約0.6トン/cm2 の圧力
で含浸させた。この含浸処理は、Cuの酸化を防ぐため
にAr雰囲気中で行った。含浸後、全体で40mm厚さの
基材を冷間圧延と2回の焼鈍により割れのない厚さ2mm
の放熱用基板を完成した。
【0028】得られた基板の一方の側の表面におけるS
iC短繊維体積率は65%であり、反対側の表面におけ
るSiC短繊維体積率は45%であった。この2mm厚さ
の放熱用基板の断面組織観察を行うと、SiC短繊維量
は、なだらかに一方側表面から反対側表面に向かって変
化していた。また、SiC短繊維の長さ方向は、概ね、
基板面に対して平行に揃っており、同時に、面内2次元
的に無秩序であった。
iC短繊維体積率は65%であり、反対側の表面におけ
るSiC短繊維体積率は45%であった。この2mm厚さ
の放熱用基板の断面組織観察を行うと、SiC短繊維量
は、なだらかに一方側表面から反対側表面に向かって変
化していた。また、SiC短繊維の長さ方向は、概ね、
基板面に対して平行に揃っており、同時に、面内2次元
的に無秩序であった。
【0029】得られた基板の板厚方向の熱伝導率をレー
ザー・フラッシュ法で測定した。また、前記圧延の途中
で厚さが35mmに達した時に基材の一部を切り出し、S
iC短繊維体積率の最も大きい基材表面および最も少な
い基材表面から、圧延面内方向に平行に5mm×5mmで2
0mm長さの熱膨張試験片を切り出し、焼鈍後、熱膨張率
を測定した。それらの結果を表1に示した。
ザー・フラッシュ法で測定した。また、前記圧延の途中
で厚さが35mmに達した時に基材の一部を切り出し、S
iC短繊維体積率の最も大きい基材表面および最も少な
い基材表面から、圧延面内方向に平行に5mm×5mmで2
0mm長さの熱膨張試験片を切り出し、焼鈍後、熱膨張率
を測定した。それらの結果を表1に示した。
【0030】以上の実施例に併せて、次のような比較例
1〜3の放熱用基板の熱伝導率と熱膨張率の測定を行っ
た。 −比較例1− 実施例1において、基板中のインバー短繊維体積率を基
板全体にわたり均一に65%とした放熱用基板。
1〜3の放熱用基板の熱伝導率と熱膨張率の測定を行っ
た。 −比較例1− 実施例1において、基板中のインバー短繊維体積率を基
板全体にわたり均一に65%とした放熱用基板。
【0031】−比較例2− 実施例2において、基板中のW短繊維体積率を基板全体
にわたり均一に65%とした放熱用基板。 −比較例3− 実施例3において、基板中のSiC短繊維体積率を基板
全体にわたり均一に65%とした放熱用基板。
にわたり均一に65%とした放熱用基板。 −比較例3− 実施例3において、基板中のSiC短繊維体積率を基板
全体にわたり均一に65%とした放熱用基板。
【0032】測定結果は、表1の通りである。
【0033】
【表1】
【0034】表1にみるように、実施例1〜3で得られ
た放熱用基板の熱膨張率は、シリコンやGaAsのよう
な半導体素子の熱膨張率に合致しているだけでなく、放
熱用基板の他端が電極取り出し用アルミナパッケージの
熱膨張率にも合致していることが確認された。また、実
施例1〜3で得られた放熱用基板は、比較例1〜3で得
られた放熱用基板に比べて、放熱性が著しく向上してい
ることが確認された。
た放熱用基板の熱膨張率は、シリコンやGaAsのよう
な半導体素子の熱膨張率に合致しているだけでなく、放
熱用基板の他端が電極取り出し用アルミナパッケージの
熱膨張率にも合致していることが確認された。また、実
施例1〜3で得られた放熱用基板は、比較例1〜3で得
られた放熱用基板に比べて、放熱性が著しく向上してい
ることが確認された。
【0035】
【発明の効果】この発明にかかる放熱用基板は、半導体
素子やセラミック等と同じ程度の低熱膨張率に維持でき
るとともに、優れた放熱性を有する。しかも、その製造
が容易である。
素子やセラミック等と同じ程度の低熱膨張率に維持でき
るとともに、優れた放熱性を有する。しかも、その製造
が容易である。
【図1】インバー繊維体積率と熱膨張率、熱伝導率との
相関関係を表すグラフである。
相関関係を表すグラフである。
【図2】溶湯を含浸させるための金型を表す側断面図で
ある。
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H05K 1/03 C 7011−4E 1/05 A 8727−4E 7/20 C 8727−4E H01L 23/36 M
Claims (2)
- 【請求項1】 低熱膨張材料の繊維からなる基材に放熱
性の良い金属材料を含浸させてなる放熱用基板におい
て、前記低熱膨張材料の繊維の占有率が基板の厚さ方向
に傾斜的に変化する傾斜組成構造になっていることを特
徴とする放熱用基板。 - 【請求項2】 低熱膨張材料の繊維の占有率が、その値
が最大となる側の基板表面において80体積%以下であ
り、放熱性の良い金属材料の含浸後の基材に圧延が施さ
れている請求項1記載の放熱用基板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28912792A JPH06140531A (ja) | 1992-10-27 | 1992-10-27 | 放熱用基板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28912792A JPH06140531A (ja) | 1992-10-27 | 1992-10-27 | 放熱用基板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06140531A true JPH06140531A (ja) | 1994-05-20 |
Family
ID=17739115
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28912792A Pending JPH06140531A (ja) | 1992-10-27 | 1992-10-27 | 放熱用基板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06140531A (ja) |
-
1992
- 1992-10-27 JP JP28912792A patent/JPH06140531A/ja active Pending
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