JPH06138945A - マスタスレーブマニピュレータの制御装置 - Google Patents

マスタスレーブマニピュレータの制御装置

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JPH06138945A
JPH06138945A JP28792192A JP28792192A JPH06138945A JP H06138945 A JPH06138945 A JP H06138945A JP 28792192 A JP28792192 A JP 28792192A JP 28792192 A JP28792192 A JP 28792192A JP H06138945 A JPH06138945 A JP H06138945A
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slave
arm
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JP28792192A
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Makoto Asakura
倉 誠 朝
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 少ない制御プログラム量で複数の操作モード
を実現することができるマスタスレーブマニピュレータ
の制御装置を提供する。 【構成】 内部モデルを用いるマスタスレーブマニピュ
レータのバイラテラル制御アルゴリズムを基本とし、こ
の内部モデルとこの内部モデルが出力する目標位置にア
ームを追従させる位置追従制御手段との間に、上記目標
運動値を操作モードに対応してオフセット補正して上記
位置追従制御手段に与えるオフセット補正手段を配置し
ている。 【効果】 マスタスレーブの制御処理アルゴリズムを各
操作モード毎に設ける必要がなく全体の処理プログラム
量を減らすことができる。また、目標値を一旦保持して
いるオフセット補正手段を介して他の操作モードへ移行
するので、モードの移行に伴うアームの急な動きを防止
して滑らかな動きを実現可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、遠隔作業用のロボット
であるマスタスレーブマニピュレータ装の制御装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、マスタスレーブマニピュレータの
多機能化が進み、従来の「バイラテラルモード」に加
え、「マスタシフト(原点移動)モード」、「速度操作
モード」等の機能が要求され、準備されるようになっ
た。
【0003】「バイラテラルモード」とは、マスタアー
ム(操縦装置)の位置を追従するように、作業環境側の
スレーブアームを制御するモードであり、通常、マスタ
スレーブマニピュレータは、バイラテラルモードで使用
される。
【0004】「マスタシフトモード」とは、異構造マス
タスレーブにおけるマスタアームとスレーブアームの動
作範囲の違いや、オペレータの作業し易さを考慮して準
備されたモードである。バイラテラルモードで作業して
いる場合に、マスタアームの動作範囲限界に達したとき
や、操作者が作業しにくい姿勢になったときに、このマ
スタシフトモードで任意の位置にマスタだけを移動する
ことができる。このモードの間、スレーブアームは停止
状態となり、マスタアームは自在に操作可能となる。そ
して、バイラテラルモードに復帰すると同時に、マスタ
シフトモードで決められたマスタスレーブ間のオフセッ
ト関係を維持したままバイラテラル作業に移行する。
【0005】「速度操作モード」とは、ジョイスティッ
クでロボットを操作する感覚で、スレーブアームを速度
指令操作するモードである。このモードにより、スレー
ブアーム対応点(通常手先)の大きな移動を行う場合等
に、上記マスタシフトモードによるマスタ原点移動を繰
り返してスレーブアームを操作する煩雑さを避けること
ができる。この速度指令モードでは、通常、マスタアー
ムはサーボロックされ、操作者がマスタアームに加えた
力によって生じた微少変位や操作力が検出される。この
検出量に比例した速度でスレーブアーム先端を動作させ
る。
【0006】上述した機能を、マスタスレーブで実現す
る場合、各機能毎にアルゴリズムを準備し、要求された
操作モードに応じて適切な制御アルゴリズムを選択・切
替える、分岐処理が一般的に採用されている。
【0007】複数のモードを選択して異なる機能を実現
する分岐処理は、操作モード毎に制御アルゴリズムを切
替える当然の結果として、全体の制御プログラムが巨大
化し複雑になる欠点がある。更に、異なるアルゴリズム
間を移行する際に、連続的なマスタスレーブ操作を実現
するため、操作モードをどのように切替えても、各アー
ムを滑らかに動作させるマスタスレーブ間オフセット処
理及び同期処理がかなり複雑である。
【0008】一方、バイラテラルモード及びマスタ原点
移動機能に限定した異構造マスタスレーブでは、分岐処
理をしなくとも、リレーを利用してバイラテラルモード
用の単一アルゴリズムでモードを切替えできる方式(例
えば、特開平3−184779号公報)も提案されてい
る。
【0009】この方式によれば、複数のアルゴリズムを
用意しなくても良いため、プログラムがコンパクト、モ
ード切替による同期処理が不要、更にオフセット処理が
滑らかになる等の利点がある。しかしながら、この発明
は「バイラテラルモード」及び「マスタシフト(原点移
動)モード」の2つの機能の実現を前提として考慮され
たもので、この方式を拡張して、上記した「速度操作モ
ード」を実現することは出来ない。
【0010】すなわち、「速度操作モード」を実現する
には、依然として速度操作モード専用の別途に用意され
た制御アルゴリズムを必要とし、従来の分岐処理と同様
の問題点が生ずる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
多機能を備えたマスタスレーブの制御装置では、各機能
毎に処理アルゴリズムを設けて分岐処理しるため、プロ
グラムが巨大化して複雑となる欠点があった。また、各
操作モードをどのように切り替えても、滑らかにマスタ
スレーブを動作させるためのオフセット処理が複雑にな
る欠点があった。
【0012】よって、本発明は、少ない制御アルゴリズ
ムで各操作モードを実現でき、どのように操作モードを
切替えてもスレーブアームが滑らかで連続的に動作する
マスタスレーブの制御装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明のマスタスレーブマニピュレータの制御装置は、
マスタアーム及びスレーブアーム各々において検出され
た力検出力を入力として上記マスタアーム及び上記スレ
ーブアーム各々の目標運動値を生成する内部モデルと、
与えられる目標運動値を追従するように上記マスタアー
ム及び上記スレーブアームを夫々動作させる第1及び第
2の位置追従手段と、上記マスタアームの目標運動値を
アームの操作モードに対応してオフセット補正して上記
第1の位置追従手段に与える第1オフセット補正手段
と、上記スレーブアームの目標運動値をアームの操作モ
ードに対応してオフセット補正して上記第2の位置追従
手段に与える第2オフセット補正手段と、を備えたこと
を特徴とする。
【0014】
【作用】内部モデルを用いるマスタスレーブマニピュレ
ータのバイラテラル制御アルゴリズムを基本とし、その
内部モデル出力とこの出力にアームを追従させる位置追
従制御手段の入力との間に、マスタスレーブマニピュレ
ータの操作モードに対応してオフセット量を設定するオ
フセット補正手段を配置する。
【0015】この結果、バイラテラル制御アルゴリズム
を活用して他の操作モードを実現でき、同じ数の操作モ
ードを実現する制御プログラムに比べて全体の制御プロ
グラム量を少なくすることが可能となる。
【0016】
【実施例】まず、内部モデルによるバイラテラル制御の
概念を説明する。図4は、本発明の基礎となる内部モデ
ル(仮想モデル)及びオフセット補正概念を示してい
る。内部モデルは、例えば、マスタスレーブマニピュレ
ータの力学的な仮想モデルであり、計算機上に構築され
る。図示の内部モデルはマス・ダンパからなる単純化さ
れた仮想モデルの例を示しており、マスタ側・スプレー
ブ側の内部モデル位置Pvm,Pvsは一致している
(Pvm=Pvs=Pv)。質量Mvの質点は固定ベー
スと粘性係数Cvのダンパで接合され、マスタ側力検出
手段により検出されたマスタ操作力Fmとスレーブ側力
検出手段により検出されたスレーブ反力Fsとの合力が
加わり運動する。マスタ操作力Fm及びスレーブ反力F
sは共に力検出器に作用する方向で図示されている。操
作力Fmと反力Fsが釣り合えば、すなわち、Fm=−
Fsであればその運動を停止し、反力Fsがなければ、
すなわち、スレーブが外部環境と干渉していなければ操
作力Fmにより自在に運動する。このとき、実マスタア
ーム・実スレーブアームの設定点(通常手先)を、この
内部モデルの運動に一致させれば、操作者はスレーブア
ームを自在に操作していることになり、かつ、スレーブ
に加わる作業時反力Fsを感じ取れることになる。そこ
で、内部モデル追従型バイラテラル制御は、マスタ側と
スレーブ側のアームが、夫々のモデル位置を追従するよ
うに実アームを制御し、「バイラテラルモード」を実現
している。
【0017】更に、図4に示される第1スイッチSW1
は、マスタアームのオフセット位置Pomが内部モデル
と連動するか否かを決める。第2スイッチSW2は、ス
レーブアームのオフセット位置Posが内部モデルと連
動するか否かを決める。スイッチがオフのときのオフセ
ット位置は、内部モデルの運動とは無関係に一定値を取
る。また、スイッチがオンのときのオフセット位置は、
内部モデルの運動に合わせて変化する。
【0018】このモデルの従来例との相違点は、従来例
が内部モデル位置Pvそのものを目標位置Rとしていた
のに対し、本発明では、オフセット位置Poから見た内
部モデル位置Pvが、実アームの追従すべき目標位置R
となる点にある。
【0019】2つのスイッチSW1及びSW2が共にオ
フであれば、マスタ及びスレーブアームの初期位置が異
なるだけで、従来の内部モデルを使ったバイラテラル制
御と変らないが、どちらかのスイッチがオンとなると、
状態は大きく異なってくる。
【0020】スイッチSW1がオンのとき、マスタ側オ
フセット位置Pomと内部モデルPvは連動するので、
マスタアームの目標位置Rmは、スイッチSW1がオン
になる直前の目標位置を保持し続け、その結果、マスタ
アームはサーボロックされて動かない。同様に、スイッ
チSW2がオンのときは、スレーブアームの目標位置R
sがスイッチSW2がオンになる直前の目標位置に保持
され、スレーブアームが動かない。
【0021】しかし、内部モデルは、常に、マスタ操作
力Fmとスレーブ反力Fsの合力で運動しているため、
スイッチがオフ状態である側のアームは内部モデルの運
動に合わせて動く。例えば、スイッチSW1がオン、ス
イッチSW2がオフのとき、マスタアームはサーボロッ
クされて動かないが、内部モデルは合力により運動して
おり、スレーブアームは内部モデルの運動を追従するよ
うに動作する。操作者がマスタに操作力Fmを与えてお
り、スレーブが拘束されていない(スレーブ反力Fsが
“0”)状態であれば、内部モデルは操作力Fmにより
モデル粘性摩擦力と釣り合った速度で運動するので、結
果として、スレーブアームのみが、操作力に比例した速
度で動く「速度操作モード」を実現できる。
【0022】表1に示されるように動作モードとスイッ
チの関係を選定すると、「待機モード」で、マスタアー
ム及びスレーブアーム共にサーボロック状態となる。
「マスタシフトモード」で、マスタアームだけを自在に
動かせる。「速度操作モード」で、マスタアームをジョ
イスティック操作しているかのようにしてスレーブアー
ムを動かせる。
【0023】以上のように、基本として「バイラテラル
モード」を実現するアルゴリズムだけ調整・準備等すれ
ば、操作者の要求する操作モードに連動するスイッチ手
段を備えたオフセット補正手段により、各種多機能を実
現することが可能となる。
【0024】次に、本発明の理解を容易にするために、
特公平4−45304号公報により提案されているマニ
ピュレータの制御装置について説明する。この装置の構
成は、図6に示されるように、マスタアーム1、スレー
ブアーム2、内部モデル3、マスタ側追従装置10a及
びスレーブ側追従装置10bによって示される。
【0025】マスタアーム1及びスレーブアーム2は、
共にバイラテラル制御を行うのに必要な公知の構成要素
を含んでいる。マスタアーム1は、マスタの位置追従制
御手段10aの出力である各軸駆動指令Tmを入力とし
て動作し、各軸関節角度情報θm及び共通座標に変換し
た外力情報Fmを出力する。スレーブアーム2はスレー
ブの位置追従制御手段10bの出力である各軸駆動指令
Tsを入力として動作し、各軸関節角度情報θs及び共
通座標に変換した外力情報Fsを出力する。位置追従制
御手段10aは、運動学に基づいた座標変換を備えた公
知の位置制御手段で、共通座標系表記したアーム設定点
(例えば手先)の位置・姿勢が、共通座標系で夫々与え
られた目標位置情報Rm (位置・姿勢)と一致するよう
に、フィードバック制御する。位置追従制御手段10b
も、運動学に基づいた座標変換を備えた公知の位置制御
手段で、共通座標系表記したアーム設定点(例えば手
先)の位置・姿勢が、共通座標系で夫々与えられた目標
位置情報Rs(位置・姿勢)と一致するように、フィー
ドバック制御する。
【0026】内部モデル3は種々のものが考えられ、例
えば、図7乃至図9に示される公知の構成要素を含むブ
ロックで表現される。図7は、マス・ダンパ力学モデル
を示している。図8は、PD動作型力制御モデルを示し
ている。図9は、マス・ダンパからなるマスタ側・スレ
ーブ側の力学モデルをバネ・ダンパ接合した力学モデル
を示している。各図において、sはラプラス演算子、M
vは仮想質量、Cvは粘性抵抗、kfは力反射比、kp
は変位拡大係数を表している。図8において、gpは比
例成分のゲインを、giは積分成分のゲインを表す。図
9において、Kcは2つのマス・ダンパモデルを接続す
るばね定数を、Dcは2つのマス・ダンパモデルを接続
するダンピング係数を表す。
【0027】上記の如くに選定された内部モデル3は、
マスタ1の力情報Fm及びスレーブ2の力情報Fsの2
つが入力されると、内部モデルによる演算が実行されて
マスタ側内部モデル出力Pvm及びスレーブ側内部モデ
ルPvsの2つを出力する。モデル出力Pvmは出力R
mとして位置追従制御手段10aに供給され、モデル出
力Pvsは出力Rs として位置追従制御手段10bに供
給される。
【0028】このような内部モデルを用いる構成とする
ことの利点は、例えば、力帰還型制御における力制御時
の位相差に起因する発振不安定の問題を解決できること
である。
【0029】本発明の実施例を図1を参照して説明す
る。同図において図6と対応する部分には同一符号を付
し、かかる部分の説明を省略する。図1に示される構成
では、内部モデルのマスタ側位置情報Pvmは、操作モ
ードによって制御される第1オフセット補正手段20a
を介して出力Rmとなり、位置追従制御手段10aに入
力される。また、内部モデルのスレーブ側位置情報Pv
sは、操作モードによって制御される第2オフセット補
正手段20bを介して出力Rsとなり、位置追従制御手
段10bに入力される。他の構成は同様である。
【0030】前述した図6に示される仮想内部モデル追
従型バイラテラル制御では、内部モデルの位置情報Pv
(Pvm及びPvs) が、そのままマスタ及びスレーブ
夫々の位置制御手段への目標位置情報R(Rm及びR
s)となっているが、本発明の図1に示される構成では
オフセット補正手段が間に介在するために、これらの内
部モデル位置情報Pv(Pvm及びPvs) と、位置制
御手段への目標位置情報R(Rm及びRs)とは分けて
定義されていることに注意すべきである。
【0031】図1において、内部モデルのマスタ側位置
情報Pvmは、第1のオフセット補正手段20aに入力
される。また、内部モデルのスレーブ側位置情報Pvs
は、第2のオフセット補正手段20bに入力される。オ
フセット補正手段20a及び20bは、オフセット補正
装置20によって同様に構成される。図2は,オフセッ
ト補正装置20の構成例を示しており、差分器21、ス
イッチ22、オフセット量更新回路23及び目標位置補
正回路24によって構成されている。オフセット補正装
置20に入力された内部モデル位置情報Pvは、オフセ
ット補正装置の目標位置補正回路24及び差分器21に
入力される。
【0032】目標位置補正回路24は、オフセット位置
Poから見た内部モデル位置Pvを位置制御手段10へ
の入力である目標位置情報Rとして生成するものであ
り、次式の減算処理を行う。 R [k]=Pv [k]−Po [k] …(1) ここで、オフセット位置Poは、差分器21、スイッチ
22及びオフセット量更新回路23を経由して生成され
る。
【0033】差分器21は、減算器とレベル保持器によ
って構成されて、1制御周期以前の内部モデル位置Pv
[k−1]と現時点での内部モデル位置Pv[k]との
変化量を算出し、その差分量Dvを操作モードに対応し
て導通するスイッチング回路22に送る。差分量Dv
は、 Dv[k] =Pv[k] −Pv[k-1] …(2) となる。
【0034】オフセット量更新回路23は、加算器とレ
ベル保持器によって構成される積算器であり、スイッチ
22から送られた値Dvと1制御周期以前のオフセット
量Po[k-1] とを加算する。スイッチの状態により、次
の出力を発生する。 オフの時、 Po[k] =Po[k-1] オンの時、 Po[k] =Po[k-1] +Dv[k] …(3) と、オフセット位置を更新する。
【0035】すなわち、スイッチ22がオフであれば、
オフセット量は更新されないが、スイッチがオンになる
と、Po[k] −Po[k-1] =Pv[k] −Pv[k-1] とな
るように更新される。
【0036】式(1)乃至(3)より、スイッチがオフ
であれば、 R[k] =Pv[k] +const. となり、目標位置は内部モデルの位置を一定量シフトし
ただけで、内部モデルの運動と一致し目標運動値を逐次
生成する。スイッチがオンであれば、 R[k] =Pv[k] −(Po[k-1] +Pv[k] −Pv[k-
1] ) =Pv[k-1] −Po[k-1] =R[k-1] =const. となって、目標位置Rは変化せず、スイッチがオンに切
替えられた時点での目標位置情報を保持し続ける。
【0037】すなわち、スイッチ22がオン状態である
限り、オフセット補正装置20の出力である目標位置情
報Rは変化せず、内部モデル位置Pvと目標位置Rとの
差が常にオフセット量Poとなるように処理されるので
ある。
【0038】次に、マニピュレータの操作モードとスイ
ッチ22のオン・オフ状態との対応関係について説明す
る。
【0039】既述したように、上記オフセット補正回路
20は、マスタ側のオフセット補正手段20a及びスレ
ーブ側のオフセット補正手段20bとして用いられる。
従って、図1に示される構成では2つのスイッチが用い
られている。オフセット補正手段20aのスイッチ22
を第1スイッチ、オフセット補正手段20bのスイッチ
22を第2スイッチとしたとき、操作モードと各スイッ
チのオン/オフ状態の関係を表1に示す。各スイッチ
は、図示しない制御回路によって制御される。
【0040】同表に示されるように、待機モードでは、
第1及び第2スイッチは共にオンに設定される。このモ
ードでは、操作者はマスタスレーブ操作を要求していな
いので、マスタスレーブとも動作しないようにすること
が必要である。このモードで第1スイッチはオンである
ため、先述した第1オフセット補正手段は目標位置情報
を変更しない。すなわち、マスタ側の目標位置は常に一
定値を保持し続け、マスタはサーボロック状態となる。
また第2スイッチもオンであるため、スレーブ側も一定
位置を保持するように位置制御される。
【0041】バイラテラルモードでは、第1スイッチ及
び第2スイッチは共にオフに設定される。内部モデル
は、マスタの力情報Fmとスレーブの力情報Fsとを受
け、夫々の内部モデルによる位置出力値Pvm、Pvs
を更新する。オフセット補正手段20a及び20bは、
第1及び第2スイッチがオフであるため、オフセット量
更新回路23に保持しているオフセット量は更新され
ず、内部モデルの出力Pvの変化量と目標位置情報Rの
変化量は全く同一となる。
【0042】従って、内部モデルの運動と実アームの運
動とが一致するように制御され、バイラテラルモードを
実現できる。また、マスタ側及びスレーブ側の各オフセ
ット量は、動作モードを切替えた時点での、内部モデル
位置と目標位置(位置制御手段により実アームの設定点
位置と一致している)との差に相当した一定値であり、
その結果、切替えた時点でのマスタスレーブ位置からバ
イラテラルモードが実現されることになる。
【0043】マスタシフトモードは、スレーブを現在位
置に保持しつつ、マスタを任意位置に移動することがで
きるモードである。マスタシフトモードでは、第1スイ
ッチはオフ、第2スイッチはオンに設定される。第1ス
イッチがオフであるため、マスタに加えられる操作力
(マスタの力情報)により、内部モデルの出力が変化
し、それに伴いマスタは移動する。しかし、第2スイッ
チがオンであるため、スレーブは目標位置情報が更新さ
れないため動かない。
【0044】速度操作モードは、ジョイスティックのよ
うにスレーブを指令速度で指令方向に運動させるモード
である。ここでは、マスタに加えた力情報の大きさを指
令速度とみなし、加えた力の方向にスレーブを運動させ
ることを考えている。この速度操作モードでは、第1ス
イッチがオンに、第2スイッチがオフに設定される。第
1スイッチはオンであるため、操作力に関わらずマスタ
は移動しない。
【0045】しかし、内部モデルには、マスタの力情報
及びスレーブの力情報が入力され、その合力の方向に移
動する。通常、スレーブアームは外部環境に拘束されて
いないので、スレーブ反力は“0”であり、内部モデル
は操作力により、自在に運動することになる。また、ス
レーブのオフセット補正手段20bの第2スイッチはオ
フであるため、内部のオフセット位置は変わらず、スレ
ーブアームのみが操作モードを切り替えた時点のスレー
ブ位置から内部モデルの運動に合わせ動くことになる。
すなわち、操作者が動かした方向に加えた力に比例した
速度で、スレーブアームを自在に動かせる速度操作モー
ドが実現できる。
【0046】以上のように、操作モードに対応してマス
タ側・スレーブ側の2つのオフセット補正装置20の動
作を切替えるだけで、制御アルゴリズムを分岐選択しな
くとも、マスタスレーブに要求される多機能を容易に実
現できる。
【0047】次に、本発明の第2の実施例について図3
を参照して説明する。同図において図1の構成と対応す
る部分には同一符号を付し、かかる部分の説明は省略す
る。この実施例では、内部モデルへの入力である力情報
を操作モードに応じて補正することができる。
【0048】図3において、マスタアーム1及び内部モ
デル3間の力情報Fmの経路にマスタ側力情報補正手段
40aが設けられている。また、スレーブアーム2及び
内部モデル3間の力情報Fsの経路にスレーブ側力情報
補正手段40bが設けられている。他の構成は、図1の
構成と同様である。
【0049】マスタ側力情報補正手段40a及びスレー
ブ側力情報補正手段40bは、力情報補正装置40とし
て構成される。力情報補正装置40は、例えば、図5に
示されるように処理切替スイッチ41、不感帯処理回路
42及び力情報増幅回路43によって形成される。処理
切替スイッチ41のB側選択動作によって不感帯処理回
路42を経由した力情報が力情報増幅回路43に供給さ
れ、A側選択動作によって不感帯処理回路42を経由し
ない力情報が力情報増幅回路43に供給される。不感帯
処理回路42は、力検出時に混入する外乱の影響を減少
する。力情報増幅回路43は、操作モードに対応して増
幅率Gfを設定し、この増幅率Gfで力情報を増幅して
内部モデル3に供給する。本実施例における操作モード
と力情報補正手段の動作状態との対応関係を表2に示
す。
【0050】待機モードでは、マスタ側及びスレーブ側
共に、処理切替スイッチ41はA側、力情報増幅回路4
3の利得はGf=0に設定される。第1の実施例で述べ
たオフセット補正手段の採用でアームはサーボロックさ
れているため、力情報補正手段を用いる必要はない。し
かし、力センサ出力に有色性の外乱が混入すると、内部
モデルはその外乱により運動し続け、長時間放置してい
ると、計算機のオーバーフローを生ずる可能性が考えら
れる。このような事態を回避する目的で、待機モード時
の力情報増幅率Gfを強制的に“0”にして、待機モー
ド時には内部モデルに力を加えないようにしている。
【0051】バイラテラルモードでは、マスタ側及びス
レーブ側共に、処理切替スイッチ41はA側、力情報増
幅回路43の利得はGf=1に設定される。このモード
では、マスタ側及びスレーブ側共に力補正の必要がない
ため、力情報補正装置40は検出操作力をそのまま位置
検出手段に送る。
【0052】マスタシフトモードでは、マスタ側の処理
切替スイッチ41はA側、力情報増幅回路43の利得は
Gf=1、スレーブ側の処理切替スイッチ41はA側、
力情報増幅回路43の利得はGf=0に設定される。こ
のモードでは、マスタ側力情報補正手段は検出操作力を
そのまま位置検出手段に送る。スレーブ側力情報補正手
段は、バイラテラルモードと同じで良いが、マスタを自
在に動かせるようにするために、スレーブ側反力を除去
するのが適当である。そこで、力情報増幅手段の増幅率
を0にしている。
【0053】速度操作モードでは、マスタ側の処理切替
スイッチ41はB側、力情報増幅回路43の利得は、図
7に示される内部モデルを使用した場合、Gf=kvC
v/kp、スレーブ側の処理切替スイッチ41はA側、
力情報増幅回路43の利得はGf=0に設定される。こ
の場合の動作について説明する。このモードにおける力
情報補正手段の主目的は、良好な速度操作モードの実現
にある。上述したようにオフセット補正手段を内部モデ
ルを使うバイラテラル制御方式に付加することにより、
速度操作モードを実現できる。しかしながら、内部モデ
ルを使うバイラテラル制御方式は、もともと良好な力制
御を実現することを指向しており、速度操作を行うこと
を前提にしたものではない。内部モデルのパラメータ調
整はバイラテラルモードにおける良好な力制御を実現す
る見地から行われる。このため、良好な速度操作を実現
する重要なファクタの一つである操作力と指令速度の関
係は上記パラメータ調整で決まり、速度操作モードにお
いて、操作力と指令速度の関係を任意に設定する自由度
がない。第2の実施例で付加された力情報補正手段は、
以下に述べるようにかかる点の改善を図ることをも可能
とする。
【0054】例えば、図7の内部モデルが用いられ、ス
レーブアームが物体に接触していない状態(スレーブ反
力Fsが0である)で、操作力Fmと指令速度Vの関係
を考えると、内部モデルのスレーブ側速度出力は、 V=kp・(1/Cv)・Fm により、スレーブアームの指令速度Vが決定される。そ
こで、力情報補正手段では、マスタ側力情報増幅回路4
3の増幅率をCv・kv/kpに設定し、 V=kp・(1/Cv)・(Cv・kv/kp)・Fm =kv・Fm の関係が得られるようにする。係数Kvをマスタ側の力
情報増幅回路43の利得で調整することによって、操作
力Fmと指令速度Vの関係を設定することが可能とな
る。
【0055】また、力検出時の外乱影響でスレーブアー
ム2が動作するのは好ましくないため、処理切り替えス
イッチ43を不感帯処理手段42のB側に切替え、力情
報増幅手段43の全般で不感帯処理している。このモー
ドでは、スレーブ側力情報補正手段40bは意味を持た
ないため、この実施例では増幅率を“0”としている。
【0056】しかしながら、通常の速度操作モードで
は、作業対象に過大な力を加える危険があるため、スレ
ーブがコンプライアンスを持つ速度操作モードが望まれ
る場合がある。表2には示していないが、この速度操作
モードにおいて、スレーブ側の力情報補正手段40bの
処理切替スイッチ43を不感帯処理のB側とし、力情報
増幅手段43の増幅率を図7のモデルに対応してCv・
kv/kpに設定する。こうすると、スレーブアームが
作業対象に接触した際に反力が発生し、操作力が作業対
象への作用力の力反射比kf倍した値と一致するため、
速度操作モードのままで、かなりのマスタスレーブ作業
を複合的に行える。つまり、40bの処理を若干変更す
るだけで、コンプライアンスを持つ速度操作モードを容
易に実現できる。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
【発明の効果】以上説明したように本発明のマスタスレ
ーブ制御装置は、オフセット補正手段を備えて、バイラ
テラルモードのアルゴリズムによる出力を要求される操
作モードに対応して適宜に補正して出力を得るようにし
ているので、従来のように、マスタスレーブの複数の操
作モード毎に制御処理アルゴリズムを設ける必要がな
く、全体の処理手段(制御プログラム)をコンパクトに
することが可能である。また、制御処理の流れが各操作
モードにおいて共通にオフセット補正手段を経由するた
め、従来のような各操作モード相互間の切替の際に必要
とされた処理アルゴリズム間の同期プロセスが不要で、
滑らかな操作モード切替を実現可能である。更に、力情
報補正手段を含む速度操作モードでは、スレーブが作業
対象に過負荷を与えないコンプライアンスをもつ動作を
容易に実現することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示すブロック図。
【図2】図1に示されるオフセット補正手段の構成例を
示すブロック図。
【図3】本発明の第2の実施例を示すブロック図。
【図4】本発明の概念のモデルを示す説明図。
【図5】図3に示される力補正手段の構成例を示すブロ
ック図。
【図6】内部モデル追従型制御の構成例を示すブロック
図。
【図7】内部モデルの第1の構成例を示すブロック図。
【図8】内部モデルの第2の構成例を示すブロック図。
【図9】内部モデルの第3の構成例を示すブロック図。
【符号の説明】
1 マスタアーム 2 スレーブアーム 3 内部モデル 21 差分器 22 スイッチ 23 オフセット量更新回路 41 増幅器 42 不感帯処理回路 43 処理切替スイッチ 51 力反射比用増幅器 52 変位拡大比用増幅器 10a マスタ側追従制御手段 10b スレーブ側追従制御手段 20a マスタ側オフセット補正手段 20b スレーブ側オフセット補正手段 40a マスタ側力補正手段 40b スレーブ側力補正手段

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マスタアーム及びスレーブアーム各々にお
    いて検出された力検出力を入力として前記マスタアーム
    及び前記スレーブアーム各々の目標運動値を生成する内
    部モデルと、 与えられる目標運動値を追従するように前記マスタアー
    ム及び前記スレーブアームを夫々動作させる第1及び第
    2の位置追従手段と、 前記マスタアームの目標運動値をアームの操作モードに
    対応してオフセット補正して前記第1の位置追従手段に
    与える第1オフセット補正手段と、 前記スレーブアームの目標運動値をアームの操作モード
    に対応してオフセット補正して前記第2の位置追従手段
    に与える第2オフセット補正手段と、 を備えたことを特徴とするマスタスレーブマニピュレー
    タの制御装置。
JP28792192A 1992-10-26 1992-10-26 マスタスレーブマニピュレータの制御装置 Pending JPH06138945A (ja)

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