JPH06138275A - 原子炉用制御棒、炉心構造およびその運転方法 - Google Patents

原子炉用制御棒、炉心構造およびその運転方法

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JPH06138275A
JPH06138275A JP3064969A JP6496991A JPH06138275A JP H06138275 A JPH06138275 A JP H06138275A JP 3064969 A JP3064969 A JP 3064969A JP 6496991 A JP6496991 A JP 6496991A JP H06138275 A JPH06138275 A JP H06138275A
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JP
Japan
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control rod
reactor
core
spectrum shift
fuel
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JP3064969A
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English (en)
Inventor
Koji Hiraiwa
宏司 平岩
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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Abstract

(57)【要約】 【目的】スペクトルシフト用制御棒を用いて減速材を排
除し、減速材燃料体積比を調節して炉心の反応度特性を
改善した原子炉用制御棒、炉心構造およびその運転方法
を提供するにある。 【構成】本発明は中央構造材21に制御棒シース22を
結合して横断面十字状に形成し、上記制御棒シース22
内に不活性ガス封入用の水排除空間23を形成してスペ
クトルシフト用制御棒20を構成し、このスペクトルシ
フト用制御棒20は低温時における反応度価値が出力運
転時における反応度価値より小さく設定したものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】〔発明の目的〕
【0002】
【産業上の利用分野】本発明は沸騰水型原子炉等に用い
られる原子炉用制御棒、炉心構造およびその運転方法に
関する。
【0003】
【従来の技術】沸騰水型原子炉(以下BWRという。)
は原子炉圧力容器内に炉心部が形成され、この炉心部に
多数の燃料集合体が4体ずつ組をなして装荷され、装荷
された燃料集合体間に横断面十字状の制御棒が出し入れ
自在に挿入されるようになっている(特開昭63−82
392号公報参照)。
【0004】従来の原子炉用制御棒1は、図7に代表的
に示すように構成され、中央構造材(タイロッド)2に
深いU字状断面を有する制御棒シース3を結合させて横
断面十字状に形成される。制御棒シース3内には、B4
C等の中性子吸収物質を充填させた中性子吸収棒(ポイ
ズンチューブ)4を例えば10数本列状に並べて収容す
る一方、制御棒1の上部にガイドローラ5付きのハンド
ル6を、その下部に制御棒駆動機構(以下、CRDとい
う。)切り離し用ハンドル7や下部スカート部8、速度
リミッタ9、CRDソケット10を取り付けて形成され
る。CRDソケット10の下部に図示しないCRDが接
続され、このCRDの駆動により制御棒1は炉心内部で
上下動せしめられ、原子炉の起動や出力制御を行なうよ
うになっている。
【0005】原子炉用制御棒1のガイドローラ5は、制
御棒1を燃料集合体11間の十字状空間に滑かに挿入さ
せるために設けられており、ガイドローラ5は燃料集合
体11に接触して回転し、接触摩擦を低減している。ハ
ンドル6は制御棒交換時に把持される部分であり、CR
D切り離し用ハンドル7は原子炉圧力容器(図示せず)
の外部に設置されたCRDの切断切り離しを行なうため
に用いられる。速度リミッタ7は制御棒1が炉心から一
定以上の速度で引き抜けないように制限するものであ
る。
【0006】一方、燃料集合体11は図8に示すように
角筒状のチャンネルボックス12内に多数の燃料棒13
を例えば8行8列の正方格子状に配列し、中央部に太径
のウォータロッド14を収容して構成される。この燃料
集合体11を装荷した炉心は減速材である冷却材により
冷却される。冷却材は、チャンネルボックス12の内外
を流れるようになっている。このうち、チャンネルボッ
クス12内を流れる冷却材は各燃料棒13を冷却して沸
騰し、チャンネルボックス12の外側には沸騰しない非
沸騰水が流れるようになっている。
【0007】従来のBWRでは、図8に示すように、燃
料集合体11のチャンネルボックス12の対角線位置に
配設される2つの制御棒1,1は、同じ中性子吸収用制
御棒が用いられ、制御棒機能の区別は行なわれていな
い。この制御棒1の制御棒価値は従来の場合低温時には
1体当たりほぼ3〜4%ΔK程度、出力運転時には1体
当たりほぼ0.1%ΔK程度であり低温度の方が制御棒
価値が大きいのが普通である。
【0008】また、2つの位置の制御棒1が機能的に区
別がないため原子炉の起動や出力制御においても特に特
定の位置の制御棒1を限定して操作されることは行なわ
れていなかった。さらに、従来のBWRでは運転サイク
ルの初めからサイクル終了直前まで炉心の流量を定格量
より少なくし、減速材の密度を運転前半で低く、運転終
了時では高くする、いわゆる流量スペクトルシフト運転
が行なわれている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】発電用原子炉では燃料
の燃焼度を増加することによって燃料のコストが低下す
るため、近年燃料コストを低下させるべく、燃料ウラン
の濃縮度を増加させるなどの方法で取り出し燃焼度を高
めたり、一方ではウラン燃料再処理の結果生じた色々な
組成のプルトニウム(以後Pu)を含んだ混合酸化物燃
料(以後MOX燃料)を利用することも行なわれてい
る。
【0010】高燃焼度燃料を使用する場合、一般に中性
子の減速状態がより減速不充分の方向に変化するため、
炉停止余裕やボイド係数など減速材密度が関連した反応
度特性が従来の燃料より非安全側となる特性があること
が知られており、このため高燃焼度化とともに減速材の
量を増加して減速材と燃料の体積比率(以後、減速材燃
料体積比)を大きくすることが必要となる。
【0011】また、MOX燃料の場合は、使用済燃料の
違いなどにより色々な富化度のものが発生するため、高
燃焼度燃料の場合とは異なり、色々な組成の燃料に対し
て安全に使用できる柔軟性が要求される。従来の燃料集
合体では上記の高燃焼度燃料やMOX燃料の利用に対し
てはウォータロッドの増加によって減速材燃料体積比を
増加してその燃焼度専用に使用するように専用化してい
る。
【0012】従来のように減速材燃料体積比一定の燃料
集合体では、燃焼度一定の条件で安全な運用が可能であ
るが、燃焼度の変化や異なる燃焼度の混在あるいはMO
X燃料の組成の変動がある場合、従来の燃料集合体およ
び炉心構造ではウォータロッドの形状や本数により減速
材燃料体積比が定められ、固定のため、反応度特性を安
全な範囲に入るような考慮が必要であった。例えば核分
裂性物質の富化度が小さいMOX燃料を目標燃焼度の高
い燃料集合体に入れて使用する場合、減速材が過剰とな
り、原子炉起動時のような炉心低温時ではボイド反応度
がプラスになる場合があった。
【0013】また、原子炉炉心に出し入れされる制御棒
は原子炉運転中必ずしも全数必要とされ、使用されるわ
けではない。使用しない制御棒は緊急時に原子炉停止用
として使用するのみとなっており、制御棒は効率的に利
用されているとは必ずしも言えなかった。
【0014】さらに、炉心の流量を変化させて蒸気ボイ
ドの割合を変化させ、炉心の反応度を制御して効率的燃
焼を行なう、いわゆる流量スペクトルシフト運転は、燃
料の冷却材の流量を変化させているため、流量を少なく
すると燃料の冷却特性に影響を与えるおそれがあり、炉
心の熱特性を考慮しながら運転を行なう必要があった。
【0015】本発明は、上述した事情を考慮してなされ
たもので、スペクトルシフト用制御棒を用いて減速材
(冷却材)を排除し、減速材燃料体積比を調節して炉心
の反応度特性を改善した原子炉用制御棒、炉心構造およ
びその運転方法を提供することを目的とする。 〔発明の構成〕
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明に係る原子炉用制
御棒は、上述した課題を解決するために請求項1に記載
したように、中央構造材に制御棒シースを結合して横断
面十字状に形成し、上記制御棒シース内に不活性ガス封
入用の水排除空間を形成してスペクトルシフト用制御棒
を構成し、このスペクトルシフト用制御棒は低温時にお
ける反応度価値が出力運転時における反応度価値より小
さく設定したものである。
【0017】また、上述した課題を解決するために、本
発明に係る原子炉の炉心構造は、請求項2に記載したよ
うに、原子炉炉心部に装荷される燃料集合体の角筒状チ
ャンネルボックスの対角線位置に2つの横断面十字状の
制御棒を出し入れ可能に配設し、一方の制御棒をスペク
トルシフト用制御棒で構成したものである。
【0018】さらに、本発明は上述した課題を解決する
ために、請求項3に記載したように、原子炉の起動時の
ような炉心低温時にスペクトルシフト用制御棒を炉心挿
入状態に保持しつつ、上記スペクトルシフト用制御棒以
外の制御棒を優先的に引き抜いて臨界とする原子炉の運
転方法を提供したり、また、請求項4に記載したよう
に、原子炉の出力運転時に、運転サイクルの初めからサ
イクルの途中までスペクトルシフト用制御棒を炉心に挿
入し、その後スペクトルシフト用制御棒を炉心から引き
抜いてスペクトルシフト運転を行なう原子炉の運転方法
を提供するものである。
【0019】
【作用】減速材(冷却材)である水は温度状態によって
反応度に対する寄与がプラスである場合とマイナスであ
る場合がある。原子炉は例えば出力運転相当の減速材密
度では炉心が負のボイドフィードバックを持つようにホ
イド発生に対して一般に負の反応度となるように設計さ
れている。また原子炉や炉心の低温状態では減速材の密
度が大きく、中性子は過減速であり、正のボイドフィー
ドバックを持つ。このため炉心の低温状態で減速材を排
除し、寄生吸収の小さい材質でスペクトルシフト用制御
棒を構成すると、炉心が低温では反応度価値がマイナス
で小さいかあるいはプラスとなり、出力運転時にはこの
反応度より大きいマイナスの反応度を持つスペクトルシ
フト用制御棒とすることができる。
【0020】このようなスペクトルシフト用制御棒は基
本的に中性子吸収物質を含まないため反応度抑制のため
に別の制御棒が必要であるが、1燃料集合体に2本の制
御棒を用い、片方を中性子吸収物質を含む標準的な制御
棒とすることにより従来程度の原子炉炉心の反応度制御
能力を確保できる。
【0021】また、2本の制御棒のうち、一方をスペク
トルシフト用の制御棒とすると、温度低下に従い負の反
応度価値が増加するため、炉心の昇温に伴って負の反応
度が加えられていく。この負の反応度効果は反応度の温
度係数がよりマイナスとなるので炉心の出力が温度に対
して安定となるよう働く。
【0022】また原子炉炉心の低温、特に炉心部にスペ
クトルシフト用の制御棒を挿入することにより減速材燃
料体積比を小さくできるのでボイド反応度を常に負に保
つことができる。
【0023】さらにスペクトルシフト用制御棒の反応度
は従来の制御棒より反応度が格段に小さいので、原子炉
の出力運転時の減速材燃料体積比の制御にも使用するこ
とができる。このスペクトルシフト用制御棒を運転サイ
クルの初めからサイクルの途中まで炉心に挿入状態とし
て、以後炉心から引き抜くとスペクトルシフト運転が可
能である。この原子炉の運転方法では燃料部分の冷却材
を変化させていないため、通常問題となる流量スペクト
ルシフト運転の場合の限界出力の低下が関係なく、燃料
の健全性を損うことなくスペクトルシフト運転ができる
ようになる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例について添付図面を参
照して説明する。
【0025】図1は本発明に係る原子炉用制御棒を例示
するもので、この制御棒20は沸騰水型原子炉や加圧水
型原子炉等の原子炉炉心部に出入れ自在に収容されるス
ペクトルシフト用制御棒である。
【0026】スペクトルシフト用制御棒20の外観形状
は図7に示す従来の代表的な通常型制御棒1と異ならな
いが、この制御棒20はジルコニウム製の中央構造材
(タイロッド)21に深いU字状断面を有するジルコニ
ウム製の制御棒シース22を固着して横断面十字状のウ
イングが構成される。上記制御棒シース22は図示しな
い上部構造材および下部構造材に密封されて気密構造に
形成され、内部に水排除空間23を確保している。制御
棒シース22内にはヘリウムガス等の不活性ガスが加圧
状態で封入される一方、例えば直径約5mmφの気密構造
のジルコニウムチューブ24が水排除棒として例えば3
6本三角格子状に列をなして最密充填される。
【0027】このスペクトルシフト用制御棒20が従来
の通常型制御棒と基本的に異なる点は、制御棒シース2
2内に中性子吸収物質である中性子吸収棒が配列されな
いとともに、制御棒シース22内に不活性ガスが封入さ
れて気密構造とされていることである。制御棒シース2
2内に気密構造のジルコニウムチューブ24を収容した
場合には、制御棒シース22内を気密にしなくても、水
排除空間を確保することができる。
【0028】次に、スペクトルシフト用制御棒の作用を
説明する。
【0029】このスペクトルシフト用制御棒20を標準
的な燃料集合体に付設した場合の反応度価値に対する温
度変化を図2に示す。
【0030】このスペクトルシフト用制御棒20は、制
御棒シース22内に封入される不活性ガス以外は、全て
ジルコニウム製であるため、標準的な通常型制御棒に用
いられるステンレス鋼製に比較して中性子の寄生吸収が
小さく、スペクトルシフト用制御棒20を原子炉の炉心
部に挿入したとき、水排除空間の存在により水排除効果
(減速材の密度を低減させる効果)が支配的な制御棒の
反応度作用となっている。このため、スペクトルシフト
用制御棒20を原子炉炉心に挿入したとき、炉心低温時
でややプラスの反応度価値があり、温度増加に伴う減速
材(水)の密度減少により反応度価値がマイナスに転じ
るようになっている。
【0031】このスペクトルシフト用制御棒20を炉心
に挿入した状態では、炉心の温度増加に対して負の反応
度フィードバックが働き、炉心低温から出力運転までの
範囲の温度領域では出力レベルを安定にする効果があ
る。また、炉心低温時には通常型制御棒引き抜き状態で
は正のボイド反応度であるがこのスペクトルシフト用制
御棒20を挿入することによりボイド反応度は負とな
る。負のボイド反応度を利用することによりスクラム時
の反応度を改善できる。また、スペクトルシフト用制御
棒20の全挿入状態では反応度価値は小さいため、水排
除制御棒として使用できる。
【0032】スペクトルシフト用制御棒20は制御棒シ
ース22内が気密構造であり、制御棒シース22内に収
容されるジルコニウムチューブである密閉チューブ24
は最密充填されているため無駄なく水排除ができる構造
となっている。ジルコニウムチューブに封入されたヘリ
ウムガスは加圧されているため大気圧の場合に比較して
外部からの圧力に対して圧縮強度が向上している。
【0033】また、このスペクトルシフト用制御棒20
は通常用いられるB4 Cのような中性子吸収体を含まな
いため通常の制御棒よりは反応度価値が小さくスクラム
反応度も小さくなっている。反応度価値を向上させる対
策としてスペクトルシフト用制御棒20の先端部分にの
みB4 Cやハフニウム等の中性子吸収体を装填し、全挿
入時にはその先端が燃料有効部分の外に出る構造として
もよい。
【0034】さらに、気密構造のジルコニウムチューブ
の代りにジルコニウム製の水排除棒を使用しても同様な
効果が得られ、この場合圧力に対する強度はジルコニウ
ムチューブの場合と異なり殆ど考慮しなくてもよい。
【0035】スペクトルシフト用制御棒20をジルコニ
ウムで形成することにより、制御棒の軽量化が図れ、制
御棒駆動機構の負担を軽減させることができる。スペク
トルシフト用制御棒20は制御棒シース22内を気密構
造とした場合には、ジルコニウムチューブなどの水排除
棒を必ずしも充填させる必要はなく、内部を中空の水排
除空間としてもよい。この場合には、U字状の制御棒シ
ース22の間隔を保持し、機械的強度を保つために、制
御棒シース22内に例えばコマ状の複数の間隔保持スペ
ーサを介装させるとよい。この場合にはジルコニウムチ
ューブを介装させる必要がなく、スペクトルシフト用制
御棒のより一層の軽量化が図れる。
【0036】なお、図1にはスペクトルシフト用制御棒
20の制御棒シース22内にジルコニウムチューブのよ
うな密閉チューブ24を収容した例を示したが、収容さ
れるチューブ(中実棒でもよい。)の素材はジルコニウ
ムに限定されず、中性子吸収が小さな物質を組み合せて
もよく、例えばジルコニウムチューブの中に酸化ジルコ
ニウムの粉末を充填したり、ジルコニウムの代りにアル
ミニウム等の金属材料を用いてもよい。
【0037】次に、原子炉用制御棒の第2実施例につい
て、図3を参照して説明する。
【0038】図3に示された原子炉用制御棒は、燃料集
合体30の角筒状チャンネルボックス31の対角線位置
に、通常型の制御棒32とスペクトルシフト用制御棒2
0Aとを対向させて配置したもので、4体1組の燃料集
合体30の1体に対し、スペクトルシフト用制御棒20
Aと通常型制御棒32の2本が対向配置された炉心構造
を有している。
【0039】燃料集合体30は高燃焼型のもので、チャ
ンネルボックス31内に例えば88本と多数の燃料棒3
3が10行10列の正方格子状に配設され、その中央部
に例えば4本のウォータロッド34が配置される。
【0040】角筒状チャンネルボックス31の対角線位
置に配置される原子炉用制御棒のうち、一方のスペクト
ルシフト用制御棒20Aは、タイロッドを構成するジル
コニウム製の中央構造材21に深いU字状断面のジルコ
ニウム製制御棒シース22が固着されて横断面十字状の
ウイングを構成する一方、制御棒シース22内に直径の
細いジルコニウム製の密閉チューブ24aが三角格子状
に密に配列される。密閉チューブ24a内にはヘリウム
ガス等の不活性ガスが封入されて水排除空間が形成され
る。スペクトルシフト用制御棒20Aは図1の第1実施
例で示すものと同様の反応度効果があり、炉心低温時よ
り出力運転時の方が制御棒価値が大きくなっている。
【0041】一方、通常型の制御棒32は、ステンレス
鋼製中央構造材35に深いU字状断面を有するステンレ
ス鋼製の制御棒シース36が固着されて横断面十字状の
ウイングが構成される一方、制御棒シース36内に燃料
棒33とほぼ同径のB4 Cペレット等の中性子吸収物質
を充填した中性子吸収棒37が一列状に配置される。中
性子吸収棒37はハフニウム製等の中性子吸収材で形成
してもよい。
【0042】通常型の制御棒32は、B4 C等の中性子
吸収物質を内蔵しており、制御棒価値が大きいため、炉
心低温時や出力運転時とも炉停止用などに用いることが
できる。
【0043】図3では、通常型の制御棒32とスペクト
ルシフト用制御棒20Aのブレードの厚さは同一として
いるが通常型制御棒32についてはこの1/2程度の厚
さでも制御棒価値は充分大きいため、通常型制御棒32
を薄くしてスペクトルシフト用制御棒20Aを厚くする
こともできる。
【0044】図4は本発明に係る原子炉用制御棒の第3
実施例を示すもので、燃料集合体と原子炉用制御棒の配
置関係を示す。
【0045】燃料集合体30Aは、従来の代表的な燃料
集合体の4倍の面積を有する大型タイプのもので、この
大型燃料集合体30Aは角筒状の大型チャンネルボック
ス40内に4体の小燃料集合体41を格納して構成され
る。小燃料集合体41はチャンネルボックス42内に例
えば9行9列の正方格子状に72本の燃料棒43を収容
しており、その中央部に例えば1本のウォータロッド4
4が配置される。小燃料集合体41間の間隔は、大型燃
料集合体30A間の間隔とほぼ同程度に形成され、小燃
料集合体41の外側領域は、減速材である水が沸騰しな
い非沸騰水領域として形成される。
【0046】大型燃料集合体30Aの対角線位置に対向
して配置される原子炉用制御棒のうち一方は、スペクト
ルシフト用制御棒20Bである。このスペクトルシフト
用制御棒20Bは、ジルコニウム製の中央構造材21に
固着されたジルコニウム製の制御棒シース22内に密閉
チューブ24を一列状に収容している。この密閉チュー
ブ24は例えばジルコニウム製で内部にヘリウムガス等
の不活性ガスが封入される。
【0047】他方の原子炉用制御棒は通常型の制御棒3
2Aであり、ステンレス鋼製の制御棒シース36内にB
4 C粉末等の中性子吸収物質が充填された中性子吸収棒
(ポイズンチューブ)37が一列に配列せしめられてい
る。制御棒シース36はステンレス鋼製の中央構造材3
5に固着されて横断面十字状のウイングを構成してい
る。
【0048】この原子炉用制御棒においても、図3に示
す原子炉用制御棒と同等の制御棒効果を有し、さらに、
制御棒の数が燃料集合体の面積当たり、図3の第2実施
例で示す原子炉用制御棒の半分となっていることから、
制御棒駆動機構の必要数を減少することができ、その結
果炉心下部の開口部を減少できることになり原子炉圧力
容器の機械強度を大きくできる効果がある。
【0049】次に、通常型制御棒32Aとスペクトルシ
フト用制御棒20Bとを用いた沸騰水型原子炉(BW
R)の炉心構造について、図5を参照して説明する。
【0050】図5は、BWRの炉心の出力運転状態を示
す1/4炉心45を示すものである。この炉心45には
燃料集合体46が4体1組ずつ組をなして規則的に装荷
され、炉心45の4体1組の燃料集合体47間に通常型
制御棒48やスペクトルシフト用制御棒49が図示しな
い制御棒駆動機構により炉心45に出入れ自在に配置さ
れる。通常型制御棒48とスペクトルシフト用制御棒4
9とは交互に配置される。
【0051】この原子炉炉心45の出力運転状態におい
ては、反応度価値が白抜きで示す他の燃料集合体46よ
り低い斜線で示す燃料集合体47に隣接する位置(4体
1組の燃料集合体間のコントロールセル)にのみ、通常
型の制御棒48を挿入して反応度制御を行なう。
【0052】このBWRの炉心構造においては、原子炉
の運転は、運転サイクル初期からサイクル途中まではス
ペクトルシフト用制御棒49を挿入状態として運転す
る。この後、サイクル終了まではスペクトルシフト用制
御棒49を引抜として運転し、スペクトルシフト運転を
行なう。この炉心構造にスペクトルシフト用制御棒49
を配置し、このスペクトルシフト用制御棒49の出入れ
によりスペクトルシフト効果を利用することができる。
またコントロールセルのみに通常型の制御棒48を挿入
するため、制御棒操作による出力ピーキングの増加を抑
制することができる。
【0053】図6は、原子炉起動時のように、炉心低温
時におけるBWRの1/4炉心の炉心構造を示すもので
ある。この炉心構造では、原子炉炉心45が低温状態の
場合に、その起動を核加熱で行なう場合の例を示してい
る。
【0054】原子炉炉心が低温状態の場合には、スペク
トルシフト用制御棒49は全て挿入状態とし、通常型制
御棒48を順次引き抜いて臨界とする。以後、低温から
ホットスタンバイまでスペクトルシフト用制御棒49は
挿入状態としておく。
【0055】このような原子炉運転を行なうと、スペク
トルシフト用制御棒49が減速材を排除してその部分の
密度を減少させるので、スペクトルシフト用制御棒49
は減速不充分の方向に変化させることができ、一般にボ
イド反応度を負にすることができる。また燃料の組成が
変化してもスペクトルシフト用制御棒49の挿入本数を
変化させることによって適切な減速状態を保つことがで
きるため常に安全な原子炉の起動運転が可能である。
【0056】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明に係る原子
炉用制御棒においては、請求項1に記載したように、中
央構造材に制御棒シースを結合して横断面十字状に形成
し、上記制御棒シース内に不活性ガス封入用の水排除空
間を形成したスペクトルシフト用制御棒を構成し、この
制御棒は低温時における反応度価値を出力運転時におけ
る反応度価値より小さく設定したので、スペクトルシフ
ト用制御棒を炉心に挿入したとき、減速材を排除してそ
の密度を減少させることができ、減速材燃料体積比を変
化させて炉停止余裕やボイド係数などの反応度特性を改
善することができる。
【0057】また、本発明の原子炉の炉心構造は、請求
項2に記載したように、原子炉炉心部に装荷される燃料
集合体の角筒状チャンネルボックスの対角線位置に2つ
の横断面十字状の制御棒を出し入れ可能に配設し、一方
の制御棒をスペクトルシフト用制御棒で構成したので、
燃料集合体の対角線位置に配設される2つの制御棒を機
能的に区別でき、原子炉起動や出力制御運転を特定位置
の制御棒操作により行なうことができる一方、スペクト
ルシフト用制御棒を採用することにより、減速材の流量
を増減させることなく、中性子のエネルギレベルのスペ
クトルシフトを行なうことができる。
【0058】さらに、本発明に係る原子炉の運転方法に
おいては、請求項3に記載したように、原子炉の炉心低
温時には、スペクトルシフト用制御棒を挿入状態に保
ち、スペクトルシフト用制御棒以外の制御棒を優先して
引き抜いて臨界とする運転を行なったり、また、請求項
4に記載したように、原子炉の出力運転時に、運転サイ
クルの初めから途中までスペクトルシフト用制御棒を炉
心に挿入し、以後、この制御棒を引き抜いてスペクトル
シフト運転を行なうから、減速材流量の増減制御を行な
わなくても燃料の健全性を保ちつつ減速材燃料体積比を
変化させることができ、炉心の反応度特性を改善するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る原子炉用制御棒の一実施例を示す
平断面図。
【図2】スペクトルシフト用制御棒の特性を示す説明
図。
【図3】本発明に係る原子炉用制御棒の第2実施例を示
すもので、スペクトルシフト用制御棒と燃料集合体の配
置を示す断面図。
【図4】本発明に係る原子炉用制御棒の第3実施例を示
すもので、スペクトルシフト用制御棒と燃料集合体の配
置を示す断面図。
【図5】本発明の出力運転時の原子炉の運転方法の説明
図。
【図6】本発明の低温からの起動における原子炉の運転
方法の説明図。
【図7】従来の原子炉用制御棒の説明図。
【図8】従来の燃料集合体と制御棒の関係を示す説明
図。
【符号の説明】
20,20A,20B,49 スペクトルシフト用制御
棒 21 中央構造材 22 制御棒用シース 23 水排除空間 24 密閉チューブ(ジルコニウムチューブ) 30,46,47 燃料集合体 30A 大型燃料集合体 31 チャンネルボックス 32,32A,48 通常型の制御棒 33 燃料棒 34 ウォータロッド 35 中央構造材 36 制御棒シース 37 中性子吸収棒 40 大型チャンネルボックス 41 小燃料集合体 45 炉心

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中央構造材に制御棒シースを結合して横
    断面十字状に形成し、上記制御棒シース内に不活性ガス
    封入用の水排除空間を形成してスペクトルシフト用制御
    棒を構成し、このスペクトルシフト用制御棒は低温時に
    おける反応度価値が出力運転時における反応度価値より
    小さく設定したことを特徴とする原子炉用制御棒。
  2. 【請求項2】 原子炉炉心部に装荷される燃料集合体の
    角筒状チャンネルボックスの対角線位置に2つの横断面
    十字状の制御棒を出し入れ可能に配設し、一方の制御棒
    をスペクトルシフト用制御棒で構成したことを特徴とす
    る原子炉の炉心構造。
  3. 【請求項3】 原子炉の起動時のような炉心低温時にス
    ペクトルシフト用制御棒を炉心挿入状態に保持しつつ、
    上記スペクトルシフト用制御棒以外の制御棒を優先的に
    引き抜いて臨界とすることを特徴とする原子炉の運転方
    法。
  4. 【請求項4】 原子炉の出力運転時に、運転サイクルの
    初めからサイクルの途中までスペクトルシフト用制御棒
    を炉心に挿入し、その後スペクトルシフト用制御棒を炉
    心から引き抜いてスペクトルシフト運転を行なうことを
    特徴とする原子炉の運転方法。
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