JPH0613813A - フェーズド・アレー・アンテナ校正方法 - Google Patents

フェーズド・アレー・アンテナ校正方法

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JPH0613813A
JPH0613813A JP2419328A JP41932890A JPH0613813A JP H0613813 A JPH0613813 A JP H0613813A JP 2419328 A JP2419328 A JP 2419328A JP 41932890 A JP41932890 A JP 41932890A JP H0613813 A JPH0613813 A JP H0613813A
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JP
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phase
calibration
response
aperture
residual
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JP2419328A
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English (en)
Inventor
Charles W Chapoton
ダブリュ.シャボトン チャールズ
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Texas Instruments Inc
Original Assignee
Texas Instruments Inc
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Publication date
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q3/00Arrangements for changing or varying the orientation or the shape of the directional pattern of the waves radiated from an antenna or antenna system
    • H01Q3/26Arrangements for changing or varying the orientation or the shape of the directional pattern of the waves radiated from an antenna or antenna system varying the relative phase or relative amplitude of energisation between two or more active radiating elements; varying the distribution of energy across a radiating aperture
    • H01Q3/267Phased-array testing or checking devices

Landscapes

  • Variable-Direction Aerials And Aerial Arrays (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 フェーズド・アレーの一般化モデルに基づ
き、かつアレーがオン・ラインである間に校正係数を動
的に更新する。 【構成】 校正係数を算出する自動信号処理技法を用
い、アレーが位相状態制御関数によって特徴づけられる
一般化モデルに基づく。移相素子の校正係数は、他の素
子に帰し得る残留アパーチャ・レスポンスの見積りから
導かれる位相レスポンス測定を用いて算出する。アレー
50の各素子Φにつき、同位相Iおよび直角位相Qのア
バーチャ・レスポンス測定値の第1組は、他の素子に帰
し得る全IQアパーチャ・レスポンスのRおよびR
残留成分を見積るのに用いられる。これらの残留成分を
用いて、IQアパーチャ・レスポンス測定値の第2の組
Yは、選択された素子に帰し得る位相レスポンスの測定
値に変換する。これらの位相レスポンス測定値から、信
号処理装置54で校正係数φを位相状態制御関数を用
いて算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
〔0001〕
〔0002〕
【従来の技術】位相修正式アレーには多数の移相素子が
含まれている。各素子の位相および振幅は、特定方向に
特定形状を有するビームを発生するように制御すること
ができる。普通、各素子の相対振幅が固定される一方、
移相セッティングはビームを成形しかつ操作(または指
示)するように調節される。 〔0003〕1つの共通なフェーズド・アレーの実施例
は、増分移相を与える選択された数の縦続2進移相成分
から構成される移相素子を使用する。各移相素子は、素
子の位相レスポンスが選択された位相増分の和となるよ
うに、各ビットが対応する2進移相成分を制御する2進
制御語によって選択された位相状態にセットされる。 〔0004〕ビームを正確に制御するには、各素子の実
際の位相レスポンスを正確に知る必要がある。しかし、
位相レスポンスは製造上の不一致により、かつ温度の関
数としての材料の非直線特性により、不可避の誤差を受
ける。こうして、校正は一般に、位相レスポンス誤差を
修正する位相修正操作の間に記憶されかつ使用される各
移相素子の校正係数を与えることを要求される。あるフ
ェーズド・アレー・システムでは、校正問題が比較的簡
単であるのは、各移相素子の入力が別個に制御され、そ
の出力が別々に測定されるからである。しかし、多くの
システムでは、スペース、コストおよび/または複雑性
といった制限が各素子への接近を許さず、むしろアンテ
ナ・アパーチャにあるすべての素子の総アパーチャ・レ
スポンス(同位相Iおよび直角位相Q)のみが得られ
る。これらのシステムでは、フェーズド・アレーは特に
規則正しい再校正が要求される場合に、比較的複雑な工
程となることがある。ある形の移相素子は時間にわたり
または温度(その他の環境要素)の変化の結果として著
しく変化しない。しかし、別々なこれらの素子の性能
は、それらがアレーに含まれて、組立式アレーとして作
動することを要求する場合(好都合ではない)に異なる
ことがある。 〔0005〕他の形の移相素子は時間および温度または
その一方にわたり比較的予想できないように変化する。
この形のフェーズド・アレーでは、校正測定を行う必要
があり、また校正係数が著しく変化する間隔よりも短い
間隔で合成校正係数を見積る必要がある。 〔0006〕いずれの場合にも、現行の校正方法は校正
係数を体験的に見積るやり方である。この方法は、校正
測定が特殊試験器材を必要とする一方、アレーがオフ・
ラインであるという点で不利である。この体験法のもう
1つの重大な不利は、それが自動信号処理法を使用しな
い点である。 〔0007〕これらの不利は特に、移相器の性能が温度
と共に変化するアレーにとって問題となる。そのような
システムでは、再校正の間隔を延ばす努力の中で、(例
えば冷却を用いて)操作温度の変化を少なくとも若干受
け難くするように重大な設計努力がしばしば行われる。 〔0008〕したがって、フェーズド・アレーの一般化
モデルに基づき、かつアレーがオン・ラインである間に
校正係数を動的に更新し得る、位相修正式アレーを校正
する改良された方法が必要とされている。なるべく、方
法は、アレーを1つの構成要素とするシステム内で一般
に利用できる装置で実現し得る自動信号処理法を使用す
ることが望ましい。
〔0009〕
【発明が解決しようとする課題】本発明は、アレーの一
般化モデルに基づき校正係数を算出する自動信号処理法
を用いる、フェーズド・アレー・アンテナ・システムの
校正方法である。移相素子の校正係数は他の素子に帰し
得る残留アパーチャ・レスポンスの見積りから得られる
位相レスポンス測定値を用いて算出される。 〔0010〕本発明の1つの面において、フェーズド・
アレーを校正する方法は、各素子が所定数の校正係数に
よって特徴づけられかつ位相状態制御関数 Φ=f
(φi=1M’C) によって特徴づけられるN個の移
相素子のアレーの一般化モデルを使用するが、ただし上
記の式は校正係数 φi=1Mおよびアパーチャ・レス
ポンスの特定位相状態を選択する制御語Cの両方の関数
としての素子の位相レスポンスΦを表わす。 〔0011〕各素子について、校正係数は(a)他の素
子に帰し得るアパーチャ・レスポンスの残留成分を見積
ることにより、(b)残留成分を用いて選択された素子
の位相レスポンスを測定すること、および(c)位相状
態制御関数を用いて位相レスポンス測定から選択された
素子の校正係数を算出することによって決定される。 〔0012〕校正方法は、同位相Iおよび直角位相Qの
アパーチャ・レスポンスを発生させるアレーの校正信号
入力を使用する。与えられた移相素子Jでは、測定され
たIQレスポンスは下記の式によって表わすことができ
る。
【数1】 ただしSはその素子の出力信号の振幅であり、Φは(校
正係数 φi=1M および制御語Cの関数である)そ
の素子に帰し得る位相レスポンスであり、またRおよ
びRは他の素子に帰し得る総アパーチャ・レスポンス
の残留成分である。 〔0013〕第1組のIQアパーチャ・レスポンスの測
定値は、アパーチャ・レスポンスのRおよびR残留
成分を見積るのに用いられる。これらの残留成分を用い
て、第2組のIQアパーチャ・レスポンス測定値は選択
された素子に帰し得る位相レスポンス測定値Φに変換
される。これらの位相レスポンス測定値から、校正係数
φは位相状態制御関数を用いて算出することができ
る。 〔0014〕選択された素子の位相状態制御関数 f
(φi=1M’C) が変化されるにつれて変化しない
残留成分を見積る手順は、(a)選択された素
子の制御語の組Xを選択すること、(b)合成Iおよ
びQアパーチャ・レスポンスを測定すること、および
(c)残留レスポンス成分を、下記の式によって信号出
力振幅Sと共に見積ることを含む。
【数2】 ただしこの式は測定されたIアパーチャ・レスポ
ンスによって R/RおよびSについて解くことが
望ましい。 〔0015〕素子Jの位相レスポンスΦを測定する手
順は、(a)その素子の制御語の組Yを選択すること、
(b)合成IおよびQアパーチャ・レスポンスを測
定すること、および(c)これらの測定値を下記の式に
より選択された素子に帰し得る位相レスポンスに変換す
ることを含む。
【数3】 これらの逆関数のいずれでも使用することができるが、
その選択はチャネルIまたはQのどちらがより正確な見
積りを与えるかによる。 〔0016〕いったん、選択された素子の位相レスポン
スが見積りされると、組み合わされた校正係数は位相状
態制御関数を用いて算出することができる。校正係数は
位相基準に関して算出され、基準増分移相と組み合わさ
れる基準校正係数は φ=M−θ−θ′J によ
って与えられるが、ただしMは逆関数を用いて基準制
御語から得られる位相レスポンス測定値であり、θ
駆動信号の未知位相であり、θ′は基準に関する素子
Jの位相偏差である。 〔0017〕本発明のより特定な面において、フェーズ
ド・アレー校正方法がN個のMビット移相素子の模範ア
レーの校正に関して説明されるが、各素子は2通りの
位相状態を与えるM個の2進移相成分(位相ビット)か
ら成っている。この模範アレーでは、位相状態制御関数
の制御語は各位相ビットの制御ビットを含むので、制御
語は選択された位相状態を共に決定する不連続な位相増
分を指定する。 〔0018〕この模範のN素子Mビット・フェーズド・
アレーは下記の位相状態制御関数によって特徴づけられ
る。
【数4】 ただしδは制御語の2進制御ビットであり、φは各
移相素子(各位相ビットごとに1個)と組み合わされる
校正係数であり、θは素子Jで注入される信号の位相
である。 〔0019〕素子Jの3つの異なる制御語(すなわち3
つの異なる位相状態セッティング)を選択することによ
り、次に下記の式を用いてRおよびRを見積ること
によって残留成分RおよびRが見積りされる。
【数5】 位相状態セッティングについて唯一の要求は、上記の式
の分母がゼロに近くないことであり、したがって計算は
整然と行われる。 〔0020〕なるべく、IおよびQアパーチャ・レスポ
ンスを発生させるのに用いられる校正信号入力が注入さ
れて、フェーズド・アレーがオン・ラインである間(校
正方法は放射された入力信号と共に使用するようにされ
ているが)、校正を動的に達成させることが望ましい。
校正信号を注入するように、各移相素子の信号注入構造
物は、フェーズド・アレー構造物に合体される。 〔0021〕本発明の技術的利点には下記が含まれる。
本発明のフェーズド・アレー校正方法は、アレーの各移
相素子に関する移相誤差を修正する校正係数の動的更新
に用いることができる。校正方法はフェーズド・アレー
の一般化モデルに基づいて、校正手順をモデルによって
定めさせかつ従来の自動信号処理法を用いて実現させ
る。リアルタイム処理は主として、フェーズド・アレー
・システムにより普通使用されるようなベクトル式信号
処理装置における実行に適したベクトル演算を使用す
る。校正方法は、入力校正信号の位相や振幅の正確な制
御を必要とせず、また1組の予想誤差および利用可能な
計算資源にとって最適であると思われる。注入校正信号
を用いると、アンテナ・アレーがオン・ラインである間
校正方法を実行することが可能である。校正係数を動的
に更新する自動手順を提供することによって、本校正方
法は温度制御を必要としなくなるが、他の方法では再校
正手順間の間隔を増す。 〔0022〕本発明および追加の特徴ならびに利点をさ
らによく理解するように、付図に関する下記の詳細な説
明についてこれから述べる。 〔0023〕〔実施例〕本発明のフェーズド・アレー校
正方法の模範的実施例の詳細な説明は下記の通り組織化
される。 〔0024〕 1.一般校正方法 2.模範のN素子Mビット・アレー 3.残留値RおよびR見積り 3.1 残留見積り 3.2 残留最小化 4.位相レスポンス測定 4.1 直交化および回転 4.2 位相レスポンスの測定 5.校正係数計算 5.1 基準位相見積り 5.2 最小二乗処理 5.3 アレー振幅測量 6.放射信号入力 7.結論 〔0025〕校正方法は、Mビット移相器のN素子アレ
ーについての校正係数を算出する模範例に関して説明さ
れる。各移相素子はM個の移相成分(位相ビット)を有
する。1つの校正係数は各M移相成分と組み合わされ
る。 〔0026〕詳細な説明は模範例に関するものである
が、本発明は、アレーの各位相素子がM個の校正係数に
よって特徴づけられ、かつその素子の位相レスポンスが
位相状態制御関数 f(φi=1,M,C) を用いる
これらの校正係数によって特徴づけられるモデルによっ
て説明されるフェーズド・アレーの校正係数を算出する
一般的な応用能力を備えている。 〔0027〕1.一般校正方法。本発明の校正方法はオ
ン・ラインであるフェーズド・アレー・アンテナ・シス
テムの校正係数を動計算するのに用いることができる。 〔0028〕移相素子の校正係数は、他の素子に帰し得
る残留アパーチャ・レスポンスの見積りから得られる位
相レスポンス測定値を用いて算出することができる。次
に、これらの校正係数は、正常な位相修正操作の間に位
相レスポンス誤差を修正するのに用いることができる。
フェーズド・アレーを校正する方法は、選択された素子
Jが所定数の校正係数Mによって特徴づけられ、かつそ
の素子の位相レスポンスΦがこれらの校正係数(なら
びにそれらの表わす位相増分)によって、下記の位相状
態制御関数を用いて特徴づけられるN個の移相素子のア
レーの一般化モデルに基づく。
【数6】 位相状態制御関数 f(φi=1M’C)は、校正係数
φと、特定の位相状態を選択する制御語Cとの両方の
関数として移相素子Jの位相状態を表わす。 〔0029〕校正方法は、校正係数を算出するために測
定されかつ使用される同位相Iおよび直角位相Qのアパ
ーチャ・レスポンスを発生させるアレイの校正信号入力
を使用する。与えられた移相素子Jでは、測定されたI
Qアパーチャ・レスポンスは下記の定義式によって表わ
される。
【数7】 ただしSはその素子の出力信号振幅であり、Φはその素
子に帰し得る移相レスポンス(校正係数φi=1,M
よび制御語Cの関数)であり、RおよびRは他の素
子に帰し得るアパーチャ・レスポンスの残留成分であ
る。 〔0030〕第1a図、第1b図および第1c図は本発
明の一般校正方法を示す。IQアパーチャ・レスポンス
測定値の第1組Xは、全IQアパーチャ・レスポンスの
およびR残留成分を見積るのに用いられる(第1
a図,10)。これらの残留成分を用いて、IQアパー
チャ・レスポンス測定値の第2組Yは、選択された素子
に帰し得る位相レスポンスΦの対応する測定値に変換
される(第1b図,20)。これらのレスポンス測定値
から、校正係数φは位相状態制御関数を用いて算出す
ることができる(第1c図,30)。 〔0031〕素子Jの位相状態制御関数f(φ
i=1,M,C)が変化されるにつれて変化しないR
残留成分を見積る手順(第1a図の10)は、
(a)その素子の制御語の組Xを選択すること(12)
と、(b)合成IおよびQアパーチャ・レスポンス
を測定すること(14)と、(c)下記の式により出力
信号振幅Sと共に、残留レスポンス成分を見積ること
(16)を含む。
【数8】 ただし、この式は測定されたIおよびQアパーチャ
・レスポンスによりRおよびSについて解くこと
が望ましい。 〔0032〕選択された素子の位相レスポンスΦを測
定する手順(第1b図,20)は、まず(a)その素子
の制御語の組Yを選択すること(22)と、(b)I
およびQアパーチャ・レスポンスを測定すること(2
4)と、(c)これらの測定値を下記の逆関数により選
択された素子に帰し得る対応する位相レスポンスに変換
すること(26)を含む。
【数9】 これらの逆関数はどちらでも使用することができるが、
その選択はIまたはQのどちらのチャネルがより正確な
見積りを与えるかによる。 〔0033〕いったん位相レスポンス測定値が見積りさ
れると、校正係数は位相状態制御関数 Φ=f(φ
i=1M,C)から算出することができる(30)。校
正係数は位相基準に関して算出されるが、基準増分移相
と組み合わされる基準校正係数は下記の式によって与え
られる。
【数10】 ただしMは逆関数を用いて基準制御語から得られる位
相レスポンス値であり、θは駆動信号の未知位相であ
り、θ′は基準に関する素子Jの位相偏差である。 〔0034〕こうして、基準校正係数φは、位相修正
が素子の相対位相に左右されるので、重大ではない一定
のバイアスθの範囲内で見積ることができる(32)
(第5、1節参照)。アレーの各移相素子の基準校正係
数φが既知であるので、他の校正係数φは位相状態
制御関数を用いて制御語セッティングYおよび合成位相
レスポンス測定値から算出することができる(34)。 〔0035〕既知の校正信号を入力する好適な方法は、
フェーズド・アレー構造物の一部として(各移相素子の
方向性結合器を持つ適当なRF導波管のような)校正信
号注入構造物を供給することである。アンテナ・アパー
チャにより検出された放射信号ではなく注入信号を用い
ると、アレイがオン・ラインである間、本発明の方法を
リアル・タイムで実行することができ、移相校正係数は
動的に更新することができる。この動的な更新操作の周
波数に関する主な制限は、アレーを一部とするアンテナ
・システムに利用できる信号処理電力である。 〔0036〕別の校正信号注入構造物合体、および移相
校正係数のリアル・タイム更新、またはその一方に対す
る1つの別法は、アンテナ・アパーチャにより検出され
る放射校正信号を使用することである。このオフ・ライ
ン別法は第6項に説明される。 〔0037〕本発明の移相係数校正方法は、従来の信号
処理法を用いる自動実施に適応することができる。注入
校正信号を用いる実施の場合は、移校正係数はリアル・
タイムで算出することができる。リアル・タイム処理は
主として、フェーズド・アレー・アンテナ・システムに
より普通使用されるようなベクトル向き信号処理装置で
の実行に適したベクトル演算を包含する。 〔0038〕アンテナ・システムで利用し得る処理電力
次第で、校正手順は任意の与えられた校正サイクルの間
に移相素子の若干または全部を完了することができる。
更新期間が選択されると必ず、本発明の校正方法は、シ
ステムがオン・ラインである間フェーズド・アレー・ア
ンテナ・システムの校正係数を動的に更新するのに用い
ることができ、それによって温度変化に起因するような
移相器の動作の偏差にかかわらず精度が維持される。 〔0039〕2.模範的なN素子Mビット・アレー
本発明の校正方法の詳細な説明は、模範的なN素子Mビ
ット・フェーズド・アンテナ・アレーの校正係数を動的
に算出することに関している。 〔0040〕アレーの各移相素子は、全部で2通りの
位相状態(移動増分)を与えるMビット2進移相成分
(位相ビット)を含む。この模範の校正応用では、位相
状態制御関数 f(φ,C)の制御語Cは各M位相ビ
ットにつき1個の制御ビットδを含む。移相素子用の
特定の位相状態セッティングは、位相状態を決定する特
定の移相増分を得るように素子の位相ビットを対応して
セットする制御語を選択することによって得られる。 〔0041〕第2a図および第2b図は、2進移相器を
用いる模範的なフェーズド・アレー構造を示す。N個の
移相素子のアレー50は素子Jを含む。アパーチャに入
力する校正信号S′に応じて、各移相素子Jは当該素子
の制御語セッティングに左右される位相レスポンスΦ
を出力する。位相レスポンスは合計されて、対応する同
位相Iおよび直角位相Qのアパーチャ・レスポンスを発
生させるI/Q回路網52の入力となる。IおよびQア
パーチャ・レスポンスは、本発明の校正方法により処理
する信号処理装置54(アンテナ・システム用の信号処
理装置であってもよい)の入力である。 〔0042〕第2b図から、模範的な4ビット移相素子
55は4個の2進移相成分56を含む。各2進移相成分
(位相ビット)は、校正係数 φと組み合わされる特
徴を持っている。各移相ビットは、組み合わされた増分
移相が導かれるかどうかを決定する制御語のそれぞれの
制御ビットδによって制御される。移相素子55の合
成位相レスポンスΦは選択された位相増分の和であ
る。 〔0043〕移相素子Nの数、および各素子の位相状態
の数(移相ビット当たり2つの位相状態)を選択するこ
とは、包括的なアンテナ性能仕様書によって決定され
る。例えば、従来のフェーズド・アレー・アンテナ・シ
ステムは100個の素子を使用することができるが、各
素子には22.5゜、45゜、90゜および180゜の
移相増分を持つ2進移相成分を用いて実現された、2
2.5゜の位相増分において16通りの位相状態(すな
わち0゜、22.5゜、45゜、67.5゜、90゜、
など)を有する4ビット移相器を含む。 〔0044〕本発明のフェーズド・アレー・モデルによ
り、模範的なN素子Mビット・フェーズド・アレーの位
相レスポンスは下記の位相状態制御関数によって特徴づ
けることができる。
【数11】 ただし各移相素子Jについて、δiJはそれぞれの位相
ビットと組み合わされたM個の制御ビットであり、φ
iJはこれらの2進移相成分の対応するM個の校正係数
であり、θは注入信号の位相である。どのような素子
Jでも、注入信号S′(位相基準に関する)に対する
同位相Iおよび直角位相Qのレスポンスは下記の通りで
ある。
【数12】 ただし S=アレーにおいて素子および振幅の先細による損失
のない、S′に対応する移相素子の信号出力振幅、δ
iJ=制御語(δ,δ,δ…δ)がJ素子の特
有な位相状態を指定するように、位相ビットを制御する
M制御ビット、φiJ=組み合わされた位相ビットが制
御語に応じて選択されるときに生じる増分移相におのお
のが対応するM個の校正係数、θ=選択された素子J
における注入信号の位相。こうして、全IおよびQアパ
ーチャ・レスポンス(すなわち並列なN個の移相素子)
は下記の式によって与えられる。
【数13】 校正係数φijの値は温度依存であり、アパーチャが加
熱するにつれて公称値から離れると思われる。 〔0045〕3.残留値RおよびRの見積り どのような素子Jでも、入力信号に対する全アパーチャ
・レスポンスは2つの成分、すなわち素子Jの位相レス
ポンスに帰し得る成分、およびアパーチャの残りのレス
ポンス(残留アパーチャ・レスポンス)に帰し得る成
分、にベクトル分割することができる。本発明の校正方
法は、選択された素子の位相レスポンスを見積るのに使
用することができる残留アパーチャ・レスポンス成分を
見積るために測定された同位相Iおよび直角位相Qアパ
ーチャ・レスポンス値を使用する。どのような素子Jで
も、全IおよびQアパーチャ・レスポンスは当該素子の
下記ベクトル成分によって書くことができる。
【数14】 ただし
【数15】 下記の説明の便宜上、 S,δiJ,Φ,θの添
字Jは落される。 〔0046〕選択された素子の残留成分RおよびR
は下記の通り指定することができる。
【数16】 およびRに関するこれらの式を用いて、全Iおよ
びQアパーチャ・レスポンスは下記の定義式に簡潔化さ
れるが、
【数17】 これらはアパーチャ・レスポンスのベクトル成分によっ
て与えられる。 〔0047〕測定可能なIおよびQの値により残留値R
およびRに関する定義式を解くと、(a)正弦およ
び余弦関数の独立変数を変える(すなわち制御ビットδ
を変える)ことにより、また(b)合成IQアパーチ
ャ・レスポンスを測定することによって、残留値を見積
ることができる。素子Jと組み合わされた制御ビットδ
が変化する(当該素子の位相状態の変化に対応して)
ときにR残留値が変化しないのは、それらが素子
Jからの成分を含まないからであることに注目された
い。Σi:1,Mδφ の2個の可能な値が利用
できるのは、各制御ビットδが2個の可能な値を持つ
からであることにも注目されたい。 〔0048〕3.1.残留値見積り。 第3図は全アパ
ーチャ・レスポンスの残留成分RおよびRを見積る
望ましい手順を示す。 〔0049〕第1段階は、残留成分がゼロ近くになるよ
うにアレーを設定することであり、これは選択された素
子J以外の移相素子の制御語(δij・j) を適
当に選択することによって(12a)行われる(第3.
2項参照)。残留成分がゼロに近いと、IQアパーチャ
・レスポンス測定値の主な貢献者は、校正係数を算出す
るのに用いられる選択された素子Jの位相レスポンスと
なる。 〔0050〕次に、残留成分は、3つの異なる位相状態
に対応する選択された素子Jの3つの異なる制御語の組
Xを選択することによって(12a)見積ることができ
る。各制御のセッティングについて、校正信号が注入さ
れ(14a)、合成IQアパーチャ・レスポンスが測定
される(14c)。 〔0051〕制御語の組Xについて、下記の定義式を書
くことができる。
【数18】 ただしXは選択された制御語を規定する。素子Jの対応
する位相レスポンスΦの値が未知であるのは、組み合
わされた校正係数φが未知と思われるからであること
に注目されたい。 〔0052〕残留成分RおよびRはIQアパーチャ
・レスポンス測定値によってのみ表わすことができる。
下記の定義、すなわち
【数19】 〔0053〕こうして、R成分は下記の制御語セ
ッティングから生じるIQアパーチャ・レスポンス測定
値の3組から、信号振幅Sと共に算出することができる
(16a)。
【数20】 これらの式はR残留成分について解くことがで
き、下記を生じる。
【数21】 制御語の組Xは分母がゼロに近くないように選択され
(16b)、したがって計算は整然と行われる。 〔0054〕信号出力Sの値は下記の通り、Rおよび
残留成分が見積られてから、どの式からでも容易に
算出することができる(16c)。
【数22】 挿入的に述べれば、信号出力の振幅Sが実際の注入校正
信号S′からアレーにある素子および振幅先細りの損失
を引いたものに相当するので、かつS′が既知であるの
で、素子内の損失は所望ならば見積ることができる。 〔0055〕3.2.残留成分の最小化。 Rおよび
残留成分を用いて校正係数を算出する本発明の校正
方法の効果は、残留アパーチャ・レスポンスのベクトル
/Rが最小化される(すなわち少なくとも入力位
相ベクトルの大きさSの程度まで減少される)ならば
高められる。 〔0056〕RおよびR残留値の大きさを減少させ
るために、下記の項を最小にする制御語δij:j≠J
の値を選択することが必要である。 位相レスポンスのベクトルΦj・j≠J’および特に組
み合わされる校正係数φijは未知と思われるので、こ
れらの項は選択された素子J以外のアレーの素子の1組
の制御語δij:j≠J の一時選択によってのみ必ず
しもゼロにセットすることはできない。 〔0057〕アレーの非選択素子の公称(または最終校
正された)位相状態セッティングで始まる反復法を使用
することができる。振幅重量和がゼロに近いように制御
語δij の位相状態セッティングの間隔置きのよう
な、他の方法も使用することができる。 〔0058〕1つの反復法は、下記いずれかが最小にな
るように δおよびδj+1の組を対方向に選択する
ことである。
【数24】 制御語は同位相Rおよび直角位相Rの残留値を交互
に最小にするようにセットすることができる。 〔0059〕加重および量子化が一様でないので、完全
な消去は一般に不可能である。素子が著しい振幅先細り
(S>Sj+J1,および(S)max>>
(S)min),を受けるならば、対状の消去は比較
的効果がない。 となるように注入信号の振幅をセットすることができる
ならば、残留値は関連校正係数の算出時の誤差に主とし
て左右されると思われる。 〔0060〕残留成分RおよびRを減少させる目的
は、変化する位相状態のセッティング(すなわち移相増
分)の効果を正確に測定できるようにすることである。
残留成分は、普通アナログ・ディジタル変換器である使
用中の測定装置が移相器の最小移相増分の移相結果を解
決し得るようなものでなければならない。 〔0061〕4.位相レスポンスの測定。 IQアパー
チャ・レスポンスのR残留成分を用いて、選択さ
れた素子Jに帰し得る位相レスポンスΦが測定され
る。これらの位相レスポンス測定は、関連校正係数を算
出するのに用いられる(第5項参照)。第4図は本発明
の校正方法による位相レスポンス測定値を見積る望まし
い手順を示す。各移相素子について、制御語の組
(δ,δ…δ)が選択される(22a)。なるべ
く、制御語の数は校正係数の数(M)より大であり、校
正係数の算出に最小二乗処理が使用できることが望まし
い(第5.2項参照)。 〔0062〕4.1.直交化および回転。 選択された
素子の各制御語セッティングについて、合成位相レスポ
ンスを測定する望ましい手順は、予想される位相レスポ
ンス・ベクトルΦに残留ベクトルを直交させる(22
b)ように試みることである。この直交化は、選択され
た素子以外のすべての移相素子について制御語を調節し
て、残留ベクトルに追加の増分移相回転を加えることに
よって達成することができる。 〔0063〕もしR/R残留ベクトルが位相ベクト
ルΦに直交するようにされるならば、駆動信号の位相
は両ベクトルをそれぞれIQチャネルに同様に回転しよ
うとして調節することができる。すなわち、選択された
増分移相はIQアパーチャ・レスポンスの1つのチャネ
ルに残留成分を集めようとする場合に両ベクトルに加え
られて、位相レスポンスを測定するのに他のチャネルを
利用できるように(したがって校正係数を算出し得るよ
うに)する。このベクトル回転手順は、選択された移相
素子の位相レスポンスを測定するより高い分解能を供給
するのに用いることができる。 〔0064〕4.2.位相レスポンス測定。 各制御語
(位相状態)セッティングについて、校正信号が注入さ
れ(24a)、合成アパーチャ・レスポンスIおよび
が測定される(24b)。これらのアパーチャ測定
値は、(見積り済の残留アパーチャ・レスポンス成分を
用いて)位相レスポンス測定値に変換される(26)。 〔0065〕アパーチャ・レスポンス測定値は下記の定
義式によって与えられる。
【数25】 〔0066〕こうして、各制御語(位相状態)につい
て、合成Iアパーチャ・レスポンス測定値は下記
の逆関数を用いて所望の位相レスポンス測定値Φに変
換することができる。
【数26】 各制御語は、IおよびQアパーチャ・レスポンス測
定値を生じ、したがって2つの逆関数値(これらの逆関
数のいずれでもよい)を用いて校正係数φを算出する
ことができるが、選択は逆関数計算の精度に左右され
る。例えば、R残留成分の大きさがたとえ小さく
作ることができなくても(かつ回転が試みられなかった
り有効でなかったりしても)、残留ベクトルが位相レス
ポンスベクトルに直交するようにされるならば、残留成
分がより小さい逆関数は校正係数を算出するために選択
することができる。 〔0067〕5.校正係数の計算。 各移相素子につい
て、位相状態セッティングYから生じる位相レスポンス
測定値は、下記の位相状態制御関数により関連校正係数
を算出するのに用いられる。 校正係数φは、移相素子の位相ビットが特定の制御語
によってセットされるときに生じる増分移相に相当す
る。 〔0068〕第5図は本発明により校正係数を算出する
望ましい手順を示す。基準位相増分を見積るために基準
制御語が使用されるが、最小二乗処理を支持するに足る
追加の測定値を得ることが望ましい。 〔0069〕5.1.基準位相見積り。 フェーズド・
アレー・アンテナのビームは相対位相によって作られて
修正されるので、移相校正係数は基準位相Φに関して
算出されなければならない。選択された移相素子につい
て、もし逆関数 cos−1( )およびsin
−1( )によって供給された位相レスポンス測定値が
を指定されるならば、下記のようになる。
【数27】 また制御語の組Yの1つは位相基準に相当する。 〔0070〕制御語にあるすべての制御ビットがゼロに
セットされるならば(32a)、相当する基準位相は下
記のようになる。
【数28】 ただしθは選択された移相素子での入力校正信号の未知
位相θと、ある基準素子に関する選択された素子の位相
偏差との和である。選択された移相素子Jの位相偏がθ
′で表わされるならば、基準位相は下記の式で与えら
れる
【数29】 〔0071〕位相偏差θ′が既知であるならば(32
b)、すべての移相校正係数φはしたがって一定バイア
スθの範囲内で算出することができる(32c)。こ
のバイアスが重要でないのは、ビームが素子の相対位相
によって作られかつ修正されるからである。もしθ
ゼロの平均値および平均された合成算出校正係数φと共
に変化されるならば、バイアスは除去されるであろう。 〔0072〕位相偏差θ′が未知であるならば(32
d)、それらを見積る測定が追加されることがある。例
えば、
【数30】 であるので、Φおよびθの両方を変える多数の測定を行
うことによって作られた平均値は下記を生じる
【数31】 もしΦおよびθがそれらの平均、モジュロスπがゼロで
あるように変化されるならば、θ′はθに近いであろ
う。もしθ′を見積るためにMから引かれた値Φおよび
θがバイアスとランダム誤差の両方を含むならば、θ
の見積りはこれらのバイアスを含むが、ランダム誤差は
減少される(独立測定の数の平方根だけ)。θはアレー
の外部パラメータであるので、θのバイアスはすべての
素子に共通となり、重要ではない。 〔0073〕 θの関数形式(選択された移相素子J
の関数としての)が既知であり、かつパラメータが見積
られているならば、素子ごとのバイアスの差は異なる素
子のΦにおけるバイアスの差に帰し得る。θ′の関数
形式が移相素子の数より少ないパラメータを有するかぎ
り、これらのパラメータを見積ることができる。 〔0074〕5.2.最小二乗見積り。 基準位相Φ
が既知であると、移相校正係数φは従来の最小二乗処
理を用いて算出することができる(34a)。M位相レ
スポンス測定値を上回るものが作られると(2−1が
利用できることが思い出される)、校正係数φの最小二
乗見積りを達成することができる。 〔0075〕最小二乗処理によって、追加の位相レスポ
ンス測定値を要する計算費用で、校正係数の計算におけ
る雑音減少が可能となり、かつ計算に因数分解される。
さらに、量子化の作用を減らすために、入力信号の位相
(θ)は変化されて、校正係数φの追加の見積りが
れて平均化される。 〔0076〕本発明の校正方法の最小二乗処理は、下記
の例によって説明される。もしすべての2−1個の位
相レスポンス測定が行われるならば、合成式は下記のよ
うなマトリックスで書くことができる
【数32】 ただしAは2−1行およびM列の制御ビットδのマト
リックスであり、Xは校正係数φのMベクトルであり、
Yは位相レスポンス測定値の2M−1ベクトル(M
である。校正係数の最小平均二乗誤差見積りは下記の式
により与えられる
【数33】 〔0077〕マトリックスAを形成するδベクトルのこ
の順序づけにかかわらず、(AA)は斜線上の値2お
よび他の場合にはスカラー2(M−2)で乗じられた1
を持つ M×Mマトリックスによって与えられる。例え
ばもしM=4ならば、
【数33】 〔0078〕このマトリックスの逆数(AA)−1
斜線上の値Mおよび他の場合にはスカラー1/[(M+
1)(2(M−2))] を乗じられた−1を持つM×
Mマトリックスである。M=4ならば、
【数34】 〔0079〕測定値および関連定義式は任意な順に置く
ことができる。もし制御ビットδが順序づけられて、
【数35】 となるような順序づけと値が組み合わされるようになる
と、K=1,2,‥‥,2(M−1)の「自然」順序
づけは事前に計算できるマトリックス(AA)−1
Tを生じる。 〔0080〕例えばM=4の場合、
【数36】 である。校正係数φの見積りは、このマトリックスと測
定値のベクトルとの積である、 〔0081〕この測定順序は位相ベクトルΦをその全
範囲にわたって回転させ、同位相および直角の両成分と
残留成分RおよびRとの最大比(および最小比)を
供給する。 〔0082〕5.3 アレー振幅の加重。 本発明の校
正方法は説明のために調節することができ、またフェー
ズド・アレー・アンテナ・システムにより普通使用され
るアレー振幅加重の特徴を利用することができる。 〔0083〕振幅加重がより低い移相の校正係数は、よ
り高い値の変数についての合成校正係数の改良された精
度を使用して、加重値がより高いこれらの素子の係数を
計算してから算出すべきである。残留成分RおよびR
の一段と精密な制御がこうして得られる。 〔0084〕注入信号の振幅 Sがアレー振幅加重を
補償するように調節されるならば、すべてのSは等し
くなることがある。R残留成分を最小にする工程
はこうして一段と容易になる。 〔0085〕6.放射信号入力。 第1項に示された通
り、校正信号を入力する好適な手順は、既知振幅の信号
S′を注入することである。信号注入を用いると、本発
明の校正方法はフェーズド・アレーがオン・ラインであ
る間リアル・タイムで実施することができ、信号注入構
造物のアレーに含める所要の費用にもかかわらず、アレ
ーの再校正を動的に達成することができる。 〔0086〕アレーがオン・ラインである間に移相校正
係数を動的に更新する1つの別法として、本発明の校正
方法は、アレーによって検出されかつ入力校正信号Sを
得るのに使用される既知振幅の放射信号を導くことによ
り、アレーがオフ・ラインである間に実施することがで
きる。この放射信号による別法は、第1項に記載された
アレー・モデル法で本発明の自動信号処理法を依然とし
て利用している。例えばもし放射信号F(J)の位相分
布の形が多項式であるならば、係数の最小二乗見積りも
簡明である。もしF(J)がJにおいて直線、すなわち
【数37】 であるならば、aおよびaに関する最小二乗見積り
は、(1組の見積り θjj,=1,N を作る全部
でN個の素子を用いて)下記の通りである
【数38】 ただしすべての和は1からNまでであり、かつ
【数39】 もしF(J)が2次方程式、すなわち
【数40】 であるならば、
【数41】 iについてのいろいろな和は周知の通りであり、すなわ
【数42】 〔0087〕より高位の多項式への延長はルーチンであ
る。素子の不規則な間隔どりまたは2次元アレー(もし
くはその両方の組合せ)への延長は面倒であるが、達成
することは可能である。 〔0088〕7.結論。 本発明のフェーズド・アレー
校正方法は、一般化した位相状態制御関数を用いて校正
係数を算出する自動信号処理法を用いている。 〔0089〕本校正方法は、入力(注入または放射)校
正信号に応じてアンテナ・システムから得られる同位相
Iおよび直角位相Q信号を使用する。アレーの各移相素
子について、本校正方法は選択された素子以外の素子に
帰し得るアパーチャ・レスポンスの残留成分を見積り、
次にこれらの残留成分を用いて選択された素子の位相レ
スポンスを測定する。校正係数はなるべく最小二乗処理
を用いて、位相状態制御関数を使用する位相レスポンス
測定値から算出される。位相レスポンス測定値(および
それによって、校正係数)の分解能を改良するために、
直交化および回転法を用いて、IQ回路網の選択された
チャネルにおける位相レスポンス・ベクトルを集中させ
る。
〔0090〕本発明は特定の実施例について説明された
が、この説明を制限の意味に解釈してはならない。開示
された実施例のいろいろな変更は本発明の別な実施例と
共に、説明に関して、当業者にとって明らかになると思
う。したがって、特許請求の範囲は本発明の真の範囲に
入るような変形をカバーすることが予測される。 〔0091〕以上の説明に関してさらに以下の項を開示
する。 (1) おのおの所定数の校正係数を有するN個の移相
素子と、位相状態制御関数、Φ=f(φi−1M
C) により特徴づけられる位相レスポンスとを備え
るフェーズド・アレー・アンテナを校正する方法であっ
て、アパーチャ・レスポンスを生じさせる校正信号をア
ンテナに入力する段階と、選択された移相素子に関し、
他の素子に帰すると思われる残留アパーチャ・レスポン
スを見積る段階と、前記残留アパーチャ・レスポンスを
用いて選択された素子の位相レスポンスを測定する段階
と、位相状態制御関数を用いて前記位相レスポンス測定
値から選択された素子の校正係数を算出する段階とを含
むことを特徴とする校正方法。 〔0092〕(2) アパーチャ・レスポンスは同位相
Iおよび直角位相Qを含むことを特徴とする請求項1記
載の校正方法。 〔0093〕(3) 残留アパーチャ・レスポンスを見
積る段階は、選択された素子の位相状態セッティングの
組Xを選択する段階と、各位相状態セッティングについ
て、入力校正信号に対するIおよびQアパーチャ・レス
ポンスを測定する段階と、式(I−R+(Q
−R=S を用いてIQアパーチャ・レスポン
スからRおよびR残留アパーチャ・レスポンス成分
を算出する段階とを含むことを特徴とする第2項計算方
法。 〔0094〕(4) 前記R残留成分の大きさ
が入力校正信号の大きさと同じ程度またはそれより小と
なるように、非選択素子の位相状態セッティングを選択
する段階をさらに含むことを特徴とする第3項 記載
の校正方法。 〔0095〕(5) 3つの位相セッティングが選択さ
れることを特徴とする第4項記載の校正方法。 〔0096〕(6) 選択された素子の信号出力振幅S
を見る段階をさらに含み、かつ選択された素子の位相レ
スポンスを測定する段階は選択された素子の位相状態セ
ッティングの組Yを選択する段階と、各位相状態セッテ
ィングについて、入力校正信号のIおよびQアパーチャ
・レスポンスを測定する段階と、前記R残留成分
および信号振幅Sを用いかつ逆関数
【数43】 の内の少なくとも1つを用いてIQアパーチャ・レスポ
ンスから位相レスポンスを測定する段階とをさらに含む
ことを特徴とする第2項 記載の校正方法。 〔0097〕(7) 2つのベクトルが事実上直交する
ように残留ベクトルR/Rと位相レスポンス・ベク
トルとを直交させる段階をさらに含むことを特徴とする
第6項 記載の校正方法。 〔0098〕(8) 直交化の段階は、選択された位相
増分が位相レスポンス・ベクトルに事実上直交するよう
に、残留ベクトルR/Rを回転させるために選択さ
れた位相増分がR/Rに加算されるように非選択素
子用の位相状態セッティングを選択することによって達
成されることを特徴とする第7項 記載の校正方法。
〔0099〕(9) ベクトル出力がそれぞれのIおよ
びQチャネルに主として現れるように、残留ベクトルR
/Rおよび位相レスポンス・ベクトルを回転させる
段階をさらに含むことを特徴とする第7項 記載の校
正方法。 〔0100〕(10) 校正係数を算出する段階は基準
移相増分に対応する基準校正係数を見積る段階と、位相
状態制御関数を用いて前記位相レスポンス測定値および
基準校正係数から校正係数を算出する段階とを含むこと
を特徴とする第1項 記載の校正方法。 〔0101〕(11) 位相レスポンス測定値の数は校
正係数の数より大きく、かつ校正係数を算出する段階は
最小二乗処理によって行われることを特徴とする第10
項記載の校正方法。 〔0102〕(12) おのおの所定数の校正係数を持
つN個の移相素子を持つフェーズド・アレー・アンテナ
を校正する方法であり、位相状態制御関数
【数44】 によって特徴づけられた位相レスポンスは、IおよびQ
アパーチャ・レスポンスを生じさせる校正信号をアンテ
ナに入力する段階と、選択された素子について制御語の
組Xを選択する段階と、各制御語Xについて、入力校正
信号に対する合成IおよびQアパーチャ・レスポンスを
測定する段階と、非選択素子に帰し得るアパーチャ・レ
スポンスのRの残留成分を見積りかつ
【数45】 を用いて:Qアパーチャ・レスポンスから選択された素
子の信号出力振幅を見積る段階と、選択された素子につ
いて、制御語の組Yを選択する段階と、各制御語Yにつ
いて、入力校正信号に対する合成IおよびQアパーチャ
・レスポンスを測定する段階と、R残留成分およ
びS信号振幅を用いかつ逆関数
【数46】 の内の少なくとも1つを用いて、IQアパーチャ・レス
ポンスから位相レスポンス Φを測定する段階と、位
相状態制御関数を用いて前記位相レスポンス測定値から
選択された素子の校正係数を算出する段階とを含むこと
を特徴とする校正方法。 〔0103〕(13) 残留ベクトルR/Rおよび
位相レスポンス・ベクトルを直交させて2つのベクトル
が事実上直交させる段階をさらに含むことを特徴とする
第12項 記載の校正方法。 〔0104〕(14) 直交化の段階は、選択された位
相増分が残留ベクトルR/Rに加えられてそれを位
相レスポンス・ベクトルに事実上直交するように回転さ
せるように非選択素子用の制御語を選択することによっ
て達成されることを特徴とする第13項 記載の校正
方法。 〔0105〕(15) ベクトル出力がそれぞれのIお
よびQチャネルに主として現れるように、残留ベクトル
/Rおよび位相レスポンス・ベクトルを回転させ
る段階をさらに含むことを特徴とする第13項 記載の
校正方法。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1a図は本発明による一般フェーズド・アレ
ー校正方法の図。
【図2】第1b図は本発明による一般フェーズド・アレ
ー校正方法の図。
【図3】第1c図は本発明による一般フェーズド・アレ
ー校正方法の図。
【図4】第2a図および第2b図はそれぞれ模範的なフ
ェーズド・アレーおよび当該アレーの模範的な4ビット
移相素子を示す図。
【図5】第3図は残留成分RおよびRを見積る手順
図。
【図6】第4図は校正係数の算出に用いられる素子Jの
位相レスポンス測定手順図。
【図7】第5図は最小二乗処理を用いて校正係数を算出
する手順図。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年3月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 フェーズド・アレー・アンテナ校正方
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は一般にフェーズド・アレ
ー・アンテナに関し、特にフェーズド・アレー・アンテ
ナを校正する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】位相修正式アレーには多数の移相素子が
含まれている。各素子の位相および振幅は、特定方向に
特定形状を有するビームを発生するように制御すること
ができる。普通、各素子の相対振幅が固定される一方、
移相セッティングはビームを成形しかつ操作(または指
示)するように調節される。
【0003】1つの共通なフェーズド・アレーの実施例
は、増分移相を与える選択された数の縦続2進移相成分
から構成される移相素子を使用する。各移相素子は、素
子の位相レスポンスが選択された位相増分の和となるよ
うに、各ビットが対応する2進移相成分を制御する2進
制御語によって選択された位相状態にセットされる。
【0004】ビームを正確に制御するには、各素子の実
際の位相レスポンスを正確に知る必要がある。しかし、
位相レスポンスは製造上の不一致により、かつ温度の関
数としての材料の非直線特性により、不可避の誤差を受
ける。こうして、校正は一般に、位相レスポンス誤差を
修正する位相修正操作の間に記憶されかつ使用される各
移相素子の校正係数を与えることを要求される。あるフ
ェーズド・アレー・システムでは、校正問題が比較的簡
単であるのは、各移相素子の入力が別個に制御され、そ
の出力が別々に測定されるからである。しかし、多くの
システムでは、スペース、コストおよび/または複雑性
といった制限が各素子への接近を許さず、むしろアンテ
ナ・アパーチャにあるすべての素子の総アパーチャ・レ
スポンス(同位相Iおよひ直角位相Q)のみが得られ
る。これらのシステムでは、フェーズド・アレーは特に
規則正しい再校正が要求される場合に、比較的複雑な工
程となることがある。ある形の移相素子は時間にわたり
または温度(その他の環境要素)の変化の結果として著
しく変化しない。しかし、別々なこれらの素子の性能
は、それらがアレーに含まれて、組立式アレーとして作
動することを要求する場合(好都合ではない)に異なる
ことがある。
【0005】他の形の移相素子は時間および温度または
その一方にわたり比較的予想できないように変化する。
この形のフェーズド・アレーでは、校正測定を行う必要
があり、また校正係数が著しく変化する間隔よりも短い
間隔で合成校正係数を見積る必要がある。
【0006】いずれの場合にも、現行の校正方法は校正
係数を体験的に見積るやり方である。この方法は、校正
測定が特殊試験器材を必要とする一方、アレーがオフ・
ラインであるという点で不利である。この体験法のもう
1つの重大な不利は、それが自動信号処理法を使用しな
い点である。
【0007】これらの不利は特に、移相器の性能が温度
と共に変化するアレーにとって問題となる。そのような
システムでは、再校正の間隔を延ばす努力の中で、(例
えば冷却を用いて)操作温度の変化を少なくとも若干受
け難くするように重大な設計努力がしばしば行われる。
【0008】したがって、フェーズド・アレーの一般化
モデルに基づき、かつアレーがオン・ラインである間に
校正係数を動的に更新し得る、位相修正式アレーを校正
する改良された方法が必要とされている。なるべく、方
法は、アレーを1つの構成要素とするシステム内で一般
に利用できる装置で実現し得る自動信号処理法を使用す
ることが望ましい。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、アレーの一
般化モデルに基づき校正係数を算出する自動信号処理法
を用いる、フェーズド・アレー・アンテナ・システムの
校正方法である。移相素子の校正係数は他の素子に帰し
得る残留アパーチャ・レスポンスの見積りから得られる
位相レスポンス測定値を用いて算出される。
【0010】本発明の1つの面において、フェーズド・
アレーを校正する方法は、各素子が所定数の校正係数に
よって特徴づけられかつ位相状態制御関数Φ=f(φ
i=1M,c)によって特徴づけられるN個の移相素子
のアレーの一般化モデルを使用するが、ただし上記の式
は校正係数φi=1,Mおよびアパーチャ・レスポンス
の特定位相状態を選択する制御語cの両方の関数として
の素子の位相レスポンスφを表す
【0011】各素子について、校正係数は(a)他の素
子に帰し得るアパーチャ・レスポンスの残留成分を見積
ることにより、(b)残留成分を用いて選択された素子
の位相レスポンスを測定すること、および(c)位相状
態制御関数を用いて位相レスポンス測定から選択された
素子の校正係数を算出することによって決定される。
【0012】校正方法は、同位相1および直角位相Qの
アパーチャ・レスポンスを発生させるアレーの校正信号
入力を使用する。与えられた移相素子Jでは、測定され
たIQレスポンスは下記の式によって表わすことができ
る。
【数1】 ただしSはその素子の出力信号の振幅であり、Φは(校
正係数φi=1,Mおよび制御語cの関数である)その
素子に帰し得る位相レスポンスであり、またRおよび
は他の素子に帰し得る総アパーチャ・レスポンスの
残留成分である。
【0013】第1組のIQアパーチャ・レスポンスの測
定値は、アパーチャ・レスポンスのRおよびR残留
成分を見積るのに用いられる。これらの残留成分を用い
て、第2組のIQアパーチャ・レスポンス測定値は選択
された素子に帰し得る位相レスポンス測定値Φに変換
される。これらの位相レスポンス測定値から、校正係数
φは位相状態制御関数を用いて算出することができ
る。
【0014】選択された素子の位相状態制御関数f(φ
i=1,M,c)が変化されるにつれて変化しないR
残留成分を見積る手順は、(a)選択された素子の
制御語の組Xを選択すること、(b)合成IおよびQ
アパーチャ・レスポンスを測定すること、および
(c)残留レスポンス成分を、下記の式によって信号出
力振幅Sと共に見積ることを含む。
【数2】 ただしこの式は測定されたIアパーチャ・レスポ
ンスによってR/RおよびSについて解くことが望
ましい。
【0015】素子Jの位相レスポンスΦを測定する手
順は、(a)その素子の制御語の組Yを選択すること、
(b)合成IおよびQアパーチャ・レスポンスを測
定すること、および(c)これらの測定値を下記の式に
より選択された素子に帰し得る位相レスポンスに変換す
ることを含む。
【数3】 これらの逆関数のいずれでも使用することができるが、
その選択はチャネルIまたはQのどちらがより正確な見
積りを与えるかによる。
【0016】いったん、選択された素子の位相レスポン
スが見積りされると、組み合わされた校正係数は位相状
態制御関数を用いて算出することができる。校正係数は
位相基準に関して算出され、基準増分移相と組み合わさ
れる基準校正係数はφ=M−θ−θ′Jによって
与えられるが、ただしMは逆関数を用いて基準制御語
から得られる位相レスポンス測定値であり、θは駆動
信号の未知位相であり、θ′は基準に関する素子Jの
位相偏差である。
【0017】本発明のより特定な面において、フェーズ
ド・アレー校正方法がN個のMビット移相素子の模範ア
レーの校正に関して説明されるが、各素子は2通りの
位相状態を与えるM個の2進移相成分(位相ビット)か
ら成っている。この模範アレーでは、位相状態制御関数
の制御語は各位相ビットの制御ビットを含むので、制御
語は選択された位相状態を共に決定する不連続な位相増
分を指定する。
【0018】この模範のN素子Mビット・フェーズド・
アレーは下記の位相状態制御関数によって特徴づけられ
る。
【数4】 ただしδは制御語の2進制御ビットであり、φは各
移相素子(各位相ビットごとに1個)と組み合わされる
校正係数であり、θは素子Jで注入される信号の位相
である。
【0019】素子Jの3つの異なる制御語(すなわち3
つの異なる位相状態セッテイング)を選択することによ
り、次に下記の式を用いてRおよびRを見積ること
によって残留成分RおよびRが見積りされる。
【数5】 位相状態セッティングについて唯一の要求は、上記の式
の分母がゼロに近くないことであり、したがって計算は
整然と行われる。
【0020】なるべく、IおよびQアパーチャ・レスポ
ンスを発生させるのに用いられる校正信号入力が注入さ
れて、フェーズド・アレーがオン・ラインである間(校
正方法は放射された入力信号と共に使用するようにされ
ているが)、校正を動的に達成させることが望ましい。
校正信号を注入するように、各移送素子の信号注入構造
物は、フェーズド・アレー構造物に合体される。
【0021】本発明の技術的利点には下記が含まれる。
本発明のフェーズド・アレー校正方法は、アレーの各移
相素子に関する移相誤差を修正する校正係数の動的更新
に用いることができる。校正方法はフェーズド・アレー
の一般化モデルに基づいて、校正手順をモデルによって
定めさせかつ従来の自動信号処理法を用いて実現させ
る。リアルタイム処理は主として、フェーズド・アレー
・システムにより普通使用されるようなベクトル式信号
処理装置における実行に適したベクトル演算を使用す
る。校正方法は、入力校正信号の位相や振幅の正確な制
御を必要とせず、また1組の予想誤差および利用可能な
計算資源にとって最適であると思われる。注入校正信号
を用いると、アンテナ・アレーがオン・ラインである間
校正方法を実行することが可能である。校正係数を動的
に更新する自動手順を提供することによって、本校正方
法は温度制御を必要としなくなるが、他の方法では再校
正手順間の間隔を増す。
【0022】本発明および追加の特徴ならびに利点をさ
らによく理解するように、付図に関する下記の詳細な説
明についてこれから述べる。
【0023】
【実施例】本発明のフェーズド・アレー校正方法の模範
的実施例の詳細な説明は下記の通り組織化される。
【0024】 1.一般校正方法 2.模範のN素子Mビット・アレー 3.残留値RおよびR見積り 3.1 残留見積り 3.2 残留最小化 4.位相レスポンス測定 4.1 直交化および回転 4.2 位相レスポンスの測定 5.校正係数計算 5.1 基準位相見積り 5.2 最小二乗処理 5.3 アレー振幅測量 6.放射信号入力 7.結論
【0025】校正方法は、Mビット移相器のN素子アレ
ーについての校正係数を算出する模範例に関して説明さ
れる。各移相素子はM個の移相成分(位相ビット)を有
する。1つの校正係数は各M移相成分と組み合わされ
る。
【0026】詳細な説明は模範例に関するものである
が、本発明は、アレーの各位相素子がM個の校正係数に
よって特徴づけられ、かつその素子の位相レスポンスが
位相状態制御関数f(φi=1,M,c)を用いるこれ
らの校正係数によって特徴づけられるモデルによって説
明されるフェーズド・アレーの校正係数を算出する一般
的な応用能力を備えている。
【0027】1.一般校正方法。本発明の校正方法はオ
ン・ラインであるフェーズド・アレー・アンテナ・シス
テムの校正係数を動計算するのに用いることができる。
【0028】移相素子の校正係数は、他の素子に帰し得
る残留アパーチャ・レスポンスの見積りから得られる位
相レスポンス測定値を用いて算出することができる。次
に、これらの校正係数は、正常な位相修正操作の間に位
相レスポンス誤差を修正するのに用いることができる。
フェーズド・アレーを校正する方法は、選択された素子
Jが所定数の校正係数Mによって特徴づけられ、かつそ
の素子の位相レスポンスΦがこれらの校正係数(なら
ひにそれらの表わす位相増分)によって、下記の位相状
態制御関数を用いて特徴づけられるN個の移相素子のア
レーの一般化モデルに基づく。
【数6】 位相状態制御関数f(φi=1,M,c)は、校正係数
φと、特定の位相状態を選択する制御語cとの両方の
関数として移相素子Jの位相状態を表わす。
【0029】校正方法は、校正係数を算出するために測
定されかつ使用される同位相Iおよび直角位相Qのアパ
ーチャ・レスポンスを発生させるアレイの校正信号入力
を使用する。与えられた移相素子Jでは、測定されたI
Qアパーチャ・レスポンスは下記の定義式によって表わ
される。
【数7】 ただしSはその素子の出力信号振幅であり、Φはその素
子に帰し得る位相レスポンス(校正係数φi=1,M
よび制御cの関数)であり、RおよびRは他の素子
に帰し得るアパーチャ・レスポンスの残留成分である。
【0030】第1a図、第1b図および1c図は本発明
の一般校正方法を示す。IQアパーチャ・レスポンス測
定値の第1組Xは、全IQアパーチャ・レスポンスのR
およびR残留成分を見積るのに用いられる(第1a
図、10)。これらの残留成分を用いて、IQアパーチ
ャ・レスポンス測定値の第2組Yは、選択された素子に
帰し得る位相レスポンスΦの対応する測定値に変換さ
れる(第1b図、20)。これらのレスポンス測定値か
ら、校正係数φは位相状態制御関数を用いて算出する
ことができる(第1c図、30)。
【0031】素子Jの位相状態制御関数f(φ
i=1,M,c)が変化されるにつれて変化しないR
残留成分を見積る手順(第1a図の10)は、
(a)その素子の制御語の組Xを選択すること(12)
と、(b)合成IおよびQアパーチャ・レスポンス
を測定すること(14)と、(c)下記の式により出力
信号振幅Sと共に、残留レスポンス成分を見積ること
(16)を含む。
【数8】 ただしこの式は測定されたIおよびQアパーチャ・
レスポンスによりRおよびSについて解くことが
望ましい。
【0032】選択された素子の位相レスポンスΦを測
定する手順(第1b図、20)は、まず(a)その素子
の制御語の組Yを選択すること(22)と、(b)I
およびQアパーチャ・レスポンスを測定すること(2
4)と、(c)これらの測定値を下記の逆関数により選
択された素子に帰し得る対応する位相レスポンスに変換
すること(26)を含む。
【数9】 これらの逆関数はどちらでも使用することができるが、
その選択はIまたはQのどちらのチャネルがより正確な
見積りを与えるかによる。
【0033】いったん位相レスポンス測定値が見積りさ
れると、校正係数は位相状態制御関数Φ=f(φ
i=1,M,C),から算出することができる(3
0)。校正係数は位相基準に関して算出されるが、基準
増分移相と組み合わされる基準校正係数は下記の式によ
って与えられる。
【数10】 ただしMは逆関数を用いて基準制御語から得られる位
相レスポンス値であり、θは駆動信号の未知位相であ
り、θ′は基準に関する素子Jの位相偏差である。
【0034】こうして、基準校正係数φは、位相修正
が素子の相対位相に左右されるので、重大ではない一定
のバイアスθの範囲内で見積ることができる(32)
(第5.1節参照)。アレーの各移相素子の基準校正係
数φが既知であるので、他の校正係数φは位相状態
制御関数を用いて制御語セッテイングYおよび合成位相
レスポンス測定値から算出することができる(34)。
【0035】既知の校正信号を入力する好適な方法は、
フェーズド・アレー構造物の一部として(各移相素子の
方向性結合器を持つ適当なRF導波管のような)校正信
号注入構造物を供給することである。アンテナ・アパー
チャにより検出された放射信号ではなく注入信号を用い
ると、アレイがオン・ラインである間、本発明の方法を
リアル・タイムで実行することができ、移相校正係数は
動的に更新することができる。この動的な更新操作の周
波数に関する主な制限は、アレーを一部とするアンテナ
・システムに利用できる信号処理電力である。
【0036】別の校正信号注入構造物合体、および移相
校正係数のリアル・タイム更新、またはその一方に対す
る1つの別法は、アンテナ・アパーチャにより検出され
る放射校正信号を使用することである。このオフ・ライ
ン別法は第6項に説明される。
【0037】本発明の移相係数校正方法は、従来の信号
処理法を用いる自動実施に適応することができる。注入
校正信号を用いる実施の場合は、移校正係数はリアル・
タイムで算出することができる。リアル・タイム処理は
主として、フェーズド・アレー・アンテナ・システムに
より普通使用されるようなベクトル向き信号処理装置で
の実行に適したベクトル演算を包含する。
【0038】アンテナ・システムで利用し得る処理電力
次第で、校正手順は任意の与えられた校正サイクルの間
に移相素子の若干または全部を完了することができる。
更新期間が選択されると必ず、本発明の校正方法は、シ
ステムがオン・ラインである間フェーズド・アレー・ア
ンテナ・システムの校正係数を動的に更新するのに用い
ることができ、それによって温度変化に起因するような
移相器の動作の偏差にかかわらず精度が維持される。
【0039】2.模範的なN素子Mビット・アレー
木発明の校正方法の詳細な説明は、模範的なN素子Mビ
ット・フェーズド・アンテナ・アレーの校正係数を動的
に算出することに関している。
【0040】アレーの各移相素子は、全部で2通りの
位相状態(移動増分)を与えるMビット2進移相成分
(位相ビット)を含む。この模範の校正応用では、位相
状態制御関数f(φ,C)の制御語Cは各M位相ビッ
トにつき1個の制御ビットδを含む。移相素子用の特
定の位相状態セッテイングは、位相状態を決定する特定
の移相増分を得るように素子の位相ビットを対応してセ
ットする制御語を選択することによって得られる。
【0041】第2a図および第2b図は、2進移相器を
用いる模範的なフェーズド・アレー構造を示す。N個の
移相素子のアレー50は素子Jを含む。アパーチャに入
力する校正信号S′に応じて、各移相素子Jは当該素子
の制御語セッティングに左右される位相レスポンスΦ
を出力する。位相レスポンスは合計されて、対応する同
位相Iおよび直角位相Qのアパーチャ・レスポンスを発
生させるI/Q回路網52の入力となる。IおよびQア
パーチャ・レスポンスは、本発明の校正方法により処理
する信号処理装置54(アンテナ・システム用の信号処
理装置であってもよい)の入力である。
【0042】第2b図から、模範的な4ビット位相素子
55は4個の2進移相成分56を含む。各2進移相成分
(位相ビット)は、校正係数φと組み合わされる特徴
を持っている。各移相ビットは、組み合わされた増分移
相が導かれるかどうかを決定する制御語のそれぞれの制
御ビットδによって制御される。移相素子55の合成
位相レスポンスΦは選択された位相増分の和である。
【0043】移相素子Nの数、および各素子の位相状態
の数(移相ビツト当たりの2つの位相状態)を選択する
ことは、包括的なアンテナ性能仕様書によって決定され
る。例えば、従来のフェーズド・アレー・アンテナ・シ
ステムは100個の素子を使用することができるが、各
素子には22.5°、45°、90°および180。の
移相増分を持つ2進移相成分を用いて実現された、2
2.5°の位相増分において16通りの位相状態(すな
わち0°、22.5°、45°、67.5°、90°、
など)を有する4ビット移相器を含む。
【0044】本発明のフェーズド・アレー・モデルによ
り、模範的なN素子Mビット・フェーズド・アレーの位
相レスポンスは下記の位相状態制御関数によって特徴づ
けることができる。
【数11】 ただし各移相素子Jについて、δijはそれぞれの位相
ビットと組み合わされたM個の制御ビットであり、φ
ijはこれらの2進移相成分の対応するM個の校正係数
であり、θは注入信号の位相である。どのような素子
Jでも、注入信号S′(位相基準に関する)に対する
同位相Iおよび直角位相Qのレスポンスは下記の通りで
ある。
【数12】 ただし S=アレーにおいて素子および振幅の先細による損失
のない、S′に対応する移相素子の信号出力振幅、δ
ij=制御語(δ,δ,δ…δ)がJ素子の特
有な位相状態を指定するように、位相ビットを制御する
M制御ビット、φij=組み合わされた位相ビットが制
御語に応じて選択されるときに生じる増分移相におのお
のが対応するM個の校正係数、θ=選択された素子J
における注入信号の位相。こうして、全IおよびQアパ
ーチャ・レスポンス(すなわち並列なN個の移相素子)
は下記の式によって与えられる。
【数13】 校正係数φijの値は温度依存であり、アパーチャが加
熱するにつれて公称値から離れると思われる。
【0045】3.残留値RおよびRの見積り。どの
ような素子Jでも、入力信号に対する全アパーチャ・レ
スポンスは2つの成分、すなわち素子Jの位相レスポン
スに帰し得る成分、およびアパーチャの残りのレスポン
ス(残留アパーチャ・レスポンス)に帰し得る成分、に
ベクトル分割することができる。本発明の校正方法は、
選択された素子の位相レスポンスを見積るのに使用する
ことができる残留アパーチャ・レスポンス成分を見積る
ために測定された同位相Iおよび直角位相Qアパーチャ
・レスポンス値を使用する。どのような素子Jでも、全
IおよびQアパーチャ・レスポンスは当該素子の下記ベ
クトル成分によって書くことができる。
【数14】 ただし
【数15】 下記の説明の便宜上、S,δij,Φ,θの添字
Jは落される。
【0046】選択された素子の残留成分RおよびR
は下記の通り指定することができる。
【数16】 およびRに関するこれらの式を用いて、全Iおよ
びQアパーチャ・レスポンスは下記の定義式に簡潔化さ
れるが、
【数17】 これらはアパーチャ・レスポンスのベクトル成分によっ
て与えられる。
【0047】測定可能なIおよびQの値により残留値R
およびRに関する定義式を解くと、(a)正弦およ
び余弦関数の独立度数を変える(すなわち制御ビットδ
を変える)ことにより、また(b)合成IQアパーチ
ャ・レスポンスを測定することによって、残留値を見積
ることができる。素子Jと組み合わされた制御ビットδ
が変化する(当該素子の位相状態の変化に対応して)
ときにR残留値が変化しないのは、それらが素子
Jからの成分を含まないからであることに注目された
い。Σi:1,Mδφの2個の可能な値が利用で
きるのは、各制御ビットδが2個の可能な値を持つか
らであることにも注目されたい。
【0048】3.1.残留値見積り。 第3図は全アパ
ーチャ・レスポンスの残留成分RおよびRを見積る
望ましい手順を示す。
【0049】第1段階は、残留成分がゼロ近くになるよ
うにアレーを設定することであり、これは選択された素
子J以外の移相素子の制御語(δij:j)を適当
に選択することによって(12a)行われる(第3.2
項参照)。残留成分がゼロに近いと、IQアパーチャ・
レスポンス測定値の主な貢献者は、校正係数を算出する
のに用いられる選択された素子Jの位相レスポンスとな
る。
【0050】次に、残留成分は、3つの異なる位相状態
に対応する選択された素子Jの3つの異なる制御語の組
Xを選択することによって(12a)見積ることができ
る。各制御のセッテイングについて、校正信号が注入さ
れ(14a)、合成IQアパーチャ・レスポンスが測定
される(14c)。
【0051】制御語の組Xについて、下記の定義式を書
くことができる。
【数18】 ただしXは選択された制御語を規定する。素子Jの対応
する位相レスポンスΦの値が未知であるのは、組み合
わされた校正係数φが未知と思われるからであること
に注目されたい。
【0052】残留成分RおよびRはIQアパーチャ
・レスポンス測定値によってのみ表わすことができる。
下記の定義、すなわち
【数19】
【0053】こうして、R成分は下記の制御語セ
ッテイングから生じるIQアパーチャ・レスポンス測定
値の3組から、信号振幅Sと共に算出することができる
(16a)。
【数20】 これらの式はR残留成分について解くことがで
き、下記を生じる。
【数21】 制御語の組Xは分母がゼロに近くないように選択され
(16b)、したがって計算は整然と行われる。
【0054】出力信号Sの値は下記の通り、Rおよび
残留成分が見積られてから、どの式からでも容易に
算出することができる(16c)
【数22】 挿入的に述べれば、信号出力の振幅Sが実際の注入校正
信号S′からアレーにある素子および振幅先細りの損失
を引いたものに相当するので、かつS′が既知であるの
で、素子内の損失は所望ならば見積ることができる。
【0055】3.2.残留成分の最小化。 Rおよび
残留成分を用いて校正係数を算出する本発明の校正
方法の効果は、残留アパーチャ・レスポンスのベクトル
/Rが最小化される(すなわち少なくとも入力
位相ベクトルの大きさSの程度まで減少される)なら
ば高められる。
【0056】RおよびR残留値分の大きさを減少さ
せるために、下記の項を最小にする制御語 の値を選択することが必要である。
【数23】 位相レスポンスのベクトル および特に組み合わされる校正係数φijは未知と思わ
れるので、これらの項は選択された素子J以外のアレー
の素子の1組の制御語 の一時選択によってのみ必ずしもゼロにセットすること
はできない。
【0057】アレーの非選択素子の公称(または最終校
正された)位相状態セッティングで始まる反復法を使用
することができる。振幅重量和がゼロに近いように制御
語δijの位相状態セッティングの間隔置きのような、
他の方法も使用することができる。
【0058】1つの反復法は、下記のいずれかが最小に
なるようにδおよびδj+1の組を対方向に選択する
ことである。
【数24】 制御語は同位相Rおよび直角位相Rの残留値を交互
に最小にするようにセットすることができる。
【0059】加重および量子化が一様でないので、完全
な消去は一般に不可能である。素子が著しい振幅先細り
(S>Sj+1,および(S)max>>(S
min)を受けるならば、対状の消去は比較的効果がな
い。素子jおよびj+1の任意な対に関して となるように注入信号の振幅をセットすることができる
ならば、残留値は関連校正係数の算出時の誤差に主とし
て左右されると思われる。
【0060】残留成分RおよびRを減少させる目的
は、変化する位相状態のセッティング(すなわち移相増
分)の効果を正確に測定できるようにすることである。
残留成分は、普通アナログ・ディジタル変換器である使
用中の測定装置が移相器の最小移相増分の移相結果を解
決し得るようなものでなければならない。
【0061】4.位相レスポンスの測定。 IQアパー
チャ・レスポンスのR残留成分を用いて、選択さ
れた素子Jに帰し得る位相レスポンスΦが測定され
る。これらの位相レスポンス測定は、関連校正係数を算
出するのに用いられる(第5項参照)。第4図は本発明
の校正方法による位相レスポンス測定値を見積る望まし
い手順を示す。各移相素子について、制御語の組
(δ,δ,…δ)が選択される(22a)。なる
べく、制御語の数は校正係数の数(M)より大であり、
校正係数の算出に最小二乗処理が使用できることが望ま
しい(第5.2項参照)。
【0062】4.1.直交化および回転。 選択された
素子の各制御語セッティングについて、合成位相レスポ
ンスを測定する望ましい手順は、予想される位相レスポ
ンス・ベクトルΦに残留ベクトルを直交される(22
b)ように試みることである。この直交化は、選択され
た素子以外のすべての移相素子について制御語を調節し
て、残留ベクトルに追加の増分移相回転を加えることに
よって達成することができる
【0063】もしR/R残留ベクトルが位相ベクト
ルΦに直交するようにされるならば、駆動信号の位相
は両ベクトルをそれぞれのIQチャネルに同様に回転し
ようとして調節することができる。すなわち、選択され
た増分移相はIQアパーチャ・レスポンスの1つのチャ
ネルに残留成分を集めようとする場合に両ベクトルに加
えられて、位相レスポンスを測定するのに他のチャネル
を利用できるように(したがって校正係数を算出し得る
ように)する。このベクトル回転手順は、選択された移
相素子の位相レスポンスを測定するより高い分解能を供
給するのに用いることができる。
【0064】4.2.位相レスポンス測定。 各制御語
(位相状態)セッティングについて、校正信号が注入さ
れ(24a)、合成アパーチャ・レスポンスIおよび
が測定される(24b)。これらのアパーチャ測
定値は、(見積り済の残留アパーチャ・レスポンス成分
を用いて)位相レスポンス測定値に変換される(2
6)。
【0065】アパーチャ・レスポンス測定値は下記の定
義式によって与えられる。
【数25】
【0066】こうして、各制御語(位相状態)につい
て、合成I,Q,アパーチャ・レスポンス測定値は
下記の逆関数を用いて所望の位相レスポンス測定値Φ
に変換することができる。
【数26】 各制御語は、IおよびQアパーチャ・レスポンス測
定値を生じ、したがって2つの逆関数値(これらの逆関
数のいずれでもよい)を用いて校正係数φを算出する
ことができるが、選択は逆関数計算の精度に左右され
る。例えば、R残留成分の大きさがたとえ小さく
作ることができなくても(かつ回転が試みられなかった
り有効でなかったりしても)、残留ベクトルが位相レス
ポンス・ベクトルに直交するようにされるならば、残留
成分がより小さい逆関数は校正係数を算出するために選
択することができる。
【0067】5.校正係数の計算。 各移相素子につい
て、位相状態セッティングYから生じる位相レスポンス
測定値は、下記の位相状態制御関数により関連校正係数
を算出するのに用いるられる。 校正係数φは、移相素子の位相ビットが特定の制御語
によってセットされるときに生じる増分移相に相当す
る。
【0068】第5図は本発明により校正係数を算出する
望ましい手順を示す。基準位相増分を見積るために基準
制御語が使用されるが、最小二乗処理を支持するに足る
追加の測定値を得ることが望ましい。
【0069】5.1.基準位相見積り。 フェーズド・
アレー・アンテナのビームは相対位相によって作られて
修正されるので、移相校正係数は基準位相Φ。に関し
て算出されなければならない。選択された移相素子につ
いて、もし逆関数cos−1( )およびsin
−1( )によって供給された位相レスポンス測定値
がMを指定されるならば、下記のようになる
【数27】 また制御語の組Yの1つは位相基準に相当する。
【0070】制御語にあるすべての制御ビットがゼロに
セットされるならば(32a)、相当する基準位相は下
記のようになる
【数28】 だだし〜は選択された移相素子での入力校正信号の未知
位相θと、ある基準素子に関する選択された素子の位相
偏差との和である。選択された移相素子Jの位相偏が
θ′で表わされるならば、基準位相は下記の式で与え
られる
【数29】
【0071】位相偏差θ′が既知であるならば(32
b)、すべての移相校正係数φはしたがって一定バイア
スθ。の範囲内で算出することができる(32c)。こ
のバイアスが重要でないのは、ビームが素子の相対位相
によって作られかつ修正されるからである。もしθ。が
ゼロの平均値および平均された合成算出校正係数φと共
に変化されるならば、バイアスは除去されるであろう。
【0072】位相偏差θ′が未知であるならば(32
d)、それらを見積る測定が追加されることがある。例
えば、
【数30】 であるので、Φおよびθの両方を変える多数の測定を行
うことによって作られた平均値は下記を生じる
【数31】 もしΦおよびθかそれらの平均、モジュロ2πがゼロで
あるように変化されるならば、θ′はθに近いであろ
う。もしθ′を見積るためにMから引かれた値Φおよび
θがバイアスとランダム誤差の両方を含むならば、θ
の見積りはこれらのバイアスを含むが、ランダム誤差は
減少される(独立測定の数の平方根だけ)。θはアレー
の外部パラメータであるので、θのバイアスはすべての
素子に共通となり、重要ではない。
【0073】θの関数形式(選択された移相素子Jの
関数としての)が既知であり、かつパラメータが見積ら
れているならば、素子ごとのバイアスの差は異なる素子
のΦにおけるバイアスの差に帰し得る。θ′の関数形
式が移相素子の数より少ないパラメータを有するかぎ
り、これらのパラメータを見積ることができる。
【0074】5.2.最小二乗見積り。 基準位相Φ。
が既知であると、移相校正係数 Φは従来の最小二乗
処理を用いて算出することができる(34a)。M位相
レスポンス測定値を上回るものが作られると(2−1
が利用できることが思い出される)、校正係数φの最小
二乗見積りを達成することができる。
【0075】最小二乗処理によって、追加の位相レスポ
ンス測定値を要する計算費用で、校正係数の計算におけ
る雑音減少が可能となり、かつ計算に因数分解される。
さらに、量子化の作用を減らすために、入力信号の位相
(θ)は変化されて、校正係数φの追加の見積りが作ら
れて平均化される。
【0076】本発明の校正方法の最小二乗処理は、下記
の例によって説明される。もしすべての2−1個の位
相レスポンス測定が行われるならば、合成式は下記のよ
うなマトリックスで書くことができる
【数32】 ただしAは2−1行およびM列の制御ビットdのマト
リックスであり、Xは校正係数φのMベクトルであり、
Yは位相レスポンス測定値の2M−1ベクトル(My)
である。校正係数の最小平均二乗誤差見積りは下記の式
により与えられる
【数33】
【0077】マトリックスAを形成するδベクトクルの
この順序づけにかかわらず、(AA)は斜線上の値2
および他の場合にはスカラー2(M−2)を乗じられた
1を持つM×Mマトリックスによって与えられる。例え
ばもしM=4ならば
【数33】
【0078】このマトリックスの逆数は(AA)−1
は斜線上の値Mおよび他の場合にはスカラー1/〔(M
+1)(2(M−2)〕を乗じられた−1を持つM×M
マトリックスである。M=4ならば、
【数34】
【0079】測定値および関連定義式は任意な順に置く
ことができる。もし制御ビットδが順序づけられて、
【数35】 となるような順序づけと値が組み合わされるようになる
と、K=1,2,…,2(M−1)の「自然」順序づ
けは事前に計算できるマトリックス(AA)−1AT
を生じる。
【0080】例えばM=4の場合
【数36】 である。校正係数φの見積りは、このマトリックスと測
定値のベクトルとの積である。
【0081】この測定順序は位相ベクトルΦをその全
範囲にわたって回転させ、同位相および直角の両成分と
残留成分RおよびRとの最大比(および最小比)を
供給する。
【0082】5.3 アレー振幅の加重。 本発明の校
正方法は説明のために調節することができ、またフェー
ズド・アレー・アンテナ・システムにより普通使用され
るアレー振幅加重の特徴を利用することができる。
【0083】振幅加重がより低い移相の校正係数は、よ
り高い値の変数についての合成校正係数の改良された精
度を使用して、加重値がより高いこれらの素子の係数を
計算してから算出すべきである。残留成分RおよびR
の一段と精密な制御がこうして得られる。
【0084】注入信号の振幅Sがアレー振幅加重を補
償するように調節されるならば、すべてのSは等しく
なることがある。R残留成分を最小にする工程は
こうして一段と容易になる。
【0085】6.放射信号入力。 第1項に示された通
り、校正信号を入力する好適な手順は、既知振幅の信号
S′を注入することである。信号注入を用いると、本発
明の校正方法はフェーズド・アレーがオン・ラインであ
る間リアル・タイムで実施することができ、信号注入構
造物のアレーに含める所要の費用にもかかわらず、アレ
ーの再校正を動的に達成することができる。
【0086】アレーがオン・ラインである間に移相校正
係数を動的に更新する1つの別法として、本発明の校正
方法は、アレーによって検出されかつ入力校正信号Sを
得るのに使用される既知振幅の放射信号を導くことによ
り、アレーがオフ・ラインである間に実施することがで
きる。この放射信号による別法は、第1項に記載された
アレー・モデル法で本発明の自動信号処理法を依然とし
て利用している。例えばもし放射信号F(J)の位相分
布の形が多項式であるならば、係数の最小二乗見積りも
簡明である。もしF(J)がJにおいて直線、すなわち
【数37】 であるならば、aおよびaに関する最小二乗見積り
は、(1組の見積りθ′j,j=l,Nを作る全部でN
個の素子を用いて)、下記の通りである
【数38】 ただしすべての和は1からNまでであり、かつ
【数39】 もしF(J)が2次方程式、すなわち
【数40】 であるならば、
【数41】 iについてのいろいろな和は周知の通りであり、すなわ
【数42】
【0087】より高位の多項式への延長はルーチンであ
る。素子の不規則な間隔どりまたは2次元アレー(もし
くはその両方の組合せ)への延長は面倒であるが、達成
することは可能である。
【0088】7.結論。 本発明のフェーズド・アレー
校正方法は、一般化した位相状態制御関数を用いて校正
係数を算出する自動信号処理法を用いている。
【0089】本校正方法は、入力(注入または放射)校
正信号に応じてアンテナ・システムから得られる同位相
Iおよび直角位相Q信号を使用する。アレーの各移相素
子について、本校正方法は選択された素子以外の素子に
帰し得るアパーチャ・レスポンスの残留成分を見積り、
次にこれらの残留成分を用いて選択された素子の位相レ
スポンスを測定する。校正係数はなるべく最小二乗処理
を用いて、位相状態制御関数を使用する位相レスポンス
測定値から算出される。位相レスポンス測定値(および
それによって、校正係数)の分解能を改良するために、
直交化および回転法を用いて、IQ回路網の選択された
チャネルにおける位相レスポンス・ベクトルを集中させ
る。
【0090】本発明は特定の実施例について説明された
が、この説明を制限の意味に解釈してはならない。開示
された実施例のいろいろな変更は本発明の別な実施例と
共に、説明に関して、当業者にとって明らかになると思
う。したがって、特許請求の範囲は本発明の真の範囲に
入るような変形をカバーすることが予測される。
【0091】以上の説明に関してさらに以下の項を開示
する。 (1) おのおの所定数の校正係数を有するN個の移相
素子と、位相状態制御 るフェーズド・アレー・アンテナを校正する方法であっ
て、アバーチャ・レスポンスを生じさせる校正信号をア
ンテナに入力する段階と、選択された移相素子に関し、
他の素子に帰すると思われる残留アパーチャ・レスポン
スを見積る段階と、前記残留アパーチャ・レスポンスを
用いて選択された素子の位相レスポンスを測定する段階
と、位相状態制御関数を用いて前記位相レスポンス測定
値から選択された素子の校正係数を算出する段階とを含
むことを特徴とする校正方法。
【0092】(2) アパーチャ・レスポンスは同位相
Iおよび直角位相Qを含むことを特徴とする第1項記載
の校正方法。
【0093】(3) 残留アパーチャ・レスポンスを見
積る段階は、選択された素子の位相状態セッテイングの
組Xを選択する段階と、各位相状態セッテイングについ
て、入力校正信号に対するIおよびQアパーチャ・レス
ポンスを測定する段階と、式 スからRおよびR残留アパーチャ・レスポンス成分
を算出する段階とを含むことを特徴とする前記計算方
法。
【0094】(4) 前記R残留成分の大きさが
入力校正信号の大きさと同じ程度またはそれより小とな
るように、非選択素子の位相状態セッテイングを選択す
る段階をさらに含むことを特徴とする第3項記載の校正
方法。
【0095】(5) 3つの位相セッテイングが選択さ
れることを特徴とする第4項記載の校正方法。
【0096】(6) 選択された素子の信号出力振幅S
を見る段階をさらに含み、かつ選択された素子の位相レ
スポンスを測定する段階は選択された素子の位相状態セ
ッティングの組Yを選択する段階と、各位相状態セッテ
ィングについて、入力校正信号のIおよびQアパーチャ
・レスポンスを測定する段階と、前記R残留成分
および信号振幅Sを用いかつ逆関数
【数43】 の内の少なくとも1つを用いてIQアパーチャ・レスポ
ンスから位相レスポンスを測定する段階とをさらに含む
ことを特徴とする第2項記載の校正方法。
【0097】(7) 2つのベクトルが事実上直交する
ように残留ベクトルR/Rと位相レスポンス・ベク
トルとを直交させる段階をさらに含むことを特徴とする
第6項記載の校正方法。
【0098】(8) 直交化の段階は、選択された位相
増分が位相レスポンス・ベクトルに事実上直交するよう
に残留ベクトルR/Rを回転させるために選択され
た位相増分がR/Rに加算されるように非選択素子
用の位相状態セッティングを選択することによって達成
されることを特徴とする第7項記載の校正方法。
【0099】(9) ベクトル出力がそれぞれのIおよ
びQチャネルに主として現れるように、残留ベクトルR
/Rおよび位相レスポンス・ベクトルを回転させる
段階をさらに含むことを特徴とする第7項記載の校正方
法。
【0100】(10) 校正係数を算出する段階は基準
移相増分に対応する基準校正係数を見積る段階と、位相
状態制御関数を用いて前記位相レスポンス測定値および
基準校正係数から校正係数を算出する段位とを含むこと
を特徴とする第1項記載の校正方法。
【0101】(11) 位相レスポンス測定値の数は校
正係数の数より大きく、かつ校正係数を算出する段階は
最小二乗処理によって行われることを特徴とする第10
項記載の校正方法。
【0102】(12) おのおの所定数の校正係数を持
つN個の移相素子をもつフェーズド・アレー・アンテナ
を校正する方法であり、位相状態制御関数
【数44】 によって特徴づけられた位相レスポンスは、IおよびQ
アパーチャ・レスポンスを生じさせる校正信号をアンテ
ナに入力する段階と、選択された素子について制御語の
組Xを選択する段階と、各制御語Xについて、入力校正
信号に対する合成IおよびQアパーチャ・レスポンスを
測定する段階と、非選択素子に帰し得るアパーチャ・レ
スポンスのR残留成分を見積りかつ
【数45】 を用いてIQアパーチャ・レスポンスから選択された素
子の信号出力振幅を見積る段階と、選択された素子につ
いて、制御語の組Yを選択する段階と、各制御語Yにつ
いて、入力校正信号に対する合成IおよびQアパーチャ
・レスポンスを測定する段階と、R残留成分およ
びS信号振幅を用いかつ逆関数
【数46】 の内の少なくとも1つを用いて、IQアパーチャ・レス
ポンスから位相レスポンスΦを測定する段階と、位相
状態制御関数を用いて前記位相レスポンス測定値から選
択された素子の校正係数を算出する段階とを含むことを
特徴とする校正方法。
【0103】(13) 残留ベクトルR/Rおよび
位相レスポンス・ベクトルを直交させて2つのベクトル
が事実上直交させる段階をさらに含むことを特徴とする
第12項記載の校正方法。
【0104】(14) 直交化の段階は、選択された位
相増分が残留ベクトルR/Rに加えられてそれを位
相レスポンス・ベクトルに事実上直交するように回転さ
せるように非選択素子用の制御語を選択することによっ
て達成されることを特徴とする第13項記載の校正方
法。
【0105】(15) ベクトル出力がそれぞれのIお
よびQチャネルに主として現れるように、残留ベクトル
/Rおよび位相レスポンス・ベクトルを回転させ
る段階をさらに含むことを特徴とする第13項記載の校
正方法。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1a図は本発明による一般フェーズド・アレ
ー校正方法の図。
【図2】第1b図は本発明による一般フェーズド・アレ
ー校正方法の図。
【図3】第1c図は本発明による一般フェーズド・アレ
ー校正方法の図。
【図4】第2a図および第2b図はそれぞれ模範的なフ
ェーズド・アレーおよび当該アレーの模範的な4ビット
移相素子を示す図。
【図5】第3図は残留成分RおよびRを見積る手順
図。
【図6】第4図は校正係数の算出に用いられる素子Jの
位相レスポンス測定手順図。
【図7】第5図は最小二乗処理を用いて校正係数を算出
する手順図。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年3月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1a】
【図1b】
【図3】
【図1c】
【図2b】
【図2a】
【図4】
【図5】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1a】本発明による一般フェーズド・アレー校正方
法の図。
【図1b】本発明による一般フェーズド・アレー校正方
法の図。
【図1c】本発明による一般フェーズド・アレー校正方
法の図。
【図2a】摸範的なフェーズド・アレーを示す図。
【図2b】図2aのアレーの模範的な4ビット移相素子
を示す図。
【図3】残留成分RおよびRを見積る手順図。
【図4】校正係数の算出に用いられる素子Jの位相レス
ポンス測定手順図。
【図5】最小二乗処理を用いて校正係数を算出する手順
図。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 おのおの所定数の校正係数を有するN個
    の移相素子と、位相状態制御関数、 Φ=f(φ
    i=1M’C) により特徴づけられる位相レスポン
    スとを備えるフェーズド・アレー・アンテナを校正する
    方法であって、アパーチャレスポンスを生じさせる校正
    信号をアンテナに入力する段階と、選択された移相素子
    に関し、他の素子に帰すると思われる残留アパーチャ・
    レスポンスを見積る段階と、前記残留アパーチャ・レス
    ポンスを用いて選択された素子の位相レスポンスを測定
    する段階と、位相状態制御関数を用いて前記位相レスポ
    ンス測定値から選択された素子の校正係数を算出する段
    階とを含むことを特徴とする校正方法。
JP2419328A 1989-12-29 1990-12-28 フェーズド・アレー・アンテナ校正方法 Pending JPH0613813A (ja)

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