JPH06137765A - 自動熱処理装置 - Google Patents

自動熱処理装置

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JPH06137765A
JPH06137765A JP28305692A JP28305692A JPH06137765A JP H06137765 A JPH06137765 A JP H06137765A JP 28305692 A JP28305692 A JP 28305692A JP 28305692 A JP28305692 A JP 28305692A JP H06137765 A JPH06137765 A JP H06137765A
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JP
Japan
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furnace
heat treatment
processed
vacuum
carburizing
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Application number
JP28305692A
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English (en)
Inventor
Tokio Takahashi
橋 迅 雄 高
Junji Mizoguchi
口 順 治 溝
Hitoshi Kabasawa
澤 均 椛
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Nihon Techno KK
Komatsu Ltd
Original Assignee
Nihon Techno KK
Komatsu Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 バッチ炉の融通性と連続炉の生産性とを兼ね
備え、多品種少量生産にも大量生産にも使用することの
できる自動熱処理装置を提供する。 【構成】 制御機構30によって制御される無人搬送車
28が走行する密閉搬送路2に沿って、洗浄装置,加熱
炉,冷却槽などからなる複数の処理セル3〜22を配置
し、被処理品を搬送車28によって、種々の熱処理条件
に応じて予め定められた所定の順序に従って各処理セル
3〜22に送り込むことによって生産性よく熱処理を行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、浸炭,窒化,浸炭窒
化,焼鈍,焼入れ,焼戻し,ろう付け,焼結など金属製
品の各種熱処理に利用される熱処理装置に係わり、さら
に詳しくは、バッチ炉と連続炉の利点を兼ね備え、多品
種少量生産はもとより、大量生産にも適する自動熱処理
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の熱処理装置は、バッチ炉方式と連
続炉方式とに大別することができ、前者は生産性が低い
ものの融通性に富むので多品種少量生産向きであり、後
者は処理条件が固定化されるものの生産性が高いので大
量生産に適しており、それぞれその特性に応じて使い分
けられている。
【0003】すなわち、ガス浸炭炉を例にとって両者の
特徴を比較すると、バッチ炉方式では、浸炭炉,焼戻
炉,洗浄装置などが各々独立して設置してあるので、設
備の組合わせや処理条件を自由に選択することができ、
設備の追加,拡張も比較的自由に行うことができる。
また、分散システムとなっているので、洗浄装置や焼戻
炉などの付属設備を共用することができると共に、装置
の一部に故障が生じたとしても設備全体に及ぼす影響は
比較的小さく、各装置の停止や立上がりが比較的容易な
ので断続操業も可能である。 さらに、浸炭炉の加熱室
が同一温度,同一雰囲気に管理されるのでスーティング
が少なく、加えて、キャリアガス量が少ないので有機溶
剤滴下式浸炭も可能であり、変成炉の設備費を節減でき
るなどの利点がある。 反面、浸炭炉は加熱室と油槽が
一体となって構成されているので、設備全体として見る
と油槽に遊びが生じると共に、昇温,パージ,浸炭,拡
散,降温,および焼入保持を同じ加熱室で行うので、時
間がかかり生産性が劣るという難点がある。
【0004】これに対し、連続炉方式では、被処理品が
プッシャーやコンベアなどによって炉内を連続的に搬送
されるようになっており、加熱室の加熱ゾーン,浸炭ゾ
ーン,拡散ゾーンなどを通過しながら処理が行われ、炉
温の上げ下げもないので、エネルギーロスが少なく生産
性が高いという利点がある反面、処理条件の変更が困難
で、各装置や処理内容が固定化,専用化され、一部が故
障すると設備全体が停止し、設備の停止や立ち上げ時に
相当のロスが生じると共に、同一加熱室内に異なる温度
域があるのでスーティングの恐れがあるという難点があ
る。 さらに、設備が大型化すると共に、キャリアガス
を大量に使用するため変成炉式(RXガス)となるので
設備費がかさむという難点もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、バッチ
炉方式および連続炉方式の熱処理装置は、それぞれ相反
する特性を有し、その特性に応じてそれぞれ多品種少量
生産および大量生産に使い分けられているが、一般の工
場で行われる熱処理は、必ずしも大量生産のものばかり
ではなく、処理条件の変更が難しくしかも設備費が高額
となる連続炉は、将来に亘る確実な生産見通しがない限
り、その導入は不可能であり、結果として、かなり大量
の熱処理を行う場合であっても融通性のあるバッチ炉を
使用せざるを得ないことが多く、このような場合には高
い生産性が得られないという問題がある。 したがっ
て、多品種少量生産にも大量生産にも適した熱処理装置
が従来より求められており、このような熱処理装置の開
発が課題となっていた。
【0006】
【発明の目的】本発明は、上記した従来熱処理装置の上
記課題に着目してなされたものであって、バッチ炉の融
通性と連続炉の生産性とを兼ね備え、多品種少量生産に
も大量生産にも使用することのできる自動熱処理装置を
提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる自動熱処
理装置は、外気から遮断されかつ内部が不活性なガスで
置換されると共に真空パージ室を介して被処理品の搬入
搬出路に接続された密閉搬送路と、前記密閉搬送路に沿
って配置されると共にシール扉を介して当該密閉搬送路
に接続され、洗浄,脱脂,浸炭,窒化,浸炭窒化,酸
化,焼入れ,焼戻し,冷却,ろう付け,焼結などより選
ばれる熱処理の単位工程処理を行う複数の処理セルと、
前記密閉搬送路内を自動走行して前記真空パージ室およ
び各処理セルの間で前記被処理品の受け渡しを行う無人
搬送車と、前記無人搬送車の走行および被処理品の受け
渡しを管理する制御機構を備えた構成としたことを特徴
としており、このような自動熱処理装置の構成を前述し
た従来の課題を解決するための手段としている。
【0008】なお、本発明において、熱処理の単位工程
処理を行う処理セルとしては、加熱炉,浸炭炉,窒化
炉,酸化炉,焼入保持炉,焼戻炉,焼鈍炉,焼結炉,ろ
う付炉,冷却炉,空冷室,油槽(ホット,セミホット,
コールド),ソルト槽,水槽,サブゼロ冷却槽,浸漬洗
浄槽,真空脱脂炉などが考えられ、必要に応じて選択さ
れる。
【0009】
【発明の作用】本発明に係わる自動熱処理装置において
は、各種熱処理の単位工程処理を行う、例えば浸漬洗浄
槽,真空脱脂炉,浸炭炉,焼入保持炉,油槽,空冷室,
焼戻炉などの処理セルが内部を窒素などの不活性なガス
で置換した密閉搬送路に沿って設けてあり、被処理品
は、搬入路から真空パージ室を経て密閉搬送路に入り、
制御機構の管理のもとに無人搬送車に載置され、前記各
処理セルのうちからそれぞれの熱処理に応じて選ばれた
セルの間を所定の順序で移動し、洗浄,浸炭,焼入れ,
焼戻しなどの各単位工程処理が施されたのち真空パージ
室を経て搬出されるようになっている。
【0010】したがって、種々の処理セルからその熱処
理に必要なセルのみを選択使用すればよいのでバッチ炉
同様の融通性に富み、しかも被処理品の各処理セル間の
移動は制御機構の管理のもとに自動制御されているの
で、従来のバッチ炉以上にばらつきの少ない高品質なも
のとなる。 また、大量生産においても、処理品が順を
追って各処理セルに次々と送り込まれるので処理時間が
短縮され、連続炉に準じた生産性が得られることにな
る。
【0011】
【実施例】以下、本発明を図面に基づいて具体的に説明
する。
【0012】図1は、本発明に係わる自動熱処理装置の
一実施例を説明するものであって、図に示す自動熱処理
装置1は、中央部に気密構造を備えた密閉搬送路2を備
え、該搬送路2の両側には熱処理の単位工程処理を行う
ための処理セル3〜22が、この実施例では合計20基
配置してある(これら処理セルの具体的構成については
後述する)。
【0013】前記搬送路2の図中左端の両側には前記処
理セル3および4に隣接して真空パージ室23,24が
設けてあり、該真空パージ室23,24には搬入用コン
ベア25,搬出用コンベア26(搬入搬出路)がそれぞ
れ接続されている。 なお、前記搬送路2は真空ポンプ
および窒素配管を備え、内部雰囲気を窒素に置換するよ
うになっており、前記各処理セル3〜22および真空パ
ージ室23,24とはそれぞれシール扉27を介して接
続されていると共に、当該搬送路2内をコンピュータ制
御の無人搬送車28が自動走行するようになっている。
また前記各処理セル3〜22は、前記搬送路2の背面
側にもシール扉29を備えており、設備の稼働中でも点
検や補修ができるようになっている。
【0014】前記処理セル3および4は、焼戻炉であっ
て、ヒータを備え、窒素雰囲気中で焼戻処理を行うよう
になっている。
【0015】処理セル5および6は、真空脱脂炉であ
り、真空ポンプとヒータを備え、減圧と加熱によって被
処理品の表面に付着した切削油や焼入油を蒸発除去させ
るのに使用される。
【0016】処理セル7および8は、浸漬洗浄槽であっ
て、洗浄液(油)を収納した槽と被処理品を載置するエ
レベータを備え、前記真空脱脂炉5,6で蒸発しにくい
高沸点油脂の付着した被処理品を予備洗浄することによ
って低沸点油脂に置き換え、真空脱脂を有効なものにす
るのに用いられる。
【0017】処理セル9〜12は、焼入油を収納した油
槽であり、被処理品を焼入油に浸漬するためのエレベー
タと焼入油を所定の温度に保持するヒータとを備えてい
る。なお、各油槽は必要に応じてそれぞれ異なった温度
に保持される。
【0018】処理セル13は、焼入保持炉であって、ヒ
ータを備え、被処理品を窒素雰囲気中で焼入温度に所定
の時間保持するのに用いられる。
【0019】処理セル14は、空冷室であり、例えば焼
戻し後、被処理品を窒素雰囲気中で空冷するのに用いら
れる。
【0020】処理セル15〜20は、浸炭炉であって、
ヒータと炉内をパージするための真空ポンプを備え、浸
炭ガスを循環させるとともに、炉内雰囲気をカーボンセ
ンサなどによって制御するようになっている。 なお、
この浸炭炉15〜20においては、浸炭処理中炉内温度
を変えることがないのでスーティングの恐れがなく、良
好な仕上げ肌が安定して得られると共に、キャリアガス
量が少ないので変成炉式(RXガス)、有機溶剤滴下式
(メタノールなどの分解ガス)のどちらでも適用するこ
とができる。
【0021】処理セル21は、窒化炉であり、ヒータと
真空ポンプと炉内にアンモニアを供給する配管とを備え
ている。
【0022】そして、処理セル22は、酸化炉であっ
て、ヒータと真空ポンプと炉内を酸化雰囲気にするため
の酸素もしくは空気の送給配管を備えたものである。
【0023】また、当該自動熱処理装置1は、制御室内
の制御盤30にFAコンピュータに接続された制御機構
を備えており、前記各装置との間を図示しない地下ケー
ブルで結ぶことにより、炉温や油槽温度,炉内雰囲気な
どを集中監理すると共に、種々の熱処理ごとに予め定め
られたプログラムに従って、前記無人搬送車28の搬送
路2内での走行および当該無人搬送車28と前記各処理
セルおよび真空パージ室23,24との間での被処理品
の受け渡しを監理するようになっている。
【0024】以下に、このような構成を有する自動熱処
理装置1を使用して行う各種の熱処理例について説明す
る。
【0025】(1)浸炭焼入処理 まず、運転準備として、搬送路2,搬出側真空パージ室
24および使用する各処理セル(例えば、3,5,7,
9,13,15)内が窒素ガスに置換される。このとき
のガス置換は、残留酸素濃度が0.1%以下となるよう
にしてある。また、各処理セル(3,5,9,13,1
5)のヒータに通電され、油槽および炉内温度が所定温
度に保持される。 なお、このとき各セルの使用時間お
よび昇温時間を考慮して順次通電を開始するようにプロ
グラミングしてもよい。
【0026】次に、搬入用コンベア25により搬送され
てきた被処理品が真空パージ室23内に収容され、真空
ポンプ23aを作動させることにより室内の空気を排除
したのち窒素ガスが導入され、真空パージ室23内が窒
素ガスに置換される。 このときの残留酸素濃度につい
ても0.1%以下となるようにしてある。
【0027】残留酸素濃度が上記数値であることが確認
されたら、当該真空パージ室23と密閉搬送路2との間
のシール扉27が開放され、被処理品が搬送路2内の無
人搬送車28に載置され、該無人搬送車28は走行を開
始し、前記処理セルのうちの浸漬洗浄槽7の前で停止す
る。
【0028】無人搬送車28が浸漬洗浄槽7の前で停止
すると、該浸漬洗浄槽7のシール扉27が開き、前記被
処理品は浸漬洗浄槽7のエレベータに載置され、エレベ
ータの下降によって槽内の予備洗浄油中に浸漬されると
ともに、エレベータの上下動によって揺動洗浄される。
所定の時間経過後、エレベータが上昇し、油切りされ
たのちシール扉27が開き、被処理品は搬送車28に再
度載置されて真空脱脂炉5の前まで搬送される。
【0029】無人搬送車28が真空脱脂炉5の前で停止
すると、同様に真空脱脂炉5のシール扉27が開き、前
記被処理品は真空脱脂炉5内に収容され、前記シール扉
27が閉じられると真空ポンプが作動し、当該真空脱脂
炉5内が減圧され、前記浸漬洗浄槽7における予備洗浄
によって付着した洗浄油が減圧と加熱によって、被処理
品から蒸発除去される。 そして、前記被処理品が所定
の温度および真空度の真空脱脂炉5内に保持され、所定
の時間が経過すると、真空脱脂炉5内が窒素ガスによっ
て復圧されたのちシール扉27が開き、被処理品は搬送
車28に再度載置されて浸炭炉15の前まで搬送され
る。
【0030】搬送車28が浸炭炉15の前に到達する
と、浸炭炉15のシール扉27が開放されて、被処理品
は浸炭炉15内に収容され、炉内パージののちRXガス
あるいはメタノールなど有機溶剤の分解ガスによって浸
炭雰囲気とされた浸炭炉15内に所定の時間保持される
ことによって、浸炭および拡散反応が進行する。 な
お、このときの雰囲気制御は、前述のようにカーボンセ
ンサにより炭素ポテンシャルを管理することにより行わ
れる。 所定の時間が経過し、浸炭および拡散工程が終
了すると、浸炭炉15内は真空ポンプによって、いった
ん減圧され、その後窒素ガスによって復圧される。
【0031】浸炭炉15内が窒素ガスで復圧され搬送路
2と同じ気圧になると、前記シール扉27が開き、被処
理品は浸炭炉15から搬送車28に載置されて焼入保持
炉13の前まで搬送され、同様にして窒素ガス雰囲気の
焼入保持炉13内に収容される。 なお、浸炭炉15か
ら焼入保持炉13への搬送に際して、被処理品の温度が
焼入温度以下に低下したとしても、焼入保持炉13にお
いて再加熱されるので何ら問題はない。
【0032】焼入保持炉13において所定の時間焼入温
度に保持された被処理品は、搬送車28によって油槽9
の前まで搬送されて油槽9のエレベータに載置され、該
エレベータの下降によって、所定の温度に保持された焼
入油中に焼入れられる。 そして、エレベータが上昇し
て油切りがなされたのち再び搬送車28に載置されて、
浸漬洗浄槽7まで搬送される。
【0033】被処理品は、浸漬洗浄槽7において前回同
様にエレベータに載置され所定の時間浸漬されることに
よって付着していた焼入油が洗い落とされたのち、搬送
車28によって真空脱脂炉5に運ばれ、真空脱脂炉5内
で前記浸漬洗浄槽7における予備洗浄によって付着した
洗浄油が減圧と加熱により、被処理品から蒸発除去され
る。 所定の時間が経過すると、真空脱脂炉5が窒素ガ
スによって復圧されたのちシール扉27が開き、被処理
品は搬送車28に載置されて焼戻炉3の前まで搬送され
る。
【0034】搬送車28が焼戻炉3の前で停止すると、
同様に焼戻炉3のシール扉27が開き、前記被処理品は
焼戻炉3内に収容され、窒素ガス雰囲気下で所定の焼戻
処理が施される。
【0035】焼戻処理終了後、被処理品は、搬送車28
に載置されて搬出側の真空パージ室24に移され、該真
空パージ室24のシール扉27を閉じたのち搬出用コン
ベア26によって搬出され、次工程に回される。 な
お、このとき焼戻処理の後、被処理品をいったん空冷室
14内に収容し、冷却したのちに真空パージ室24を経
て搬出するようにしてもよい。
【0036】上記一連の浸炭処理工程において、無人搬
送車28の走行や各処理セルとの間での被処理品の受け
渡し、シール扉27の開閉やエレベータの昇降、炉や搬
送路内のパージや雰囲気置換に際しての真空ポンプの作
動やバルブ操作、さらに各処理セルの温度や雰囲気制
御、各処理セル内での処理時間管理などは、予め定めら
れたプログラムに従って制御機構30により制御されて
おり、作業者は監視と保守要員だけでよいことになる。
【0037】(2)窒化油冷処理 まず、前記浸炭処理と同様に、運転準備として、搬送路
2,搬出側真空パージ室24および使用する各処理セル
(例えば、6,8,10,21)内が窒素ガスに置換さ
れ、各処理セル(6,8,10,21)のヒータに通電
され、炉内温度が所定温度に保持される。
【0038】次に、搬入用コンベア25により搬送され
てきた被処理品が真空パージ室23内に収容され、真空
パージ室23内が窒素ガスに置換される。 なお、この
ときの残留酸素濃度については前記浸炭処理と変わると
ころはなく、これ以降のシール扉27の開閉や被処理品
の搬送車28と各処理セルとの受け渡し手順などについ
ても前記浸炭処理と基本的に変わるものではないので説
明を省略する。
【0039】次いで、被処理品は搬送車28に載置され
て、搬送路2内を浸漬洗浄槽8および真空脱脂炉6に搬
送され、前記同様に予備洗浄および真空脱脂が施され
る。
【0040】そして、前記被処理品は、約500℃に保
持された窒化炉21内に収容され、炉内パージの後アン
モニアガス雰囲気中に所定の時間保持されて、窒化処理
が施される。
【0041】次に、被処理品は油槽10に搬送され、油
中に冷却される。 このとき、窒化処理終了後の窒化炉
21内の窒素ガス置換および油槽10への搬送の間に被
処理品の温度が450℃以下に下がるようであれば、焼
入保持炉13で再加熱してもよい。 この後、被処理品
は浸漬洗浄槽8および真空脱脂炉6で洗浄,脱脂され、
真空パージ室24を経て搬出用コンベア26に搬出され
る。
【0042】(3)窒化空冷処理 被処理品は、真空パージ室23,浸漬洗浄槽8,真空脱
脂炉6,窒化炉21,空冷室14,および真空パージ室
24を経て搬出用コンベア26に搬出され、油冷しない
ので窒化処理後の脱脂洗浄が不要となることを除いて、
前記窒化油冷処理と変わるところはない。
【0043】(4)窒酸化処理 被処理品は、前記窒化油冷処理と同様に、搬入用コンベ
ア23から真空パージ室23を経て、搬送路2内に入
り、浸漬洗浄槽8および真空脱脂炉6で付着している切
削油などが除去され、窒化炉21において前記同様の窒
化処理が施される。
【0044】この後被処理品は、酸化炉22内に収容さ
れ、窒素−酸素の混合雰囲気下で500〜550℃に保
持され、これによって当該被処理品の窒化表面に耐摩耗
性に優れた安定なFe3 4 の酸化皮膜が生成される。
【0045】そして、被処理品は空冷室14で空冷され
た後、真空パージ室24を経て搬出用コンベア26に搬
出される。
【0046】(5)焼入・焼戻処理 まず、運転準備として、前記浸炭焼入処理と同様に、搬
送路2,搬出側真空パージ室24および使用する各処理
セル(例えば、3,5,7,9,13、14)内が窒素
ガスに置換され、各処理セル(3,7,9,13)のヒ
ータに通電され、炉内温度が所定温度に保持される。
【0047】搬入用コンベア25により搬送されてきた
被処理品は、真空パージ室23内に収容され、前記浸炭
焼入処理と同様に、搬送路2内を浸漬洗浄槽7および真
空脱脂炉5に搬送され、被処理品に付着した切削油など
が除去される。
【0048】次に、焼入保持炉13内で所定の時間保持
され、焼入温度に均一加熱されたのち油槽9に搬送され
て焼入油中に急冷される。 そして、再度浸漬洗浄槽7
に搬送されて付着した焼入油が洗浄され、さらに真空脱
脂炉5で洗浄油が減圧と加熱によって除去される。
【0049】次いで、被処理品は、焼戻炉3に搬送さ
れ、窒素ガス雰囲気中で所定の条件で焼戻処理が施され
る。 そして、焼入・焼戻処理の場合は、一般に焼戻温
度が高いので、こののち空冷室14内の窒素ガス雰囲気
中で空冷された後に真空パージ室24を経て搬出用コン
ベア26に搬出される。
【0050】なお、上記の実施例は、通常採用される熱
処理や窒酸化処理などの複合処理について述べたもので
あるが、ろう付けや焼結などの加熱処理されるものにも
適用されることはいうまでもない。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係わる自
動熱処理装置は、上記構成としたものであるから、バッ
チ炉の融通性と連続炉の生産性とを併せ持つものであ
り、種々の装置を処理セルとして組み合わせることによ
って、種々の熱処理や複合処理にきめ細かく対処するこ
とができるので、多品種少量生産が可能であると共に、
所定の順序に従って被処理品を各処理セルに移動させる
ので処理時間が短縮され、大量生産にも対応することが
できるという極めて優れた効果を発揮するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる自動熱処理装置の一実施例を示
す概略平面説明図である。
【符号の説明】
1 自動熱処理装置 2 密閉搬送路 3,4 処理セル(焼戻炉) 5,6 処理セル(真空脱脂炉) 7,8 処理セル(浸漬洗浄槽) 9,10,11,12 処理セル(油槽) 13 処理セル(焼入保持炉) 14 処理セル(空冷室) 15,16,17,18,19,20 処理セル(浸炭
炉) 21 処理セル(窒化炉) 22 処理セル(酸化炉) 23,24 真空パージ室 25 搬入用コンベア(搬入路) 26 搬出用コンベア(搬出路) 27,29 シール扉 28 無人搬送車 30 制御盤(制御機構)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 椛 澤 均 埼玉県大宮市大字南中野661番地の3 株 式会社日本テクノ内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外気から遮断されかつ内部が不活性なガ
    スで置換されると共に真空パージ室を介して被処理品の
    搬入搬出路に接続された密閉搬送路と、 前記密閉搬送路に沿って配置されると共にシール扉を介
    して当該密閉搬送路に接続され、熱処理の単位工程処理
    を行う複数の処理セルと、 前記密閉搬送路内を自動走行して前記真空パージ室およ
    び各処理セルの間で前記被処理品の受け渡しを行う無人
    搬送車と、 前記無人搬送車の走行および被処理品の受け渡しを管理
    する制御機構を備えたことを特徴とする自動熱処理装
    置。
  2. 【請求項2】 前記処理セルの密閉搬送路側とは反対側
    にもシール扉を備えていることを特徴とする請求項1記
    載の自動熱処理装置。
  3. 【請求項3】 前記密閉搬送路に処理セルのほかに待機
    台が接続されていることを特徴とする請求項1または2
    記載の自動熱処理装置。
JP28305692A 1992-10-21 1992-10-21 自動熱処理装置 Pending JPH06137765A (ja)

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