JPH0613724B2 - カムシヤフトの製造方法 - Google Patents
カムシヤフトの製造方法Info
- Publication number
- JPH0613724B2 JPH0613724B2 JP59019402A JP1940284A JPH0613724B2 JP H0613724 B2 JPH0613724 B2 JP H0613724B2 JP 59019402 A JP59019402 A JP 59019402A JP 1940284 A JP1940284 A JP 1940284A JP H0613724 B2 JPH0613724 B2 JP H0613724B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- journal
- stem
- copper
- weight
- steel
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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- Gears, Cams (AREA)
- Powder Metallurgy (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明はカムシャフトの製造方法に関し、詳しくはジャ
ーナルとして、スチールからなる外側材と銅を所定量含
有する固相焼結材からなる内側材を用い、かつ該ジャー
ナルに嵌合孔を設け、該ジャーナルを中空または中実の
スチール製のステムの所定位置に嵌合した後、炉中で焼
結することにより、ジャーナルの内側材から溶出した銅
によってジャーナルの外側材と内側材およびジャーナル
の内側材とステムを強固に凝固結合せしめる、簡便、か
つ加工性に優れたカムシャフトの製造方法に関する。
ーナルとして、スチールからなる外側材と銅を所定量含
有する固相焼結材からなる内側材を用い、かつ該ジャー
ナルに嵌合孔を設け、該ジャーナルを中空または中実の
スチール製のステムの所定位置に嵌合した後、炉中で焼
結することにより、ジャーナルの内側材から溶出した銅
によってジャーナルの外側材と内側材およびジャーナル
の内側材とステムを強固に凝固結合せしめる、簡便、か
つ加工性に優れたカムシャフトの製造方法に関する。
［従来の技術］ ジャーナルをステム、特に中空パイプに組み付けること
によってカムシャフトとしたものが種々提案されてお
り、従来の鋳造等による一体型のカムシャフトに比較し
て軽量、高性能なものが実現している。
によってカムシャフトとしたものが種々提案されてお
り、従来の鋳造等による一体型のカムシャフトに比較し
て軽量、高性能なものが実現している。
これらジャーナルとステムとの結合手段としては、鋳
造、溶接、ろう付等があるが、これらの方法は特殊技術
の必要性や変形、歪みの発生、密着度の不足等各々問題
があり、さらに溶接機械の操作、ろう材の配置作業等の
工数が多く簡便な方法とは言えない。
造、溶接、ろう付等があるが、これらの方法は特殊技術
の必要性や変形、歪みの発生、密着度の不足等各々問題
があり、さらに溶接機械の操作、ろう材の配置作業等の
工数が多く簡便な方法とは言えない。
別の方法として、液相焼結材によるジャーナルを鋼製の
中空パイプ等のステムに組み付けた後、液相焼結材の収
縮を利用して中空パイプ等のステムに固着させたものが
あり、特に耐摩耗性において優れている。しかし、この
カムシャフトは高硬度、高耐摩耗性であるゆえに、寸法
仕上げのために摺動面の研削加工を行なう際に困難が生
じるという加工上の問題がある。
中空パイプ等のステムに組み付けた後、液相焼結材の収
縮を利用して中空パイプ等のステムに固着させたものが
あり、特に耐摩耗性において優れている。しかし、この
カムシャフトは高硬度、高耐摩耗性であるゆえに、寸法
仕上げのために摺動面の研削加工を行なう際に困難が生
じるという加工上の問題がある。
［発明が解決しようとする課題］ 本発明は、ステムにジャーナルを簡便に取り付け可能
で、かつステムとジャーナルの接着強度に優れると共
に、加工性に優れたカムシャフトの製造方法を提供する
ことを目的とする。
で、かつステムとジャーナルの接着強度に優れると共
に、加工性に優れたカムシャフトの製造方法を提供する
ことを目的とする。
［課題を解決するための手段］ 本発明者等は、この目的に沿って鋭意研究の結果、ジャ
ーナルの内側材として固相焼結材を用い、しかもこの固
相焼結材中に銅を特定量を含有させることによって、ジ
ャーナルをステムに嵌合させた後、炉中で焼結した際
に、固相焼結材中の銅が溶融浸出し、ジャーナルの外側
材と内側材およびジャーナルの内側材とステムのそれぞ
れの間隙に侵入して両者が凝固結合することを見出し、
この方法が上記目的を満足することを知見して本発明に
到達した。
ーナルの内側材として固相焼結材を用い、しかもこの固
相焼結材中に銅を特定量を含有させることによって、ジ
ャーナルをステムに嵌合させた後、炉中で焼結した際
に、固相焼結材中の銅が溶融浸出し、ジャーナルの外側
材と内側材およびジャーナルの内側材とステムのそれぞ
れの間隙に侵入して両者が凝固結合することを見出し、
この方法が上記目的を満足することを知見して本発明に
到達した。
すなわち本発明は、スチールからなる外側材とＣｕを17
〜35重量％含有する銅−炭素−鉄系固相焼結材からなる
内側材とにより形成され、嵌合孔を有するジャーナル
を、スチール製ステムに嵌合組付けたのち、炉中で焼結
することを特徴とするカムシャフトの製造方法にある。
〜35重量％含有する銅−炭素−鉄系固相焼結材からなる
内側材とにより形成され、嵌合孔を有するジャーナル
を、スチール製ステムに嵌合組付けたのち、炉中で焼結
することを特徴とするカムシャフトの製造方法にある。
本発明においては、ジャーナルとして外側材と内側材と
からなり、ジャーナルの外側材としてスチールが用いら
れる。この外側材としてのスチールは所望により種々の
ものが選択され、ステムと同一の材質であっても異なっ
ていても良い。
からなり、ジャーナルの外側材としてスチールが用いら
れる。この外側材としてのスチールは所望により種々の
ものが選択され、ステムと同一の材質であっても異なっ
ていても良い。
本発明においては、ジャーナルの内側材として、銅を17
〜35重量％含有する銅−炭素−鉄系固相焼結材を用い
る。なお、銅は純銅または銅合金のかたちで固相焼結剤
中に含有されるが、いずれにしても銅含有量として上記
の範囲にあることが必要であり、この固相焼結材中の銅
の含有量が17重量％未満ではジャーナルの外側材と内側
材またはジャーナルの内側材とステムの結合が不充分と
なり、35重量％を越えて含有してもジャーナルの内側材
と外側材またはジャーナルの内側材とステムの結合にそ
れほど寄与せず、コスト増となり経済的に不利である。
また、本発明の内側材として使用する固相焼結材は炭素
を必須成分として含有するが、好ましい含有量は0.6〜
1.5重量％である。炭素の含有量が0.6重量％未満ではフ
ェライト量が増すので耐摩耗性が低下し、1.5重量％を
越えて含有すると炭化物が過多となり、加工性を害す
る。また、この固相焼結材中には任意成分としてＭｎ、
Ｓｉ、Ｎｉ、Ｍｏ等の元素が適宜含有され、強度、耐摩
耗性等の特性を調整することができ、その含有量は通常
0.2〜4.0重量％の範囲である。また、この焼結材におい
ても随伴不純物が微量含有されることは言うまでもな
い。本発明においてジャーナルをステムに嵌合後、焼結
することによって銅が拡散、移動することから焼結材の
空孔率を適宜定めることが必要で、内側材としての固相
焼結材の空孔率は好ましくは10〜40％の範囲にあること
が望ましい。
〜35重量％含有する銅−炭素−鉄系固相焼結材を用い
る。なお、銅は純銅または銅合金のかたちで固相焼結剤
中に含有されるが、いずれにしても銅含有量として上記
の範囲にあることが必要であり、この固相焼結材中の銅
の含有量が17重量％未満ではジャーナルの外側材と内側
材またはジャーナルの内側材とステムの結合が不充分と
なり、35重量％を越えて含有してもジャーナルの内側材
と外側材またはジャーナルの内側材とステムの結合にそ
れほど寄与せず、コスト増となり経済的に不利である。
また、本発明の内側材として使用する固相焼結材は炭素
を必須成分として含有するが、好ましい含有量は0.6〜
1.5重量％である。炭素の含有量が0.6重量％未満ではフ
ェライト量が増すので耐摩耗性が低下し、1.5重量％を
越えて含有すると炭化物が過多となり、加工性を害す
る。また、この固相焼結材中には任意成分としてＭｎ、
Ｓｉ、Ｎｉ、Ｍｏ等の元素が適宜含有され、強度、耐摩
耗性等の特性を調整することができ、その含有量は通常
0.2〜4.0重量％の範囲である。また、この焼結材におい
ても随伴不純物が微量含有されることは言うまでもな
い。本発明においてジャーナルをステムに嵌合後、焼結
することによって銅が拡散、移動することから焼結材の
空孔率を適宜定めることが必要で、内側材としての固相
焼結材の空孔率は好ましくは10〜40％の範囲にあること
が望ましい。
この外側材および内側材のステムに対する厚さは特に制
限はなく、適宜選択すれば良い。他方、それぞれの軸方
向に対する幅は、内側材と外側材が同一の幅となること
が好ましい。
限はなく、適宜選択すれば良い。他方、それぞれの軸方
向に対する幅は、内側材と外側材が同一の幅となること
が好ましい。
本発明においては、この外側材と内側材とを併せてジャ
ーナルとする。このジャーナルはステムに嵌合すべく、
嵌合孔を有する。この嵌合孔の内径はステムの外径とほ
ぼ同一で、ステムに密接して嵌合する径とすることが肝
要である。
ーナルとする。このジャーナルはステムに嵌合すべく、
嵌合孔を有する。この嵌合孔の内径はステムの外径とほ
ぼ同一で、ステムに密接して嵌合する径とすることが肝
要である。
本発明にあっては、ジャーナルをスチール製ステムの所
望部分に嵌合させる。ステムは中空または中実のいずれ
であっても良い。ステムの好ましいものとしては、例え
ばＪＩＳ ＳＴＫＭ13に規定されるＣ：0.17重量％、Ｓ
ｉ：0.14重量％、Mn：0.54重量％、Ｐ：0.013重量％、
Ｓ：0.004重量％および残部鉄とからなる鉄鋼のパイプ
が例示される。
望部分に嵌合させる。ステムは中空または中実のいずれ
であっても良い。ステムの好ましいものとしては、例え
ばＪＩＳ ＳＴＫＭ13に規定されるＣ：0.17重量％、Ｓ
ｉ：0.14重量％、Mn：0.54重量％、Ｐ：0.013重量％、
Ｓ：0.004重量％および残部鉄とからなる鉄鋼のパイプ
が例示される。
本発明においては、このようにジャーナルをスチール製
ステムの所望部位に嵌合した後、炉中で焼結する。焼結
条件は、固相焼結材中の銅が充分に溶融浸出する条件を
適宜選択する必要があり、例えば、1100〜1200℃、30〜
150分焼結を行なう。
ステムの所望部位に嵌合した後、炉中で焼結する。焼結
条件は、固相焼結材中の銅が充分に溶融浸出する条件を
適宜選択する必要があり、例えば、1100〜1200℃、30〜
150分焼結を行なう。
このように焼結することにより、銅は内側材としての固
相焼結材より溶融浸出し、ジャーナルの外側材と内側材
および内側材とステム間隙に侵入し、凝固結合して両者
を密に結合せしめる。
相焼結材より溶融浸出し、ジャーナルの外側材と内側材
および内側材とステム間隙に侵入し、凝固結合して両者
を密に結合せしめる。
［実施例］ 以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に説明する。
実施例 第１図は本発明により得られるカムシャフトの一実施例
を示す縦断正面図、第２図は第１図のＡ−Ａ′縦断側面
図である。
を示す縦断正面図、第２図は第１図のＡ−Ａ′縦断側面
図である。
スチールからなる外側材１とＣｕ20重量％、Ｃ1.0重量
％、残部Ｆｅとを含む銅−炭素−鉄系固相焼結材からな
る内側材２とで形成された嵌合孔を有するジャーナル３
を、スチール製中空ステム４の所定位置に嵌合組付した
後、炉中焼結した。ジャーナル３の内側材２中から溶融
浸出した銅は、ジャーナル３の外側材１と内側材２の間
隙に侵入すると同時に、ジャーナル３の内側材２とステ
ム４の間隙に侵入し、それぞれの間隙は毛細管現象によ
って銅が満遍なく満たされて、銅が凝固することにより
ジャーナル３の外側材１と内側材２および内側材２とス
テム４の結合が行なわれた。
％、残部Ｆｅとを含む銅−炭素−鉄系固相焼結材からな
る内側材２とで形成された嵌合孔を有するジャーナル３
を、スチール製中空ステム４の所定位置に嵌合組付した
後、炉中焼結した。ジャーナル３の内側材２中から溶融
浸出した銅は、ジャーナル３の外側材１と内側材２の間
隙に侵入すると同時に、ジャーナル３の内側材２とステ
ム４の間隙に侵入し、それぞれの間隙は毛細管現象によ
って銅が満遍なく満たされて、銅が凝固することにより
ジャーナル３の外側材１と内側材２および内側材２とス
テム４の結合が行なわれた。
［発明の効果］ 以上のごとき本発明においては、以下のごとき効果を奏
する。
する。
：一般に含燐共晶（ステダイト）が生成することによ
って高硬度となる液相焼結材に対し、硬度の低い固相焼
結材を用いたことによって加工性（切削性）が良好とな
った。固相焼結材中の炭素を含有するため、粒子間の拡
散結合、炭化物の形成等によりある程度の耐摩耗性は保
証される。
って高硬度となる液相焼結材に対し、硬度の低い固相焼
結材を用いたことによって加工性（切削性）が良好とな
った。固相焼結材中の炭素を含有するため、粒子間の拡
散結合、炭化物の形成等によりある程度の耐摩耗性は保
証される。
：溶接機械の操作、ろう材の配置作業等の不要な簡便
な方法である。
な方法である。
：銅は約２重量％まで固相焼結材中に固溶し、強度、
耐摩耗性等の改善に寄与する。
耐摩耗性等の改善に寄与する。
：ジャーナルの外側材にスチールを用いているため、
銅の使用量が少くて済むので経済的に安価である。
銅の使用量が少くて済むので経済的に安価である。
第１図は本発明により得られるカムシャフトの一実施例
を示す縦断正面図、 第２図は、第１図のＡ−Ａ′縦断側面図。 １……外側材、２……内側材、３……ジャーナル、４…
…ステム。
を示す縦断正面図、 第２図は、第１図のＡ−Ａ′縦断側面図。 １……外側材、２……内側材、３……ジャーナル、４…
…ステム。
Claims (2)
- 【請求項１】スチールからなる外側材とＣｕを17〜35重
量％含有する銅−炭素−鉄系固相焼結材からなる内側材
とにより形成され、嵌合孔を有するジャ−ナルを、スチ
ール製ステムに嵌合組付けたのち、炉中で焼結すること
を特徴とするカムシャフトの製造方法。 - 【請求項２】前記外側材の軸方向幅が内側材の軸方向幅
と同一であることを特徴とする前記特許請求の範囲第１
項記載のカムシャフトの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP59019402A JPH0613724B2 (ja) | 1984-02-07 | 1984-02-07 | カムシヤフトの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP59019402A JPH0613724B2 (ja) | 1984-02-07 | 1984-02-07 | カムシヤフトの製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS60165308A JPS60165308A (ja) | 1985-08-28 |
| JPH0613724B2 true JPH0613724B2 (ja) | 1994-02-23 |
Family
ID=11998269
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP59019402A Expired - Lifetime JPH0613724B2 (ja) | 1984-02-07 | 1984-02-07 | カムシヤフトの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0613724B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR20220088826A (ko) * | 2020-12-20 | 2022-06-28 | 김청균 | 물 자동공급 화분받침대 및 스마트 배양관리 시스템 |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| AT395688B (de) * | 1991-02-13 | 1993-02-25 | Miba Sintermetall Ag | Verfahren zum herstellen eines formteiles durch sintern |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6039105A (ja) * | 1983-08-13 | 1985-02-28 | Mitsubishi Metal Corp | カムシヤフト及びその製造方法 |
-
1984
- 1984-02-07 JP JP59019402A patent/JPH0613724B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR20220088826A (ko) * | 2020-12-20 | 2022-06-28 | 김청균 | 물 자동공급 화분받침대 및 스마트 배양관리 시스템 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS60165308A (ja) | 1985-08-28 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| EXPY | Cancellation because of completion of term |